2021-01-04

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。

 

[EFSA]「食品と飼料の安全性、植物・動物の健康及び栄養品質の新興リスクのけん引役としての気候変動」に関する説明会

Info session on “Climate change as a driver of emerging risks for food and feed safety, plant, animal health and nutritional quality”

22 December 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1993

最近終了したCLEFSAプロジェクト「食品と飼料の安全性、植物・動物の健康及び栄養品質の新興リスクのけん引役としての気候変動」の結果を伝えるために、EFSAは2020年10月8日にオンライン説明会を開催した。このプロジェクトでは気候変動と関連する新興リスクの同定、特徴付け、分析のための新しい方法論を開発・テストし、データの少ない環境での作業に関連する不確実性を記述した。このプロジェクトの報告書は2020年6月25日に発表された。このイベントの全体的な目的は、EFSAのパネルと科学委員会のメンバー、欧州委員会の部局、姉妹機関、H2020プロジェクト、EU内外の国家機関、関連する専門知識を持つ国際機関、関連する国際プロジェクトやプログラムのコーディネーター、農業従事者、畜産家、一般市民を含む海外の聴衆にCLEFSA報告書を広め、議論し、関連する活動全体で相乗効果を生む機会を確認することである。CLEFSA報告書を説明する開会本会議の後に、参加者は以下の分野ごとに相乗効果や他のプロジェクト/活動との相互作用について話し合った。1) 汚染物質、2)動物の健康、3) ヒト健康への生物的ハザード、 4) 新たなリスクの特定、特性評価、分析のための方法論。最終本会議では、さらなる行動と協力の可能性が示された。CLEFSAは、極めて不確実性が多い複雑で学際的な問題に対処するために、様々な利害関係者の専門知識をまとめることに成功していると結論された。フォローアップとして、EFSAは、新興リスク同定プロセスの体系的なアプローチの実行における市民、農業従事者、地方当局など幅広い様々な利害関係者の関与や、気候変動に関する研究を広め、優先課題のより詳細なリスクキャラクタリゼーションに焦点を当てるために、IPCCなどの国際機関との協力の強化に努める必要がある。

 

[EFSA]意見等

-トウモロコシ粒やスイートコーンのビフェントリンのMRL条項12のレビューに従う確証データの評価および輸入トレランス設定

Evaluation of confirmatory data following the Article 12 MRL review and setting of import tolerances for bifenthrin in maize grain and sweet corn

EFSA Journal 2020;18(12):6361 23 December 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6361

妥当性が確認された定量限界(LOQ) 0.01 mg/kgの濃度以下で植物本体及び動物本体のビフェントリン(異性体の合計)の残留物を管理するのに利用可能な執行のための分析法が得られた。EFSAは報告された農業規範によるビフェントリンの使用から生じる残留物の短期及び長期摂取は消費者のリスクになりそうもないと結論した。このリスク評価は、以前EUのMRLsが設定され、まだリスク評価に含まれている多くの作物のEU認可の満了に関連する追加の非標準的な不確実性に影響されている。

 

-全ての動物用飼料添加物としてEscherichia coli CGMCC 13325株を用いて生産したl‐スレオニンの安全性と有効性

Safety and efficacy of l‐threonine produced using Escherichia coliCGMCC 13325 as a feed additive for all animal species

EFSA Journal 2020;18(12):6332 18 December 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6332

 

-確証データを踏まえたメプチルジノカップの農薬リスク評価に関する加盟国、申請者、EFSAの協議結果

Outcome of the consultation with Member States, the applicant and EFSA on the pesticide risk assessment for meptyldinocap in light of confirmatory data

18 December 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1987

スペインが協議結果をまとめ、EFSAの科学的見解と個別に受け取ったコメントの結論を提示している。

 

-全ての動物種用飼料添加物としてCorynebacterium glutamicumKCTC 12307BP株で発酵して生産したl‐リジン塩酸塩と濃縮液l‐リジン(塩基)の安全性と有効性

Safety and efficacy of l‐lysine monohydrochloride and concentrated liquid l‐lysine (base) produced by fermentation with Corynebacterium glutamicumKCTC 12307BP as feed additives for all animal species

EFSA Journal 2020;18(12):6333 17 December 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6333

