[EFSA]グローバルな食品及び飼料供給チェーンの地図と分析
Map and analyse global food and feed supply chains
9 December 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1742
2017年春に、グローバルな食品及び飼料の供給チェーンの安全性のためのリスク評価ツールに関するEFSA-BfRパートナーシップ協定の枠組みが開始された。エリア1の課題と成果がフードチェーンラボ(FCL)に集められ、食品由来アウトブレイクへの適用、研修会の実施による使用の普及、追跡専門家の国際ネットワークの確立など、FCLのさらなる開発が含まれている。最終報告書では、2019年夏までのEFSA‐BfRの最初のプロジェクト段階中に達成されたエリア1の全活動をまとめ、今後の協力についての概要を示した。最初のプロジェクト段階は非常に成功した。有意義な3加盟国-特別FCL養成課程が実施された。さらにEFSA‐ECDC共同ワークショップが6加盟国で実施され、FCLと同様に追跡が養成課程の大部分である。別の複数国のFCL研修会がドイツで、三番目はイタリアでEFSAの職員と加盟国の専門家のために開催された。いくつかのイベントや活動中に追跡専門家のネットワークが開始及び拡大できた。彼らは今後のFCLワークショップ、問題の追跡における協力、データ交換のフォーマットに関心を示した。FCLの迅速な展開チームによる支援を通して、あるいはMS自身が自発的に、いくつかのMS‐特別あるいは複数国の食品由来アウトブレイク中に、FCLは追跡分析に適用された。さらにFCLの開発は、FCLウェブアプリの開発やデータを交換するための他のソフトウェアとの結びつきを押し進める。また、主な成果は、配信データの入力マスクのウェブベースパイロット版の作成や、追跡情報の報告を改善するための視覚化で、例えば、EFSAの迅速な発生評価においては、FCLウェブアプリの促進、そのデータ収集、報告モジュール、追跡専門家ネットワークの強化など、EFSA、BfR、MS間の経験の交換の改善が第2契約段階中の焦点となるだろう。
[EFSA]意見等
-葉、ハーブ、花のハーブ抽出液のフルオピラムの既存MRLsの改訂
Modification of the existing maximum residue levels for fluopyram in herbal infusions from leaves, herbs and flowers
EFSA Journal 2019;17(12):5942 6 December 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5942
妥当性が確認された定量限界(LOQ) 0.01 mg/kgで検討中の作物のフルオピラムの残留物を管理するのに利用可能な執行のための分析法が得られた。リスク評価結果に基づき、EFSAは報告された農業規範によるフルオピラムの使用から生じる残留物の食事摂取は消費者の健康リスクになりそうもないと結論した。
-全ての動物種用飼料の官能的添加物として使用する際のVerbascum thapsus L.由来チンキの安全性と有効性
Safety and efficacy of a tincture derived from Verbascum thapsus L. when used as a sensory additive in feed for all animal species
EFSA Journal 2019;17(12):5910 6 December 2019
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5910
[BfR]「指紋」が食品偽装を有罪にする役に立つ
"Fingerprint" helps to convict food counterfeiters
29.11.2019
"FoodAuthent"(食品真正):研究事業が製品の起源と真正性に関する安全性をさらに保証する概念を提示
ワインのグリコール、スピリッツのメタノール、「腐った肉」、いずれにせよ食品スキャンダルは製造業者、小売業者、当局への信頼を損なう。供給チェーンのグローバル性や、製品の多様性や新しい製造技術が増えていることを考えると、商品がどこからきて、それらが表示されているとおりであるかを確認するのはますます困難になっている。この"fAuthent"オープンソースソフトウェア"は"FoodAuthent"研究事業の一環としてこのような背景で開発された。この3か年計画で、このソフトウェアには広範囲にわたる食品モニタリングで「指紋」分析法を導入する可能性があることが明らかになった。このプロジェクトの結果は2019年11月26日にドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)が開催した専門家会議で示された。
・プロジェクトのウェブサイト:www.foodauthent.de
このプロジェクトは2019年12月末に終了するが、食品の組成を決定できる分析法も試行された。そうすることで、個別の化学物質の「指紋」(いわゆる「指紋法」)の概略を説明できる。この「指紋」はその後、関連するデータベースに保存されている真正の食品サンプルと比較できる。加えられた何らかの物質を含む偽物は、この方法で確認できる。同様に、製品の原産地、使用品種、製造工程も分析できる。この比較は、製品が表示上に示されている食品と実際に同じかどうか明確にすることができる。「分析的指紋法は、従来の標的検査を補完する。それらは食品偽装と闘うための努力の重要な要素である。」とBfR長官Andreas Hensel医学博士は述べた。
