2021-07-21

[EU]査察報告

-エストニア―オーガニック生産とオーガニック製品の表示

Estonia 2020-7043―organic production and labelling of organic products

06/07/2021

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4380

2020年11月9~20日にエストニアで実施したオーガニック生産とオーガニック製品の表示の管理評価。エストニアにはよく組織化された管理システムがある。中央管轄機関はオーガニック製品用の管理及び認証業務を2つの管理機関に委ねている。管轄機関間にはよいコミュニケーションがあり、特に違反事例で全体的に適切な執行措置が適用されている。主な弱点は両方の管理機関に管理されている管理者の検査のための調整不足や管理の計画と実行に一貫性がないことに関連している。機関は2021年1月に2つの管理機関を1つの機関に統合するための重要な行政再編が進行中だと情報提供した。この査察時には、合併のさらなる詳細は入手できなかった。

 

[EFSA]意見等

-全ての動物種用Lactiplantibacillus plantarum (以前は Lactobacillus plantarum) IMI 507026株からなる飼料添加物の安全性と有効性(ALL‐TECHNOLOGY (IRELAND) LIMITED [Alltech Ireland])

Safety and efficacy of a feed additive consisting of Lactiplantibacillus plantarum (formerly Lactobacillus plantarum) IMI 507026 for all animal species (ALL‐TECHNOLOGY (IRELAND) LIMITED [Alltech Ireland])

EFSA Journal 2021;19(7):6703 19 July 2021

(科学的意見)

 

-認可更新のためのすべての動物種用Pediococcus acidilactici DSM 16243株からなる飼料添加物の評価(Lactosan GmbH & Co.KG)

Assessment of the feed additive consisting of Pediococcus acidilactici DSM 16243 for all animal species for the renewal of its authorisation (Lactosan GmbH & Co.KG)

EFSA Journal 2021;19(7):6697  19 July 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6697

(科学的意見)

 

-認可更新のためのすべての動物種用Pediococcus pentosaceus DSM 12834株からなる飼料添加物の評価(Lactosan GmbH & Co KG)

Assessment of the feed additive consisting of Pediococcus pentosaceus DSM 12834 for all animal species for the renewal of its authorisation (Lactosan GmbH & Co KG)

EFSA Journal 2021;19(7):6713  19 July 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6713

(科学的意見)

 

-飼料添加物の申請手順と意図した更新申請に関するウェビナー

Webinar on application procedure for feed additives and intended renewal applications

2021/07/15

https://www.youtube.com/watch?v=0qYizMzvbvY

youtube動画

 

[EFSA]ミツバチの健康:新しいデータハブが稼働

Bee health: new data hub goes live

15 July 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/news/bee-health-new-data-hub-goes-live

EUミツバチパートナーシップ(EUBP)は、ミツバチと受粉媒介者の健康を守るための取り組みにおいて重要な役割を果たす新しいオンラインデータプラットフォームを公開した。このプロトタイププラットフォームは、ミツバチと受粉媒介者に関連する統一したデータをまとめて可視化する画期的なツールである。

養蜂家、農業団体、欧州機関、科学者、学界、農薬産業、獣医団体、NGOs、その他様々な分野の利害関係者がプラットフォームの原型を開発するために緊密に協力してきた。BeeLife欧州養蜂家連携がプラットフォームの開発を主導し、EFSAが資金援助した。

欧州域のミツバチと受粉媒介者に関する統一したデータの収集は、MUST-Bとして知られるミツバチの複数のストレス要因の環境リスク評価のためにEFSAが開発した新しい枠組みの成功の中心となる。

EFSAは開発の次の段階に資金提供することで、プロトタイププラットフォームを完全に機能するツールへ変換するのを支援する。このプロジェクトを進めるための入札募集はすぐに開始される。

最終的な目標は、このプラットフォームがミツバチの健康と養蜂について、関係者が収集・交換した全ての関連する情報、知見、データをまとめるハブになることである。養蜂家、養蜂や農業団体、研究者、政府機関、政策決定者などのエンドユーザーが関連するデータにアクセスできるようになる。

EFSAはデンマークとポルトガルのミツバチの巣箱監視者から集めた現場データの配信も開始した。これらのパイロット収集はMUST-B の枠組みの中心にあるApisRAMシミュレーションモデルの調整に役立つ。

 

・EUミツバチパートナーシップ(EUBP)のプロトタイププラットフォーム:データモデル記述

The EU Bee Partnership (EUBP) Prototype Platform: data model description

EFSA Journal 2021;18(7):EN-6694  15 July 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6694

