2019-11-05

[CFIA]食品安全性検査報告 20191024

2019-10-24 Food Safety Testing Bulletin

http://www.inspection.gc.ca/food/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-bulletins/2019-10-24/eng/1570637526428/1570637526866

-フラン、選択した食品中の2-メチルフラン及び3-メチルフラン―201841日から2019331

http://www.inspection.gc.ca/food/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-bulletins/2019-10-24/furan-2-methylfuran-and-3-methylfuran/eng/1568138490160/1568138591750

フランは缶詰など熱処理した食品に意図せず生じる化学物質である。食品によく存在するフラン前駆体には、アスコルビン酸、多価不飽和脂肪酸、アミノ酸、糖類が含まれる。フランは時々、2-メチルフランや3-メチルフランと同時に存在する。この報告書では、「furans」という言葉は2-メチルフランと3-メチルフランフランを合わせたものを意味し、「furan」はフランだけを指す。「類似物」という言葉は、類似した、だがわずかに異なる構造を持つ化合物を指す。これはこの報告書ではフランの3形態を示すこともある。この調査のフランは、「フラン類furans」とされることもよくある、環境汚染物質の塩化ジベンゾフランとは関係ない。

フランは消費者の健康リスクを引き起こす恐れがあり、国際がん研究機関(IARC)は「ヒトに対して発がん性の恐れがある」と分類している。加えて、2-メチルフランと3-メチルフランはフラン同様の毒性があることが示されている。消費者暴露の仮の推定量は有害影響を引き起こす量より十分低いけれども、食品のフラン量に関しては情報が限られている。そのため、この調査の目的は、カナダの小売市場で入手できる選択した熱処理食品中のフラン、2-メチルフラン、3-メチルフランの存在と量に関するベースライン監視データをさらに作り出すことである。

全部で250のサンプルがカナダ中の6都市の小売店から集められた。集めたサンプルには、魚の缶詰、肉の缶詰、牛乳の缶詰、乾燥した乳製品、乾燥した飲料ミックス、しょうゆが含まれている。フランは1.23 ppb (10億分の1) 179 ppbの範囲で調査サンプルと量の70%に検出された。フランの最大平均濃度はしょうゆに見られた。乾燥乳製品からはフランは検出されていない。サンプルの52%に、3つのフランのうち1つだけが存在していた。フランと2-メチルフランの両方を含む製品もよくある。この調査の結果は国際調査や、様々な科学的研究で見いだされたものと同等である。

この調査で観察されたフランの量はヘルスカナダ(HC)に評価され、どのサンプルも許容できないヒトの健康への懸念を引き起こさないと決定された。そのため、この調査によるリコールはなかった。

 

-シナモン、シナモン含有食品、リコリス風味の食品中のクマリン―201541日~2016331

http://www.inspection.gc.ca/food/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-bulletins/2019-10-24/coumarin/eng/1568641632892/1568641633299

クマリンはシナモンやトンカ豆など多くの植物に見られる天然に生じる甘い香りのする化合物である。その誘導体はフェンネル、アニスシード、リコリスの根など、リコリス風味として一般に利用される植物で見つけられる。クマリンは食品や化粧品業界で長年香料として利用され、化粧品業界での利用は継続しているけれども、肝臓の潜在的な毒性の証拠や有害影響のため、食品業界では廃止されている。天然源のこの化合物への暴露は低いと予想され、健康リスクを示すことは予測されていない。CFIAは摂取するのに安全であることを確認するために、一般に入手可能な粉末のシナモン、シナモン含有製品、リコリス風味製品のクマリン濃度を測ることが重要だと考えた。

このターゲット調査では、カナダの小売店の国内産及び輸入品のクマリンの濃度に関するベースライン監視データを作成した。CFIA200の焼き菓子、29のシナモンサンプル、221のスパイスミックス、297の紅茶のサンプルを含む747製品をサンプル抽出し分析した。クマリンはこのサンプルの90%0.2 ppb 5040 ppbの範囲で検出された。最高濃度は粉末シナモンとスパイスミックスで検出された。全種類の平均及び最大濃度は以前のターゲット調査や様々な科学的研究と同程度であった。

