2021-04-19

[EFSA]意見等

-全食事代用型ダイエット食品の必須成分に関する追加の科学的根拠についての声明

Statement on additional scientific evidence in relation to the essential composition of total diet replacement for weight control

EFSA Journal 2021;19(4):6494  15 April 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6494

欧州委員会からの要請を受けて、栄養、新規食品及び食物アレルゲンに関するEFSAのパネル(NDA)は、リノール酸(LA)とα-リノレン酸(ALA)の最小含有量や、マグネシウム(Mg)の最大含有量について、全食事代用型ダイエット食品(TDRs)の必須成分に関する意見を改訂するよう求められた。包括的な文献検索により脂肪組織(AT)のLA と ALAの濃度、TDR摂取後の体重減と胆石の形成、Mgサプリメント摂取後の下痢に関するヒト研究が検索された。TDRs摂取時の減量中にATから放出されたLA と ALAの量の分布は、統計シミュレーションを用いて推定された。5パーセンタイルを用いて、両FAの目安量(AI)の範囲が推定された。Mg 含有量350 mg/日でTDRs摂取時の下痢を発症するリスクについて、360–368 mg Mg/日を用いた4つのクロスオーバー試験が見直された。

パネルは次の様に結論した。(1) TDRs摂取時の減量中にATから放出された量はALAのAIをカバーするのに十分であるため、LA をTDRsに添加する必要はない。(2) 最小量0.8 g/日 ALAはALAのAIを満たすためにTDRsに必要である。(3)胆石形成のリスクを減らすために必要な脂肪量については、かなりの不確実性を考えると、パネルの以前の意見で導出されたTDRsの最小脂肪含有量20 g/日は、さらなる根拠が利用可能になるまで維持するよう提案されている。(4) TDRsの総最大Mg含有量が350 mg/日の時、TDRsを摂取する過体重や肥満のヒトで重大な懸念となる可能性のあるMg誘発性下痢が生じる可能性は低い。

 

-カテゴリー1動物副産物を含む精製脂肪のための新しい代替バイオディーゼル生産工程 (BDI-RepCat® process, AT) の申請の評価

Evaluation of the application for new alternative biodiesel production process for rendered fat including Category 1 animal by‐products (BDI‐RepCat process, AT)

EFSA Journal 2021;19(4):6511 15 April 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6511

動物副産物(ABP)カテゴリー1獣脂を含む精製脂肪由来バイオディーゼルの生産用の新しい代替手段が評価された。この手段には、触媒としてMgOを用いて、メタノール(10–15%)が存在する、一段階(温度200°C以上、保持時間15 分以上の圧力 70 バール以上)でのエステル化とエステル交換を基にした変換段階が含まれ、続いて最終製品であるバイオディーゼルの真空蒸留(150°C以上 10 mバール以下)でグリセリンが同時にできる。プリオンタンパク質の異常なアイソフォームであるプリオン類(PrPSc)が、最も耐性のあるハザードと見なされた。以前のEFSAの意見や現在の専門家評価に従って、EU規則No 142/2011の加工手段と同等と見なされるためには、工程はプリオンの感染力あるいは検出可能なPrPScの少なくとも6 log10の削減を達成する必要がある。検討中のバイオディーゼル生産工程の変換工程の実験的再現の発表されたデータが提出され、ウエスタンブロット法により、マウスとヒトのプリオン株を加えた獣脂に検出可能なPrPScの少なくとも6 log10削減が示された。さらに、メタノールの存在はバイオディーゼル基質由来PrPScの回収または検出に影響しないことが示された。科学的文献に基づき、この真空蒸留ステップはPrPScのさらに3 log10削減に到達できることが示されている。従って、この提案された代替手段は、カテゴリー1 ABPを含む原材料由来バイオディーゼルの生産規則にある加工手段と少なくとも同等だと考えられる。

 

[EU]RASFF Week 15-2021

警報通知(Alert Notifications)

