2020-06-08

[EFSA]「食品安全はみんなの仕事、今も将来も」―世界食品安全デー2020を祝して

‘Food safety is everyone’s business, now and in the future’ – celebrating World Food Safety Day 2020

4 June 2020

http://www.efsa.europa.eu/en/news/food-safety-everyones-business-now-and-future-celebrating-world-food-safety-day

「食品安全はEFSAの日常業務だが、もし気候変動の影響を制限し、消費者・生産者・私たちの自然界の利益のために持続可能な地球規模の食品システムを構築したいなら、今も将来も安全を考慮することはみんなの仕事である。」とEFSAの事務局長Bernhard Url氏は述べた。

食品安全は共同責任であり、EFSAは、国連のイベントスポンサーであるコーデックス委員会・国連食糧農業機関 (FAO)・世界保健機関(WHO)を含む私たちの国の、欧州の、世界のパートナーとともに、2020年6月7日の第2回世界食品安全デーを祝う。

この重要な問題の認識を高め、食糧安全保障・ヒトの健康・経済的繁栄・農業・市場参入・観光業・持続可能な開発に貢献し、食品を介したリスクを予防・検出・管理するのに役立つ行動を起こすために私たちは一丸となって取り組んでいる。

食品安全は当たり前のように思われることが多い。欧州人の5分の2は食品安全に興味があるが、それが食品を選ぶ際の最大の関心事と言うのは5分の1だけである。食中毒にならない限り気づかないことも多い。病害菌・ウイルス・寄生虫・化学物質を含む安全でない食品は、下痢からがんまで200以上の病気の原因となる。

EFSAの事務局長Bernhard Url氏は述べた、「世界食品安全デー2020のために、私たちはEUの食品安全システムの3つの重要な機能―One Healthアプローチ、持続可能な食品システム、食品安全の共同責任の実現に焦点を当てたい。これらは、多くの関係者とともに欧州や国立の機関が世界で最高の食品安全・動物の健康および福祉・環境保護の欧州基準を作るのに役立つ、EU食品安全システムの重要な機能である。」

EFSAは食品安全を改善するため“One Health”アプローチの実行を支援している。

・基本データ:食品衛生(68%)や動物の健康(65%)がともにEU市民に最も身近な食品安全のテ話題だと知っていますか?

One Healthアプローチの基盤は人々の健康が動物や環境の健康に関連しているということである。病気の動物や悪化した環境は最終的に食品の安全性に影響し、人々の健康に影響を与える。

「COVID-19のパンデミックは、病原菌がもたらす危険や優良衛生規範の重要性をタイムリーに思い起こさせる」とUrl氏は述べた。「食品はCOVID-19の感染源や伝播の媒体ではないが、この非常事態は、これらの病気が公衆衛生や社会経済的幸福に与える影響をあまりにも痛烈に示した。

もう一つの懸念事項は、抗生物質に対する抗菌剤耐性(AMR)の継続的な上昇傾向である。欧州委員会によると、AMRはEUで年間推定33,000人の死亡の原因となっていて、医療費と生産性の損失で年間15億ユーロの損害をEUに与えている。

欧州委員会や加盟国のパートナーともに、EFSA、欧州疾病予防管理センター(ECDC)、欧州医薬品庁(EMA)などのEUの機関は、EUのOne Healthアプローチを実行している。汚染された土壌や水に由来する野菜・果物や動物由来食品の抗菌剤耐性人畜共通感染症や病原菌の脅威と戦うために、早期検出と監視を強化している。

持続可能な食品システムの投資は効果を生み、EUは安全な食品のために持続可能な環境を促進することを目指している

・基本データ:欧州人の最も一般的な食品安全の3つの懸念は、家畜の医薬品の誤用(44%)、食品中の残留農薬(39%)、環境汚染物質(37%)である。

私たちの食品は私たちの田園地帯、川、海から来るので、土壌、空気、水をきれいに保ち、生活に合わせることが基本である。欧州委員会は現在、食品システムを公平で健康で環境にやさしいものにすることを目的とし、食品生産と消費を欧州グリーンディールの中心にしっかりと配置した、EUの新しい「農場から食卓まで戦略」を開始した。

