[EFSA]遺伝子工学の進歩:2020年にEFSAのパブリックコメント募集
Advances in genetic engineering: EFSA public consultations in 2020
EFSA Journal 2020;18(2):e18021 14 February 2020
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e18021
欧州食品安全機関(EFSA)の中心任務の1つは、食品及び飼料生産に関連する規制対象製品/ストレス要因に由来するヒトや動物の健康および/または環境へのリスクを評価することである。これには遺伝子組換え生物(GMOs)も含まれる。EFSAはこの役割を主に2つの方法で満たしている。 (i)認可決定の責任を負う欧州委員会やEU加盟国にGMO市場登録申請の安全性に関する科学的助言を与えること。(ii) 例えば、体系的なリスク評価に含まれる必要があるデータや他の情報など、申請方法についてのガイダンスを申請者向けに発表すること。
バイオテクノロジーの分野では、EFSAは現在欧州委員会からEU内の今後のGMO登録に重要な意味を持つ可能性がある、2020年末までに完了予定の3つの仕事を委任されている。この1番目は、2020年2月にパブリックコメント募集開始する予定の遺伝子ドライブについてである。遺伝子ドライブは、単純なメンデル遺伝で予想される率よりも高い頻度で有性生殖生物に特質を伝えることのできる遺伝的要素を含んでいる。遺伝子ドライブを設計する能力は、科学者と市民の間で熱意と懸念の両方を刺激している。操作された遺伝子ドライブは農業害虫や侵入種の制御、絶滅危惧種の救済あるいは病気の媒介生物の抑制に利用できる一方で、不可逆的な方法で意図しない影響があったり生態系を変える可能性もある。EU市場にGMOsを配置するかもしれない未来の応用には、遺伝子操作されたGMOsの環境への意図的放出が含まれる可能性があるため、欧州委員会は、遺伝子ドライブで改変された生物の分子特性評価(MC)や環境リスク評価(ERA)のためのEFSAの既存のガイドラインの妥当性の詳細な評価が必要だと認識している。EFSAは、遺伝子ドライブの評価に問題明確化方法論を利用することについて関係者と開かれた対話を促進するために2019年5月15日にブリュッセルでワークショップを開催した。その結果はEFSAのGMOパネルの科学的意見で参考にされる。
2つ目の仕事は、EFSAが現在取り組んでいる工学と生物学の接点の学際的分野である合成生物学(SynBio)に関連している。それは欧州で認可を必要とする食品や飼料に応用する可能性のある新しい生物学的システムを構築するために、工学的方法を採用している。これらの応用には環境中に遺伝子組換え(GM)植物やGM微生物の意図的放出を含む可能性がある。これは急速に進化する分野なので、欧州委員会はEFSAにGM植物と微生物のMCとERAのための既存のガイドラインのSynBioで得られたものへの妥当性を評価するよう求めた。この仕事は、今後10年以内にEU市場に出る可能性のあるSynBio製品に焦点を当てた、ケーススタディアプローチで対処される。このレビューは2020年3月末までにパブリックコメント募集の対象となり、GM植物とGM微生物は別々に扱う予定である。
3番目の仕事ではEFSAは、タイプ1とタイプ2の部位特異的DNA切断酵素(SDN‐1とSDN‐2)やオリゴヌクレオチド指定突然変異(ODM)を通して開発された、植物のバイオセーフティに関するガイドラインを評価するよう求められた。これらの新しいゲノム編集ツールは、植物の遺伝子に突然変異を導入するのに使用される可能性のある幅広い分子生物学的ツールの一部だが、一方、部位特異的DNA切断酵素タイプ3(SDN‐3)は、遺伝子の正確な場所で新しいDNA断片の挿入を容易にする。2012年にEFSAはSDN‐3に関する科学的意見を発表した(EFSA GMOパネル, 2012)。2018年の欧州連合司法裁判所(CJEU)の判決は、2001年のGMOsに関する指令がその採択後現れた突然変異誘発技術で得た新たな生物をカバーすることを明確にした。EFSAはSDN‐3由来植物の安全性に関する以前の意見が、SDN‐1、SDN‐2 、ODMを通して得たものにもなお有効であるかどうか評価するよう委任されている。この意見に関するパブリックコメント募集は、遅くとも2020年の4月に開始する予定で、最終的には2020年10月末までにEFSAのGMOパネルで採択されるスケジュールである。
遺伝子ドライブ、SynBio、ゲノム編集に関するEFSAの科学的助言は、生物多様性に関する条約、バイオセーフティに関するカタルナ議定書の下でのEUの立場に情報を伝えるだろう。遺伝子工学におけるこれらの進歩の応用可能性についてのより広範な社会的議論を考慮して、EFSAはできる限り多くの関係者や興味のある団体に相談することを目指しており、ご意見をお待ちしています。