ウガンダ産フランス経由有機ゴマ種子の未承認物質エチレンオキシド(0.16 mg/kg)、ルーマニア産食品サプリメントの未承認物質ノルタダラフィル、ポーランド産ラベージの根粉末の多環芳香族炭化水素(188 µg/kg)、中国産モルドワイン用電気ポットからの鉛(0.061 mg/kg)及びニッケル(1.084 mg/kg)の溶出、エジプト産オレンジの未承認物質クロルピリホス(0.022 mg/kg)及びジメトエート(0.25 mg/kg)、インド産皮をむいたゴマ種子の未承認物質エチレンオキシド(1.5 mg/kg)、エジプト産オレンジの未承認物質クロルピリホス(0.026 mg/kg)、エチレンオキシドで汚染されている可能性のあるフランス産スパイスに使用されたゴマ種子の市場からの撤退、中国産ドイツ経由乾燥緑のハラペーニョ唐辛子の多環芳香族炭化水素(63.5 µg/kg)、

注意喚起情報(information for attention)

ロシア産ワッフルケーキのトランス脂肪酸高含有(20.4 g/100g)、モロッコ産イタリア経由ベニバナインゲンのペンコナゾール(0.044 mg/kg)、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

ドイツ産クルクミンカプセルからのクルクミン(475 mg/item)及びピペリン(2 mg/item)の高摂取量、ドイツ及びオーストリア産食品サプリメントのピペリンの高摂取量(10 mg)、オランダ産未承認新規食品(ガルシニア・コラ種子)、ポーランド産缶詰のグリーンピースのビスフェノールA高含有(0.194 ~0.300 mg/kg)、セルビア産ドイツ経由乾燥パセリの未承認物質クロルピリホス(0.28 mg/kg )、

通関拒否通知(Border Rejections)

エジプト産殻付きピーナッツのアフラトキシン(B1 = 57.1; Tot. = 66 µg/kg)、モーリタニア産冷凍ジンケンエビの亜硫酸塩高含有(356 mg/kg)、トルコ産生鮮ペッパーのアセタミプリド(0.785 mg/kg)、インド産米国から発送したアシュワガンダの未承認物質エチレンオキシド(0.38 mg/kg)、イラン産ピスタチオ穀粒のアフラトキシン(B1 = 36.2; Tot. = 42 µg/kg)、インド産殺菌済チリパウダーのアフラトキシン(B1 = 9.3 µg/kg)、トルコ産生鮮ペッパーのピリダベン(1.308 mg/kg;0.752 mg/kg)、エジプト産チリペッパーのラムダ-シハロトリン(0.087 mg/kg)及び未承認物質クロルピリホス(0.029 mg/kg)、米国産ピスタチオのアフラトキシン(B1 = 40.0; Tot. = 43.4 µg/kg)、英国産食品サプリメントのヨウ素未承認、トルコ産生鮮ペッパーのフロニカミド(0.655 mg/kg)、中国産メラミン皿からのホルムアミドの溶出(19.3 and 16.2 mg/kg)、トルコ産生鮮ペッパーのブプロフェジン(0.421 mg/kg)及びピリダベン(1.075 mg/kg)、インド産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 19; Tot. = 22 µg/kg)、アルゼンチン産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 7.1; Tot. = 8.1 µg/kg)、米国産ピスタチオのアフラトキシン(B1 = 37; Tot. = 45 µg/kg)、アルバニア産トマトのオキサミル(0.027 mg/kg)、

 

[FAO]fall armywormとの戦い:良い進捗、さらなる努力が必要

Fight against fall armyworm: good progress, more efforts needed

16 April 2021

http://www.fao.org/news/story/en/item/1395187/icode/

 

[IARC]がん予防ヨーロッパは学習センターを開始

Cancer Prevention Europe launches Learning Centre

16 April 2021

https://www.iarc.who.int/news-events/cancer-prevention-europe-launches-learning-centre/

 

Learning Centre

https://cancerpreventioneurope.iarc.fr/learning-centre/

欧州対がん規約第4版とがんに関する最新の根拠、神話、議論について

 

