2021-06-25

[BfR] 切り花の残留農薬による健康リスクの評価

Assessment of health risks from pesticide residues on cut flowers

26 April 2021

https://www.bfr.bund.de/cm/349/assessment-of-health-risks-from-pesticide-residues-on-cut-flowers.pdf

植物保護製品は切り花のような観賞用植物の害虫に対して使用される。切り花の有効成分の残留が花屋や消費者の健康に影響があるかどうかの疑問が生じる。ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は欧州連合内外で生産された切り花の植物保護製剤の残留により生じる健康リスクの可能性を評価するために、公表された科学文献および他研究所の入手できるデータを評価した。

入手できるデータに基づき、BfRはドイツで取引されるような切り花は消費者の健康にリスクを引き起こさないと予期されると結論付けた。これは助言される職業的な健康及び衛生基準を守る限り、切り花を取り扱う花屋にも当てはまる。

結果

切り花の植物保護製品の残留問題は定期的な公的な議論のテーマである。もちろん、観賞用植物と切り花の残留農薬の検出は、これらの残留物に暴露される可能性がある消費者と花屋にとって健康リスクの可能性という疑問を引き起こす。植物保護製品の使用は一般的な園芸の一部であるので、切り花の残留検出は予期されないわけではない。多くの植物保護製品はドイツ、ほかの欧州連合諸国及び欧州連合以外の花を輸出する国で使用が認められている。

欧州連合内において市場で販売する場合切り花の植物保護製品剤の残留濃度に対処する法的義務は特にない。結果、最大残留濃度は定義されていない。しかし、規則 (EC) No 1107/2009は植物保護製品の暴露量の可能性は認可及び認可手続きの過程で評価されなければならないと義務付ける。この中で、暴露量とは製品が散布された場合人が暴露する有効物質の量を意味する。この評価は植物保護製品を取り扱う人に限定されない。このように、下流工程の労働者や作物生産のために散布処理される地域の近傍に居住するかかわりない人の暴露も評価される。

EFSAの統一された欧州連合ガイドラインでは暴露評価の基本原則の概要を説明する。このガイドラインで述べられているように、暴露評価は散布処理される植物との接触期間や推定強度のような、作物群の関連する特性を考慮する。これにより散布処理された植物からどの残留物がどのくらいこれらの植物を取り扱う人々の皮膚に移行するかの予測が可能になる。

皮膚全体から吸収される有効成分の量は実験データから導き出された参照値であるA(O)EL、(農薬使用者)暴露許容量と比較される。植物保護製品は、暴露推定量が参照値を超えない場合のみ、使用認可される。観賞用植物の植物保護製品の散布では、リスク評価は1日8時間処理される植物とともに働くあるいは処理された植物の栽培地域で働く労働者も考慮する。温室使用を目的とした植物保護製品の吸入暴露も同様に考慮される。このような状況は花屋の従業員にとって「最悪のケース」として想定され、リスク評価はこの集団だけでなく、通常暴露量がずっと低い消費者も対象にする。

現在の知識と最新文献の考慮に基づき、BfRは観賞用植物の植物保護製品の残留による花屋への健康リスクはないと結論付ける。これは欧州連合で認可されていない(あるいは認可が取り消された)植物保護製品に使用され、最新の文献に述べられる有効成分にも適用される。

それでもやはり、BfRは特に皮膚の損傷を引き起こす可能性がある、頻繁な植物と接触する活動中は花屋が適切な防護グローブを着用し、一般的な衛生規則を守る職業的な衛生習慣が適切であると考える。

 

[HK]レーズンのサンプルに超過の二酸化硫黄が検出された

Excessive sulphur dioxide found in raisin sample

Tuesday, June 22, 2021

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20210622_8752.html

香港食品安全センター(CFS)及び食物環境衛生署は、定期検査でレーズンのサンプルに基準値超過の保存料である、二酸化硫黄を3,500ppm検出した。

 

