2019-11-01

[NHS]ピーナッツアレルギー治療は保護にはなっても治療にはならないかもしれない

Peanut allergy treatment may offer protection but may not be a cure

Wednesday 30 October 2019

https://www.nhs.uk/news/food-and-diet/peanut-allergy-treatment-may-offer-protection-may-not-be-cure/

「ピーナッツアレルギー治療は『保護であって治療ではない』」とBBC News は報道する。 

ピーナッツアレルギーは命に関わることがあり、英国の就学児の約2%に影響を与えている。深刻なピーナッツアレルギーに対処する唯一の方法は、完全にピーナッツを避け、ピーナッツと予想外に接触した後の反応を治療するために、自己注射のような緊急用医薬品を携帯することである。

免疫療法は医学的管理下で服用量を増加していく、非常に少量のピーナッツの入った錠剤の服用を含む。治療が成功すれば、患者はアレルギー反応に対しより高い「閾値」を持ち、もし偶然にピーナッツを食べたとしても深刻な反応の可能性が低くなることを意味する。

新たな小規模の研究で、研究者は免疫療法で治療されたピーナッツアレルギー患者のマスト細胞(アレルギー反応を引き起こす可能性のある細胞)から生成される血漿を調べた。

結果は、これらの人はまだピーナッツに対しアレルギー反応があるままだが、治療中にアレルギー反応の影響を抑える抗体を作り出したことを示した。

研究者は、これは患者が治療を続けている間のみ保護されることを意味するが、これは概念実証研究(方法や考えが正しいかどうかを確認する研究)のため、確実かどうかわからないと述べる。

 

[BfR] 人々はリスクをどう理解する?

What do people understand by risk

37/2019, 15.10.2019

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2019/37/what_do_people_understand_by_risk_-242805.html

人々はリスクをどう理解する?そして、これに関する情報が行動にどう影響するか?アムステルダム自由大学(VU)のProfessor Dr. Daniëlle Timmermansは、これに関してまたリスクコミュニケーションに関する多くの他の問題を研究する。このオランダの科学者は科学活動により、ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)のMaria Sibylla Merianの特別研究員の資格を得た。TimmermansBfR2か月間共に働き、VUとの共同の研究プロジェクトを開発する。この研究奨励制度により、BfRは顕著な科学功績をあげた目覚ましい働きをする人を高く評価する。「不確実性への取り組みに対する研究で有名になったDaniëlle Timmermansとの研究を楽しみにしている。この研究奨励制度は、連邦研究所のリスクコミュニケーションの分野における国際的なネットワークと専門知識を高めることに役立つ。」とBfR代表のProfessor Dr. Dr. Andreas Henselは述べる。

 

[FDA]FDA8つの煙の出ないタバコ製品にリスク低減規定を初めて認める

FDA grants first-ever modified risk orders to eight smokeless tobacco products

October 22, 2019

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-grants-first-ever-modified-risk-orders-eight-smokeless-tobacco-products

米国FDAは本日初めて、リスク低減タバコ製品(MRTP)規定により、Swedish Match USA, Inc.社の「General」ブランドスヌース無煙タバコ8製品の販売を許可した。

これらの製品はこれまで市販前タバコ申請(PMTAs)に対応して2015年にリスク低減表示なしで米国販売が認められていた。本日の措置は「タバコの代わりにGeneralのスヌースを使用すると、口腔がん、心疾患、肺がん、脳卒中、肺気腫及び慢性気管支炎のリスクを減らす」という表示が可能となる。FDAは企業の提出した科学的エビデンスをレビュー後、許可を与えた。FDAはまた、若者の入手や暴露を予防するため、成人のみへの広告を含む、この製品に関する厳しい広告や販売制限も課した。製品の包装や広告には、すべての無煙タバコ製品に要求される警告文も有しなければならない。

本日の決定は、許可製品が安全あるいは「FDA認可」という意味ではない。すべてのタバコ製品は有害で中毒性があり、タバコ製品を使用しない人は引き続き使用を控えるべきである。リスク低減規定は製品固有のもので5年間に限られている。FDAコミッショナー代理Ned Sharpless, M.D.は、措置と背景を説明し、喫煙を控えるよう呼びかけた。