農薬の使用削減は食品生産と農業に関する重要な新しい提案の1つである。EUでは、農薬の使用は厳しく規制されており、農薬中の物質は健康についてだけでなく生物多様性についての影響も評価されている。最新の科学的情報を考慮することを確認するために、評価は定期的に繰り返されている。

気候変動も食品の安全性と栄養に影響し生態系に影響を与える可能性がある。気候変動の結果として出現あるいは増加した様々なリスク―例えば新しい植物害虫、新しいバイオトキシン、病原菌―についての早期警告は、私たちの食料供給や環境を守るために不可欠である。気温と湿度の変化は土壌品質にも影響し、作物の栄養価に影響を与える可能性がある。

また、フードチェーンの安全性は、ヒトが動物、特に食料生産動物をどのように扱うかによって影響を受ける。ストレス要因や不十分な福祉が動物の病気に対する感受性を高める可能性がある。EUが世界最高の動物の福祉の基準を設定しているのはこのためである。

消費者が長期的なヒトの健康と発達を促進する適切な栄養摂取を確保できるように、EFSA、EUや国立のパートナーは安全で持続可能な食品を提供するために連帯している。

欧州では、食品安全は農場から食卓まで共同責任で、世界最高の食品安全基準を保証している

・基本データ:欧州では食品関連リスクの情報では科学者(82%)の信頼が最も高く、消費者団体(79%)、農業従事者(69%)、国家機関(60%)、EU機関(58%)、NGOs (56%)が続く。

協力はBernhard Url氏の好む話題の一つである。彼は述べた、「欧州の食品安全が共同責任であることに疑いはない。協力は、仕事量や必要な資源を共有するのに役立つだけでなく、欧州のすべての人がEUシステムから利益を受けられるように、情報や最優良事例を伝えるネットワークを提供する。

例えば、食品と農業分野の優良衛生規範は食品由来疾患の発生と蔓延を減らすのに役立つ。食品安全教育は、消費者が情報に基づいた健康的な選択をし、より安全な食糧供給を求めるのに役立つ。

この状況の枠組みは、食品安全の意思決定や助言の健全な科学的根拠を確保するために政策決定者や実践者とともに働く、EFSAや加盟国の科学的助言にかかっている。

Url博士はつけ加えた、「欧州機関、国および国際的パートナー、科学者や消費者から食品生産者や市民社会組織までの多くの関係者全員との協力をさらに深めれば、私たちは、今も将来も、欧州に安全なだけでなくより持続可能な食品を提供し続けることが出来る。」

*データ:EUの食品安全に関するユーロバロメーター2019

関連ニュース

パルマサマースクール2020 'One Health'はオンラインで開催

Parma Summer School 2020 'One Health' to be held online

published: 22 Apr 2020

http://www.efsa.europa.eu/en/news/parma-summer-school-2020-one-health-be-held-online

新しい助成金の機会:能力構築

New grant opportunity: capacity building

published: 06 Apr 2020

http://www.efsa.europa.eu/en/news/new-grant-opportunity-capacity-building

インターネットベースのソフトウェアを通した既製品申請の電子申請

E-submission of regulated product applications through internet-based software

published: 01 Apr 2020

http://www.efsa.europa.eu/en/news/e-submission-regulated-product-applications-through-internet-based-software

 

[FSS] コロナウィルスパンデミック中の適切な食品安全について

How to follow good food safety practices during the Coronavirus pandemic

7 Jun 2020

https://www.foodstandards.gov.scot/news-and-alerts/how-to-follow-good-food-safety-practices-during-the-coronavirus-pandemic

世界食品安全デーに寄せてFSSのProfessor Norval Strachanの発言。

主に食中毒対策

 

