[EU]査察
-ベルギー―食品改良剤(食品添加物)
Belgium―Food improvement agents
28/05/2019
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4128
2018年11月20~28日にベルギーで実施した食品改良剤(FIAs)についてのEUの法的要求の実行に関する適切な公的管理システムを評価するための査察。FIAsの生産、貿易、使用に関する公的管理システムは、EU規則に従っている。だが、以前は検査中に使用されていたチェックリストによる質問が削除され、FBOsでの体系的管理がなくなっている。場合によっては知識のある検査官が独自の主導でその管理を実行し続けている。FIAsの特別管理としての二次検査の共同管理は、まだその内容が改訂/削減された時に生じる管理のギャップが残され、適切な手段ではない。
-コソボ―動物由来食品(家禽肉製品)
Kosovo―Food of animal origin (poultry meat products)
28/05/2019
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4127
2019年1月29日~2月1日までコソボで実施したEU輸出用家禽肉製品の公的生産管理システムを評価するための査察。食品生産施設の公的管理システムは適切で、管轄機関が指定され、必要な管理を実行する権限がある。だが、この管理システムの効果は多くの欠点に影響されている。そのうち最も重要なのは、法律のギャップを除くと、重要な管轄機関への適切な理解がないことである。これは、適用される規則や施設認可に関する関連する手順の不備につながる。EU準拠施設だけがEUへの一覧表に示され、EU準拠の肉製品だけが認証されているという保証提供能力を害している。
[EFSA]ジャガイモと小麦のホセチル/ホスホン酸の既存MRL改訂
Modification of the existing maximum residue level for fosetyl/phosphonic acid for potatoes and wheat
EFSA Journal 2019;17(5):5703 27 May 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5703
申請者Luxembourg Industries (Pamol) Ltd 及び De Sangosse SASは、ジャガイモ、小麦、動物商品へのホスホン酸カリウムの使用に関するホセチル/ホスホン酸の既存最大残留基準(MRL)を改訂するためにフランス国立管轄機関に要請を提出した。要請を支援するために提出されたデータは評価中の作物や動物商品のMRL提案を導出するのに十分だと分かった。高水分の及び乾燥マトリクスに検証された定量限界(LOQ) 0.01 mg/kg、強酸性マトリクスのLOQ 0.1 mg/kg、動物マトリクスと卵で検証されたLOQ 0.05 mg/kg、牛乳で検証されたLOQ 0.01 mg/kgで、検討中の作物のホスホン酸の残留物を管理するのに適切な分析手段が得られた。リスク評価結果に基づき、EFSAは報告された農業規範によるホスホン酸カリウムの使用から生じる残留物の摂取は消費者のリスクになりそうもないと結論した。
[EFSA]EFSAの運営理事会の一部更新-募集
Partial renewal of EFSA's Management Board - call for applications
27 May 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/190527
欧州委員会はEFSAの運営理事会の14人中7人を任命するための募集を開始した。任命は2020年6月1日から2022年6月30日までの2年任期となる予定である。
全ての応募申請が提出され選択手順が完了すると、欧州委員会は欧州理事会に送る候補者リストを作成し、それにより欧州議会と協議して新たな委員を任命する。
欧州議会と理事会が今年の後半にEC規則No 178/2002と他の8のEU法(「透明性の規則」)を改正する、フードチェーンのEUのリスク評価の透明性と持続性に関する新たな規則を正式に採用する際に、任期期間は修正の対象となる。
応募書類提出期限は2019年7月19日まで。
・募集-申請様式
https://ec.europa.eu/food/efsa/management-board_en
[FDA] 包装された食品の日付表示による混乱
Confused by Date Labels on Packaged Foods
05/23/2019
https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/confused-date-labels-packaged-foods
