2019-09-02

[BfR]アレルギーリスク:タトゥー針の金属粒子が初めて皮膚に検出された

Allergy risk: Metal particles from tattoo needles detected in the skin for the first time

27.08.2019

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2019/33/allergy_risk__metal_particles_from_tattoo_needles_detected_in_the_skin_for_the_first_time-241920.html

タトゥー針由来金属のマイクロ及びナノ粒子が皮膚やリンパ節に沈着する可能性がある。これは、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)とパートナーの国際チーム研究者の結果である。タトゥー針は鋼鉄でできているため、ニッケル(6-8%)やクロム(15-20%)も含んでいる。研究チームは、タトゥーインクが白色顔料二酸化チタン(TiO2)を含む場合、使用中に金属粒子が針からすり減って皮膚に浸透する可能性があることを実証した。ニッケルとクロムは針から機械的に放出され、皮膚に入り込む。その後、これらの粒子はリンパに移行することがある。現在まで、主に着色顔料(タトゥーインク)がニッケルとクロムで汚染されていて金属関連タトゥーアレルギーの原因となると考えられていた。この新たな研究で、研究者たちはタトゥー針でも健康リスクを引き起こすという証拠を提供した。さらに、ニッケルとクロムで体の汚染が増える。今後の研究で、これらの金属の追加摂取でアレルギーを引き起こす確率がどのように増えるかを調査する予定である。

 

[BfR] ラボでのポリスチレンマイクロプラスチックによる腸損傷のエビデンスはない

No evidence of intestinal damage from polystyrene microplastic in the laboratory

Communication No 029/2019 from the BfR of 5 August 2019

https://www.bfr.bund.de/cm/349/no-evidence-of-intestinal-damage-from-polystyrene-microplastic-in-laboratory.pdf

ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)の研究者は、ポリスチレン(PS)のマイクロプラスチック粒子により引き起こされる酸化ストレスや炎症の兆候のような腸組織の損傷のエビデンスは何もないことを発見した。これはラボで行われた実験の最も重要な結果である。

PSは世界中で最も広く使用されるプラスチックの一つである。とりわけ食品包装の生産と自転車のヘルメットのような日用品に使用される。マイクロプラスチックは環境中で増えつつある小さなプラスチックの粒子や繊維を意味する。初期の科学分析では、ヒトもまた食事を介してPSマイクロプラスチックを摂取していることが示されている。

BfRの研究目的は、PSマイクロプラスチックの摂取と影響を調査することであった。これはマイクロプラスチックの影響の可能性を評価するために利用できるデータが限られているため重要である。BfRの科学者は2つの方法を使用した:1つは、異なる大きさ(直径1、4及び10ミクロン)のPSマイクロプラスチックの粒子が細胞に取り込まれるかどうか調べるため、ヒトの腸の培養上皮細胞(in vitro)を使用した。もう1つは、マイクロプラスチック粒子の胃腸への移行及びPSマイクロプラスチックに対する腸細胞の反応を調べるために、マウスにこれらの粒子を28日間与えた(in vivo)。

細胞培養実験では、実際にPS粒子最大直径約4ミクロンが腸壁の上皮細胞に吸収され得ることを示した。しかし、動物実験では、1から10ミクロンの大きさのプラスチックの粒子の非常に多い量の投与でも、これらは調査された腸壁細胞において時折しか検出されなかった。投与量はヒトに現実的であるように思われるものよりずっと多かった。マウスの腸組織や他の臓器には有害な影響は全く見られなかった。

研究者はマイクロプラスチックの大きさと材質に関するデータにおいて大きな不足がまだあると明確に指摘した。例えば、他のプラスチックから作られたマイクロプラスチックの腸内の影響に関してはこのデータからは、全く結論が出せない。それゆえ、マイクロプラスチックの吸収を分析し、リスク評価するには追加の実験研究が必要である。以下のArchives of Toxicology誌に動物研究の結果が公表されている:

https://link.springer.com/article/10.1007/s00204-019-02478-7

BfRウェブサイト上でこのテーマに関するより詳細について

マイクロプラスチックのよくある質問

https://www.bfr.bund.de/en/microplastics__facts__research_and_open_questions192775

 

 

