2019-12-03

[EFSA]意見等

-食品と接触する物質として使用する「木粉と繊維、未処理」(FCM No 96)のリスク評価の改訂と、食品と接触するプラスチック用添加物としての今後の植物由来物質の申請基準

Update of the risk assessment of ‘wood flour and fibres, untreated’ (FCM No 96) for use in food contact materials, and criteria for future applications of materials from plant origin as additives for plastic food contact materials

EFSA Journal 2019;17(11):5902  29 November 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5902

食品と接触する物質、酵素、加工助剤に関するEFSAのパネル(CEP)は「木粉と繊維、未処理」(FCM No 96)の認可が今なおEC規則No 1935/2004に従っているかどうかをレビューするよう欧州委員会に求められた。この添加物は、その不活性であるとの仮定に基づき、食品と接触するプラスチック(FCM)に使用する添加物のリストに含まれていた。このポジティブリストにこの項目が含まれる基礎となる毒性学的評価はない。文献検索で、木材の化学組成に関する一般情報から、木材は有毒成分や汚染物質を含む恐れがあることが示された。木由来物質の移行に関する情報はワイン生産での使用に限定されることが分かった。プラスチック添加物としての木材(粉、繊維)の使用による物質の移行に関するデータは入手できなかった。パネルはそのため、「木粉と繊維、未処理」(FCM No 96)の現在の認可が今なおEC規則No 1935/2004に従っていることを支援する情報は不十分だと結論した。第二段階として、委任による要求通り、パネルは食品と接触するプラスチック添加物の申請に植物由来の木材及び同様の物質の今後の評価基準を設定した。パネルは、植物物質の組成の化学的な違いにより、これらの物質からの移行の安全性は、種だけではなく、産地、加工、ホストポリマーとの相溶化処理、食品中に移行する低分子量成分の評価も考慮し、ケースバイケースで評価されなければならないと注記した。木材あるいは他の植物物質の使用による物質の移行は、添加物ありとなしのサンプルで比較検査する必要がある。毒性データは、この分析で検出された物質をカバーする必要がある。

 

-小さなフルーツとベリー類のスピロテトラマトの既存MRLsの改訂

Modification of the existing maximum residue levels for spirotetramat in small fruits and berries

EFSA Journal 2019;17(11):5904  28 November 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5904

提案されたMRLsを執行するための適切な分析法が得られた。リスク評価結果に基づき、EFSAは報告された農業規範によるスピロテトラマトの使用から生じる残留物の短期及び長期摂取は消費者の健康リスクになりそうもないと結論した。

 

-哺乳及び離乳子豚とマイナー豚種用畜産学飼料添加物としてのCI‐FER™ (クエン酸第二鉄キレート)の安全性と有効性

Safety and efficacy of CI‐FER™ (ferric citrate chelate) as a zootechnical feed additive for suckling and weaned piglets and minor porcine species

EFSA Journal 2019;17(11):5916  28 November 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5916

 

-産卵鶏用飼料添加物としてのRONOZYME® WX (エンド‐1,4‐β‐キシラナーゼ)の有効性

Efficacy of RONOZYME® WX (endo‐1,4‐β‐xylanase) as a feed additive for laying hens

EFSA Journal 2019;17(11):5919  28 November 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5919

 

-乳牛とウマ用Biosprint® (Saccharomyces cerevisiae MUCL 39885株)の認可更新申請の評価

Assessment of the application for renewal of authorisation of Biosprint® (Saccharomyces cerevisiae MUCL 39885) for dairy cows and horses

EFSA Journal 2019;17(11):5915  28 November 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5915

 

-Aspergillus oryzae (DP‐Bzb41株)由来食品酵素α-アミラーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme α‐amylase from Aspergillus oryzae (strain DP‐Bzb41)

EFSA Journal 2019;17(11):5899 27 November 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5899

