2021-03-16

[COT] 6ヶ月から5才の子どもの植物ベースの飲料についての包括的声明概要

Overarching Statement on consumption of plant-based drinks in children aged 6 months to 5 years of age: Lay summary

COT Statement 2021/01

January 2021

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2021-02/Overarching%20Statement%20on%20consumption%20of%20plant-based%20drinks%20in%20children%20aged%206%20months%20to%205%20years%20of%20age%20Lay%20summary_3.pdf

導入

  1. 英国の保健省(DHSC)、公衆衛生庁(PHE)及び食品基準庁(FSA)は乳幼児や幼い子供の食事における植物ベースの飲料の使用に関し、問い合わせの件数が増えている。そのため、COT(英国毒性委員会)はこれらの年齢層の食事において消費される大豆、アーモンド及びオート麦飲料により引き起こされるリスクの可能性を考慮するよう要請された。

2.英国政府は初めての乳児用調整粉乳(一般に牛乳に基づくもの)は、乳児の最初の12ヶ月において母乳に取って代わる唯一の適切なものであると助言する。牛の全乳は1歳から主要な飲料として与えることができる。1歳から、大豆、アーモンド及びオート麦飲料といった甘くないカルシウム強化の植物ベースの飲料も健康なバランスのとれた食事の一環として与えることができる。

3.これらの飲料の安全性評価の主な問題は、乳成分不使用の食事あるいは植物ベースの食事をする乳幼児や幼い子供の食事摂取量に関する情報がないことである。

  1. 5歳児未満のビーガンの子供が確実にバランスのとれた食事をするために機関が提供する推奨が、乳成分不使用あるいは植物ベースの食事をする子供の代表的な摂取量を作成するために、適切な配分量や消費頻度を割り出すのに使用された。その後、それぞれの飲料中の懸念される化学物質への暴露を計算するために、それぞれの年齢層の1日摂取量を計算するのに使用された。
  2. 暴露推定は入手できる最適なデータを使用したが、実際の摂取に関して不確実性の程度が高かった。これはこの数値が、これらの年齢の乳幼児や子供が食事所要量を満たすことを保証する推奨に基づいたためであった。実際の摂取量は異なる可能性がある。
  3. COTは、幼い子供が1つの飲料を好むようになる可能性があるので、子供の消費が1種類の植物ベースの飲料に限られるという想定をする、以前に採択された方法を使用することで一致した。これは摂取量が最も高い想定をするので、最も慎重な方法とみなされた。

7.この植物ベースの食事をする人口はますます増えており、現実的な食事摂取量の情報は将来的なリスク評価に役立つので、委員会はすべての年齢層における植物ベースの食事をする人にとっての現実世界での消費情報の必要性を強調した。

大豆

8.大豆飲料は乳製品の人気のある代替品であり、その使用は拡大しつつある。大豆製品は植物エストロゲン(イソフラボンの形で)を含む。乳幼児や幼い子供の食事中のイソフラボンの副作用に関する懸念は、女性ホルモンであるエストロゲンを模倣する能力、それゆえ発育と生殖に影響する可能性に主に関連する。

  1. 植物性エストロゲンの安全性はCOTが2003年と2013年に考慮した。2003年には栄養に関する科学諮問委員会(SACN)がCOTの意見を考慮し、現在の政府の助言を変更する科学的な基礎はなかったと結論を出した。―すなわち、大豆ベースの乳幼児調整粉乳の使用により生じる実質的な医学的必要性も健康効果もなく、牛乳アレルギーをもつ乳幼児のためといった十分な栄養を確保するための例外的な状況でのみ使用するべきである、ということである。2013年にはこれをCOTが再確認した。現在、大豆調整粉乳は保健師あるいは医師により推奨あるいは処方される場合のみ使用すべきである。

10.この評価で、委員会は2013年評価以降に公表されたデータをレビューした。委員会は新たな動物研究は全体的なデータベースに意義ある付け加えはなかったと結論づけた。

11.これまでの評価と同様に、ヒトの研究でも副作用の可能性の兆候はいくつかあったが、植物エストロゲンへの感受性が年齢層によって異なるかどうか、入手できるデータから判断することはできなかった。

