[FAO]FAOはG20会合でCOVID-19の脅威の中食品サプライチェーンを守るよう強く求める
FAO urges at G20 meeting protection of food supply chains amid COVID-19 threat
21 April 2020, Rome
http://www.fao.org/news/story/en/item/1272077/icode/
G20農業閣僚会議でQU Dongyu事務局長が述べた
-食料安全保障と栄養へのCOVID-19の影響についての共同声明
Joint Statement on COVID-19 Impacts on Food Security and Nutrition
21 April 2020,
http://www.fao.org/news/story/en/item/1272058/icode/
G20農業閣僚会議を契機にFAO, IFAD, 世界銀行およびWFPが共同声明を発表
[FAO]FAO事務局長が国連安全保障理事会で紛争と飢餓の悪循環を断ち切る方法について説明した
FAO chief briefs the United Nations Security Council on measures to break the vicious cycle between conflict and hunger
21 April 2020
http://www.fao.org/news/story/en/item/1272183/icode/
食糧危機を長引かせる誘因に対策するには協調が必要という
紛争、極端な天候、サバクトビバッタ、経済ショックそしてCOVID-19により、多くの人が急な食糧不足になる可能性があり、それに協力して対応する必要がある
-食糧危機世界報告は、COVID-19が脆弱な国に新しいリスクとなる中食糧危機の展望を明らかにする
EU / FAO / OCHA / UNICEF / USAID / WFP 合同プレスリリース
21 April 2020, Brussels/Rome/New York
Global Report on Food Crises reveals scope of food crises as COVID-19 poses new risks to vulnerable countries
http://www.fao.org/news/story/en/item/1271868/icode/
GLOBAL REPORT ON FOOD CRISES 2020
https://www.fsinplatform.org/sites/default/files/resources/files/GRFC_2020_ONLINE_200420.pdf
[WHO]WHOガイダンスは鉄欠乏を検出し脳の発達を守るのに役立つ
WHO guidance helps detect iron deficiency and protect brain development
20 April 2020
妊娠中や小さい子どもの鉄欠乏を早期に検出するのは重要である。2才以下の子どもの鉄欠乏は脳の発達に相当な不可逆的な影響を与える可能性がある。それはその後の人生で学習や学校での成績に負の影響を与える。子どもの認知発達は母親が妊娠後期に鉄欠乏の場合でも影響を受ける。新しい「個人や集団の鉄の状態を評価するためにフェリチン濃度を使うことについてのWHOガイドライン」は医療従事者が鉄欠乏を早期に発見し重大な影響を避けるのに役立つ。
WHO guideline on use of ferritin concentrations to assess iron status in individuals and populations
21 April 2020
https://www.who.int/publications-detail/9789240000124
[WHO]世界予防接種週間2020
World Immunization Week 2020
https://www.who.int/news-room/campaigns/world-immunization-week/world-immunization-week-2020
4月24-30日は世界予防接種週間
テーマは#VaccinesWork for All(ワクチンはみんなのため)
[WHO]出生前水銀暴露評価:標準作業手順書
IPCS
Assessment of prenatal exposure to mercury: standard operating procedures
16 April 2020
https://www.who.int/publications-detail/assessment-of-prenatal-exposure-to-mercury
毛髪、臍帯血、尿での水銀評価について記述したマニュアル
[FDA]FDAはCOVID-19期間中の食品サプライチェーンを支援し消費者の需要を満たすため食品業界に柔軟性を提供する
FDA Provides Flexibility to the Food Industry to Support Food Supply Chain and Meet Consumer Demand During COVID-19
04/21/2020
CFSANのSusan Mayne部長から
幸い全国的な食糧不足はないが、需要のシフトがおこっており一時的に店舗の棚に商品が不足する事態がおこっている。理由は様々でレストランやホテルの休業と家庭での調理増加により業務用食品が過剰になりスーパー向け食品の需要増といったサプライチェーンのバランスが悪くなっている。
FDAはこうした問題に気がついておりUSDAと協力して食品表示規制やそのたの要件についての柔軟性を提供する。
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殻付き卵
Scienceニュース
-熱波に耐えられるよう遺伝子組換えされた稲は同時に穀物も20%増える
