2019-05-24

[EFSA]食品と飼料中のキノリジジンアルカロイド―草案に意見募集

Quinolizidine alkaloids in food and feed opinion – have your say on draft

23 May 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/190523

EFSAは食品と飼料中のキノリジジンアルカロイドの存在に関する動物とヒトの健康リスクに関する科学的意見についてパブリックコメントを募集している。

キノリジジンアルカロイドはハウチワマメの種に存在する可能性のある天然に生じる化合物である。

これらのアルカロイドが「苦味除去工程」で適切に除去されないと、ヒトの神経系、循環器系、消化器系に影響し中毒を引き起こす可能性がある。

パブリックコメント募集は201975日まで。

 

[HK]違反

-食品安全センターはソウギョのサンプルに微量のマラカイトグリーンを検出する

CFS finds traces of malachite green in grass carp samples

Thursday, May 23, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20190523_7461.html

食品安全センター及び食物環境衛生署は、定期的な食品サーベイランスプログラムにおいて、ソウギョのサンプルに微量の2.4ppbのマラカイトグリーンを検出したと発表した。

 

-瓶入りベジタリアン・オイスターソースのサンプルが栄養表示規則に違反している

Bottled vegetarian oyster flavoured sauce sample not in compliance with nutrition label rules

Thursday, May 23, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190523_7459.html

食品安全センターが検査したところ、香港産のベジタリアン向けオイスターソースのタンパク質が1.0g/15g(6.67g/100g)という申告のところ、3.4g/100g検出であった。

 

[FSSAI]メディアから

異物混入された食用油を避けるように、と食品安全部局は言う

Avoid adulterated edible oil, says food safety dept  

[Dated: 23-05-2019

https://fssai.tk/upload/media/FSSAI_News_Oil_TOI_23_05_2019.pdf

FSSAIは消費者に、安いからと質の悪い油を買わないように警告する。ごま油や落花生油にパーム油が混入されている。火曜日にMusiriの油工場を訪問して異物混入されたごま油と落花生油をみつけた。それらは70%がパーム油だった。違反者はパーム油にごまや落花生の風味をつけるために「エッセンス」を加えていた。そのエッセンスの名前はわからない。また混ぜた油であることを消費者にわかりにくいように小さい字で表示する場合もある。あるいは名前を記載せずに落花生の写真だけ使う。

パーム油と他の油を混ぜることは認められているが、事業者はその割合を表示せずに高値で売っている。医師らは規則にかかわらずパーム油は避けるべきと言う(健康上の理由から、飽和脂肪なので)

 

[EU]予防接種

Vaccination

欧州委員会のワクチンで予防できる病気への対策の協調を強化することについての欧州委員会からの意見や助言に基づく欧州委員会による行動実施のロードマップ

Roadmap for the implementation of actions by the European Commission based on the Commission Communication and the Council Recommendation on strengthening cooperation against vaccine preventable diseases

https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/vaccination/docs/2019-2022_roadmap_en.pdf

2022年までの各課題の実行タイムライン

(オンラインの間違った情報への対策などコミュニケーション関連の課題が目立つ)

 

論文

-カナダのフラッキング井戸近傍に住む妊婦に微量金属暴露

Trace metal exposure among pregnant women living near fracking wells in Canada

23-May-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-05/uom-tme052319.php

Journal of Exposure Science and Environmental Epidemiologyに発表された2016年の予備的調査の結果。一般人に比較してバリウム、アルミニウム、ストロンチウム、マンガンの毛髪及び尿中濃度が高い。天然ガス採掘地域の住人からの要請で始まった研究。

 

-毎日自分で体重を計ることが休日の体重増加を予防する

Daily self-weighing can prevent holiday weight gain

23-May-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-05/uog-dsc052319.php

Obesityに発表された14週間の試験

(何を今さらと思わずにいられないがこれで肥満業界の一流紙(肥満学会公式ジャーナル))

 

その他

-FDAは食品表示の分野を公平にする動き

FDA Moves to Level the Food-Labeling Playing Field

By Henry I. Miller May 21, 2019

https://www.realclearpolicy.com/articles/2019/05/21/fda_moves_to_level_the_food-labeling_playing_field_111198.html

FDAには食品の包装の表示が虚偽や誤解を招くものではないようにする任務がある。

しかし近年FDAの執行の優先順位は歪められてきた。2017年にマサチューセッツのパン屋に食品成分表示に「愛love」を入れたことについて警告文書を送った。それによると愛は成分の名前ではない。しかしFDAがこの小さなパン屋の違反を指摘する時間はあっても470億ドルものオーガニック団体の何十年にもわたる虚偽の詐欺的広告宣伝は無視してきた。それがどうやら終わるかもしれない。

