2019-11-08

[EFSA]意見等

-食品添加物としてのベンジルアルコール(E 1519)の再評価

Reevaluation of benzyl alcohol (E 1519) as food additive

EFSA Journal 2019;17(10):5876  30 October 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5876

食品添加物及び香料に関するパネル(FAF)は、食品添加物として使用する際のベンジルアルコール(E 1519)の安全性を再評価する科学的意見を提出した。パネルは適切な暴露及び毒性データが得られたと考えた。ベンジルアルコール(E 1519)EC規則No 1333/2008付属文書IIIに従ってEUで食品添加物として認可されている。パネルはベンジルアルコールを、遺伝毒性及び発がん性に関する懸念がなく、急性毒性は低いと考え、ラットの発がん性試験による無毒性量(NOAEL) 400 mg/kg 体重(bw) /日に基づき、許容一日摂取量(ADI) 4 mg/kg bw /日と設定した。詳細暴露シナリオの平均及び高い暴露推定量は、幼児でそれぞれ最大0.270.81 mg/kg bw  /日と推定した。ベンジルアルコール(E 1519)への暴露推定量は全ての集団グループでADI 4 mg/kg bw /日未満だった。パネルは規制上の最大量の暴露評価シナリオにおける暴露は、全ての集団グループでADI未満だということにも注意した。パネルはベンジルアルコール(E 1519)への暴露は報告された用途と使用量で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-使用後のPETを食品と接触する物質へリサイクルするために使用される‘POLY RECYCLING PET DIRECT IV+’プロセスの安全性評価

Safety assessment of the process ‘POLY RECYCLING PET DIRECT IV+’, used to recycle postconsumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2019;17(10):5865  29 October 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5865

このプロセスから得られるリサイクルPETを室温で長期保存される全ての種類の食品と接触する物質の製造に100%使用しても、安全上の懸念とはならない。この リサイクルPETで作られたトレーは電子レンジとオーブンで使用することを意図しておらず、そのような利用はこの評価の対象外である。

 

-インドキサカルブの哺乳動物及びミツバチへのリスクに関するピアレビュー更新

Updated peer review concerning the risk to mammals and bees for the active substance indoxacarb

EFSA Journal 2019;17(10):5866 29 October 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5866

哺乳動物、ミミズを食べる哺乳動物、ミツバチの長期リスクについて、更新プロセスで確認された重要な懸念部分が保持された。

 

[ANSES]食べられないカボチャに注意

Beware of inedible gourds!

News of 31/10/2019

https://www.anses.fr/en/content/beware-inedible-gourds

ハロウィンを迎え、秋の料理を彩る食用カボチャや飾り用カボチャ、その他のウリ科植物の出盛りに、全ての「カボチャ」が食べられるわけではないことを覚えておくことが重要である。食べられないウリ類は食中毒の原因となることがあり、時には重症になる。

観賞用のウリ類や庭で交雑したカボチャは食べてはいけない

ウリ科植物には毒性があるものがあり、刺激性が強く苦い物質ククルビタシンを含んでいる。摂取後に、急速に消化器の痛み、吐き気、嘔吐、(時には血の混じった)下痢になることがあり、入院が必要な重篤な脱水症状にさえなることがある。これらの物質は、調理で破壊されず、毛虫など捕食昆虫を追い払うために野生のウリ科植物が自然に作る。

全てに毒性があると考えられるコロシントなどの観賞用ウリ類の場合は、完全に装飾用として(時には青果売り場で)市販されており、食用カボチャと間違えてはいけないものである。

また庭の野菜畑で育てられた食用カボチャでも野生の交雑の結果摂取に適さなくなる場合もある。この現象は食用ではないのと食用の種類が同じあるいは隣の野菜畑に共存していて、その種子が年々収穫され蒔き直しされる際に起こる。だが注意して!この交雑から生じた食用でないウリ類は、特色がないあるいはわずかに甘い味のする食用種とは違って、苦い味がすること以外は食用カボチャと全く同じように見える。

頻繁な混同

フランス中毒管理センター(CAPs)は食用ではない「カボチャ」の摂取に関連した中毒に関する電話を定期的に受けている。

2012年から2016年までCAPsが記録した食用でないウリ類の中毒の後ろ向き調査では、353人に主に消化器症状があり、あるいは少なくとも口に苦味があった。命の危険のあるような(かなり重篤な)症状があった人はいなかったが、事例の4%に血性下痢、激しい胃痛、脱水および/または低血圧などの顕著なあるいは長期の症状(中程度の重症度)があった。最後に、供給源が分かっている事例では、苦いウリ類の54%は庭の野菜畑で育ち、残りの46%は市販品を購入していた。

2012年から2018年にCAPsが記録した食用植物と毒性のある植物のとの混同に関する他の後ろ向き調査は、記録された混同の1159件の事例の中では、食用球根と毒性の球根植物との混同(12%)や、甘い栗とマロニエとの混同(11%)に続き、食用ではないウリ類やコロシントと食用カボチャとの見間違えが、三番目に頻繁な混同種類として示される(全体の8.5%)