分析的指紋法は、例えば、ハードチーズ、食用種子油、スピリッツ製品のグループに由来する商品で試された。fAuthentソフトウェアの意図は、公的機関と食品企業どちらにも将来効率的に指紋情報を交換する機会を与えることである。この目標を達成するためにfAuthentは、様々な「指紋」、基準測定値、データ分析手段がローカルで保存できでき、共有資源として提供できるような必要なソフトウェア基盤を提供する。
このプロジェクトパートナーは、製造業者、小売業者、当局の間で指紋情報を安全に転送することができる、より使用者が使いやすい方法でデザインされたオープンソース上のIT プラットフォームをさらに拡大することを計画している。このfAuthentシステムは、全てのシステムパートナーが自分のデータを管理できることを保証する。
「食品起源の保証」に焦点を当てた当該研究と共に、このFoodAuthent研究事業にはドイツ連邦食糧農業省(BMEL)が資金提供している。ドイツ連邦リスク評価研究所、Konstanz大学、GmbH & Co. KG社、Eurofins Analytik GmbH社、GS1 Germany社、 Lablicate GmbH社が協力している。
[EU]RASFF Week50-2019
警報通知(Alert Notifications)
オランダ産ポーランドで製造した食品サプリメントの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (299 mg/kg)及び未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、ポーランド産そば粉のオクラトキシンA (5.6 µg/kg)、ウズベキスタン産ハンガリー経由レーズンのオクラトキシンA (21.5 µg/kg)、スロバキア産森のハチミツのヒドロキシメチルフルフラール(HMF) 高含有 (73.4 mg/kg)、スウェーデン産食品サプリメントの未承認物質シルデナフィル、英国産食品サプリメントの未承認物質シルデナフィル(存在)、ハンガリー産ロゼワインの亜硫酸塩非表示、ベルギー産ドイツで製造したスペルト小麦のオクラトキシンA (7.1 µg/kg)、産出国不明チェコ共和国で包装した低脂肪ココアパウダーの多環芳香族炭化水素(52.6 µg/kg)、
注意喚起情報(information for attention)
ブラジル産オランダ経由ライムのクロルピリホス(0.09 mg/kg)、スペイン産マンダリンのイマザリル(12.9 mg/kg)、米国産食品サプリメントの未承認物質ヨヒンビン、米国産鳥用飼料の残留農薬(エトキシキン 2.1 mg/kg)、イタリア産ホウレンソウのピラクロストロビン(3.6 mg/kg)、中国産レーズンのオクラトキシンA (30 µg/kg)、米国産食品サプリメントの未承認物質ヨヒンビン及び未承認新規食品成分イカリソウ、米国産食品サプリメントのヨウ素高含有(1950 μg/日)、
フォローアップ用情報(information for follow-up)
スイス産犬猫用補完飼料の未承認飼料添加物カンナビジオール(CBD) (1310 mg/kg)、
通関拒否通知(Border Rejections)
トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(Tot. = 16.53 µg/kg;B1 = 57.74; Tot. = 131.81 µg/kg ;B1 = 7.93; Tot. = 16 µg/kg;B1 = 22.1; Tot. = 67.4 µg/kg)、米国産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 3.7; Tot. = 4.2 µg/kg)、トルコ産煎った塩味ピスタチオのアフラトキシン(B1 = 17.86; Tot. = 19,89 µg/kg)、中国産台所用プラスチックガラス製品からのホルムアルデヒドの溶出、中国産ポリアミド製台所用品からの一級芳香族アミンの溶出(63.6 µg/kg)、トルコ産ナッツとドライフルーツミックスのピリメタニル(0.40 mg/kg)及びシプロジニル(0.32 mg/kg)、中国産未承認遺伝子組換え玄米麺、中国産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 5.8; Tot. = 6.5 µg/kg)、米国産ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 11; Tot. = 13 µg/kg)、中国産シーフラワーピーナッツのアフラトキシン(B1 = 14 µg/kg)、中国産プラスチック皿からのメラミンの溶出(5.5 mg/kg)、中国産プラスチックマグからのホルムアルデヒド(19 mg/kg)及びメラミン(9.4 mg/kg)の溶出、米国産ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 18.9; Tot. = 21.2 µg/kg)、中国産ベーキングトレイからの鉄の溶出(262.9 mg/kg)及び高濃度の総溶出量(170 mg/kg)、