Rice genetically engineered to resist heat waves can also produce up to 20% more grain
By Erik StokstadApr. 21, 2020 ,
植物が光に晒されると光化学系II(PSII)とよばれるタンパク質複合体が電子を活性化し光合成に力を与える。しかし熱や強い光は重要なサブユニットD1のダメージにつながり、植物が新たに作って補充するまでPSIIの仕事を止める。D1を余分に作る植物はこの修復速度が速いだろう。光合成を行う細胞小器官である葉緑体はD1を含む独自のDNAをもち、ほとんどの生物学者はD1が葉緑体で作られると考えていた。しかし葉緑体ゲノムは植物細胞の核にある遺伝子より操作するのが難しい。
中国科学アカデミーの植物分子生物学者Fang-Qing Guoらのチームは核の遺伝子で作られたD1も同様に機能することに賭けた。GuoらはこのアイディアをArabidopsis thalianaで調べ、そしてタバコ、稲で成功した。そして2017年、上海の気温が36℃を超える日が18日あった時、試験栽培されていた組換え稲は対照群より8-10%収量が多かった。このことが今週Nature Plantsに発表された。
驚いたのはそれが普通の温度でおこったことである。3種の組換え植物は全て光合成が増加し大きくなった。「それは全くの驚きだった。まるで大きな魚を釣ったように感じた」とGuoは言う。
-パリの下水で発見されるコロナウイルスが早期警報システムを暗示する
Coronavirus found in Paris sewage points to early warning system
By Christa Lesté-LasserreApr. 21, 2020 ,
https://www.sciencemag.org/news/2020/04/coronavirus-found-paris-sewage-points-early-warning-system
パリ全体の下水を1ヶ月以上サンプリングして、研究者らはその増減がその地域でのCOVID-19アウトブレイクの形に相当することを検出した。medRxivに投稿
-米国はワクチンを試験するためにボランティアにコロナウイルスを感染させることを認めるべき、立法者が主張
United States should allow volunteers to be infected with coronavirus to test vaccines, lawmakers argue
By Jon CohenApr. 21, 2020
下院の35人が昨日FDAとHHSに送った文書でワクチン開発を促進するため意図的に感染させることを認めるよう主張
-コロナウイルス感染は実際より恐ろしく少なく見積もられていると示唆する抗体調査は信頼できない可能性がある
Antibody surveys suggesting vast undercount of coronavirus infections may be unreliable
By Gretchen VogelApr. 21, 2020
(適当な抗体を使った適当な論文が次々発表されては批判されている状況。科学者だけが議論しているなら正常なプロセスだが一般人や政治家やベンチャー企業関係者がいろいろな思惑で関与するので大変)
Natureニュース
-研究者らはコロナウイルスの抗体検査で賭けにでている
The researchers taking a gamble with antibody tests for coronavirus
21 APRIL 2020 Amy Maxmen
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01163-5
不確実性にもかかわらず、一部の科学者は血液検査でロックダウンを終わらせたり人々が仕事に戻るのに役立つ可能性に賭けている
先週、全米の検査室が数万人の人のコロナウイルスへの抗体検査をする計画を開始し、その結果を人々に伝えているーその意味の不確実性にもかかわらず。
(問題点いろいろ略)
抗体検査は科学者のパーソナリティのリトマス試験紙である、とスタンフォード大学の免疫学者Scott Boydはみている。「情報がないことに恐ろしく居心地が悪いと感じる人達がいる。そして今できるベストのことをしよう、だから何かをしよう、という」
(不確実性に耐える、曖昧なものを曖昧なまま保持する、何もしないことをする、のは結構難しい。だから医学にとって重要な原則は害をなさないこと、なんだよ)
-「国境を閉鎖するのは馬鹿げている」:スウェーデンの議論の多いコロナウイルス戦略の背景にいる疫学者
‘Closing borders is ridiculous’: the epidemiologist behind Sweden’s controversial coronavirus strategy
21 APRIL 2020 Marta Paterlini
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01098-x
Anders Tegnellがスウェーデンの「信頼に基づく」アプローチについてNatureに答える
欧州の多くの国が人々の生活に厳しい制限をかける中、スウェーデンだけはロックダウンをせず助言を提供している。16才未満の学校やレストラン、国境も開いている。このアプローチは激しく批判されていてその中には高名な科学者もいる。先週は22人の有名な科学者がスウェーデンの新聞Dagens Nyheterに公衆衛生当局は失敗した、政治家は厳しい対策をとるべきだと強く求める文書を書いた。彼らは近隣北欧諸国より死亡率が高いことなどを指摘した。この戦略を構築しているのはスウェーデン公衆衛生庁の疫学者Anders Tegnellである。彼はNatureの取材に答えた
(ノロとインフルが減っているので効果は出ていると)
その他
-編集者への手紙:がんとCOVID-19;我々は公衆衛生の危機の間がんをどうやって最適に管理するか?