ヘルスカナダ(HC)は、この調査で観察されたクマリンの濃度はヒトの健康に懸念を起こすことは予想されないと決定し、そのためこの調査によるフォローアップ活動はなかった。

 

[EU]RASFF Week44-2019

警報通知(Alert Notifications

スペイン産食品サプリメントのモナコリンKの高摂取量(推奨用量:10 mg/日;10 mg/日;15 mg/日;10 mg/日;24 mg/日;3 mg/)、スウェーデン産食品サプリメントのモナコリンKの高摂取量(推奨用量:9.6 mg/)、英国産馬肉の未承認物質フェニルブタゾン(5.7 µg/kg)及びオキシフェニルブタゾン(4.4 µg/kg)、オランダ産冷凍イカのカドミウム(1.8 mg/kg)、オランダ産パン改良剤-酵素ミックスのダイズ非表示(1220 mg/kg)、ベトナム産オランダ経由加水した冷凍パンガシウスフィレの塩素酸塩(8.2 mg/kg)、アラブ首長国連邦産ドイツ経由植物性脂肪のグリシジルエステル(2386 µg/kg)、デンマーク産食品サプリメントのモナコリンKの高摂取量(推奨用量:10 mg/)、英国産食品サプリメントのモナコリンKの高摂取量(推奨用量:4.8 mg/)、ポルトガル産食品サプリメントのモナコリンKの高摂取量(推奨用量:10 mg/)、ベトナム産加水した冷凍パンガシウスフィレの塩素酸塩(10 mg/kg)

注意喚起情報(information for attention

中国産グリル用鉄串からのニッケルの溶出(1.2 mg/kg)、インドネシア産冷凍ヨシキリザメの水銀(1.27 mg/kg)、産出国不明オランダ経由オレンジのクロルピリホス(0.038 mg/kg)

フォローアップ用情報(information for follow-up

米国産食品サプリメントの未承認新規食品成分ゼオライト、ラトビア産有機冷凍ブルーベリーの未承認物質N,N-ジエチル-メタ-トルアミド (DEET) (0.03 mg/kg)、オランダ産スープ用おたまからの環状オリゴマーの溶出(5.4; 5.9 mg/item及び13.9; 16.5 mg/kg food)

通関拒否通知(Border Rejections

アルゼンチン産殻をとったピーナッツのアフラトキシン(B1 = 23.1; Tot. = 57 µg/kg)、トルコ産オーブン用焼き網と受け皿からのニッケルの溶出(0.5 mg/kg0.5 mg/kg1 mg/kg0.3 mg/kg0.5 mg/kg0.5 mg/kg0.5 mg/kg)、トルコ産パプリカのラムダ-シハロトリン(0.235 mg/kg)、中国産コーヒープレスからの鉛(1 mg/dm²)及びニッケル(13 mg/dm²)の溶出、米国産生の殻をとったピーナッツのアフラトキシン(B1 = 5.58; Tot. = 5.99 µg/kg)、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ産ビスケットのアクリルアミド高含有(1282 µg/kg)、パキスタン産マンゴージャムの亜硫酸塩高含有(372 mg/kg)、トルコ産煎った塩味のスイカの種子のアフラトキシン(B1 = 3.2 µg/kg)

 

[EU]SCCS 化粧品中ナノ物質の安全性評価ガイダンス

SCCS - Guidance on the safety assessment of nanomaterials in cosmetics

The SCCS adopted this document  on 30-31 October 2019

https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/scientific_committees/consumer_safety/docs/sccs_o_233.pdf

主要変更点

・出発点は物理化学的性質同定と暴露評価を優先するよう構成を変更

・ハザード同定の部分は代替法で可能かどうかについて考慮する必要性を更新

今後も知見が更新され次第改訂される

 

[FTC]FTCはマルチレベルマーケターNeora、以前の名前Nerium、を違法マルチ商法を行ったとして訴える

FTC Sues Multi-Level Marketer Neora, formerly known as Nerium, Alleging it Operates as an Illegal Pyramid Scheme

