2019-12-18

[BfR] 健康リスク:一枚の絵が数千の言葉に相当する

Health risks: a picture is worth a thousand words

50/2019, 04.12.2019

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2019/50/health_risks__a_picture_is_worth_a_thousand_words-243325.html

リスクコミュニケーションにおけるビジュアライゼーションの使用に関するBfRワークショップ

食品の汚染、電磁波あるいは乳がんスクリーニングであれ、人々は日常生活において多くの健康問題に直面し、その中には複雑なものもある。特定の健康リスクの図を使った説明(可視化)は情報の把握向上に役立つことがある。しかし、これらのツールをリスクコミュニケーションにおいて効果的に使用することができるようになるために、視覚的ツールの効果に関する追加の研究が必要とされる。これはベルリンのドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)で2019年11月25及び26日に開催された国際的なワークショップで専門家の間での議論のテーマであった。もう一つの議論のテーマ:(認識されている)リスクに関する情報交換は専門家と素人の相互理解を深めるのに役立つだろう。ここでも可視化は重要な役割を果たすことができる。BfR 長官Dr. Andreas Hensel教授は「グラフィック的要素はリスク評価の鍵になる要因である明確な『一目見てわかる』イラストを提供する。それらは健康リスクをよりよく評価するのに役立ち、それらを取り扱う人々の能力も高める。結果として、これらの可視化の可能性をさらに研究することが必要である。」

 

[BfR]どのくらいのアルミニウムが皮膚を通過する?BfRは新しい専門家の意見をレビューする

How much aluminium passes through the skin? The BfR reviews a new expert Opinion

13 December 2019

https://www.bfr.bund.de/cm/349/how-much-aluminium-passes-through-the-skin-the-bfr-reviews-a-new-expert-opinion.pdf

SCCSが2019年12月9日に化粧品由来のアルミニウム摂取の予備的健康評価を発表した。意見では皮膚からの摂取調査についての新しいデータが提示されている。アルミニウム含有化粧品は健康リスクにならず、総アルミニウム摂取への寄与は低いとしている。BfRはこの意見の中の新しいデータをレビューし、必要であれば再評価を行う。

 

[MPI]ニュージーランド食品安全は新たな戦略と行動計画を発表する

New Zealand Food Safety announces new strategy and action plan

Last reviewed: 10 Dec 2019

https://www.mpi.govt.nz/news-and-resources/media-releases/new-zealand-food-safety-announces-new-strategy-and-action-plan/

ニュージーランドの食品安全は本日、信頼され安全な食品の提供国としての国の名声を維持し向上させるための戦略と実施計画に着手する。

ニュージーランド食品安全副長官Bryan Wilsonは、オークランドでの食品安全サミット開会で、ニュージーランド食品安全システムに直面する様々な課題や機会に沿った戦略を議論する。

Wilsonは次のように述べる。

「食品は我々の経済の支えであり、しかし、それ以上のものである。」

「食物を育て、生産し、調理しそして友達や家族と分け合う。我々が誰であるか国として定義する助けになる。」

「戦略は食品の中心地を認識し、2024年に向けた実施計画を始め、以下5つ点を優先する:

・ニュージーランドの世界クラスの食品安全システムの安定維持を保証すること

・情報を与えられた上で選択できるよう積極的に消費者を支援する

・国際フォーラムにおける新たな考え方に活発に貢献する

・マオリ族との真のパートナーシップをもって取り組む

・新たな課題に直面した時、革新的に先進的な考えで取り組む。

「我々の戦略は力強く、先を見越したものであることが重要である。消費者の期待、複雑な食品供給チェーン及び絶えず進化する科学の変化に対応していることを確実にするためのより多くの取り組みの始まりである。」

「食品由来の疾病を減らすことは、常にニュージーランド食品安全の核となる任務であるだろう。ニュージーランド食品が誰にでもどこでも信頼され、認知されるという構想を達成する中で、我々が確実に役割を果たすことができるように、戦略により、より広い状況の中で仕事を考えることができる。」

「我々はこの戦略を消費者、顧客、規制当局者及び業界代表者だけでなく条約パートナー国とも広くテストした。この戦略の構想と方向性は大部分が支持されたことを嬉しく思った。戦略の成功にはパートナーと共通の目標を共有する必要があるということである。」

