2019-12-23

[EFSA]報告

-果樹、草、野菜の防虫剤及び植物誘導因子として植物保護に使用されるコンフリー浸漬物の認可のための基本物質申請に関する加盟国とEFSAの協議結果

Outcome of the consultation with Member States and EFSA on the basic substance application for approval of Comfrey steeping to be used in plant protection as an insect repellent and plant elicitor in fruit trees, grass and vegetables

11 December 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1753

この報告書は協議結果をEFSAがまとめ、個別に受け取ったコメントに関するEFSAの科学的見解を提示した。

 

-EUメニューオーストリア:オーストリアの青年、大人、妊婦の食品摂取データ

EU Menu Austria: Food consumption data for Austrian adolescents, adults and pregnant women

9 December 2019

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1754

成人の食品摂取データ収集は、栄養に関するオーストリアの研究及び2017年オーストリア栄養報告書の一部である。成人の食品摂取データに加えて青年や妊婦のデータが収集された。報告された食品摂取はEUメニュープロジェクトの一部で、そのためEFSAのEUメニューガイダンスや契約の仕様書にできる限り同様に従った。18歳から64歳までのオーストリアの成人集団(n=2250)の国民を代表するサンプルが、多段成層クラスターサンプリング手順を用いて選ばれた。10~17歳の青年のサブグループ(n=657)は、無作為抽出された学校とその選ばれた学校の無作為抽出されたクラスによる国立校の登録簿から選ばれた。妊婦(n=302)はこのグループに登録されていなかったため、恣意的抽出法が実施された。食品摂取に関するデータは、GloboDiet食事再現ソフトウェアツールで実施した、コンピューターを用いたヒトの、及びコンピューターを用いた電話のインタビュー形式で、繰り返し2x24時間再現法を用いて集められた。28項目の食品から成る食品傾向アンケート及び社会人口学的アンケートは、典型的な食品摂取量や協会経済状況に関する情報を提供した。最初の対面会議中に熟練の現場作業員により全参加者の身長と体重が測定された。欧州レベルのリスク評価の目標と、国の健康政策のための栄養摂取量の評価として、EFSAの包括的欧州食品摂取データベースに含むために、食品摂取量データはFoodEx2分類システムにリンクされた。

 

[BfR]小さなものの-大きな影響?食品中マイクロプラスチック

Small parts - big impact? Microplastics in food

18.12.2019

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2019/52/small_parts___big_impact__microplastics_in_food-243544.html

フードチェーンにおけるマイクロプラスチックの健康リスクについてのBfRの調査がBfR2GO最新号の主題である。

マイクロプラスチックはどこにでも存在する。0.0001~5ミリメートルサイズの小さなプラスチック粒子であるマイクロプラスチックは、空気中、水中、土壌中―ヒトの腸でも検出されている。「基本的に、マイクロプラスチックは食品に入り込むことがある。現在食品中のマイクロプラスチックが健康リスクを引き起こすという科学的証拠はない。私達の研究で、粒子サイズについての知見、食品中の濃度、ヒトの健康への影響のギャップを埋めたい」とドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)長官Andreas Hensel医学博士は述べた。BfRの科学雑誌BfR2GOの最新号は小さな粒子について詳しく調べている。食品中のマイクロプラスチックを検出するのがなぜそれほど難しいのかも説明している。最新号のその他の話題は、狩猟肉の寄生虫、繊維の化学物質、カーペット、洗浄剤、おもちゃなどの消費者製品から放出される物質などである。

BfR2GO 2/2019:

https://www.bfr.bund.de/cm/364/bfr-2-go-issue-2-2019.

pdf PDF-File (5.2 MB)

BfR2GOの各号ではBfRの様々な作業分野の話題を浮き彫りにしている。最新号ではマイクロプラスチックを扱っている。マイクロプラスチックの研究はかなり新しいにもかかわらず、この話題は消費者とメディアで常に存在している。これはBfR消費者モニターの結果でも示されている。これによると、2019年8月にはインタビューした国民の合計63%がマイクロプラスチックについて心配していた。これは同年の2月の調査より7%多い。

食品添加物と甘味料も最新のBfR2GOの話題である。インタビューで、ノーベル賞受賞者Christiane Nüßlein-Volhard医学博士は、DNA scissors CRISPR/Cas9などの新しいバイオテクノロジー手法についてコメントしている。小さな虫が動物実験を減らすのにどのように役立つかも説明している。他の報告書やインタビューで、BfR2GOは、リスクコミュニケーション、食品の安全性、製品及び化学物質の安全性、実験動物の保護など、BfRの活動の様々な分野から情報を提供している。