(外部科学報告書)

 

・ミツバチコロニーモデル評価のための現場データ収集に関する研究プロジェクト

Research project on field data collection for honey bee colony model evaluation

EFSA Journal 2021;18(7):EN-6695  15 July 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6695

(外部科学報告書)

 

・入札募集:ミツバチと受粉媒介者に関する関係者間統一データの収集および共有のためのEUミツバチパートナーシッププラットフォームの運用に向けて

https://ted.europa.eu/udl?uri=TED%3ANOTICE%3A344417-2021%3ATEXT%3AEN%3AHTML

 

紹介:ミツバチの健康に関するEUミツバチパートナーシッププラットフォーム

Introducing: The EU Bee Partnership Platform on Bee Health

2021/04/28  (15/07/2021掲載)

https://www.youtube.com/watch?v=18wCuIyYH_M

youtube動画

 

[BfR]調理したマメのみを楽しむように

Only enjoy cooked beans

09.07.2021

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2021/32/only_enjoy_cooked_beans-278526.html

2020年に、ドイツの中毒センターはサヤインゲンの摂取に関する苦情について予期せぬ多数の問い合わせを受けた。パンデミックがもたらした一般世帯の食習慣の変化がこの影響に寄与した可能性がある。ドイツの人々はパンデミック前よりも多くの野菜を食べ、家でより頻繁に調理していることが様々な研究から示されている。「多くの他の種類の野菜とは対照的に、マメ類は生で食べることはできない」とドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)長官Andreas Hensel医学博士は述べた。「生のマメはphasin(レクチン)を含んでいる。このタンパク質は最小量でもヒトの健康に害を及ぼす可能性があり、高温によってのみ破壊される。」そのため中毒委員会のBfRの評価では特に注意を促している。軽く煮たり蒸したりするなどの軽い調理方法は、マメには適さない。だが、マメ科植物は十分に加熱すると簡単に消化できる。それらには多くの貴重な成分が含まれている。

BfRのアプリ「子供達の中毒事故」へのリンク:

https://www.bfr.bund.de/de/apps_vergiftungsunfaelle.html

近頃キッチンでは軽い調理工程が好まれている―これにより野菜は歯ごたえがよく、ビタミンの損失が少なくなる。だが、サヤインゲンなどある種の野菜については、調理の際に十分加熱・調理されることが必要である。サヤインゲンの種子と鞘にはレクチンタンパク質であるタンパク質phasinが含まれている。phasinは胃腸障害を引き起こす可能性がある。

生の種子を2~3粒摂取しただけでも腹痛と吐き気がよく起こる。重症の場合は、血性下痢、熱、低血圧が起こる可能性がある。症状はたいていその種子を摂取した2~3時間後に始まる。症状が出るかどうか、またその重症度は人によって大きく異なる。子供は体重が軽いため特にリスクがある。

子供が誤って生のマメを食べた場合、あるいは不十分な調理後に消費者に症状が出た場合には、BfRはすぐに中毒センターに連絡するよう助言する。有毒植物に関する詳細な連絡先やさらなる情報はBfRのアプリ「子供達の中毒事故」に掲載されている。

マメを育てる人は誰でも、中毒の危険性を子供達に教えたり、彼らが目の届かないところでその植物に触れないようにする必要がある。種まき用の種子小袋にも注意が必要である。子供達はたいていカラフルでビー玉のようなマメの種子に特に魅力を感じるだろう。

 

[BfR] BfRは消費者の健康保護によく知られた当局である    

BfR is a well-known authority in consumer health protection

07.07.2021

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2021/31/bfr_is_a_well_known_authority_in_consumer_health_protection-277886.html

消費者の健康保護とBfRの活動に関する第5回BfRステークホルダー及び消費者調査の結果について

ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、ドイツの消費者健康保護機関として知られている。本調査は4年ごとに行われ、今回は2020年に1,003人の消費者と、科学、政治、メディア、消費者団体や業界団体などの504人のステークホルダーを対象に電話調査し、ドイツにおける一般的な消費者の健康保護と、BfRの活動や認知について質問した。本報告書は、2004年、2008年、2012年、2016年に続く第5回の評価である。BfRの名前は80%以上のステークホルダーに知られ、BfRが提供する情報や評価を専門家の61%が利用する。消費者の約40%が「BfR」の名前を知っている。全体的に、消費者の健康保護というテーマについて、よく知っていると感じているのは、消費者の約半数で、増加傾向である。ステークホルダーでは、3人に2人がよく知っている。