 

-マンコゼブの農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance mancozeb

EFSA Journal 2020;18(12):5755 16 December 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5755

情報不足と懸念が確認された。

 

-全ての動物種用飼料添加物としてCorynebacterium glutamicum KCCM 80216株で発酵して生産したl‐リジン塩酸塩と濃縮液l‐リジン(塩基)の安全性と有効性

Safety and efficacy of l‐lysine monohydrochloride and concentrated liquid l‐lysine (base) produced by fermentation with Corynebacterium glutamicum KCCM 80216 as feed additive for all animal species

EFSA Journal 2020;18(12):6334  16 December 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6334

 

-全ての動物種用飼料添加物に使用する際の様々な化学物質グループに属する31の香料化合物の安全性

Safety of 31 flavouring compounds belonging to different chemical groups when used as feed additives for all animal species

EFSA Journal 2020;18(12):6338  16 December 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6338

 

-ADDCON EUROPE GmbH由来雌豚用飼料添加物としての二ギ酸カリウム (Formi™ LHS)の安全性

Safety of potassium diformate (Formi™ LHS) as a feed additive for sows, from ADDCON EUROPE GmbH

EFSA Journal 2020;18(12):6339  16 December 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6339

 

[EU]RASFF Week53-2020

警報通知(Alert Notifications)

産出国不明ポーランドで包装されたポップコーンのデオキシニバレノール(DON) (2174 µg/kg)、中国産スロバキア経由穴あきスプーンからの一級芳香族アミンの溶出(> 5 mg/kg)、産出国不明デンマーク経由有機リコリスの根の粉末のオクラトキシンA (91 µg/kg)、スペイン産乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 81 µg/kg)、カナダ産オランダ経由有機アーモンドバーとクランベリーバーの未承認物質エチレンオキシド(>2.0 µg/kg)、トルコ産炒った塩味スイカの種子のアフラトキシン(B1 = 13.7 mg/kg)及びオクラトキシンA (11.4 mg/kg)、中国産フランス経由穴あきスプーンからの一級芳香族アミンの溶出(0.3 mg/kg)、

注意喚起情報(information for attention)

トルコ産白い種なしブドウのアセタミプリド(1.1 mg/kg)、ベトナム産冷凍バラクーダの水銀(0.89 mg/kg)、2,4-ジニトロフェノール (DNP)のオンライン販売、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

スペイン産冷凍シャコの亜硫酸塩高含有(163 mg/kg)、中国産ベルギー経由ステンレス製漉し器からのマンガンの溶出(0.39 mg/100ml)、トルコ産オレンジのブプロフェジン(0.078 mg/kg)及び未承認物質クロルピリホス-メチル(0.092 mg/kg)、クロアチアから発送したエネルギードリンクのプロピレングリコール(E1520) (3247 mg/kg)高含有、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産レモンのピリミホス-メチル(0.025 mg/kg)と未承認物質クロルピリホス-メチル(0.081 mg/kg)及びグレープフルーツのクロルピリホス(0.041 mg/kg)、トルコ産マンダリンのプロクロラズ(0.915 mg/kg)、トルコ産オレンジのプロクロラズ(0.845 mg/kg)、エジプト産有機ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 54; Tot. = 64 µg/kg)、カメルーン産コーヒー豆の未承認物質クロルピリホス(0.096 mg/kg)、トルコ産生鮮ペッパーのホルメタネート(0.096 mg/kg)、マレーシア産パーム油のグリシジルエステル類(7800 µg/kg)、トルコ産ペッパーのアセタミプリド(0.623 mg/kg)及び未承認物質クロルピリホス-メチル(0.126 mg/kg)、ミャンマー産未承認新規食品ビンロウの実、トルコ産有機乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 36; Tot. = 90 µg/kg)、トルコ産ペッパーのフロニカミド(0.859 mg/kg)、トルコ産ペッパーのアセタミプリド(0.831 mg/kg)、トルコ産マンダリンの未承認物質クロルピリホス-メチル(0.111 mg/kg)、トルコ産オレンジのプロクロラズ(1.849 mg/kg)及び未承認物質クロルピリホス-メチル(0.067 mg/kg)、

 