[EU]ジンクピリチオンについての予備的意見にパブリックコメント募集
Preliminary Opinion open for comments on Zinc Pyrithione (ZPT) –
2020年2月24日まで
CLP規制の生殖毒性1Bへの分類がスウェーデン当局から提案されている。それに対応して生殖発達毒性試験データが提供されているが、これらの試験は2013年3月11日の化粧品での動物実験禁止以降に実施されているがジンクピリチオンは別途バイオサイド規制でも検討されていてその枠組みでの試験なので化粧品の安全性評価に使用できる
各種暴露シナリオでの安全性マージン(MoS)で評価
[ANSES] 動物の健康における抗菌剤耐性監視のANSESの仕事
ANSES's work in monitoring antimicrobial resistance in animal health
News of 21/11/2019
https://www.anses.fr/en/content/ansess-work-monitoring-antimicrobial-resistance-animal-health
世界抗菌剤啓発週間と欧州抗菌剤啓発デーを機に、ANSESは2018年の動物の健康における抗菌剤耐性に関する状況をレビューする2つの報告書を発表し、「抗菌剤は貴重であり、より慎重に使用するようにしよう」と題した11月20日の関係閣僚のシンポジウムに参加している。ANSESは動物の健康とフードチェーンにおける抗菌剤耐性のテーマに積極的に参加する。その研究、レファレンス、サーベイランス及びリスク評価活動は、畜産農業、食品及び環境の分野における抗菌剤耐性に関連するリスクをより深く理解することに貢献する。これは、人間も動物も含む「One Health」の考え方に従い、すべての種類の医薬品にかかわる統合的アプローチの一環である。
抗菌剤耐性と闘う上で、ANSESの役割は何か?
ANSESは動物用医薬品における抗菌剤の使用を追跡し、監視しさらに動物の抗菌剤耐性を研究し、安全かつ効果的な動物用抗菌剤のみ市販を許可する。
動物用抗菌剤使用の追跡
毎年、ANSESはフランスにおける抗菌剤を含む動物用医薬品の販売に関する報告を発表する。動物用医薬品の抗菌剤販売を監視し、指標細菌を測定する、フランス国立動物用医薬品局(ANMV)のほかに、ANSESのプルフラガン-プルザネ-ニオール及びリヨンの研究所も一緒に、抗菌剤の処方と使用に関する分類データを収集するその場その場の畜産調査も実施する。
‣「抗菌剤を含む動物用医薬品の販売調査」2018年報告書(フランス語)
( https://www.anses.fr/system/files/ANMV-Ra-Antibiotiques2018.pdf)
動物と食品における微生物耐性の存在の監視と理解
ANSESは抗菌剤耐性に対する国立参照試験所であり、そのため、欧州のレベルでの統一サーベイランス計画の一環として、食品チェーンの微生物耐性を監視する。動物由来の病原性微生物の耐性を監視し、欧州でその種の唯一のネットワークであるRESAPATHをとりまとめる。
‣動物由来の病原性微生物の抗菌剤耐性に関するフランスのサーベイランスネットワーク(RESAPATH)2018年報告書(pdfフランス語)
(https://www.anses.fr/system/files/LABO-Ra-Resapath2018.pdf)
‣Résapathネットワークについて
(https://www.anses.fr/node/131551)
安全かつ効果的な動物用抗菌剤の販売許可を与え、それらを監視する
ANSESの一部である、ANMVはフランスの動物用抗菌剤の市販許可(MAs)をする。この中で、一連の耐性微生物によりひきおこされる特殊なリスクを考慮に入れながら、動物、消費者及び環境に対する品質、有効性及び安全性を評価する。
‣「動物用医薬品の市販後Post-MAサーベイランス」報告書(pdfフランス語)
(https://www.anses.fr/system/files/ANMV-Ra-Pharmacovigilance2018.pdf)
2018年の結果
動物由来の微生物における抗菌剤耐性の監視に関するデータ
RESAPATH
‣重要な抗菌剤に対する微生物耐性の減少傾向が確認された
‣コリスチンに関し、データによると状況はこの抗菌剤に対する耐性は一定して減少し、この10年間コントロールされている。
‣2018年はネットワークにより565,000以上の耐性記録が採取された。
フードチェーンにおける微生物の耐性
‣フランスで販売される鶏肉中の基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)および AmpC 型βラクタマーゼ産生菌であるE. coliの汚染は大幅に減少:2016年62%に対し2018年26%
‣この58.3%の減少は、流通段階で鶏肉(ブロイラー種)サンプル中のESBL E. coli 汚染において、5年間で50%の減少というEcoantibio計画(2017-2021)により設定された目標を超えるものである。
動物用医薬品中抗菌剤の販売の監視
‣これについては、2017年に比較し、5.5%販売減少を示す。1999年以降、最も少ない量(471トン)を記録する。
