[ANSES]ピナトキシン：貝類で監視すべき新興マリンバイオトキシン
Pinnatoxins: emerging marine biotoxins that should be monitored in shellfish
News of 04/06/2019
https://www.anses.fr/en/content/pinnatoxins-emerging-marine-biotoxins-should-be-monitored-shellfish
ANSESは本日、地中海のラグーンのイガイに検出されている新興マリンバイオトキシン科のピナトキシンの専門家評価を発表した。マウスが摂取すると、これらのマリンバイオトキシンは急性神経毒性作用を引き起こす。ANSESは様々なシナリオによる貝消費者の暴露を推定するために入手可能な摂取データを利用した。地中海ラグーン、特にフランスのエロー県のイングリル地域産のピナトキシン汚染貝の摂取事例での健康リスクの可能性を公的機関に警告している。これらの新興バイオトキシンを貝生産地域の監視で考慮することも助言している。この作業は新興毒性分野の大きな科学的進歩である。
ピナトキシンと呼ばれるマリンバイオトキシン類のフランスでの出現を考慮して、ANSESはこのグループの毒素の最新知見を農業及び健康省に求められた。
フランスの貝に検出された新興マリンバイオトキシン
ピナトキシン(PnTXs)は貝に蓄積する可能性のあるVulcanodinium rugosumと呼ばれる海産微細藻類が生産する毒である。これらのマリンバイオトキシンは2011年にエロー県のイングリルラグーン産イガイにフランスで初めて確認された。それ以来、このラグーン産のイガイに行われた分析では毎年数か月間、高濃度のPnTXsが検出されてきた。
フランスの他の地域にも、特に他の地中海ラグーン産(ヴィック、プレヴォー、トー、ルカート)や大西洋とコルシカの海岸のイガイに、程度は低いがピナトキシンが検出されている。フランス以外では、PnTXsで汚染された貝に関するデータは、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、北ヨーロッパと南ヨーロッパの他の国々でも報告されている。
フランスのエロー県のイングリル地域産貝の摂取を避けること
ANSESの専門家評価は、このマリンバイオトキシン類による神経影響の特性をより明確にした。マウスの実験研究で多量摂取すると死に至ることのある急性毒性影響が示された。ヒトのピナトキシン中毒の事例は今のところフランスや世界のどこでも報告されていない。
これらの毒性データに基づき、ANSESはピナトキシン類の8つの毒素のうちの1つでフランスの貝に最も一般的に検出された、ピナトキシンGの暫定的な急性ベンチマーク値を導出した。この健康参照値と入手可能な摂取データに基づき、ANSESは消費者へのリスクを特徴づけできた。多量摂取および/または貝の高汚染の事例では、ベンチマーク値を超過する恐れがあることが結果から示された。
ANSESはそのため、地中海ラグーン、特にイングリル地域産のピナトキシン汚染貝の摂取に関連して健康上のリスクがある可能性があると結論した。現在この地域では販売を目的とした貝生産はない。それでもANSESはこの地域産の貝の摂取をすべて避ける必要があると公的機関に警告している。
ピナトキシンの監視実施
これらの結果を考慮して、ANSESは貝生産地域の監視でこれらの毒素を考慮するよう助言している。特に、以下のことを推奨している：
・イングリルやトーで生産された貝のV. rugosum種やピナトキシンの濃度の定期的な監視の設定；
・監視のため、フランスの大都市沿岸の全ての貝生息地域、特に地中海ラグーンでのV. rugosum生息マップの作成。
貝の消費者の暴露をより正確に推定するための研究への取り組みも推奨している。
最後に、ヒトのピナトキシン中毒に関連する恐れのある神経症状への医療従事者の意識を高めることを、ANSESは健康を監視する使命の一部として続けている。
[ANSES]ANSESはフランスでエポキシコナゾールを含む抗真菌植物保護製品の販売認可取り下げを発表
ANSES announces the withdrawal of marketing authorisations for fungicidal plant protection products containing epoxiconazole in France
28/05/2019
ANSESは本日、殺菌剤に使用される有効成分エポキシコナゾールの内分泌かく乱性に関する意見を発表した。内分泌かく乱に関する新たな欧州規則の基準に基づき、ANSESはこの物質の内分泌かく乱性を確認した。この物質は欧州レベルで代替品の候補リストにも含まれている。エポキシコナゾールを含む製品は市場から撤退する必要があると信じ、市販認可保有者にその意図を通知した。
エポキシコナゾールは、主な真菌性疾患を管理するために、穀物やビートなどの植物の地上部分に、フランスの多くの耕作地で使用される抗真菌有効成分である。毎年、約200トンのエポキシコナゾールがフランスで販売されている。
