[EFSA]EFSA NEWS
GM植物のアレルギー誘発性評価:作業グループを支援する関係者
Allergenicity assessment of GM plants: stakeholders to support working group
23 July 2020
EFSAは遺伝子組換え(GM)植物のアレルギー誘発性評価に関して近々開催される作業を支援するための関係者諮問グループを設立しているところである。このグループはプロセス中の様々な段階で協議し、この活動を担当するEFSAの科学作業グループに情報提供する。
関係者グループのメンバーの推薦は、登録されているEFSAの関係者組織や、アレルギー誘発性評価分野に関心のある非登録団体から受け付ける。詳細はこちら。
EFSAはアレルギー誘発性評価に関して繰り返される質問やGM植物のタンパク質の安全性を扱う予定である。現在のin vitroタンパク質消化試験の有用性やタンパク質の安全性評価のペプシン耐性試験に特に注意が払われる。
EFSAは、アレルギー誘発性評価や新しいタンパク質のタンパク質安全性評価の主なギャップ、さらなる作業/議論を必要とする重要な側面の強調、この話題に関する特定研究の必要性の策定も扱うことにしている。
加盟国の専門家もこの協議グループに含まれる。このグループはアレルギー誘発性作業グループのオンライン会議(現在の衛生状況による)や、2021年春開催予定のワークショップに招待されることになっている。
遺伝子組換え生物に関するEFSAのパネルは、アレルギー誘発性作業グループに2つの成果を作成するよう課した。すなわち、リスク評価のin vitroタンパク質消化の有用性に関する声明と、アレルギー誘発性評価分野の研究の必要性など、さらなる開発のために助言を提供する科学的意見や一般にタンパク質の安全性である。
EFSAは年末までにこの声明を、2021年夏までに助言に関する科学的意見を出す見込みである。
・EFSAのアレルギー誘発性特別関係者協議グループに専門家を推薦するためのEFSAの関係者組織への要請
Call to EFSA stakeholder organisations for nominating experts to the ad hoc EFSA Allergenicity Stakeholder Consultation Group
[EFSA]意見等
エトフェンプロックスの既存MRL改訂
Modification of the existing maximum residue level for etofenprox in plums
EFSA Journal 2020;18(7):6192 22 July 2020
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6192
妥当性が確認された定量限界(LOQ) 0.01 mg/kgでプラムのエトフェンプロックスの残留物を管理するのに利用可能な執行のための分析法が得られた。リスク評価結果に基づき、EFSAは報告された農業規範によるエトフェンプロックスの既存の用途による残留物の短期及び長期摂取は消費者の健康リスクになりそうもないと結論した。
[EU]RASFF Week30-2020
警報通知(Alert Notifications)
ベルギー産飼料用亜麻仁のシアン化物高含有(452 mg/kg)、ルーマニア産食品サプリメントの未承認物質タダラフィル(20 mg/item)、スウェーデン産冷凍原料ベトナム産解凍キハダマグロのヒスタミンによる食品由来アウトブレイク(>490; >1000 mg/kg)、ベルギー産原料イタリア産包装済有機トウモロコシ粉のフモニシン(2067 µg/kg)、ハンガリー産缶入り豆製品の着色料タートラジン(E102)及び着色料ブリリアントブルーFCF(E133)高含有、中国産オランダ経由冷凍マサバのヒスタミン(2464 mg/kg)、米国産英国経由アーモンド穀粒のアフラトキシン(B1 = 277; Tot. = 302 µg/kg)、中国産オランダ経由プラスチックアイスキューブで冷やした飲料の摂取による窒息リスク、スペイン産食品サプリメントのビタミンD3高含有(2612.7 mg/日)が原因と疑われる食中毒(高カルシウム血症)、ポルトガル産各種ハーブティーのピロリジジンアルカロイド(293 µg/kg)及びセンナ(Cassia angustifolia 95%)入りハーブティーの未承認市販、
注意喚起情報(information for attention)
イタリア産未承認新規食品オウカコウ(クソニンジン)(Artemisia annua)、ナイジェリア産ピーナッツスナック(kuli kuli)のアフラトキシン(B1 = 44.4; Tot. = 50 µg/kg)、トルコ産レーズンのオクラトキシンA (40.5 µg/kg)、ブラジル産アイスクリーム生産用チョコレート粉末のベンゾ(a)ピレン(9.3 µg/kg)及び多環芳香族炭化水素(61.4 µg/kg)、
フォローアップ用情報(information for follow-up)