この食品酵素α-アミラーゼ(4‐α‐d‐グルカン グルカノヒドロラーゼ, EC 3.2.1.1)はDanisco US Inc. (USA)社が非遺伝子組換えAspergillus oryzae (DP‐Bzb41株)で生産している。このα-アミラーゼ食品酵素はグルコースシロップ生産の焼成、醸造、蒸留アルコール生産、澱粉加工での使用を意図している。焼成及び醸造工程の最大使用量とEFSAの包括的欧州食品摂取データベースの個別データに基づき、この食品酵素への食事暴露―総固形有機物量(TOS)は最大2.59 mg TOS/kg体重 (bw) /日と推定された。TOSの残留量は蒸留アルコール生産中や澱粉加工中に適用される精製段階で除去されるため、これらの工程の食事暴露は算出されなかった。遺伝毒性試験では安全上の懸念を生じなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは無毒性量(NOAEL)を試験された最大量の1,000 mg TOS/kg bw /日と確認した。推定食事暴露と比較して、暴露マージンは少なくとも386となった。既知のアレルゲンに対するアミノ酸配列の類似性が調査され、呼吸器アレルゲンに対する1件のマッチが見つかった(他のA. oryzae株由来アミラーゼ)。パネルは、意図した使用状況でアレルギー感作リスクや食事暴露による誘発反応は除外できないが、そのような可能性は低いと考えた。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品酵素は意図した使用状況で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

[EU]RASFF Week48-2019

警報通知(Alert Notifications)

エストニア産ブドウネクターのオクラトキシンA (2.5 µg/kg)、中国産ルクセンブルク経由赤いキウイのラムダ-シハロトリン(0.14 mg/kg)、オランダ産ミックスナッツの亜硫酸塩及びピーナッツ非表示、米国産オランダ経由アスリート用食品サプリメントのカフェイン過剰摂取リスク(150 mg/item)、スロバキア産小麦ふすまのデオキシニバレノール(DON) (1516 µg/kg)、英国産アスリート用食品サプリメントのカフェイン高含有(400 mg/日)、スーダン産オランダ経由デンマークで包装した飼料用ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 1100 µg/kg)、ラトビア産缶入りオイル漬ニシンのベンゾ(a)ピレン(6.64 µg/kg)、フィンランド産スピルリナ錠剤の多環芳香族炭化水素(4 PAH'sの合計= 62.9 µg/kg)、ドイツ産食品サプリメントのクルクミン高摂取量(1500 mg/日)、中国産オランダ経由乾燥クコの実の未承認物質ニコチン(0.39 mg/kg)、

注意喚起情報(information for attention)

エジプト産冷凍ソラマメのベンザルコニウム(BAC) (2.2 mg/kg)、スリランカ産煎った赤米粉のアフラトキシン(B1 = 15.6; Tot. = 19.0 µg/kg)、ラオス産レッドチリペッパーの未承認物質トリアゾホス(1.2 mg/kg)、トルコ産マツの木のハチミツのスルファジミジン(2 µg/kg)、カンボジア産未承認遺伝子組換え(35S プロモーター; BAR and nptII genes)パパイヤ、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 17.5; Tot. = 39.4 µg/kg)、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

ポーランド産七面鳥用完全飼料のラサロシド(5.38 mg/kg 乾物)、中国産バーベキューグリルからのニッケルの溶出(1.3; 1.9 mg/l)、アイスランド産ドイツ経由飼料用魚肉の動物性タンパク質(陸生の粒子及び豚のDNA)、デンマーク産飼料用魚肉の動物性タンパク質(陸生の粒子及び豚のDNA)、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産ペッパーのホルメタネート(0.131 µg/kg)、米国産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 12.7; Tot. = 15.1 µg/kg)、ギニアビサウ産パーム油の未承認着色料スーダン4 (88 µg/kg)、トルコ産ザクロのクロルピリホス(0.093 mg/kg)、マレーシア産ジャックフルーツの未承認物質カルベンダジム(1 mg/kg)、トルコ産殻をとったナッツのアフラトキシン(B1 = 12.89; Tot. = 14.42 mg/kg)、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 13.8 µg/kg;B1 = 6; Tot. = 26 µg/kg;Tot. = 33.2 µg/kg)、マレーシア産ジャックフルーツのクロルピリホス(0.11 mg/kg)、ホンジュラス産塩味スナックの着色料サンセットイエローFCF(E110)の未承認使用(存在)、ブラジル産ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(4.4 µg/kg)、インド産有機ビーガンジャムミックス(チャワンプラッシュchyawanprash)の未承認新規食品(アダトダヴァシカAdhatoda vasica, シャタバリAsparagus racemosus, アムラEmblica officinalis ミロバランTerminalia chebula)及び成分(ハマビシTribulus terrestris)、トルコ産ペッパーのピリミホスメチル(0.050 mg/kg)及びホルメタネート(0.101 mg/kg)、ドミニカ共和国産ナスの未承認物質カルボフラン(0.011 mg/kg)、ジョージア産煎ったヘーゼルナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 22.5; Tot. = 25.5 µg/kg)、