この物質は難分解性と毒性があり、発がん性が疑われ(C2)、ヒトの生殖毒性(R1B)と推定され、現在もなお欧州で認可され植物保護製品として製剤に使用されている。これらの製品の市販認可には特別な管理対策を含み、危険性を考慮して、エポキシコナゾールは欧州規則(EU) 2015/408で代替候補リストに含まれている。
2017年12月の内分泌かく乱に関する欧州規則の採択や、2018年6月5日に発表された同定に関するガイドライン文書の実行後に、ANSESはすぐさまエポキシコナゾールの内分泌かく乱特性を評価するよう内部要請を出した。
この作業によりANSESは、エポキシコナゾールがヒトや環境に心配な程度のハザードとなる、ヒトや非標的生物の内分泌かく乱物質だと結論した。このため、ANSESはエポキシコナゾールを含む76製品を市販から撤退させるために市販認可保有者にその意図を通知した。
ANSESはフランス機関にフランスのエポキシコナゾール含有製品撤退を通知し、欧州委員会や他の加盟国の管轄機関にこの決定を通知する予定である。
[EU]RASFF Week24-2019
警報通知（Alert Notifications）
フランス産飼料用モロコシにブタクサの種子高含有(290 mg/kg)、スペイン産冷凍メカジキの水銀(2.25 mg/kg)、ドイツ産飼料用ミールワームの非ダイオキシン様PCB (12.7 µg/kg)、ジョージア産エストニア経由スパイスミックスの未承認着色料スーダン1(9.21 mg/kg)及びトルイジンレッド(6.17 mg/kg)、インド産ドイツ経由有機亜麻仁のシアン化物高含有(230 mg/kg)、オランダ産チェコ共和国経由オイルドロップの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (2980 mg/kg)、
注意喚起情報（information for attention）
フランス産生きたザルガイ(フランスナミノコ)の下痢性貝毒(DSP)‐オカダ酸(80.5 µg/kg)、中国産食品サプリメントの未承認物質シルデナフィル及びタダラフィル、ウクライナ産クリーム入りウエハースのトランス脂肪酸高含有(65.9 g/100g)、タイ産未承認新規食品パンダンリーフ(ニオイタコノキ)及びmatum（Bael fruit(Aegle marmelos)ベルノキ ）茶、エジプト産飼料用ヒマワリ種子のアフラトキシン(B1 = 769.88; Tot. = 871.98 µg/kg)、
フォローアップ用情報（information for follow-up）
チェコ共和国産イタリア経由CBD入り飲料の未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、英国産食品サプリメントの未承認新規食品成分イカリソウ及び有機センダン粉の未承認市販、ロシア産お菓子用アイシングで砂糖掛けしたウエハースケーキのトランス脂肪酸高含有(20.8 g/100g)、ロシア産シュガーアイシング掛けウエハースのトランス脂肪酸高含有(9.4 g/100g)、
通関拒否通知（Border Rejections）
イラン産殻付きピスタチオのアフラトキシン(Tot. = 11.05 µg/kg)、アルジェリア産チルド鯛の水銀(1.3 mg/kg)、ウズベキスタン産レーズンのオクラトキシンA(22 µg/kg)、中国産鉄製電子レンジ用グリルからのニッケルの溶出(0.7 mg/kg)、中国産鳥餌用殻付きピーナッツのアフラトキシン(B1 = 35.5 µg/kg)、中国産フルーツジェリーのコンニャク(E425)未承認、アルゼンチン産殻をとったピーナッツのアフラトキシン(B1 = 4 µg/kg)、中国産メラミン製食器からのホルムアルデヒドの溶出(22.4 mg/kg)、アルゼンチン産ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 2.5; Tot. = 4.5 µg/kg)、ベトナム産冷凍マグロのヒスタミン(255 mg/kg)、
[ProMED]情報
-一酸化炭素中毒－ナイジェリア：（イモ）致死
Carbon monoxide poisoning - Nigeria: (IM) fatal
2019-06-16
http://www.promedmail.org/post/6521651
Date: Tue 11 June 2019 Source: Punchng.com [edited]
2019年6月10日、伝統的結婚式に出席していた10人が、ジェネレーターからのフュームで死亡した。30人ほどが別々の病院で生命維持装置につながれている。結婚式の後、夫婦が立ち去った家に花嫁の両親を含む親族が泊まった。朝になると建物の中にいた約50人が意識不明で中には既に死んでいる人もいた。ドアや窓は閉められていて台所の発電機が動いていた
-原因不明の死亡－ドミニカ共和国（第3報）：旅行者、リゾート
Undiagnosed deaths - Dominican Republic (03): travelers, resort
2019-06-16