これらや他の食品安全性をテーマとしたEFSAのパブリックコメント募集の最新状況はこちらhttps://www.efsa.europa.eu/en/calls/consultations
[EFSA]パルマスクール2020「One Health」の登録は2020年2月16日終了予定
Registrations for the Parma School 2020 ‘One Health’ will close on 16 February 2020
14 February 2020
申請受付件数が多いため、パルマスクール2020の登録は現地時間 (パルマ GMT+1)の2020年2月16日(日)深夜に終了する。
(以下2月3日付NEWSと同文)
[EU]RASFF Week07-2020
警報通知(Alert Notifications)
オランダ産英国経由CBDオイルの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (> 750 mg/kg)、オーストリア産風船ガムの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (339.4 mg/kg)、スロベニア産CBDオイルの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (720 mg/kg)、英国産CBDオイルの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (54.5 mg/kg;>750 mg/kg;241.2 mg/kg;128.1 mg/kg)、英国産ヘンプ抽出物ペーストの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (62.4 mg/kg)、英国産食品サプリメントの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (308 mg/kg)、英国産CBDオイルスプレーの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (178.8 mg/kg)、ポルトガル産冷凍クロタチモドキのカドミウム(0.068 mg/kg)、ポルトガル産冷凍ヨシキリザメの水銀(1.9 mg/kg)、英国産CBDドロップスの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (214.5 mg/kg)、ポルトガル産生きたアサリの下痢性貝毒(DSP)オカダ酸(444 µg/kg)、エジプト産有機ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 43.4; Tot. = 48.2 µg/kg)、英国及び米国産食品サプリメントの未承認物質1,3-ジメチルアミルアミン (DMAA)、ポーランド産鳩用補完飼料にブタクサの種子高含有(121 mg/kg)、エストニア産ドイツで包装した有機ヘンプオイルのベンゾ(a)ピレン(2.24 µg/kg)及び多環芳香族炭化水素(PAH4の合計 = 19.0 µg/kg)、産出国不明オランダ経由カモミールティーのピロリジジンアルカロイド(530 µg/kg)、モロッコ産ドイツ経由食品サプリメントの鉛高含有(15.46 mg/kg)、スペイン産フランス経由冷凍メカジキロインの水銀(1.5 mg/kg)、オランダ産乾燥イチジクのオクラトキシンA (154 µg/kg)、
注意喚起情報(information for attention)
米国産英国経由食品サプリメントの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (629.5 mg/kg)、2,4-ジニトロフェノール (DNP)のオンライン販売、米国産食品サプリメントの未承認新規食品成分インドジャボク、ロシア産ラズベリーヨーグルト付きケーキのトランス脂肪酸高含有(32.4 g/100g)、ベトナム産米の未承認物質トリシクラゾール(0.034 mg/kg)、
フォローアップ用情報(information for follow-up)
フランス産ノルウェー経由植物性活性炭入り飲料の未承認新規食品成分植物性活性炭、スペイン産飼料プレミックスの非ダイオキシン様PCB (20.3 µg/kg)、米国産食品サプリメントの未承認新規食品成分インドジャボク、
通関拒否通知(Border Rejections)
