2021-03-15

[EFSA]飼料添加物

-鶏肥育用に使用するためのdecoquinate (Deccox®)からなる飼料添加物の有効性(Zoetis Belgium SA)

Efficacy of the feed additive consisting of decoquinate (Deccox®) for use in chickens for fattening (Zoetis Belgium SA)

EFSA Journal 2021;19(19):6453 8 March 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6453

 

-ネコとイヌに使用するためのGarcinia gummi‐gutta (L.) Roxb.由来乾燥抽出物からなる飼料添加物の安全性と有効性(C.I.A.M.)

Safety and efficacy of a feed additive consisting of a dried extract from Garcinia gummi‐gutta (L.) Roxb. for use in cats and dogs (C.I.A.M.)

EFSA Journal 2021;19(19):6444 8 March 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6444

 

-認可更新のための鶏肥育用Enterococcus faecium DSM 7134株 (Bonvital®)からなる飼料添加物の評価(Lactosan GmbH & Co. KG)

Assessment of the feed additive consisting of Enterococcus faecium DSM 7134 (Bonvital®) for chickens for fattening for the renewal of its authorisation (Lactosan GmbH & Co. KG)

EFSA Journal 2021;19(19):6451 8 March 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6451

 

-ネコとイヌに使用するためのEchinacea angustifolia DC. または Echinacea purpurea (L.) Moench由来乾燥抽出物からなる飼料添加物の安全性と有効性(C.I.A.M.)

Safety and efficacy of feed additives consisting of dried extracts from Echinacea angustifolia DC. or Echinacea purpurea (L.) Moench for use in cats and dogs (C.I.A.M.)

EFSA Journal 2021;19(19):6446 8 March 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6446

 

[ANSES]二酸化チタンナノ粒子の職業暴露限度

Recommended occupational exposure limits for titanium dioxide nanoparticles

04/03/2021

https://www.anses.fr/en/content/recommended-occupational-exposure-limits-titanium-dioxide-nanoparticles

フランスで毎年生産または輸入されるナノ粒子形状の二酸化チタン(TiO2-NP)は17,000トンで、様々な産業部門で最も広範に使用されているナノ粒子の1つである。そのため、労働環境での潜在的暴露の主な原因である。一般人のために実施された作業に続き、ANSESは現在、作業者のリスク防止を強化するために職業暴露限界値(OELs)を助言する。

TiO2-NP:抗UV及び光触媒の特性のため1990年代以降使用されている

ナノ粒子形状の二酸化チタンや(TiO2-NP)は、主にその紫外線吸収や光触媒の特性のため過去30年間使用されているのだが、それは化学分解により特定の汚染物質を分解し、例えば「自動洗浄式」ガラスに使用されている。

呼吸経路で暴露したヒトは肺の炎症を引き起こす可能性があり、場合によってはがんの原因となる可能性がある。

TiO2-NPのいくつかの物理化学的特性―大きさ、形、表面コーティングがあるかどうか、結晶化度―は毒性に影響を与える可能性があり、非常に複雑な物質にする。

肺の炎症の予防に基づくOEL

一般住民の毒性参照値(TRV)を設定するために実施された専門家評価に続き、ANSESは現在、職業的暴露限界値(8h-OEL) 0.80 マイクログラム/ m3を助言する。この値に従うと、最低暴露濃度で発生する影響である肺の炎症を防ぐのに役立つ。

さらに、TiO2-NPの即時または短期的な影響に関する入手可能なデータがないことにより、その方法論ガイドに従って、ANSESは15分以上4マイクログラム/ m3の濃度を超えないようにという助言もしている。この値に従うことで、作業日の暴露ピークの大きさや数を制限できるようになる。

空気中のTiO2-NPを測定する手段評価に関する専門家評価が現在進行中である。ANSESが推奨するOELsを考慮して、空中のTiO2-NP濃度測定に使用する手段を決める予定である。さらに、REACh規則に基づいてTiO2を評価する際にANSESが要請した研究で、これらの値をさらに洗練できるようにする必要がある。

追加情報

ナノスケールの二酸化チタンの職業暴露限界値の提案に関するANSESの意見及び報告書

ANSES OPINION and REPORT on the proposal for occupational exposure limit values for nanoscale titanium dioxide

https://www.anses.fr/en/system/files/VSR2019SA0109Ra.pdf

 

