2020-06-16

[EU]食品の寄付を含む食品小売り活動のための食品安全管理システムのガイダンスを提供する委員会通知

Commission Notice providing guidance on food safety management systems for food retail activities, including food donations 2020/C 199/01

12.6.2020

https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX:52020XC0612(08)

フードバンクなどの慈善団体での基本的食品衛生とHACCP基本原則に基づくセルフチェックシステムの実施に関するガイドライン

・取り扱う食品の種類別にフローダイアグラムがある

(このフローダイアグラムの枠の形で工程・出発と終わり・製品・意思決定を分けるやりかたは日本の手引き書にはあまりない)

・ハザードは生物・化学・物理・アレルゲンの四分類

(その方が理解しやすいかも)

 

[BfR] 日焼け止めは保護するが健康リスクはあるか?

Sun cream protects, but are there health risks?

17/2020, 28.05.2020

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2020/17/sun_cream_protects__but_are_there_health_risks_-246575.html

ドイツ連邦リスク評価研究所は最も重要な疑問に答える

日光が強い場合、ビーチ、公園あるいはバルコニーにいて、日焼けは避けられない。これを避けるために、皮膚を覆わない場合、日焼け止めで保護すべきである。気象の夏の始まりなので、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は日焼け止め製品の健康リスクについての最も重要なよくある質問をまとめた。

:日焼け止めはどのように紫外線放射から体を保護するのか?使用される紫外線フィルター物質は健康に有害なのか?使用されるナノ物質の二酸化チタンはどう評価されるべきか?そもそも日焼け止め製品は検査されるのか?これらやその他の疑問に対する回答がBfRのウェブサイトで閲覧できる。「日に当たるならば、紫外線放射から身を守るべきである。日焼け止めは紫外線フィルターで皮膚を保護する。紫外線フィルターは欧州連合の科学委員会により評価され、安全である。」とBfR代表のAndreas Hensel教授は述べる。

さらに、ドイツ連邦放射線防護庁(BfS)によると、日焼けから身を守る最も良い方法は、太陽からの強い紫外線を避けることである。長時間外出する場合、皮膚は布で覆い、覆われない部分は日焼け止めをつけるべきである。

日焼け止め製品に関するQ&A(ドイツ連邦リスク評価研究所):

https://www.bfr.bund.de/cm/349/sun-cream-and-similar-products-are-there-health-risks.pdf (53.7 KB)

紫外線保護に関するヒントと追加情報(ドイツ連邦放射線防護庁):

https://www.bfs.de/EN/topics/opt/uv/protection/protection_node.html;jsessionid=91F61976B214CF4DC49E16BFB3B8B6C1.2_cid391

日焼け止め製品はフィルター物質を含む。日焼け止めは太陽のUV光線を皮膚まで到達させない。有機化合物系フィルターと鉱物フィルターは区別しなければならない。例えば、オクチノキサートのような有機化合物フィルターは分子が太陽放射を吸収し、それを熱に変える。二酸化チタンのような鉱物フィルターは小さな鏡のように太陽光線を反射する。日焼け止め製品は化学物質と鉱物の紫外線フィルターを含む場合が多い。現在の科学的知見では、欧州連合で使用されるこれらの日焼け止め製品の紫外線フィルターによる健康障害は予測されていない。理由:紫外線フィルターは、健康リスクを調査し、欧州レベルで使用される前に科学的に評価されなければならないためである。

 

[BfR]コロナウイルス:多くは心配していないがまだ警戒はしている

Coronavirus: The majority is not worried, but still cautious

15.06.2020

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2020/22/coronavirus__the_majority_is_not_worried__but_still_cautious-247838.html

BfRコロナモニター

(マスクしている人が94%もいる。定着するかな?)

 

[WHO]妊娠、出産、授乳とCOVID-19

Pregnancy, Childbirth, breastfeeding and COVID-19

https://www.who.int/reproductivehealth/publications/emergencies/COVID-19-pregnancy-ipc-breastfeeding-infographics/en/

 

-Q&A: Breastfeeding and COVID-19

https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/question-and-answers-hub/q-a-detail/q-a-on-covid-19-and-breastfeeding

 

(なおCDCのガイダンスではCOVID-19確定の母親から新生児への感染を避けるために分離を勧めている。WHOは何が何でも母乳でないといけないと考えているので母子は離さない。どちらを選ぶ?