November 1, 2019

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2019/11/ftc-sues-multi-level-marketer-neora-formerly-known-nerium

また脳震盪や繰り返す脳の外傷による慢性外傷性脳炎、アルツハイマー病、パーキンソン病用の“EHT” サプリメントを虚偽宣伝した。

Neriumにサプリメントを提供し、詐欺的宣伝に加担していた二社Signum Biosciences Signum Nutralogix,とは今後根拠のない宣伝をしないことで合意した。

NeriumSidney Rice, Steve Weatherford, Cory Redding Jrらもとプロフットボール選手らを使って子供たちの健康を心配する保護者やコーチに宣伝していた

(日本でもやってるようだが)

 

-消費者向けblog

FTCは業者のビジネスモデルと製品の宣伝に疑問

FTC challenges seller’s business model & product claims

November 4, 2019 by Colleen Tressler

https://www.consumer.ftc.gov/blog/2019/11/ftc-challenges-sellers-business-model-product-claims

健康製品を売って一ヶ月で数万ドル稼ぐ。疑わしい?疑うべき理由を記す。

金曜日にFTCは根拠のない宣伝で違法なマルチ商法でEHTダイエタリーサプリメントを販売していたNeora社に苦情を申したてた。4年以上消費者を騙し12000万ドル以上売っていた

もしMLMを検討しているなら、詳細を調べるように。全てのMLMが合法というわけではない。もし会員募集が主目的なら、立ち去るように。

サプリメントを検討している?人々は毎年効果のない健康製品に数十億ドルを使っている。それらを買う人は、お金と、時間と、健康すら騙しとられている。医療の専門家に相談し、驚くような健康効果については疑うように。

 

[FDA]ラニチジンの不純物濃度の低さを含む、新しい検査結果についての声明

Statement on new testing results, including low levels of impurities in ranitidine drugs

November 01, 2019

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/statement-new-testing-results-including-low-levels-impurities-ranitidine-drugs

ブランド名Zantacとして知られるラニチジンの汚染物質N-ニトロジメチルアミン(NDMA)の検出に関する調査の結果を公表。

これまでの調査のまとめは以下。

Laboratory analysis of ranitidine and nizatidine products

https://www.fda.gov/drugs/drug-safety-and-availability/laboratory-tests-ranitidine

これまでの調査から、ラニチジン中NDMA濃度は、あなたが焼いたり燻製にしたりした肉を食べる場合に暴露されるのと同程度であることがわかった。またラニチジンを通常の食品と一緒に胃酸に暴露した場合にはNDMAは生じない。同様に小腸でもできない。

FDAの検査結果の多くは最初に第三者が主張したものより相当低いが、一部はFDAが医薬品中に許容できると考える量を超えている。許容レベル(1日あたり96ngあるいは0.32ppm)を超える場合には起業に自主回収を要請している。また類似の医薬品であるニザチジンでも同様である。

 

(注:燻製中NDMA

例えば

The occurrence of volatile N-nitrosamines in Estonian meat products

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0308814605009155

燻製やグリルした肉製品1 microg/kg程度、多いのは5 microg/kg程度

96ng(約0.1 microg)だと100gくらい食べると到達。

燻製肉に含まれる遺伝毒性発がん物質はBaPなど他にもあるので医薬品だったら回収されるレベルのものでも食品ならOK

もちろん発がん物質はできるだけ減らしたいので、食品添加物(香料とか加工助剤)を使う。)

 

[Codex]Codexの食品衛生基本原則は世界中の安全な食品のための基礎

Codex food hygiene principles basis for safe food around the world

03/11/2019

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1245016/

米国クリーブランドでCFH開始

 

-Mindy Brashears calls on Codex to “Do right and feed everyone…safely”

04/11/2019

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1245575/

 

[USDA]世界初の本当に赤いほうれん草品種発表

World's First True Re By Kim Kaplan

November 4, 2019d Spinach Variety Released

https://www.ars.usda.gov/news-events/news/research-news/2019/worlds-first-true-red-spinach-variety-released/