 

[TGA]外用医薬品リストのクマリンの安全性レビュー

Safety review of coumarin in topical listed medicines

2 December 2019

https://www.tga.gov.au/safety-review-coumarin-topical-listed-medicines

クマリンは現在有効ホメオパシー成分(最大濃度0.001%)としてのみの使用が認められているが、香料としても使用されているため予備的安全性レビューを行った。

レビューではクマリンの局所使用について安全な濃度を設定できず、肝障害や皮膚感作などの安全上の懸念を同定した。リスクが大きい集団は子ども、妊娠/授乳中の女性である。2019年3月にTGAはクマリン製品を使用している事業者から意見を求め、合計7件提出され予備的意見を補完した。最終レビューには反映されている。

結果として添加剤として最大0.001% までの使用、成人のみ。同時に「低から無視できるリスク」から認可成分に変更。

 

[TGA]中-高程度リスクの許容成分への変更:センシンレン

High-moderate risk changes to permissible ingredients -Andrographis paniculata 

2 December 2019

https://www.tga.gov.au/high-moderate-risk-changes-permissible-ingredients-andrographis-paniculata

センシンレン(穿心蓮)は有効成分あるいはホメオパシー成分としてリスト医薬品での使用が現在認められているハーブであるが、アナフィラキシー/アレルギー反応との関連報告を踏まえ、警告文に対する新要件が必要となる。

(アナフィラキシー/アレルギー反応の報告数のグラフあり、2019年のデータは年度途中までなのに急増)

 

[TGA]メントール及びサリチル酸メチルに対する表示警告文の変更

Changes to the label warning statement requirements for menthol & methyl salicylate 

2 December 2019

https://www.tga.gov.au/changes-label-warning-statement-requirements-menthol-methyl-salicylate

TGAはメントール及びサリチル酸メチル及び関連成分に対する表示警告文の制限の緩和。

以下の警告表示を濃度が1%以上の局所用製品のみに緩和

・刺激性:もしかゆみや刺激があったら使用を中止する

・皮膚試験:もしあなたの皮膚がセンシティブなら、広範囲に使う前に皮膚の一部でテストするように

 

[TGA]安全性警告

-Sheaya Herbs tablets by Kulchaya

29 November 2019

https://www.tga.gov.au/alert/sheaya-herbs-tablets-kulchaya

製品は予期されない医療成分ビサコジルを含む。製品写真あり。

 

-PURE BIOTHROID-B No1 Tablets

29 November 2019

https://www.tga.gov.au/alert/pure-biothroid-b-no1-tablets

製品は牛の甲状腺を含む。製品写真あり。

 

[HK] 法令違反

-レタスサンプルに基準値超過の残留農薬

Pesticide residue exceeds legal limit in Lettuce Leaf sample

Friday November 29, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20191129_7719.html

食品安全センターが検査したところ、レタスにおいて、シハロトリンが最大残留基準値0.2ppmのところ、0.84ppm検出であった。

 

-瓶詰果物ジャムが栄養表示規則に違反

Bottled fruit spread not in compliance with nutrition label rules

Thursday, November 28, 2019

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20191128_7714.html

フランス産果物ジャムからナトリウム7mg/100g含有という申告のところ、14mg/100g検出された。

 

