2020-11-20

[EFSA]リスクコミュニケーションのエキスパートとスペシャリストへの呼びかけ

Calling on risk communication experts and specialists

19 November 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/news/calling-risk-communication-experts-and-specialists

EFSAの社会科学者達はリスクコミュニケーション理論と最良実践の評価案を完成した。この作業は、EUの食品安全に関する2019年の透明性規制、すなわち「リスクコミュニケーションの一般計画」の欧州委員会の新しい規定の実践を支援する。

コメントの締め切りは2021年1月17日である。

 

・パブリックコメント募集:リスクコミュニケーション分野の技術支援に関する科学的報告書案

Public consultation: draft scientific report on technical assistance in the field of risk communication

19 November 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/consultations/call/public-consultation-draft-scientific-report-technical-assistance

私達はリスクコミュニケーションと科学コミュニケーションのエキスパートとスペシャリストに、この科学的報告書案に関するレビューやコメントを求めている。これには国、EU、国際的なリスク評価やリスク管理公的機関の実践者が含まれる。この文書は以下のようなEU食品安全リスクコミュニケーションの重要問題を含むピアレビューされた文献と灰色文献(通常の出版物ルートにのらず入手が難しい資料)からの証拠の調査を提供している。

・EUの食品安全の意識、理解、自信を高める

・「ハザード」と「リスク」の違いのを伝える

・虚偽の情報とその情報源に取り組む

・様々な対象者のリスク認識を考慮する

・様々な対象者に向けて、ニーズに合わせて情報を調整する

・EU全体のリスクコミュニケーションの計画と運用のためのツールを開発する

透明性規制では、一般計画は「EUと国家両方のレベルで首尾一貫した体系的な方法でリスク評価者とリスク管理者両方が従う、統一したリスクコミュニケーションの枠組みを促進する必要がある」と述べている。このコメント募集後にEFSAの社会科学者たちは、2021年3月/4月に予定されているこの科学的報告書最終化までにフィードバックをレビューする予定である。

 

[EFSA]意見

使用後のPETを食品と接触する物質へリサイクルするために使用されるStarlinger deCONテクノロジーに基づくSevern Valley Polymersプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process Severn Valley Polymers, based on Starlinger deCON technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2020;18(11):6308  18 November 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6308

このプロセスから得られるリサイクルPETを室温で長期保存される全ての種類の食品と接触する物質の製造に100%使用しても、安全上の懸念とはならない。このリサイクルされたPETで作られた最終製品は電子レンジやオーブンで使用することを意図しておらず、そのような使用はこの評価の対象外である。

 

[CFIA]2020-11-18食品安全検査報告

2020-11-18 Food Safety Testing Bulletin

https://www.inspection.gc.ca/food-safety-for-industry/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-bulletins/2020-11-18/eng/1605213660152/1605213828598

 

-牛乳代替製品中の非表示の牛乳―2018年4月1日~2019年3月31日

Undeclared Milk in Milk Alternative Products – April 1, 2018 to March 31, 2019

2020-11-18

https://www.inspection.gc.ca/food-safety-for-industry/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-bulletins/april-1-2018-to-march-31-2019/eng/1603204718608/1603204810981

この調査の主な目的は、牛乳代替製品中の非表示の牛乳の存在と量に関するさらなる情報を得ることである。調べた252サンプルのうち6に表示されていないβ-ラクトグロブリン(BLG)および/またはカゼインが含まれていることが分かった。これらの調査の過程で得たすべての陽性結果が、その量がアレルギーのあるヒトに健康上の懸念をもたらすかどうか判断するためにCFIAの食品安全リコール室(OFSR)に送られた。CFIAが行ったフォローアップ活動の範囲は、健康リスク評価が定めたように、汚染量や結果として生じる健康上の懸念に基づいている。BLGとカゼイン両方を含む乳製品を含まないチョコレート1サンプルと乳製品を含まないアイスクリーム2サンプルが健康上のリスクを示すとみなされ、リコールされた。

 

-粉末ジュース中の非表示のアレルゲン―2017年4月1日~2018年3月31日

Undeclared Allergens in Drink Mixes - April 1, 2017 to March 31, 2018

2020-11-18

https://www.inspection.gc.ca/food-safety-for-industry/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-bulletins/april-1-2017-to-march-31-2018/eng/1603297272495/1603297413410