[CFIA]グルテンフリーベーカリーミックス中の非表示のグルテン―2017年4月1日~2018年3月31日

Undeclared Gluten in Gluten-Free Bakery Mixes - April 1, 2017 to March 31, 2018

2021-03-10

https://www.inspection.gc.ca/food-safety-for-industry/food-chemistry-and-microbiology/food-safety-testing-bulletin-and-reports/april-1-2017-to-march-31-2018/eng/1612991713363/1612992029819

この調査の主な目的はグルテンフリーベーカリーミックス中の非表示のグルテンの存在と量に関する基本的情報を得ることだった。調べた300サンプルのうち9に非表示のグルテンが含まれていることがわかった。非表示のアレルゲンの存在の最多の陽性結果はデザートミックスにあった。

見つかった量がアレルギーのある人に健康リスクを引き起こすかどうか決めるために、グルテン量が20 ppm以上の4つの陽性結果がCFIAの食品安全リコール室(OFSR)に送られた。2製品が健康リスクとなると見なされ、リコールされた。

 

[EU]RASFF Week 10-2021

警報通知(Alert Notifications)

インド産フランス経由マドラスカレーパウダーの未承認物質エチレンオキシド(0.13 mg/kg)、トルコ産グレープフルーツの未承認物質クロルピリホス-メチル(0.16 mg/kg)、スロバキア産食品サプリメントのシアン化物高含有(3.1 mg/用量)、米国産食品サプリメントのベンゾ(a)ピレン(24 µg/kg)、米国産食品サプリメントのベンゾ(a)ピレン(26 µg/kg)及び多環芳香族炭化水素(PAH4の合計: 125 µg/kg)、米国産ターメリックとショウガ抽出物の多環芳香族炭化水素(PAHの合計: 88 µg/kg)、スペイン産冷凍調理済ムラサキイガイの下痢性貝毒(DSP) (247 µg/kg)、ドイツ産ナッツミックスに使用されたイタリア産アーモンド穀粒のシアン化物高含有(27.5 mg/kg)、インド産オランダで加工ドイツ経由バスマティ米のチアメトキサム(0.073 mg/kg)・未承認物質カルベンダジム(0.012 mg/kg)及びトリシクラゾール(0.22 mg/kg)、インド産オランダ経由バスマティ米のチアメトキサム(0.036 mg/kg)・未承認物質カルベンダジム(0.023 mg/kg)及びトリシクラゾール(0.19 mg/kg)、スロバキア産食品サプリメントのシアン化物高含有(アミグダリン: 493 mg/日)、インド産冷凍全形アジアンドウイカのカドミウム(2.6 mg/kg)、

注意喚起情報(information for attention)

スリランカ産チルドマグロロインのヒスタミン(>1000 mg/kg)、インド産ドラムスティック(ワサビノキ)のチオファネート-メチル(1.1; 1.2 mg/kg)、トルコ産乾燥イチジクのオクラトキシンA (31.5 mg/kg)、トルコ産セルビア経由マンダリンの未承認物質クロルピリホス-メチル(0.026 mg/kg)、トルコ産マンダリンの未承認物質クロルピリホス-メチル(0.066 mg/kg)、中国産クコの実の未承認物質カルボフラン(0.049 mg/kg)、トルコ産食品サプリメントの未承認新規食品成分ホザキイカリソウ、トルコ産レッドグレープフルーツの未承認物質クロルピリホス(0.062 mg/kg)、イタリア産生鮮梅のデルタメトリン(0.24 mg/kg)、中国産ニンニクのカドミウム(0.12 mg/kg;0.071 mg/kg)、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

ギリシャ産オレンジの未承認物質クロルピリホス(0.034 mg/kg)、フランス産メラミン及び竹繊維製食器の竹の未承認使用、オンライン販売されている食品サプリメントの未承認新規食品成分2-ジメチルアミノメタノール (DMEA)、オンライン販売されている食品サプリメントの未承認新規食品成分カワラタケ及び2-ジメチルアミノメタノール (DMEA)、

通関拒否通知(Border Rejections)