Interim Guidance on Breastfeeding and Breast Milk Feeds in the Context of COVID-19

https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/care-for-breastfeeding-women.html

 

[EPA]EPAはAmazonとeBayにある種の農薬製品の販売を中止するよう命令

EPA Orders Amazon and eBay to Stop Sale of Certain Pesticide Products

06/11/2020

https://www.epa.gov/newsreleases/epa-orders-amazon-and-ebay-stop-sale-certain-pesticide-products-0

虚偽あるいは誤解を招く宣伝でコロナウイルスから守るという

 

(製品の写真が掲載されているのだがウイルスシャットアウトって日本の製品。世界中でインチキ製品として有名になっていてほんとうに日本の恥。消費者庁も何度も警告しているのに

https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_200515_02.pdf.pdf

 

論文

-「低リスク」飲酒でも有害

Even 'low-risk' drinking can be harmful

15-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/joso-ed060820.php

Journal of Studies on Alcohol and Drugsに発表されたカナダの研究。カナダ政府の低リスク飲酒ガイドラインは女性が週に10杯男性が週に15杯までとアメリカのガイドラインよりやや多い。このガイドラインに収まっていても飲酒に関連した死亡や障害がおこっている

 

-研究者らがデザイナードラッグ使用の心配な傾向を洗い出す

Researchers flush out worrying trend of designer drug use

15-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/uosa-rfo061520.php

過去3年でオーストラリアの都市部および地方の下水から15の新規向精神物質(NPS)が発見されている。Science of the Total Environment

 

-アフリカ系アメリカ人の患者の証明されていないCOVID-19治療法はリスクとなる

Use of unproven COVID-19 therapies by African American patients poses risks

15-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/e-uou061520.php

Heart Rhythm。アフリカ系アメリカ人の10人に1人近くは遺伝的に心室性不整脈と心臓突然死リスクが高く、そのことがCOVID-19パンデミックでの人種による不平等に寄与している可能性がある。さらにヒドロキシクロロキンのような薬物の副作用もリスクが高い可能性がある

 

-Natureワールドビュー

良い知らせ:米国の教室が進化に熱心になりつつある、一部は科学者のアウトリーチ活動によって

Good news: US classrooms are warming to evolution, thanks in part to scientist outreach

11 JUNE 2020

https://www.nature.com/articles/d41586-020-01454-x

見解の主張には効果がある、しかしデマから守るにはもっとしなければならない

デマが優勢に見える時期、何十年にもわたる科学コミュニティの努力が実を結びつつある。6月10日に発表された結果は、米国の中等学校の生物の教師のうち創造論を進化論の代わりになる科学的に妥当なものだと教えている割合が2007年の32%から2019年には18%に減った(E. Plutzer et al. Evo. Edu. Outreach 13, 14; 2020).

(まだそんなにいるのか、と思うけれど)

 

-健康的食パターンと心血管系疾患リスクの関連

Association Between Healthy Eating Patterns and Risk of Cardiovascular Disease

Zhilei Shan, et al., JAMA Intern Med. Published online June 15, 2020. doi:10.1001/jamainternmed.2020.2176

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2767106

Nurses’ Health Study, Nurses’ Health Study II, および Health Professionals Follow-up Studyの女性165794人と男性43339人最大32年のフォローアップデータから、多様な健康的食生活パターンが心血管系疾患リスクの低さと関連した。伝統や好みによって多数の健康的食事パターンが採用できることを意味する

 

その他

- Scienceニュース

NIHの外国との結びつき調査の結果、54人の科学者が失職

Fifty-four scientists have lost their jobs as a result of NIH probe into foreign ties

By Jeffrey MervisJun. 12, 2020

https://www.sciencemag.org/news/2020/06/fifty-four-scientists-have-lost-their-jobs-result-nih-probe-foreign-ties