「戦略は、現在の問題に素早く反応し、新興の脅威を予測し、準備することができるように、重要なリソースに焦点を当てるのに役立つだろう。」

「戦略や実施計画はゴールではなく、始まりであることに注意しなくてはいけない。我々は毎年積極的に我々の進捗を監視し、レビューするつもりである。」

「良い知らせは、ニュージーランド食品はすでに国内及び取引国において素晴らしい名声を享受していることである。我々にはこの強固な基盤の上に築く明るい未来がある。」

以下詳細

戦略 [PDF, 8.5 MB]

https://www.mpi.govt.nz/dmsdocument/38951-new-zealand-food-safety-strategy

実施計画 [PDF, 4.3 MB]

https://www.mpi.govt.nz/dmsdocument/38948-2019-food-safety-action-plan

 

[NHS]1日にりんごを2つ食べると「医者いらず」に役立つ?

Can 2 apples a day help keep the doctor away?

Tuesday 17 December 2019

https://www.nhs.uk/news/food-and-diet/can-2-apples-day-help-keep-doctor-away/

「驚くことに、1日にりんごを2つ食べると、高コレステロール値が低くなることで心臓の健康を促進する」とThe Sunは報道する。

この話は、8週間にわたり1日に2つのりんごを食べると、最大4%とわずかに高コレステロール値を下げたということを発見した小規模の試験に基づく。りんごには繊維とポリフェノール(様々な健康効果があると思われている化学物質)が豊富に含まれている。

この試験には40人のわずかにコレステロール値が高い健康な参加者が関わった。8週間にわたり1日に2つのりんごを食べた場合、水で薄められた濃縮リンゴジュースで同等のカロリーを摂取した場合と比較して、総コレステロール値とLDL(「悪玉」)コレステロール値がわずかに低下した。

りんごを食べた後、コレステロール値は健康とされる数値よりもまだ高かったということに注目することは重要である。りんごを食べることは、スタチンを必要とする人にとってのコレステロール値を低下させる医薬品の代替として見られるべきではない。

りんごを食べることはNHSの推奨する1日に5単位の果物または野菜に計上できる。この目標を達成することは、十分なビタミンとミネラルの摂取を確実にし、大腸がんのリスクを減らし、さらに健康的な体重を維持するのに役立つだろう。

 

[NHS]食品表示での運動推奨は「食習慣を変える」かもしれない

Exercise advice on food labels could 'change eating habits'

Wednesday 11 December 2019

https://www.nhs.uk/news/food-and-diet/exercise-advice-food-labels-could-change-eating-habits/

「食品表示での運動推奨は肥満危機に取り組むのに役立つかもしれない」とThe Guardianは報道する。包装食品のラベル表示は、カロリー数や脂肪のグラム数のような情報を含まなければならない。しかし、多くの人がこれらの措置の意味をわかっていないというエビデンスがある。

最新の研究の研究者は、カロリー数をその食品の燃焼に必要な運動量に変えることを提案したー例えば、必要となる走る時間の表示:

・330ml缶の炭酸飲料を飲んだ後は13分間

・標準的な大きさのチョコレートバーを食べた後は22分間

・店舗で購入したチキンとベーコンのサンドイッチを食べた後は42分間

研究者はこうすることで、人々がより低カロリーの食品を選んだり、食べる量を減らしたりすることを促進すると期待した。

この研究は、ラベル上の運動表示なし、あるいは他の栄養的表示と比較し、ラベル上の運動に関する表示(PACE、身体活動におけるカロリー相当、と呼ばれる)のこれまでの試験結果をまとめた。

全体として、研究のまとめは、人々は食品選択時にPACEのラベル表示が含まれていると、カロリーがより低いものを選び、より少なく食べたということがわかった。しかし、結果は研究で差が大きく、使用したいくつかの手法は明確でなく、この結果を受け入れることは慎重にならなければならない。

大好きな飲料やお菓子のカロリーがどのくらいか、NHSのウェブサイトのカロリー計算を使用し確認できる。(https://www.nhs.uk/live-well/healthy-weight/calorie-checker/

 