すべてのタバコ製品がリスクを引き起こすが、MRTP規定は2009年家族の喫煙予防とたばこ規制法により、有害性あるいはタバコ関連疾患のリスクを減らす目的での販売あるいは流通かどうか企業がFDAに申請を提出することができるようになった。そのレビューの中で、FDAは申請者が、製品がー実際に消費者に使用される条件でー有意に有害とタバコ使用者個人にとってのタバコ関連疾患のリスクを減らし、全体として市民の健康に有益になるか、タバコ製品使用者とタバコ製品を現在使用しない人の両方を考慮に入れ広く調べなければならない。タバコ製品を使用しない人が使用し始めないかどうか、さらに禁煙するはずの現在のタバコ使用者がリスク低減製品に切り替えないかどうか、FDAはとりわけ考慮しなければならない。

FDAは、申請で企業により提案された表示は、科学エビデンスにより裏付けられていること、消費者が表示を理解し、巻タバコと比較しこれらの製品のリスクを適切にとらえること、そして、リスク低減製品は、害とタバコ使用者個人にとってのタバコ関連疾患のリスクを減らし、全体として市民の健康に有益であろうということを判断した。

特に、入手できる科学的エビデンスは、これらの特別な無煙タバコ製品のみの使用が、口腔がん、心疾患、肺がん、脳卒中、肺気腫及び慢性気管支炎のリスクを減らすことを示す。また、消費者が表示と製品の比較リスクを理解できること、そして表示がリスク低減タバコ製品からの多くの恩恵を受ける立場のグループである25歳以上の喫煙者の間で製品を購入する意図に影響を与えることを示す。消費者も一般的にリスク削減は葉巻タバコからスヌースへの部分的移行によっては達成されないことを理解した(例;巻タバコの継続的な使用を伴う両製品の使用)ので、喫煙者が完全に移行する可能性が増える。巻タバコに比較しこれらの低下リスクに加え、FDANNN及びNNKと言われる2つの強力な発がん物質の濃度は、Generalのスヌース製品において、米国で販売されている無煙のタバコ製品の圧倒的多数の製品より低く、エビデンスは他の無煙のタバコ製品の代わりに独占的に使用された場合、Generalスヌース製品は口腔がんのリスクの削減の可能性を示した。

入手できるエビデンスでは、有意に若者が使い始めることはなく、企業により提出されたエビデンスも、非喫煙者(若者を含め)の間では製品を購入しようとする意欲は低く、リスク低減表示はこれらの意図に影響しないことがわかった。さらに、若者の喫煙開始の可能性をさらに制限するために、若者をターゲットとした広告を防止する制限を含めて、FDAは製品がどのように広告され、販売されるかに関する厳しい広告制限を設けており、特にウェブサイト上やソーシャルメディア上での制限を設けている。

これらの製品の許可に伴い、企業は消費者の認識、行動及び健康に関するリスク低減タバコ製品規定の影響を判断するための市販後研究を行う必要がある。関連して、FDAはリスク低減規定の中で求められる市販後記録や報告を通して製品に関する利用できる新たなデータを評価する。企業は、継続中の及び完了した消費者の調査研究だけに限らず、広告、市販計画、売上データ、現在及び新規の使用者に関する情報、製造変更及び副作用体験を含めての製品に関する情報をFDAに報告することが求められる。

5年の期限を超えて同じリスク低減情報をもつこれらの同様の製品を継続的に販売するには、企業が更新申請を提出し、現在の規定が満了する前にFDAから更新許可を受ける必要がある。FDAは製品の継続的販売が全体として市民の健康に恩恵を与えないと判断した場合、初めの、またそれに続くリスク低減規定を取消す可能性もある。

本日のMRTP許可以前、Generalブランドの8つのスヌース無煙のタバコ製品は、201511月にPMTA規定によりリスク低減表示ないしに市販を許可されている。これらの申請のFDAのレビューでは、他の多くの無煙のタバコ製品より、これらの製品は有害かつ有害成分になる可能性のある成分の濃度が低かった。FDAは製品が歯周病あるいは歯の喪失を引き起こす可能性があるという現在要求されている警告文を削除するMRTP申請を以前棄却した。当時、FDAは製品が口腔がんを引き起こす可能性があるという現在要求されている警告文書を削除し、現在要求される製品が葉巻のタバコの安全な代用品ではないという警告文書を改訂する申請者の要請に回答している。この回答がMRTP申請を見直すための選択肢を企業に提供した。

(この記事で言及されているタバコとタバコの煙に含まれる有害物質リストは以下

Harmful and Potentially Harmful Constituents in Tobacco Products and Tobacco Smoke: Established List

https://www.fda.gov/tobacco-products/rules-regulations-and-guidance/harmful-and-potentially-harmful-constituents-tobacco-products-and-tobacco-smoke-established-list