[FSAI] Srirachaのホットチリソースは内容物の噴出の恐れのため回収措置

Recall of Sriracha Hot Chili Sauce due to Risk of the Contents Exploding

Friday, 29 November 2019

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/exploding_sriracha_hot_chili_sauce.html

Srirachaのホットチリソースは、開封時、内容物が飛び出る可能性があり、回収している。

 

[FDA]小麦粉の安全な取り扱い:知っておくべきこと

Handling Flour Safely: What You Need to Know

11/27/2019

https://www.fda.gov/food/buy-store-serve-safe-food/handling-flour-safely-what-you-need-know

小麦粉を含む食品を調理する場合の注意事項について。

(微生物がいる可能性について。)

 

[FDA] 休暇中の食品安全の注意

Food Safety Tips for Healthy Holidays

11/27/2019

https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/food-safety-tips-healthy-holidays

安全な食品の取り扱い(清潔、交差汚染の防止、十分な加熱、冷蔵保管)により食品由来の疾患を予防するための情報。

 

[MPI] リコール。Villa Maria ブランドのLightly Sparkling Rosé 2018

Villa Maria brand Lightly Sparkling Rosé 2018

29 November 2019

https://www.mpi.govt.nz/food-safety/food-recalls/recalled-food-products/villa-maria-estate-brand-lightly-sparkling-rose-2018/

Villa Maria Estate Ltdは瓶が破損する恐れがあるとしてLightly Sparkling Rosé 2018の一部回収措置。

 

[WHO]コンゴ共和国でエボラの対応をしていた人たちが攻撃され死亡と怪我

Dead and injured following attacks on Ebola responders in the Democratic Republic of the Congo

28 November 2019

https://www.who.int/news-room/detail/28-11-2019-dead-and-injured-following-attacks-on-ebola-responders-in-the-democratic-republic-of-the-congo

2回の攻撃で4人が死亡5人が怪我

 

[FSSAI]メディアコーナー

保護者が学校のジャンクフード禁止を求めて署名キャンペーンを始める

Parents initiate signature campaign to ban junk food in schools

Nov 28, 2019

https://fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_News_Parents_HT_28_11_2019.pdf

保護者達がFSSAIにさらに規制を推進するよう学校とその周囲でのジャンクフードの販売禁止を求める署名活動を始めた

(ジャンクフードの定義がよくわからない、砂糖脂肪が多いもの、ソフトドリンク、ポテトウェファース、パスタ、ピザ、揚げたもの、がダメらしい。すすめられているのは果物と乾燥果物、家で作ったもの)

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 103-19

29 November 2019

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/NotificationCircular103-19.aspx

意見募集

・レバウジオシドEの酵素による生産 2020年1月23日まで

・やさしい英語でのアレルゲン表示 2020年2月27日まで

 

Call for comment on a new steviol glycoside

https://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/Call-for-comment-on-a-new-steviol-glycoside.aspx

 

Second call for comment - Plain English Allergen Labelling

https://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/Second-call-for-comment---Plain-English-Allergen-Labelling-.aspx

 

論文

-さつまいもは近傍に昆虫の攻撃を警告するのに単一の匂いを使う

Sweet potato uses a single odor to warn its neighbors of insect attack

2-DEC-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-12/mpif-spu120219.php

Ipomoea batatasで匂いは防御反応を誘発し他の植物を守る

Tainong 57という栽培種は昆虫の食害に強く、昆虫に食べられると特徴的な匂いを出す。この匂いに反応して直接攻撃されていない植物の葉でスポラミンという物質が作られ、これは攻撃してくる昆虫の消化酵素を阻害し、昆虫の食欲を失わせる。同時にスポラミンは可食部にも蓄積されるので、さつまいもは食べる前に調理が必要である。この反応を誘発するにおい成分がDMNT ((E)-4,8–ジメチル–1,3,7-ノナトリエン)であることをScientific Reportsに報告。

 

-世界初の研究が「食べて吐く」摂食行動の頻度を明らかに

World-first studies reveal occurrence of 'chew and spit' eating behavior

30-NOV-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-11/uos-wsr113019.php