報告書「BfRステークホルダーおよび消費者調査:第5回ドイツにおける消費者健康保護の評価」の全文は、以下BfRのウェブサイトに掲載されている。

https://www.bfr.bund.de/en/bfr_wissenschaft_en_2021.html

https://www.bfr.bund.de/cm/350/bfr-stakeholder-und-bevoelkerungsbefragung-fuenfte-evaluation-zum-gesundheitlichen-verbraucherschutz-in-deutschland.pdf

前回の評価と同様に、援助なしで消費者健康保護機関を挙げたのは消費者の一部で、BfRの自発的認知度は低いレベル(1%)である。ステークホルダーの12%が自発的にBfRを挙げる。しかし、BfRの名前を聞いたことがあるか尋ねると、BfRの認知度は、消費者の間で前回より6ポイント増加し、約40%であった。ステークホルダーでは前回より5ポイント減少し、82%であった。BfRの活動を知っているのは消費者の5%、ステークホルダーの35%であった。

BfRの名前を知っている消費者の3分の1は、BfRが消費者の健康保護に関する情報を提供することを知っており、このうち3分の1はこの情報も利用する。ステークホルダーでBfRを知っている人の40%強は、BfRが食品・製品・化学物質の安全性に関する評価・研究結果を公表することを知っており、61%がこの情報を利用する。BfRの情報を利用する消費者の39%、ステークホルダーの52%が、この情報を重要と評価する。

今回の調査では、COVID-19、環境汚染、食品分野や製品の品質低下、不健康な食習慣などの問題を消費者とステークホルダー双方が最大の健康リスクと見なし、全体的に公衆衛生の保護を非常に重視している。

 

[ANSES] ハンドサニタイザーがコロナウイルスに有効であることを確認する 

Ensuring that hand sanitisers are effective against coronavirus

30/06/2021

https://www.anses.fr/en/content/ensuring-hand-sanitisers-are-effective-against-coronavirus

ANSESの専門家はCOVID-19パンデミック対策のために2020年3月から特別な免除を受けて製造・販売されている手指消毒剤のジェルと溶液の有効性を確認した。しかし、効果を長く持続させるためには、65 %以上のアルコールを含むジェルや溶液を使用するか、EN 14476基準に基づいてウイルスに対する有効性が実験的に確認されているものを使用することが望ましい。

COVID-19の流行が始まり、感染防止対策の導入が推奨されて以来、石鹸と水で洗うことができない場合には、アルコールベースのジェルや溶液を使って手を消毒することが日常的に行われている。ハンドバッグや建物の入り口に設置されたポンプ式ディスペンサーに数ヶ月間保管されていても、その製品は効果があるのか?ANSESはこの問題についての意見を発表した。

これらのジェルのアルコール含有量は時間が経っても変わらないか?

手指用消毒剤のジェルや溶液の殺菌効果はアルコール濃度に基づく。ただし、時間が経つとアルコールが蒸発してしまうというリスクがある。ANSESは、2020年3月13日の省令で定められた処方に従って製造された手指用消毒剤製品を、いくつかの代表的な保管方法と使用方法で検査した:

▶ 個人用ポケットボトル(100 mL): 週1回、5ヶ月間使用。

▶ 中程度の使用のためのポンプ式500 mLボトル:2時間おきに8~10時間使用し、3週間で終了。

▶ ショップの入り口などに設置された1 Lのボトル(ポンプ式):5分おきに8~10時間、3日間集中して使用。

▶ 5 Lの詰め替え用ボトルを200 mLの小さい容器に移し替えるため、毎日15分間開け5週間使用。

その結果、ポンプ式の中程度に使用したボトルの製品だけが、3週間でアルコール含有量が5〜10 %減少した。「ポンプ式はキャップに比べて気密性が低いので、アルコールが蒸発しやすい」と、ANSESの規制製品評価部門の副部長であるCatherine Gourlay-Francé氏は説明する。効果的に製品を使うためには、使用頻度に合わせて容器の種類を選ぶ必要があり、頻繁に使用する場合はポンプ式のボトルを用意するとよい。

99.99 %以上のコロナウイルスが除去された

手指用消毒剤は、すべての製品が長期間にわたってコロナウイルスに効果的であるように特別に作られているわけではないので、慎重に選ぶことが重要である。ANSESは時間の経過に伴うアルコール含有量の減少を補完するために、アルコール濃度(エタノールまたはイソプロパノール)が65 %以上の手指用消毒剤を使用することを推奨する。