 

[FDA] USDAEPA及びFDAは食品廃棄削減同盟のパートナーシップを発表

USDA, EPA and FDA announce partnership with the Food Waste Reduction Alliance

October 30, 2019

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/usda-epa-and-fda-announce-partnership-food-waste-reduction-alliance

USDAEPA及びFDAは食品廃棄削減同盟(FWRA)のパートナー3組織と共に業界の教育やアウトリーチの取り組みを正式なものにする。食品廃棄の発生量を減らす、必要な人への安全で栄養価のある食品の配給の量を増やす、埋め立てごみ行の食品破棄物を減らすことを目指す。

 

[HK]蟹のサンプルに基準値超過のカドミウムが検出された

Excessive Cadmium found in Pre-packaged Riso Carnaroli sample

Wednesday, October 30, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20191030_7670.html

食品安全センター及び食物環境衛生署は、包装茶蟹のサンプルから2.74ppm、生の茶蟹のサンプル2杯からそれぞれ7.96ppm2.99ppmのカドミウムが検出されたと発表した。

 

[FSANZ]純及び高度に濃縮されたカフェイン製品の小売りを禁止する緊急提案への意見募集

Call for comment on an urgent proposal to prohibit the retail sale of pure and highly concentrated caffeine products

1/11/2019

http://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/Call-for-comment-on-an-urgent-proposal-to-prohibit-the-retail-sale-of-pure-and-highly-concentrated-caffeine-products-.aspx

リスク評価の結果純及び高度に濃縮されたカフェイン製品は消費者に許容できない高いリスクとなることが確認された。これらを少量でも飲み込むと、死亡を含む重大な健康影響がおこりうる。さらに食品の総カフェイン量の最大安全量を、コーラやエネルギードリンクのような既存の許容基準がない場合は5%未満に設定すべきとした。この提案の緊急性から、意見募集は20191114日まで。

 

-食品基準通知

Notification Circular 101–19            

1 November 2019

http://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/NotificationCircular10119.aspx

新規申請と提案

・表面コーティングとしての脂肪酸のモノ及びジグリセリド

意見募集

・純及び高度に濃縮されたカフェイン製品

 

[RIVM]RIVMは土壌中PFASの暫定バックグラウンド値を計算する

RIVM will calculate temporary background value for PFAS in soil

10/30/2019

https://www.rivm.nl/en/news/rivm-will-calculate-temporary-background-value-for-pfas-in-soil

今後数週間で、RIVMはオランダの土壌中PFASの暫定バックグラウンド値を導出する。これはオランダでの測定値に基づく。この値をもとに、政府が農業/自然機能のためのPFAS基準を改定するかどうか決めるだろう。

今年7月にRIVMは土壌や浚渫土のPFASのリスク限度を導出した。これ以下の濃度ならヒトや環境へのリスクは許容できるだろう。そして予防措置と法に基づいて、政府は土壌や浚渫土のPFAS基準を0.1 microg/kgに設定したがこれが問題をおこしている。この値を超えた土壌や浚渫物が異動できない。

 

[FTC]FTC2017年大衆市場消費者詐欺調査の結果を発表

FTC Releases Results of 2017 Mass-Market Consumer Fraud Survey

October 31, 2019

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2019/10/ftc-releases-results-2017-mass-market-consumer-fraud-survey

FTC2017年に行った大衆市場消費者詐欺がどのくらい行われているのかについての包括的調査の結果と犠牲になる消費者に関連する要因を発表した。同様の調査は200320052011年にも行っている。

この結果、2017年には回答者の15.9%が詐欺の被害にあったことがあることを示した。最も多かったのは詐欺的減量製品、詐欺的コンピューターの修理、政府に借金があると嘘を言われること、だった。他によくあるのは認めていない買い物クラブ会費の支払い、携帯電話用アイテムの認めていない課金、虚偽の受賞宣伝。

犠牲者になる確率は35-54才が多く、男性より女性が多い。また積極的にリスクをとる人、病気や近親者の死亡などのネガティブなライフイベントを経験した人、多額の負債あるいは今後相当収入が増えることが期待できる人も詐欺の犠牲者になりやすい

報告書

https://www.ftc.gov/system/files/documents/reports/mass-market-consumer-fraud-united-states-2017-update/p105502massmarketconsumerfraud2017report.pdf