例えばWhole Foodsのウェブサイトには「有害なあるいは残留する農薬を使わないで育てた」といった文言があるが実際には合成及び天然の農薬を使っている。また例えばオレンジジュースに「無脂肪」と表示するのは認めないのに、オレンジジュースに「ノンGMOプロジェクト認証」などと書いてあることには対応してこなかった。オレンジにGMOはない。

2015年にFDAがその手のGM品種が存在しない作物から作ったものにノンGMと表示することは虚偽又は誤解を招くものであるとしたガイダンスを発表したのは驚きだった。そしてGMOでないことでより安全で栄養があるなどの違いがあるという主張も虚偽又は誤解をまねくものであるとしている。

FDAはオーガニック食品昏睡から目覚めつつあるように見える。3月に発表したガイダンスではFDAがいくつかの広範に行われている詐欺的行為を認識していることを示す。

(いろいろ略 入っていない表示といえば

http://news.livedoor.com/article/detail/16502032/

 

-大麻と動物:ペットに大麻を使う前に知っておく必要のあること

Cannabis and animals: Everything you need to know before treating your pet

May 22nd, 2019

https://www.straight.com/cannabis/1244046/cannabis-and-animals-everything-you-need-know-treating-your-pet#

カナダ人は動物を大麻で治療することに関心が高まっている。逸話は多数あるもののカンナビノイドの動物への影響や毒性についての研究は少ない。ヘルスカナダが動物用に認可した大麻製品は存在しない。多くの人がヒト用の製品や違法マーケットで入手したものを動物に使っている

(各種情報源有り、長い記事。ペットが痛がっているのかどうかも正確にはわからないだろうに与えている人がたくさんいるとのこと)

 

-ドキシング:科学者を破壊する最新の戦略

Doxxing: The Newest Strategy to Destroy Scientists

By Alex Berezow — May 23, 2019

https://www.acsh.org/news/2019/05/22/doxxing-newest-strategy-destroy-scientists-14049

一般的にソーシャルメディアは、特にTwitterは、全くの下水管である。ニュースをシェアする役割が役にたつものだとしても、その拡散する嘘や噂や、暴徒のような行動を促すことで危険な武器になった。

201510月に私はRealClearScienceに、活動家達が情報公開法を濫用して大学の研究者の個人メールを要求している様子について記述した。一例が植物遺伝学者Kevin Folta博士の何百ページもの個人的電子メールをUCSFの反バイオテクノロジー活動家達が誰でも見られるようにウェブに公表したことだ。彼はGMOを支持したという理由で標的にされて何年もネットいじめにあっていた。Nature BiotechnologyのエディトリアルでもKevin Folta博士を支持し、自由な言論を抑圧する反科学狂信者に警告をした。

しかし事態はさらに悪化した。ソーシャルメディアの暴徒はバイオテクノロジーを支持する人は誰でも嫌がらせをし続けた。GMOとワクチンを支持するというフェイズブックページをもっていた中学校の先生をいじめ、家族まで標的にした。

そして再び悪化した。ドキシング(他人の個人情報をネットに晒す行為)である。

Kevin Folta博士を首にできなかった活動家は個人攻撃を始めた。信頼を毀損したとしてScineceを解雇されたジャーナリストMichael BalterKevin Folta博士の住所や銀行口座を含む情報を公開した。Folta博士に確認したところそれは盗んだかハッキングしたものに違いないという。

Michael Balter氏のツイッターのスクリーンショット。自宅に押しかけることを示唆)

Folta博士はTwitterアカウントを閉鎖すると言っている。Twitterは科学者にとって安全な場所ではない。私もそれは正しいことを保証する、殺すと強迫されたことがあるので。

 

-Nature Volume 569 Issue 7757, 23 May 2019は欧州の科学特集

欧州議会の選挙が行われているのにあわせて

 

-Scienceニュースコーナー

Science  24 May 2019:Vol. 364, Issue 6442, pp. 712-714

・ブラジルで研究費カットに抗議

極右のJair Bolsonaro大統領が科学省予算の42%カット、3000人以上の大学院生の奨学金凍結などを発表したことを受けて225市以上でデモ行進が行われた。さらに大統領が大学の上級役員を選ぶようにした。大統領は抗議する人達を「大学をコントロールする一部に操られた馬鹿者ども」と呼んでいる

・禁止された化合物の排出が中国からであると追跡された

Natureに発表された論文でCFC-11の増加のもとを追跡

・イランがゴーストライティングを標的に

イラン当局が学術論文の代筆市場を取り締まっている。先週テヘラン警察がお金を受け取って論文を書いていた25人を逮捕しコンピューターなどを押収したと地元メディアが報道。2017年にイランの議会で学生や科学者が論文を買うことを犯罪にしていた。イランでは数千のそのような業者がいると考えられている(日本にもあるよ)

・豪州の投票は気候への期待を抑制

予想に反して温室効果ガス排出抑制を公約した労働党が敗北