[ProMED]ProMED-Mail

-シガテラ魚中毒-中国:(香港)

Ciguatera fish poisoning - China: (HK)

2021-04-17

https://promedmail.org/promed-post/?id=8313276

Date: Thu 8 Apr 2021 Source: Outbreak News Today [edited]

香港保健当局が2人のシガトキシン中毒疑いを調査している。2021年4月5日に自宅で海魚を夕食に食べて6-7時間後に腹痛や下痢を含む中毒症状を発症した34才と66才。どちらも症状は安定している。魚はYeung Uk Road Marketで購入したもの

 

-原因不明の病気-オーストラリア:(ビクトリア)水、藻類大発生の疑い、情報求む

Undiagnosed illness - Australia: (VI) water, algal bloom susp, RFI

2021-04-16

https://promedmail.org/promed-post/?id=8310614

Date: Thu 15 Apr 2021 Source: ABC (Australian Broadcasting Corporation) News [edited]

州政府はサーファー2人が人気のサーフスポットで「褐色の汚泥のようなもの」と接触して入院した事例を調査している。2人の男性サーファーは2021年4月3-4日のイースターの週末に入院して検査結果を待っている。当時海の水の褐色の部分があったことはEPAが確認している。地元の下水処理施設に異常はなかった。

 

アイルランド農業食料海洋省

2030までの農業食料戦略案の環境評価にパブリックコメント募集

Public Consultation on the Environmental Assessment of the Draft Agri-Food Strategy to 2030.

17 April 2021

https://www.gov.ie/en/consultation/bd894-public-consultation-on-the-environmental-assessment-of-the-draft-agri-food-strategy-to-2030/

2021年から2030年までの間に温室効果ガス排出51%減を政府が約束していて、農業部門、特に生物由来のメタンガス排出に特に注目されている

2021年6月15日まで意見募集

 

農業食料戦略案では2030年までにメタンの排出10%減、アンモニア排出減、一人あたりの食品廃棄半減などを目標にしている。有機農業2030年までに7.5%

食品は安全で、栄養があって、魅力的で、信頼できて、国内でも海外でも付加価値を与えられるものに。

食品は安全で倫理的に生産されている根拠を提供する

(生きるために必要な食品に、社会的価値の分の価格を上乗せする、のが「倫理的」?その社会的価値観を共有しない場合(ハラルとかビーガンとか)も?)

 

論文

-国の食料充足度の違いは、農業ではなく家庭の収入で最も良く説明できる

Differences in national food security best explained by household income, not agriculture

16-APR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-04/tsoe-din041621.php

65カ国の食料不足の誘因の包括的統計解析により、食料充足度の違いは家庭の収入が他のどの要因よりよく説明できると結論した。Food Security

(国が貧しくなったら国民が飢える、というと当然なのだが)

 

-青少年の食事ポリフェノール摂取と血清総抗酸化能の関連:HELENA研究

IARC

Adolescents' dietary polyphenol intake in relation to serum total antioxidant capacity: the HELENA study

Int J Food Sci Nutr. 2021 Apr 15;1-11.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33858286/

HELENA 研究2006-2007年の479人の12.5-17.5才の欧州青少年の血清総抗酸化能(TAC)を測定し、食事からのポリフェノール推定摂取量との関連を調査した。総ポリフェノール摂取量、ポリフェノールの種類、トップ10化合物、いずれもTACと線形、二次、三次的に、調整しても、関連がなかった

 

-Lancet

COVID-19への公衆衛生対応としてのSARS-CoV-2抗原迅速検査の根拠を明確にする

Clarifying the evidence on SARS-CoV-2 antigen rapid tests in public health responses to COVID-19

Michael J Mina et al.,

THE LANCET COMMENT| VOLUME 397, ISSUE 10283, P1425-1427, APRIL 17, 2021

Innovaラテラルフロー抗原検査の感度が低いという主張への反論

(BMJがほとんど批判一色、Lancetは擁護が多いような。PCRの感度が高すぎて断片をいつまでも拾うことをどこまで考慮するか、変動する感染状況にどこまで影響したと考えるかといった数字の解釈次第なところがあって、決着はつかなそう)