[ANSES]フランスにおける除草剤耐性品種の使用

Use of herbicide-tolerant varieties in France

28/11/2019

https://www.anses.fr/en/content/use-herbicide-tolerant-varieties-france

除草剤耐性品種(HTVs)は特定の除草剤に耐性があるように開発された作物種である。10年以上にわたるフランスでの広がりを考え、国民の関心に応えて、ANSESは特にヒマワリと菜種作物への使用を再調査した。フランスの全作物の種子同様HTVsは市販前のリスク評価の対象ではなく、今日までそのような種子のモニタリングは要求されていない。ANSESはフランスのHTVsの使用について、HTVsの状況を見直すために様々な関係者のそれぞれの見解を集め、可能な限り多くのデータ収集に取り組んできた。農業慣習を研究した後、ANSESは、2011年にINRA と CNRSによる共同専門家報告書ですでに示されているように、雑草が除草剤に対する耐性を発達させるリスクがあり、除草剤の使用が最終的に増加する可能性があることを確認した。ANSESはHTVs種子の使用におけるトレーサビリティの欠如が農業と健康の影響の評価を妨げることも強調している。それゆえANSESは、HTVsによるあらゆる有害影響を監視する計画を設定するよう助言している。

HTVsは従来のまたは遺伝子技術によって除草剤に耐性があるように開発された植物品種である。フランスでは遺伝子組換えHTVsの栽培は禁止されており、全てのHTV作物は従来の品種選択またはランダムな突然変異誘発で得られている。遺伝子組換え生物に関する法律では、突然変異誘発で得た生物は評価も市販認可も必要なく、今日までそのような生物の監視は必須ではない。ANSESの意見は、農業でのバイオテクノロジーの使用に関する議論や突然変異で得られた生物に関するEUの裁判所の判断のより広い文脈で形成されており、規制の枠組みに影響を与える可能性が高い。

フランスのHTVs使用に関する前例のないレビュー

専門家評価を通して、ANSESはHTVsの使用を含む農業慣習に関するできるだけ多くの入手可能なデータや、ヒトの健康や環境に関する潜在的な有害影響の監視によるデータを集め分析することができた。ANSESはまた、専門家コミュニティと市民社会両方でこの話題に関する様々な見方を集めるために、関係者にインタビューも行った。これらのデータを根拠にして、ANSESはフランス国立農業研究所(INRA)とフランス国立科学研究センター(CNRS)が2011年に実施した共同科学的専門家評価で確認されたHTVsの使用と関連するリスクを研究した。その結果、ANSESの報告書はフランスのHTVsの使用に関する包括的なレビューを提供している。

フランスで使用されている品種、特にヒマワリと菜種作物

これらの植物品種を作るのに品種選択あるいは新しい育成技術(遺伝子組換え)が用いられることがある。品種選択は、生来除草剤に耐性があるものと既存品種とを交配させ選択した植物のことである。新たな育種技術には、望ましい特質のある生物を選択するための遺伝子組換え、生物のゲノム内の1つまたは複数の遺伝子の導入と組み入れ、いくつかのランダム突然変異誘発技術が含まれる。

これらの品種は雑草防除に対する特定の技術的障壁を取り除くために使用される。雑草、つまり作物に対する脅威となる植物が現れたら、特定の除草剤でその作物を処理できることでも有利である。フランスで使用される主な作物品種は、アセト乳酸シンターゼ(ALS)阻害剤クラスの除草剤への耐性があるように開発されたヒマワリと菜種品種である。集めたデータによると、2017年に油糧種子HTVsが植えられた土地は、ヒマワリ作物エリアの27%(約 160,000 ha)を占め、菜種作物エリアの2%(約 30,000 ha)を占めた。HTVヒマワリと菜種作物の総エリアは2017年以降横ばいであるようだ。

インタビューした様々な関係者は、どの品種にどの技術を用いたか、特定の規制の枠組みが欠如しているかどうかについて意見が合わない。HTV使用反対者は、除草剤の使用が高まるリスクや、そのような品種の使用における透明性とトレーサビリティの欠如を指摘し、野外の雑草の種類に応じた雑草を防除できる農業問題解決方法として、また化学除草剤の合理的使用だと考えるHTVs支持者との間に分裂が生じた。

HTV種子の使用におけるトレーサビリティの欠如

専門家はHTVsの使用に関する入手可能なデータ、特に製造業者と専門農家が2012年に行ったHTVsの市販を支持する国家計画の一部として提出されたデータを分析した。様々なフィトファーマコビジランスパートナープログラムを通して作られた監視データも分析された。