減量製品、が最も多い。減量製品については、買ったけれど使っていない人は犠牲者に含まれず、それを含めるとさらに増える、等いくつか定義によって異なる数値が出る

購入手段としてはインターネット(61.8%)。宣伝はソーシャルメディアがテレビや紙を上回る。メールは減少。

SNSで宣伝されている痩せるサプリをネットで購入、というのが典型的詐欺被害)

 

[USDA]実際(自然では)ハロウィンはおそろしく良いことかも

In Nature, Halloween Can Be Scary-Good

Posted by Scott Elliott, Agricultural Research Service

Oct 31, 2019

https://www.usda.gov/media/blog/2019/10/31/nature-halloween-can-be-scary-good

ハロウィンに人々はゴーストやゴブリンを楽しむがそれらは本や映画の中にあるだけのものではない。毎日あなたの身近で小さな生き物(クリッター)たちが恐ろしいことをやっている。そしてそれは必ずしも悪いことではない、なぜならそれら「モンスター」は悪者をやっつけるという良いことをしている、ただ見た目が良くない。

(以下昆虫に寄生する生物たちの話。電子顕微鏡写真がなかなか)

 

 

論文

-東南アジアでは、野生生物にとっては違法な狩猟が森林破壊より大きな脅威

In Southeast Asia, illegal hunting is a more threat to wildlife than forest degradation

30-Oct-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/fb-isa103019.php

Communications Biology

 

-昆虫の減少は疑っていたより広範

Insect decline more extensive than suspected

30-Oct-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/tuom-idm103019.php

10年前と比べて、多くの地域の昆虫種の数は約1/3である。ミュンヘン工科大学の科学者らのチームによる調査結果がNatureに発表された。種の喪失は主に農地近くの草原であるが森林や保護区にも及ぶ。ドイツのプロジェクト。

(欧州では農業が環境破壊源として確立されつつあるようで)

 

-最近10年で肝臓がんによる死亡が約50%増加

Liver cancer deaths climb by around 50% in the last decade

31-Oct-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-10/cru-lcd103019.php

Cancer Research UKからの発表。英国の肝臓がんによる死亡が2007年の3200から2017年の5700に増加。リスク要因はいくつかあるが肥満又は過体重と喫煙が予防可能な二大要因。

 

-農薬が水系食物網を介して影響する

Pesticide impacts through aquatic food webs

Olaf P. Jensen

Science  01 Nov 2019:Vol. 366, Issue 6465, pp. 566-567

Yamamuro らによる宍道湖での長期生体影響研究についての研究の紹介文

 

ネオニコチノイドが水棲食物網を撹乱し水産物の収量を減らす

Neonicotinoids disrupt aquatic food webs and decrease fishery yields

Masumi Yamamuro et al.,

Science  01 Nov 2019:Vol. 366, Issue 6465, pp. 620-623

 

-放射線は政治の道具ではない

Radiation is not a political tool

Michio Murakami et al.,

Science  01 Nov 2019:Vol. 366, Issue 6465, pp. 581-582

最近の日韓および近隣諸国の緊張から、韓国が福島の食品やオリンピックでの放射線の安全性について疑義を提示している。しかしこれらの主張は科学的根拠に基づいたものではなく、国際的科学コミュニティはすでに2011年の福島の原子力発電所事故由来の放射能レベルは限定的であるということで決着済である。現在の福島住民の外部被ばくは他国と同等あるいは低く、追加の内部被ばくも無視できる程度である(<0.01 mSv/y)。放射線暴露への懸念は放射線安全性の問題ではなく、放射線リスク認知と放射線不安にまつわる信頼と社会規範の問題である。

人々の信頼は日本ですら完全に回復してはおらず、約50%の人がいまだに科学的コンセンサスに反して次世代の健康に悪影響があると考えている。放射線不安は社会的分断の原因となり社会にスティグマ、差別、諍いをつくる原因になる。この種の社会的分断はソーシャルメディアで拡散される感情をもとにした情報とともに悪化する可能性がある。

放射線の問題を政治的ツールに使うべきではない。政治化した放射線問題は人々を派閥に分かれさせ、個人や社会の放射線リスク認知の不必要な増加は結果的には社会の不幸を悪化させる。科学的知見を共有し穏やかに議論に参加することで各国や世界の人々の安心につながるだろう。

 