12.委員会は生後6ヶ月から5歳児の子供における大豆飲料の消費による植物性エストロゲンの摂取は、医学的に必要である生後0-6ヶ月の乳児が大豆調整粉乳を飲むことで推定される最大摂取量を超えることはないと結論づけた(上記9段落参照)。この植物エストロゲンの摂取の最大濃度は1日あたり9.5 mg/kg 体重と推定された。

13.委員会は、入手できる情報に基づき、生後6ヶ月から5歳児の食事における他の大豆ベースの食品からの植物エストロゲンに対する暴露量は、大豆飲料からの暴露量よりも低く、そのため懸念は小さいと意見が一致した。しかし、食事において大豆摂取すべてからの植物エストロゲンへの暴露量が考慮された場合、暴露量は1日あたり9.5 mg/kg 体重という最大濃度にずっと近づいた。

14.委員会メンバーは毒性学的懸念の可能性に加え、生後6ヶ月から5歳児の食事における大豆ベースの飲料消費に関する追加の助言をだす必要性があるかどうか評価するために栄養学的問題も考慮する必要があるだろうと意見が一致した。

オート麦

15.オート麦飲料は牛乳の代替として植物ベースあるいは乳成分不使用の食事をする子供に与えられることがある。オート麦は特にトリコテセン-マイコトキシンのT-2及びHT-2、デオキシニバレノール(DON)及びオクラトキシンA(OTA)といったマイコトキシン汚染の可能性がある。マイコトキシンは特定のカビにより生成される自然発生毒である。そのため、マイコトキシンはオート麦のような特定の食品にとって回避できない汚染である。国際基準ではマイコトキシンの濃度を可能な限り低くし、暴露を制限している。COTは入手できるデータを評価し、上記の汚染の推定暴露量を考慮した。

- T2及びHT-2

16.欧州食品安全機関(EFSA)は2017年にT-2及びHT-2の安全性を考慮した。健康影響に基づく指標値は、急性暴露(短期間あるいは一度の)による催吐作用(嘔吐を引き起こす)と長期暴露による免疫及び肝毒性作用(肝臓への毒性影響)に対して設定された。英国の摂取データをレビューした後、COTはHT-2 及びT-2の総量に対する急性暴露に関し、急性参照用量(ARfD)を超えるにはオート麦飲料の大量消費(最低1日あたり5.4リットル)が必要であった。このため、オート麦飲料摂取によるHT-2 及びT-2への急性暴露は低リスクとみなされた。

17. T-2及びHT-2の1-2歳の子供に観察されたわずかな超過という例外はあるが、一般に、T-2、HT-2に対する長期的な暴露量はすべて、それぞれのTDI(耐容1日摂取量)より低かった。一般的な食事と組み合わせたオート麦飲料からの総暴露量の評価は安全側である(すなわち現実性と比較すると高い)と見なされ、事実、超過が小さく一時的であったためT-2及びHT-2に関しては慢性的な健康影響はないだろうという結論になった。

- DON(デオキシニバレノール)

18.DON(デオキシニバレノール)は、体重増加抑制の動物研究に基づき、DONとその関連化合物の3-Ac-DON(3-アセチルデオキシニバレノール)、15-Ac-DON (15-アセチルデオキシニバレノール)およびDON-3-glucoside(デオキシニバレノール-3-グルコシド)の総量に対し耐容1日摂取量(TDI)が設定された。ヒトにおいて、急性暴露後の嘔吐が重要な影響として確認された。

  1. COTはDONに対する急性暴露に関し、急性参照用量(ARfD)を超えるには、オート麦飲料の大量消費(最低1日あたり28リットル)が必要という結論をだした。このためDONに対する急性暴露は低リスクとみなされた。

20.1-5歳の子供に観察されたわずかな超過という例外はあるが、一般にT-2及びHT-2に対する長期的な暴露量はすべてTDI(耐容1日摂取量)より低かった。オート麦飲料と一般の食事をあわせた総暴露量の評価は安全側であると考えられ、事実、超過がわずかで一時的であるため、DONに関しては慢性的な健康影響ないだろうという結論になった。

