2020-08-21

[EFSA]アバメクチンの農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance abamectin

EFSA Journal 2020;18(8):6227  20 August 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6227

情報不足と懸念が確認された。

 

[WHO]鉛塗料の世界的排除:各国は何故どう対応すべきなのか-技術的概要

Global elimination of lead paint: why and how countries should take action - Technical brief

14 August 2020

https://www.who.int/publications/i/item/9789240005143

 

-方針概要

Global elimination of lead paint: why and how countries should take action - Policy brief

12 August 2020

https://www.who.int/publications/i/item/9789240005167

鉛含有塗料を禁止し塗料中の鉛の上限は90 ppmに

 

(参考

鉛含有塗料に関する お知らせとお願い - 日本塗料工業会

https://www.toryo.or.jp/jp/anzen/news/files/lead-rr-brochure2016.pdf

「日本は、自主取組によりこれまでに塗料中の鉛使用量を大幅に削減してきましたが、まだ一部に鉛原材料を含んだ塗料が使用されています」)

 

[FSSAI]メディアコーナー

Covid19と戦うには強い免疫が重要、保健大臣Harsh Vardhanがいう

Strong Immunity Key for Fighting Covid19, Says Health Min Harsh Vardhan

AUGUST 19, 2020

https://fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_News_Immunity_News18_20_08_2020.pdf

食べ物に注意を払わない人は栄養欠乏で免疫系が弱くなるので、正しく安全な食品を食べる必要性を強調した

FSSAIが開催した「正しく食べようインドチャレンジ」開始のバーチャルイベントでの保健大臣のスピーチ

 

論文

-GMOへの市民の態度が好意的になっていることがEUの新しい規制枠組みを支持する

The more favorable attitude of the citizens toward GMOs supports a new regulatory framework in the European Union,

Mihael Cristin Ichim (2021), GM Crops & Food, 12:1, 18-24, DOI: 10.1080/21645698.2020.1795525

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/21645698.2020.1795525

1996年から2018年に世界で栽培されるGM作物の面積は113倍になった。EUではたった一つのGM作物を2カ国が僅かに栽培しているのみである。さらに過去10年で野外試験申請も劇的に減った。一方EUのGM規制には厳しい批判がある。EU市民の環境中GM作物への懸念は2002年の30%から2011年の19%に減り、食品や飲料へのGM成分の使用への懸念は2005年の63%から2019年の27%に減った。このことはEUの規制枠組み変更をさらに支持する

 

-食行動を変えるには一般的公衆衛生メッセージがベスト

Generic public health messages work best at shifting dietary behaviours

20-AUG-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-08/uob-gph082020.php

「1日に5単位の野菜や果物を食べよう」のような一般的メッセージの方が個人向けに調整されたガイドや特別な助言より食習慣の変更には効果的、と健康経済学の研究者らがいう。European Economic Reviewに発表された低所得層の300人に予算を与えて買い物してもらった実験。個人向けの情報を与えられた人達はおそらく自分たちの健康状態について予想していたより良いニュースを受け取ってこれまでの生活を変えなくていいと感じたために個別情報が効果を持たなかったのではないかと考察

 

-研究が高齢者集団への低炭水化物高脂肪食の影響に焦点をあてる

Study focuses on low-carb, high-fat diet effect on older populations

20-AUG-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-08/uoaa-sfo082020.php

Nutrition and Metabolismに発表された研究は65才以上の肥満集団で8週間の極端に炭水化物の少ない食事への影響を調べた

卵業界の出資した研究

 

-消防士はこれまで考えられていたより有害化学物質に多く暴露されている

Firefighters exposed to more potentially harmful chemicals than previously thought

20-AUG-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-08/osu-fet082020.php

勤務中のPAH暴露が勤務時間外より多い。Environment International

 

その他

-Scienceニュース

大学院生が大学のCOVID-19同意義務に異議申し立て

Grad students challenge university-mandated COVID-19 agreements

By Katie LanginAug. 20, 2020

https://www.sciencemag.org/careers/2020/08/grad-students-challenge-university-mandated-covid-19-agreements#

Stanford大学の生物のPh.D学生Lauren Popeは土曜日に大学から「大学院生協定」の詳細についてのメールを受け取った。秋学期の登録前にそれに署名が必要である。その文書には学生がCOVID-19を広めないようにどう振る舞うべきかについてと従わない場合の罰則について記載されていた。彼女はその一方的な内容に懸念を抱いた。異議があったのは彼女だけではなかった。日曜までにキャンパス中の学生が集まって協定に対抗して大学に何か要求しようとした。

(以下いろいろ)

 

-食通と工場式畜産経営者が不自然な同盟を作った

Foodies and Factory Farmers Have Formed an Unholy Alliance 

08.11.2020 Robert Paarlberg

https://www.wired.com/story/foodies-and-factory-farmers-have-formed-an-unholy-alliance/

彼らのフェイクミート製品-Impossible Burgers、 Beyond Meatその他-への非難は極めてよく似ている

(Robert Paarlberg は2020年10月発行「食卓を作り直す:我々の育てて食べている食品についての率直な話」の著者でHarvard Kennedy School of Governmentの持続可能性科学計画の准会員)