中毒を避けるためのヒント

・観賞用ウリ類(コロシント類):これらには全て毒があり、摂取してはならない。表示を確認し、販売時点で職員から助言をもらうこと。

・市販で購入した、あるいは庭の野菜畑で育てられた食用カボチャ:生の食用カボチャのかけらを食べてみて、苦い味がしたら吐き出して捨てること:調理したものでも、食べてはいけない。

・庭の野菜畑の食用カボチャ:自然に生えた「野生の」カボチャは食べない。蒔き直し用に以前に収穫した種子を集めない。野菜畑に蒔きたいときには毎回新しい種子を購入すること。

中毒の際の注意

激しい消化器出血あるいは意識喪失など医学的緊急事態の場合、(フランスでは)15番に電話するか、緊急外来に行くこと。

他の中毒症状(消化器疾患など)の場合、中毒管理センターに電話するか医師に診てもらうこと。種類を見分けるのに役立つため、食べられる前の「カボチャ」の写真を撮ったり、食べたカボチャの有害物質の検索に役立つ可能性のある、食事の残り物(スープ、ピューレなど)を保存したりすることも忘れずに。

 

[RIVM]フードサプリメントの安全性評価テンプレート

Template for safety assessment of plant food supplements

04-11-2019

https://www.rivm.nl/publicaties/template-for-safety-assessment-of-plant-food-supplements

概要

消費者は「自然な」イメージや(想定された)健康上の利点により植物のフードサプリメントを使用している。植物のフードサプリメントは、一般食品法やオランダ商品法のハーブ製剤令により安全でなければならない。

だが、サプリメントの成分や使用される成分の毒性について得られる情報が限られているため、これらの製品の安全性評価にはしばしば問題がある。RIVMは食品サプリメント、特に植物のフードサプリメントの安全性評価を標準化された方法で行うためのテンプレートを作成した。

まず、このテンプレートは必要な情報の概要を提供している。この情報の範囲と品質により、RIVMは安全性を評価するのにどう使えるかのガイダンスを提供している。

広範な食品サプリメントが、インターネットを含み、現在市販されている。だが、例えば認可の一部として、食品サプリメントの安全性や成分の市販前評価は要求されていない。特定の市販で入手できるサプリメントがヒトの健康にリスクを起こす可能性があるいう兆候があった時にだけそのような評価が行われる。政府による評価は、サプリメントが市販された後に実施される可能性がある。

 

[CDC]CDC、州は電子タバコの使用に関連する肺傷害の症例数を更新

CDC, states update number of cases of lung injury associated with use of e-cigarette, or vaping, products-11-07

Thursday, November 7, 2019

https://www.cdc.gov/media/releases/2019/s1107-lung-injury-cases.html

肺傷害患者

2019115日時点で確認症例2051

死亡

24州で39

 

[IARC]2020–2024年のIARCモノグラフの推奨優先順位助言グループ報告

Report of the Advisory Group to Recommend Priorities for the IARC Monographs during 2020–2024

7 November 2019

https://www.iarc.fr/news-events/report-of-the-advisory-group-to-recommend-priorities-for-the-iarc-monographs-during-2020-2024/

報告本文

https://monographs.iarc.fr/wp-content/uploads/2019/10/IARCMonographs-AGReport-Priorities_2020-2024.pdf

300ページ以上もある。とにかくどこかでがんに関連すると報告されたら候補。優先物質の中には再評価もある。水道水の殺菌副生成物ハロ酢酸、大麻喫煙、不妊治療、食事中の塩、豊胸用インプラント、アスパルテーム、パラベン、電磁波、マラリア、熱い食品、無機鉛化合物、アセトアルデヒド、等、医薬品や治療等IARCモノグラフが役にたつ気がしないものも)

 

[ProMED]汚染ほうれん草-トルコ:チョウセンアサガオ疑い

Contaminated spinach - Turkey: datura susp.

2019-11-07

http://www.promedmail.org/post/6765583

Date: Tue 5 Nov 2019 Source: Ahval News [edited]

イスタンブールの保健担当者が2019115日に汚染ほうれん草を食べて病院に行った人の数が108に増えたと言ったとトルコのニュースサイトDikenが報道している。

イスタンブール保健局によると28人は観察のため入院、のこりは退院した。当局はほうれん草に有毒植物が混入したことを疑っている。症状はかすみ目、乾燥肌、便秘、心拍増加、高血圧など。

(何故、どのくらい、ほうれん草に入っていたのかは書いてない)

 

[FSSAI]FSSAIは学校で子供たちに提供される食品の10項目憲章を提案

FSSAI Proposes Ten-point charter for food sold, supplied to school Children

New Delhi, Nov 07, 2019

https://fssai.gov.in/upload/press_release/2019/11/5dc3f8f8bb5b4Press_Release_School_Children_07_11_2019.pdf

食品衛生関係の他に脂肪砂糖塩の多い食品は販売できない(学校の半径50メートル以内)し宣伝もできない、食品廃棄ゼロ、栄養ガイドラインに従った食事などが入っている。

 