- OTA(オクラトキシン)

21.OTA(オクラトキシン)については、2020年にEFSAがOTAにより引き起こされるリスクを評価するために腫瘍性及び非腫瘍性(それぞれ肝臓腫瘍と顕微鏡的腎病変)の影響に対するOTAの暴露マージン(MOE)を設定した。MOEは安全性の懸念の開始となる暴露量を決定するために使用される基準である。遺伝毒性発がん物質に関し、MOEs≥10,000は低い懸念を示す。他ではMOE ≥100が低い懸念を示す。OTAがDNAとの直接的な相互作用(遺伝毒性発がん物質)あるいは違うメカニズムを介して肝臓腫瘍を引き起こす可能性があるかどうかはっきりしない。

  1. リスクキャラクタリゼーションに使用したがんのエンドポイントに多くの不確実性があり、さらにOTAが遺伝毒性発がん物質かどうか明確でないため、MOE基準値ははっきりしないということが指摘された。委員会は、OTAがDNAに直接作用しないといういくつかのエビデンスがあるため、直接的で遺伝毒性かつ発がん性の物質のMOE of ≥10,000は、この場合適当でない可能性があると言及した。いくつかの年齢層はMOEsが非腫瘍性病変にとって望ましいMOEsを下回ったが、すべての年齢層において、がんに影響する10,000より低いMOEsであった。特にオート麦飲料のこれらの汚染物質に関する分析情報の欠如と暴露評価で使用される想定を考慮し、この評価の不確実性は高いと考えられた。リスクが過大に評価されている可能性が高いと指摘された。
  2. OTAに関し、委員会は暴露推定が健康懸念の可能性を示すかどうか結論をだすことはできなかった。実際の暴露量の評価は、一般の集団に健康懸念の可能性があるかどうか設定するために幼い子供だけでなく成人にとっても必要である、と意見が一致した。
  3. 全体として、DONやT-2 及びHT-2の総量は入手できるデータに基づき、健康リスクはないと結論づけられた。しかし、入手できるデータセットの不確実性のため、OTA暴露からのリスクは判断できなかった。

アーモンド

  1. アーモンド飲料は大豆やオート麦飲料より栄養価は低いが、牛乳の代替として子供に与えられることがある。マイコトキシンであるアフラトキシンB1は、アーモンド飲料に移行する可能性があるアーモンド内の起こりうる化学物質汚染として確認された。アフラトキシンB1は、遺伝毒性発がん物質であり、そのため欧州連合はアフラトキシン量の法的基準を設定する;これは最大基準値と呼ばれ、「合理的に達成可能な限り低く」の(ALARA)の原則を使用する。これはそのような化合物に対する暴露は可能な限り低い濃度であることを保証する。アフラトキシン濃度に関する信頼できるデータがいので、アーモンドは法定最大基準値のアフラトキシンを含むと想定された。
  2. アーモンド飲料製造段階のアーモンド加工がアフラトキシン濃度に与える影響に関する分析情報がなく、アーモンド飲料自体の濃度に関する情報もなく、健康へのリスクを評価する際の大きな制限と考えられた。この制限を考慮すると、EFSAにより設定された最大基準値に基づくリスク評価をすることは、不確実性が高く、リスクの過大評価につながる可能性が高く、適切でないと結論づけられた。AFB1への暴露による健康リスクは判断できなかった。
  3. アーモンドはシアン化配糖体も含む。これはアーモンドがかみ砕かれる、加工されることで物理的に破壊される場合に発生することがある。この場合、アーモンドに含まれるβ-グルコシダーゼの酵素と相互作用する可能性がある。この酵素はシアン化配糖体を分解してシアン化水素を発生することがある。シアン化水素の大量暴露はけいれん、意識喪失、めまい、虚弱、精神錯乱及び心不全につながる可能性がある。
  4. ビターアーモンド種には高濃度の配糖体が存在するが、一方、スイート種にはほとんど存在しない。アーモンド飲料中のシアン化配糖体の量は不確実であるが、分析ではシアン化物は少量しか検出されていない。入手できる情報が示すことは、苦い種類のアーモンドは商業的なアーモンド園では栽培されず、不用意にアーモンドミルク飲料中に苦いアーモンドを使用してしまうことは、完全に排除することはできないが、強い「マジパン」風味を飲料に加えるので、苦いアーモンドはおいしくないので意図的に使用されることはないだろう。全体として、アーモンド飲料中のシアン化合物の急性毒性に対する特別な懸念はないと意見が一致した。