ジョージア産2つに割ったヘーゼルナッツのアフラトキシン(B1 = 11.2; Tot. = 48.4 µg/kg)、中国産台所用品の竹の未承認使用、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 14.7; Tot. = 15.8 µg/kg)、中国産ウクライナで生産した緑茶の未承認物質トルフェンピラド(0.043 mg/kg)、エジプト産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 9.8; Tot. = 12 µg/kg)、インド産飼料用ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 150 µg/kg)、トルコ産ペッパーのフロニカミド(0.828 mg/kg)、中国産台所用品からのホルムアルデヒドの溶出(21,1 mg/kg)、トルコ産生鮮ペッパーのピリダベン(0.888 mg/kg)、インド産未承認新規食品ビンロウの実、インド産食品サプリメントの水銀(3.4 mg/kg)及び鉛高含有(38 mg/kg)、メキシコ産醤油のソルビン酸カリウム(E202)高含有(2087 mg/kg)、トルコ産ペッパーの未承認物質クロルピリホス-メチル(0.191 mg/kg;0.133 mg/kg)、米国産ピーナッツバターのアフラトキシン(B1 = 6.2; Tot. = 7.2 µg/kg)、トルコ産有機乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 51.9; Tot. = 57.5 µg/kg)、トルコ産ペッパーのフロニカミド(0.613 mg/kg)、トルコ産ペッパーのピリダベン(1.2 mg/kg)及びエトキサゾール(0.5 mg/kg)、中国産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 3.2 µg/kg)、トルコ産ザクロのイマザリル(1.892 mg/kg)、トルコ産ザクロのアセタミプリド(0.069 mg/kg)・チオファネート-メチル(0.507 mg/kg)及び未承認物質カルベンダジム(0.579 mg/kg)、

ゴマ製品のエチレンオキシドの検出:警報通知 3件、注意喚起情報 1件

 

[FSA] 2021年4月1日以降に引き続き販売されるCBD製品基準に関する更新

Update to criteria of CBD products which can remain on sale from 1 April 2021

11 March 2021

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/update-to-criteria-of-cbd-products-which-can-remain-on-sale-from-1-april-2021

CBD事業者は引き続き2021年3月31日までに新規食品申請を提出しなければならない。

 

[FSA] 2021年3月 FSA理事会の概要

Summary of discussions at FSA Board meeting March 2021

11 March 2021

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/summary-of-discussions-at-fsa-board-meeting-march-2021

今年度初めての会議において、FSA理事会では世界的なパンデミックが続く状況及び欧州連合を離脱した英国の新しい社会について話し合われた。

 

[FSAI] 除草剤ハロキシホップのためVeganic White Sesame Seedsの回収措置

Withdrawal of a Batch of Veganic White Sesame Seeds due to the Presence of the Herbicide Haloxyfop

Friday, 12 March 2021

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/Veganic_White_Sesame_Seeds.html

未承認の除草剤ハロキシホップのため、ボリビア産Veganic White Sesame Seedsの回収措置。製品写真あり。

 

[CFIA] 食品安全警告- クラスIリコール

-Our Father's Farmブランドのアプリコットカーネル製品の消費はシアン化物中毒を引き起こす可能性がある

Food Safety Warning - Consumption of Our Father's Farm brand bitter apricot kernel products may cause cyanide poisoning

March 12, 2021

https://inspection.canada.ca/food-recall-warnings-and-allergy-alerts/2021-03-12/eng/1615601815987/1615601822165

 

-Organic Traditionsブランドの乾燥アプリコットカーネル製品の消費はシアン化物中毒を引き起こす可能性がある

Food Recall Warning - Consumption of Organic Traditions brand Dried Bitter products may cause cyanide poisoning

March 11, 2021

https://inspection.canada.ca/food-recall-warnings-and-allergy-alerts/2021-03-11/eng/1615498625763/1615498631819

 

-特定のアプリコットカーネル製品の消費はシアン化物中毒を引き起こす可能性がある

Food Recall Warning - Consumption of certain apricot kernel products may cause cyanide poisoning

March 12, 2021

https://inspection.canada.ca/food-recall-warnings-and-allergy-alerts/2021-03-12/eng/1615607619889/1615607625484