[FSAI] 安全に搾乳や乳幼児用調製粉乳を使用する

Using Expressed Breast Milk or Infant Formula Safely

16/6/2021

https://www.fsai.ie/faq/bottle_feeding_safely.html

搾乳や乳幼児用調製粉乳について一部情報更新。

 

[FSAI] EFSAの意見書:二酸化チタン(E171)が食品添加物として安全とみなさない

EFSA Opinion: “Titanium dioxide (E171) no longer considered safe when used as a food additive

15/6/2021

https://www.fsai.ie/faq/efsa_opinion_titanium_dioxide.html

食品添加物としての二酸化チタン(E171)の使用についての情報一部更新。

 

[ヘルスカナダ] リコール

妊娠中及び授乳中の女性に対する安全情報の表示がないため、Yummy Sports Candies BCAA powder (すべての味)を回収措置。

All lots of Yummy Sports Candies BCAA powder (all flavours) recalled due to missing safety information for pregnant and breastfeeding women

June 23, 2021

https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2021/75883a-eng.php

10592706 Canada Inc. は、「妊娠中及び授乳中の女性は使用前に医療従事者に相談すること」という重要な警告文の製品表示が抜け落ちたため、サプリメントYummy Sports Candies BCAA パウダーを回収措置。製品写真あり。

 

[CFIA] Chronicle 360

-カナダ及び世界の植物の健康への意識を引き上げる

Raising the bar for plant health awareness in Canada and around the world

June 2021

https://inspection.canada.ca/chronicle-360/global-leader/raising-the-bar-for-plant-health-awareness-in-cana/eng/1624039447789/1624039448414

CFIAの植物の健康に対する取り組みについて紹介。

 

-Episode 2 – 食品に虫を見つけた

Episode 2 - I found a bug in my food!

2021-06-23

https://inspection.canada.ca/chronicle-360/inspect-and-protect-podcast/episode-2/eng/1624286272547/1624286272891

CFIAが食品への異物混入について紹介。音声データ。

 

[ODS] 更新

-Mary Frances Picciano ダイエタリーサプリメント研究演習ビデオ

Mary Frances Picciano Dietary Supplement Research Practicum Presentation Videos

June 2021

https://ods.od.nih.gov/Research/dsrpvideos.aspx

2021年 5月25~27日に、2021 年研究演習バーチャル会議が行われた。視聴可能。

 

-ODS戦略計画2017-2021

ODS Strategic Plan 2017-2021

June 2021

https://ods.od.nih.gov/About/StrategicPlan2017-2021.aspx#2019

ODSの年次報告書2020が発表される。

 

-Dietary Supplements in the Time of COVID-19

COVID-19時代のダイエタリーサプリメント

18 June 2021

https://ods.od.nih.gov/factsheets/COVID19-HealthProfessional/

序論の更新、最新研究によりアンドログラフィス、N-アセチルシステイン、オメガ-3s、ビタミンC及びビタミンD部分の情報更新。

https://ods.od.nih.gov/factsheets/COVID19-HealthProfessional/#change

 

[FDA]FDAが規制するもの

What does FDA regulate?

06/24/2021

https://www.fda.gov/about-fda/fda-basics/what-does-fda-regulate

FDAが規制するものをYouTubeでわかりやすく紹介する。

 

[FDA]蔓延は続く:米国の若者の電子タバコ使用

An Epidemic Continues: Youth Vaping in America

June 23, 2021

https://www.fda.gov/news-events/congressional-testimony/epidemic-continues-youth-vaping-america-06232021

米国の電子タバコ使用へのFDAの取り組み、法的要件、若者の電子タバコ使用のデータとそれに対するFDAの対策、法令、市販前レビュー、教育、科学研究等に関する発言。

 

[FDA]リコール

Prairie Wolf Spirits, Inc.は飲料用容器に似ているため、Prairie Wolf Distillery 手指用消毒液Packed in 16.9 Oz. 及び20 Oz ボトルの全国的自主回収を発表する