その専門家評価でANSESは、使用されたHTV種子に関するデータや、除草剤の使用を含むHTV農業慣習が多くの不確実性を含むことを示した。これらのデータは不完全あるいはそれほど代表的でない。例えば、フランスでも欧州当局でも、各種カタログにフランスで栽培できるHTVsを確認する明確な信頼できるリストは含まれていない。そのためANSESは、農業慣習やフランスでのHTVsの使用のモニタリングを妨げるHTV種子のトレーサビリティの欠如を強調した。

HTV作物に関連する可能性のある有害影響の調査について、HTVsに使用された除草剤による環境汚染に関する収集データは、これらの除草剤が穀物など他の作物の雑草防除にも使用されるため、HTVsに特化してない。さらに、フランスの残留農薬調査のための国家計画は、収穫したHTVヒマワリや菜種作物でのHTVsに関連した残留除草剤の検出に、今まで焦点を当てたことはない。

確認したリスク要因

今日まで研究したデータから影響は観察されていないけれども、ANSESはHTVsの使用に関連する可能性のあるリスクを強調している。その結果ANSESは農業慣習のレビュー後に、INRA とCNRSの専門家報告書ですでに強調されているリスク要因、特に、除草剤耐性の発生開発、従来型の作物と比べて除草剤の使用増加、そして最終的に、除草剤による環境汚染を確認した。

この構想には、HTVsを含む作物により頻繁に使用されている、同じ作用機序でより多くの除草剤につながる可能性のある3つのリスク要因をまとめたレビューが含まれている。

・短い輪作

・油糧種子や穀物の雑草防除のためのALS阻害剤と同じクラスの除草剤の散布

・HTVsでない区画に類似したHTV区画に除草剤の使用

フランスでのHTV監視導入

専門家評価後にANSESは、収集したデータの量と質が限られているため、潜在的な有害影響について結論したりリスク評価を実行することができなかったと強調している。

従ってANSESは、作物に実際に使用されるまで追跡することのできるHTV種子監視プログラムを設定するよう助言している。このプログラムは関連する農業慣習の知見を改善したり、関連地域でヒマワリや菜種作物のHTVs関連除草剤残留物の監視を強化するのに役に立つだろう。

HTVsの潜在的な健康影響を評価するために、ANSESは、植物保護活性物質について、欧州評価に含まれていない可能性のある何らかの特別な代謝物質が形成されているかどうか確認するための特別な研究を行うよう助言している。

最後にANSESは、雑草に生じる除草剤耐性リスクについて農業従事者間の意識を高めるよう助言した。

 

[ANSES]ニース行政裁判所の決定:ANSESはスルホキサフロルを含む二つの殺虫剤の販売認可を取り下げ

Decision of the Nice Administrative Court: ANSES withdraws marketing authorisations for two insecticides containing sulfoxaflor

06/12/2019

https://www.anses.fr/en/content/decision-nice-administrative-court-anses-withdraws-marketing-authorisations-two-insecticid-0

ANSESは欧州委員会が承認した有効成分スルホキサフロルを含む殺虫剤"Transform"と "Closer"の市販認可を取り消すニース行政裁判所の決定に留意した。

全ての植物保護製品の市販認可と同様に、2017年9月27日に発行されたこれらの認可に、ANSESは入手可能なすべての科学的文献を考慮して、欧州の規制の枠組みを厳密に適用したと強調した。この枠組みには科学的リスク評価や適切な保護対策の確立が含まれ、必要な時にはいつでも、予防原則が完全に適用される。

政府がフランスのEGAlim法を当てはめて、ネオニコチノイドと同じ作用機序を持つ2つの植物保護製品、スルホキサフロルとフルピラジフロンの使用禁止を決定したため、ANSESがニース裁判所の決定に対して控訴することはない。

 

[ANSES]ANSESはグリホサートを含む36製品の取り下げを発表

ANSES announces the withdrawal of 36 products containing glyphosate

09/12/2019

https://www.anses.fr/en/content/anses-announces-withdrawal-36-products-containing-glyphosate