世界初の本当に赤いほうれん草USDA Red ARSが開発し発表した。赤い色はアントシアニンではなくベータシアニンによる。

米国のほうれん草の消費と生産は2006年に大腸菌アウトブレイクがあって一人あたり2.3ポンドから1.6ポンドに減少してその後完全に回復していない。USDA Redのような真に赤いほうれん草は人々を再び惹きつけるのに役立つかもしれない。

(写真有り。)

 

論文

-スイカを改良するために遺伝子を収穫

Harvesting genes to improve watermelons

1-Nov-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-11/bti-hgt103119.php

国際研究者チームが7種のスイカゲノムの包括的検討を行った。

Nature Genetics

 

-将来の気候と土壌のシナリオではコメの収量が減ってヒ素が増える

Rice yields plummet and arsenic rises in future climate-soil scenarios

1-Nov-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-11/ssoe-ryp103119.php

Nature Communications. 水田で、高温と、ヒ素の多い水を灌漑に使うというシナリオ

将来に備えた品種の開発を。

 

-魚油サプリメントは不安や鬱には影響しない

Fish oil supplements have no effect on anxiety and depression

4-Nov-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-11/uoea-fos110419.php

British Journal of Psychiatryに発表された系統的レビューとメタ解析

 

-NIHの研究者らは食物アレルギーのある子どもの17%がゴマアレルギーと推定

NIH researchers estimate 17% of food-allergic children have sesame allergy

4-Nov-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-11/nioa-nre110419.php

Pediatric Allergy and Immunologyに発表された米国の研究。FDAは現在ゴマをアレルゲンリストに入れるかどうか検討中。

 

-一部のCBD製品は薬物の尿検査で大麻陽性になる可能性がある

Some CBD products may yield cannabis-positive urine drug tests

4-Nov-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-11/jhm-scp110419.php

「高濃度CBDTHCは少ない」という大麻製品使用者に注意

米国ではTHC含量が乾燥重量で0.3%以下のものをヘンプと定義している。Journal of Analytical Toxicologyに発表された研究によると0.39%THCを含む大麻を吸入したあと、6人中2人の参加者が犯罪関連尿検査で大麻陽性となった。0.39%は連邦規則ではヘンプではないが超過はわずか0.09%である。

 

-新しい遺伝子組換えトウモロコシは同様のタイプのものより最大10%生産する

New genetically modified corn produces up to 10% more than similar types

By Erik StokstadNov. 4, 2019

https://www.sciencemag.org/news/2019/11/new-genetically-modified-corn-produces-10-more-similar-types

PNASに発表された研究。zmm28の活性化で葉が大きく日光の変換効率が良く窒素の利用効率も高くなる

 

-脂肪燃焼剤誘発性急性肝障害:4人の患者の症例シリーズ

Fat burner-induced acute liver injury: Case series of four patients.

Gavrić A ,et al.,

Nutrition. 2018 Mar;47:110-114.

脂肪燃焼サプリメントとして販売されている緑茶抽出物、ガルシニア、グリーンコーヒー豆、スピルリナの関与する4人の患者での5回の肝障害について。スロベニア

 

-成人のボディビル用プロテインサプリメントと牛乳アレルギー

Bodybuilding protein supplements and cow's milk allergy in adult.

Sousa MJCS, et al.,

Eur Ann Allergy Clin Immunol. 2018 Jan;50(1):42-44.

25才の健康な男性が、加水分解乳清プロテインを2年使っていて牛乳アレルギーになった事例の報告。成人になってから牛乳アルルギーになるのは珍しく、大量のプロテインを摂取していたためではないかと考察

(修飾されると抗原性が高まったりするから加水分解も関係するかも)

 

-グレープフルーツジュース以外のフルーツジュースによって引き起こされる食品-医薬品相互作用:更新レビュー

Food-drug interactions precipitated by fruit juices other than grapefruit juice: An update review.