CFIAの検査結果に基づく複数製品のリコール。写真あり

(中国産 杏仁という文字がある)

 

[FDA]コロナウイルス(COVID-19)更新

Coronavirus (COVID-19) Update: March 12, 2021

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-march-12-2021

(一部)

・COVID-19関連の不正表示の未承認製品の販売のためCannafylに警告文書を発した。製品成分にCBDを含む。

 

[WHO]出版物

-難分解性有機殺虫剤の使用を削減および排除する:持続可能な害虫とベクター管理のための代替戦略ガイダンス

Reducing and eliminating the use of persistent organic pesticides: guidance on alternative strategies for sustainable pest and vector management

14 March 2021

https://www.who.int/publications/i/item/a76620

2002年のもの

削減対象となっているのはストックホルム条約の最初のリストに含まれる9農薬:アルドリン、トキサフェン、DDT、クロルダン、ディルドリン、エンドリン、HCB、ヘプタクロール、マイレックス

 

-自殺行動予防:より安全な殺虫剤アクセスのための地域介入に関する実現可能性実証プロジェクト

Prevention of suicidal behaviours : feasibility demonstration projects on community interventions for safer access to pesticides.

14 March 2021

https://www.who.int/publications/i/item/9789241596732

殺虫剤による意図的および意図しない自殺の予防対策についての2008年の報告

 

[ProMED]原因不明の死亡-米国:(テキサス):イヌ、有毒藻類疑い

Undiagnosed deaths - USA: (TX): dog, toxic algae susp

2021-03-12

https://promedmail.org/promed-post/?id=8242840

Date: Tue 9 Mar 2021 Source: Fort Worth Star-Telegram [edited]

テキサス当局がBelton湖で遊んだあと間もなく死亡したイヌの報告について調べている。

湖の水の色は見た目には変わらず、検体を採取し検査を行う。湖の訪問者にはペットを水に入れないこと、水を飲ませないことを助言

 

[COT]2021年3月23日の会合

COT Meeting: 23rd March 2021

Last updated: 12 March 2021

https://cot.food.gov.uk/COTMeeting23rdMarch2021

ペーパー掲載

・妊娠前・妊娠中および授乳中のヨウ素過剰摂取の影響について-2次案

(こういうのに日本がデータ提供できないのが残念。摂取量が極端に多い人がいるはずなのでちゃんと研究すれば世界が歓迎するのに)

・ヒトバイオモニタリングガイダンス値開発

・食品中CBD

・リスク評価に疫学的および毒性学的根拠を統合することについての報告書案

それぞれの不確実性を二次元マップで表現するやりかたがカフェインの胎児成長阻害を例に掲載されている

 

その他

-Scienceニュース

新たなエボラアウトブレイクは5年前に感染した人がきっかけとなった可能性が高い

New Ebola outbreak likely sparked by a person infected 5 years ago

By Kai KupferschmidtMar. 12, 2021

https://www.sciencemag.org/news/2021/03/new-ebola-outbreak-likely-sparked-person-infected-5-years-ago

これまで18人感染9人死亡の現在のギニアでのエボラアウトブレイクは2013年から2016年の間におこった11000人以上の死者を出した西アフリカでの流行の記憶を揺さぶる。しかも残っているのはトラウマだけでは無い可能性がある。新たなアウトブレイクの原因となったウイルスが5-6年前とほとんど同じで、当時の流行のサバイバーの中で休眠していた可能性を示唆する。「これは極めてショッキングだ」

(やっぱり恐ろしさの格が違う)

 

-屋内で大麻を育てるのは大量の温室効果ガスを生み出す-どのくらいかは場所による

Growing cannabis indoors produces a lot of greenhouse gases – just how much depends on where it’s grown

Jason Quinn &  Hailey Summers

https://theconversation.com/growing-cannabis-indoors-produces-a-lot-of-greenhouse-gases-just-how-much-depends-on-where-its-grown-156486

論文執筆者による解説。図があるので参照

(薬物を使うような人が環境に配慮するのだろうか?)