この有効成分が2017年にEUで5年間再認可されたことを受けて、ANSESはフランスで販売されているグリホサートを含む製品の市販認可をレビューし、入手可能な代替品で比較評価を始めた。製造業者から提出されたデータでは遺伝毒性の可能性に関する決定に到達できなかったため、現在のプロセスが終わるのを待たずに、ANSESはグリホサートを含む36製品の認可の取り下げと4つの新製品の認可拒否を発表した。2018年にはこれらの製品は、農業及び農業以外の利用で、フランスで販売されたグリホサートをベースとした製品トン数のほぼ4分の3を占めていた。

植物保護製品の市販認可の更新あるいは取得を希望する企業が提出した認可申請の欧州加盟国による評価は、EUが決めた枠組みで行われている。

グリホサートには、健康及び環境リスクと、特にグリホサートを含む製品の全成分の遺伝毒性に関する追加データの提出を含むより厳しい条件で、この枠組みはこの有効成分の再評価後の2017年に特に強化された。これらの新たな条件には堅固で標準化された方法で実行されたる特別な研究が必要である。

グリホサートを含む69製品は現在フランスの市場で入手でき、認可の更新のための申請が提出されている。ANSESは今回これらの製品のうち36製品は、どんな遺伝毒性リスクも除外できる科学的データがないことにより、市場から撤退し2020年末から使用できないと決定した。

さらに、同じ理由で、2018年1月以降に提出され現在調査中の11の新たな認可申請のうち4つに否定的な決定を発表した。

ANSESはグリホサートを含む製品の認可や再認可の申請を調査し続けていて、2018年11月に発表したように、入手可能な非化学的代替品との比較評価も行うことにしている。

主張された使用が欧州レベルで決定した有効性と安全性の基準にかない、そして十分に代用できないグリホサートベースの製品だけが、最終的にフランス市場に入る権利が許可されることになる。この評価プロセス全体は2020年12月31日に完了する予定である。

 

[FDA]FDAは大豆レグヘモグロビンを認証免除色素添加物リストに加える最終規則の発効日を発表

FDA Announces Effective Date for Final Rule Adding Soy Leghemoglobin to List of Color Additives Exempt from Certification

December 17, 2019

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-announces-effective-date-final-rule-adding-soy-leghemoglobin-list-color-additives-exempt

発効日の一時延期を解除。Center for Food Safety (CFS)から提出された反対意見が、真の実在問題ではなく、ヒヤリングやその他の規制改定につながる行動を正当化するものではないと結論したため。

 

-FDAの簡単な説明:大豆レグヘモグロビンの色素添加物としての認可は今や有効

FDA In Brief: FDA approval of soy leghemoglobin as a color additive is now effective

December 17, 2019

https://www.fda.gov/news-events/fda-brief/fda-brief-fda-approval-soy-leghemoglobin-color-additive-now-effective

CFSの反対理由とFDAの判断(概要のみ)

・色素を挽肉代用品に使った場合の安全性試験をすべき→食品が違うと色素が別物になるという根拠をCFSが出していない

・表示に酵母のタンパク質の残留を表記すべき→その酵母タンパク質がアレルゲンであるという根拠が提示されていない

・色素タンパク質が生の状態で安全性試験をすべき→生だけど?

・企業の行った試験のデータを使うべきではない→その意見には合意しない

・遺伝子組換え酵母を使っているから別途安全性評価しろ→何が問題か根拠が提示されてない

・環境影響評価をしていない→この色素の認可で環境影響がある可能性についての具体的データを提出していない

(ほぼ難癖なのだけれど、そもそも環境保護を謳っている団体がどうして環境負荷の観点からは圧倒的に優れている植物由来の肉代用品に反対するのか。オーガニックだけが正義だと思っているからだろうけど支持者は疑問に思わないのだろうか?どう考えてもオーガニック牛肉より遺伝子組換え大豆のほうが環境負荷が低い上に動物に優しいタンパク源。)

 

[FDA]FDAは市販前タバコ製品申請手続きを介し、新たにニコチン低減紙巻タバコ2製品の販売を許可する

FDA permits sale of two new reduced nicotine cigarettes through premarket tobacco product application pathway

December 17, 2019

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-permits-sale-two-new-reduced-nicotine-cigarettes-through-premarket-tobacco-product-application

FDAは本日、22nd Century Group Inc.により製造された、典型的な商業用紙巻タバコと比較し、ニコチンの量が少ない燃焼式フィルター付き紙巻タバコである新たな2製品、Moonlightと Moonlight Mentholの販売を許可したと発表した。