スリランカ産チョコレートパフビスケットの着色料サンセットイエローFCF(E110)の未承認使用(存在)、米国産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 10.3; Tot. = 38.4 µg/kg)、スリランカ産レモンビスケットの着色料サンセットイエローFCF(E110)の未承認使用、タイ産乾燥した丸ごと種抜きサクランボの着色料アルラレッドAC(E129)の未承認使用(254.6 mg/kg)、中国産メラミン製タンブラーからのホルムアルデヒド(9.75 mg/kg)及びメラミン(21 mg/kg)の溶出、ナイジェリア産有機煎ったピーナッツのアフラトキシン(B1 = 9.1; Tot. = 13.7 µg/kg)、パキスタン産スウェーデン経由バスマティ米の未承認物質カルベンダジム(0.016 mg/kg)、アルゼンチン産茹でピーナッツのアフラトキシン(Tot. = 12 µg/kg)、米国産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 42; Tot. = 47 µg/kg)、インドネシア産ナツメグのオクラトキシンA (36 µg/kg)、インド産チリパウダーのアフラトキシン(B1 = 8.8; Tot. = 9.8 µg/kg)、ジョージア産ヘーゼルナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 9.4; Tot. = 37.4 µg/kg)、
[BfR] 電子タバコのビタミンE酢酸エステルのリスクは未解決
Open questions on the risk posed by vitamin E acetate in e-cigarettes
Communication 007/2020 from the BfR of 28th of January 2020
米国では、ビタミンE酢酸エステルが電子タバコ製品関連の使用による多くの重症の肺損傷例や死亡例に関連づけられている。しかし、この物質が実際、単独であるいは部分的にこれらの疾患に責任があるのか未だ証明されていない。現段階では、この物質の吸入に関するデータは限定的で、時に矛盾する。
しかし、その特性に起因し、高濃度のビタミンE酢酸エステルの吸入は肺疾患の原因となることは説得力があるように思える。おそらく、その物質は肺胞に蓄積し、酸素の吸収を妨げる。組織損傷と炎症も結果として生じる可能性がある。
米国で被害を受けた多くの人が、テトラヒドロカンナビノール(THC)オイルを含む製品を摂取したようである。米国では、しばしば希釈剤として使用されるビタミンE酢酸エステルは特に闇市場で売られる製品に含まれる。ビタミンE酢酸エステルはTHCオイルに濃度や色が類似する。そのため、THCオイルを多く含むように見せかけるために使用されることがある。米国当局の初期分析ではTHCを含むカートリッジ中のビタミンE酢酸エステルは、驚くほど高濃度であったことを示した。米国ユタ州では31から81%の濃度が検出された。そのような濃度では、肺は深刻な損傷を受け、機能が低下するのに十分である。
ビタミンE酢酸エステルが他の電子タバコ用リキッドでも使用されているかどうかはまだ疑問のままである。BfRは現在具体的な結果は持っていない。またビタミンE酢酸エステルのどの程度の濃度が従来の電子タバコにおいて機能を維持するのかまだはっきりしていない。
ドイツでは、ニコチン含有の電子タバコ用リキッドはタバコ規則により、いかなるビタミンも含んではならない。そのため、合法的にニコチン含有製品を使用する場合、消費者が高濃度のビタミンE酢酸エステルを含んだ電子タバコ用リキッドに暴露する可能性はありそうにない。
それに反して、ニコチンフリーの電子タバコ用リキッドはタバコ規則の対象でなく、そのため、これらの制限は適用されない。しかし、製造業者や輸入業者は自主的に、EU-CEG ポータル (EU共通エントリーゲート)を介し、これらの製品を通知することができる。BfRの知る限りでは、ビタミンE酢酸エステル成分を含む液体の通知はEU内でこれまで発行されていない。しかし、原則として、ニコチン含有もニコチンフリーも両方とも電子タバコは健康を害する可能性がある。
電子タバコを使用する際のリスクの可能性に関する詳細な情報
プレスリリース - “Vaping”:BfRは電子タバコ用リキッドを自分で混ぜないよう助言する
[HK] 台湾政府より‐インドネシアから台湾に輸入された「KUSUKAKUSUKA 燒烤風味樹薯片 60G(KUSUKA CASSAVA (BARBEQUE))」に、台湾の基準に違反する汚染物質の総シアン化水素酸が検出された報告
The authority of Taiwan – Report of a batch of “「KUSUKAKUSUKA 燒烤風味樹薯片 60G(KUSUKA CASSAVA (BARBEQUE))」” imported from Indonesia to Taiwan was found to contain a contaminant, total hydrocyanic acid(總氰酸), at a level which is not complying with the Taiwan standard.