BfRの公式の任務には既存及び潜在的な健康リスクを国民に伝えることも含まれている。BfR2GOは消費者の健康保護における重要な話題を取り扱うBfRの出版形式である。この科学雑誌はドイツ語と英語で年2回出版され、BfRのウェブサイトhttps://www.bfr.bund.de/en/science_magazine_bfr2go.html.で発表されている。興味のある方はこの雑誌の無料購読に登録することもできる。

 

[MPI] 貝のバイオトキシン警告-Waikato/Bay of Plenty 地域のWaihi Beach

Marine biotoxin in shellfish for Waihi Beach in the Waikato/Bay of Plenty region

19 Dec 2019

https://www.mpi.govt.nz/news-and-resources/media-releases/marine-biotoxin-in-shellfish-for-waihi-beach-in-the-waikatobay-of-plenty-region/

MPIはPauanui Beach の南部からMount Maunganuiの北部先端まで、貝の捕獲あるいは消費をしないよう市民に公衆衛生警告を出した。この地域で採取された貝サンプルの定期検査で、麻痺性貝毒のレベルがMPI設定の安全基準値0.8 mg/kgを上回った。

https://www.mpi.govt.nz/travel-and-recreation/fishing/shellfish-biotoxin-alerts/#map

 

[FSAI] 野生の狩猟食品供給チェーンに関する監査

Wild Game Food Supply Chain Audit

Thursday, 19 December 2019

https://www.fsai.ie/WildGameFoodSupplyChainAudit.html

FSAIは本日野生の狩猟食品供給チェーンの監査報告を発表した。

https://www.fsai.ie/uploadedFiles/Enforcement_and_Audit/Audit/Reports/Wild%20Game%20Audit%20Report.pdf

主に鹿

 

[FDA]公示

-SUPER Platinum 30000 RHINO 7は表示されない医薬品成分を含む

Public Notification: SUPER Platinum 30000 RHINO 7 contains hidden drug ingredient

12-17-2019

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/public-notification-super-platinum-30000-rhino-7-contains-hidden-drug-ingredient

FDAは精力剤として販売されているSUPER Platinum 30000 RHINO 7の購入、使用をしないよう消費者に助言する。製品にタダラフィルを含む。

SUPER Platinum 30000 BULLは表示されない医薬品成分を含む

Public Notification: SUPER Platinum 30000 BULL contains hidden drug ingredient

12-17-2019

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/public-notification-super-platinum-30000-bull-contains-hidden-drug-ingredient

FDAは精力剤として販売されているSUPER Platinum 30000 BULLの購入、使用をしないよう消費者に助言する。製品にタダラフィルを含む。

 

-SUPER Platinum 30000 STALLIONは表示されない医薬品成分を含む

Public Notification: SUPER Platinum 30000 STALLION contains hidden drug ingredient

12-17-2019

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/public-notification-super-platinum-30000-stallion-contains-hidden-drug-ingredients

FDAは精力剤として販売されているSUPER Platinum 30000 STALLIONの購入、使用をしないよう消費者に助言する。製品にタダラフィル、シルデナフィル及びダポキセチンを含む。

 

-U-Dream Lite は表示されない医薬品成分を含む

U-Dream Lite contains hidden drug ingredient

12-18-2019

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/public-notification-u-dream-lite-contains-hidden-drug-ingredient

FDAは睡眠補助剤として販売されているU-Dream Liteの購入、使用をしないよう消費者に助言する。製品にエスゾピクロン及びゾピクロンに構造的類似の物質を含む。

 

-U-Dream Full Nightは表示されない医薬品成分を含む

U-Dream Full Night contains hidden drug ingredient

12-18-2019

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/public-notification-u-dream-full-night-contains-hidden-drug-ingredient

FDAは睡眠補助剤として販売されているU-Dream Full Nightの購入、使用をしないよう消費者に助言する。製品にエスゾピクロン及びゾピクロンに構造的類似の物質を含む。

 

[FDA]警告文書

- Delfino Battista SRL

July 02, 2019

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/delfino-battista-srl-584077-07022019

水産食品HACCP、食品CGMP規則違反、不純品の問題。

 

- U.S. Dairy Unlimited, LLC 

November 19, 2019

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/us-dairy-unlimited-llc-590413-11192019