 

-コンシューマーラボ

製品レビュー オオバコ繊維サプリメントレビュー

Psyllium Fiber Supplements Review

03/13/2021

https://www.consumerlab.com/reviews/psyllium-supplements/psyllium/

ほとんどのオオバコサプリメントは鉛汚染で我々の検査に不合格だった

・オオバコとは?

オオバコサプリメントはオオバコの種のさや(種子の周囲を囲む粘液質のコート)から作られる。約90%が繊維でそのうち80%が可溶性。

1日量の5gあたり鉛の量が0.4から11マイクログラムを幅があった。

 

-聖アントニウスの火、セイラム魔女裁判、ビートルズ

St. Anthony’s Fire, the Salem Witch Trials and the Beatles

Joe Schwarcz PhD | 12 Mar 2021

https://www.mcgill.ca/oss/article/history-general-science/st-anthonys-fire-salem-witch-trials-and-beatles

歴史上多数の食中毒をおこしてきた麦角菌は「出産を早める」たりクラクラする幻覚を引き起こす化合物も含む

Valloireのガストンの息子が手足が腫れ焼け付くような痛みに苦しんだ。1095年、医者はいないが近くに聖アントニウスの名を冠した教会があった。聖アントニウスは悪魔の誘惑に打ち克って苦行を続けた修道院の創始者とされる。ガストンの息子が教会の聖遺物に触れると魔法のように病気が治ったという。少なくとも物語では。

ガストンは大いに感謝し、息子と同じ病気に苦しむ人のために聖アントニウス騎士団を創設した。この病気は聖アントニウスの火として知られ、希では無かった。10世紀には南フランスのアキテーヌ地方の約6万人がこの「聖なる炎」で死亡した。中世の間ずっとアウトブレイクが起こり続けた。症状には筋痙攣やひきつけ、幻覚も含まれる。カビの生えたライ麦の摂取が原因だとわかるのは17世紀になってからである。この真菌は穀物の中で鶏の蹴爪(古いフランス語で“argot”)のような形に成長するためその病気は“ergotism”(麦角中毒)と呼ばれる。

1976年の雑誌Scienceに発表された論文が、1692年のセイラム魔女裁判、21人の罪の無い人々を処刑したアメリカの暗黒史、が麦角中毒であった可能性を提示した。著者は裁判記録にある「魔女の呪い」の症状、特にひきつけや幻覚が麦角中毒の症状と一致し、セイラムの主食がライ麦であったこと、その年の気候が菌の繁殖に寄与したと主張する。しかし一部の学者はもしライ麦が汚染されていたのなら多くの人が影響されていて、この恥ずべきイベントの説明としては集団ヒステリーの可能性の方が高いという。

麦角中毒がわかってからも、ライ麦のClaviceps purpurea汚染はしばしば人々の食糧中にみつかっている。1928年にはマンチェスターで200人がライ麦パンを食べて病気になり、1951年にはフランスのSaint-Espritの町で地元のパン屋の汚染商品が原因で同様な数の中毒患者が出ている。

麦角菌は多数の麦角アルカロイドをつくり、多様な生理作用を示す。あるものは血管を収縮させ血液の流れを遮断する。あるものは幻覚を引き起こす。もちろん、ある人にとっての毒は別の人にとっての薬である。1808年にアメリカの医師John Stearnsが麦角製剤で子宮収縮を誘発できることを報告し、1世紀後にArthur Stollが酒石酸エルゴタミンを単離した。現在麦角アルカロイドは一部の頭痛や出産後の失血を減らすのに使われている。

いつものように、医薬品として有用な化合物は化学者が合成しようとする。1938年にスイスのSandoz社のAlbert Hofmann博士がそれを行った。彼は麦角から単離した化合物を扱っていて、そのうち一つがリセルグ酸だった。彼はそれを各種アミノ酸と組み合わせて望む効果のある化合物を作ろうとしたがうまくいかなかった。しかしある日リセルグ酸ジエチルアミド酒石酸塩(LSD)の結晶化をしているときに一部を飲み込んでしまった。Hofmann博士はそのときの驚くべき経験を後に説明している「悪魔が私の中に入ってきて身体と心と精神を乗っ取ろうとしている-」。LSDに医学的使用法は見つからなかったものの、この薬物は違法に合成され濫用された。ビートルズのヒット曲Lucy in the Sky with Diamondsの歌詞にはLSDトリップを記述したものがあると主張する人もいる