‣2011年以降、有意に一定した減少の後、動物の抗菌剤に対する全体的な暴露は2017年と2018年の間に0.7%増加した。使用の減少はいくつかの抗菌剤分類にとって限界に達したようで、この傾向がどのように進化するかに関して油断しないことが重要である。
これらの結果は全体として非常に肯定的なものであるが、いくつかの分類に対し限界に達した可能性があることを示し、動物用医薬品における抗菌剤の分別ある、理性的な使用に対する取り組みは続けていくべきであることを示す。
[ANSES] コハク酸脱水素酵素阻害剤 (SDHI)の最新情報
SDHI update
News of 08/11/2019
https://www.anses.fr/en/content/sdhi-update
試験管内で培養された細胞に対するSDHI農薬の毒性に関する科学雑誌PLOS Oneの11月7日の論文発表を受け、ANSESは実際の状況下でのこれらの物質の暴露による健康影響の可能性に関する研究を他の科学研究や専門家評価の組織と協力し、続けていることを指摘する。
これに関連し、最新の他の発表と併せて、研究所が現在農薬の健康影響に関する知識を更新している専門家集団評価の中で、この発表のデータを考慮するようINSERM(フランス国⽴保健医学研究所)は依頼された。
科学的リスク評価はすべての利用できる知識、特に作用メカニズム及び細胞(in vitro)と動物(in vivo)の実験的毒性に基づくので、これは重要である。昨日発表されたその論文は、実験条件下の細胞株で得られた最新のデータを提供する。論文で著者が指摘しているように、いずれの場合でも、作物に農薬を散布し生ずるだろうSDHI濃度と、研究所の条件下でin vitroで得られたIC50値と比較することは賢明でない。
2019年1月14日の意見書を更新するために、ANSESはINSERMの専門家集団評価の結果を含め、SDHI農薬に関するすべての最新の研究を調査することに結集しているので、興味深いこれらのデータは、科学専門家によって吟味されるだろう。
ANSESは科学者のチームによる報告の後、独立した科学専門家の集団を招集し、1月14日にSDHI農薬の市販許可の撤回を正当化する健康的警告は何もなかったと結論を出したと指摘する。しかし、ANSESは欧州や国際的なレベルで監視を呼びかけ、食品、大気及び土壌を介した暴露を記録するために、また現在ある監視スキームでの健康影響の可能性を発見するために、ヒトの毒性影響の可能性に関する取り組みを続けることを決定した。
ANSESは食品を介した様々なSDHI農薬の累積暴露の問題に取り組むために率先して行動した。また、2020年前半にその知見を発表するだろう。
ANSESの使命はヒトと環境を保護するために健康リスクを科学的に評価することである。植物保護製品については、疑念が起き、健康警告が確認されればいつでも遅れることなく、市販許可を修正あるいは撤回する。
[CFIA] 開始:食品事業者用ツールキット
Getting started: Toolkit for food businesses
2019-12-09
https://www.inspection.gc.ca/food/toolkit-for-food-businesses/eng/1427299500843/1427299800380
食品事業者がカナダ国民のための食品安全規則の新たな要件を満たしているか確認するツール。
[FDA]ダイエタリーサプリメント成分助言リスト
Dietary Supplement Ingredient Advisory List
12/16/2019
本日、FDAはダイエタリーサプリメント成分助言リストに新たに3成分を追加した-硝酸ビスマス、 スルブチアミン、テトラクロロ金酸ナトリウム。
[RIVM]報告書
-オランダ集団の日々の塩と砂糖摂取に与える食品中塩と砂糖濃度を下げることの影響推定
Estimated effect of lower salt and sugar levels in foods on the daily intake of salt and sugar of the Dutch population
13-12-2019
本文オランダ語、要約のみ英語
2014年以降食品業界は塩砂糖脂肪含量を減らす合意をしている。2017年半ばまでの進行状況報告ではこの合意によるオランダ人の塩と砂糖の摂取量削減に向けた前進は小さい。食品の組成を改善する他に、消費者がより健康的な選択をすることが重要。
-アスベストレメディエーションの最終評価の試験値を調整した時のがんリスク
Cancer risk when adjusting the test values in the final assessment of asbestos remediation
17-12-2019
本文オランダ語、要約のみ英語
2,000 fibres/m3の代わりに10,000 fibres/m3 の値を使ったら労働者や住人のがんリスクがどうなるかを計算
-アスベストの検証と刷新ポイントの設定に関する助言
Advice on setting up a validation and innovation point for asbestos
27-12-2019
https://www.rivm.nl/publicaties/advies-inrichting-validatie-en-innovatiepunt-vip-asbest
