2020-05-15

[FDA]コロナウイルス (COVID-19)更新:連邦判事はN-Ergeticsとして事業を行っているXephyr LLCに仮差し止め命令、COVID-19用にコロイド銀製品を販売するのを防ぐ

Coronavirus (COVID-19) Update: Federal judge enters temporary injunction against Xephyr LLC doing business as N-Ergetics, preventing sale of Colloidal Silver Products for COVID-19

May 14, 2020

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-federal-judge-enters-temporary-injunction-against-xephyr-llc-doing

未承認コロイド銀製品をCOVID-19の治療や予防効果を謳って違法に販売

FDAとFTCは先にXephyr社に警告文書を発行しているが一旦ウェブページを削除した後再開していた

 

[RIVM]循環経済において懸念のある物質とつきあう

Coping with substances of concern in a circular economy

14-05-2020

https://www.rivm.nl/publicaties/coping-with-substances-of-concern-in-circular-economy

オランダ政府は2050年までに完全循環経済を目指している。資源が継続して再利用され廃棄を可能な限り少なくする経済では発がん物質のような懸念の高い物質の利用は必要な時のみに限られる。RIVMはこれが高懸念物質の安全な取り扱いとその使用監視の機会になると信じる。それは簡単ではない。そのために必要な課題を同定した。一つ目は生産チェーン全体を通して使われる物質についての情報共有、二つ目は生産チェーンの全ての関係者が材料や製品を安全に取り扱うことを確実にすること、最後に全ての人が責任をもつこと。この3つの課題に向けて短期的長期的対応を助言した

 

[RIVM]1.5メートル社会は維持困難

The 1.5-metre society is difficult to maintain

05/14/2020

https://www.rivm.nl/en/news/15-metre-society-is-difficult-to-maintain

オランダ人のほとんどは、握手をしない、紙のティッシュを使うといった個人的衛生対策は問題なくできると考えている。可能な限り自宅にいる、他人と1.5m離れる、70才以上の人のところにはいかない、というのが最も困難なタスクである、特に長期にわたっては。RIVMの行動科学ユニットによる9万人の大規模調査の結果。

詳細データはオランダ語

最も従いやすいルールは握手禁止で99.5%がもう握手はしないと回答。健康状態が悪いときに脆弱な人のところに行かない、は85%、咳やくしゃみをするときに肘をつかうが75%、紙のティッシュが73%。1日10回以上手を洗う、ははるかに困難で42%しかできない

1.5m離れる、はより複雑で状況により異なり現実的には達成困難なときがある。

コロナウイルスに感染しないだろうと考えている人は28%で逆に感染するだろうと考えている人は17%。

現在の状況については、73%は食生活はコロナ以前と変わりはない。運動は減った人が53%

 

[CDC]MMWR

-COVID-19アウトブレイク中の超過死亡の予備的推定-ニューヨーク市、2020年3月11日-5月2日

Preliminary Estimate of Excess Mortality During the COVID-19 Outbreak — New York City, March 11–May 2, 2020 (Early release May 11, 2020)

Weekly / May 15, 2020 / 69(19);603–605

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/69/wr/mm6919e5.htm?s_cid=mm6919e5_w

DOHMHによる

5月2日時点でラボで確認されたCOVID-19関連死は13831人、ラボで確認されてはいないがおそらくCOVID-19関連死は5048人

2020年3月11日-5月2日の間にDOHMHに報告されたそう死亡は32107でそのうち24172(95% CI = 22,980–25,364)が超過死亡でありそのうちラボで確認されたCOVID-19関連死が57%、ラボで確認されてはいないがおそらくCOVID-19関連死は21%で残り22%の5293人が直接間接的にパンデミックに関連がある可能性がある

 

-合唱暴露後のSARS-CoV-2感染率の高さ-Skagit郡、ワシントン、2020年3月

High SARS-CoV-2 Attack Rate Following Exposure at a Choir Practice — Skagit County, Washington, March 2020 (Early release May 12, 2020)

Weekly / May 15, 2020 / 69(19);606–610

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/69/wr/mm6919e6.htm?s_cid=mm6919e6_w

症状のある患者を含む61人が参加した2.5時間の合唱のあと、32人が感染確認20人がおそらく二次感染(感染率53.3%から86.7%)、3人が入院し2人が死亡した。近くで歌うことで感染が促進された可能性が高い

 

[ヘルスカナダ]保健大臣からのメッセージ-食物アレルギー啓発月間

Message from the Minister of Health – Food Allergy Awareness Month (May 2020)

2020-05-14

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2020/05/message-from-the-minister-of-health--food-allergy-awareness-month-may-2020.html