ラトビア産ソラマメのトリアジメノール( 0.177 mg/kg)及びフルオキサストロビン( 0.037 mg/kg)、フランス産有機ドライソーセージの硝酸塩高含有(334 mg/kg)、ドイツ産飼料用酸化亜鉛のダイオキシン( 29.6 ng/kg)、オンライン販売されている食品サプリメントのピペリンの高摂取量(5 mg/日;≥1.75 mg/日)、シンガポール産オランダ経由インスタントハチミツ菊ドリンクの未承認新規食品成分キク、スイス産ネコ用補完飼料の未承認飼料添加物カンナビジオール(CBD)、イタリア産栄養補完ドッグフードの亜鉛高含有(262 mg/kg)、
通関拒否通知(Border Rejections)
ガイアナ産冷凍全形フエダイ及びフエダイステーキの着色料アゾルビン(E122) 高含有 (3.5 mg/kg)・着色料サンセットイエローFCF(E110) 非表示 (0.3 mg/kg)及び着色料アマランス(E123) の未承認使用(0.7 mg/kg)、トルコ産ペッパーのマラチオン(0,367 mg/kg)及びホルメタネート(0,091 mg/kg)、ガイアナ産冷凍フエダイの着色料サンセットイエローFCF(E110) ( 0.4 mg/kg)及び着色料アマランス(E123) (1.5 mg/kg)の未承認使用、アルゼンチン産鳥餌用ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 47.8 µg/kg)、パキスタン産コフタ調味料ミックスのアフラトキシン(B1 = 8.1 µg/kg)、トルコ産ペッパーのアセタミプリド(0.726 mg/kg)、セルビア産リンゴジュースのパツリン(78.9 µg/kg)、ロシア産有機菜種のチアメトキサム(1.55 mg/kg)、アルゼンチン産飼料用ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 4.9; Tot. = 32.4 µg/kg)、ガイアナ産冷凍フエダイの着色料アマランス(E123)の非表示及び未承認使用(16 mg/kg)、ブラジル産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 5.4 µg/kg)、イラン産トルコから発送したピスタチオ穀粒のアフラトキシン(B1 = 80.3; Tot. = 100.8 µg/kg)、
[HK] 法令違反
-えびチップサンプルが栄養表示規則に違反
Shrimp Chip sample not in compliance with nutrition label rules
Tuesday, July 21, 2020
https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20200721_8046.html
韓国産えびチップ菓子のサンプルが、ナトリウム0mg /100gという申告のところ、ナトリウム840mg /100g検出であった。
-コーンスナックサンプルが栄養表示規則に違反
Corn snacks sample not in compliance with nutrition label rules
Monday, July 20, 2020
https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20200720_8045.html
マレーシア産コーンスナックが、ナトリウム524mg /100gという申告のところ、ナトリウム750mg /100g検出であった。
-包装ソウギョのサンプルにマラカイトグリーンを検出
Malachite green found in a prepackaged grass carp sample
Thursday, July 23, 2020
https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20200723_8048.html
包装ソウギョのサンプルに2.0 ppbのマラカイトグリーンを検出したと発表した。
[TGA] 安全性警告
V-MAX Herbal Tablets
22 July 2020
https://www.tga.gov.au/alert/v-max-herbal-tablets-0
製品は表示されない成分シルデナフィルを含む。製品写真あり。
[FSAI] 高濃度のオクラトキシンAのためSymbio Ekologiczne Platki Jaglane きびフレークの回収措置
Withdrawal of a Batch of Symbio Ekologiczne Platki Jaglane Millet Flakes Due to the Presence of Elevated Ochratoxin A
Tuesday, 21 July 2020
https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/withdraw_millet_flakes.html
Symbio Ekologiczne Platki Jaglane きびフレークに、高濃度のオクラトキシンA検出のため、回収措置。製品写真あり。
[FDA]警告文書
- Express Trading International Inc.