青少年の頻度が特に懸念、研究者らは臨床症状として認識させたい

シドニー大学の研究者らがEating Disorders: The Journal of Treatment & Preventionに発表した研究では青少年の12%に「食べて吐く」が生じうる。11-19才の5111人の縦断研究。関連行動として過食、絶食、体重や体型への懸念、下剤の乱用、嘔吐。厳密なダイエットや運動とは関連がなかった

 

-アフリカのスーパーマーケットと子どもの栄養

Supermarkets and child nutrition in Africa

2-DEC-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-12/uog-sac112919.php

ドイツGöttingen大学の新しい研究ではケニアのスーパーマーケットを介して子どもの栄養不良が減った。Global Food Securityに発表。

スーパーマーケットにアクセスできる家庭の子どもは有意に栄養状態が良かった。特に成長と身長にポジティブな影響があり、収入や年齢などを調整してもそうだった。「我々は最初この結果に驚いた、何故ならスーパーマーケットは不健康なスナックや便利な食品を主に売っているので。」と著者のBethelhem Legesse Debela博士は言う。研究プロジェクトリーダーの Matin Qaim教授は「全ての加工食品が自動的に不健康、ではない。加工は食品の衛生と保存期間を向上させる。アフリカの貧しい家庭は特に、傷みやすい生鮮食品を常に入手できるわけではない」と言う。

(スーパーや加工食品は悪いに決まっているってすごい偏見。こんな人たちがSDG目標とか作ってるんだからほんと、話半分に聞いて自国での根拠はしっかりしないと。)

 

-研究者が乳児用と幼児用食品の栄養価を比較する

Researchers compare nutritional value of infant and toddler foods

2-DEC-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-12/uoca-rcn120219.php

Nutrition Todayに発表されたコロラド大学 Anschutz 医学部キャンパスの研究者らによる新しい研究によると、パウチ入りで販売されている乳幼児用食品は瓶やほかの包装で販売されているものより栄養価が低い

(最近のベビーフードはパウチが流行りなのか。日本の場合レトルトパウチでも温めて食器に移したりスプーンですくったりするけどアメリカのは口つきで、あたためたりしないでそのままこどもの口に入れられるようだ。)

 

-WHO紀要

Bulletin of the World Health Organization

Volume 97, Number 12, December 2019, 789-856

https://www.who.int/bulletin/volumes/97/12/en/

・砂糖で甘くした飲料への課税に反応した表示の変化、英国と北アイルランド

2014年から2018年の間に平均砂糖含量は9.1 g/100 mLから5.3 g/100 mLに有意に低下した

・WTO加盟国の煙草・食品・飲料政策への申し立てへのWHOの反応

煙草貿易についてはWHOが公衆衛生上の懸念を表明することはあるが栄養政策で貿易上の議論をすることはあまりない

(「不健康な食品」とみなしたものを輸入制限したいらしい)

 

その他

-Scientific AmericanがDr. Jennifer Gunterを標的に反医学陰謀論を発表

ACSH

Scientific American Publishes Conspiratorial, Anti-Medical Rant Aimed At Dr. Jennifer Gunter

By Alex Berezow — December 2, 2019

https://www.acsh.org/news/2019/12/02/scientific-american-publishes-conspiratorial-anti-medical-rant-aimed-dr-jennifer-gunter-14431

過去数か月、Scientific Americanはバイオテクノロジーを攻撃し5G技術について陰謀論的ナンセンスを繰り返し、そして今回三回目に有名な産婦人科医を中傷する反医学に至った。数日前に発表された記事は、今は削除されているがアーカイブがとられている

https://web.archive.org/web/20191127013500/https://blogs.scientificamerican.com/observations/doctors-are-not-gods/

内容は女性に医者はいらないというもので科学はたくさんある意見のなかの一つでしかないといったものである

Scientific American Yanks ‘Hit Piece’ on Dr. Jennifer Gunter, Twitter’s Fave Gyno

https://www.thedailybeast.com/dr-jennifer-gunter-scientific-american-yanks-hit-piece-on-twitters-favorite-ob-gyn

この記事は公表直後からソーシャルメディアでのバックラッシュにあった。しかしこの記事を書いたJennifer Blockは間違っているとは考えず、GunterがScientific Americanをいじめたから記事が取り下げられたとしている

(Scientific Americanどこへ向かっている?)