食物アレルギーは深刻な公衆衛生上の懸念であり時に重症、命に関わることもある。カナダの260万人が少なくともひとつの食物アレルギーがあると推定されている。毎年5月は食物アレルギー啓発月間である。トップ10アレルゲンは卵、乳、マスタード、ピーナッツ、シーフード、ごま、大豆、亜硫酸、木の実、小麦である

 

[DHSC]英国のコロナウイルス(COVID-19)症例とリスク

Number of coronavirus (COVID-19) cases and risk in the UK

Last updated 14 May 2020

https://www.gov.uk/guidance/coronavirus-covid-19-information-for-the-public

検査結果の報告形式がかわった

Pillar 1 臨床上の必要性に応じた、および医療従事者の病院でのスワブ検査

Pillar 2 必須労働者と家族等を対象にしたスワブ検査

Pillar 4 全国サーベイランス計画による血清学的およびスワブ検査(自宅検査含む)

でそれぞれ検査数と陽性数を報告

 

(Pillar 4の調査はこんな感じで発表されている

Coronavirus (COVID-19) Infection Survey pilot: England, 14 May 2020

https://www.ons.gov.uk/peoplepopulationandcommunity/healthandsocialcare/conditionsanddiseases/bulletins/coronaviruscovid19infectionsurveypilot/england14may2020

この予備的調査結果では4月27日から5月10日の間にイングランドで0.27%、平均148000(95%CI:94000-222000)人がコロナウイルスをもっていたと推定される

また患者を相手にする職業の人の感染率がそうでない人より高い

イングランドで10705人を検査して30家族33検体しか陽性にならないので、信頼できる疫学データを得るのは大変。家庭でのスワブはおそらく偽陰性率高いだろうとのこと

なお血清学的検査についてはRocheの開発した抗体検査キットが「極めてポジティブ」だそう

expert reaction to news reports that PHE have said Roche antibody test is “a very positive development” and that assessments at Porton Down found it was ‘highly specific’

MAY 14, 2020

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-news-reports-that-phe-have-said-roche-antibody-test-is-a-very-positive-development-and-that-assessments-at-porton-down-found-it-was-highly-specific/)

 

論文

-COVID-19の情報源としてのYouTube:デマのパンデミック?

YouTube as a source of information on COVID-19: a pandemic of misinformation?

Heidi Oi-Yee Li et al.,  BMJ Global Health

https://gh.bmj.com/content/5/5/e002604

2020年3月21日に‘coronavirus’と ‘COVID-19’でYouTube検索、それらのビューが多いトップ75動画を解析。150動画中69を解析し19 (27.5%)に事実でない情報が含まれた。政府や専門家による動画には事実しか含まれないが、そのような動画は動画のうちわずか11%にしかならず、視聴者でも10%である。

 

-イヌが飼い主からコロナウイルスをもらう、遺伝子解析が示唆

Dogs caught coronavirus from their owners, genetic analysis suggests

Smriti Mallapaty 14 MAY 2020

https://www.nature.com/articles/d41586-020-01430-5

しかしイヌがそれをヒトにうつす根拠はない

香港のポメラニアンとジャーマンシェパード、Natureに発表

 

-メリーランド大学の研究者らは食品廃棄を減らそうとして食品日付表示の科学を確立

UMD researchers seek to reduce food waste and establish the science of food date labeling

14-MAY-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-05/uom-urs051420.php

米国では多くの人が食品の消費期限や賞味期限を理解せず食品を無駄にしている。そこで食品の日付表示の背景にある科学あるいは科学の欠如を明確にする目的のためには学際的・国際的研究が必要であることを強調した

Food Control.

 

-あるプライマリーケア集団における飲酒レベルと病気の関連

Associations Between Medical Conditions and Alcohol Consumption Levels in an Adult Primary Care Population

May 13, 2020

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2765853

270万人以上の成人プライマリーケア患者集団を調べたところ9.9%が不健康な飲酒習慣を報告した。病気のある患者はそうでない人より飲酒する可能性は低いが、飲酒する人の中では糖尿病、高血圧、慢性閉塞性肺疾患、心房細動、がん、慢性肝疾患、傷害、中毒の患者が推奨されるガイドライン以上を飲む可能性が高かった。

 

-「代謝的特徴」が地中海食遵守程度を決定しCVDリスクを予測する助けになる

'Metabolic signature' can determine adherence to Mediterranean diet, help predict CVD risk

14-MAY-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-05/htcs-sc051220.php

血中の67の代謝物からなる「代謝物サイン」で個人がどれだけ地中海食を守っているかを評価できCVDリスクを予測するのに役立てられる

European Heart Journal

 

-ニュートリメディア、食品と栄養に関する多様なメッセージを評価するリソース

Nutrimedia, a resource that assesses the veracity of messages about food and nutrition