July 2, 2020
FSVP違反の問題。
- Tiao Peng Trading, Inc.
May 19, 2020
FSVP違反の問題。
[FDA] FDAはPuff Barを含む企業に、許可のない使い捨てフレーバー電子タバコや若者向け電子タバコ用リキッドを撤去するよう通知する
FDA Notifies Companies, Including Puff Bar, to Remove Flavored Disposable E-Cigarettes and Youth-Appealing E-Liquids from Market for Not Having Required Authorization
July 20, 2020
FDAは本日、Cool Clouds Distribution Inc.(Puff Barという企業名)を含む10企業に、販売前許可がないため、使い捨てフレーバー電子タバコ及び若者向け電子タバコ製品を撤去するよう警告文書を発した。
[NTP]ICCVAM年次および隔年報告書
ICCVAM Annual and Biennial Reports
https://ntp.niehs.nih.gov/whatwestudy/niceatm/iccvam/biennial-reports/index.html
ICCVAM 2018-2019 隔年報告書公表
ICCVAM 2018-2019 Biennial Progress Report
https://ntp.niehs.nih.gov/iccvamreport/2019/index.html
[NASEM]マスクの着用や物理的距離をとることを含むCOVID-19保護行動を促すための期待できる戦略が新しいガイダンスで同定された
Promising Strategies for Encouraging COVID-19 Protective Behaviors, Including Mask Wearing and Physical Distancing, Identified in New Guidance
News Release | July 23, 2020
社会学専門家行動ネットワークによる迅速専門家評価。
連邦や州、地域の意思決定者向けに、禁煙やシートベルト使用キャンペーンのようなこれまで教訓と、社会心理学や行動経済学の研究からの知見を引きだしたもの
保護行動を習慣に変えやすくするため意思決定者が採用できる戦略としては、行動を簡単にはじめられるものにする、繰り返すことに報酬を与える、既存の習慣と結びつける、望ましくない行動には代わりのものを提供する、望ましい行動に特別な表現を提供する、などがある。また新しい行動を採用するよう促すための10のコミュニケーション戦略も同定した。
報告書
Encouraging Adoption of Protective Behaviors to Mitigate the Spread of COVID-19
Strategies for Behavior Change (2020)
10のリスクコミュニケーション戦略
1.明確で、一貫して、透明なメッセージ
2.望ましくない行動に必要以上に注目させない
3.効果があると感じられるようにし、運命だと諦めないようにする
4.地域の共同財にアピールする
5.標的集団に信頼されているメッセンジャーを使う
6.聴衆ごとにメッセージの伝え方を調整する
7.予防行動を人々のアイデンティティと関連させる
8.メンバーが従わなかった場合社会的に非難されることを強調
9.行動変化が広がったらそれを強調
10.たとえ間違いを否定する時であってもデマを繰り返さないようにする
(マスク着用を促すための例があるけど、政治的分断による抵抗への処方箋はなかった。Social distancingをphysicalに変えようと努力している様子が窺えるが早くから指摘はあったのにソーシャルと言い続けたのはどうしてだろう。)
[NASEM]ヘルスリテラシー円卓会議
Roundtable on Health Literacy
https://www.nationalacademies.org/our-work/roundtable-on-health-literacy
直近のイベント
2020年7月29日、ヘルスリテラシーの実践により健康デマに対応する:バーチャルワークショップ
[DEFRA]騙されないで:獣医師と有名人が「冷酷で都合の良い時を知っている」ロックダウンペット販売業者に警戒するよう主導する
Don’t get Petfished: Vets and celebrities lead public warnings against ‘cruel and opportunist’ lockdown pet sellers
23 July 2020
ロックダウン以降ペットへの需要が増加しているため悪徳な犬猫の販売業者に注意するよう警告する
確認すべきことは
・販売者の名前と電話番号を検索して複数の広告をしているところは避ける
・子犬や子猫は母親と一緒に家にいることを確認する
・自宅に連れてくる前に最低8週以上であることを確認
・健康状態の記録を要求し、出せないところは避ける
詳細は以下から
Petfished: Who's the person behind the pet?