食品業界と消費者の間で、米国市民は約3分の1の毎年約1610億ドルに相当する食品を廃棄している。「毎日国全体で行われる食品廃棄は、スーパーマーケットで買った日用品いっぱいの3つの袋のうち1袋をゴミ箱に投げ捨てるようなものである」とFood Policy and ResponseのFDAコミッショナー代理Frank Yiannasは述べる。「use before(使用期限)」「sell by(販売期限)」「expires on(期限切れ)」と、他にも多様な日付表示の用語があり、包装食品ラベルの日付の意味を消費者があまりよく知らないことが、家庭の食品廃棄の約20%の原因と考えられる。消費者が混乱しないよう、FDAは、日付が、安全性でなく、単に最適な品質に関連するものの場合、包装食品の表示は、適切な保管下では期限切れ食品を捨てる必要がないとわかる「Best if Used By賞味期限(最適使用期限)」の使用を標準化する食品業界の取り組みを支援している。「既に多くの食品生産業者が採用しており、『Best if Used By』に用語の統一が徐々に進むことを期待する。」とYiannas氏は述べる。FDAの取り組みは政府主導のいわゆる食品廃棄削減活動の一環で、FDA、米国環境保護庁(EPA)及び米国農務省(USDA)が連携して、消費者への腐敗食品により病気になるリスクなく、安全に食品ロス及び廃棄を削減する方法の教育も含む。
多くの日付表示は精密科学に基づくものではない
製造業者が彼らの裁量及び様々な理由で適用した、食品の品質や風味の保持期限を記すことはよくある。乳幼児用調製粉乳製品は例外で、「Use By(使用期限)」を記す義務がある。一般に包装食品に日付表示の義務はない。FDAの食品安全・応用栄養センターの食品安全担当のシニアアドバイザーKevin Smith氏は、包装食品の「Best if Used by」の表示は製品品質に関連するが、品質が消費に十分適さない時期予測は精密科学ではないとし、「Best if Used By」を過ぎて保管している食品は定期的に確認するよう消費者に助言する。食品が明らかに色、堅さあるいは食感が変わったならば、避けるべきである、と言う。また、肉、シーフード及び乳製品を含む傷みやすい食品の期限に関するオンラインリソースがある。
・FoodKeeper (https://www.foodsafety.gov/keep/foodkeeperapp/index.html)は、鮮度及び品質を最大限にするための食品や飲料の保管の理解を促進する目的である。
・Refrigerator and Freezer Storage Chart on page 4 of the FDA’s Food Facts brochure (https://www.fda.gov/media/101389/download):FDAの食品のパンフレットの冷蔵・冷凍保管のチャートは、どの食品が冷蔵庫あるいは冷凍庫保管か、また保管期間についてのより詳しい情報を提供している。
無駄をしない:食品廃棄削減方法に関する助言
FDAは消費者が食品廃棄削減の対策をよりよく理解できるよう、連邦政府のパートナ及びその他のステークホルダーと共に取り組んでおり、FDAの食品廃棄及びロスのページはFDA、EPA及びUSDAのリソースにリンクする。
食品廃棄削減の他の方法:
・鮮度、品質及び安全性のために皮をむいたり、切ったりした野菜を冷蔵保管しよう。
・冷凍庫は、品質保持のため、多くの食品を保管するには非常に良い方法である。
・まとめ買いや衝動買い、特に保存可能期限のある食品や乳製品に関してはやめよう。
・外食では少量を注文し、残りは家に持ち帰り、2時間以内に冷蔵あるいは冷凍しよう。
詳しくはFDAの食品廃棄を避けるヒント(https://www.fda.gov/food/consumers/tips-reduce-food-waste)で読める。
「食品廃棄削減は共同責任で、消費者がとりわけ重要な役割を果たす。FDAは安全で健全な選択をするための必要な情報を提供する。食品は捨てるにはもったいない。」とYiannas氏は述べる。
[NHS]蜂蜜はヘルペス用「抗ウイルスクリームと同等の効果」がある
Honey 'as good as antiviral creams' for cold sores
Tuesday May 28 2019
https://www.nhs.uk/news/medication/honey-good-antiviral-creams-cold-sores/
「蜂蜜はヘルペス治療薬の『抗ウイルスクリームと同等の効果』である」とMail Onlineは報道する。
ヘルペスは単純疱疹(ヘルペス)ウイルス(HSV)によって引き起こされる口周辺の皮膚感染症である。ウイルスを有する他の人との直接の皮膚接触を介して感染する。
一度感染すると、HSVは神経細胞内に潜伏し、別の機会に、特に疲れているときに再活性化する可能性があり、それがヘルペスを再発する人がいる理由である。
ヘルペスの一般的な治療法はアシクロビルと言われる抗ウイルスクリーム薬である。
最新の研究が、アシクロビルクリーム薬あるいは「医療グレードの」ニュージーランド産カヌカ蜂蜜を皮膚に塗布するため、HSV患者である1,000人ほどの成人を無作為化した。
痛みが治るまでに要する時間には有意な差はなかった:アシクロビル薬で8日間、蜂蜜で9日間であった。
結果は蜂蜜が抗ウイルス薬より効くということを示すものではなく、同じように効果があるように思われた。
しかし、ヘルペスは治療せずに1、2週間以内に良くなり、試験は治療しないグループを含まなかった。
この結果は治るまでの時間に抗ウイルスクリームも蜂蜜もほとんど差がなかったということを示す可能性はある。
さらに、蜂蜜が何か特別なことをしたとしても、性質が「医療グレードの」カヌカ蜂蜜に特有か、あるいはどのような蜂蜜でも同じなのかはわからない。
もし、再発するヘルペスがあるならば、抗ウイルス錠剤が必要かもしれないので、医師(GP)の診察を受けること。
[HK] 法令違反
-包装ベジタリアンスモークグースが栄養表示規則に違反している
Prepackaged Vegetarian Smoked Goose not in compliance with nutrition label rules