[FAO]欧州と中央アジアの食糧安全保障と栄養の地域概要発表
Launch of the Regional Overview of Food Security and Nutrition in Europe and Central Asia
17/12/2019
http://www.fao.org/europe/events/detail-events/en/c/1254454/
Regional Overview of Food Security and Nutrition in Europe and Central Asia 2018
http://www.fao.org/documents/card/en/c/CA2703EN
[CDC]電子タバコ使用関連肺障害患者の特徴と製品使用行動-インディアナ、2019年6-10月
Patient Characteristics and Product Use Behaviors Among Persons with E-cigarette, or Vaping, Product Use–Associated Lung Injury — Indiana, June ̶ October 2019
MMWR / December 13, 2019 / 68(49);1139–1141
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/68/wr/mm6849a3.htm?s_cid=mm6849a3_w
米国では12月4日現在EVALIでの入院は2291人で、そのうちデータがある人では80%がTHC含有製品を使っていたと報告している。インディアナでは2019年8月8日から10月28日までの間に97人がEVALIと確認されたがインタビューが終わった29人のうち69%がTHC含有製品を使用したと報告している。これは全米より低率で、THCの使用を報告しないのか、あるいはEVALIがTHCとだけ関連するわけではないのかの可能性がある
インディアナではTHC含有製品は違法なため影響を恐れて報告しない可能性もある
[IARC]IARCモノグラフ122巻:亜硝酸イソブチル、β-ピコリン、いくつかのアクリル酸、オンライン公表
IARC Monographs Volume 122: Isobutyl nitrite, β-picoline, and some acrylates
16 December 2019
[ASA]助言
-子どもとHFSS広告-2019年の3つの教訓
Children and HFSS Ads – Three Lessons from 2019
CAP News 12 Dec 2019
https://www.asa.org.uk/news/children-and-hfss-ads-three-lessons-from-2019.html
CAP基準ではHFSS食品とは「保健省の栄養プロファイリングモデルに従って脂肪、塩、砂糖の多いものと評価された食品やソフトドリンク」であると定義している。2017年7月1日以降HFSS製品の広告は16才以下の誰かに向けたメディアに出現してはならない。特に小学生(12才以下)を直接標的にしているものには注意が必要である。我々はこの規則の重要なポイントをカバーするためのツールキットを集めているが、2019年には3つの教訓があった。
1.年齢の自己申告の落とし穴に注意
2.年齢ふるい分けだけでは不十分
3.メディアの場所(学校の近くのポスター等)
-「偽の意見」を避ける-お客様の声や推薦のガイド
Avoiding ‘Fake Views’ – A guide to testimonials and endorsements
CAP News 12 Dec 2019
https://www.asa.org.uk/news/avoiding-fake-views-a-guide-to-testimonials-and-endorsements.html
お客様の声や推薦はよく使われる有効な方法で合法であるが正確で根拠があり誤解を招かないものであることを確実にしなければならない。7つのポイントを示す
1.それらが本物であることを示す
2.許可を得る(ほとんどの人は広告に使われるのを嫌う)
3.妥当であることを確保(例えば使用前後の比較写真は正確に)
4.広告であることを明示
5.ポジティブな意見へのインセンティブを行わない
6.制限のあるカテゴリーに注意(例えば医薬品や医療)
7.他の一般規則にも従う
-健康:アレルギークレーム
Health: Allergy Claims
Advice online 10 Dec 2019
https://www.asa.org.uk/advice-online/health-allergy-claims.html
・アレルゲンを除去するというクレームには根拠を持っていること
・機器のアレルギー予防クレームには注意
・医薬品ではないものの医療クレームはしない
・食品サプリメントにアレルギー予防や治療のクレームはしない
[USDA]USDAは2018年農薬データ計画要約を発表
USDA Releases 2018 Annual Pesticide Data Program Summary
December 10, 2019
https://www.ams.usda.gov/press-release/usda-releases-2018-annual-pesticide-data-program-summary