 

[EFSA]意見等

-ブルーベリーのホスホン酸カリウムの輸入トレランスの設定

Setting of an import tolerance for potassium phosphonates in blueberries

EFSA Journal 2021;19(19):6478  15 March 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6478

EC規則No 396/2005条項6に従って、申請者Exponent International Ltd. (the U.S. Highbush Blueberry Council (USHBC)の代表)はブルーベリーに有効成分ホスホン酸カリウムの輸入トレランスを設定するためにフランスの国立管轄機関に要請を提出した。この要請を支持する提出されたデータは、ブルーベリーの最大残留基準(MRL)提案を導出するのに十分だとわかった。妥当性が確認された定量限界(LOQ) 0.1 mg/kgで検討中の作物のホスホン酸の残留物を管理するのに適した執行のための分析手段が得られた。リスク評価結果に基づき、EFSAは、報告された農業規範によるホスホン酸カリウムの使用から生じる残留物の短期及び長期摂取は消費者の健康リスクになりそうもないと結論した。消費者リスク評価は指標と見なされ、ホセチル及びホスホン酸のMRLsの共同レビューの枠組みで詳細摂取評価が行われる予定である。

 

-FoodEx2維持管理2020年

FoodEx2 maintenance 2020

EFSA Journal 2021;18(18):EN-6507  15 March 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6507

FoodEx2は、EFSAが開発・維持管理している包括的な食品分類及び説明システムである。その完全な適用性を確保するには、このシステムの定期的な維持管理が必要である。この技術的報告書は2020年中に行われた4回目の維持管理工程の結果を説明している。

 

-重要評価ツールでEFSAの経験を収集するためのソフトウェア

Software for Collecting EFSA Experiences on Critical Appraisal Tools

EFSA Journal 2021;18(18):EN-2002 15 March 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-2002

枠組み合意OC/EFSA/AMU/2019/02で公表されている特定契約No 2で、EFSAは重要評価ツール(CAT)を用いた情報収集のためのウェブアプリを実装するようOpen Analyticsに求めた。このウェブアプリには、管理目的、データの表示、実際の調査の3つのモジュールがある。2種類のユーザータイプ (1) AMUレベル、記録を追加/編集できる、(2) EFSAレベル、すべての記録を見ることができる、で可視範囲が異なる。

 

-動物の栄養に使用する添加物に関する申請準備のための行政ガイダンス

Administrative guidance for the preparation of applications on additives for use in animal nutrition

EFSA Journal 2021;18(18):EN-6508  12 March 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6508

この文書はEFSAに評価される動物の栄養に使用する添加物に関する申請書を提出する申請者へのガイダンスを提供する。

 

-EU規則2015/2283条項10に従う新規食品の申請準備のための行政ガイダンス

Administrative guidance for the preparation of applications on novel foods pursuant to Article 10 of Regulation (EU) 2015/2283

EFSA Journal 2021;18(18):EN-6488 12 March 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6488

この文書はEFSAに評価されるEUの新規食品の申請を提出する申請者へのガイダンスを提供する。

 

-鶏肥育用及び産卵鶏育成用に使用するアンプロリウム塩酸塩(COXAM®)からなる飼料添加物の有効性(Huvepharma N.V.)

Efficacy of the feed additive consisting of amprolium hydrochloride (COXAM®) for use in chickens for fattening and chickens reared for laying (Huvepharma N.V.)