この調査の主な目的は、ホット及びコールドの粉末ジュース製品中の非表示のアレルゲンの存在と量に関するベースライン情報を得ることである。調べた360サンプルのうち25に乳タンパク質β-ラクトグロブリン(BLG)とカゼインや、グルテン、卵、ダイズなど、非表示のアレルゲンが含まれていることが分かった。ほとんどの陽性結果はコールド粉末ジュース製品中にグルテンが存在することを示した。20 ppm以上のグルテンの陽性結果7、BLGの陽性結果3、カゼインの陽性結果3、卵の陽性結果1、ダイズの陽性結果7が、その量がアレルギーのあるヒトに健康上の懸念をもたらすかどうかを判断するためにCFIAの食品安全リコール室(OFSR)に送られた。6製品が健康リスクを示すとみなされリコールされた。ホット粉末ジュース2製品とコールド粉末ジュース1製品が非表示のグルテンで、コールド粉末ジュース2製品が非表示の牛乳で、ホット粉末ジュース1製品が非表示のダイズでリコールされた。

 

-乳児用食品中の非表示のグルテン―2017年4月1日~2018年3月31日

Undeclared Gluten in Infant Foods - April 1, 2017 to March 31, 2018

2020-11-18

https://www.inspection.gc.ca/food-safety-for-industry/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-bulletins/april-1-2017-to-march-31-2018/eng/1603298995032/1603299078989

この調査の主な目的は、グルテンフリーの乳児用食品中の非表示のグルテンの存在と量に関するベースライン情報を得ることである。調べた600サンプルのうち10サンプルに表示されていないグルテンが含まれていることが分かった。これらの10サンプルのうち8は乳児用シリアルで、様々なロット番号の同じ製品だった。グルテン20 ppm以上の5つの陽性結果が、その量がアレルギーのあるヒトに健康上の懸念をもたらすかどうかを判断するためにCFIAの食品安全リコール室(OFSR)に送られた。この調査の表示されていないグルテンが含まれる乳児用シリアル1製品の全てのロット番号が健康リスクを示すとみなされ、リコールされた。

 

-種子、マメ科植物、ピーナッツをベースにしたバター中の非表示のアレルゲン―2015年4月1日~2016年3月31日

Undeclared Allergens in Seed, Legume and Peanut-Based Butters - April 1, 2015 to March 31, 2016

2020-11-18

https://www.inspection.gc.ca/food-safety-for-industry/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-bulletins/april-1-2015-to-march-31-2016/eng/1603298160271/1603298339226

この調査の主な目的は、種子から作られたバターの非表示のアーモンド、ヘーゼルナッツ、ゴマの存在と量に関するベースライン情報を得ることである。248サンプルが調べられ、非表示のアレルゲンを含むサンプルはなかった。これらの調査の過程で得られた陽性結果は、その量がアレルギーのあるヒトに健康上の懸念をもたらすかどうかを判断するためにCFIAの食品安全リコール室(OFSR)に送られることになっている。CFIAが取るフォローアップ活動の範囲は、健康リスク評価が定めたように、汚染の深刻さとその結果生じる健康上の懸念に基づいている。この調査で調べた製品に非表示のアーモンド、ヘーゼルナッツ、ゴマの陽性はなく、消費者への健康リスクが特定された。

 

-加工した魚介類中の非表示のアレルゲン―2015年4月1日~2016年3月31日

Undeclared Allergens and Gluten in Processed Fish and Seafood – April 1, 2015 to March 31, 2016

2020-11-18

https://www.inspection.gc.ca/food-safety-for-industry/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-bulletins/april-1-2015-to-march-31-2016/eng/1603204318892/1603204453819

この調査の主な目的は、包装済の魚介類加工品中の非表示のβ-ラクトグロブリン(BLG)(乳タンパク質の一種)、卵、ダイズ、グルテンの存在と量に関するベースライン情報を得ることである。調べた600サンプルのうち、およそ26に表示されていないアレルゲンが含まれていることが分かった。魚の干物で最も一般的なアレルゲンはBLGとグルテンで、冷凍魚製品では卵とダイズがより一般的だった。これらの調査の過程で得られたすべての陽性結果が、その量がアレルギーのあるヒトに健康上の懸念をもたらすかどうかを判断するためにCFIAの食品安全リコール室(OFSR)に送られた。CFIAが取ったフォローアップ活動の範囲は、健康リスク評価が定めたように、汚染の量と結果として生じる健康上の懸念に基づいている。この調査の非表示のグルテンや卵を含む14製品が健康リスクを示すとみなされ、リコールされた。