14 February 2020
https://www.cfs.gov.hk/english/rc/subject/files/20200214_2.pdf
[ODS] ファクトシート更新
-ビタミンA
Vitamin A
Fact Sheet for Consumers
February 14, 2020
https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminA-Consumer/
国際単位からmcg RAE(レチノール活性当量のμg)への推奨量と上限量の変更。
https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminA-Consumer/#change
-ビタミンA
Vitamin A
Fact Sheet for Health Professionals
February 14, 2020
https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminA-HealthProfessional/
新1日摂取量と新栄養成分表示及びサプリメント表示を反映し、推奨摂取量とビタミンAの摂取源の情報更新。
https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminA-HealthProfessional/#change
-カルシウム
Calcium
Fact Sheet for Health Professionals
February 14, 2020
https://ods.od.nih.gov/factsheets/Calcium-HealthProfessional/
新1日摂取量と新栄養成分表示及びサプリメント表示を反映し、カルシウムの摂取源の情報更新。
https://ods.od.nih.gov/factsheets/Calcium-HealthProfessional/#change
[FSAI]THCデルタ‐9‐テトラヒドロカンナビノールによる様々なCBD食品及び食品サプリメントの回収措置‐更新1
Recall of Various CBD Foods and Food Supplements Due to the Presence of THC delta‐9‐tetrahydrocannabinol Update 1
Thursday, 13 February 2020
https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/CBD_recall.html
デルタ‐9‐テトラヒドロカンナビノール(THC)が CBD食品及び食品サプリメントにて検出されたため、回収措置。製品写真あり。
[FDA]電子タバコ製品使用に関連する肺損傷
Lung Injuries Associated with Use of Vaping Products
02/14/2020
https://www.fda.gov/news-events/public-health-focus/lung-injuries-associated-use-vaping-products
電子タバコに関する一般向け情報、FDA対策措置、助言。
[FDA]2019新型コロナウイルスへの国内外でのFDAの対応
FDA’s Actions in Response to 2019 Novel Coronavirus at Home and Abroad
February 14, 2020
医療対応や中国での査察への影響等。現在詐欺対策チームがオンラインで販売されている19-nCoVあるいはコロナウイルス一般の予防や治療効果を宣伝している製品を監視している
[RIVM]オランダプラスチック協定遵守監視:ベースライン測定(2017-2018)
Monitoring compliance with the Dutch Plastic Pact : the Baseline Measurement (2017-2018)
14-02-2020
https://www.rivm.nl/publicaties/plastic-pact-nederland-monitor-nulmeting-2017-2018
本文オランダ語
2019年2月にプラスチック協定が始まった。これは使い捨てプラスチック製品や包装をより持続可能で再利用しやすいものにするための最初のステップで、96団体が参加している。RIVMは参加団体から2017年と2018年のプラスチック使用データを受け取った。これがこの協定の4つの目標:2025年までにプラスチック製品や包装は100%リサイクル可能なものにする;全体としてプラスチックの使用を20%減らす;使い捨て製品と包装の少なくとも70%はリサイクルされる;製品の少なくとも35%はリサイクルプラスチックからなる、のベースラインとなる
[ProMED]ホスフィンガス中毒 フランス:致死
Phosphine gas poisoning - France: fatal
2020-02-16
https://promedmail.org/promed-post/?id=6995512
Date: 14 Feb 2020 Source: Pontivy Maville [in French, trans. Corr.SB, edited]
2020年2月13日、Lanveoc (Finistere)の南西110kmの沖でイルカを運ぶ船の7人の乗組員のうち4人がリン化アルミニウムの犠牲になり1人が死亡した。残り3人は入院し重体。
(編集注はリン化アルミニウムの利用と毒性について)
[WHO]エボラウイルス疾患の文脈における妊娠および授乳中の女性の管理のためのガイドライン
Guidelines for the management of pregnant and breastfeeding women in the context of Ebola virus disease
February 2020
