2021-04-02

[ヘルスカナダ]意見募集:植物育種に焦点を絞った新規食品規制のための新しいガイダンス案

Consultation: Proposed new guidance for Novel Food Regulations focused on plant breeding

2021-03-25

https://www.canada.ca/en/health-canada/programs/consultation-guidance-novel-foods-regulation-plant-breeding.html

2021年3月25日から2021年5月24日まで受け付け

ゲノム編集技術を用いた新規食品について

 

[NTP]SDラットとB6C3F1/Nマウスでの鼻のみからの吸入によるトリメチルシリルジアゾメタンの毒性試験

Abstract for TOX-101

Toxicity Studies of Trimethylsilyldiazomethane Administered by Nose-only Inhalation to Sprague Dawley (Hsd:Sprague Dawley SD) Rats and B6C3F1/N Mice

https://ntp.niehs.nih.gov/publications/reports/tox/100s/index.html

 

-RDA(Research data alliance)

環境健康科学研究における言葉の意味の相互運用性を増やす

Enhancing Semantic Interoperability in Environmental Health Sciences Research

https://www.rd-alliance.org/enhancing-semantic-interoperability-environmental-health-sciences-research

イベント通知

(データ統合の前に用語の統一が必要)

 

[BfR]BfRコロナモニター 30–31 March 2021

https://www.bfr.bund.de/cm/349/210330-bfr-corona-monitor-en.pdf

(感染状況が大きく変わっても懸念はそれほどは変わらない、ワクチンの支持率が低下2月74%→3月末55%、1年前から「情報を与えられているという認識」が下がり続けている

以下のニュースに比べるとまるで別の国の調査のようで、世論調査というのは難しい)

 

ドイツ政府の支持急降下、調査が示す

German government facing massive drop in approval, survey shows

https://www.dw.com/en/german-government-facing-massive-drop-in-approval-survey-shows/a-57082843

コロナウイルス感染が国全体で急増し、連邦政府のパフォーマンスを不可とする人が増えた、特にパンデミック対策

政府支持は11月が70%近くだったのが35%に低下

コロナ対策については12月は60%近くが承認していたのが4月は79%が不承認

 

[DHSC]国を守るための英国健康保障庁の仕事が始まる

Work begins for UK Health Security Agency to protect the nation

1 April 2021

https://www.gov.uk/government/news/work-begins-for-uk-health-security-agency-to-protect-the-nation

新たな英国健康保障庁 (UKHSA)が本日正式に設立された

 

[FTC]企業は魚油サプリメントを肝疾患の治療に臨床的に証明されていると虚偽の宣伝をして詐欺的に販売していたことでFTCに罰金を払う

Companies Settle FTC Charges that They Deceptively Marketed Fish Oil Supplements with False Claims They Were Clinically Proven to Treat Liver Disease

April 1, 2021

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2021/04/companies-settle-ftc-charges-they-deceptively-marketed-fish-oil

BASF と DIEMが総額416914ドルを払う

非アルコール性脂肪肝(NAFLD)の肝臓の脂肪を減らすことが臨床的に証明されていると宣伝していた。製品名はHepaxa, Hepaxa PDあるいはオメガ3脂肪酸のどれか一つを含み、心臓、代謝、肝臓の健康あるいは機能に利益があると宣伝していたもの。

(BASFほどの企業が健康食品なんかに手を出すなんて。根拠としているのがNutrition Reviewsで、医学雑誌ではないところが既に残念。重い病気には重い根拠が必要なのに)

 

[EPA]米国EPAはネバダとカリフォルニアの会社に違法消毒剤の販売を止めるよう命令

U.S. EPA orders Nevada and California companies to stop selling illegal disinfectants

04/01/2021

https://www.epa.gov/newsreleases/us-epa-orders-nevada-and-california-companies-stop-selling-illegal-disinfectants

未登録消毒剤FN ナノ光触媒コーティング、別名 FN コーティング、 FN NANO2 光触媒フィルムの販売を中止するよう命令。これらはEPAに消毒剤として登録されていない。このような行為はCOVID-19パンデミック期間には特に問題がある

消毒用にはEPAのリストにあるものを使うこと

https://www.epa.gov/pesticide-registration/list-n-disinfectants-coronavirus-covid-19

(抗菌フィルムなどリストには無い。フィルム貼るだけで抗菌とか宣伝しているものは日本にもある)

 