食品CGMP規則違反、不純品、衛生管理の問題。

 

- Ee Hui Food Manufacture PTE Ltd

November 22, 2019

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/ee-hui-food-manufacture-pte-ltd-593779-11222019

水産食品HACCP、食品CGMP規則違反、不純品の問題。

 

[FDA]FDAとDEAはVapor Lockオペレーションの一環として、米国の消費者に違法なTHCの電子タバコカートリッジの販売を広告する44のウェブサイトを差し押さえた

FDA, DEA seize 44 websites advertising sale of illicit THC vaping cartridges to US consumers as part of Operation Vapor Lock

December 20, 2019

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-dea-seize-44-websites-advertising-sale-illicit-thc-vaping-cartridges-us-consumers-part-operation

FDAとDEAは本日、違法なテトラカンナビオールを含む違法な電子タバコカートリッジの販売を広告する44のウェブサイトを差し押さえたと発表する。

 

[FDA] FDAは家畜と馬の駆虫剤耐性に対処するために取り組み続ける

FDA Continues to Address Antiparasitic Resistance in Livestock and Horses

December 20, 2019

https://www.fda.gov/animal-veterinary/cvm-updates/fda-continues-address-antiparasitic-resistance-livestock-and-horsesh

FDAは家畜(牛、ヒツジ、ヤギ、豚及び鶏)と馬の駆虫剤耐性に対処するためにステークホルダーと共に取り組み続ける。

 

[CDC]CDCは米国のヒスパニックとアジア集団の糖尿病について初めての全国推定を発表

CDC Releases First National Estimates on Diabetes within Hispanic and Asian Populations in the US

Friday, December 20, 2019

https://www.cdc.gov/media/releases/2019/p1220-diabetes-estimate.html

人口集団ごとの推定は糖尿病リスクの高い特定集団を同定

JAMAに発表された研究

年齢と性別で調整した診断されているあるいは診断されていない糖尿病の成人は、ヒスパニックで22%、非ヒスパニックの黒人で20%、非ヒスパニックのアジア人で19%、非ヒスパニックの白人で12%。

非ヒスパニックのアジア人でも、南アジア人は23%、東南アジア人が22%、東アジア人は14%。これまでの研究同様、アジア人のBMIは他の人種集団よりBMIが低い。BMIと年齢と性別を調整すると東南アジア人の糖尿病率がアジア人で最も高い。

 

[CDC]EVALIの新たな症例は減少

New Cases in Outbreak of E-cigarette, or Vaping, Product Use-Associated Lung Injury (EVALI) On the Decline

Friday, December 20, 2019

https://www.cdc.gov/media/releases/2019/p1220-cases-EVALI.html

MMWRに発表

 

-CDC, States Update Number of Hospitalized EVALI Cases and EVALI Deaths

https://www.cdc.gov/media/releases/2019/s1220-states-update-evali-cases.html

2019年12月17日現在

EVALI入院患者数は2506 

 

[IARC]IARCハンドブックの前文更新助言グループの報告書

Report of the Advisory Group to Recommend an Update to the Preambles to the IARC Handbooks

20 December 2019

https://www.iarc.fr/news-events/report-of-the-advisory-group-to-recommend-an-update-to-the-preambles-to-the-iarc-handbooks/

IARCの一次および二次予防ハンドブックの前文更新に助言するグループの報告書をオンライン発表

 

[FSSAI]メディアコーナー

まもなく土壌食用作物の重金属を定期検査

Regular monitoring for heavy metals in soil-food crops soon

Dec 19, 2019

https://fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_News_Soil_HT_19_12_2019.pdf

最近発表された食品と飲料の検査で、FSSAIは10万検体中4%は安全でないことを発見した。FSSAIは農業省と協力して鉛、ヒ素、カドミウム、水銀を含む重金属の定期検査を始める。

 

[EU]ニュースレター

Newsletter

Edition 56 - December 2019

https://ec.europa.eu/newsroom/sante/newsletter-specific-archive-issue.cfm?archtype=specific&newsletter_service_id=260&newsletter_issue_id=19175&page=1&fullDate=Fri%2020%20Dec%202019&lang=default