[EU]RASFF Week52-2020

警報通知(Alert Notifications)

トルコ産英国経由粉末クミンのピロリジジンアルカロイド(9948 µg/kg)、中国産イタリアで包装されたグルコン酸マグネシウムと不正表示されたグルコン酸カリウム、ドイツ産粉末クミンのピロリジジンアルカロイド(5522 µg/kg)、トルコ産英国で製造されフランスで包装された粉末クミンのピロリジジンアルカロイド(20377; 5786 µg/kg)、スペイン産生乳チーズに抗生物質(βラクタム系)の存在、オランダ産未承認新規食品ビンロウの実、イタリア産有機アーモンドのアフラトキシン(B1 = 31; Tot. = 34 µg/kg)、レバノン産ドイツ経由酢漬けのカブの未承認着色料ローダミンB (> 2000 µg/kg)、スイス産オランダ経由食品サプリメントのベンゾ(a)ピレン(21.1 µg/kg)、スペイン産有機乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 17.4; Tot. = 24.5 µg/kg)、スペイン産真空パック解凍メカジキの水銀(2.5 mg/kg)、

注意喚起情報(information for attention)

ルーマニア産液体低温殺菌卵のエンロフロキサシン(4236 µg/kg)未承認、スリランカ産英国経由チルドキハダマグロのヒスタミン(300.7 mg/kg)、トルコ産粉末クミンのアセタミプリド(0.79 mg/kg)・プロピコナゾール(0.19 mg/kg)・チアメトキサム(0.18 mg/kg)・クロチアニジン(0.11 mg/kg)・イミダクロプリド(0.13 mg/kg)・未承認物質クロルピリホス(0.082 mg/kg)・カルベンダジム(0.24 mg/kg)及びトリシクラゾール(0.22 mg/kg)、中国産食品酵素の未承認遺伝子組換え(微生物 DNA)、2,4-ジニトロフェノール (DNP)のオンライン販売、トルコ産グレープフルーツの未承認物質クロルピリホス-メチル(0.10 mg/kg)、トルコ産乾燥イチジクのオクラトキシンA(28.8 mg/kg)、インド産茶のクロロタロニル(1.5 mg/kg)、インド産ササゲの未承認物質オメトエート(0.19 mg/kg)及びジメトエート(0.12 mg/kg)、米国産食品サプリメントの未承認市販(医薬品パンクレアチン含有)、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

ベルギー産白ゴマのオランダでの未承認照射、スペイン産白ワイン塩水入り冷凍ザリガニの未承認物質塩素酸塩(1.5 mg/kg)、トルコ産茶の未承認新規食品成分セイヨウイソノキ、ドイツ産乾燥ドッグフードのビタミンD高含有、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 53; Tot. = 55 µg/kg;B1 = 17; Tot. = 18 µg/kg;B1 = 17; Tot. = 22 µg/kg;B1 = 48; Tot. = 109 µg/kg;B1 = 51.7; Tot. = 55.2 µg/kg)、米国産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 4.7; Tot. = 5.5 µg/kg)、トルコ産レモンの未承認物質クロルピリホス-メチルl (0.079 mg/kg;0.028 mg/kg)、トルコ産炒った殻付きピスタチオのアフラトキシン(B1 = 27.5; Tot. = 29.9 µg/kg;B1 = 48.3; Tot. = 51 µg/kg)、中国産緑茶のラムダ-シハロトリン(0.08 mg/kg)・未承認物質クロルピリホス(0.03 mg/kg)及びトルフェンピラド(0.09 mg/kg)、トルコ産塩水入りブドウの葉のジメトモルフ(0.023 mg/kg)、トルコ産生鮮ペッパーの未承認物質クロルピリホス-メチル(0.726 mg/kg)、米国産トルコから発送したピスタチオ穀粒のアフラトキシン(B1 = 38.8; Tot. = 44 µg/kg)、乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 12.8; Tot. = 24.4 µg/kg)、アンゴラ産ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 175; Tot. = 190 µg/kg)、米国産朝食用シリアルの着色料タートラジン(E102) (278 mg/kg)・着色料サンセットイエローFCF(E110) (118 mg/kg)・着色料アルラレッドAC(E129) (78 mg/kg)及び着色料ブリリアントブルーFCF(E133) (67 mg/kg)高含有、トルコ産生鮮レモンの未承認物質クロルピリホス(0.047 mg/kg)及びクロルピリホス-メチル(0.098 mg/kg)、ペルー産乾燥ペッパーの未承認物質クロルピリホス(0.024 mg/kg)、