(Petfishとか‘Catfishing’とか辞書にのってない)
[DHSC]コロナウイルス(COVID-19)に打ち克ちNHSを守るために減量が急務であるため新しい肥満戦略発表
New Obesity Strategy unveiled as country urged to lose weight to beat coronavirus (COVID-19) and protect the NHS
27 July 2020
減量のための新しい対策パッケージと「ベターヘルス」キャンペーン発表
・脂肪、砂糖、塩の多い食品のテレビとオンラインでの午後9時前の広告禁止
・脂肪、砂糖、塩の多い不健康な食品の「一つ買うと一つ無料」のような販売方法禁止
・外食メニューにカロリー表示。アルコールも
・COVID-19「注意喚起」の後に減量、運動、より良い食生活の援助のための新しいキャンペーン
ICUのCOVID-19重症患者のうち約8%が病的肥満で、一般人の2.9%より多い
[PHE]過剰な体重はCOVID-19の重症と死亡のリスクを増やす
Excess weight can increase risk of serious illness and death from COVID-19
25 July 2020
PHEの報告書は、人々が健康的な体重に向かい維持することを支援することでCOVID-19の集団への重大な影響を減らせる可能性があることを発見
新しいPHEの報告は肥満あるいは過度の過体重(excessively overweight)がCOVID-19の重症と死亡のリスクを増やすことを確認した。
現在の根拠は体重が多いことがCOVID-19に感染する可能性を増やすことは示唆しないが、肥満の人の方が有意に重症化しICUに入院する可能性が高いことを示す。
ある研究ではBMIが35-40だとCOVID-19で死亡するリスクは40%増え、BMIが40以上だと90%増える。
イングランドの成人の約2/3(63%)は過体重あるいは肥満で、55-74才で貧困地域に住む、および黒人、アジア人、マイノリティ人種集団はより影響が大きい
報告書
Excess weight and COVID-19: insights from new evidence
24 July 2020
https://www.gov.uk/government/publications/excess-weight-and-covid-19-insights-from-new-evidence
(ちなみに日本はOECD諸国中では肥満率最低。最高は米国)
[ProMED]ククルビタシン毒素、ズッキーニ 英国
Cucurbitacin toxin, zucchini – UK
2020-07-26
https://promedmail.org/promed-post/?id=7614168
Date: 25 Jul 2020 Source: Food Safety News [edited]
イングランドでいくつかの症例の背景に不良品の種子が疑われている。ズッキーニには天然に毒素が含まれるが、十分な量になると吐き気や下痢などの症状につながる。BBCによるとノーフォークのCastle Acreの4家族が自分で育てた農作物を食べて具合が悪くなった。Sunによると一人の女性は病院で治療が必要だった。種はUnwins社のものでWestland社は一時的に提供を中止し問題を調査するという。別の会社Mr Fothergill'sは苦い味のズッキーニができたバッチの種をリコールしている。Mr Fothergill'sによるとそのような問題は希ではあるものの知られてはいる。
(編集者注でこれまで単離されているククルビタシンは約965の種から20種類、等補足情報。植物はたまにこういうことがあるので普通でない味がしたら食べない)
[Codex]世界のパンデミックの間にグローバルスタンダードを前進させる
Progressing Global Standards during a global pandemic
26/07/2020
http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1300487/
-コーデックス執行委員会:バーチャルワーキングの開拓者
Codex Executive Committee: a trailblazer for virtual working
22/07/2020
http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1300018/
[USDA]請願
Petitions
https://www.fsis.usda.gov/wps/portal/fsis/topics/regulations/petitions
Petition Submitted by Harvard Law School Animal Law and Policy Clinic (Jun 9, 2020)