2020年3月13日の省令に記載された処方に従ってパンデミック対策のために製造された手指用消毒剤製品を対象に行われたテストでは、アルコール含有量が65 %以上であることがラベルに記載されている製品は、コロナウイルスを含むエンベロープをもつウイルスの99.99 %以上を除去することが確認された。

「EN 14476基準に準拠した殺ウイルス活性」、「手指用消毒に世界保健機関が推奨するアルコールベース溶液」あるいは「手指用消毒のアルコールベースのジェル-免除命令」を表示するジェルや溶液は、コロナウイルスに対して有効であると認められている。

手指用消毒ジェルの保管方法の推奨事項

手指用消毒剤の効果を確実にするために、以下のことを勧める:

▶ 包装に記載されている保管方法と使用方法に従うこと

▶ 製品を熱や日光を避けて、清潔な場所に保管すること

▶ 使用後は容器をしっかりと閉めること

▶ ポンプ式のボトルの場合は、開封後は速やかに使用すること

▶ 製品を別の容器に移す場合、アルコールの蒸発を防ぐため、20 °C以下の場所で行うこと

▶容器を再使用する場合は、少なくとも石けんと水で洗浄し、再使用の回数を制限すること

パンデミックへの2段階の対応策

「パンデミックの状況下でより迅速に入手できるよう、厳密に定義された処方に準拠した手指用消毒剤ジェルは、免除つきで市場に出すことができると決定した」とCatherine Gourlay-Francé氏は述べる。ANSESは、SARS-CoV-2感染防止対策の一環として使用が推奨されているこれらの製品の効果基準を決定するよう求められた。

2020年6月に発表された最初の意見書で、コロナウイルスが属するグループであるエンベロープのあるウイルスに関する利用可能な知識に基づいて、すでに推奨事項を発表した。2021年6月に発表された補足意見では、主にコロナウイルスに対するこれらの製品の有効性と実際の使用状況に関するデータを提供することで、これらの推奨を確認し、明確にする。

詳細

ヒトの衛生のためのアルコールベースの消毒剤の有効性基準と、そのライフサイクルを通じた有効性の保証に関する意見書(フランス語)。

https://www.anses.fr/en/system/files/BIOC2020SA0067-1.pdf

 

[FDA]1年が経過し、よりスマートな食品安全新時代の青写真は、FDAの公衆衛生上の使命に浸透している

One Year Later, the New Era of Smarter Food Safety Blueprint Makes Inroads in FDA’s Public Health Mission

07/13/2021

https://www.fda.gov/news-events/fda-voices/one-year-later-new-era-smarter-food-safety-blueprint-makes-inroads-fdas-public-health-mission

1年前の今日、FDAは「よりスマートな食品安全の新時代の青写真(New Era of Smarter Food Safety Blueprint)」を発表した。この1年間で、我々は青写真に示された目標に向かって大きく前進した。パンデミックへの対応から、この青写真の中でも特に、サプライチェーンの継続性と回復力、検査方法の近代化、規制当局パートナーとの食品安全インフラの強化、消費者がオンライン注文する食品の安全性、などに関わる目標の必要性が加速していることがわかった。また、3月にはFDAデータ戦略として「データ近代化行動計画(Data Modernization Action Plan: DMAP)」を、5月には査察強化のための「FDA査察監視のための回復ロードマップ(Resiliency Roadmap for FDA Inspectional Oversight)」を発表している。

食品トレーサビリティの強化

2011年のFDA食品安全近代化法(FSMA)と「よりスマートな食品安全の新時代」の両方における優先事項は、汚染された食品がどこで栽培または生産されたかを迅速に特定し、必要に応じてリコールを即時行うための食品トレーサビリティの推進である。2020年9月、FDAは「食品トレーサビリティ規則案」と、同規則の追加記録義務が適用される食品リスト案を発表した。この規則案では、これらのリストされた食品のトレーサビリティを強化するための主要なデータ要素と重要な追跡イベントが示されている。2022年後半に最終版を発行する予定である。

予測分析

DMAPは、新興の公衆衛生上の脅威をより良く理解するためには、新しい情報源のデータを利用することが重要だとしている。また、「よりスマートな食品安全の新時代」の青写真では、予測能力を強化し、より多くの情報に基づいたリスク管理の決定を行うために、データ分析を行うことが求められている。そのため、FDAは新しいデータ分析ツール「21 Forward」を作成し、パンデミックのために食品従事者が不在となり、食品供給の継続に支障をきたす可能性のある場所を特定できるようにした。