Chen M, , ,et al.,

J Food Drug Anal. 2018 Apr;26(2S):S61-S71.

臨床上意味のある可能性のある相互作用が22のジュースと医薬品の組み合わせで示されている

 

-シイタケ皮膚炎の反射共焦点顕微鏡検査

[Reflectance confocal microscopy in Shiitake dermatitis].

Cussigh CS, ,et al.,

Hautarzt. 2019 Oct;70(10):811-814

ドイツ。

(シイタケ皮膚炎、何故かドイツで良く聞く)

 

-魚摂取後の横紋筋融解症:サンパウロにおけるHaff病アウトブレイク抑制

Rhabdomyolysis following fish consumption: a contained outbreak of Haff Disease in São Paulo.

Almeida LKR,et al.,

Braz J Infect Dis. 2019 Jul - Aug;23(4):278-280.

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1413867019302892?via%3Dihub

オープンアクセス

魚の写真有り

 

-サリチル酸含量の多い食品を食べることと慢性鼻副鼻腔炎の症状悪化の関連を探る。全国慢性鼻副鼻腔炎疫学研究

Exploring the association between ingestion of foods with higher potential salicylate content and symptom exacerbation in chronic rhinosinusitis. Data from the National Chronic Rhinosinusitis Epidemiology Study.

Philpott CM, et al.,

Rhinology. 2019 Aug 1;57(4):303-312.

英国。ワイン、ナッツ、スパイシーな食費、野菜、果物に関連があった。特にワイン

 

-WHO紀要

Bulletin of the World Health Organization

Volume 97, Number 11, November 2019, 729-788

https://www.who.int/bulletin/volumes/97/11/en/

 

その他

-画期的合意によりルイボスティーの利益が先住コミュニティーに分配される

Natureニュース

Rooibos tea profits will be shared with indigenous communities in landmark agreement

02 November 2019  Linda Nordling

https://www.nature.com/articles/d41586-019-03374-x

San Khoiコミュニティーはこの決定を歓迎-それは他の先住グループや生物多様性研究者にも影響する可能性がある

アフリカ南部のSan Khoiの人々は商業栽培が始まって一世紀以上経ってからルイボスティー業界の儲けを分配される、111日に南アフリカ政府が発表した。この発表は業界と住民の間での10年にわたる交渉の成果である。2015年に南アフリカ政府が行った歴史的民族植物学的研究文献のレビューで、ルイボスを最初に使用したのはSanの人々である可能性が高く、彼らとKhoiの人々が業界から補償されるべき、と結論した。

業界は支払いはするが政府の文献解釈は受け容れず、独自のレビューを行うという。

地域代表と政府は合意を歓迎する。

南アフリカSan評議会議長のCollin Louwは「ルイボスは私の養育環境の一部である」という。祖先はそれを皮膚炎にも使ってきたという。

この合意は2010年の名古屋議定書批准後初のものである

この合意ではSan Khoiコミュニティーは農場価格(未加工ルイボスに起業が支払う価格)の1.5%を受け取る。2019年は政府の試算で799000米ドルになりSan Khoiが半々に分ける。

しかし合意にもかかわらず、ルイボスティーの正確な起源については論争が続く。

ルイボスティーの80%以上は欧州、日本、北米に販売されている

(でもその欧州で今ルイボスティーの発がん物質ピロリジジンアルカロイドが注目されているのでいつまで「儲かる」かどうか。例えば

Pyrrolizidine and tropane alkaloids in teas and the herbal teas peppermint, rooibos and chamomile in the Israeli market

Food Additives & Contaminants: Part A Volume 32, 2015 - Issue 12

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/19440049.2015.1087651

一過性のブームで生産国を振り回すの、日本は何度もやっている)

 

-放射線腫瘍学者がFDA長官に選ばれる

Scinece

Radiation oncologist tapped for top FDA post

By Kelly Servick Nov. 1, 2019

https://www.sciencemag.org/news/2019/11/radiation-oncologist-tapped-top-fda-post

Donald Trump大統領が本日FDA長官にStephen Hahnを候補にすると発表した。Hahnは過去4年間 ヒューストンのMD Andersonがんセンターで過ごし、2018年には医務部長になっている。彼の専門は肺がんと上皮性悪性腫瘍の放射線療法。