 

インド産ゴマとEU各国のゴマ由来製品のエチレンオキシドの検出及びそれによる市場からの撤退は件数が多いため省略

 

[HK] 法令違反サンプル結果

-包装冷凍菓子が食品医薬品規則に違反

Prepackaged Frozen Confection not in compliance with Food and Drugs (Composition and Labelling) Regulations

Thursday, December 31, 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20201231_8404.html

オーストラリア産冷凍菓子に4種の着色剤(タートラジン、カルモイシン、ブリリアントブルーFCF、サンセットイエローFCF)のラベル表示なし。

 

-包装乳児用調製粉乳のサンプルが栄養表示規則違反

Prepackaged Infant formula sample not in compliance with nutrition label rules

December 31, 2020 (Thursday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20201231_8401.html

英国産乳児用調製粉乳のサンプルにおいて、ビタミンB12が1.3㎍/100gという申告のところ、0.8㎍/100gの検出。

 

-冷凍哺乳豚のサンプルから基準値超過のエンロフロキサシン

Excessive amount of Enrofloxacin in a frozen suckling pig sample

Tuesday, December 29, 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20201229_8398.html

冷凍哺乳豚のサンプルから基準値超過のエンロフロキサシン470㎍/kgを検出。

 

[FSA]更新情報

-食品包装及び表示

Packaging and labelling

31 December 2020

https://www.food.gov.uk/business-guidance/packaging-and-labelling

食品及び飲料表示が2021年1月1日より変更される。食品包装の表示及び法的要件に関しての情報更新。

 

-食品事故、製品回収

Food incidents, product withdrawals and recalls

31 December 2020

https://www.food.gov.uk/business-guidance/food-incidents-product-withdrawals-and-recalls

安全でない食品の回収方法を含めた食品事故の報告、対応及び予防に関しての情報更新。

 

-距離をとった販売、メール注文及び宅配

Distance selling, mail order and delivery

31 December 2020

https://www.food.gov.uk/business-guidance/distance-selling-mail-order-and-delivery

食品をオンラインで販売する場合、持ち帰りあるいは宅配の食品事業に関する情報。

 

-食品安全と衛生-賞味及び消費期限

Food safety and hygiene -Best before and use by dates 

24 December 2020

https://www.food.gov.uk/safety-hygiene/best-before-and-use-by-dates

食品表示の「賞味期限」及び「消費期限」を理解し、それぞれの取り扱いに関する情報更新。

 

-食品安全と衛生-冷蔵

Food safety and hygiene -Chilling

24 December 2020

https://www.food.gov.uk/safety-hygiene/chilling

食品を安全に冷蔵、冷凍及び解凍する方法に関して情報更新。

 

[FSAI] 回収

-アフラトキシン濃度が基準値超過のため乾燥イチジクを回収措置

Withdrawal of a Batch of Dried Figs due to Aflatoxin above the legal limit

Friday, 1 January 2021

https://www.fsai.ie/driedfigs.html

スペイン産乾燥イチジクのアフラトキシン濃度が基準値超過のため回収措置。製品写真あり。

 

-PAH4高濃度のためEast End Ginger Powderを回収措置

Recall of a Batch of East End Ginger Powder due to Elevated Level of PAH4

Thursday, 24 December 2020

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/east_end_ginger.html

PAH4(多環芳香族炭化水素4種)が高濃度のためEast End Ginger Powderを回収措置。製品写真あり。

 

[FDA]コロナウイルス(COVID-19)更新

Coronavirus (COVID-19) Update: December 30, 2020

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-december-30-2020

(一部)

・ハンドサニタイザーの安全性と使用に関するコミュニケーションツールキット

Hand Sanitizer Safety and Use Communication Toolkit

https://www.fda.gov/emergency-preparedness-and-response/coronavirus-disease-2019-covid-19/hand-sanitizer-safety-and-use-communication-toolkit