[EU]RASFF Week35-2019

警報通知(Alert Notifications

米国産英国経由食品サプリメントの亜鉛高摂取量(66 mg/)、ベルギー産飼料用ヒエの禁止物質DDT (0.37 mg/kg)、ドイツ産細かくしたパセリの多環芳香族炭化水素(PAH4の合計: 115.2 µg/kg)、ベトナム産冷凍メカジキロインの水銀(2.2 mg/kg)、スロバキア産ココアパウダーのベンゾ(a)ピレン(20.73 µg/kg)及び多環芳香族炭化水素(91.58 µg/kg)、スペイン産チルド真空パックメカジキフィレの水銀(1.46 mg/kg)、フランス産有機そば粉のアトロピン(47 µg/kg)及びスコポラミン(30 µg/kg)、スペイン産チルドメカジキフィレの水銀(1.4 mg/kg)

注意喚起情報(information for attention

インド産食品サプリメントの水銀(164000 mg/kg)、スペイン産チルド調理済エビの亜硫酸塩高含有(273 mg/kg)、米国産チルドビーフのアザペロン(10 µg/kg)及びアザペロール未承認(35 µg/kg)、タイ産ツボクサ(Centella asiatica)のクロルピリホス(0.12 mg/kg)、タイ産コリアンダーの根のクロルピリホス(0.017 mg/kg)

フォローアップ用情報(information for follow-up

ラトビア産ウズラの卵のサリノマイシン(8.4 µg/kg)未承認、中国産スペイン経由卵泡立て器からのクロムの溶出(4.3 mg/kg)、スペイン産冷凍マグロロインのアスコルビン酸(E300)高含有(1917 mg/kg)、中国産ラトビア経由チリパウダーの未承認照射、オランダ産ヘンプオイル入りチョコレートの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (5.9 mg/kg)及び未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD) (155 mg/kg)

通関拒否通知(Border Rejections

アルゼンチン産飼料用ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 65.3; Tot. = 92.4 µg/kg)、ケニア産緑豆の未承認物質ヘキサコナゾール(0.053 mg/kg)、中国産プラスチックコーティングした紙皿とカップからの高濃度の総溶出量(28 mg/dm²)、アルゼンチン産鳥餌用茹でピーナッツのアフラトキシン(B1 = 61.6 µg/kg)、エジプト産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 20; Tot. = 23 µg/kg)、中国産茶こしからのクロムの溶出(3.5 mg/kg)、米国産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 6.5 µg/kg)、トルコ産クロムメッキした鉄網からのニッケルの溶出(0.5 mg/kg0.8 mg/kg)、ボリビア産飼料用ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 49 µg/kg)、中国産竹製ポットからのホルムアルデヒドの溶出(71 mg/kg)

 

[EFSA]2018年の新興リスクに関するEFSAの活動

EFSA's activities on emerging risks in 2018

29 August 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1704

新興リスクに関するEFSAの活動の主な目的は、(i) EFSAの権限域の新興リスクを確認すること、(ii) 新興リスクの識別方法や取り組み方を作成し改善することである。この技術報告書は、新興リスク同定手順に関与するすべてのグループの活動、2018年の間に確認された問題、作成された方法論の説明、共同活動をまとめている。

新興リスク識別活動に寄与するEFSAの知見のネットワークには、新興リスク情報交換ネットワーク、新興リスクについての関係者による討論グループ、EFSAの科学ユニット、科学パネル、科学委員会とその作業グループが含まれている。様々な関係者が利用する新興リスク識別手順の概要が示された。2018年には全部で18件の潜在的な新興問題が議論された。この問題はハザード[微生物学的ハザード(10)、化学物質ハザード(2)、その他(例えば抗菌剤耐性やアレルギー) (1)]および/または確認された新興問題に内在する推進力[違法行為(2)、新しい消費者動向(2)、気候変動関連(1) 、新しいプロセスや技術(3)]により分類された。

新興リスク常設作業グループは、他の関係者に明確な助言をすることだけによらず、潜在的な問題の確認におけるEFSAの知見のネットワークの役割、様々な関係者との協議による出典の起草やレビュー、すでに設定されている基準による問題の記述(新規性、堅実性、深刻さやスケール) をよりよく述べるために、新興リスク確認手順を改訂した。

コミュニケーションは新興リスク同定方法の基本的な部分である。EUの洞察研究の結果、一般人には、新興リスクは確立されたリスクより大幅に高いレベルの懸念を引き起こすとは示されず、リスクの性質についての情報やそれを取り巻く不確実性のレベルを伝えることで、リスク相応の認識を得ることが示唆されている。食品偽装は他の種類の新興リスクより消費者の懸念が大きかった。食品偽装は食品の安全性の新興リスクの重要な原動力になることがあり、食品の安全性に関するリスク評価作業を食品偽装調査によりよく統一することが重要である。