http://www.promedmail.org/post/6523655
Date: Sat 15 Jun 2019, 1:03 PM Source: New York Post [edited]
オクラホマからのジミー・バフェットのファンのグループが、ドミニカ共和国に旅行して病気になった人達の長いリストに加わった。休暇の終わりまでに114人中47人が病気になってホテルの部屋から出られないほどだった
-アシカの連続死－米国：（カリフォルニア）ドーモイ酸疑い
Die-off, sea lion - USA: (CA) domoic acid susp
http://www.promedmail.org/post/6524485
Date: Fri 14 Jun 2019 03:41 PM PDT Source: KEYT.com [edited]
カリフォルニアのアシカが病気になったという報告が増えている。ドーモイ酸中毒の症状がみられる
-原因不明の病気－マレーシア（第2報）：致死、先住民、結核疑い、情報求む
Undiagnosed illness - Malaysia (02): fatalities, indigenous, TB susp, RFI
http://www.promedmail.org/post/6524309
[1]Date: Wed 12 Jun 2019 Source: The Star/Letters [edited]
KelantanのKuala KohのBateqコミュニティでのオラン・アスリ族14人の死亡が国の懸念になっている。原因を確認してさらなる犠牲者を防がなければならない。環境団体は水の汚染が原因だというが、水が原因の場合肺炎より消化器系に症状が出る
[2]Date: Thu 13 Jun 2019 Source: EpiCore Global Surveillance Project [edited]
2019年6月12日時点でまだ4人がICUにいて約50人が入院している。他に47人が外来で治療を受けている。咳、熱、呼吸困難を訴えている。2人の死後解剖からは肺炎が死因と示唆されている。肺炎の原因として化学物質は除外され感染原因を同定する検査が行われている。ソーシャルメディアによると村人は長い間皮膚の疾患に苦しんでいて水の汚染が示唆されていた。感染から近所の鉱山由来の毒まであらゆるものが原因といわれているがまだわからない。
[FSSAI]メディアコーナーから
学校周辺のジャンクフード広告禁止：FSSAI
Ban junk food ads in and around schools: FSSAI
https://fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_News_Junk_Express_17_06_2019'.pdf
FSSAIが学校施設周辺の不健康な食品の広告は禁止することを勧めた。規制案を作成して保健大臣に提出。案ではいくつかのパラメーターで「健康的食事」を定義している。多国籍企業の製品だから不健康だということはできない、インドの食品の一部も不健康である、とPawan Kumar Agarwalはいう
（インドで、包装のない野菜果物等を「健康的」として勧め、大企業が品質管理した包装済みのものを不健康と分類することの意味は？）
論文
-小麦の神話否定
Wheat myth debunked
17-Jun-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-06/uoq-wmd061419.php
大規模な新しい研究により交配を繰り返したことにより現代の小麦は弱くて農薬や肥料に依存するようになったという良くある神話は否定された
Nature Plantsに発表されたクイーンズランド大学の研究によると、現代の小麦は古い品種に比べて最適条件でも厳しい条件でも優れている
-Guelph大学の研究は医療の専門家はソーシャルメディアに注意する必要があることを発見
U of Guelph study finds health professionals need to be cautious on social media
17-Jun-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-06/uog-uog061719.php
医療の専門家がフェイスブックの自己紹介にたった一つのネガティブコメントを投稿することで現在の患者や将来患者になるかもしれない人からの信頼を妨げるかもしれない
Journal of Medical Internet Researchに発表されたカナダの研究
-日焼け業界は青少年や若年成人を惹きつけるために宣伝や安価を使う
Tanning industry uses promos, cheap prices to lure adolescents and young adults
17-Jun-2019
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-06/uoca-tiu061719.php