[SFA]食品飲料(F&B)業界の従業員のマスクやフェイスシールド着用に関する助言Advisory on Wearing of Mask or Face Shield by Employees in Food and Beverage (F&B) Establishments

Last updated on Tuesday, June 2, 2020

https://www.sfa.gov.sg/covid-19/advisory-on-wearing-of-mask-or-face-shield-by-employees-in-food-and-beverage-(f-b)-establishments

6月2日情報更新。

 

[FSA] EU(欧州連合)と食品に関する消費者の見解

Consumers' views on EU and food

4 Jun 2020

https://www.food.gov.uk/research/research-projects/consumers-views-on-eu-and-food

EU離脱と食品問題に関する消費者の見解に関する研究を実施した。結果の概要を公表する。

 

[FSA]パンデミック中の家庭食品ファクト

Home food facts during the pandemic

4 Jun 2020

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/home-food-facts-during-the-pandemic

世界食品安全デーに、FSAはCOVID-19パンデミック中に食品安全の誤解を正すため、家庭食品のファクトチェッカーを発表した。

 

[MPI] 貝のバイオトキシン警告-Banks PeninsuladのPort Levy

Shellfish biotoxin alert – Port Levy, Banks Peninsula

04 Jun 2020

https://www.mpi.govt.nz/news-and-resources/media-releases/shellfish-biotoxin-alert-port-levy/

MPIはBanks PeninsuladのPort Levyで、貝の捕獲あるいは消費をしないよう市民に公衆衛生警告を出した。この地域で採取された貝サンプルの定期検査で、下痢性貝毒のレベルがMPI設定の安全基準値0.16 mg/kgを上回った。

https://www.mpi.govt.nz/travel-and-recreation/fishing/shellfish-biotoxin-alerts/#map

 

[FSAI] 生の鶏肉でなく、手を洗おう

Wash Your Hands, Not Raw Chicken

Thursday, 4 June 2020

https://www.fsai.ie/news_centre/press_releases/world_food_safety_day_04062020.html

世界食品安全デーの呼びかけにおいて、FSAIは生の鶏肉を洗わないよう再度注意を呼び掛ける

 

[FDA]世界食品安全デーをFDAとともに

Join FDA on World Food Safety Day

June 5, 2020

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/join-fda-world-food-safety-day

関連リンク

Remarks by Frank Yiannas at the Association of Food and Drug Officials World Food Safety Day Webinar

https://www.fda.gov/news-events/speeches-fda-officials/remarks-frank-yiannas-association-food-and-drug-officials-world-food-safety-day-webinar-06052020

 

[FDA]警告文書

-Dr. Sherrill Sellman

June 01, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/dr-sherrill-sellman-607964-06012020

コロナウィルス疾患2019(COVID-19)に関連する未承認かつ不正製品。

 

[Codex]世界食品安全デー/我々の大きな夢は安全で栄養のある食品を全ての家に

World Food Safety Day / Our big dream of bringing safe and nutritious food to every home

07/06/2020

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1279499/

 

-World Food Safety Day 7 June / Working together to make food safe

07/06/2020

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1279474/

 

-Facebook live event kicks off World Food Safety Day celebrations for FAO and WHO

06/06/2020

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1279447/

 

[MHRA]David Noakes:判事は140万ポンドの差し押さえを命令

David Noakes: Judge orders seizure of £1.4 million

5 June 2020

https://www.gov.uk/government/news/david-noakes-judge-orders-seizure-of-14-million

有罪判決を受けた逃亡者は140万ポンド没収に直面

未承認医薬品マクロファージ活性化因子GcMAFの製造と販売とマネーロンダリングで有罪判決を受けていたDavid Noakesの資産没収

(長期間にわたる調査と裁判。)

 

[IARC]マイコトキシン暴露とヒトがんリスク:疫学研究の系統的レビュー

Mycotoxin exposure and human cancer risk: a systematic review of epidemiological studies

5 June 2020

https://www.iarc.fr/news-events/mycotoxin-exposure-and-human-cancer-risk-a-systematic-review-of-epidemiological-studies/

Comprehensive Reviews in Food Science and Food Safety.