2018 PDP Annual Summary (pdf)
https://www.ams.usda.gov/sites/default/files/media/2018PDPAnnualSummary.pdf
あとで
[FSSAI]消費者は今や消費者団体を介して食品の検査ができる
Consumers can now get food tested through consumer organizations
13th December 2019:
https://fssai.gov.in/upload/press_release/2019/12/5df499f9a0c50Press_Release_NetCOFaN_14_12_2019.pdf
食品と栄養のための消費者団体ネットワーク(NetCOFaN)を作った
消費者の信頼を得るために、インドの食品規制機関は消費者団体を介して食品の検査をすることに決めた
SMC UK
-唐辛子の摂取と死亡率への専門家の反応
expert reaction to chilli consumption and mortality
DECEMBER 16, 2019
https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-chilli-consumption-and-mortality/
Journal of the American College of Cardiologyに発表された研究が唐辛子を食べると心臓や脳血管が原因の死亡リスクが減ると報告
Aston大学医学部登録栄養士で上級教育フェローDuane Mellor博士
これは興味深い研究だが因果関係を示したものではなく、伝統的地中海食に近い人の方がそうでない人より利益があるように見える。唐辛子を多く使う人はハーブやスパイスを多く使う人でもあり野菜を含む生鮮食品を多く食べている可能性が高い。従って唐辛子は美味しいかもしれないが直接影響はおそらく小さく、より健康的な食生活をしている可能性の方が高そうである
Quadram生命科学研究所栄養研究者で名誉フェローan Johnson博士
これは地中海地方の集団での質の高い観察研究である。結果は唐辛子を多く食べることと全原因での死亡リスクの低さ、特に脳卒中と心疾患による、に関連があることを示した。残念ながら説得力のあるメカニズムはわからず、用量反応も見られなかった。これが真の効果だと想定すると、どんな少量でも唐辛子に保護作用があって高用量では追加の効果がないということになるので信じがたい。この種の関連は、唐辛子は他の食生活やライフスタイル要因の単なるマーカーであろうということを示唆する。疫学研究ではよくあることであり、著者らはこれを指摘している
-超加工食品摂取と2型糖尿病を調べた研究への専門家の反応
expert reaction to study looking at ultraprocessed food consumption and type 2 diabetes
DECEMBER 16, 2019
JAMA Internal Medicineに発表された研究が超加工食品を多く食べることは2型糖尿病発症リスクの高さと関連するかもしれないと報告する
Reading大学栄養食品科学教授Gunter Kuhnle教授
これは興味深いよくできた研究であるが超加工食品を多く食べる参加者は運動しない、肥満、現在喫煙中といった他の糖尿病のリスク要因ももっている。ただし著者らは考慮している。この研究は超加工食品と健康不良の関連を示す根拠を加えるもので因果関係の疑問を提示する。食品添加物がしばしば非難されるがその健康影響は定期的に評価されている-食品と接触する物質もそうである。因果関係を確立するための主要な問題点は超加工食品の定義が栄養プロファイルの大きく異なる広範な食品を含むことである:使われている分類によると超加工食品にはソーセージやバーガーやアイスクリームや乳児用ミルク、ケーキミックス、全てのスピリッツが含まれる。スピリッツなど一部の食品には食品添加物は含まれないあるいはごくわずかしか含まれない、一方他のものには広範な別のものが含まれる。重要な栄養源となる食品もあればほとんど栄養のないものもある。観察された関連はさらなる研究を正当化するものの現在の超加工食品の定義は特定の食事助言をするにはあまりにも特異性がない
Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授
この研究は参加者が10万人以上の大規模なもので統計方法は適切である。では何故私はこの知見に懐疑的なのか?理由は超加工食品を食べることが実際に2型糖尿病のリスクの違いの原因であるかどうかがわからないこと、もしも関連が原因と影響の一つであったとしてもなおその因果関係が作用しているかどうかわからないこと、っして極めて典型的ではない人々の集団のデータであること、である。
最初の懸念は、この種の研究全てがそうであるが、観察研究であるということである。異なる食事をするように割り当てられたわけではなく、彼らは自分で選んだものを食べていて食べたものを記録した。超加工食品を食べる量が違う人たちは他の点でも大きく違う。従って糖尿病リスクの違いは超加工食品の量ではなく他の違いが原因かもしれない。ある程度は統計学的調整が行われているがそれは完璧ではない。