もとFDA長官や他の団体がFDA副長官のNed Sharplessを長官に推薦している状況下でTrump政権はHahnを選んだ。Hahnは今後議会で確認のための聴聞に直面する。

 

-前立腺がんとPSA検査の問題

Prostate Cancer and the Problem With PSA Testing

Christopher Labos MD, MSc | 1 Nov 2019

https://mcgill.ca/oss/article/health/prostate-cancer-and-problem-psa-testing

疑陽性、過剰診断、変化のない死亡率から、健康な男性にこの手の検診をすることに疑問が

 

-Bülent Şık:起訴されたトルコの科学者

Bülent Şık: Turkish scientist convicted

Kaya Genç

The Lancet World Report| Volume 394, ISSUE 10209, P1603-1604, November 02, 2019

トルコの科学者Bülent Şıkが政府による環境汚染物質と発がん物質の調査結果を公表した後起訴された。イスタンブールからKaya Gençが報告する

2011年から2016年の間に、トルコの保健省が空気、食品、土地、水の環境汚染物質や発がん物質についての調査を行った。Akdeniz大学のラボが北西部の4つの工業都市(Edirne, Kırklareli, Kocaeli,およびTekirdağ)と南西部のAntalyaの町から集めた1380の食品と1440の水の検体を調べた。その結果は警鐘をならすべきものだった。食品検体の17%が推奨されるMRLを超過し、野菜54にヒ素が含まれていた。有機殺虫剤成分フォルペットが34の水道水から検出された。Kocaeliから集めた水100のうち56からアルミニウムが検出された。Ergene支流の764の水検体のうち316には無機ヒ素が含まれていた。52地方の水源のアルミニウム、ヒ素、鉛濃度は飲むには汚染がひどかった。

しかし調査が終わって何ヶ月も経ってもその結果は報告されないままだった。調査計画によると知見を公表できる権限があるのは保健省のみである。この秘密主義にAkdeniz大学の食品安全性農業研究センターの技術補助部長のBülent Şıkが危機感を募らせた。公表されていない16の報告書のうちの1つを共著したŞıkは二人の同僚と一緒に20184月にこれらの結果を公開した。

日刊新聞Cumhuriyet4部シリーズとして「隠された報告書The Hidden Report」を発表したŞık10の大学20の科学者の環境汚染物質データを飲用した。ソーシャルメディアで拡散された最初の記事は懸念を生じ、やがてまもなく批判された。最初の記事が出た次の日、保健大臣がŞık3つの違反で訴えた:「仕事上の機密を公開したこと」「禁じられている情報を提供したこと」「禁止された情報を開示したこと」。検察は12年の拘留を求めた。2019926日にイスタンブールの裁判所はŞıkに禁止された情報に関しては無罪を、しかし公的な機密を開示したことについては15か月の実刑と判決した。大臣は研究がまだ終わっていないから公表されていないという。

(以下トルコの政情と大学の自由が脅かされていることについての記述等が続くが、具体的な数値の記述は無し。アルミやヒ素は天然にも存在するので検出されたという情報だけでは判断できない。特に無機ヒ素と鉛は閾値がないという理由で必要以上に騒ぐ人達がいるので濃度データは必須。政府は公表すればいいのに。多分リスク評価ができていないんだろう)

 

-二酸化炭素排出量

The carbon footprint

Marco De Ambrogi

The Lancet  Perspectives|Theatre| Volume 394, ISSUE 10209, Pe34, November 02, 2019

ロンドンで上演された演劇Lungsの評。テーマが環境意識の高い現代のカップルが子どもを作るかどうかについて。人一人で1万トンもの二酸化炭素を排出するのを知っていて子どもをもつことが許容できるか?劇では議論を重ねて子どもをもとうと決めたのに流産して二人は別れ別の人と子どもをもつ

(ディープエコロジー流行中なのかな)