 

-化学兵器条約によりノビチョク神経剤禁止

Natureニュース

Novichok nerve agents banned by chemical-weapons treaty

28 NOVEMBER 2019 Davide Castelvecchi

https://www.nature.com/articles/d41586-019-03686-y

化学兵器禁止条約の執行を行う組織、化学兵器禁止機関(OPCW)が11月27日、ノビチョクの禁止を発表した。加盟193か国の満場一致。

 

-ナチュロパスBen Lynchの遺伝子占い

The Genetic Astrology of Naturopath Ben Lynch

Jonathan Jarry M.Sc. | 27 Nov 2019

https://mcgill.ca/oss/article/pseudoscience-reviews/genetic-astrology-naturopath-ben-lynch

Ben Lynch 著Dirty Genesはいつものように毒素が悪いのでサプリメントを摂ろうと勧めるためにいい加減な遺伝学を使う

ダーティージーン

 

-アップルサイダービネガーのどこがすごいのか?

What's the Deal with Apple Cider Vinegar?

Joe Schwarcz PhD | 29 Nov 2019

https://mcgill.ca/oss/article/health-nutrition/whats-deal-apple-cider-vinegar

酢、特にリンゴ酢の素晴らしい健康効果にはとどまるところがない。でもその宣伝に根拠はあるのか?

1990年代初期のリンゴ酢サプリメントはジョギングと同じ健康効果があると宣伝した。FDAとFTCがそのような宣伝は根拠がないと判断して1995年に罰を与えた。しかし今、より多くの商品が市場にある。その根拠は?おそらく幾分かの根拠はある。しかしその効果は小さく臨床上の意味は疑問。

 

-ファイヤーホーシング(消化ホースで水をかけるような):反ワクチン活動家が間違った情報を拡散するのに使っている組織的戦略

Firehosing: the systemic strategy that anti-vaxxers are using to spread misinformation

Lucky Tran  Thu 7 Nov 2019

https://www.theguardian.com/commentisfree/2019/nov/07/firehosing-the-systemic-strategy-that-anti-vaxxers-are-using-to-spread-misinformation

反ワクチン活動家は恥ずかしげもなくいつもの明らかな嘘を語り続ける、間違いを暴かれ事実を指摘されても。

またもや人気の番組が反ワクチンの嘘を広めた、先週Bill Maherがワクチンについてのご情報を広めて数百人もの人に学校に要求される予防接種義務の例外文書を書いていることで有名な医師Jay Gordonを招いて予防接種が自閉症の原因だと強調した。

私を含む科学や医学の仕事をしている人たちは憤慨した。なぜ彼らは何度も否定されている同じ嘘をつき続けるのだろう?答えは単純に、効果があるからだ。

ファイヤーホーシング“firehosing”という言葉を聞いたことがある?これは比較的新しい用語でRandの研究者Christopher Paulと Miriam Matthewsが2016年にロシアが使ったプロパガンダ戦略を説明するために作り出したものである。これまでは主に政治的プロパガンダ行動に使われてきた。しかし私は反ワクチンや気候変動否定論に対抗するためにこの用語から多くの教訓が得られると思う。

ファイヤーホーシングは可能な限り多くの嘘を可能な限り高頻度に放出することを基本にする。それは典型的なプロパガンダだが、ファイヤーホーシングの特徴は伝道者がその嘘を信じている必要はない、ということである。それは一見直観に反するが、ファイヤーホーシングの目的は説得ではないので効果的なのである。その目的は事実から力を奪うことである。ファイヤーホーシングは我々の周囲にたくさんの過激な主張を氾濫させることによりそれらを常に識別することに疲れ果てさせて、真実の地位を低下させる。