SWGERが行った新興リスク確認(ERI) 手段のレビューは、EFSAの戦略目的に沿った手段のさらなる開発を指導する結論や助言を出した。

 

[EFSA]意見等

-エマメクチンの既存MRLsのレビュー

Review of the existing maximum residue levels for emamectin according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2019;17(8):5803  29 August 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5803

さらなる検討が必要。

 

-有効成分クロルピリホス-メチルの農薬ピアレビューに照らした人の健康評価の得られた結果についての声明

Statement on the available outcomes of the human health assessment in the context of the pesticides peer review of the active substance chlorpyrifos-methyl

EFSA Journal 2019;17(5):5810  28 August 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5810

2019415日に開催された哺乳類の毒性学の農薬ピアレビュー専門家会議を受けたヒトの健康に関する評価の主な知見の概要や、この有効成分がヒトの健康に適用される認可基準に合うと期待できるかどうかを含むEFSAのさらなる考察がこの声明に含まれている。

 

-有効成分クロルピリホスの農薬ピアレビューに照らしたヒトの健康評価の得られた結果についての声明

Statement on the available outcomes of the human health assessment in the context of the pesticides peer review of the active substance chlorpyrifos

EFSA Journal 2019;17(5):5809  28 August 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5809

2019415日に開催された哺乳類の毒性学の農薬ピアレビュー専門家会議を受けたヒトの健康に関する評価の主な知見の概要や、この有効成分がヒトの健康に適用される認可基準に合うと期待できるかどうかを含むEFSAのさらなる考察がこの声明に含まれている。

 

-成分あるいは不純物として立体異性体を持つ植物保護製品の有効成分及び立体異性体を持つ可能性のある有効成分の変換生成物のためのリスク評価に関するガイダンス案についてのパブリックコメント募集結果

Outcome of the public consultation on the draft guidance on risk assessments for active substances of plant protection products that have stereoisomers as components or impurities and for transformation products of active substances that may have stereoisomers

26 August 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1693

受け取ったコメントや、ガイダンス案を最終化するためのEFSAの考え方を提示した。

 

-成分あるいは不純物として立体異性体を持つ植物保護製品の有効成分及び立体異性体を持つ可能性のある有効成分の変換生成物のためのリスク評価に関するEFSAのガイダンス

Guidance of EFSA on risk assessments for active substances of plant protection products that have stereoisomers as components or impurities and for transformation products of active substances that may have stereoisomers

EFSA Journal 2019;17(8):5804  26 August 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5804

欧州委員会のEFSAへの要請に答えて、有効成分あるいは不純物としてその組成に立体異性体を持つ植物保護製品の有効成分のリスク評価を行うために必要な情報についてのガイダンスを提供する。このガイダンスは、立体要素を含まなくても、それを含む変換生成物や代謝物質が生成される可能性がある有効成分にも利用すると良い。一般原則として、立体異性体はリスク評価では異なる様々な化学物質成分として扱う必要がある。EUの規制の枠組み(EC規則No 1107/2009及びEC規則No 396/2005)の現在のデータ要件はすでに、検査される物質は技術的仕様書に合わせる必要があり(その異性体組成を含む)、代謝物質、分解、変換生成物の形成と影響を調査しなければならない(変換生成物が立体異性体である場合確実に含まれる) と制定している。EU農薬規制の申請中に集めた知識から、ガイダンスで必要なデータを収集し評価する方法の助言を申請者や評価者に提供する必要があることが示された。また、脊椎動物実験を繰り返す必要性の削減を主な目的とした、特に個別の異性体に関する情報が入手できないか得るのが難しい状況での、これらの物質のリスク評価を行う入手可能な情報の最良の利用方法についてのガイダンスが必要である。このガイダンスは分析手段の特別な技術的助言を提供することを目的としていない。このガイダンスでは植物保護有効成分のデータ要請に関するEU規則283/2013が分析され、立体異性体を含む有効成分のデータ要請の最良の取扱い及び評価方法に関する助言が与えられた。

 

-確証データを踏まえたメトブロムロンの農薬リスク評価に関する加盟国、申請者、EFSAのパブリックコメント募集結果

Outcome of the consultation with Member States, the applicant and EFSA on the pesticide risk assessment for metobromuron in light of confirmatory data