外国政府からの資金的つながりを開示しなかったことで54人が辞職または解雇されたが、そのうち93%が中国の組織からの資金提供を隠していた。多くが50代のアジア人男性

 

FDAはTrumpお気に入りのCOVID-19薬を却下

FDA just gave a thumbs down to Trump’s favorite COVID-19 drugs

By John TravisJun. 15, 2020

https://www.sciencemag.org/news/2020/06/fda-just-gave-thumbs-down-trump-s-favorite-covid-19-drugs

 

参考:FDA

コロナウイルス(COVID-19)更新:FDAはクロロキンとヒドロキシクロロキンの緊急使用認可を取り消す

Coronavirus (COVID-19) Update: FDA Revokes Emergency Use Authorization for Chloroquine and Hydroxychloroquine

June 15, 2020

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-fda-revokes-emergency-use-authorization-chloroquine-and

クロロキンとヒドロキシクロロキンはCOVID-19治療に有効である可能性はありそうにない。さらに重大な心臓への有害事象やその他の重大な副作用を考えると最早既知および可能性のあるベネフィットが既知および可能性のあるリスクを上回らない

(既に世界中でどれだけ使われたんだろう・・フランスとアメリカが認めたのが大きかった)

 

-あなたの美味しい朝のカップ一杯の殺虫剤はCOVIDを引き起こしたり予防したりしないだろう

ACSH

Your Yummy Morning Cup Of Pesticide Won't Cause Or Prevent COVID

By Josh Bloom — June 15, 2020

https://www.acsh.org/news/2020/06/15/your-yummy-morning-cup-pesticide-wont-cause-or-prevent-covid-14848

パンデミックで世界が賢くなることはなかった。オンラインで殺虫剤がCOVIDの治療や予防用にと販売され人々がそれを買っている。殺虫剤については、おそらく今朝あなたは健康に影響ない量をとっただろう-そしてそれはDDTより毒性は高い。さあ飲み干そう!

前例のない世界的パンデミックの良い点を考えるのは困難だが、小さなことだが一つはある。植物ベースの、100%ナチュラル、GMOフリー、農薬フリーといった健康に関する熱狂的流行が減ったように見えることだ。人々が賢くなったのだろうか?もちろん違う。5G陰謀論などおかしな話は大量にある。数日前にEPAがAmazonとeBayにコロナウイルス対策に有効と宣伝している殺虫剤の販売を止めるよう命令した。

COVID予防に販売されていた二つの未承認製品は、空間除菌を宣伝したウイルスシャットアウトカードとコロナウイルスをその場で止めるXtreme-Bioという製品である。よく見るととても小さな字でCOVID-19に有効かどうかは調べていないと書いてある。

農薬がCOVIDを予防するという宣伝があるかと思えば一方では除草剤がCOVIDの原因であると主張する人達もいる。

農薬がCOVIDの原因でも予防法でもないことを知るのにあなたが有機化学者になる必要はない。おそらくあなたは今朝コーヒーを飲んだだろう-それには約95mgのカフェインが入っている。カフェインは天然の殺虫剤でとても良く効く。昆虫にカフェインをかけると死亡あるいは麻痺する。そして合成殺虫剤の方がカフェインより動物への毒性は低い。

 

-如何にしてGMO、ゲノム編集作物が発がん性の重金属を主食から排除できるか

How GMO, gene-edited crops can keep cancer-causing heavy metals out of staple foods

Dibakar Das | June 15, 2020

https://geneticliteracyproject.org/2020/06/15/how-gmo-gene-edited-crops-can-keep-cancer-causing-heavy-metals-out-of-staple-foods/

コメやコメをもとにした食品中のヒ素、カドミウム、鉛、水銀などの有害元素は重大な懸念で、喫緊の公衆衛生対策が必要である。

ヒ素はコメに相当量含まれ、欧米に比べてアジアのデータは少ないもののおそらく状況はより悪い。しかし最近の遺伝子工学やゲノム編集で有害金属含量の少ない作物を開発することができるようになった。ヒ素の少ないコメは既に開発されている

(以下技術の可能性についてと、現状は技術による公衆衛生改善を妨げているので政治の役割大)