Prairie Wolf Spirits, Inc. Issues Voluntary Nationwide Recall of Prairie Wolf Distillery Hand Sanitizer Packed in 16.9 Oz. and 20 Oz Bottles Because They Resemble Drink Containers

June 22, 2021

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/prairie-wolf-spirits-inc-issues-voluntary-nationwide-recall-prairie-wolf-distillery-hand-sanitizer

Prairie Wolf Spirits, Inc.は飲料用容器に似ているため、Prairie Wolf Distillery 手指用消毒液16.9 Oz. 及び20 Oz ボトルの自主回収をする。製品写真あり。

 

[FDA]コロナウイルス(COVID-19)更新

Coronavirus (COVID-19) Update: June 22, 2021

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-june-22-2021

(一部)

・FDAはCOVID-19関連の不正表示の未承認製品を販売するUmbrellaに警告文書を発した。

 

[FDA]警告文書

-Tuty Usa LLC

JUNE 09, 2021

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/tuty-usa-llc-614625-06092021

FSVP違反の問題。

 

-DRF LLC

APRIL 21, 2021

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/drf-llc-612282-04212021

未承認の医薬品、不正表示の問題。

 

-Mr Lukas LLC

APRIL 09, 2021

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/mr-lukas-llc-613441-04092021

FSVP違反の問題。

 

-Jaramillo Spices Corp.

JUNE 08, 2021

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/jaramillo-spices-corp-614760-06082021

FSVP違反の問題。

 

-Daisy Global Trading Co

APRIL 15, 2021

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/daisy-global-trading-co-612999-04152021

FSVP違反の問題。

 

-Fresh Nutrition Inc

MAY 27, 2021

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/fresh-nutrition-inc-612984-05272021

未承認の医薬品、不正表示の問題。ハーブ製品、サプリメント成分製品を含む。

 

-Molecular BioLife International, Inc.

APRIL 15, 2021

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/molecular-biolife-international-inc-612629-04152021

未承認の医薬品、不正表示の問題。サメのコラーゲン成分製品を含む。

 

-Umbrella

MAY 18, 2021

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/umbrella-612037-05182021

ダイエタリーサプリメント、不正表示の問題。

 

-Pacific Center of Health/Pacific Center of Health & Acupuncture

JUNE 22, 2021

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/pacific-center-healthpacific-center-health-acupuncture-614526-06222021

コロナウィルス疾患(COVID-19)関連の未承認の医薬品、不正表示の問題。

 

[DHSC]子どもの肥満対策に役立つ新しい広告規則

New advertising rules to help tackle childhood obesity

24 June 2021

https://www.gov.uk/government/news/new-advertising-rules-to-help-tackle-childhood-obesity

パブリックコメント募集を経て、不健康な食品のオンラインとテレビでの午後9時前の広告に新しい規則

脂肪塩砂糖の多い(HFSS)食品の広告は午後9時から午前5:30までしか見ることができない。従業員250人以上の事業者に適用されるので小規模事業者は広告を継続できる。政府はこれら企業がパンデミックで最も大きな影響を受け、顧客へのコミュニケーション手段がオンラインに限定されたことを認識している

オンラインでの広告制限はお金を払っての広告に限定されるので自社ウェブサイトなどでは広告を継続できる

 

[ProMED]食中毒-エチオピア、ソマリア:らくだの肉

Foodborne illness - Ethiopia, Somalia: camel meat

2021-06-24

https://promedmail.org/promed-post/?id=8471650

[1]エチオピア (Oromia, Somali) Date: Tue 22 Jun 2021 Source: Outbreak News Today [edited]

WHOは最近エチオピアでらくだに関連する約200人のヒト感染症アウトブレイクがおこったと知らされた。2021年6月12日時点でOromiaで158人、Somali州で40人。死者はいない。症状は下痢、発熱、嘔吐なので共通点はラクダの肉を食べたこと。ラクダの肉は調査中。

2] ソマリア (Bakool)

Date: Tue 1 Jun 2021 15:16:05 EAT Source: Horn Observer [edited]