 

COVID-19パンデミックに対するタンザニアの立場

Tanzania's position on the COVID-19 pandemic

Sayoki G Mfinanga et al., THE LANCET Online First April 14, 2021

Lancet. 2021; 397: 566のワールドレポート(タンザニアはCOVID-19ワクチンを拒否するhttps://uneyama.hatenablog.com/entry/2021/02/15/180259)へのタンザニア保健省職員からの反論。ワクチン拒否ではないしWHOのガイドラインに準拠した国内向けガイドラインも出している。そしてWHOが補完代替医療や伝統医療の有用性を支持しているのでタンザニアの価値ある薬草を活用しようとしているだけである、それがCOVID-19対策を毀損していると誤解されている、と主張

 

根拠はWHOアフリカ地域事務所のこの文章

WHO supports scientifically-proven traditional medicine

04 May 2020

https://www.afro.who.int/news/who-supports-scientifically-proven-traditional-medicine

(WHOが指示したのは科学的根拠を作れ、だと思うのだが、それが都合の良いようにに解釈されている模様。臨床試験の水準を同じにすることができないまま伝統医薬が西洋の医薬品と同じだと主張されている。中国伝統薬を推進するためのチャン事務局長時代の遺産でもある)

 

その他

-SMC NZ

飲料水中鉛騒動後の健康対応レビュー-専門家の反応

Health response review after lead in drinking water scare – Expert Reaction

16 April 2021

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/04/16/health-response-review-after-lead-in-drinking-water-scare-expert-reaction/

Dunedin近傍の飲料水の鉛を巡る最近の騒動の後、レビューは改善すべき分野が同定された。助言には汚染濃度の報告のしかたの改善、害のある知見をどれだけ早く報告するかの強化、輸入配管基準のレビューなどが含まれる

カンタベリー大学物理化学部環境科学部長Sally Gaw教授

この不幸な出来事はニュージーランドの飲料水管理における不足と安全な飲料水のための責任と役割が明確でないことを明らかにした。この報告でなされた12の助言は将来そのようなことが再びおこらないようにすることを期待する。

Waikouaiti水供給の鉛汚染は、ニュージーランドの水道インフラの老朽化を強調し、特に乳児が飲料水から鉛に暴露されないように緊急に置き換える必要がある。輸入水の鉛の許容値の見直しもさらに鉛暴露削減につながるだろう。

この報告書の範囲外ではあるが、誰が水をどうやってサンプリングしてどの検査室が分析したのかについての公開情報がほとんどない。

(2月の件

https://uneyama.hatenablog.com/entry/2021/02/19/173521

 

Waikouaiti水道鉛汚染対応のレビュー

Review of health response into Waikouaiti water supply lead contamination

16 April 2021

https://www.health.govt.nz/publication/review-health-response-waikouaiti-water-supply-lead-contamination

 

2020年7月以降、高濃度の鉛が時々検出されて水を飲まないようにという注意が出されていた。汚染源は不明。2021年2月4日に血中鉛濃度測定を決定

水中鉛基準は0.01 mg/L (WHO基準)。2020年7月の検出濃度は0.0295 mg/L。10月は0.012、0.017mg/L、12月は0.394 、0.266mg/L

以下略、2021年3月31日時点で鉛基準超過は継続していて解決していない

 

-コンシューマーラボ

製品レビュー アボカドオイルレビュー

Avocado Oil Review

04/17/2021

https://www.consumerlab.com/reviews/avocado-oil-review/avocado-oil/

一部は腐ったアボカドあるいは他のオイルを含む可能性がある

 