LETTER TO THE EDITOR
Cancer and COVID-19; how do we manage cancer optimally through a public health crisis?
Eduard Vrdoljak et al.,EJC Published:April 18, 2020
COVID-19はこれまで世界中で100万人近くが感染し4万人以上が死亡した。疫学予想では今後も数は増え高齢者、特に80才以上に相当な影響を与えるだろうことを示す。その対策として多くの国が医療をCOVID-19アウトブレイク対策に再編し一般人にもがんへの注意は減少した。現在の雰囲気ではがんの可能性がある患者でもCOVID-19の症状に注意が向けられ、通常なら医師に相談したであろうがんの兆候が過小評価されるだろう。全ての健康問題よりCOVID-19が注目される中、我々はそうした医学的社会的変化の影響を正確に注意深く測定すべきである。
がんは先進国では主要死因で、毎月欧州で352500人ががんと診断される。がんよりCOVID-19が優先されたことで今後がんの死亡率が上がるだろう。COVID-19危機対策には他の病気への影響も含めた包括的対応が必要である
-スコットランドのコロナウイルス:がん症例の照会が減ったことに恐怖
Coronavirus in Scotland: Fears raised over fall in cancer case referrals
20 April 2020
https://www.bbc.com/news/uk-scotland-52353657
スコットランドの暫定医務主任ががんの症状のある人がコロナウイルス危機のために来なくなったことの恐れを口にする
Gregor Smith博士によると医師からのがん疑い症例の緊急照会が72%減った。一般開業医ががんの兆候として照会する数がいつもより少ない。症状のある人はCOVID-19以前と同じように助言を求めて欲しい、と彼は強く勧める。
またスコットランドの病院の事故救急外来に助けを求める人も過去三年の平均より54%減った。スコットランドでは乳がん、大腸がん、子宮頸がん検診もコロナウイルスに集中するため中止されているがそれとは違う経路での照会が減っている。
Cancer Research UKも警告している
-SMC UK
SARS-COV-2の抗体検査についての新しい査読前原稿への専門家の反応
expert reaction to new preprint on antibody testing for SARS-COV-2
APRIL 21, 2020
10人の専門家のコメント
(略)
ELISAとラテラルフローイムノアッセイ(LFIA)を用いたSARS-CoV-2抗体検査の評価
Evaluation of antibody testing for SARS-CoV-2 using ELISA and lateral flow immunoassays
National COVID Testing Scientific Advisory Panel*
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.04.15.20066407v1.full.pdf
市販の9つのLFIAを評価した、英国の国の助言委員会の報告
結論として全て使えない
-「オンライン有害情報とデマ調査」への異議申し立て
Sense about science
A challenge for the Online Harms and Disinformation Inquiry
21st April 2020
Sense about scienceのTracey BrownがDCMS デマ調査委員会の委員長Julian Knight議員に手紙を書いた。WhatsAppのユーザーに、シェアする内容を規制する代わりに、そのパワーを議会に対して政府がどういう理由で何をしているのか人々に伝えることを強く求めることに使うよう呼びかける
以下に全文を示す。
(一部抜粋)
政府のcovid-19に関する意思決定の透明性の欠如がデマや噂を増やす一因である。「オンライン有害情報とデマ調査」小委員会の関心がオンラインでのデマにあることは理解するが、それよりはるかに大きな問題は政府が根拠をどう評価してリスクやそのトレードオフをどう計算したのかについての情報がないことである。議会は情報公開の呼びかけを主導すべきではないか?
毎日人々の疑問や混乱やフラストレーションにつきあっている団体として、我々はフェイクニュースやデマの影響はよく知っている。でも当局がどうしてそう決定したのかという全体像がわからないことはさらに対応が困難である。あなた方の権限を政府にどういう理由で何をしているのか人々に伝えることを強く求めることに使ってほしい。