Journal of Public Health Policyに発表された、研究者が顧客のふりをして日焼けサロンに接触して調べたアメリカの研究。がんリスクが明確なのにタバコに比べて規制が遅れている、という報告。
（日本でも根拠のない健康効果を宣伝してがんリスクについては無視しているところはあるけれど。）
その他
-中国を横断する芋虫の壊滅的行進が固有の捕食者の探索に拍車をかける
Natureニュース
Caterpillar’s devastating march across China spurs hunt for native predator
17 June 2019 Andrew Silver
https://www.nature.com/articles/d41586-019-01867-3
科学者はカメムシのような昆虫がfall armyworm（ヨトウムシ類）を抑制できるのではないかと期待
中国に1月に初めて検出されて以来18地域に拡大し主にトウモロコシが被害を受けているSpodoptera frugiperdaへの対策を科学者が探っている。USDAが5月に発表した報告では中国に天然の天敵がいないとされているが昆虫学者のHu Gaoはそうではないと主張する。寄生蜂やある種のカメムシがこの芋虫を殺せると予想する。ブラジルではBt遺伝子を含むGM作物で管理しているが中国には認可された作物はない。
中国でこの虫を根絶することはできそうにないので管理方法を学ぶ必要がある。今月から来月の間には日本や韓国にも入るだろうと予想する。
-「子どもを殺す」グリホサートがチェリオスに？専門家がEWGの除草剤食品残留研究を分解する
‘Children killer’ glyphosate found in Cheerios? Experts dismantle Environmental Working Group’s herbicide food residue study
Cameron English, Jon Entine | June 17, 2019
先週、2019年6月12日に、オーガニック業界がお金を出しているEWG(Environmental Working Group)が「ジェネラルミルズのような大企業が問題のある量のグリホサートに汚染された人気の子ども用朝食シリアルなどを売り続けている－グリホサートは除草剤ラウンドアップの成分で発がん性がある」というプレスリリースを発表した。EWGの発表はこの種のもので3回目で、この発表はいつものように活動家団体によって吹聴されたが、同時にCNNのような主流メディアも無批判に取り上げた。（スクリーンショット）
何がニュースか？
2018年7月と10月の先例同様に、このEWGの「研究」は独立した専門家がピアレビューしたものではない。彼らの科学者が調べた食品が自分たちの「子どもの健康のための指標」を超えたと主張する。EGWはその「指標」がどうやって導出したものなのかを説明せず、明確な科学的根拠はなく、各国の使っている指標とは異なる。EWGの「安全閾値」はEPAなどの世界中の規制機関が設定している最も厳しい値の100分の1である。EWGの恐怖を煽る戦略を正当化するためにIARCの2015年の評価を引用している。しかし主流の科学コミュニティはIARCのこの決定を厳しく批判している。2019年4月と5月にCDCとEPAがそれぞれ発表した報告は現在使用されているグリホサートに発がん性はないという世界的コンセンサスを確認した。さらにEWGはIARCの知見すら歪めている。IARCは2015年の評価で消費者に害があるという根拠はないと注記している。それはEWGの主張と異なる。このような昔ながらのEWGのやり方の目的は一つで、裁判の炎を大きくして弁護士にたくさんのお金を渡すことである。
基本的事実
ボウル一杯のチェリオスを毎日何ヶ月あるいは何年も食べても健康に害はない。なぜなら検出された量はあまりにも少ないから（ppbレベル）。もし他の化合物を測定したらやはり微量検出されるだろう、しかしEWGはグリホサートしか調べない。グリホサートが雑草を殺すのはシキミ酸経路を阻害するためで、この経路はヒトや動物にはない。サラにグリホサートは作物に散布された後分解され生物濃縮しない
（いろいろ略）
-生歯の罠に注意。多くの製品は効果が無く、危険ですらある
Beware the teething trap. Many products don’t work, and can even be dangerous
June 17, 2019
生歯は正常な発育のプロセスであるが人々は長い間病気と関連させてきた。しかし根拠は違うという。歯が生える時期の子どもにあなたができることはある？生歯用ゲルや生歯ネックレスは？
（以下略。病気じゃないものを病気だと思いこませることができればお金儲けができる。）
-はしか
NYC
Measles
https://www1.nyc.gov/site/doh/health/health-topics/measles.page
はしかではなく事実を拡散しよう
自閉症とワクチンに関連はない
NYCでは9月以降2019年6月17日時点で596例の確認症例がある