-アスパルテームの科学の味

A Taste of the Science of Aspartame

Joe Schwarcz PhD | 16 Apr 2021

https://www.mcgill.ca/oss/article/nutrition/taste-science-aspartame

人工甘味料アスパルテームは二つの側面から注目されている。カロリーを加えることなく甘味を加える方法であるが安全性に関する苦い議論をも生み出した

私が最初アスパルテームに興味をもったのは、甘味が発見されたその奇妙な経緯である。1965年にG.D. Searle会社の化学者Jim Schlatterが甘味料のことは全く頭にないだろう状態で胃潰瘍の研究をしていた。食べ物が胃に入るとガストリンが出て胃酸が出る。当時胃潰瘍は胃酸が多すぎるせいだと考えられていたのでSchlatterはガストリンを不活性化する薬物を見つけようとしていた。その過程でガストリンの一部の性質に似た化合物を合成した。ある日指を舐めた時に甘味を感じそれが彼の合成した化合物の一つであるアスパルチルフェニルアラニンメチルエステルであることを突き止めた。

そして私が苦い議論に初めて出会ったのは1995年頃にアスパルテームが多発性硬化症から鬱やがんに至るまであらゆる病気の原因だと主張するメールについて尋ねられたときである。そのメールの作成者は「食品からアスパルテームを排除する」ことを目指す団体“Mission Possible World Health International”の創設者であるBetty Martiniであった。彼女は認証されていない聖書学校の名誉人道博士の“Dr.” Martiniとして今もアスパルテーム反対運動を続けている。驚くべきことではないが、彼女は反ワクチンで反フッ素で反MSGでもある。

アスパルテームは本当に地獄の化合物なのか?ノー。しかし肥満対策のための天国からの贈り物でもない。この物質に関する文献は膨大で極めて厳密に規制機関により精査されてきた。

私の結論は?安全性には懸念はない。コーヒーにはどんな甘味料も使わないので入れない。炭酸飲料よりは水を飲む。

 

-あなたをCOVID-19から守らないだろうもの

What won't protect you from COVID-19

Christopher Labos MD, MSc | 16 Apr 2021

https://www.mcgill.ca/oss/article/covid-19-health/what-wont-protect-you-covid-19

噴霧、燻蒸、静電スプレー、超音波は明確な利益がなく幾分かのリスクがある可能性がある

(空間や広範囲除菌系は使うなとのこと。カナダもヘンな製品が売られている)

 

-Robert F. Kennedy, Jr.の反ワクチンプロパガンダ

The Anti-Vaccine Propaganda of Robert F. Kennedy, Jr.

Jonathan Jarry M.Sc. | 16 Apr 2021

https://www.mcgill.ca/oss/article/covid-19-health-pseudoscience/anti-vaccine-propaganda-robert-f-kennedy-jr

あるいは如何にして環境派弁護士がワクチン反対運動を率いて周縁化された人々に嘘を広めているか

Robert F. Kennedy, Jr.は反ワクチン活動家anti-vaxxerだと見て欲しくはない。私はワクチンに関するデマを広げる人でanti-vaxxerと呼ばれて喜ぶ人に合ったことがない。彼は反ワクチン運動のプリンスで、彼の団体「子どもの健康防御Children’s Health Defense」は陰謀論と反ワクチン広告に溢れている。Kennedyが黒人にワクチンを疑うよう仕向ける新しい「ドキュメンタリー映画」を発表したので、私は彼がどうして反ワクチン活動の大物になったのかを探った

Robert F. Kennedy, Jr.は環境保護弁護士になるように育てられた。彼がしばしば見るのは「環境を汚染する者たち」である。企業や政府が環境法を回避しようとするとき、Kennedyは彼らに正義の鉄槌を下す。こうした環境は我々の世界への見解を形作る。私はデマを多く取り上げることでおそらく実際以上に世界はデマだらけだと私に偏見を持たせるだろう。無責任に有害化学物質を捨てる企業を暴く活動は、企業は常に悪事をはたらくという考えのバイアスをもたらすだろう。