Covid-19の驚くべき帰結の一つは、模造肉への消費者需要の急増である。Nielsen報告によると米国の危機の最初の9週間の小売店での模造肉の売り上げは264%増加した。理由の中には食肉工場での病気への懸念もあるだろうしCovid-19が動物由来であることへの恐怖もあるだろう。

この植物で作った模造肉の新たなブームは、アメリカの進歩的「フードムーブメント」の主導者たちから全く支持されていないのにおこったので、二重の意味で驚きである。Covid-19のずっと前から、この運動は新しいイミテーション肉に距離を置いていた。その理由を見てみよう。

革新はいつでも新たな選択肢を強いてしばしば政治的風景を変える。かつての敵と仲良くするのは双方にとって利益があるなら良いだろうが、フードムーブメントの模造肉反対は畜産業界を手を組んでいる。この本物の肉の生産者は伝統的フードムーブメントの敵だった。特にCovid-19の時代に、これは賢明な選択だろうか?

進歩的食品活動家は長い間畜産業界を厳しく批判してきた-工業的畜産の動物福祉の問題や抗生物質使用、アメリカ人が肉や加工肉を食べ過ぎて2型糖尿病や心血管系疾患、がんなどの原因となっていると。さらに環境影響も大きい。

もしイミテーション肉製品が一部の本物の肉の代わりになるならこうした問題の全てが減る。ファッション業界は毛皮や皮革を本物からイミテーションにすることを学び、象牙の模造品は象を救い、一部の卵や乳製品の模造品は既に商業的に成功している。植物ベースのミルクは今や市販のミルクの14%を占める。植物ベースのバーガーが本物の肉の一部を代用するのは価値があるように見える。

それにも関わらず、ほとんどのフードムーブメントリーダーは植物由来の肉代用品を拒否する。The New York TimesのフードコラムニストだったMark Bittmanは植物ベースの肉を化学物質が加えられた、伝統的な「丸ごと食品whole foods」ではないと非難する。ChipotleやWhole Foodsのような進歩的食品企業も同様である。そして食肉業界がこうしたフードムーブメントの言葉を借りて植物ベースの模造品の普及を遅らせようとする。肉とレストランとアルコール業界の団体The Center for Consumer Freedom(CCF)が2019年10月にThe New York Timesの全面広告で「フェイクミートはメチルセルロースや二酸化チタン、BHQ、IMPなどの何十もの成分を含む超加工イミテーション」だと読者に警告した。CCFはさらに2020年にはスーパーボウルで若いミツバチコンサルタントが「合成肉にも使われている化学下剤のメチルセルロース」でトラブルに遭ったと宣伝した。

Michael Pollanは新しいからダメだと苦情を言う。環境団体Soil4Climateの創設者Seth Itzkanは利益を得ることが目的の企業が作ったものであることを理由に拒否する。遺伝子組換え由来成分を使っているから危険だという主張もある

しかし植物ベースの肉類似品の環境へのメリットは無視するには大きすぎる

エコノミストはこうしたバプテスト派のようなフードムーブメントリーダーの振る舞いを警告している

 

-農薬禁止:急がば回れ

Banning pesticides: Make haste slowly

By: Vivian Fernandes | Updated: Aug 20, 2020

https://www.financialexpress.com/opinion/banning-pesticides-make-haste-slowly/2060146/

この禁止には科学的根拠はあるのか?

農家や農薬業界は2月以降発行された3つの通知に動揺している-約30の化学農薬の禁止とグリホサートの散布禁止を提案している。これらに科学的根拠はあるのか?

(インド)

 

-販売されている母乳:リスクとコスト

Breast milk for sale: Risks and costs

By Jonan Pilet on August 20, 2020

https://www.foodsafetynews.com/2020/08/breast-milk-for-sale-risks-and-costs/

「一部のサンプルは下水と同じくらい多い細菌を含む」

トップアスリートはいつも競争に勝ちたい。しばしばこれが極端な、危険な、ときに違法なことをするのにつながる。そして最近の流行の一つは母乳である。

赤ちゃんに母乳がメリットがあることはよくわかっていて母乳育児は専門家によって推奨されているが、それは赤ちゃんに対してである。成人が母乳を飲む?それが筋肉増強になる?あるいはがんを治す?しかしその前にそれは安全なのか?

FDAは母乳をシェアすることにはたくさんのリスクがあるという。

フェイスブックの市場を検索すると母乳を売っている人を見つけることができる。それは違法ではないが規制がない。インターネットで母乳を買う場合、感染症や汚染物質が適切に検査されている可能性は低い、とFDAはいう。

全国子ども病院の疫学者Sarah Keim博士がオンラインで購入した母乳102検体を調べたところ93%から細菌が検出された。一部の細菌数は下水に近かった。細菌以外にウイルス汚染もあるだろう。彼女の研究の結論はオンラインで購入した母乳は適切ではなくリスクのほうが大きいだろう、である。

(いろいろ略)