12月11日、欧州グリーンディール発表

12月12日、健康食品安全コミッショナーStella Kyriakidesが第7回食品廃棄とロスについてのEUプラットフォームでスピーチ

12月13日、Stella Kyriakidesが「より安全な食品と植物の健康のためのより賢明な規則」会議でスピーチ

12月6日、PAFF委員会でのクロルピリホスの登録を更新しない決定をStella Kyriakidesが歓迎

(新しいコミッショナーStella Kyriakides氏はキプロスのキリスト教-民主政党の臨床心理学の学士をもっている人。最近のEUの話題はとにかく農薬を使うなと肉を食べるなというのがメインメッセージになっている。チーズやワインのエネルギー効率の悪さやオーガニック団体のGM反対は触れてはいけない話題のようだ)

 

論文

-二酸化炭素排出量の多い世帯は肉の消費量の多さでは無くお菓子とアルコールで同定される

High carbon footprint households identified by sweets, alcohol, not high meat consumption

20-DEC-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-12/rifh-hcf121719.php

One Earthに発表された日本と欧州の研究者による新しい研究で、二酸化炭素排出量の多い世帯はお菓子とアルコールとレストランでの食事が多い

日本語

食のサプライチェーンを通じた家庭の二酸化炭素排出要因を特定

~アルコールや菓子類、レストランなどの消費削減が排出量低減の鍵に~

2019年12月20日

http://www.chikyu.ac.jp/publicity/news/2019/1220.html

(お金のある人にお金を使うなと。排出削減で何を目指しているのか聞いてみたくなる感じ)

 

-肥満が温室効果ガスの排出量の多さと関連することを研究が示唆

Study suggests obesity associated with greater greenhouse gas emissions

20-DEC-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-12/tos-sso121819.php

Obesity。

(運動も環境影響が大きいけど誰も悪いとは言わない、とか書いてある。小さいほうがいいので欧米人はアジア人より悪いという話になるけど)

 

-米国の甲状腺がんの率

Thyroid cancer rates in US

20-DEC-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-12/jn-tcr121819.php

米国の甲状腺がんの率が何十年も増加した後近年一定になったようだ。この増加のほとんどは過去30年の間の検診と画像診断の増加で小さな甲状腺がんを検出したことによる。2014年以降増加していない理由は甲状腺がんの過剰診断についての理解がひろがりガイドラインが改訂されたことによる可能性が高い。JAMA

 

-人気のジムは日焼けベッドで健康を毀損している、コネチカット大学の研究者らが言う

Popular gyms undermining health with tanning beds, UConn researcher says

20-DEC-2019

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-12/uoc-pgu122019.php

全国の人気のジムはホリデーシーズン後の宣伝キャンペーンで新年は健康になりたいという希望を収益化しようとしているが、同時に日焼けマシンの警告を毀損している。

Journal of the American Medical Association (JAMA) Network Open

数年前の研究で運動することと悪性黒色腫リスクの増加に関連があることが報告されている。通常は運動はがんリスクの低下に関連するが、悪性黒色腫については多くのジムで日焼けベッドを使っていることが関連しているようだ。

 

-2019年レビュー

2019: a year in review

THE LANCET WORLD REPORT| VOLUME 394, ISSUE 10216, P2215-2216, DECEMBER 21, 2019

米国での電子タバコ製品の使用に関連する肺障害(EVALI)アウトブレイク

エボラのPHEIC

気候緊急事態

米国の移民危機

世界中ではしか

中国の健康向上

UNAIDSのMichel Sidibé辞任(セクハラ・いじめ・権力濫用)

米国のオピオイド支払い(製薬会社に裁判所が支払い命令)

全ての人に医療を、についての国連ハイレベル会合

デング再興

ナイロビでのICPD25サミット

 

-THE LANCETシリーズ:栄養不良の二重負担

The Double Burden of Malnutrition

Published: December 16, 2019

https://www.thelancet.com/series/double-burden-malnutrition

栄養過剰(肥満と過体重)と栄養不良(成長阻害と衰弱)が集団の全てのレベルで-国、都市、地域、家庭、個人で共存している。このシリーズ4論文はこの共存が低から中所得国にどう影響しているかを探る。これまで多くの形の栄養不良が理解され、それぞれ別々に公衆衛生問題としてアプローチされてきたが、新しい現実は栄養不良と栄養過剰は相互に関連関連し、従って政治的対策が効果的であるためには一方向だけではなく同時に対応すべきである、ということである。このシリーズでは政策の助言に加えて歴史的生物学的文脈と新しい経済解析も含む。

(さすがに個人で栄養不良と過剰が共存するというのはあまり一般的ではないと思う。最適でないからダメだという主張で命が脅かされているレベルの人たちに割くべきリソースを奪うのは違うだろう。でももうWHOはじめそういう方向に動いている)