23 August 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1692

フランスが結果をまとめ、EFSAの科学的見解と個別に受け取ったコメントの結論を提示した。

 

[MPI]ニュージーランド食品安全局は戦略案に意見募集

New Zealand Food Safety to consult on its draft strategy

02 Sep 2019

https://www.mpi.govt.nz/news-and-resources/media-releases/new-zealand-food-safety-to-consult-on-its-draft-strategy/

2019927日まで以下から

A strategy for New Zealand Food Safety

https://www.mpi.govt.nz/news-and-resources/consultations/a-strategy-for-new-zealand-food-safety/

最終戦略は201912月発表予定

優先課題

・ニュージーランドのワールドクラスの食品システムが将来の課題に対応して頑健なものであり続けること

・消費者が食品について選択をするときに信頼できるよう先を見越して支援する

・我々の国際的影響力を拡大するために国際会議の場で新たな考え方を主導する

・将来のために先見的に備えるインテリジェンスに導かれたビジネスであろうとする

質問項目8つほど

例えば

5. システムが機能するには消費者が情報を与えられた選択をするために必要な情報を持っている場合である。あなたは消費者として食品安全に関する情報をどのように受け取りたいか?何故?何に関心がある?

 

[Codex]如何にしてコーデックスガイドラインがUNICEFの安全な食品配布を確保するか

How a Codex guideline will ensure UNICEF can deliver safe food

22/08/2019

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1206737/

コーデックス栄養・特殊用途食品部会(CCNFSDU)がユニセフの要請で、6-59か月の重症急性栄養不良の子ども向けのすぐに使用できる治療用食品(RUTF)の生産における技術的栄養的側面に関するガイダンステキストの開発を行っている。

この種の栄養不良はSAMと呼ばれ、エネルギー含量が多く適切な量のビタミンやミネラルやその他栄養素を含み安全で口当たりの良い食品を必要とする。また効果的でタイムリーな治療が必要で、RTUFはケアの一部となる。

SAMは最も弱い人々に影響し、RTUFは生後6か月の母乳が質の悪い食事に代えられない場合の選択肢となる

 

-コーデックスは集中的地域調整シリーズ開始

Codex begins intense series of regional consultations

01/09/2019

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1206728/

3年の休止期間を経て、今年6つのコーデックス地域調整部会が再び会合する。9月から11月半ばまで、地域部会が集中開催される

 

[FSSAI]FSSAI1.5トンの異物混入お茶粉末を押収

メディアから

FSSAI seizes 1.5 tonnes of adulterated tea dust  

29-08-2019

https://fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_news_Tea_Hindu_29_08_2019.pdf

Idikaraiの家に保管されていたお茶粉末を押収

お茶はRoyal Rosesというブランド名で販売されていた。お茶に強力な色素が混入されていた。検体は政府の検査室に送られて調べられる

 

[FDA]電子タバコ製品を使用したあとの呼吸器疾患調査に連邦と州が協力することについての声明

Statement on federal and state collaboration to investigate respiratory illnesses reported after use of e-cigarette products

August 30, 2019

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/statement-federal-and-state-collaboration-investigate-respiratory-illnesses-reported-after-use-e

FDACDC、州の保健当局が協力して調査を行っている。

2019827日までに25州から215例の疑い例が報告されていて、他にも調査中の事例がある。州が調査を行いCDCの症例定義に従って妥当性を判断している。多くの場合患者はTHC含有電子タバコも使用している。関連があるかどうかはさらなる情報が必要である。

電子タバコ製品を使用している人は、路上で買ったり自分で何かを加えたりといった調整をしないこと。この件に関係なく、若者や若年成人、妊娠女性、喫煙していない成人は電子タバコを使うべきではない。

 

-CDC

Statement from CDC Director Robert R. Redfield, M.D., and Acting FDA Commissioner Ned Sharpless, M.D., on federal and state collaboration to investigate respiratory illnesses reported after use of e-cigarette products

August 30, 2019

https://www.cdc.gov/media/releases/2019/s0830-statement-e-cigarette.html

 

[FDA]企業向けガイド:香料を添加したクランベリー製品に関する方針

Guidance for Industry: Policy Related to Cranberry Products with Added Flavorings

August 2019

https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/guidance-industry-policy-related-cranberry-products-added-flavorings

202071日まで最新の栄養成分表示最終規則とサービングサイズ最終規則に従うことに執行の自由裁量とする

(時間的余裕を与えるということらしい)