-はしかは他の病気への免疫の「記憶」を消す

Measles erases immune ‘memory’ for other diseases

31 October 2019  Giorgia Guglielmi

https://www.nature.com/articles/d41586-019-03324-7

世界中ではしか症例が急増する中、予防接種していない子供たちとサルでの試験結果がでる

Science Science Immunology1031日に発表された2報の研究によると、はしかに感染するとインフルエンザなどの他の病気への免疫系の記憶が無くなることがある。このことははしかから回復した子どもが、感染前には守られていた他の病原体に感染しやすくなる可能性がある。この研究ははしかの予防接種の重要性を強調する。

 

-砂糖で甘くした飲料課税の購入への影響:米国の4都市レベル税での根拠

The Impact of Sugar-Sweetened Beverage Taxes on Purchases: Evidence from Four City-Level Taxes in the U.S.

John Cawley, David Frisvold, David Jones

NBER Working Paper No. 26393

Issued in October 2019

https://www.nber.org/papers/w26393

フィラデルフィア、サンフランシスコ、シアトル、オークランドでの家庭での月間購入額の違いを、近隣の都市あるいは全国のマッチ家計を対照に比較した。1オンスあたり1セントの課税は一ヶ月あたり53.0オンスあるいは12.2%の購入減少になった。これは家族11日あたりでは5カロリーの摂取量減少で体重では0.5ポンド減少する計算。しかし個別の都市を個々に解析すると減少はフィラデルフィアに集中し、他の3市では影響は見られなかった

 

その他

-米国のファストフード販売店でのカロリー表示と購入カロリーを調べた研究への専門家の反応

SMC UK

expert reaction to study looking at calorie labels in fast food outlets in the US, and calories bought

October 30, 2019

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-calorie-labels-in-fast-food-outlets-in-the-us-and-calories-bought/

BMJに発表された研究がファストフード販売店でのカロリー表示は購入カロリーの僅かな減少と関連したと報告

NHS栄養士Catherine Collins RD FBDA

英国で肥満が増えているためカロリー摂取量を減らすことが公衆衛生の課題になっている。スナックのサイズを小さくする、砂糖入り飲料に砂糖税を導入するなどで購入するカロリーを減らすのに「成功した」と主張されているが、現実にはこれらのアプローチは体重を減らしていない。単純な変化は購入習慣の流動性を示し、ある特定の食品や飲料由来のカロリーを減らしても他の選択肢からのカロリーを増やせば相殺される。だからこの野心的な3年の研究は公衆衛生にとって素晴らしいデータを提供するだろう。

興味深いことは一回購入あたりの平均カロリーは約1500kcalsで一日目標2000 kcal3/4であるということである。これが一人分なのか誰かと一緒に食べるのかは確認する方法がないと著者は述べている。英国では通常ドリンクとデザートを合わせたバーガーやチキンは1100-1400kcalである。著者らはクリスマスや感謝祭、ハリケーンの被害のような要因を除き、おまけのキャンペーン開催時のデータを除いている。彼らの知見は購入時のカロリー表示が食品の選択に影響すると考えているヒトにとっては不都合である。

全体として最初の60kcalの低下は、ディップを一回抜いた程度のものである。著者はこの低下はカロリーの低いものを選んだためではなく買うアイテムが減ったことに関連すると注記している。そして最初の低下の後、時間とともにいつもの習慣に戻って、3年後のカロリーは一回購入あたり10カロリー低いという意味のない低下であった。

励みになるのはこの3年で砂糖入り飲料の購入が61%減ったことである

この研究には著者も記述する多くの限界があるが印象的な研究である。

Teesside大学公衆衛生栄養教授で登録栄養士Amelia Lake博士

これは多数の店舗をもつ単一のファストフードチェーンでのカロリー表示の影響を調べた大規模で質の高い研究である。これは公衆衛生介入を検討しているこの国にとっても興味深い。示されたのはカロリー表示だけでは解決にならないということである。

 

-コンシューマーリポート

サプリメントはより賢く

Shop Smarter for Supplements

By Kevin Loria October 30, 2019

https://www.consumerreports.org/supplements/shop-smarter-for-supplements/

植物由来サプリメントにはたくさんの健康効果が宣伝されているが、市場はほぼ規制されていない

サプリメントの宣伝は極めて強力で、痛みを緩和し、免疫を強化し、お腹を落ち着かせ、心臓を強化し、記憶力を良くし、などなど。だから米国での売り上げが2018年は460億ドルで2020年には520億ドルになるだろうと予想されているのは驚くべきことではない。実際アメリカ人の68%は少なくとも週に一回はサプリメントを使用している。