パンフレットやインフォグラフィクス等、英語とスペイン語

・FDAはコロナウィルス疾患に関連した未認可の不正詐欺製品のためto Sparrow & Health Performance LLC及びRiverstone LLC.の2社に警告文書を発する。

 

[FDA]警告文書

- Riverstone LLC

December 21, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/riverstone-llc-608645-12212020

未承認の医薬品、不正製品の問題。リジンサプリメント

 

- Sparrow Health & Performance LLC

December 21, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/sparrow-health-performance-llc-608460-12212020

未承認の医薬品、不正製品の問題。ビタミンのサプリメント製品を含む。

 

[FDA] Midwestern Pet Foodsはアフラトキシンによる健康リスクのためペットフードの自主回収を行う

Midwestern Pet Foods Voluntarily Recalls Pet Food Recall for Aflatoxin Health Risk

December 30, 2020

10/09/2020

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/midwestern-pet-foods-voluntarily-recalls-pet-food-recall-aflatoxin-health-risk

Midwestern Pet Foods, Inc.は、検査が許容濃度を超えるアフラトキシンを示したため、リストの犬及び猫用食品の自主回収を発表する。

 

[DEFRA]英国の新しい化学物質計画開始

New UK chemicals regime launched

31 December 2020

https://www.gov.uk/government/news/new-uk-chemicals-regime-launched

2021年1月1日から、英国の独立化学物質規制枠組みであるUK REACHが始まる

Rebecca Pow環境大臣が発表

事業者向け詳細ガイダンスはHSEのサイトから

REACH after Brexit

https://www.hse.gov.uk/reach/brexit.htm

 

[CDC]MMWR

-二つの大学キャンパスでの無症状および有症状者のSARS-CoV-2検査の抗原検査パフォーマンス-ウィスコンシン、9-10月 2020

Performance of an Antigen-Based Test for Asymptomatic and Symptomatic SARS-CoV-2 Testing at Two University Campuses — Wisconsin, September–October 2020

MMWR / January 1, 2021 / 69(5152);1642–1647

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/69/wr/mm695152a3.htm?s_cid=mm695152a3_w

RT-PCRに比べて、Sofia抗原検査は症状のある人で感度80.0%特異度98.9%、無症状だと感度41.2%特異度98.4%。FDAの緊急認可の報告では感度97%とされていてそれより正確ではない。

(商品が性能として宣伝しているのは理想状態でのベストパフォーマンスであって現実には違うということかな。)

 

-20才以上の成人である日に朝食を食べた割合、性、年齢別-米国

Percentage of Adults Aged ≥20 Years Consuming Breakfast on a Given Day, By Sex and Age — United States, 2015–2018

MMWR / January 1, 2021 / 69(5152);1665

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/69/wr/mm695152a9.htm?s_cid=mm695152a9_w

最も低いのが20-39才の男性で76.6%、全体平均84.4%

(概ね食べている)

 

[ProMED]テトロドトキシン中毒、フグ-フィリピン

Tetrodotoxin poisoning, puffer fish - Philippines

2020-12-30

https://promedmail.org/promed-post/?id=8056649

Date: 29 Dec 2020 Source: CNN Philippines [edited]

Leyte のTabango住人3人がフグを食べて死亡。他にフグを食べた4人が入院。

警察の初期調査では、死亡した一人が12月28日月曜日にフグを料理し、彼のバーベキュースタンドで客に無料で提供した。肝臓を食べたと報告されていて激しい嘔吐と意識喪失で病院に矛ばれたが到着したときには死んでいた

 

[Codex]ニュース

-Tom Heilandt事務局長が2020年を振り返る

Codex Secretary Tom Heilandt looks back on 2020

01/01/2021

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1366673/

 

-英国のEU離脱協定がコーデックス基準の価値を認める

Brexit deal recognizes the value of Codex standards

31/12/2020

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1366655/

 

論文

-自己使用によるビタミンB6過剰症を伴う末梢神経障害

[Peripheral neuropathy with hypervitaminosis B6 caused by self-medication].

Malet L, Dayot L, Moussy M, de la Gastine B, Goutelle S.