 

[FDA]FDAのシーフードHACCP計画2006 – 2014会計年度の評価

FDA’s Evaluation of the Seafood HACCP Program for Fiscal Years 2006 – 2014

https://www.fda.gov/media/130272/download

この間、国内での査察件数は劇的に減り、外国の査察がやや増えた

査察の結果対応指示無しno action indicated”(NAI), “自主対応指示voluntary action indicated” (VAI) あるいは公式対応指示official action indicated” (OAI)に分類し、その数の図表あり

 

[USDA]Heatherfield Foods社がポークソーセージ製品を不正表示でリコール

Heatherfield Foods Inc. Recalls Pork Sausage Products Due to Misbranding

2019/08/30

https://www.fsis.usda.gov/wps/portal/fsis/topics/recalls-and-public-health-alerts/recall-case-archive/archive/2019/recall-088-2019-release

包装表面にグルテンフリーと表示していたが小麦を使っていて成分表には掲載されている

FSISに消費者からの苦情があって問題が発見された

(クラスIIリコールで健康リスク:低。)

 

論文

-冷蔵庫の食品の多くがそのままダメになる

Much fridge food 'goes there to die'

29-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/osu-mff082819.php

食品廃棄研究が捨てられたアイテムの背景にある傾向を明らかにする

アメリカ人は思っている以上にたくさんの食品を無駄にし、その一部は曖昧な日付表示による。Resources, Conservation & Recyclingに発表されたオハイオ州立大学の研究

冷蔵庫の中身について消費者に尋ね、約一週間後にフォローした。冷蔵庫の中の肉の97%を食べると予想したが実際には約半分だった。野菜は94%食べると予想し実際に食べたのは44%。果物は71%→40%、乳製品は84%→42%だった。

消費期限と賞味期限を理解していない人が多く、品質の指標を安全性の指標だと考えている

 

-フェンタニル危機の最も包括的な解析は革新的対応を強く求める

Most-comprehensive analysis of fentanyl crisis urges innovative action

29-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/rc-mao082219.php

かつてない死亡者数から、この潮流を逆転させるには独特の戦略が必要

RANDによる研究。

現在の合成オピオイド急増は供給源が多数あることで悪化している。メキシコの薬物販売組織が米国にフェンタニルを密輸し、中国の製薬会社や科学企業が世界中に合成オピオイドを送っている。

 

-植物ベースの食生活へと勧める運動は脳の健康栄養欠乏を悪化させるリスクがある

Suggested move to plant-based diets risks worsening brain health nutrient deficiency

29-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/b-smt082719.php

そして英国は食事からのコリン摂取監視を助言していない、栄養士が警告

BMJ Nutrition, Prevention & Healthに発表

 

-The Lancet:世界の疫学根拠の新しい解析は、異なる形の閉経期ホルモン療法と乳がん発生率の関連を示し、幾分かのリスクが何年も残ることを発見

The Lancet: New analyses of the worldwide epidemiological evidence demonstrate link between different forms of menopausal hormone therapy and breast cancer incidence, and find that some risk persists for many years

29-Aug-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-08/tl-pss082719.php

・西洋諸国の平均体重女性は、50才からホルモン補充療法を5年すると、50-69才の乳がんリスクが、エストロゲンプラス毎日プロゲステロンだと50ユーザーにつき追加で1例、エストロゲンプラス間欠的プロゲステロンだと70ユーザーにつき追加1例、エストロゲンのみでは200ユーザーにつき追加で1例増加する

・ホルモン補充療法を止めたあと、幾分かの余剰リスクは10年以上続き、そのリスクの大きさは使用期間の長さによる。しかしホルモン補充が1年以内なら余剰リスクはほとんどない

 

その他

-合法大麻のマーケティング:中毒の懸念

Marketing of legalised cannabis: a concern about poisoning

Jerome Langrand et al.,

The Lancet Volume 394, ISSUE 10200, P735, August 31, 2019

北米での大麻合法化の結果、大麻産業が新世代のTHC含有製品を作っている。新しく、魅力的なデザインのものが販売されている、例えば大麻入りお菓子、高度濃縮フレーバー付きオイルを使った娯楽用吸入ペンなど。これらはこどもたちの意図せぬ中毒事故につながる。

20192月にフランスパリの中毒監視センターは初めて輸入新製品の関連する中毒事故を記録したがその製品は84%THCという高濃度で、食用大麻も1つあたり3.5mg THCだったことで注目された。これらはこどもたちに重大な影響をおこす可能性がある

 

-フィリップモリスインターナショナル:モラルよりお金?