培養肉の表示に「肉」などの単語使用を禁止しないよう求める
(畜産業界は「肉」を使うなと言っている)
[FDA]FDAは葉物野菜行動計画についてウェビナー議論を開催する
FDA to Hold Webinar Discussion on Leafy Greens Action Plan
07/23/2020
2020年7月30日
[FDA]FDAのCOVID-19対応 2020年7月23日時点での一目でわかるまとめ
FDA COVID-19 Response
At-A-Glance Summary as of July 23, 2020
https://www.fda.gov/media/137005/download
一部のみ
COVID-19に関連する詐欺的宣伝製品の販売停止を6月時点で700以上
警告文書90以上、オンライン市場への報告150以上、ドメイン登録者への苦情申し立て250以上を送っている
論文
-子どもの75%が雄になるようデザインされた雄牛Cosmoをよろしく
Meet Cosmo, a bull calf designed to produce 75% male offspring
23-JUL-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-07/uoc--mca072220.php
CRISPR技術使ってSRY遺伝子をノックインした
雄の方が飼料を肉に変える効率が高いので、同じ量の牛肉を作るのに必要な餌と牛が少なくてすむ。American Society of Animal Science年次会合での発表
-乳牛でのメタン阻害添加物の正確な用量が研究で示された
Correct dosage of methane-inhibiting additive in dairy cow feed shown in study
23-JUL-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-07/ps-cdo072320.php
メタンを抑制する乳牛の飼料添加物の至適用量がJournal of Dairy Scienceに発表された。3-ニトロオキシプロパノールを150mg/kg。牛の腸内メタン産生抑制作用がある化合物は現在これだけで特許をもつDSMは現在欧州で飼料添加物として認可申請中
-遺伝的選択による乳牛の温室効果ガス緩和
Mitigation of greenhouse gases in dairy cattle through genetic selection
22-JUL-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-07/e-mog072220.php
Journal of Dairy Scienceに発表されたスペインの研究者らによるメタン排出量の少ない乳牛の交配についての論文
(できたわけではない、ので飼料添加物のほうが成果出している。しかし採用されるかどうかは不明)
-コネチカットのStill川に水銀は毒であり続ける
Mercury remains a persistent poison in Connecticut's still river
23-JUL-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-07/uoc-mra072320.php
1700年代から始まったDanburyの帽子作りでは水銀を使っていてStill川に大量の水銀を捨てていた。ファッションは変わり1940年に帽子作りに水銀を使うのは禁止されたが2020年の川にまだ水銀は残っている。Chemosphere
(フェルトの生地を作るのに動物の毛皮を硝酸水銀溶液で洗った。労働者の水銀中毒は“Danbury Shakes”や "mad hatter disease(英国)"と呼ばれた、とのこと。不思議の国のアリスに出てくるマッドハッターはこの病気の人を描いているという主張もある)
-COVID-19ストレス下で家庭の健康と福祉と食料安全保障が悪化
Health, well-being and food security of families deteriorating under COVID-19 stress
24-JUL-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-07/vumc-h072220.php
Pediatricsに発表された米国の調査
-ピザ研究が一回限りのカロリー摂りすぎに人体は驚くほど良く対応することを示す
Pizza study shows body copes surprisingly well with one-off calorie indulgence
24-JUL-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-07/uob-pss072420.php