Rev Med Interne. 2020 Feb;41(2):126-129

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31796339/

92才女性の歩行障害。運動および感覚神経両方の末梢神経障害と診断し、血中ビタミンB6不足を疑って測定したところ予想外に過剰だった。市販の製品の使用を中止して改善。フランス

 

-処方でないビタミンD使用による外因性中毒、症例報告

Exogenous intoxication by non-prescribed use of vitamin D, a case report.

de Paula ALT, Gonzaga WPF, Oliveira LM, Feibelmann TCM, Markus J.

BMC Geriatr. 2020 Jun 24;20(1):221.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32580697/

64才ブラジル人女性の症例。嘔吐で救急に来たが激しい腹痛や頭痛、疲労、食欲不振、18kgの体重減少、ひどいかゆみ、筋骨格痛、夜間頻尿等の症状があり、各種検査の結果ビタミンD過剰症と診断。専門家の指導無しにサプリメントを使用することのリスクを示す症例。

 

-イリノイ州Cook郡での甘い飲料税実施と廃止後の飲料価格と販売量の変化の評価

Evaluation of Changes in Beverage Prices and Volume Sold Following the Implementation and Repeal of a Sweetened Beverage Tax in Cook County, Illinois

Lisa M. Powell & Julien Leider, JAMA Netw Open. 2020;3(12):e2031083.

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2774492

課税前、甘味飲料税導入4ヶ月後、廃止後8ヶ月後の食料品店のデータ解析。課税導入後価格が上がり販売量が減ったが、税が廃止された後は課税前のレベルに戻った。税は甘い飲料摂取に関連する有害性認識を変えなかった

課税は1オンスあたり1セント

 

-2020-2025アメリカ人のための食事ガイドラインは全てのライフステージで穀物を推奨

2020-2025 Dietary Guidelines for Americans recommend grains at all life stages

29-DEC-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/tca-2dg122920.php

ガイドラインは全粒および強化穀物の既存の一食量を維持

穀物業界の関係者連合であるGrain Chainは本日発表された2020-2025アメリカ人のための食事ガイドライン(DGAs)を祝福する

 

-女性の主導する国がCOVID-19パンデミックで有意に健闘してはいない

Countries led by women haven't fared significantly better in the COVID-19 pandemic

31-DEC-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/p-clb123020.php

PLoS ONE 15(12): e0244531.

女性が首長の国のほうが男性が首長の国よりCOVID-19パンデミックで良く健闘しているということはない-それは西洋メディアのバイアスであろう

(そんなものが研究対象になるんだ?)

 

-ロックダウンを評価するために使われたモデルには欠陥がある

Model used to evaluate lockdowns was flawed

26-DEC-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/lu-mut122620.php

Imperial College Londonの研究者らが開発したモデルには欠陥があるとスウェーデンのLund大学やその他の研究所の研究者達がNatureで主張する

動画:数理モデルがコロナウイルスの拡散を予想できない3つの理由

疫学モデルのレビューの重要性を指摘

 

Science

-ケニアのパンデミックに直面する健康経済学者

A health economist confronts Kenya's pandemic

Linda Nordling

Science  01 Jan 2021: Vol. 371, Issue 6524, pp. 12-13

ケニアの健康経済学者Edwine Barasaは疫学者と協力してこれまでのところケニアやアフリカでのCOVID-19パンデミックの驚くほど小さな影響の理由を探っている。彼はケニアと英国の長期共同計画チームの一員で政府のCOVID-19対策の支援も行っている。つい最近まではBarasaのような、アフリカでの国際研究指導者の地位は欧州の白人が占めていた。しかしBarasaは若い世代のアフリカの研究主導者である。

2020年始めに欧州でコロナウイルス患者が病院に押しかけたとき、Barasaは不安になった。欧州がこれほど苦労しているのなら、アフリカではどうなるだろう?当時Barasaが疫学者と共同で疫学モデルで推定した論文ではケニアのICUの4倍の患者が出るだろうと考えた。幸運にもそれは間違っていた。モデルが1万人患者を予想した時、ケニアには758人しか患者がいなかった。全ての重症呼吸器症状患者の傾向を追跡しても最初の感染ピーク時にICU患者は60を超えることはなかった。一方ケニアの3000人以上の献血血液を調べたところSARS-CoV-2抗体はナイロビの7%以上に見られた。モデルでは7月にナイロビでは30-50%が感染したことになる。しかし病院に患者は殺到していない。何故アフリカの一部やケニアではこれほどパンデミックの様相が違うのかはわからない。明確に根拠があるのは国民が若いということだけである。(年齢の中央値20才)秋から患者が再び増加し始めた。それでも課題に直面する準備は前よりできている。