 

[CDC]5060万人の米国成人が現在タバコ製品を使っている

50.6 Million U.S. Adults Currently Use Tobacco Products

Thursday, November 19, 2020

https://www.cdc.gov/media/releases/2020/p1119-millions-use-tobacco.html

巻きたばこが2019年に最も多く使われたタバコ製品のまま

Tobacco Product Use Among Adults — United States, 2019

MMWR November 20, 2020 / 69(46);1736–1742

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/69/wr/mm6946a4.htm

 

[CDC]COVID-19アウトブレイクについてのCDC記者会見の議事録

Thursday, November 19, 2020

https://www.cdc.gov/media/releases/2020/t1118-covid-19-update.html

COVID-19は手強い敵で、我々は今やこれまで以上にこのウイルスに対抗する力を合わせなければならない。全てのアメリカ人が 距離を監視する、手を洗う、そして最も重要なことはマスクを着用する努力を強化することが重要である

(感謝祭の休日を前にして改めて注意喚起、出だし部分、MOST IMPORTANTLY WEAR A MASKって太字になってる)

 

[FSANZ]食品基準ニュース

Food Standards News November 2020

https://mailchi.mp/8f4e5f62c4e2/food-standards-news-november-1299626?e=21527ddb09

・オーストラリア食品安全週間 2020年11月14-21日

・食品事業者にCOVID-19安全管理計画の実施における経験について調査依頼

・食品安全文化コネクション最新号

https://mailchi.mp/62fc8efa7ba0/fscc-newsletter-edition-6

・新規食品

・食品施設のQRコード 

今月初めからNSW政府が全ての食品事業者に施設内での接触追跡のためにQRコードを導入するよう要求している。不明なことがあれば地元当局に確認するように

・各種意見募集

 

[EU]健康を一目で:欧州

Health at a Glance: Europe

https://ec.europa.eu/health/state/glance_en

2020年報告書発表

-要約

Executive summary

https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/state/docs/2020_healthatglance_sum_en.pdf

COVID‑19

2020年10月末までにEU全体プラスアイスランド、ノルウェー、スイス、英国で700万人がCOVID‑19に感染し22万人が死亡した。COVID‑19の健康と経済への影響を最小限に管理できた国はごく僅かしかない。COVID‑19の死亡には明確な社会的勾配がある。

大気汚染の健康と福祉への影響

その他健康リスク要因 タバコ、肥満

-ファクトシート

Factsheet

https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/state/docs/2020_healthatglance_factsheet_en.pdf

 

[WHO]COVID-19対応におけるデータ保護とプライバシーについての共同声明

Joint Statement on Data Protection and Privacy in the COVID-19 Response

19 November 2020

https://www.who.int/news/item/19-11-2020-joint-statement-on-data-protection-and-privacy-in-the-covid-19-response

COVID-19パンデミック対応におけるデータの収集や利用は人権と法を尊重せよ、といった趣旨

 

論文

-ミールキットは正しく機能しているか?

Do meal kits tick right boxes?

19-NOV-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-11/fu-dmk111920.php

イエス、ただしエネルギーと塩の量に注意

パンデミック中に自宅での調理習慣を養うため簡単な食事キットの配達サービスが役立つ。Health Promotion Internationalに発表されたオーストラリアの研究で、人気のあるミールキットの一年分のレシピの栄養や調理時間を評価した。典型的なレシピは約9種類の成分を含み、野菜は3種、自宅の常備品から3種を使い、調理時間は約35分、脂肪とタンパク質由来のエネルギーが比較滝高くナトリウムはオーストラリアの目標値(<2000 mg)を超過する

 

-巨大毒ラットの秘密の社会生活

The secret social lives of giant poisonous rats

19-NOV-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-11/uou-tss111920.php

アフリカとさかのあるラット(Lophiomys imhausi)は数ミリグラムでヒトを殺せる毒をもつ。Journal of Mammologyに発表された論文によるとこのラットは哺乳類で唯一防御のために植物毒素を隠し持つことが知られていて、一夫一婦で家族を形成しているようだ。

矢毒に使われたAcokanthera schimperiの強心配糖体を毛につけている

(動画あり)

 

-マンゴを食べることは女性の顔のしわを減らせるか?