22-37才の健康な男性に通常食べる量の2倍のピザを食べてもらっても血中の栄養素のレベルは概ね正常範囲に維持された。British Journal of Nutrition
(たまにたくさん食べても正常体重維持ならそんなに問題は無いだろうという常識が確認された)
-グロリオサはどうやって治療薬に使える天然物を合成するのか
Natureニュース&ビューズ
How the flame lily synthesizes a therapeutic natural product
22 JULY 2020 Jing-Ke Weng
https://www.nature.com/articles/d41586-020-01675-0
コルヒチンの生合成経路の発見はこの化合物を安定して高収率で生産する代謝工学アプローチの使用に期待をもたせる
Natureに発表されたGloriosa superbaにおけるコルヒチン生合成についての研究
-コロンビアでCOVID-19症例急増
COVID-19 cases surge in Colombia
Joe Parkin Daniels
THE LANCET WORLD REPORT| VOLUME 396, ISSUE 10246, P227, JULY 25, 2020
コロンビアが制限を緩和し一日あたり8500以上の患者で医療に負担がかかっている。ボゴタから報告
コロンビアは3月6日に初めての症例が確認され、3月後半に罰金を含む厳しい制限を行った。5月後半から制限を緩和し始めて、1ヶ月前には1日2000を超え7月18日には8560で合計190700例が確認されている。人口は5000万人弱。
経済の60%が非公式で1000万人が貧困であるこの国では、政府によるステイホームの助言に従うことができない人が多い。多くの人が健康と経済の両方によって激しい打撃を被っている。都市部ではボゴタ市長は権限のない厳しい規制を求めて大統領と常に衝突している。政府の存在感の薄い地方では武装集団が独自対策を行っていて病院に行くことすら禁止している。デング熱や黄熱も懸念である。
-Science Vol 369, Issue 6502
24 July 2020
の表紙&特集は広島の原爆生存者研究
エディトリアル:もう一つの広島を避ける
Avoiding another Hiroshima
Science 24 Jul 2020:Vol. 369, Issue 6502, pp. 350
ニュース特集
原子爆弾の生存者が我々の放射線影響の理解をどう変えてきたか
How atomic bomb survivors have transformed our understanding of radiation’s impacts
By Dennis Normile Jul. 23, 2020
Kunihiko Iidaは、来月の75年前に広島と長崎に米国が落とした原子爆弾がいまだに命を奪い苦しみを引き起こしていることを世界に知って欲しい。
(主に次世代影響についての長い記事。被爆者の子孫に特に健康影響はないという知見は主に日本で人々に受け入れられていないと記述。二世の健康被害を裁判等に訴えている人達はそうだろうけれど広く一般にはそうでもないような。そして核戦争が最大の脅威だった時代は世界中がコロナの話ばかりのこの夏で完全に過去のものになる感じがする。)
-Scienceレター
ニカラグアのCOVID-19危機に対応が必要
Nicaragua's COVID-19 crisis demands a response
Jorge Huete-Pérez, John Hildebrand
Science 24 Jul 2020:Vol. 369, Issue 6502, pp. 385
ニカラグアの危機を訴える手紙
政府がPAHOからの患者数報告要請を拒否したとか保護具を求めたり懸念を表明したりした医師を解雇したとか
その他
-CSPI
Mercolaグループによる虚偽のCOVID-19宣伝に関する執行要請
Letters re: Request for Enforcement Regarding False COVID-19 Claims by Mercola Group
July 20, 2020
Joseph Mercolaとその会社を取り締まるようFDAとFTCに要請
Mercolaグループがどこで何を言ったかについて資料も添付
(どんなものでも効くようだ。抹茶とか水素とかヘンプとか。)
-「グリーンウォッシュ」効果
The “Greenwashing” Effect
Joe Schwarcz PhD | 22 Jul 2020
https://www.mcgill.ca/oss/article/environment/greenwashing-should-not-be-whitewashed
賢いマーケティングは「植物ベースの」「植物由来」といった用語を、合成成分より優れていて環境に優しくてより安全であるように見せるようにしてきた。しかしそれは本当にそうだろうか、あるいは「グリーンウォッシュ」だろうか?