反ワクチンインフルエンサーJay Gordon や Andrew Wakefieldは既に嘘であることがわかった主張を何度も繰り返し続けることで、医師免許をはく奪されてもフォローワーに支持され続けている。反ワクチンの人たち全てがファイヤーホーシングを行っているわけではない。多くの懸念する保護者達は彼らの戦略の犠牲者である。我々が怒りを向けるべきは嘘を広めてお金を儲け力を得ている人たちに、である。

ファイヤーホーシングにはどう戦えばいいのか?特効薬はなく、まだ研究途上である。しかしRandの研究者がいくつかの示唆をしている。ファクトチェックだけでは不十分である。事前にこういう手法がとられることを一般の人たちに警告しておくほうがいい。また間違った情報の流れを阻害する戦略もある、フェイスブックやユーチューブの反ワクチンコンテンツの削除や、テレビなどでは聴衆が反ワクチンのゲストを招かないよう意見を言うなどがある。

我々は彼らの力を削ぐ必要がある、最良の方法はホースを詰まらせること。

 

-フッ素添加についての事実

ADA

Fluoridation Facts

https://ebooks.ada.org/fluoridationfacts/

米国歯科医師会の2018年版、無料の小冊子

 

-伝統中国医学:EASAC(欧州アカデミー科学助言評議会)と FEAM(欧州医学アカデミー連盟)の声明

Traditional Chinese Medicine: A Statement by EASAC and FEAM

07.11.2019

https://easac.eu/fileadmin/PDF_s/reports_statements/Traditional_Chinese_Medicine/EASAC-FEAM_TCM_statement_final_Nov_2019.pdf

ICD-11にTCMの章が加えられたことに関連する問題について。

・TCMやその他のCAMには世界中で規制されている根拠に基づいた医学の厳密な評価があてはめられるべき

・ICD-11のCAMの章はそれを保証したという意味ではない

患者を誤解させるリスクがある

(誤解させるのが目的だもの)

 

-Natureワールドビュー

アフリカは自身の健康研究課題を設定すべき

Africa should set its own health-research agenda

金持ちの提供者ではなく地元の専門家が研究をデザインしてコントロールすべき、とFrancisca Mutapiは言う

Nature Volume 575 Issue 7784, 28 November 2019

 

-Scienceエディトリアル

より大きな気候問題

An even bigger climate problem

Carolina Schmidt(チリの環境大臣)

Science  29 Nov 2019:Vol. 366, Issue 6469, pp. 1053

チリを震撼させた市民の抗議活動が背景にあってもなお気候変動に関する主要国際会議を開催することは、世界に対してクリーンエネルギーのような問題は同時に抱える社会正義の問題への対策なしに対応できるという印象を与える可能性があった。だから先月、不平等と生活費の上昇に対する抗議の中でチリはCOP25のホスト国を撤回した。

(以下チリの立場の説明と気候変動対策と開発や繁栄はどちらも達成しなければならないというメッセージ。)

 

-編集部が紹介する他誌の論文

Editors' Choice

Science  29 Nov 2019:Vol. 366, Issue 6469, pp. 1091

・あなたのコーヒーにスプーン一杯の砂糖

  1. Am. Chem. Soc. 141, 18056 (2019)

砂糖の濃度によるカフェインの凝集体とモノマーの挙動の変化を調べた研究。

(ほんとコーヒーの研究っていろいろある。コーヒー一杯のことすら我々は知らないことばかりだと思い知らさせる。身近な食品のことは知っている、なんて科白は無知かウソつきでないと言えない。)

 

-ニュースを一目で

News at a glance

Science  29 Nov 2019:Vol. 366, Issue 6469, pp. 1054-1055

・心理学者団体が気候変動に取り組む

今月40か国以上の心理学会が気候変動対策を進めるために彼らの専門知識を使うことに合意した。例えば環境問題の効果的公衆伝達方法や環境にやさしい行動を推進するための研究を行う

・米国微生物学会年次寒天アートコンテストの最初の受賞は蓮の花びらの近くで泳ぐ鯉。寒天培地に微生物の色で絵を描いている