EFSA Journal 2021;19(19):6457  12 March 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6457

 

-特定の小さな果実やベリー類のフルジオキソニルの既存MRLsの改訂

Modification of the existing maximum residue levels for fludioxonil in certain small fruits and berries

EFSA Journal 2021;19(3):6477 11 March 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6477

意図したEU北部の屋外やEUの屋内使用を支持する提出されたデータは、クランベリー、グーズベリー、カラント、ブルーベリーのMRL提案4 mg/kgを導出するのに十分だとわかった。妥当性が確認された定量限界(LOQ) 0.01 mg/kgで、検討中の植物本体のフルジオキソニルの残留物を管理するのに適した執行のための分析手段が得られた。リスク評価結果に基づき、EFSAは報告された農業規範によるフルジオキソニルの使用から生じる残留物の長期摂取は消費者の健康リスクになりそうもないと結論した。

 

-ホップのシフルフェナミドの輸入トレランスの設定

Setting of import tolerance for cyflufenamid in hops

EFSA Journal 2021;19(19):6492 11 March 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6492

EC規則No 396/2005条項6に従って、申請者Nisso Chemical Europe GmbHはホップに有効成分シフルフェナミドの輸入トレランスを設定するために、ギリシャの国立管轄機関に要請を提出した。この要請を支持する提出されたデータは、ホップの最大残留基準(MRL)提案を導出するのに十分だとわかった。だが、原産国のMRLは残留試験から導出されたMRL提案より少ないことを考慮して、適切なMRL値を決めるために、さらなるリスク管理の考慮が必要である。妥当性が確認された定量限界(LOQ) 0.01 mg/kgで、検討中の作物のシフルフェナミドの残留物を管理するのに適した執行のための分析手段が得られた。消費者リスク評価結果に基づき、EFSAは報告された原産国の農業規範によるシフルフェナミドの使用から生じる残留物の短期及び長期摂取は消費者の健康リスクになりそうもないと結論した。MRLレビュー中にEFSAが導出したいくつかのMRL提案にはさらなる確証データが必要なことを考慮して、この結論は指標と見なされるものとする。

 

-EFSAの化学物質ハザードの維持、更新、さらなる開発:OpenFoodTox 2.0

Maintenance, update and further development of EFSA's Chemical Hazards: OpenFoodTox 2.0

EFSA Journal 2021;18(18):EN-6476  9 March 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6476

この文書では、OpenFoodToxのデータベース(“OpenFodTox 2.0”)の維持、更新、さらなる展開といった全体的な方針で、包括契約(OC/EFSA/SCER/2018/01)の2年目に実施された活動の概要を示している。

 

[TGA] クソニンジンやニガヨモギを含む医薬品

Various medicines containing Artemisia annua and Artemisia absinthium

15 March 2021

https://www.tga.gov.au/alert/various-medicines-containing-artemisia-annua-and-artemisia-absinthium

TGAは妊娠中に使用すると許容できないリスクを引き起こすとして、高濃度のクソニンジンやニガヨモギを含む医薬品数種類が回収されていると消費者や医療従事者に助言し、1製品追加し、製品リストを更新した。

 

[SFA] Instant Satay Spicesは許可濃度を超えた高濃度のアフラトキシンのため回収措置

Recall of Instant Satay Spices due to high levels of aflatoxins exceeding permitted levels

15 March 2021

https://www.sfa.gov.sg/docs/default-source/default-document-library/sfa-media-release---recall-of-instant-satay-spices-due-to-high-levels-of-aflatoxins-exceeding-permitted-levels.pdf

SFAはInstant Satay Spicesのスパイスにシンガポール食品規則の最大基準値許可濃度を超えた高濃度のアフラトキシンが検出され、回収措置。製品写真あり。

 

[FDA] プロフェッショナルサービス協議会FedHealth会議でのFDA主任科学者Denise Hintonの発言

Remarks by FDA Chief Scientist Denise Hinton to the Professional Services Council FedHealth Conference

MARCH 11, 2021

https://www.fda.gov/news-events/speeches-fda-officials/remarks-fda-chief-scientist-denise-hinton-professional-services-council-fedhealth-conference

科学に裏付けされたコロナウィルスへの医学的取り組み、食品や医薬品供給の維持、詐欺不正製品への対策等、FDAの功を奏する取り組みの状況について。

 

[FDA]警告文書

-Ravenscroft Apothecary, Inc. DBA Ravenscroft Escentials

MARCH 12, 2021

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/ravenscroft-apothecary-inc-dba-ravenscroft-escentials-613639-03122021