(一部省略

今でも麦角汚染は重要監視事項https://edepot.wur.nl/234699

 

-欧州の未来会議の茶番

The Farce of the Conference on the Future of Europe

Posted by RISKMONGER on MARCH 12, 2021

https://risk-monger.com/2021/03/12/the-farce-of-the-conference-on-the-future-of-europe/

欧州は将来のEU政策を決めるのに市民に力を与える一年にわたる意見募集プロセスを設定した。

やれやれ。

最近の経験から不安になる。例えば英国が市民に北極探査船の名前を相談したとき、圧倒的多数がBoaty McBoatface(もとはインターネットのジョークらしい)を支持した。フランス政府が「市民気候会議」を設定したとき、市民委員会が要求した重要項目の一つは5Gの禁止だった。おそらく欧州未来会議も活動家とNGOによって悪用されるだろう

(以下いろいろ良くない予想が書いてある。どうなるかな)

 

-あなたのカクテルにはがん警告をつけるべきか?

Should Your Cocktail Carry a Cancer Warning?

March 4, 2021  By Anahad O’Connor

https://www.nytimes.com/2021/03/04/well/alcohol-cancer-risk.html

パンデミックによる撹乱で多くの人の飲酒量が増え、専門家がアルコールと病気の関連を強調する

昨年パンデミックがおこったとき、多くのアメリカ人がワインやビールやリキュールを買いだめした。しかし販売増加はがん予防が専門の健康の専門家にとっては心配事であった。近年飲酒リスクに警告や啓発を求める医学団体が増加している。アルコールはタバコと肥満についで3番目の、予防可能ながんの原因だからだ。

10月にアメリカ臨床癌学会などが連邦政府にアルコールのラベルにがん警告を加えることを求めた。医学の専門家はアルコールが各種がんのリスク要因であることを長い間認識しているが、アメリカ成人でそれを知っているのは1/3以下だった。他国も飲酒対策を強化している。そして現在進行中のパンデミックがその必要性をさらに強調する。肝不全などのアルコール関連疾患での入院がロックダウン後に急増したからだ。自宅から働くことの増加も一日中飲酒することを簡単にしている。

しかしアルコール業界は規制強化に激しく反発している

(長い記事一部のみ)

 

-精管切除の性的政治問題

The Sexual Politics of Vasectomies

January 1, 2021 written by Tanveer Ahmed

https://quillette.com/2021/01/01/the-sexual-politics-of-vasectomies/

環境問題の議論には伝統的には男性生殖器が懸念となることはない。しかしオーストラリアの外科医Nick Demediuk博士、別名「ドクターちょん切り」が過去10年に見てきた最大の変化はそれである。「完全菜食主義過激派の増加である。彼らは精管を切除する」

Demediuk博士によると20-30代の若い人が人口増加を懸念して精管切除する割合が増加している。政治信条から子どもを一生持ちたくないという。

2020年に世界で2番目にビーガンの多い研究グループChef’s Pencil found Australiaでも過去5年に精管切除への関心の高まりを発見している。この傾向は、最もよく使われる避妊方法であるホルモン薬やコンドームのような方法は動物由来原料を使っていたり動物実験が行われていたりすることによってさらに強化されている。

精管切除は一部の国では厳しい規則があってどこでもできるわけではない。オーストラリアでは1971年から合法になった。オーストラリアとニュージーランドは世界で最も精管切除率が高い。オーストラリアでは40才以上の男性の4人に1人が切除している。一方世界平均は2%ほどである。

男性不妊手術の傾向は必ずしもジェンダー平等とはイコールでは無い。環境政策との関連は豊かな国限定である。精管切除に関心が集まったのは昨年もとオーストラリア規則フットボール選手であるBrendan Fevolaが妻にパイプカットを要求されたと認めた時である

男性がフェミニストであることの証明として精管切除をすることが増えている。女性はそれを要求することで力を得たと感じる。

(いろいろ略。環境に配慮した政治的に正しいビーガンでフェミニストは生殖能力があってはいけないわけ?じゃあなんで環境ホルモンで精子が減ると主張して騒ぐわけ?)