論文

-健康と福祉の増進のために「食料安全保障」から「栄養安全保障」にシフトするとき

Time to shift from 'food security' to 'nutrition security' to increase health and well-being

1-APR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-04/tuhs-tts040121.php

JAMAに発表されたTufts と Georgetown大学の科学者と人道主義者(料理人)José Andrésの主張

米国は1960年代は飢餓が問題だったが1990年代は「食料安全保障」に変わった。そしてこれからは栄養安全保障である

(José Andrésシェフのお腹が気になるんですが)

 

-WHO紀要

Bulletin of the World Health Organization

Volume 99, Number 4, April 2021, 241-320

https://www.who.int/bulletin/volumes/99/4/en/

安全でない質の低い住居による環境疾病負担、ニュージーランド、2010-2017等

 

-EPIC試験における終末糖化産物血漿濃度と大腸がんリスク

IARC

Plasma concentrations of advanced glycation end-products and colorectal cancer risk in the EPIC study

1 April 2021

https://www.iarc.who.int/news-events/plasma-concentrations-of-advanced-glycation-end-products-and-colorectal-cancer-risk-in-the-epic-study/

Carcinogenesis

Nε-(カルボキシメチル)リジン (CML)、Nε-(カルボキシエチル)リジン (CEL), およびNδ-(5-ヒドロ-5-メチル-4-イミダゾロン-2-イル)-オルニチン (MG-H1)を測定

CMLと MG-H1は大腸がんリスクと逆相関、CELは関連がない。

メチルグリオキサール由来AGEsとグリオキサール由来AGEsの比[CEL+MG-H1: CML]は大腸がんリスクと正の関連があった

(総AGEsは大腸がんと負の関連。世間一般に流布されている説とは違って。)

 

Science

-使われる農薬の毒性は植物と無脊椎動物にシフトしている、GM作物でも

Applied pesticide toxicity shifts toward plants and invertebrates, even in GM crops

Ralf Schulz et al.,

Science  02 Apr 2021:Vol. 372, Issue 6537, pp. 81-84

1962年にRachel CarsonのSilent Springが発表され世界は農薬の野生生物への意図せぬ影響に注意することを迫られた。それ以降使われる農薬の量は減り入手できる農薬の種類が変わったとみなされている。Schulzらは過去25年に使用された農薬の種類や量、毒性について調査した。その結果使用される総量と脊椎動物への影響は減っていたが、昆虫や水棲無脊椎動物への毒性は増加した。

 

-Stewart Brandの過激な環境保護主義

Stewart Brand's radical environmentalism

  1. Patrick McCray

Science  02 Apr 2021:Vol. 372, Issue 6537, pp. 40

David Alvarado と Jason Sussberg監督による映画「我々は神のようだWe Are As Gods」、

Stewart Brandのドキュメンタリー、の紹介

Stewart Brandは1938年生まれ、スタンフォード大学でシステム生物学を学び軍でパラシュート部隊と写真撮影の任務についた。1960年代に初期のカウンターカルチャーに惹かれ、ビート族やヒッピーと交流した。1966年に幻覚剤の経験後NASAから宇宙から撮影した地球全体の写真を公開させるのに成功した。そうした写真が1960年代のポップカルチャーに浸透していた原爆のキノコ雲の暗い悲観主義を「吹き飛ばす」のに役立ったという。

1968年にBrandはカウンターカルチャー定期刊行物Whole Earth Catalogを作り、自給自足と持続可能性を宣伝した。その成功により彼はその後長く活動家で文化のインフルエンサーと見なされることになる。

1970年代以降、Brandは宇宙植民地、パソコン、ナノテク、インターネット、原子力などの公共の議論を触媒してきた。中心にあるのは環境問題である。

現在の関心はバイオテクノロジーによる絶滅種の復活である。この映画は視聴者に、ヒッピーカウンターカルチャーが「反テクノロジー」であるというステレオタイプを再考するよう促す。実際のところ半世紀前の若者は科学技術を環境にとって懸命で消費者にとって格好よく再構成する方法を見つけていた。Brandの活動の核心にあるのは人々に世界を新しい見方で見るよう促すことである

(一部のみ)

 

-Stephen Hawking、セレブ科学者

Stephen Hawking, celebrity scientist

Declan Fahy

Science  02 Apr 2021:Vol. 372, Issue 6537, pp. 41

Charles Seife著「ホーキング、ホーキング:科学界の有名人の販売Hawking Hawking: The Selling of a Scientific Celebrity」の書評