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/1541-4337.12567

 

[ProMED]発表:ProMED抗菌剤耐性ネットワーク; ProMED-AMR

Announcement: ProMED antimicrobial resistance network; ProMED-AMR

2020-06-05

https://promedmail.org/promed-post/?id=7428939

抗菌剤耐性にフォーカスした新しい国際サーベイランスネットワークProMED-AMRを発表する

 

[WHO]Q&A:マスクとCOVID-19

Q&A: Masks and COVID-19

7 June 2020

https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/question-and-answers-hub/q-a-detail/q-a-on-covid-19-and-masks

ウイルスが広く拡散していて1m以上の物理的距離をとるのが困難な場合には一般人に非医療用の布マスクを推奨する

(マスクの欠点が書いてある。汚い手で触ると逆に感染リスクを上げる可能性がある、呼吸困難、皮膚の損傷、コミュニケーションがとりにくい、不愉快、偽りの安心感。)

 

[PAHO]汎アメリカ口蹄疫と獣医公衆衛生センター(PANAFTOSA) は各国に生産チェーン全体の食品安全を確保する対策を確立するよう呼びかける

PANAFTOSA calls on countries to establish measures to guarantee food safety throughout the production chain

5 Jun 2020

https://www.paho.org/en/news/5-6-2020-panaftosa-calls-countries-establish-measures-guarantee-food-safety-throughout

世界食品安全デーは伝統的市場での安全な食品の重要性を強調し、COVID-19パンデミック中の食品の継続的供給を促す生産チェーンの労働者の役割を認識する

伝統的市場は、低所得集団にとって食品の供給源で収入源であるが、同時に、特に生きた動物を売るような市場は、動物からヒトへの病気の伝達リスクがある

 

[FTC]FTCはコロナウイルスに関連する健康と金儲けの宣伝についてマルチ商法事業者に2回目の警告文書を送る

FTC Sends Second Round of Warning Letters to Multi-Level Marketers Regarding Coronavirus Related Health and Earnings Claims

June 5, 2020

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2020/06/second-round-warning-letters-to-mlms-regarding-coronavirus

パンデミックに反応して詐欺的宣伝をしている6つの事業者に文書を送る

Isagenix International LLC

The Juice Plus+ Company

Melaleuca, Inc.

Youngevity International, Inc.

Vivri USA, LLC

Plexus Worldwide, LLC

(免疫強化サプリ、という宣伝が多い、スペイン語含む)

 

[NTP]ニュースレター

NTP Update

June 2020

https://ntp.niehs.nih.gov/update/index.html

・オンラインSOT

・GEMSオンライン学会5月12日

David Berube博士パンデミックコミュニケーションについて語る

Fauci博士がいて幸いだった。人々には正確でバイアスのない事実の、科学的医学的情報が必要。パンデミックの効果的コミュニケーションにとって障害になるのはそれが滅多にないことなのでサンプルが少なく研究が困難・しばしば途上国でおこる・複雑・信頼は失うのは簡単だが得るのは難しい・デマが多すぎる・デジタルメディアの問題、の6つ

 

[FSSAI]Goa, Gujarat およびChandigarhが食品の安全でリードしている:世界食品安全デーにランキング発表

Goa, Gujarat and Chandigarh lead in food safety: Rankings declared on World Food Safety Day

June 07, 2020

https://fssai.gov.in/upload/press_release/2020/06/5edccd7cdcba8Press_Release_Food_Safety_Day_07_06_2020.pdf

FSSAIは世界食品安全デーに第二回州食品安全指数の結果を発表した

 

-メディアコーナー

FSSAIは蜂蜜への誤使用を止めるためゴールデンシロップの輸入について明確にする

FSSAI seeks clarity on import of golden syrup to stop misuse in honey  

Dated: 04-06-2020

https://fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_News_Syrup_FNB_05_06_2020.pdf