[EU]衣類にビスフェノールAが存在することについての科学的意見の要請

SCCS - Request for a scientific Opinion on the presence of Bisphenol A in clothing

https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/scientific_committees/consumer_safety/docs/sccs2016_q_035.pdf

テキスタイルへのBPAの使用に直接制限はなく、エコラベル適用かどうかを検討する際に考慮されているに過ぎない。これまでBPAの使用はポリカーボネート、エポキシ樹脂、感熱紙でしか報告されていないため、暴露評価や毒性評価のときも衣類や繊維製品が考慮されることはなかった。しかし過去2年にBPAは衣類から検出されていて暴露研究も行われている。2017年と2018年の限定的論文ではBPAが乳児用靴下や女性のパンティーストッキングから検出されている。欧州で販売されている子ども用の靴下のBPAや内分泌撹乱活性が測定されるようになったのはごく最近である。これらの研究結果は懸念となる、なぜなら衣類は皮膚と直接長時間接触するからである。そして小さい子どもはしばしば衣類を口に入れて吸う。そのため衣類のBPAとそれによるリスクの可能性について評価する必要がある。

 

[NTP]ニュースレター

NTP Update November 2019

https://ntp.niehs.nih.gov/update/index.html

PFASワークショップ、EWGによるインタラクティブPFAS汚染マップが紹介されている

・代替毒性試験法助言委員会の年次会合では組織チップの課題を議論

118日はReddit での「何でも聞いてAsk Me Anything (AMA)」で、植物サプリメントについての質問を受け付ける

植物由来だから、店やオンラインで売っているからというだけでそれが安全だという意味ではない

・ヒトの健康は動物や環境と関係する-Triangle Global Health年次会合

など

 

論文

-シミュレートした日光が毎年海のプラスチックの98%がどうしてなくなるのかを明らかにする

Simulated sunlight reveals how 98% of plastics at sea go missing each year

7-Nov-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-11/fau-ssr110619.php

海に浮かぶプラスチック断片は、海に入るプラスチックの1-2%にしかならない。この失われたプラスチックの運命についてはよくわかっていない。Journal of Hazardous Materialsに発表された研究では特定のプラスチックに日光を真似た光を約2か月照射して光分解を調べた。その結果日光は水に溶ける炭素の量を増やしプラスチック粒子が薄くなる。またばらばらになり酸化し色が変わる。分解速度はポリマーの化学的性質により、リサイクルプラスチックのほうが分解は早い。プラスチック由来の水溶性有機炭素は概ね微生物で分解されるが一部は微生物の活動を阻害する。

 

-SDHI農薬はヒト細胞に有毒

SDHI pesticides are toxic for human cells

7-Nov-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-11/c-spa110719.php

フランスで販売されているコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤(SDHI)の培養ヒト繊維芽細胞への影響についての研究がPLOS ONEに発表された。CNRSからのプレスリリース

(農薬有効成分存在下で特殊な条件で培地交換せず10日培養したら何か影響がみられたというのを現行の規制の欠陥だ、毒だとプレスリリースするのがフランスの国立研究所。もと論文タイトルには「農薬は毒」という単語はない)

 

-ビタミンDとオメガ3サプリメントは全身炎症リスクを減らさない

Vitamin D and Omega 3 supplements do not reduce risk of systemic inflammation

7-Nov-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-11/bawh-vda110719.php

VITAL試験の結果からは1年にわたって使用したどちらのサプリメントも炎症バイオマーカーの減少とは関連しなかった。

Clinical Chemistry

 

-人と地球の健康を助けようとするEAT-Lancet食事は16億人の人々にとってはあまりにも費用がかかる

Intended to help human, planetary health, EAT-Lancet diet too costly for 1.6 billion people

7-Nov-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-11/tuhs-ith110619.php

The Lancet: Global Healthに発表されたタフツ大学の研究者らによる推定では、EAT-Lancet委員会の勧める食事は12.84ドルで、多くの低所得国の一人あたりの収入を超える

またEAT-Lancet食事は20の必須栄養素をとるのに最も低コストな食事に比べると64%高コストである。EAT-Lancet食事は動物由来食品と野菜や果物が最小必要量より多い。

 

-Natureニュース

電子タバコとオピオイド:次のFDA長官はいくつかの現在進行中の危機に直面する

E-cigs and opioids: The next FDA chief will face several ongoing crises

07 November 2019 Heidi Ledford

https://www.nature.com/articles/d41586-019-03433-3

電子タバコやオピオイドの問題はもちろんあるが、Stephen Hahnの最大の課題は規制に反対する政権のもとで規制機関を運営することだろう、ともとFDA主任Robert Califfは言う。

ある側面ではHahnの指名は5月まで長官を務めたScott Gottliebより議論にはならない。Gottliebは複数の製薬会社の理事を務めベンチャー資本家だったがHahnは企業との関係は薄い。しかしこの人事が議会で確認されるかどうかはまだ不明で電子タバコの扱いを巡って割れるだろう。