 

その他

-2019年 科学ウェブサイトトップ10

The Top 10 Websites for Science in 2019

By Ross Pomeroy December 12, 2019

https://www.realclearscience.com/blog/2019/12/12/the_top_10_websites_for_science_in_2019.html

  1. COSMOS

9.Forbes

  1. Live Science
  2. ScienceNews
  3. NewScientist
  4. Gizmodo
  5. Quanta Magazine
  6. Nature News,
  7. Science Magazine
  8. Ars Technica

 

-2019年 最大のジャンクサイエンス

The Biggest Junk Science of 2019

By Ross Pomeroy December 17, 2019

https://www.realclearscience.com/blog/2019/12/17/the_biggest_junk_science_of_2019.html

  1. フロリダの新しい教育委員会の委員長が進化論を事実として教えることを支持しない
  2. Fox Newsがメートル単位を世界的陰謀と示唆

7.穀物を含まないドッグフードが犬を殺している(食事法の流行がペットに波及)

6.人類起源の気候変動を単独で否定したと主張する論文

5.携帯電話の使用で人間に角ができたと主張する論文をメディアがもてはやす

4.タイで放射性「エネルギーカード」販売される

  1. Bill Maherが反ワクチンドクターを賞賛するインタビュー

2.はしか復活続く

1.カナダ政府がホンジュラスに感染症治療のためホメオパスを送るのに資金提供

 

-反ワクチンムーブメントにはダイエタリーサプリメント業界がお金を提供している

Edzard Ernst

The anti-vaccination movement is financed by the dietary supplement industry

Saturday 21 December 2019

https://edzardernst.com/2019/12/the-anti-vaccination-movement-is-financed-by-the-dietary-supplement-industry/

この話の中心人物は、ダイエタリーサプリメント起業家でオステオパスのJoseph Mercolaである。

彼のウェブサイトによると、

「ドクターMercolaの比類無い知識から誰もが利益を得られる。大体医療とサプリメントについてDr. Joseph Mercolaに勝るものはいない。彼のウェブサイトMercola.comやEvolution Organicsサイトからたくさんの健康サポート製品を買うことができる」

しかしワシントンポストの記事は違う物語を語る。一部引用する:

バージニア北部の全国ワクチン情報センター(反ワクチン団体)はパートナーとしてMercola.comをリンクしている。ここで読者はMercolaの製品を買える。最近削除されたページには「ビタミンCサプリメントではしかが予防できる」と書いてあった。またビタミンでインフルエンザを予防できるのでインフルエンザワクチンを避けられる、とも。

Mercolaはいくつかの反ワクチン団体に少なくとも400万ドルを提供している。Mercolaは標準医療の代わりに「シンプルで安価で安全な」代用品を提供している。Mercolaの最大の売り上げのものがビタミンサプリメントである。サモアではビタミンが予防接種の代わりになると主張した反ワクチン活動家Edwin Tamaseseが逮捕されている

(いろいろ略)

 

-電子タバコとビタミンE酢酸エステルと電子タバコ関連肺傷害についての2つの論文への専門家の反応

SMC UK

expert reaction to two papers on e-cigarettes, vitamin E acetate and vaping-associated lung injury

DECEMBER 20, 2019

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-two-papers-on-e-cigarettes-vitamin-e-acetate-and-vaping-associated-lung-injury/

NEJMに発表された二つの研究が電子タバコ関連肺傷害へのビタミンE酢酸エステルの関与について報告する

Dundee大学心血管系医学と治療教授Jacob George教授

一つは良い試験で一つはサーベイランス報告である。いずれも多くの専門家が既に疑ってきたこと、つまり電子タバコに関連する肺傷害は大麻油に使われたビタミンE酢酸エステルに関連する、を確認した。米国の肺傷害は英国で販売されている電子タバコとは関係が無い。

重要なメッセージは、タバコのリスクはまだ電子タバコより有意に大きい、ということである。非喫煙者は電子タバコを試してみるべきではないが、喫煙者は害を減らすために電子タバコに切り替えることができる。

Queen Mary University of Londonタバコ依存研究ユニット長Peter Hajek教授

新しい知見は、EVALIの原因が違法THCカートリッジの汚染であることについてのさらなるしっかりした確認を提供する。51人の確定および可能性の高い症例のうち94%が大麻を吸入していた。特に有用な情報は大麻の使用を否定していた11人の患者のうち9人の体内からTHCが確認され、残り3症例はおそらくEVALIとされた症例であるが著者らは誤診であろうとしている。反電子タバコの恐怖宣伝はいまや落ち着くべきだろう。