今週Bakool地方で少なくとも19人が謎の病気で死んだラクダの肉を食べて病気になった。当局によると病気のラクダの肉を食べたヒトよりスープを飲んだ人の方が病気が重い

現在ラクダの病気が急速に拡大している

 

[COT]2021年7月6日の議題とペーパー

COT Meeting: 6th July 2021

Last updated: 24 June 2021

https://cot.food.gov.uk/COTMeeting6thJuly2021

・植物ベースの飲料:COTとSACの合同ワーキンググループを提案

・12-60ヶ月の幼児の食事中汚染物質によるリスクの可能性についての包括的声明と補遺

・0-12ヶ月の乳児と1-5才の子どものの食事中のオクラトキシンAに由来するリスクについての声明への補遺

・英国の新しいアプローチ方法論ロードマップ

・PBPKワークショップ

・JEGsと規制対象製品

・海洋プラスチックについての暫定ポジションペーパー

・通常の食品と飲料包装用プラスチック代用品についてのポジションペーパー

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2021-06/TOX-2021-33%20%20BBFCM%20COT%20position%20paper.pdf

バイオベースの食品接触物質(BBFCMs)は優先課題である、ライフサイクルアセスメントの文脈で検討する必要がある

・食品と接触する物質の竹バイオ複合材料のヒト健康リスク

・PFASについての声明第二次案

・二酸化チタンについてのEFSAの意見のレビュー

・リスク評価における疫学と毒性学的根拠の統合と合成についての報告書案

・マイクロプラスチック暴露によるリスクの可能性についてのサブ声明:経口ルート(一次案)

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2021-06/TOX-2021-38%20%20MPs%20Oral%20exposure%20substatement.pdf

2021年に公表した包括的声明への補遺

・複数化合物への複合暴露のヒトリスク評価のために化合物グループ分け科学的基準についてのEFSAの意見案

・塩素酸塩

 

[ASA]ASA裁定

-ASA Ruling on YORKTEST LABORATORIES LTD

23 June 2021

https://www.asa.org.uk/rulings/yorktest-laboratories-ltd-g18-1016721-yorktest-laboratories-ltd.html

血中IgG抗体検査で食品への不耐症を診断してYORKTESTラボの勧める除去食で偏頭痛や鬱などの病気に効果があるという宣伝は根拠が無く基準違反

 

-ASA Ruling on Go-Vi Ltd           

23 June 2021

https://www.asa.org.uk/rulings/go-vi-ltd-a20-1085562-go-vi-ltd.html

Go-Vi EradicatorというUVCとオゾンを使った空気清浄機の空気中および表面のコロナウイルスやインフルエンザウイルスを破壊し除去するという宣伝が広告基準違反。オゾンとUVCにウイルスを破壊する作用があっても実際の生活環境での有効性は示されていない

 

[NASEM]NASAは宇宙飛行士の放射線暴露規制値を更新し、がんリスクのコミュニケーションを改善すべきである

NASA Should Update Astronaut Radiation Exposure Limits, Improve Communication of Cancer Risks

June 24, 2021

https://www.nationalacademies.org/news/2021/06/nasa-should-update-astronaut-radiation-exposure-limits-improve-communication-of-cancer-risks

宇宙飛行士をがんの原因となる宇宙放射線から守るために、NASAは普遍的な全てのキャリアにわたる放射線量限度~600ミリシーベルトを提案すべき、とNASEMの新しい報告書が言う。この限度は性別や年齢にかかわらず全ての宇宙飛行士に適用されミッションの割り当て機会の平等とより長期の宇宙飛行参加に寄与するだろう。またNASAは宇宙飛行士へのがんリスクのコミュニケーションシステムを改善するようにも助言した。

(現在は男女別の規制値。同じ値にすることで女性のほうが若干高いリスクとなるが任務の公平性の価値の方が高いと判断。リスクが高い理由は主に乳がんなので個別に判断できそう。)

 