Can eating mangoes reduce women's facial wrinkles?

19-NOV-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-11/uoc--cem111920.php

全国マンゴ委員会が出資したカリフォルニア大学デービス校での予備的試験。28人の閉経後女性に16週間85gあるいは250gのマンゴを食べてもらって顔の皮膚のしわの変化を調べた(対照群はない)。その結果85g群ではベースラインに比べてしわの重症度が減ったが250g群では増えた。

Prospective Evaluation of Mango Fruit Intake on Facial Wrinkles and Erythema in Postmenopausal Women: A Randomized Clinical Pilot Study

https://www.mdpi.com/2072-6643/12/11/3381

(これって宣伝になる?)

 

Science

-ニュース

新しい遺伝的ツールが養殖魚、牡蠣、エビを改善できるだろう。ここに期待されることを示す

New genetic tools will deliver improved farmed fish, oysters, and shrimp. Here’s what to expect

By Erik StokstadNov. 19, 2020

https://www.sciencemag.org/news/2020/11/new-genetic-tools-will-deliver-improved-farmed-fish-oysters-and-shrimp-here-s-what

養殖に適したサーモンの開発が現在のサーモン事業の拡大につながった。水産養殖分野での品種改良はあまり進んでいないため可能性が大きい。ゲノム選別により品種改良が加速している。早く大きくなるティラピア、病気や寄生虫に強いサーモン、子どもを作らないことで余分なエネルギーを使わず野生生物に影響しない、骨のない切り身を作る、等

 

-ポリシーフォーラム

ゲノム編集作物のコミュニティ主導ガバナンス

Community-led governance for gene-edited crops

Jennifer Kuzma, Khara Grieger

Science  20 Nov 2020:Vol. 370, Issue 6519, pp. 916-918

 

-エディトリアル

考えすぎないように

Let's not overthink this

Holden Thorp

Science  20 Nov 2020:Vol. 370, Issue 6519, pp. 887

2020年米国大統領選挙を一部の外野が科学についてのものだと考えている。Bidenの勝利を科学への支持だと考えている人がいる。しかし本当に科学が問われたのか?おそらく考えすぎないのがベストだろう

(以下略。Natureの姿勢への反論?外野ほど単純化しがち。)

 

Nature

ニュース&ビューズ

ヒト健康に影響する腸内微生物の同定

Identifying gut microbes that affect human health

Sigal Leviatan & Eran Segal

Nature 587, 373-374 (2020)

腸内微生物がヒト健康に影響するかどうかを決めるとき、因果関係と相関関係を区別するのは難しい。病気に関連するヒトの性質や習慣と微生物の関連を解析することで一歩前進。

 

-宿主の変数がヒト疾患と腸内微生物叢研究に交絡する

Host variables confound gut microbiota studies of human disease

Ivan Vujkovic-Cvijin

Nature volume 587, pages448–454(2020)

(「前」進かどうかはわからないけれど。現時点で善玉菌食べて健康に、とか宣伝してるのは科学ではない)

 

SMC UK

SARS-CoV-2拡散コントロールに役立てるための公衆衛生対策としてのマスクの使用を評価するのにRCT (DANMASK-19)をつかった論文への専門家の反応

expert reaction to paper using an RCT to assess mask use as a public health measure to help control SARS-CoV-2 spread (DANMASK-19)

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-paper-using-an-rct-to-assess-mask-use-as-a-public-health-measure-to-help-control-sars-cov-2-spread-danmask-19/

Annals of Internal Medicineに発表されたデンマークのマスクのRCTについて

(10人もの専門家から長いコメントを集めている。一部のメディアが報道しているような、マスクに効果は無いからマスク義務は廃止するべきだという主張に使われてはならない、マスクの効果を過剰に期待せず他の対策を疎かにしないこと、等

マスクの議論はまだ続く)