ゴールデンシロップ/転化糖シロップ/ライスシロップが蜂蜜に使われているという苦情を受け取ったFSSAIはこれらの輸入業者に明確化を求める命令を出した。輸入製品のエンドユーザーの詳細を示す文書を提出する必要がある

(蜂蜜を必要以上に有り難がらなければこういう問題はおきないのだけれど。菌も汚染物質もふくまないシロップの方が「安全」で安いよ)

 

論文

-PFASはYadkin-Pee Dee川フードチェーンの全体に存在する

PFAS present throughout the Yadkin-Pee Dee river food chain

5-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/ncsu-ppt060520.php

Environmental Science and Technology

水、沈殿物、藻類、植物、昆虫、魚、ザリガニ、軟体動物を流域5か所で採取して14種のPFASを測定した

 

-何千トンもの海洋汚染は洗濯習慣を変えることで減らせる

Thousands of tons of ocean pollution can be saved by changing washing habits

5-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/nu-tot060520.php

毎年欧州の海洋環境に約13000トンにマイクロファイバーが放出されている

PLOS ONE

標準的洗濯で1kgの衣類を洗うと114mgのマイクロファイバーが放出される。しかし標準の85分40℃の洗濯を30分15℃に変えると30%減る

放出される繊維の96%は木綿やウールなどの天然繊維でナイロンやポリエステルなどの合成繊維は4%。ただし天然繊維は分解されるのが早い。

 

-食品サプリメントによる急性肝不全

[Acute liver failure due to food supplements].

Peters CP, et al.

Ned Tijdschr Geneeskd. 2019 Apr 10;163.

オランダからの報告。女性二人が植物抽出物サプリメントを使用して短期間で肝不全になり肝移植になった

 

-グミキャンディーの魚コラーゲンによるアナフィラキシーの症例

A case of anaphylaxis due to fish collagen in a gummy candy.

Abe N, et al.

Allergol Int. 2020 Jan;69(1):146-147.

日本

 

-G6PD欠損の子どもでのおそらくブルーベリー誘発性の溶血:症例報告

Probable blueberry-induced haemolysis in a G6PD deficient child: A case report.

Babu T, et al.

Nutr Health. 2019 Dec;25(4):303-305.

生鮮ブルーベリーを食べて半日で血尿

 

-イチョウ葉に関連する低ナトリウム血症:ハーブサプリメントが無害ではないことの再確認

Ginkgo biloba-related hyponatraemia: a reminder that herbal supplements are not benign.

Hamilton N et al.,

Intern Med J. 2019 Nov;49(11):1458-1460.

ニュージーランドからの症例報告

 

その他

-コンシューマーラボ

製品レビュー ビタミンCサプリメントレビュー

Vitamin C Supplements Review

Initial Posting: 6/5/20  Reviewed and edited by Tod Cooperman, M.D.

https://www.consumerlab.com/reviews/vitamin-C_supplement_review/vitaminc/

COVID-19特別セクション:コロナウイルス対策のためにビタミンCをとるべきか?

ビタミンCが免疫系の健康維持に役割を果たすことから一部の人達がCOVID-19予防にビタミンCを宣伝している.そのような効果は証明されていない

 

-若者のための心理療法における疑わしい主張パートIII:外面化問題と日々のルーチン

Dubious Claims In Psychotherapy For Youth Part III: Externalizing Issues And Daily Routines

Stephen Hupp, et al, From: Volume 44, No. 3 May / June 2020

https://skepticalinquirer.org/2020/05/dubious-claims-in-psychotherapy-for-youth-part-iii-externalizing-issues-and-daily-routines/

書籍「子どもと青少年の心理療法における疑似科学」から

・食事:保護者は子どもにGMOを与えないようにすべきか?

・食事:食べ物も水もなく空気だけで生きられるか?

・トイレ:自己指圧で便秘が治る?

・睡眠:寝ている間に宇宙人が誘拐しに来る?

・好ましくない行動:嘘をつくことは常に心理的問題の兆候?