著者らは一部の加工食品の性質で2型糖尿病に影響するかもしれないいろいろな要素を並べているが、その手の知見を全体としての超加工食品摂取に当てはめるのは問題がある、なぜなら超加工食品のリストは極めて多様で膨大だから。ある食品で可能性のある経路はその超加工食品の長いリストの全てにあてはまるわけではなく、個々の食品あるいは食品群ごとに解析が必要である。しかし10万もの参加者がいてもそのような調査ができるデータはない。実際のところ10万というのは重要な事柄から注意を逸らすための修辞上の技法の類いであり、大事なのはこの研究で糖尿病になった人の数でありそれは821である。
超加工食品に関する研究のほとんどはごくわずかのコホート由来で、特にこのNutriNet-Santéコホートがかなりの割合を占める。このコホートの参加者は栄養と健康に関心のある自主的参加者である。そのため彼らは典型的なフランス人集団とは異なり、平均年齢は若く、教育レベルが高く、食習慣は違い、圧倒的に女性が多い(5人中4人が女性)。そしてフォローアップ期間は中央値で6年なので高齢者での長期影響についてはわからない。さらに食習慣が違う英国などの国にあてはまるかどうかについてはますますわからない。
懐疑的である理由のどれも、超加工食品を食べることに2型糖尿病に何の影響もないという意味ではない。ただ、実際に何がおこっているのかはわからないと言っているだけである。
Aston大学医学部登録栄養士で上級教育フェローDuane Mellor博士
この研究は現在の食事助言のメッセージを確認するものである。この研究は関連が因果関係ではないことを明確にしているが幾分混乱する部分がある。
科学コミュニティとして我々はもっと責任を持つ必要があるだろう。この全く同じ集団からのデータが、今年5月に超加工食品の心血管系疾患リスクへの影響を調べるのに使われたばかりである。一つのデータセットを異なる結果について再利用することは珍しくないが、それは必ずしも一般の人に役立つわけではない。生鮮野菜果物やナッツや種子や幾分かの乳歯絵ヒント魚と肉からなる食事が健康的であるというメッセージは新しいものではない。超加工食品の問題は、全ての食品が簡単に分類できず、このアプローチがより新鮮な食品を多く食べようというメッセージよりいいのか疑問だということである。
さらに著者らがこの研究で評価していない、この研究の途中で禁止された包装材中BPAの影響かもしれないと示唆するのは懸念である。それは全くの想像でしかない。従って、データとしては現在の食事助言を支持するものであるが、メカニズムについてはたくさんの想像でしかない示唆をしている
その論文
NutriNet-Santé前向きコホート参加者の2型糖尿病リスクと超加工食品摂取
Ultraprocessed Food Consumption and Risk of Type 2 Diabetes Among Participants of the NutriNet-Santé Prospective Cohort
Bernard Srour et al.,
JAMA Intern Med. Published online December 16, 2019
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2757497
食事中の超加工食品の割合が高い参加者は2型糖尿病リスクの高いことと関連する
(NutriNet-Santéなのでまあそうだろう、としか。ディスカッションで悪い可能性のあるものとしていつものものの他にカラギーナンをやり玉に挙げている。)
-1日2個のリンゴを食べることとコレステロール濃度を調べた研究への専門家の反応
expert reaction to study looking at eating two apples per day, and cholesterol levels
DECEMBER 16, 2019
American Journal of Clinical Nutritionに発表された研究が、毎日2個リンゴを食べるとコレステロール濃度が減らせると報告する
Sheffield大学心血管医学教授で名誉心臓相談医Tim Chico教授
この研究は1日2個のリンゴを食べるとリンゴジュース1杯に比べると少しだけコレステロールが低下することを示した。スタチン治療に比べるとコレステロールへの影響はごくわずかであるため、心疾患や脳卒中減少につながるかどうかはわからない。しかしこの研究は短期間で、障害にわたる健康的食生活の利益は蓄積する可能性がある。食物繊維の多い食品を丸ごと食べることは既に各種疾患リスクを下げることが知られている。
では人々はスタチンの代わりにリンゴを食べるべきか?ノー。この研究を根拠にそうはいえない。スタチンを使用しているかどうかに関わらず、全ての人は野菜や果物をもっと食べるべきだろうか?運動と禁煙と健康体重維持と一緒に、まさにそうである。
Glasgow大学代謝医学教授Naveed Sattar教授
この研究の結果は興味深いが比較的小規模で短期間で多数の項目を測定していて、結果は決定的だとはいえない。確認にはより規模の大きい長期研究が必要である。
とはいえリンゴを食べる方がジュースを飲むより明確に良い。従ってコレステロールに関係なく毎日果物を一つまたは二つ余分に食べることは勧める方が良い。リンゴでもバナナでもオレンジでも、毎日果物を多く食べよう。
(「リンゴ二個毎日」長期間は無理と思っちゃうのは想像するリンゴが大きすぎるんだろうか)
SMC NZ
-2019年の科学の話題トップ10