2005年の夏、Sarah Bridgesという心理学者がKennedyの家に論文の束を持ってやってきた。彼の息子が自閉症と診断され、緩徐波それが予防接種に含まれる水銀のせいだと主張した。Kennedyは水銀の環境毒性を良く知っていたので警鐘に応答し、規制を要求し始めた。その後反ワクチン活動家の論文を読み確信に変わっていった

彼の新しい映画は医療における人種差別を反ワクチンデマと混ぜ合わせて有色人種にワクチンに反対するよう薦めるものである

(一部のみ)

 

-キルギスタンが有毒な根をウイルス治療薬として推進

Kyrgyzstan pushes poisonous root as virus cure

16/04/2021

https://www.france24.com/en/live-news/20210416-kyrgyzstan-pushes-poisonous-root-as-virus-cure

トリカブトの根は猛毒だが伝統薬である

キルギスタンの保健大臣Alimkadyr Beishenaliyevが金曜日の記者会見で、国のリーダーがこのハーブを使って昨年刑務所で数千人の受刑者を治療したと主張する。ジャーナリストの前でトリカブトの根の抽出物を含む溶液を飲んでみせた。飲み終わって「健康に害はない」と言った。「熱い溶液を飲む必要があり、2-3日でPCR検査陽性が消えて直ちに良くなる」

Sadyr Japarov大統領は木曜日の夜遅くにフェイスブックにこの薬を瓶に詰めているとみられる動画を公開している。瓶のラベルには「コロナウイルスと胃がんに有効」と書いてある。ただし加熱しないで飲むと死ぬ可能性がある。

WHOは木曜日にこのような薬を薦めることを批判した。

コロナウイルスにハーブを薦めるリーダーはJaparovが初めてではない。トルクメニスタンではGurbanguly Berdymukhamedovが甘草の根を治療薬として推進し、マダガスカルのAndry Rajoelina大統領は抗マラリア植物に基づく地元産溶液を宣伝した

(小瓶かと思ったら500mLくらいのPETボトルの水のようなもの)

 

-偽りの希望:絶望した家族が自閉症の「ナンセンス」なインチキ治療の餌食になる

False hope: desperate families prey to ‘nonsense’ snake-oil treatments for autism

Tory Shepherd Sat 17 Apr 2021

https://www.theguardian.com/australia-news/2021/apr/18/false-hope-desperate-families-prey-to-nonsense-snake-oil-treatments-for-autism

議会での自閉症に関する審問で如何にして嘘だとわかっている治療法が希望として宣伝されているかについての文書が提出された

子どもの自閉症治療用に宣伝されている危険なものには漂白剤浣腸、制限食、有毒な可能性のある錠剤などがある

Andrew Whitehouse自閉症教授は騙される親ではなく、このような根拠のない治療法が売られてしまうシステムを批判する。

(オーストラリアの長い記事)

 

-手を洗う代わりにサニタイザーを使ったことがビクトリアの胃腸炎アウトブレイクの一部の原因

Swapping handwashing for sanitiser partly to blame for Victoria’s gastro outbreak

Melissa Davey Mon 19 Apr 2021

https://www.theguardian.com/australia-news/2021/apr/19/swapping-handwashing-for-sanitiser-partly-to-blame-for-victorias-gastro-outbreak

3月にビクトリアの保健当局が5カ年に平均より胃腸炎の事例が最大4倍になっていることを警告した。月曜日に保健省が、ウイルス性腸炎が拡大し続けていて、2021年のこれまでで保育園や教育センターで389のアウトブレイクが有り、先月より140件増えた。

ビクトリアの感染症部長Bruce Bolam博士は、石けんと水で手を洗うのがウイルス感染を最小限にする最良の衛生方法であるという。アルコールベースのサニタイザーはノロウイルスなどには効果がない

 