・薬物使用:特別なゴーグルで不適切運転を予防できる?

 

-Ty Bollingerの陰謀を暴く(マスクをしない)

Ty Bollinger Unmasked

Stephen Barrett, M.D. June 3, 2020

https://quackwatch.org/11ind/ty-bollinger-unmasked/

TheTruthAboutCancerというウェブとフェイスブックを運営していて110万人以上のフォローワーがいるTy Bollinger(自然療法推進者、本は日本語訳もされている)がCOVID-19対策としてのマスクをしないよう呼びかけていることへの批判。まだ開発されていないワクチンについても接種しないよう言っているらしい。

(Ty Bollingerの本を翻訳している三木さんの翻訳リストhttp://officemiki.com/books/をみると大麻とかスピリチュアルとか。医学については医学書を読むべし)

 

-The Lancet

ロシアのCOVID-19アウトブレイクからの顕著な教訓

Salient lessons from Russia's COVID-19 outbreak

EDITORIAL| VOLUME 395, ISSUE 10239, P1739, JUNE 06, 2020

ロシアのCOVID-19情報主任Alexander Myasnikovは4月半ばにロシア人がこのウイルスに罹ることはあり得ない、ロシアでの拡大の可能性は0.0%だと言った。6月2日時点でロシアの症例は423186で世界で3番目に多いが死者は比較的少ない。ロシアでの流行の急速な拡大は医療システムの強さと弱点を示し、伝統的に強力だったロシアのリーダーシップが新たな課題に直面していることを示す。

自信にはいくつかの根拠があった。中国とロシアの国境は1月30日から早期に遮断されていて人口密度は低くロシアの公衆衛生は強かった。多くの国がここ数十年公衆衛生システムを削減してきていたのに対してロシアは時代遅れながらも多くを維持していた.例えばロシアの検査能力は大きく、迅速に拡大し、これまで1000万以上も検査を行い国内の200以上の検査室が即日検査結果を出している。それが報告されている症例の多さの一部を説明する。

しかし多くの国同様個人防護装備(PPE)は不足し医療従事者の感染死亡率は高く酸素吸入器は不足し古い。また地域による差が大きく公衆衛生メッセージを伝えることに問題がある

(そんなこと言ってたのか・・でも欧米だって中国や日本よりうまくやれると思ってたよね。)

 

-Bayerと英国農業組合はネオニコチノイド禁止を覆そうと戦う

Bayer and NFU battling to overturn neonicotinoids ban

Philip Case 04 June 2020

https://www.fwi.co.uk/arable/crop-management/bayer-and-nfu-battling-to-overturn-neonicotinoids-ban

EUのネオニコチノイドの全ての戸外使用禁止についてバイエルとNFUが欧州司法裁判所European Court of Justice (ECJ)に6月3日上訴

2018年にバイエルとシンジェンタが法廷に訴えていたが欧州一般裁判所は「予防原則」の正しい適用だとして退けていた。

一方グリーンNGOのBeeLife, BugLife, Greenpeace および Pesticide Action Network Europeは禁止を支持。

 

-Covid-19の間カナダのジャンクフード摂取、飲酒、喫煙が増加した:調査

Canada’s junk food consumption, alcohol and tobacco intake rises amid Covid-19: Survey

Jun 08, 2020

https://www.hindustantimes.com/world-news/canada-s-junk-food-consumption-alcohol-and-tobacco-intake-rises-amid-covid-19-survey/story-VUrWBSh4fO2LerXKLHKgXI.html

政府の調査に保健当局が警鐘を鳴らす

 

-イングランドのコロナウイルス関連死の半分以上が介護施設の人々だろう

More than half of England’s coronavirus-related deaths will be people from care homes

Michael Savage Published onSun 7 Jun 2020 0

https://www.theguardian.com/society/2020/jun/07/more-than-half-of-englands-coronavirus-related-deaths-will-be-people-from-care-homes