[NASEM]PFAS検査と健康アウトカムについてのガイダンス

Guidance on PFAS Testing and Health Outcomes

https://www.nationalacademies.org/our-work/guidance-on-pfas-testing-and-health-outcomes  

7月13-15日と8月11-12日に公開会合開催、登録受付中。

7月がPFASのヒト暴露源、暴露削減のために患者に助言する場合の臨床基本原則、PFASの健康影響と想定されるもの、根拠の統合手法

8月は生物検査と臨床評価の一般原則

 

[USDA]植物-形質-作用メカニズムの表更新

Updated Plant-Trait-Mechanism of Action Table Available

Jun 24, 2021

https://www.aphis.usda.gov/aphis/newsroom/stakeholder-info/stakeholder-messages/biotechnology-news/moa-table

APHISが7 CFR part 340での規制を必要としないと判断した植物-形質-作用メカニズム(MOA)の組み合わせ

Plant-Trait-Mechanism of Action (MOA) combinations that have been determined by APHIS not to require regulation under 7 CFR part 340.

https://www.aphis.usda.gov/aphis/ourfocus/biotechnology/permits-notifications-petitions/confirmations/moa/moa-table

 

(遺伝子組換え作物のスタック品種の規制除外を判断するのに

Petitions for Determination of Nonregulated Status

https://www.aphis.usda.gov/aphis/ourfocus/biotechnology/permits-notifications-petitions/petitions/petition-status/petitions-table

とあわせて使う)

 

論文

-COVID-19診断から1年後の臭覚障害のあった患者の臨床アウトカム

Clinical Outcomes for Patients With Anosmia 1 Year After COVID-19 Diagnosis

June 24, 2021  JAMA Netw Open. 2021;4(6):e2115352

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2781319

7日以上の急性臭覚障害があった97人の予後について。12ヶ月後にはほぼ(96.1%)回復。

また自己申告による評価と客観的検査に食い違いがあることも確認。(自己評価では戻っていないと認識することが多い)

 

-若者の大麻とアルコールの使用はCOVID-19パンデミック中に安定していた

Adolescent marijuana, alcohol use held steady during COVID-19 pandemic

24-JUN-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-06/niod-ama062421.php

米国12年生の調査によると大麻使用と暴飲はCOVID-19パンデミック中に、これらの入手可能性が減ったと認識されているにも拘わらず、あまり変わらなかった。Drug and Alcohol Dependenceに発表されたこの知見は、供給を制限すれば若者の薬物使用が減るという考えに疑問を提示する。一方でニコチン電子タバコの使用はパンデミック中に減った。

 

-動物を使わない本物のチーズ-消費者の70%以上が革新的チーズを望んでいる

Real cheese, no animals - More than 70% of consumers want breakthrough cheese

24-JUN-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-06/uob-rcn062421.php

高精度発酵会社FormoとBath大学が動物を使わない乳製品の消費者受容についての大規模研究を共同発表した。ブラジル、ドイツ、インド、英国、USAの5054人を調査した。

高精度発酵は特定のタンパク質を微生物に作らせる工程で、乳牛DNAを組み込んだ微生物に乳タンパク質を作らせる。これにより畜産よりも温室効果ガスの排出を減らせる。

Frontiers in Sustainable Food Systemsに発表されたこの研究の知見によると、世界中の消費者は微生物が作った乳タンパク質を使って作ったチーズを受容できる。

消費者は現在のビーガン用チーズよりはるかに美味しくなると理解している。

(技術をフル活用して環境負荷の低いものを開発しようとする動きと技術全否定で手作り&自然が一番という運動が同時にあって、物理的に技術の恩恵を享受しながら思想的に環境正義とか言ってるのが薄っぺらな知識人、という感じ)

 

その他

-優れた判断力をもつ市民を育てる

Cultivating discerning citizens

Stephen M. Casner

Science  25 Jun 2021:Vol. 372, Issue 6549, pp. 1400

Gale M. Sinatraと Barbara K Hofer著「科学否定:なぜそうなってどうすればいいのかScience Denial: Why It Happens and What to Do About It」の書評