 

[FDA]リコール:Motto International Corp. は表示されない成分タダラフィルのため、Bull Platinum 30000、Stallion Platinum 30000、Rhino 7 Platinum 30000、及びPanther Platinum 30000を自主回収

Motto International Corp. Issues Voluntary Recall of Bull Platinum 30000, Stallion Platinum 30000, Rhino 7 Platinum 30000, and Panther Platinum 30000, Due to Presence of Undeclared Tadalafil

December 17, 2019

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/motto-international-corp-issues-voluntary-recall-bull-platinum-30000-stallion-platinum-30000-rhino-7

Motto International Corp. は精力剤のBull Platinum 30000、Stallion Platinum 30000、Rhino 7 Platinum 30000、及びPanther Platinum 30000に表示されないタダラフィルが含まれるため、自主回収。製品写真あり。

 

[FDA]公示:SUPER Platinum 30000 PANTHERは表示されない医薬品成分を含む

Public Notification: SUPER Platinum 30000 PANTHER contains hidden drug ingredient

12-17-2019

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/public-notification-super-platinum-30000-panther-contains-hidden-drug-ingredient

FDAは精力剤として販売されているSUPER Platinum 30000 PANTHERの購入、使用をしないよう消費者に助言する。製品にタダラフィルを含む。

 

[NASEM]効果的肥満コミュニケーションを進歩させる:ワークショップの概要

Advancing Effective Obesity Communications: Proceedings of a Workshop—in Brief

December 17, 2019

http://www.nationalacademies.org/hmd/Reports/2019/advancing-effective-obesity-communications-pib.aspx

2019年9月16日のワークショップの概要

・コミュニケーションの概要とコミュニケーション環境

コミュニケーションの基本はメッセージを伝え受け取ってもらうこと。効果的コミュニケーションは教育や啓発に役立ち関係性や信頼を構築し行動や態度を変える。こういう結果はコミュニケーションの成功の指標になる。コミュニケーションに影響する近年の変化として、世界的な信頼の崩壊とコンテンツの消費状況のソーシャルメディアへのシフトがある

21世紀の情報・コミュニケーション技術の革新ポイントとして、間違った情報の意図的拡散(marketization of misinformation)、科学や健康に関する情報を作り出すのは科学者だけではないこと、情報イコールコミュニケーションではないこと、メッセージのフレーミング(どのように言われるのか)が中身同様に重要であること、コミュニケーションにも不平等があること、を挙げる

肥満に関しては肥満を個人の責任であるとし烙印や差別が伴うことが問題であること、たくさんの簡単に痩せる方法といった類いの情報がノイズになっていること、等が議論されている

 

[EU]メトキシプロピルアミノシクロヘキシニリデンエトキシエチルシアノ酢酸(S87) についての意見

SCCS

Final Opinion on Methoxypropylamino Cyclohexenylidene Ethoxyethylcyanoacetate (S87) - Submission II

https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/scientific_committees/consumer_safety/docs/sccs_o_227.pdf

化粧品用UVフィルターとして最大濃度3%までの使用は安全

吸入毒性は評価していないのでスプレー製品にはあてはまらない

この物質は二級アミンなのでニトロソ化によりニトロソアミンが生じうる。ニトロソ化物質とは一緒に使うべきではない。ニトロソアミン含量は50 ppb未満であるべき

 

[FSA]食品廃棄を減らし、クリスマスを安全に。

Reduce food waste and stay safe this Christmas

17 November 2019

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/reduce-food-waste-and-stay-safe-this-christmas

クリスマスのたびにおよそ1000万の七面鳥が購入されるが、毎年10万トンのまだ食べられる鶏肉の廃棄がある。

 

[ヘルスカナダ]休暇中のアルコール、大麻及び医薬品の使用

Alcohol, Cannabis and Drug Use During the Holiday Season

December 17, 2019

https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2019/71909a-eng.php

アルコール、大麻及びその他の薬に関連する健康リスクや被害の可能性を減らすための注意喚起。

 

[ヘルスカナダ]保健省の新たなカンナビス製品の合法かつ規制された販売の導入に関する声明

Statement from the Minister of Health on the Introduction of New Cannabis Products into the Legal and Regulated Market

December 17, 2019

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2019/12/statement-from-the-minister-of-health-on-the-introduction-of-new-cannabis-products-into-the-legal-and-regulated-market.html