だからサプリメントには人々が期待するだろう効果にしっかりした根拠がないということのほうが驚きだろう。

(以下消費者調査の結果等略。複数使っている人が多く、FDAが安全性を保証していると思っている人が48%もいる)

消費者にできること

安全性については、いまだ責任の多くは消費者にある。実際業界代表が安全な製品を見つけるために消費者が研究すべきだと言っている。

多くのサプリメント使用者がサプリメントは安全で有効だと信じているが、多くの主流派の医療関係者はサプリメントはお金の無駄だと言っている。

いつかこの業界が安全で有効な製品を売る日が来るかもしれないが、まだその日は来ていない。

 

コンシューマーリポートの検査:ターメリックとエキナセア

Consumer Reports Tests: Turmeric and Echinacea

By Consumer Reports October 30, 2019

https://www.consumerreports.org/supplements/testing-turmeric-and-echinacea-for-potency-and-purity/

サプリメントは表示されているものを含むべきだが、必ずしもそうではない

エキナセア16製品ターメリック13製品を調べたところ1/3以上に問題を同定した。有効成分の量が表示より少ないだけではなく鉛や細菌数が多かった。

ダイエタリーサプリメントは規制が欠けているため、起業は自社基準を含む多様な基準を使う。コンシューマーリポートは専門家の判断により検査法や閾値を選択した。

以下結果

 

サプリメントの賢い選び方

How to Choose Supplements Wisely

By Kevin Loria  October 30, 2019

https://www.consumerreports.org/supplements/how-to-choose-supplements-wisely/

第三者グループが表示通りかどうか汚染物質が入っていないかを確認している

もしあなたがサプリメントを買いに行くなら、薬剤師や店員に期待してはいけない。それが10人の客を装った調査員を使って734の店舗でエキナセアとターメリックについて尋ねた結果から導いた結論である。ほとんどの場合、薬剤師は自分たちが売っているサプリメントのリスクについてあまりよく知らず、処方薬との相互作用のような問題に警告することは滅多にない。極一部の人は警告する:調査員が自分の使用中の医薬品のリストを見せたら一人だけ医師に相談することなくサプリメントを摂るのは止めるように、と賢明にも助言した。

FDAはサプリメントについて何が入っているかどんな宣伝をするか検証していないので、第三者がそのような役割を果たしている。ConsumerLab.com, NSF International, U.S. Pharmacopeia (USP)などのNGOである。

たとえサプリメントの中身が表示通りだったとしても、なお重大な副作用をおこす可能性はある。

5月にCVSが販売しているサプリメントが第三者の検査を受けると発表し、7%がスクリーニング失格だった。

 

(コンシューマーリポートの201912月号がサプリメント特集らしい

 

-カリフォルニアの生物学者は煙の健康リスクを評価するために山火事を利用している

Natureニュース

California biologists are using wildfires to assess health risks of smoke

31 October 2019 Amy Maxmen

https://www.nature.com/articles/d41586-019-03345-2

ベイエリアに火事が流行しているため、科学者は心臓、肺、免疫系への煙の長期影響を追跡する研究を開始した

 

-議論の多い「ゲイ遺伝子」アプリが遺伝的開拓時代への恐怖を惹起する

Controversial ‘gay gene’ app provokes fears of a genetic Wild West

29 October 2019  Amy Maxmen

https://www.nature.com/articles/d41586-019-03282-0

論争は、消費者に直接販売される遺伝子検査の結果を利用したツールへのより広範な懸念を強調する

ウガンダに住む米国の起業家Joel Bellensonが作った遺伝子から同性愛志向を測定すると主張するアプリ「ゲイ傾向診断」は、Science8月に発表された同性愛者の遺伝子研究の知見に基づく-その論文では遺伝子ではセクシュアリティを予想できないと結論しているにも関わらず。計算機遺伝学者のJoseph Vittiはこのアプリは誤解を招くものであり危険ですらあると考え、1011日にこれを削除するようオンライン署名を始め、2週間のうちに1660人以上の署名が集まった。

このアプリに関する騒動はこの分野の問題点を顕わにする。科学者や遺伝カウンセラー達はこの手の規制されていないツールは個人や社会に害をなすと言う

今や世界中で1000万人以上が消費者に直接販売する会社によるゲノム解析を受けている。そしてそのうち最大62%が最終的にその遺伝情報を第三者に提供している。