「私がこのパンデミックから学んだことの一つは、我々には地域の能力が必要なことである、我々はアフリカの問題に集中するアフリカの科学者が必要である」

 

-対立の病

A divisive disease

Kai Kupferschmidt

Science  18 Dec 2020:Vol. 370, Issue 6523, pp. 1395-1397

科学者がCOVID-19を理解し鎮圧しようと苦闘する一方で、デマと政治的暴力の二つ目のパンデミックが吹き荒れる

Georgetown 大学のウイルス学者であるAngela Rasmussenは積極的に発言する科学者で今年は特にたくさん話した。COVID-19パンデミックで有名になったたくさんの研究者の一人として何百もの記事に名前が出てテレビやラジオで専門家として発言しTwitterでニュースを解説し米国政府のトップアドバイザーScott Atlasを「馬鹿野郎」と呼ぶ。

しかしRasmussenのメッセージが全ての人に響くわけではない-彼女自身の家族にさえ。トランプ時代の政治的分断によって彼女の親戚の中にはもう口もきかない人たちがいる。夏に彼女の叔母の一人がCOVID-19でICUに入ったとき、いとこのメッセージで叔母の家族の誰も隔離や検査が必要だとは考えていないことを知った。どうなったと思う?全員COVIDになった。親戚であっても政治的分断のために言葉が届かない。

米国と世界中で無数の変奏を伴って同様のことがおこっている。研究者らは迅速に働き大きな、小さな、発見をしている。しかし科学のより広範な世界との関係は、コミュニケーションにおいて、信頼において、現実の共有において著しく壊れた。

パンデミックは研究者らが長年恐れてきたようなものだった-人類にとって新しいウイルスが拡大する。それはほぼ正確に予想されていた。

そしてこのウイルスの拡散に役立ったのが科学的根拠よりも早く広がるデマの流行である。これがパンデミックをさらに悪化させた。

(以下長い記事略。メディアだけではなく科学者も誤情報の発生源になったし大学や研究所のプレスリリースもひどいものがあったこと等指摘。科学が社会との結びつきを再構築する努力が必要。)

 

その他

-TINA

2020ホリデーストッキング(クリスマスプレゼントを入れる靴下)に石炭を入れたマーケティング業者

MARKETERS THAT GET COAL IN THEIR 2020 HOLIDAY STOCKING

Published on December 23rd, 2020

https://www.truthinadvertising.org/marketers-that-get-coal-in-their-2020-holiday-stocking/

新年を迎え、TINAが広告の基準を満たさないと考える企業/人々の2020年リストをここに示す

・Snow Teeth Whitening 

過酸化水素などで歯を白くする道具なのだがCOVID-19予防にFDAから認可されたとか宣伝して集団訴訟になっている

・Amazon 

B17と入力するとがんに効く等のサジェストが出る

・コロナウイルス詐欺師

あらゆる種類の詐欺がパンデミックを悪用

・doTerra

エッセンシャルオイル大手。これまで何度も警告等。日本でもしばしば話題になっている

・Williams-Sonoma

米国産made in the USA、という虚偽の宣伝

 

-詐欺医師Andrew Wakefieldが今はCOVID RNAワクチンについて嘘を言っている

Fraud Doctor Andrew Wakefield Now Lying About COVID RNA Vaccine

By Alex Berezow, PhD — December 27, 2020

https://www.acsh.org/news/2020/12/27/fraud-doctor-andrew-wakefield-now-lying-about-covid-rna-vaccine-15240

現代の反ワクチン運動の親玉であるAndrew WakefieldがCOVID RNAワクチンについて遺伝子操作だとデマを主張している。全ての上手な嘘つき同様、嘘の中に事実も含まれる