Top Ten Science Stories of 2019
16 December 2019
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2019/12/16/top-ten-science-stories-of-2019/
国内
はしかの流行
ホワイト島噴火
国勢調査混乱 (70万人分データがない)
Foulden Maar(企業の採鉱計画への反対運動)
薬物規制改革
イルカ保護
5Gへの恐怖と誇大広告
西海岸がゴミの山に
気候変動ジャーナリズム
死んだラットの謎
国際
電子タバコの浮沈
気候ストライキ
世界が燃えている
クライストチャーチ銃撃事件
100万の絶滅危惧種
ブラックホールが見えた
ボーイングMAXの悲劇と座礁
赤肉助言を噛みしめる
月面着陸50年
ゲノム編集の余波(ヒトの)
その他
-女性:緑茶サプリメントは使用しないように
Women: Skip Green Tea Supplements
by WELLNESS LETTER December 12, 2019
女性は乳がんリスクを減らそうとして緑茶抽出物(GTE)を含むダイエタリーサプリメントを使用すべきではない。実験室の研究で緑茶抽出物や緑茶に含まれるある種のポリフェノールは抗癌作用があるかもしれないことが発見されているが、観察研究ではお茶を飲むヒトはある種のがんリスクが低かったりそうでなかったりする。理論としてGTEが血中ホルモンやインスリン様成長因子(IGF)の濃度を変えることでがんリスクを下げるのかもしれないとされた。この説を調べるためにNIHの資金による研究で、538人の乳がんリスクの高い閉経後女性に1年間高用量GTEサプリメントあるいはプラセボを使用してもらった。予想に反してGTEは乳がんリスクを下げる方向にはホルモンやIGFを変えることはなかった。実際のところサプリメントを使用した女性は血中エストラジオール濃度が平均で増加し、プラセボ群は正常な年齢に応じたホルモンの低下を示した。これまでの研究でエストラジオール濃度が高いことは閉経後女性の乳がんリスクの高さと関連する。多くの減量用サプリメントに含まれる高用量GTEはまた肝障害の原因ともなる。
言及されている論文
Green Tea Catechin Extract Supplementation Does Not Influence Circulating Sex Hormones and Insulin-Like Growth Factor Axis Proteins in a Randomized Controlled Trial of Postmenopausal Women at High Risk of Breast Cancer
Hamed Samavat et al.,
The Journal of Nutrition, Volume 149, Issue 4, April 2019, Pages 619–627
https://academic.oup.com/jn/article-abstract/149/4/619/5423559
-簡単な料理の換算?クリックするだけ
Quick Cooking Conversions? Just Click
by WELLNESS LETTER December 12, 2019
https://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/article/quick-cooking-conversions-just-click
レシピに「タマネギのみじん切り1カップ」とあったとき、タマネギがどのくらいいるか悩んだことはある?あるいはトウモロコシの粒1カップは何本か、ライムジュース1/4カップはライム何個か?それなら換算ウェブをクリックして。
Produce Converter
https://www.howmuchisin.com/produce_converters
(それ以前にSI単位でないことや1カップの容量が日米で違うことをなんとかしてほしい)
-「クリックバイト」としての科学研究
Scientific Studies as “Click Bait?”
December 11, 2019 By Jeffrey A. Singer
https://www.cato.org/blog/scientific-studies-click-bait
確認が必要な、単なる相関研究が大々的にメディア報道されることについて
「サイエントクラシーScientocracy」
-Natureの2019年トップ10 本
Nature’s top ten books of 2019
16 DECEMBER 2019
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03876-8
今年の十大○○の季節
今年のベスト科学イメージ:2019画像
The best science images of the year: 2019 in pictures
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03839-z
論文
Robots, hominins and superconductors: 10 remarkable papers from 2019
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03834-4