14-MAY-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-05/upf--nar051420.php

バルセロナのPOMPEU FABRA大学(UPF)コミュニケーション学部のサイエンスコミュニケーション観測所(OCC)がニュースや広告や人々の疑問にGRADEシステムを適用するNutrimediaプロジェクトを開発した。最初の18ヶ月で30の栄養に関するメッセージの正確さを評価し7つに分類した。約半分が不確実uncertain、4つがおそらく事実possibly trueと分類された。PLOS ONE

Nutrimedia: A novel web-based resource for the general public that evaluates the veracity of nutrition claims using the GRADE approach

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0232393

(コーヒーが健康に悪い、肉は発がん性、といった主張を評価している)

 

その他

-増加する耐性菌と戦うには一般への情報提供がカギ

Public information key to combating rising ‘superbug’ threat

May 14, 2020

https://outbreakproject.com.au/2020/05/14/public-information-key-to-combatting-rising-superbug-threat/

CSIRO(オーストラリア)の調査で抗生物質についての一般の人々の知識が少ないことが明らかになった。2217人のオーストラリア成人に調査したところ、

・92%の人がウイルス感染と細菌感染の違いを知らない

・13%がコロナウイルスは抗生物質で治療できると間違って信じている

・19%が普通の風邪の治療に抗生物質が必要だと考えている

・14%が海外に行くときに抗生物質を予防的に使う

 

-黒死病から致死的インフルエンザまで、過去のパンデミックがどうして辺縁の人々が最も苦しむのかを示す

Scienceニュース

From Black Death to fatal flu, past pandemics show why people on the margins suffer most

By Lizzie WadeMay. 14, 2020

https://www.sciencemag.org/news/2020/05/black-death-fatal-flu-past-pandemics-show-why-people-margins-suffer-most

1349年1月に黒死病がロンドンに到着したとき、ロンドンは準備していた。前年フローレンスのような年で60%の人が死んだと聞いていた。1348年の夏に欧州大陸から英国の港に入ってきたこの病気は首都に向かっていた。ロンドンは当時最善の準備をしていた、East Smithfieldという巨大な墓地を作って。それは可能な限り犠牲者を聖なる方法で葬るためで、信心深い人達は神が最後の審判の日に信者を見分けることができるようにと信じていた。ロンドンは、命を救うことができないので魂を救おうとしたのだ。

予想通り黒死病は恐ろしいもので1349年に約半分のロンドン人を殺した。1347年から1351年の間に全ての欧州人の30-60%を殺した。全ての人が安全でないように見えた。

しかしEast Smithfieldなどでの注意深い考古学的歴史学的研究は社会的経済的不平等が黒死病やその他の流行の様子を形作っていたことを明らかにした。この種の危機はそれぞれの社会に既にあった断層に沿って展開することが何度も示されてきた。リスクが最も大きいのは既に取り残されている-貧しいマイノリティである。

それがCOVID-19パンデミックでも示されている

(以下たくさんの事例)

 

-ポストCOVID-19 青写真(Part 3.1):新しい世界秩序をめぐる争い

The Post-COVID-19 Blueprint (Part 3.1): The Battle for a New World Order

Posted by RISKMONGER on MAY 14, 2020

https://risk-monger.com/2020/05/14/the-post-covid-19-blueprint-3-1-battle-for-a-new-world-order/

ギリシャの哲学者クセノフォンは「もし牛や馬に手があったら、馬は神を馬のように、牛は牛のように描くだろう」と言った。2500年後にアメリカの心理学者アブラハム・マズローは「もしあなたにハンマーしかなかったら、全てが釘のように見えるだろう」と言った。多くの国がコロナウイルスロックダウンからゆっくり動き出そうとする中、全ての活動団体がパンデミックは彼らの標的のせいだと主張しそれをポストコロナ時代の新世界秩序に組み込もうとしている

・気候活動家はコロナウイルスが気候変動のせいだと非難し化石燃料への厳しい制限を要求している

・反農薬団体は工業的農業のせいで生物多様性が失われたせいだとして全ての農薬を禁止し地元の小作農による有機農業推進を要請

・生物多様性活動家は森林が失われたことで野生生物と人間が近くなりすぎたと言い、農地を森にかえせという

・反ワクチン活動家は複数の陰謀論をもっているが5G陰謀論が強い

・反GMO団体は人獣共通感染症はGMOのよくわからない影響で増えているという

・反グローバリゼーション活動家は貿易と旅行が原因なのでそれを止めるべきと言う

(以下長い本文略。CNNが環境活動家のGretaさんをコロナウイルスの専門家として呼ぶことなどを例に。ニューワールドオーダーってスターウォーズっぽい。「新しい生活様式」もnew life orderと言うとディストピア感がある)