コロナウィルス疾患2019(COVID-19)に関連する未承認かつ不正表示の問題。エッセンシャルオイル製品を含む。

 

[RIVM]生物起源窒素排出を探る

Exploring biogenic nitrogen emissions

15-03-2021

https://www.rivm.nl/publicaties/verkenning-biogene-stikstofemissies

オランダの、生物起源の大気中への窒素排出を同定し解析した。生物起源排出はヒトの活動によらないもので、森林や荒野から、自然に生きている動物の糞からくるものである。動物の排出するアンモニアは鳥と動物から合計1.9キロトン、幅1.3-2.5キロトンと推定した。これはアンモニアの総排出量の1.5%である。

 

論文

-28カ国研究で男性の死亡率は女性より60%高い

Risk of death for men 60% higher than for women in study of 28 countries

15-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/cmaj-rod031021.php

50才以上の男性は女性より60%死亡率が高く、一部は喫煙と心疾患で説明できるが男女差は国により違う。CMAJ

 

-強力磁石に関する中毒センターへの問い合わせは禁止が解除された後444%増加

Calls to poison centers about high-powered magnets increased by 444% after ban lifted

15-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/nch-ctp031221.php

2012年にCPSCが強力磁石のおもちゃは子どもに危険だとして販売禁止にしたが2016年に控訴裁判所がこの規則をひっくり返した。その後再び強力磁石のおもちゃが販売されるようになり、磁石による健康被害が増加した。Journal of Pediatrics

 

-COVID-19恐怖:環境要因ではなく心理的要因が重要

Fear of COVID-19 :Psychological, not environmental factors are important

15-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/uov-foc031521.php

PLOS ONEに発表された国際研究。COVID-19パンデミック対応としての自宅待機命令期間中の恐怖と認識されている健康状態は、その地域の感染状況やロックダウン制限の厳しさよりも、物資不足への心配や病気の感染性への見積もり等の個人の要因のほうが予測性が高い

 

-fall armyworm(ヨトウムシ)に影響されたジンバブエの家庭は飢餓を経験する可能性が12%高い

Households in Zimbabwe affected by fall armyworm are 12% more likely to experience hunger

15-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/c-hiz031521.php

Food and Energy Security

ジンバブエのトウモロコシ農家の調査。害虫管理をうまくできなかった場合収入が一人あたり50%低いが管理できると収入は減らない。害虫の侵入した185家庭のうち30%ほどが全く介入を行わなかった。介入の主な手段は合成殺虫剤の使用と手で卵と幼虫を取り除く。他の方法として灰を撒く、虫のついた植物を除去する、焼く、洗剤を撒く。

(何もしないというのは何故だろう?)

 

オーストラリア保健省

それほんと?COVID-19ワクチンのデマに対抗する

Is it true? Countering the misinformation on COVID-19 vaccines

14 March 2021

https://www.health.gov.au/news/is-it-true-countering-the-misinformation-on-covid-19-vaccines

公式サイトを新たに作った

 

首相の声明

MEDIA RELEASE

14 Mar 2021

https://www.pm.gov.au/media/it-true-countering-misinformation-covid-19-vaccines

オーストラリア政府はCOVID-19ワクチンのデマに対抗するキャンペーンを強化する。

オーストラリア人がCOVID-19ワクチンについて知りたいこと、知る必要のあることは全てウェブサイトから入手できる。

ワクチンはこのパンデミックから抜け出す道の重要な一歩である。人々がワクチンについて信頼できる情報源から情報を得ることが必須で、それは政府公式サイトであるべきである。毎日新しいワクチンが開発されるので疑問を感じたりワクチンに躊躇するのは当然である。そのことで反ワクチンになったりはしない。新しいウェブサイトは人々の疑問のほとんどに答え定期的に更新される。政府は3100万ドルの教育キャンペーンを行い人々にワクチンの認可プロセスや詳細について情報提供する。

予防接種を受ける人が多ければ多いほど、より多くの人が重症化から守られ、自分やより広範な地域を安全に維持できる

 

COVID-19 vaccines ⁠–⁠ Is it true?

https://www.health.gov.au/initiatives-and-programs/covid-19-vaccines/covid-19-vaccines-is-it-true