新米ママが「私の赤ちゃんに予防接種は安全だろうか?」と思う。権威のありそうないくつかの記事をオンラインで読み、確実な答えは無いんだと確信する。これが二人の教育心理学者によるこの本の最初のエピソードである。彼らはイデオロギーによる科学否定ではなく、信頼できる情報が必要でそれを探しているうちに科学否定に陥る問題に直面してきた。

オンラインで情報を探すほとんどの人は、信頼できる、見つけやすい情報源が好ましい。しかし彼らが出会うのはオンラインマーケティング戦略に長けた誰かの提供するフォーラムである。フィクションをファクトとして描く人たちの手法は洗練されている。科学的情報源に対抗する勢力は大変な努力をしていて人々の科学への信頼そのものを毀損しようとしている。時には政府機関のウェブサイトですら科学的コンセンサスから逸脱している

SinatraとHoferは我々は自分が思っているよりデマに弱いことを再確認する。より良い未来のための道のりは学校から始まると主張する。既に大きくなって科学に反する信念を持っている人にはどうすればいい?できることがあるという。

この本は個人や教育者、科学コミュニケーター、政策決定者に役立つだろう。科学のトピックスについてのソーシャルメディアでの議論がますます増え続け、注意深い科学報道が減り続けるため、読者はこれまでになく事実と虚構を分離するのが困難な未来に備えなければならない。この本はその課題に対応するための、豊富な実践的ガイダンスを提供するだろう。

 

-Scienceニュース

科学者が登録報告として知られる出版方法を使うと質が高くなる、研究が発見

Quality shines when scientists use publishing tactic known as registered reports, study finds

By Cathleen O’Grady Jun. 24, 2021

https://www.sciencemag.org/news/2021/06/quality-shines-when-scientists-use-publishing-tactic-known-registered-reports-study

2013年にCortex, Social Psychology, Perspectives on Psychological Scienceの三誌が、多くの雑誌が結果がネガティブな重要な結果を、新規性がないとして却下する問題と、著者がいろいろな方法でデータを解析しても最もおもしろい結果しか報告しないという問題に対応するために、登録報告というフォーマットを開始した。著者は仮説と研究方法、解析計画を書き、レフェリーが結果が出る前に受理するかどうかを決める。この方法が標準的方法に比べて質が高い論文になるったことがNature Human Behaviourに発表された。

 

-2020年は毎日17人のカナダ人がオピオイドで死んだ:カナダ公衆衛生庁

Seventeen Canadians per day died from opioids in 2020: Public Health Agency of Canada

Jun. 24, 2021

https://www.theprogress.com/news/seventeen-canadians-per-day-died-from-opioids-in-2020-public-health-agency-of-canada/

2016年から2020年の間に少なくとも21174人が明確なオピオイド中毒で死亡している

2019年は3830人だったのが2020年は6215人に増加した。Covid対策で安全なオピオイドが入手できなくなったため

 

-ケニアは病気に耐性のあるGMOキャッサバを認可

Kenya approves disease-resistant GMO cassava

BY JOSEPH MAINA JUNE 23, 2021

https://allianceforscience.cornell.edu/blog/2021/06/kenya-approves-disease-resistant-gmo-cassava/

アフリカで栽培が認可された5つめのバイテク作物になった(綿、トウモロコシ、大豆、ササゲ、キャッサバ)

 

-ニューサウスウェールズで新たに22人のCOVID-19患者が記録されたためシドニーの4つの地域がロックダウン

Four Sydney LGAs placed in lockdown as NSW records 22 new COVID-19 cases

https://www.abc.net.au/news/2021-06-25/bondi-covid-19-cluster-grows-after-nsw-records-22-infections/100243242

7月2日11:59分まで4つの理由以外で自宅を出てはいけない

 

シドニーの誕生日パーティーがCOVID-19クラスターの新しい中心地

'Super-spreading' Sydney birthday party emerging as new centre of COVID-19 cluster