The Lancetエディトリアル

Philip Morris International: money over morality?

The Lancet Volume 394, ISSUE 10200, P709, August 31, 2019

現在行われている世界を無煙にキャンペーンで、フィリップモリスインターナショナル(PMI)はタバコを吸ったことのない人はタバコに近づかない、喫煙者は禁煙、禁煙しない人はより安全な代用品にするよう呼びかけている。一方若者を標的に電子タバコを宣伝し低所得国にタバコを販売するやりかたは偽善を示す。タバコ企業は消費者や一般人を誤解させることについては悪名高く、PMIは今は喫煙の害を認めているもののタバコ販売は正当化しロビー活動を続けている

 

-エビデンスが道を照らす

Scienceエディトリアル

Evidence lights the way

Adam Gamoran

Science  30 Aug 2019:Vol. 365, Issue 6456, pp. 843

米国の科学と公共政策にとって暗黒時代である。6月にはホワイトハウスが気候変動の影響に関する議会証言を抑圧したことが明らかになった-イデオロギーによってエビデンスが損なわれた例の一つに過ぎない。それでもより良い政策と実践のために科学的根拠は使われ続けている。エビデンスの光を灯し続けるためにどうすればいいだろうか?

(略)

たとえ暗黒の時代でもエビデンスを灯し続ける努力が各方面で行われているのは確かである。進む道を照らし続けるためにそのような努力を続けよう。

 

-マラリアコミュニティーで根絶目標が分かれる

Eradication goal splits malaria community

Martin Enserink

Science  30 Aug 2019:Vol. 365, Issue 6456, pp. 847-848

2007年にBill and Melinda Gatesがマラリア根絶を目標にし、多くの科学者やWHOがその考えをもとに活動した。しかし先週WHOが近い将来のマラリア根絶は不可能だという報告書を発表し、期限を設定するのは疾患管理の努力を毀損すると主張した、64年前にWHOが同じような目標設定をした時のように。しかしLancetのマラリア根絶委員会は合意しない。99日に2050年までにマラリア根絶を目標とすることを勧める研究を発表する

 

-デリの危険

コンシューマーレポート

Danger at the Deli

By Trisha Calvo August 29, 2019

https://www.consumerreports.org/deli-meats/danger-at-the-deli-cold-cuts-increased-risk-cancer-heart-disease/

コールドカット(スライスした冷製調理済み肉)は、「塩漬けしていないuncured」製品でも、たとえ少量でも定期的に食べるとがんと心疾患リスクを上げる

全てのコールドカットは「加工肉」なので。

そして「亜硝酸不使用」と表示してあっても良くはない。何故?政府の食品表示規則によると、「ノー亜硝酸」は亜硝酸を含まないという意味ではない。そうではなく、硝酸ナトリウムや亜硝酸塩のような合成のものではなく、セロリや他の天然由来の硝酸や亜硝酸を使って塩漬したという意味である。化学組成は全く同じで、従って健康影響も同じである。

でも“uncured”コールドカットのほうが硝酸や亜硝酸は少ないのでは?コンシューマーリポート(CR)の最新の31検体の調査によるとそうではない。「ノー亜硝酸」でも合成化合物を使ったものでも同じ程度の量であった。そしてそれは肉の種類とも関係なかった。

硝酸や亜硝酸だけではない。デリミートには他にも問題がある。一部にはカラメル色素の不純物で有害な可能性のある4-MEIが含まれ、ナトリウムが多い。そして最大のリスクはリステリア汚染が多いことである。

合成亜硝酸塩は1920年代からキュアリング工程を加速するために使われてきた。しかし1960年代に健康への懸念が問題視されると、一部の事業者が亜硝酸を使わない製品を作り始めた。それらは色が灰色で風味が悪く、細菌汚染しやすかったのでUSDAが警告のため“uncured”という表示を要求した。現在そのような製品は滅多に見られない。そして1990年代から、企業はセロリやその他の天然硝酸/亜硝酸を使う方法を開発した。これらは技術的に正しくないが“uncured”や「硝酸/亜硝酸無添加」と表示されている。

USDACRに対して現在野菜ベースのキュアリングと現行の規則について変更が必要かどうか評価中だという

(以下検査結果など。)