食用カンナビス、カンナビス抽出物及び局所用カンナビスは、厳しい規則の下にカナダで合法的に許可された業者のみ販売できる。

 

[COC]2019年11月7日の会議の議題とペーパー

7 November 2019: agenda and papers (ZIP, 2.24MB)

https://www.gov.uk/government/groups/committee-on-carcinogenicity-of-chemicals-in-food-consumer-products-and-the-environment-coc

・ホライゾンスキャンニング

2018年のトピックスのフォローアップ、等

・発がん性の用量反応におけるPoDの定義と強さ推定-最初の案

・発がん性リスク評価戦略

・発がん性に関する複数化合物複合暴露の影響についてのリスク評価

Halifaxプロジェクトにおいて検討されているがんの重要な10 の特徴 

  • 遺伝的不安定性と突然変異
  • 腫瘍を促進する炎症
  • 継続する増殖信号
  • 増殖抑制信号への感受性喪失
  • 細胞死耐性
  • 複製可能な不死性
  • 制御が外れた代謝
  • 血管新生
  • 組織への浸潤と転移
  • 免疫で破壊されない

 

・電子タバコ(発がん性に関して)

 

論文

-フロリダ沿岸の妊娠女性の魚の摂取と水銀暴露

Fish consumption and mercury exposure in pregnant women in coastal Florida

16-DEC-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-12/fau-fca121319.php

研究は感受性の高い集団での魚の摂取、産地、リスク、知識、水銀濃度を評価

International Journal of Environmental Research and Public Health

229人の参加者の平均毛髪水銀濃度は米国平均と同程度かそれ以下。水銀濃度は地元産の魚や総シーフード摂取、教育レベルの高さ、初めての妊娠、と関連した。最も水銀濃度が高いのは州に三回シーフードを食べると回答した人で、33才以上、アジア系女性で濃度が高い。85.5%は水銀が胎児に有害であること、89%は一部の魚の水銀濃度が高いことを知っていた

 

-大規模研究は継続した減量と乳がんリスク減とを関連させる

Large study links sustained weight loss to reduced breast cancer risk

17-DEC-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-12/acs-lsl121219.php

JNCI。50才以降に体重を減らしてそれを維持した女性は、体重が変わらなかった女性より乳がんリスクが低い。リスクの低下の程度は減らした体重が増えると増え、閉経後のホルモン剤を使用していない女性に限定される。10の前向き研究のデータをプールした解析。

 

-飲み込むには苦い錠剤:人工甘味料はむしろ悪いかも

Here's a bitter pill to swallow: Artificial sweeteners may be doing more harm than good

17-DEC-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-12/uosa-hab121719.php

南オーストラリア大学の研究者らによるCurrent Atherosclerosis Reportsに発表されたレビュー。RCTでは人工甘味料は体重減少につながることが示されているものの、人工甘味料を多く使う人は体重増加する可能性が高い。

(この現象は以前から報告されている。現実世界では、手術以外で太っている人を長期間痩せさせる効果的な方法がみつかっていないから肥満が増えているわけで。手間暇かけて介入すれば、その間は減量できる方法もたくさんある。)

 

-ヒトグレードのドッグフードについての最初の研究は、まるごとの生鮮食品は消化できるという

First study on human-grade dog food says whole, fresh food is highly digestible

17-DEC-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-12/uoic-fso121719.php

ペットのオーナーは「毛皮の赤ちゃん」をますます家族の一員のように扱っている。そのため一部のペットフードメーカーはヒトの食品に似ている餌を開発している。ヒト用の成分を使ったドッグフードについて化学組成や栄養、消化できるかどうかを調べた。

Translational Animal Science

(こういう方向はダメだと思う、犬と人間のこどもにとってリスキー。食べられるものが違うのだからそこはちゃんと分けないと。そうでなくても犬の誤食事故は多いのに)

 

-古いスコットランドの木の年輪、気候と政治と生存についての教訓

In ancient Scottish tree rings, a cautionary tale on climate, politics and survival

17-DEC-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-12/eiac-ias121719.php