「グリーンウォッシュ」とは誤解を招く文言で環境影響や安全性に優れているように思わせる宣伝方法のことを指す。例えば最近の洗剤の多くに「植物成分」と宣伝されていて、合成成分より良さそうと思わせている。これにはいくつかの問題がある。最初に、ナチュラルは安全というインチキな思い込みがある。それから「植物由来」であっても最終製品になるには化学処理が行われている。「植物成分」由来洗剤の主要化合物は植物には存在しない。また植物に存在する成分であっても実際に使われている原料は違う。例えばクエン酸はしばしば「植物成分のpH調整剤」と説明されているが実際に使われているのは培養で合成されたものである。もちろんどうやって作ろうとクエン酸に問題は無い。そして「リサイクル可能」と表示されているゴミ袋でも、普通のゴミと同じように燃やしたり埋め立てされたりしていて実際にリサイクルされていないならその表示は詐欺的であろう。
SMC UK
-過剰な体重とCOVID-19についてのPHE報告書への専門家の反応
expert reaction to PHE report on excess weight and COVID-19
JULY 25, 2020
https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-phe-report-on-excess-weight-and-covid-19/
King’s College London医学教育講師Simon Cork博士
Cambridge大学代謝科学研究所MRC代謝ユニット長Stephen O’Rahilly MD FRS FMedSci卿教授
Oxford大学食事と集団の健康教授Susan Jebb教授
Exeter医科大学糖尿病内分泌上級講師で名誉相談医Katarina Kos博士
Edinburgh大学公衆衛生教授Linda Bauld教授
King’s College London代謝および肥満外科部長Francesco Rubino教授
(コメント多い。メカニズムは不明だし肥満の人が減量したら症状が軽くなるのかについては予想でしかないが体重と重症度に関連があるのは確かであり肥満対策の必要性には異議なし、といったところ)
-フェイスカバーは偽りの安心感につながる可能性があることを示唆するかどうかを調べた研究のレビューへの専門家の反応
expert reaction to review study looking at whether evidence suggests face coverings could lead to a false sense of security
JULY 25, 2020
BMJ Analysisに発表された研究。
Leicester大学呼吸科学名誉准教授Julian Tang博士
この質的レビューは、スキーや自転車に乗る前にヘルメットをかぶったりHPV予防接種することを含む予防対策がよりリスクの高い行動につながるかどうかの文献を調べたものである。著者によるとリスクの高い行動との関連は見つからなかった。それからマスクの着用の影響についての22のレビューを評価し6つの実験に焦点をあてた。どの実験でも期間中に手を洗うことが減る根拠はなかった。逆に二つの研究ではマスクをすると手洗いが増えた。
マスクに関しては、著者は一つの予防対策(例えばマスク着用や手洗い)が実際のところ他の関連行動への再確認として機能し全体としての感染抑制行動を強化する可能性を指摘している。
最も重要なのは、マスクをするとリスクが増える行動につながるだろうという根拠のない言説は、効果がある可能性のある公衆衛生介入をしないための主張として使われる可能性があると著者が結論していることである。例えば欧州CDCの文書で「フェイスマスクは偽りの安心につながり物理的距離をとったり咳エチケットや手洗いをあまりしなくなる-病気の時には家にいることすらしなくなる可能性がある」と記されている。
個人により違いはあるだろうがマスク着用は全体として利益がある可能性のほうが無い可能性より高い
Bristol大学社会科学講師Nilu Ahmed博士
Cambridge大学経済学部講師感染症経済学と経済疫学専門のFlavio Toxvaerd博士
Exeter大学上級臨床講師David Strain博士
Nottingham Trent大学社会学教授Robert Dingwall教授
(長いので略。
証明されていない「リスク補償risk compensation理論」がマスクをしない理由として使われた、とのこと。「欠如モデル批判」が東日本大震災後のリスクコミュニケーションを阻害する機能を果たしたのを想起させる)
-手作りフェイスカバーについての動画症例研究とCOVID-19拡大抑制には何層必要かのコメントについての専門家の反応
expert reaction to video case study on homemade face coverings making comments about how many layers they need to curb COVID-19 spread
JULY 23, 2020
Thoraxに発表された研究が手作りフェイスカバーについてコメントしている
Bristol大学Bristolエアロゾル研究センター研究フェローBryan Bzdek博士
この研究は手作りの一層(Tシャツ切ったもの)および二層マスク(CDCのコットン生地二枚の間にゴム紐通すタイプ)とサージカルマスクとマスクなしを比較している。調べたのは一例のみで定量的結果は示されず利用度は限られる
(CDCのレシピ見ると日本であちこちにあるレシピがものすごく凝ってるように見える。日本のお母さんって料理だけでなく裁縫も求められるレベルが高すぎる)