彼の人物と仕事を客観的に評価しようとする伝記

 

-特別な食事ががんをやっつける薬のパワーを強化するかもしれない

Special diets might boost the power of drugs to vanquish cancers

By Jocelyn Kaiser Apr. 1, 2021 ,

https://www.sciencemag.org/news/2021/04/special-diets-might-boost-power-drugs-vanquish-cancers

Science  02 Apr 2021:Vol. 372, Issue 6537, pp. 20-23

ニューヨーク市の腫瘍内科医Vicky Makkerが、拡がったあるいは再発した子宮内膜がんの患者をみたら、予後は良くないと知っている。放射線や薬物治療をしても、進行がんの患者の多くは5年内に亡くなる。しかしこの春、Makkeはこれを変えるかもしれない二つの臨床試験を始めるのに手助けした。ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)阻害剤はこれまでいくつかのがんの臨床試験で失敗してきたが新しい研究は普通でないやり方でこの薬を復活させようとする:患者にケトジェニックダイエット、低炭水化物食をさせる。研究者らはそれによりがん細胞に薬物が効きやすくなることを期待している。そのような考えは主流ではない、とMemorial Sloan Ketteringがんセンターの研究者であるMakkerはいう。

(以下特定の食事とがん治療の関係についての長い記事)

 

その他

-EUは「農業博物館」になるリスクを冒すべきではない、関係者が警告

EU must not risk becoming an ‘agricultural museum’, stakeholders warn

By Natasha Foote  2021年3月30日

https://www.euractiv.com/section/agriculture-food/news/eu-must-not-risk-becoming-an-agricultural-museum-stakeholders-warn/

「持続可能な農業の野心:協同農業政策(CAP)とグリーンディールの間」スペシャルレポートシリーズの一環

Sustainable farming ambitions: between the CAP and the Green Deal

https://www.euractiv.com/section/agriculture-food/special_report/sustainable-farming-ambitions-between-the-cap-and-the-green-deal/

 

-SMC UK

ラットで高温処理した食品の多い食事と腎疾患を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at diets high in heat-treated foods and kidney disease in rats

MARCH 31, 2021

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-diets-high-in-heat-treated-foods-and-kidney-disease-in-rats/

Science Advancesに発表された研究

King’s College London栄養と食事名誉教授Tom Sanders教授

この論文は24週間半合成ラット餌(対照あるいは160℃1時間加熱)を与えたラットで詳細なメカニズム研究をしたものである。加熱餌群で腎糸球体細胞の傷害とそれに関連した遺伝子発現変化の根拠をみつけた。著者らはこれを終末糖化産物の影響かもしれないとしているが、熱処理では脂肪酸やステロールの酸化による有害物質の生成やアミノ酸や微量栄養素の変化も起こりうる。従って食事内容のデザインとしては欠陥がある。さらにこれが全ての加熱したあるいは加工した食品にあてはまるとみなすのは誤解を招くものである。使ったのはラットの餌だけだ。この研究から全ての「超加工食品」が慢性腎疾患の原因だと結論することはできない。

慢性腎不全のよく知られている原因には高血圧や管理の悪い2型糖尿病がある。またカドミウムやヒ素などの有害元素への慢性暴露も原因となる。この研究のヒトへの妥当性は極めて疑わしく、人々がパンやビスケットのような焼いた炭水化物を含む食品を避ける根拠にはならない

Aston大学医学部登録栄養士で上級教育者Duane Mellor博士

この研究はラットで行われたものであることに注意。食品の加工は安全な食品を供給するために、ヒト健康にとって計り知れない価値があることも忘れずに

(長い指摘略。160℃1時間もクッキー焼いたら食べられないと思うけど)

 

-ブラジルはcovid-19症例が急増して医療システムの崩壊に直面

Brazil faces health system collapse as covid-19 cases skyrocket

31 March 2021  By Luke Taylor

https://www.newscientist.com/article/mg24933283-500-brazil-faces-health-system-collapse-as-covid-19-cases-skyrocket/#ixzz6qqvS3W4e

ブラジルの先週の死亡者は18164人で、合計30万人以上に達した。これは米国以外では最大である

研究者らは厳しい対策を求めているが大統領は一貫して反対している。ワクチンを一回受けたのは人口の6.4%である。

一方チリは100人あたり50.46回のワクチンを済ませているが3月25日の感染者は6196人で合計約100万人に達した。3月25日から厳格なロックダウンがほぼ全土で実施されている