Jun 24, 2021

https://www.9news.com.au/national/coronavirus-nsw-west-hoxton-party-centre-of-cluster-sydney/f64ff6b8-422c-48c5-b4a7-710a1def4897

パーティーに参加した30人中13人が陽性。医療や高齢者施設で働いていて予防接種が済んでいた4人はこれまでのところ陰性

 

-環境活動家の恐怖を煽るキャンペーンの社会的コスト

The Social Costs of Environmental Activist(eNGO) Fear Campaigns

Stuart Smyth 04/20/2021

https://www.saifood.ca/engo-activist-campaigns-covid/

ヒト健康は意図的デマによって影響を受ける

もう20年以上にわたって、グリーンピースやSierra Club, Friends of the Earth、Third World Network、Pesticide Action Networkなどの環境活動家は人々に意図的なデマを広げてきた。彼らは人々にそれを「情報」として提示し、主に現代の農業の農薬とGMOの使用に関するものであった。2012年から2016年の間に活動家NGOがバイオテクノロジーに反対するために使った広告費は8億5000万ドル以上である。これら団体の主な標的は農業と環境であるが、多くは反ワクチンコンテンツも拡散している。目的は人々の科学への信頼を毀損することである。これまで人々を意図的に騙すことの社会的コストはそれほど大きくなかったが、Covid-19パンデミックでそのコストは目立つようになった。

全てのCovid-19ワクチンはバイオテクノロジーの産物である。そして環境NGOはこれらのワクチンの安全性を公式には支持しない。何故?バイテク産物を支持したらこれまでの嘘がばれてしまうから。

(適当なデータを選べばその国のオーガニック市場の大きさとCovid-19による被害の大きさに関連がある、とか言えそう。やらないけど。)

 

-Covid-19についてデマを広めている医師は失職する可能性がある-医療評議会

Doctors spreading misinformation about Covid-19 may lose their job - Medical Council

21 June 2021

https://www.rnz.co.nz/news/national/445179/doctors-spreading-misinformation-about-covid-19-may-lose-their-job-medical-council

医療評議会がデマを広めている医師に警告した

Curtis Walker医療評議会長は少数の医師が陰謀論を振りまいているという。Covidの重大さを疑いワクチンの安全性に疑問を提示し全てが陰謀かもという。医療評議会にはこれまで一般人から医療職の人について13件の苦情を受け取っている。

先月医師を含む数十人の専門職がファイザーのワクチンに反対する公開文書に署名したと報告されている。Walker博士は医療従事者懲戒裁判所に告訴するかどうか調査中だという。

ニュージーランド。

(こういう人たちは世界中にいる。ただ日本の医師免許はとにかく無敵。

国内の医師ら450人がワクチン接種中止を求めて嘆願書を提出

2021/06/24

 ttps://www.sanspo.com/article/20210624-IOQJULJCVRMBXMZXIDJG6SDUHA/

 

-科学の権威と民主主義の物語

Scientific Authority and the Democratic Narrative

Jason Blakely

https://hedgehogreview.com/issues/america-on-the-brink/articles/scientific-authority-and-the-democratic-narrative

どうして科学的権威の危機に至ったのか

昨年の春の抗議行動の多くが、COVID-19拡大防止のための医学の専門家が勧める対策への拒否によって団結した市民の奇妙な混合になった。人々が科学的権威に怒りを表明した

民主主義と科学の衝突の悪化にはいくつかの要因がある。一つは市民に基本的な科学を理解させるのに失敗していること(教育)。例えば学校でインテリジェントデザインを教えることができる。もう一つは一般の人々への科学のコミュニケーションの問題。科学のやるべきこととそうでないことの識別や限界を尊重することに失敗してきた。特に特定分野の専門家が他の分野にまで権威をもっているかのように越境することがあまりにも多い。

科学と民主主義はお互いの権威の限界を尊重し合った時にのみお互いに強化しあうことができる