(Twitterで出回っている動画。RNAワクチンで人間が遺伝子操作されるというもの。ジュラシックパークを持ち出して、ワクチン接種したら数年かかって人間が徐々に変異する?と思わせたいようだ。)

 

-ACSHが嘘を暴いた2020トップ10ジャンクサイエンスとインチキ健康宣伝

Top 10 Junk Science And Bogus Health Claims ACSH Debunked In 2020

By Alex Berezow, PhD — December 30, 2020

https://www.acsh.org/news/2020/12/30/top-10-junk-science-and-bogus-health-claims-acsh-debunked-2020-15247

2020年の約9ヶ月間はCOVIDばかりに注目されたが、疑似科学のナンセンスにも対応した

10.  Yaleの研究者らがフラッキングと性感染症が関連すると主張

9.  Atlanticが飲酒について叱る「アメリカ人の大好きな毒」という記事を発表

8. AARPが高齢者を怖がらせてオーガニック食品を食べさせようとする

7. Scienceが私の記事を企業関係者として却下

6. 医療システムがコロナウイルスから経済的利益を得ている

5. 環境保護主義者が自分たちの支持していた政策に反対

4.  有名な環境保護主義者Michael Shellenbergerが気候変動に関する神話を否定したら「白人至上主義者」と呼ばれた

3. 政治家がオピオイド危機を処方薬のせいにし続ける

2. 反ワクチン活動家がコロナウイルス陰謀論に感づく 

1.  COVIDの原因はグリホサートあるいは5G

 

-Quackwatch

Dove PressがMarty Hinz医師による14報を取り下げ

Dove Press Retracts 14 Articles by Marty Hinz, M.D.

Stephen Barrett, M.D. August 7, 2019

https://quackwatch.org/11ind/dove/

2020年12月にDove医学出版社とその親会社Taylor & FrancisがMarty Hinz医師によるあるいは共著の14論文の取り下げを発表した。この記事は何が起こったのかを説明したものである。

Dove社は出版費用を著者が出す「オープンアクセス」を提供していて93の雑誌をウェブにリストしていてそのうち72は現在PubMedにインデックスされている。2018年2月に、私はDoveの品質保証部門にHinzらの著した20の一連の論文の調査を要請した。経済的利益相反を開示していないと考えたからである。

Hinzは長年にわたってアミノ酸サプリメントがパーキンソン病などの各種病気を改善すると主張している。1990年代半ば以降、彼は彼のやり方で患者を治療する企業ネットワークを作っていて、Hinzの論文が宣伝に使われていた。

2020年3月にミネソタ医務理事会がHinzの「不適切な行為」を叱責し罰金と教育を受けることを命令した。その命令によるとHinzは患者とインターネットでやりとりして彼のサプリメントを売っているCHKからお金をもらっていた。

Dove社は私にメッセージを受け取ったという返事をしたが16ヶ月対応しなかった。2020年4月に親会社のTaylor & Francisと合同で20の論文に懸念の表明を行った。そして2020年12月にそのうち14について取り下げを発表した。残り6報についてはまだ調査中で今後結果が発表されるという

 

Marty Hinz医師と彼の「神経伝達物質関連疾患」についての懐疑的調査

A Skeptical Look at Dr. Marty Hinz and His Views of “Neurotranmitter-Related Diseases”

Stephen Barrett, M.D. June 30, 2019

https://quackwatch.org/11Ind/hinz/

何年にもわたって、Marty Hinz医師はアミノ酸サプリメントが脳内の神経伝達物質のバランスをとることによって各種疾患を改善すると主張してきた。彼は自分のラボでバランスが悪いと決めた。またサプリメントの処方を説明するセミナーも開催し、娘のAmy M. Gunthert-Hinzがサプリメントを売る会社を持っている。この記事はオンラインと電子メールのやりとりを介して彼の活動に関する疑いを示す。

 

-CSIRO  Total Wellbeing Diet

高タンパクとプロテインバランス

Higher Protein and Protein Balance

https://www.totalwellbeingdiet.com/au/the-diet/our-diet/higher-protein-and-protein-balance/

(FSANZ公認ダイエットで高タンパク質食推奨

1回の食事にタンパク質25g以上。豪州は砂糖(精製炭水化物)を目の敵にしている。)