https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/330851/9789240001381-eng.pdf
エボラウイルスのRNAは急性感染、回復後、無症状の時期のいずれでも母乳中に検出されるために、授乳中の女性や子どもにウイルス感染が確認された場合には授乳を停止することを勧める。6ヶ月未満の子どもには乳児用ミルクを、6-23ヶ月の子どもには乳児用ミルクあるいは殺菌した全乳を離乳食と一緒に与える
(乳児用ミルクが入手できない場合もあるので厳しい選択を迫られる状況についても記述。エボラでなくても乳児用ミルクは母親が病気になったときのためにストックしておくと安心なのだが-でも慣れていないと飲まなかったりするけど-母乳推進運動はそれを悪と呼んで非難する)
[NASEM]腫瘍学におけるヘルスリテラシーとコミュニケーション戦略:ワークショップの概要
Health Literacy and Communication Strategies in Oncology: Proceedings of a Workshop
February 14, 2020
患者を対象にした場合と公衆衛生としての一般向け情報と両方を扱っている。後者にはがんについての間違った情報へのカウンターが含まれる
(患者に費用についても明確に議論するように勧めているのがアメリカっぽい)
[FSANZ]食品基準通知
Notification Circular 113-20
17 February 2020
https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification113-20.aspx
認可とフォーラム通知
・アルコール飲料の妊娠警告
「アルコールはあなたの赤ちゃんに一生続く害を与える可能性がある」という文言と図を表示
その他
-Scienceニュース
十代の電子タバコは悪い。ニコチンはさらにそれを悪化させる、研究者が言う
Teen vaping is bad. Nicotine makes it worse, says researcher
By Sarah AllenFeb. 16, 2020
https://www.sciencemag.org/news/2020/02/teen-vaping-bad-nicotine-makes-it-worse-says-researcher
先週金曜日にAAAS年次会合でYale 大学の神経科学者Marina Picciottoが主に動物実験での初期の知見を発表した。若いときからニコチン暴露されたマウスはストレスに過敏で極めて弱い刺激に反応する。ヒトでも同様の行動が観察され、生まれる前からニコチン暴露された子どもたちはストレスへの感情的過剰反応をする可能性が高い。
またニコチンだけが電子タバコに含まれる有害物質ではない。Picciottoは電子タバコ販売企業は成分の完全なリストと含量を包装に表示すべきだと考えている。「スーパーの食品には成分が表示されているのに、何故電子タバコのリキッドにそれを要求しないのだろう?」
あなたは科学を信頼する?これら5つの因子が重要な役割を果たす
Do you trust science? These five factors play a big role
By Jessica ScarfutoFeb. 16, 2020
https://www.sciencemag.org/news/2020/02/do-you-trust-science-these-five-factors-play-big-role
テレビ広告で新しい偏頭痛治療について聞いたら興奮するあるいはもっと情報が欲しいと思う?ニュースであなたの新型コロナウイルス感染リスクは低いと言っていたらそれを信じるあるいは政府公式ニュースを聞きたい?
このような質問にどう答えるのかが、性や教育や文化的背景を考慮した上であなたの科学への信頼の程度を計れる可能性がある。AAAS年次会合での発表によれば。
最も大きな影響を与える5つの要因は以下である:
科学的トピック
トピックにより科学者と一般の意見が一致するものから大きく離れるものまで様々。宇宙ステーションへの投資に賛成するのは一般人64%科学者68%と同様だがGM食品を食べても安全かは科学者が88%なのに一般はたった37%
あなたの性格(ペルソナ)
Kyle Blockらのチームが作った6分類で「統計より物語が好き」に分類される人は「事実の戦士」より直感や逸話を根拠に判断する
ジェンダーと文化
世界的に男性は科学について女性より知識があると自認しているがそれは必ずしも男性の科学理解やリテラシーと関連しない。この性差は北欧で最も大きく、男性の方が17%女性より科学に強いと考えるが中東では3%しか差が無い。この差に教育レベルは関係しない。
政治的立ち位置
科学の知識がある民主党支持者の40%は、科学的手法は正確な結果というより科学者が望む結果を出せると回答するが共和党支持者だと14%
メッセンジャー
医師や看護師の言う科学的助言は一般人の83%が信じるが政府が発信源だと55%しか信じない
ジャーナリズムはデマを広める人達の「攻撃面」である
Journalism is an 'attack surface' for those who spread misinformation
15-FEB-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-02/asu-jia020620.php
メディアの風景が拡大し利益もあるがデマの拡散にも苦しんでいる。その害は特に科学と健康に関するものについては大きい。Dan Gillmorは「ジャーナリストは騙されないようにする特別な責任があり嘘と事実を見分けるのを助けることができる」という。AAAS年次会合。
-SMC UK
FSAがCBD業界にCBD製品についてのさらなる情報を提供するよう締め切りを設定したことについての専門家の反応
expert reaction to FSA setting deadline for the CBD industry to provide more information about CBD products