推定では6月末までに英国全体で59000人近くがCovid-19感染で死亡するがそのうち57%の34000人が介護施設だろう。この推定はLaingBuissonによるもので統計局のデータに基づく。この新しい研究はパンデミック初期に介護施設を守ることに失敗したのではという懸念の高まりと軌を一にする。データによると3月半ばに病院のベッドを空けるため病院に入院していた患者は感染状況が不明なまま施設に戻され、危機のピーク時には通常の医療は単純に提供されなかった。介護施設の住人は原因に関わらず重症の場合はDNR(蘇生しない)を選ぶよう指示された。

(以下略)

 

-COVID-19感染が「広範に」おこっている地域に住む人はマスクをすべき、とWHOがいう

Anyone Living in Areas With 'Widespread' COVID-19 Transmission Should Wear Masks, WHO Says

BY JAMIE DUCHARME

JUNE 5, 2020

https://time.com/5849010/masks-who/

多くの都市や国が住人に、COVID-19感染拡大を予防するため健康であっても布のマスクをするよう指示してから何ヶ月も経って、WHOが世界向けに同様のガイドを発表した。

6月5日の記者会見でWHO事務局長Tedros Adhanom Ghebreyesus博士が述べた

これまでWHOは症状のある人や患者をケアする人にのみマスクを勧めていた。多くの地域では既により広範な方針を実施していたにも関わらず。例えばCDCが広範な布のマスクを最初に勧めたのは4月3日である。

このWHOの遅れは世界全体向けに公衆衛生ガイダンスを立案し伝えることの難しさを描き出す。WHOのCOVID-19技術指導者Maria Van Kerkhove博士はTIMEに対して「全ての助言はあらゆる状況に適応可能である必要がある.全ての人にとって適切なガイダンスを提供する必要がある」と言う。

マスクは特に議論の多いトピックだった。最初はほとんどの健康担当者は一般人のマスクを強く否定した-主に供給に問題があったためであるが一部の研究者は根拠が十分でないと言った。しかし症状のない人からうつることとフェイスマスクの有効性についての研究が増えると多くの医療団体は意見を変えた。それでもまだWHOの最新ガイドラインにも灰色部分はある。例えば感染が広がっている地域の人だけにマスクを勧めているがそれは実際どういうこと?

(以下略。WHOのガイドラインではNZはマスク必要ない、となるが)

 

-SMC NZ

ニュージーランドに活性のあるCOVID-19症例はない-専門家の反応

No active COVID-19 cases in New Zealand – Expert Reaction

Published: 08 June 2020

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2020/06/08/no-active-covid-19-cases-in-new-zealand-expert-reaction/

保健省が本日発表

最後のコロナウイルス患者が48時間症状無しになり回復したとみなされた。このことでニュージーランドが世界で初の、相当影響はあったが患者がいなくなった国になった。最初の患者が報告されてから3ヶ月でこれからアラートレベル1への移行が決定されるだろう

(専門家の意見略。それでも外出への不安は高く経済活動への影響は続きマスク推奨らしい。これから冬。やりすぎの声も出ている)

 

-Scienceニュース

中絶反対者がCOVID-19ワクチンの胎児細胞使用に抗議

Abortion opponents protest COVID-19 vaccines’ use of fetal cells

By Meredith WadmanJun. 5, 2020

https://www.sciencemag.org/news/2020/06/abortion-opponents-protest-covid-19-vaccines-use-fetal-cells

米国とカナダのカトリック教会リーダー等反中絶団体がCOVID-19ワクチン候補として期待されているものが、数十年前に選択的に中絶されたヒト胎児由来の細胞を使って作られたことに倫理的反対をしている

中絶胎児由来の細胞は1960年代からワクチン製造に使われていて現在の風疹や水痘、A型肝炎、帯状疱疹ワクチンなどもそうである。また医薬品にも使われてきた。

これまでCOVID-19のワクチン候補は130以上ありそのうち10が6月2日時点で臨床試験に入っている。そのうち少なくとも5つがHEK-293あるいはPER.c6細胞を使っている