1600年代の飢饉は英国のEU離脱の時代に反響する

古い木の年輪と保管されていた資料を使って、歴史学者と気候科学者が計り知れないほどの苦難を引き起こした1690年代のスコットランドの極端な寒い期間について詳細を示した。寒さは農業を破壊し、人口の15%も殺し、パナマの南にスコットランドの植民地を作ろうという致命的な試みにつながった。この時期は過去750年のうちで最も寒い時期でおそらく遠くの火山の噴火が原因。しかし惨劇をもたらしたのは悪天候だけではない。当時スコットランドはイングランドと政治的に離れていた。結果的にこの悲劇もあって1707年に現在の英国の一部となるこの二つの国は統合した。このような悲劇は、今後気候がどう変動しようとも、繰り返されてはならない。Journal of Volcanology and Geothermal Research

 

-「地元産」ブロッコリーは消費者にとって見た目も味も良い

'Locally grown' broccoli looks, tastes better to consumers

17-DEC-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-12/cu-gb121719.php

コーネル大学の研究者らによるブラインドテストでは、消費者はカリフォルニア産ブロッコリーの方がニューヨーク産ブロッコリーより味も見た目も良いと評価した。しかし「地元」ニューヨーク産だと話された集団では味も見た目もニューヨーク産の方が良いと評価された。Agricultural and Resource Economics Review

(だから産地偽装されるんだが。日本に輸入されたらどっちもアメリカ産になるので実力勝負。国際市場で勝負するには下駄を脱がないといけない)

 

その他

-2020年に向けてあなたが読む必要のある「ダイエット」本は「アンチダイエット」

‘Anti-Diet’ is the ‘diet’ book you need to read headed into 2020

Dec. 16, 2019

https://www.seattletimes.com/life/wellness/the-anti-diet-book-you-need-for-2020/

Christy Harrison著「アンチダイエット:直感的食生活であなたの時間とお金と健康と幸福を取り戻す」の書評

Harrisonは栄養士でジャーナリストで“Food Psych”というポッドキャストを主催している。摂食障害に苦しみ回復した経験もある

ダイエットの暗黒史、現在のダイエット文化が人生を盗むものであることなどが記述されている

 

-Google によると2019年は間欠断食が最もホットなダイエット流行だった。リストにあがった他のものも紹介

Intermittent fasting was the hottest diet trend of 2019, according to Google. Here's what else topped the list.

Hilary Brueck and Gabby Landsverk Dec 13, 2019

https://www.insider.com/most-popular-diets-2019-intermittent-fasting-noom-google-search-2019-12

Googleが発表した2019年検索傾向によると、断食、植物ベースの食事、砂糖と炭水化物削減、が人気だった。かつて人気だったケトおよび肉食は脱落した

10.無糖無炭水化物J. Lo(ジェニファー・ロペス)ダイエットチャレンジが昨年新年に人気

9.身体のタイプ別のendomorph(内胚葉性体型)ダイエット(1940年代の心理学者による分類)

8.「無糖無炭水化物」ダイエット拡大

7."sirtfood"ダイエットが10月流行(極端な制限食)

6.2018年に流行したDubrowダイエット再び流行

5.2016年にトップだったGOLOダイエット復活

4.1200カロリーダイエット

3.スマホアプリを使うNoomダイエット

2.Dr. Sebiダイエット、植物ベースだけれど「クレンジング」というインチキ宣伝を伴う

1.間欠断食あるいは食べる時間を制限

 

-中国の研究所は実験室労働者での病原体アウトブレイクを調査

Natureニュース

Chinese institutes investigate pathogen outbreaks in lab workers

17 DECEMBER 2019  David Cyranoski

https://www.nature.com/articles/d41586-019-03863-z

二つの研究所の学生や職員がBrucella菌陽性だった

中国中央部の蘭州獣医学研究所は12月7日に96人の職員と学生が検査陽性だったと確認した。12月10日は黒竜江省保健委員会が、蘭州から約2600km北東の哈爾浜獣医学研究所で13人の学生が感染したことを確認した。この13人は蘭州研究所にインターンとして働いたことがある49人の一部である。

 

-The Alliance for Risk Assessment (ARA)

https://tera.org/Alliance%20for%20Risk/index.htm

第11回ワークショップ、2020年2月18-20日

Beyond Science and Decisions: From Problem Formulation to Dose-Response Assessment  Workshop XI

https://tera.org/Alliance%20for%20Risk/ARA_Dose-Response.htm

PFOAのケーススタディが議題になっている