FEBRUARY 14, 2020
FSAは業界に締め切りを設け、消費者には安全性助言を発表した。
King’s College London精神医学心理学神経科学研究所カンナビノイド心理薬理学者Amir Englund博士
これは幾分遅いが賢明で歓迎すべき対応である。CBDが最初に販売され始めたとき、一部の製品は身体的心理的両方の一連の症状に対して万能薬として宣伝された。ウェブサイトではしばしば科学文献が引用されていたがほとんどが動物/細胞実験あるいは対照群のないヒト試験で、そのような研究はヒトに利益があるという適切な根拠とはならないことを協調していなかった。規制は後手に回ったが、これらの販売業者は臨床試験で製品の有効性を示さない限りまもなく健康上の利点への言及を削除せざるを得なくなるだろう。ほとんどの会社はこれら製品の臨床試験を行っていない。
もう一つの問題は欧州、米国FDA、英国の二つの調査で、多くの製品の表示が正確ではないことが明らかになっていることである。全くCBDが入っていないものや違法な量のTHCが含まれるものなどが相当ある。チェコの調査では発がん性の高い多環芳香族炭化水素が安全でない量含まれるものが多かった。米国ではCBD製品を使用して合成カンナビノイド中毒になって入院した子どもと成人の症例が報告されている。
消費者は、これらの製品の健康効果宣伝のほとんどは根拠が無く、安全であるあるいは表示されている量が含まれているという保証はないことを知るべきである。
(リンク多数)
Northumbria大学法医学分析化学上級講師Michelle Carlin博士
CBD製品のヒトへの長期影響はあまりわかっていない。動物実験のデータは限られているが動物への毒性や胎仔の発達への影響があるようだ。FSAの示唆や知見はFSAが行ってCOTに報告されたEpidiolexという医薬品のものでそれは100mgから用量がはじまる。健康食品店で販売されている製品のほとんどは10mgからである。ヒトでの毒性情報が必要である。しかしながらCOTに報告された情報に基づき、FSAは事業者に対して製品を売り続けるためには新規食品申請をするよう述べている。
-サージカルマスクはあなたをコロナウイルスから守らないだろう
A Surgical Mask Won't Protect You From Coronavirus
Christopher Labos MD, MSc | 12 Feb 2020
https://mcgill.ca/oss/article/health/surgical-mask-wont-protect-you-coronavirus
以下は行政からの発表である:病院からマスクを盗まないで。
人々がコロナウイルスを心配しているのは理解できるが、こそ泥を働く前にマスクはあなたがウイルスをうつされることから守るものではないことを知るべきだ。
(以下略。患者が病院でマスクを箱ごと盗むってひどい話。買い占めもどうかと思うけど、これがカナダの話)
-視点:既に認められている突然変異誘発で作出した作物はGMOとして厳しく制限されるべきというフランスの裁判所の判定は、欧州の時代遅れのバイオテクノロジー規制を改革する必要性を再確認する
Viewpoint: French court ruling that already-approved mutagenized crops should be heavily restricted as GMOs reaffirms need to revamp Europe’s antiquated biotech regulations
André Heitz | February 14, 2020
(フランスのニュースサイトContrepointsに掲載された2部シリーズの機械翻訳、原文へのリンクあり)
2月7日のフランスの国策会議がフランスの農家は1930年代から使われてきた突然変異誘発で作出した作物品種を最早合法的に栽培できないと判断した。消費者がこれらの品種を入手できるのは輸入と販売が認可された場合のみである。この決定はGMOの環境放出に関する欧州指令Directive 2001/18 [March 12, 2001]をフランスがどう採用するかに関わるものである。提示された疑問は、化学物質や放射線による突然変異誘発で作られた植物品種はGMOかどうか?除草剤耐性品種の播種や栽培はモラトリアムにすべきか?である。
国策会議は残念な欧州司法裁判所の決定に縛られている
(以下長い記事略。理論的に考えるとそうなる。大惨事でしかないけれど。除草剤耐性のほうはANSESの評価関連でGMではないものの話。有機農業も相当影響を受ける。反GM活動が成功して良かったね?)
-LA当局がアジア系の10代がコロナウイルスへの恐れからいじめられて暴行されたという
L.A. Officials Say Asian Teen Was Assaulted, Bullied Over Coronavirus Fears
By Carla Herreria 02/14/2020
新しいウイルスを巡り米国でデマが広がり反アジア感情が高まっている
Los Angeles郡で今週暴行を受けた16才のアジア系の生徒が救急送りになった
(デマチラシとかマスクしてたら暴行されるとかひどいニュースが出てる)
-FSAの調査でロケット(ルッコラ)の葉ががんと関連
Rocket leaves linked with cancer in British FSA study
PerthNow February 17, 2020
これのこと
FSA
ほうれん草とレタスの硝酸モニタリング-サーベイランス計画
Nitrate monitoring in spinach and lettuce - surveillance programme
Last updated 20 January 2020
英国産の野菜の中ではロケットが最も平均硝酸濃度(4131 mg/kg)と最大硝酸濃度(8052 mg/kg-)と濃度レンジ(7990 mg/kg)が高い