Tuesday, May 28, 2019
https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190528_7467.html
食品安全センターが検査したところ、中国産のベジタリアンスモークグースのナトリウムが389mg/100gという申告のところ、600mg/100g検出であった。
-包装ベジタリアンビーフボール(卵入り)が栄養表示規則に違反している
Prepackaged素牛丸(蛋素) not in compliance with nutrition label rules
Tuesday, May 28, 2019
https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20190528_7468.html
食品安全センターが検査したところ、台湾産の包装素牛丸(蛋素)のナトリウムが190mg/50g (約380mg/100g)という申告のところ、960mg/100g検出であった。
[IARC]IARCは欧州対がん週間を記念する
IARC marks European Week Against Cancer
28 May 2019
https://www.iarc.fr/news-events/iarc-marks-european-week-against-cancer/
2019年欧州対がん週間(5月25–31 日)に、人々に対してがんリスクを減らすためにできることを再確認する。リスク要因は喫煙、飲酒、過体重または肥満、不健康な食事、運動不足、感染、がんの原因となる放射線や化学物質への暴露。
欧州対がんコードは12の助言を提供する
European Code Against Cancer
https://cancer-code-europe.iarc.fr/index.php/en/
[FDA]食品安全に関連する新興化学「についてのFDA-ACS会議
FDA-ACS Colloquia on Emerging Chemical Science Related to Food Safety
May 28, 2019
FDAは米国化学会(ACS)と協力して食品安全に関連する化学に焦点を絞った一連の隔年トレーニングを行っている。半日の訓練セッションはCFSAN従業員の教育であるが会議は一般に公開され化学の分野での専門家との交流の機会になる。会議の議題はフレーバー修飾因子、製造工程、仕様、分析法などである。事前登録はACSのサイトで
https://www.acs.org/content/acs/en/meetings/affiliated/fda-frontiers-in-flavor-chemistry.html
[NASEM]イベント予告 がん分野のヘルスリテラシーとコミュニケーション戦略:ワークショップ
Health Literacy and Communication Strategies in Oncology: A Workshop
July 15, 2019 - July 16, 2019
http://nationalacademies.org/hmd/Activities/Disease/NCPF/2019-JULY-15.aspx
ヘルスリテラシーとは個人が医療についての意志決定を行う際に情報にアクセスし理解し使うことのできる程度のことである。しかし推定によると米国成人の1/3はヘルスリテラシーが低いことが示唆されている。不適切なヘルスリテラシーは個人が健康的な行動をとり、がん医療連続体の医療システムを上手に利用することを困難にする可能性がある。がん予防とケアにおけるコミュニケーションの改善の機会を検討し、ヘルスリテラシーの低い人をより良くサポートするために、米国がん政策フォーラムではヘルスリテラシー円卓会議と協力してワークショップを開催する。ワークショップのテーマは以下のようなものになる
・医療の専門家が患者やその家族とがんリスク、予防、検出、治療について根拠に基づいた情報のコミュニケーションを改善するための戦略と優良行動規範
・信頼を構築しがんについての不正確な情報に対抗するための効果的コミュニケーション戦略、特にがん医療の根拠が進化する性質とますます複雑になることに関連して。
・広範な集団の需要にあうためのがんについての情報とメッセージ戦略
・評価と患者とその家族の多様なヘルスリテラシーの必要性に一貫して対応するための組織レベルでの方法、方針、プログラム
論文
-摂食障害発症から30年後、病気の人は減った
Thirty years after anorexia onset, fewer ill than healthy
27-May-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-05/uog-tya052719.php
1985年に10代で摂食障害になった50人を30年後に調べたところ、多くは健康であったが一部が摂食障害が続いていた。British Journal of Psychiatryに発表されたスウェーデンの研究。
-嚥下障害の人のためのテクスチャーを変えた食品
Texture-modified foods for people with dysphagia
28-May-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-05/uotb-tff052819.php