-研究者コミュニティへの一人の農家の手紙

A Farmer’s Letter to the Research Community

Posted by RISKMONGER on APRIL 19, 2021

https://risk-monger.com/2021/04/19/a-farmers-letter-to-the-research-community/

以下は珍しいゲスト記事である。この手紙はオランダ語から翻訳したもので、オランダの農家Michiel van Andelがワーゲニンゲンの二人の活動家科学者が25%を有機栽培にするという欧州委員会のFarm2Fork戦略を好意的に書いた記事に反応したものである。単刀直入に言うと、彼はそれを「サイエンスポピュリズム」と呼ぶ。

Michielの声はより広く聞かれるべきである、特にブリュッセルは。

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親愛なるワーゲニンゲン大学

親愛なるHan Wiskerke氏および Rogier Schulte氏

私はワーゲニンゲン大学を尊敬している。それがオランダと農業部門のためにしてきたことを。オランダ、そして世界で非常に高い評価を得ているのは当然である。しかしこの大学のますます多くの教授たちが、科学的手法を投げ捨て、その代わりに「聞こえが良い」「社会が聞きたがっているので事実でなければならない」という道を行くのを見ている。私はそれを「サイエンスポピュリズム」と呼ぶ。そのことが私の懸念である。あなたが発表したこの意見はこのカテゴリーに入る。

WiskerkeとSchulte教授からのこのようなナンセンスを読んで開いた口が塞がらなかった。この意見は一週間前にワーゲニンゲンの同僚が書いた記事への反応として書かれた。WiskerkeとSchulte教授の主張は矛盾と根拠のない主張だらけである。

「EU域内ではオーストリアが既に目標の25%を超えていてエストニアとスウェーデンが続いている。さらに外をみれば、インドのSikkimは100%オーガニック目標を州レベルで達成している。明らかに多くの人が「非現実的」だと言ったことに反して。」と研究者は言う。

これについて、インドの人口の多いヒマラヤの州であるSikkimがどうして100%オーガニックの例になるのだろうか?私は言葉を失う。Sikkimの状況はインドの新聞によると「過去20年のSikkimの主要作物の生産は警戒すべき60%も減少し、人口が40万から65万に増加している。そのため住人と旅行者を養うために他の州からの輸入に頼っている。他の、化学物質を使った集約的農業を行っている州から食料が来なければ、Sikkimは飢えてしまう。現在この州の小麦需要の95%以上が他の州由来である。Sikkimはインドの他の州が真似すべきではない最悪のモデルである。Sikkimの有機農業はナルシシズムと政治的プロパガンダによる妄想の致死的組み合わせに病んでいる」。これが100%オーガニックの成功事例? 

そしてオーストリアとオランダを比べることについてはどうだろう?オーストリアはオランダに比べて面積は2倍だが人口は半分で、作物があまりとれない山岳地帯が多い。オーストリアは美しい国だがそこで十分な量の作物は採れない。幸い他国から輸入すれば良い、例えばオランダから。

 (一部のみ)

-SMC UK

服喪期間にパンデミック中の健康コミュニケーションを止めるべきではない

A period of mourning shouldn’t stop health communications in a pandemic

By Fiona Fox  APRIL 14, 2021

https://www.sciencemediacentre.org/a-period-of-mourning-shouldnt-stop-health-communications-in-a-pandemic/

私は2008年にフィリップ王配と女王に短時間会ったことがある。フィリップ王配の死後数時間以内にいくつかの医学団体の同僚が積極的な広報活動を直ちに止めるよう言われたと聞いて当時のことを思い出した。DHSCはメールで4月19日まで喪に服すのでソーシャルメディアやWウェブサイトを含む全ての外部発表活動を止めることを求めた。パンデミックの最中8日間の広報中止を求められた機関はMHRAやNICEなどのパンデミック対応にあたっている機関も含まれている。パンデミックは毎日新しい展開を示しているのに。

私の最初の反応は何故?だった。6日経ってもまだ尋ねているが誰も答えてくれない。私は服喪期間には予定されていた、メディア対応をしないのは平和なときには意味があるかもしれないし、こうした決まりを作った時にはパンデミックを予期していなかったことも予想できる。でも、今はパンデミックの最中である。SMCの記者説明会に政府の専門家が参加できない。

(以下略。)