(マイクロチップが入っているとか不妊になるとかDNAを変えるとかのデマも載っている。ワクチンでインターネットにつながる、というデマは初めてみた)

 

その他

-学校に砂糖の多いスナックを禁止することを要求するPrue Leithシェフは正しい?料理コンテスト番組Great British Bake Offの審判はケーキ禁止は始まりに過ぎない-パック入りランチも同じく違法にすべきと公表

Is Prue Leith (of all people!) right to demand a school ban on sugary snacks? Great British Bake Off judge reveals a cake ban would just be the start... and that packed lunches should be outlawed too

13 March 2021

https://www.dailymail.co.uk/health/article-9358459/Is-Great-British-Bake-judge-Prue-Leith-right-demand-school-ban-sugary-snacks.html

81才のベテランシェフPrue Leithは先週ケーキに宣戦布告。

ランチの時間は数学の授業時間と同じように健康的食生活を学ぶ時間とすべき、と主張

(ケーキの名人)

 

-フランスのコロナウイルスパンデミック:パリはICUが一杯になり新たなロックダウンに直面

Coronavirus pandemic in France: Paris may face new lockdown as ICUs fill up

15/03/2021

https://www.france24.com/en/video/20210315-coronavirus-pandemic-in-france-paris-may-face-new-lockdown-as-icus-fill-up

ICUが一杯になりワクチンの供給不足で接種が進まないためパリは新たにロックダウンになるかもしれない

 

フランス、イタリア、ドイツはアストラゼネカのワクチンを停止

France, Italy and Germany suspend AstraZeneca vaccine until European watchdog ruling

https://www.independent.co.uk/news/health/astrazeneca-vaccine-germany-blood-clot-b1817398.html

専門家は使用継続を主張

(フランスはそんなにイギリスが嫌いなんだ)

 

-少数のフェイスブックユーザーがほとんどのCovidワクチン懐疑の原因-報告

Small number of Facebook users responsible for most Covid vaccine skepticism – report

Kari Paul Tue 16 Mar 2021

https://www.theguardian.com/technology/2021/mar/15/facebook-study-covid-vaccine-skepticism

ワシントンポストが研究者が長く主張していたことを確認した研究を報道:エコーチャンバー効果

フェイスブック内部研究の初期結果によると、Covid-19ワクチンを疑うコンテンツの大部分は少数のユーザーによる。

 

Zuckerbergは人々がCovidワクチンを受けるのを助ける目的の新しいフェイスブックの特徴を公表

Zuckerberg unveils new Facebook feature aimed at helping people get their Covid vaccine

15 Mar, 2021

https://www.rt.com/usa/518120-zuckerberg-facebook-vaccine/

 

-イベルメクチンについてメモ

NIH

COVID-19治療ガイドライン

COVID-19 Treatment Guidelines Ivermectin

Last Updated: February 11, 2021

https://www.covid19treatmentguidelines.nih.gov/antiviral-therapy/ivermectin/

イベルメクチンについて好ましい結果が出ている試験は質が低い

 

COVID-19パンデミック中のイベルメクチンの使用についてのメルクの声明

Merck Statement on Ivermectin use During the COVID-19 Pandemic

February 4, 2021

https://www.merck.com/news/merck-statement-on-ivermectin-use-during-the-covid-19-pandemic/

イベルメクチンのメーカーがCOVID-19患者に使う根拠は無いと言っている

副作用もそれなりにある

 

NSW政府エビデンスチェック

イベルメクチンとCOVID-19

Evidence check

Ivermectin and COVID-19

23 December 2020

https://aci.health.nsw.gov.au/__data/assets/pdf_file/0004/625090/20201223-Evidence-Check-Ivermectin-and-COVID-19.pdf

アメリカ、インド、バングラデシュ等でイベルメクチンを予防的におよび治療目的で使うことへの関心が高い。RCTの根拠は混合

米国ではFront Line COVID-19 Critical Care Alliance (FLCCC アライアンス)が熱心に推進しているがFDAは認可していない。イベルメクチンの根拠は継続して出てきているが入手できる根拠のほとんどは質が低い。