Food Hydrocolloidsに発表されたBasque Country大学テクスチャー解析研究室のOlaia Martínez教授らの研究。食品を飲み込むことが困難な人は8%、それが高齢者や神経変性疾患患者ではさらに高率で30-80%になる。その結果栄養不良や病気の悪化、あるいは窒息、誤嚥のための呼吸器合併症による死亡につながる可能性がある。この研究では各種増粘多糖類の飲み込み性能を評価した。個人の状況により調整する必要があり多様な選択肢と研究が必要。
その他
-抗酸化物質の大嘘からの教訓
Lessons From the Great Antioxidant Lie
By Ross Pomeroy May 28, 2019
https://www.realclearscience.com/blog/2019/05/28/lessons_from_the_great_antioxidant_lie.html
抗酸化物質は四半世紀に渡って健康についての大変革ともてはやされてきた。1990年代初期に流行し始めたときは、ベータカロテンやビタミンEやグルタチオンなどががんや心疾患、神経変性を予防すると予想された。これらは「酸化的ストレス」を生み出す人体のフリーラジカルの拡大を抑制する。
初期のin vitroや観察研究は期待できる結果だったので科学者は興奮した。健康「教祖」がその知見を本や記事として誇大宣伝した。サプリメント業者は新しいネタを見つけた。食品事業者はヨーグルトからチョコレートや炭酸飲料まであらゆる製品に抗酸化宣伝を貼り付けた。抗酸化の熱狂が始まった。
しかし2000年代初期にヒトでのRCTでネガティブな結果が圧倒した。試験機関が十分ではない、対象集団が間違っているなどと疑う科学者もいたがその次の10年でもっとたくさんの実験が行われ圧倒的にネガティブだった。
現在科学者は抗酸化物質は期待していたような健康促進剤ではないということがますます受け容れられている。抗酸化物質が健康によいというのは嘘だった。ここから得られる教訓は
1. in vitroはin vivoではない
2.科学者でもアイディアに固執することがある
3.話がうますぎる場合は大抵嘘
4.食品のマーケティングはほとんど無意味
(もう一つ足すと 科学の世界でどんなに否定されてもマーケティングの世界では生き残り取り返しがつかない)
-あなたが食欲を信頼すべきでない理由
BBC特集
Why you shouldn’t trust your food cravings
By Jessica Brown 28 May 2019
http://www.bbc.com/future/story/20190524-food-cravings-are-they-a-sign-of-nutritional-deficit
多くの人が何かを食べたくてたまらなくなるのは身体がその栄養を必要としている徴であると信じている。しかし研究は一つの例外の可能性を除きそんなことはありそうにないことを示す
多くの研究によると特定のものを食べたくてたまらなくなる理由は主に心理的なものである。西洋ではチョコレートへの渇望がよく見られるが東洋ではそんなにない。
(欧米人はほんとにチョコレート好きだよね)
-ミスインフォデミクスと戦う
Fighting misinfodemics
Harvard T.H. Chan School of Public Health
https://www.youtube.com/watch?v=63Nj1zOt1ro
短い動画。Misinfodemicsという言葉をつくった。オンラインの間違った情報で感染症アウトブレイクがおこっていること
-アマゾンが危険な漂白剤で自閉症やその他の病気を「なおす」と宣伝している本を排除
Amazon removes books promoting dangerous bleach ‘cures’ for autism and other conditions
Published Tue, May 28 2019
自家製漂白剤で自閉症などを治そうという非科学的宣伝をしている一ダース以上の本をアマゾンが除去した。FDAが警告しているものをアマゾンが売り続けていることで監視が増加していた
-今週の欧州の選挙が科学にとって良いニュースである理由
Scienceニュース
Here’s why the outcomes of this week’s European elections are good news for science
By Tania RabesandratanaMay. 28, 2019 ,
先週の欧州議会の選挙ではポピュリストとEU懐疑派が増加したものの、EUの支持者が恐れていた津波(tsunami)は起こらなかった。一部の科学者はこれに安堵した-なぜなら現在欧州で増加しているポピュリストムーブメントは科学にほとんど関心がなく、反科学的考えを弄び、学問の自由を奪おうとするように見えるから。
ブリュッセルのオブザーバーによると新しい議会は気前よく研究費を出す方針を継続するだろう。しかしこれまで主流だった二つの派に代わってEU支持のグリーンとリベラルの増加は科学技術の優先順位を少し変える可能性がある。
(以下略。あまり先行き良さそうに聞こえないんだが)
-ゴールデンライス:公衆衛生のためにビタミンA欠乏と戦う
Golden Rice: To Combat Vitamin A Deficiency for Public Health
By Adrian Dubock
Submitted: September 6th 2018Reviewed: January 16th 2019Published: March 11th 2019
DOI: 10.5772/intechopen.84445
オープンアクセス