Nottingham大学呼吸医学相談医で英国タバコアルコール研究センター長John Britton教授

これらの研究は今年の米国の電子タバコ使用者の重大な肺疾患のアウトブレイクはTHC、特にビタミンE酢酸エステル含有THC溶液によるものであることについてのさらなる根拠を提供する。この結論は喫煙の代わりに電子タバコでニコチンを吸入している人には安心材料であろう。

 

-ダークチョコレート、ココア&カカオパウダー、カカオニブ、サプリメントレビュー-フラボノール源

コンシューマーラボ

Dark Chocolates, Cocoa & Cacao Powders, Nibs, and Supplements Review -- Sources of Flavanols

Initial Posting: 7/16/17; EXPANDED 12/21/19 

https://www.consumerlab.com/reviews/Cocoa_Powders_and_Chocolates_Sources_of_Flavanols/cocoa-flavanols/

あなたのチョコレートは健康的あるいは有毒?

カドミウム濃度が高いものがあるので注意

 

-いかにしてCriscoがラードに取って代わったか-そしてアメリカ人を工業生産された食品の信者にしたか

How Crisco toppled lard – and made Americans believers in industrial food

December 19, 2019  Helen Zoe Veit

https://theconversation.com/how-crisco-toppled-lard-and-made-americans-believers-in-industrial-food-127158

休日の焼き菓子の季節にCriscoの缶を取り出しただろう、そしてアメリカ人は何世代にもわたってクッキーやケーキやパイ生地を作るのにそうしてきた。でもこれだけよく使われているCriscoの、缶の中に入っている白い物質は何か正確に知っている知っている?何十年にもわたって、成分はたったひとつ、綿実油である。しかし消費者のほとんどはそれを知らず、知らないのは偶然ではない。一世紀前にCriscoの販売担当者は画期的広告テクニックを生み出した。

19世紀のほとんどの間、綿実は邪魔なものだった。綿を収穫した後に残った綿実は、絞るとあまり見た目の良くない暗い色の臭い油がとれた。多くの農家は綿実を積み上げたままにして腐らせた。しかしDavid Wessonが19世紀後半に漂白と脱臭技術を開発し、綿実油が透明で味も匂いもないものになった。まもなく企業は綿実油をそのままあるいは動物の脂肪と混ぜて売った。ショートニングの主なバルはラードだった。初期のアメリカ人は豚を屠殺した後家でラードを作っていたが19世紀には肉加工会社が産業スケールで作った。ラードは豚の味がするが、ケーキやパイにも使われた。問題は値段だった。20世紀初期には綿実油の方が豊富で安くなった。当時のアメリカ人にとって綿はドレスやシャツやナプキンに使うもので食品では無かった。しかし初期の綿実油やショートニング企業は綿由来であることを隠さず、やっかいな残り物から創意工夫によって有用な製品にしたことを宣伝した。Cottolene やCotosuetという名称は名前に綿(Cotton)が含まれるし広告にも綿の画像を使っていた。

しかし1911年にCriscoが登場し違うやり方をした。Criscoは綿実油だったが、それは全く新しい商品で、他のブランドのように動物の脂肪と混合して固形化するのではなく、水素添加という新しい工程で液状の油を固形にした。この会社のマーケッターは綿実への言及を避け、彼らがCriscoプロセスと呼ぶ水素添加を強調した。当時食品企業には成分表示義務がなかった。Criscoは「完全に植物」と宣伝した。

何故綿実を言及することを避けたのか?当時綿実油には両方の評判があったがCriscoが販売開始された頃には悪評に傾いていた。悪徳業者が高価なオリーブ油に綿実油をこっそり混ぜていた。他に綿実油が石けんや工業用使用されることの増加などがあった。Criscoは消費者にブランドの信頼性と近代的工場での加工による純粋性を集中的に宣伝した。そして5年のうちにアメリカ人はCriscoを買うようになった。

現在のCriscoは綿実油の代わりにパーム、大豆、キャノーラ油を使っている。しかし綿実油はアメリカ人の最も多く消費する油のままである。Criscoが純粋性と工場生産の現代性を強調して積極的に宣伝しなかったら今のような絶対的地位にはいなかっただろう。

(以下略。いつトランス脂肪の話が出てくるのかと思ったら出てこなかった)