輸入スクリーニング

DMAP及び新時代の青写真は、人工知能(AI)を活用して、違反のリスクが最も高い輸入食品の貨物を予測する能力を強化し、その情報を利用して輸入審査のリソースをより適切に配分するために実施している試行試験の重要性を強調する。

輸入水産物を対象とした初期の調査結果によると、このツールによって、何百万もの貨物のうち、どの貨物に違反品が含まれている可能性が高いかを調べる能力が大幅に向上すると考えられた。この試験の第2段階は2月に開始されている。

査察

新時代の青写真では、データを活用した査察リソースの配置に加えて、査察の代替方法を模索することが求められている。

2020年4月より外国供給者検証プログラム(FSVP)の要件に該当する輸入業者へのリモート(遠隔)査察を開始した。FSVP規則では、FDAが輸入業者に電子的に記録を要求し、海外の食品供給業者が米国の安全基準を満たしていることを確認することができる。これにより、2020年3月以降、過去最多となる1,600件以上のFSVP査察を実施した。「FDA査察監視のための回復ロードマップ」でもリモート査察の重要性に言及している。

食品由来疾患を減らす

FDAスタッフの献身的な努力、国内外のあらゆるレベルの政府機関のパートナーが示した公衆衛生への取り組み、消費者を守るための食品業界の取り組みによって多くのことが可能となった。すべての関係者と共に、適切な技術、最高のデータ、そして一貫した監視体制のもと、協力してこの国の食品による疾患を減らしていく決意である。

 

「よりスマートな食品安全の新時代」2021年に予定される活動

New Era of Smarter Food Safety Select Activities for 2021.

https://www.fda.gov/media/150619/download

各重点分野で予定されている活動の紹介

コアエレメント1:技術が可能にするトレーサビリティ

食品トレーサビリティの基礎を継続的に推進

国際的な規制当局パートナーとの協力による世界共通のトレーサビリティ用語の作成

あらゆる規模の食品生産者のための、技術的に可能な、低コスト又は無料のトレーサビリティ解決策の模索

アウトブレイク対応のための、トレーサビリティデータのデジタル化を可能にするプロトタイプの開発と試験運用

コアエレメント2:予防とアウトブレイク対応のためのより賢いツールとアプローチ

AIによる、よりリスクの高い水産物の特定を目的としたパイロット試験の完了

連邦・州間の食品安全チェーン強化のため少なくとも3つの州との国内相互信頼協定の締結

食品企業のコンプライアンスを監視する補助としてのリモート規制評価の実行可能性調査

第三国の食品安全基準がFDAの食品安全要件と一致するかを判断するための予備的な評価試験の完了

コアエレメント3:新しいビジネスモデルと小売り近代化

全国の小売業規制団体や米国疾病対策予防センター(CDC)との連携の継続

食品電子商取引の関係者を集めた「新しいビジネスモデルサミット2021年」を開催し、食品安全上の潜在的な脆弱性に対処するための今後の行動方針を明らかにする。

コアエレメント4:食品安全文化

食品安全文化を構成する行動原理と組織原理を紹介するために、FDA検査スタッフ向けの内部トレーニングを開始。このトレーニングを州の規制当局の検査官に提供することの実行可能性を評価

望ましい食品安全の実践に関する態度と行動に影響を与える課題、障害、機会についての文献レビュー

テクノロジーを駆使した新しい媒体での配信や家庭に届けられた食品の安全な取り扱いに関するメッセージなど、消費者向け教材の近代化の支援

 

[HK] 食品中の有害物質 (修正) 規則 2021が2023年に段階的に開始予定

Harmful Substances in Food (Amendment) Regulation 2021 to commence in phases in 2023

Monday, July 19, 2021

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20210719_8799.html

政府は本日(7月19日)、食品中の工業生産されたトランス脂肪酸やマイコトキシンなどの有害物質の規制を強化するための「食品中の有害物質(修正)規則2021」(修正規則)が先週水曜日(7月14日)に可決されたと発表した。

 

[HK] 違反

食品安全センターは包装蛇頭のサンプルにマラカイトグリーンを検出する

CFS finds malachite green in prepackaged snakehead sample

19 Jul 2021

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20210719_8797.html

食品安全センター及び食物環境衛生署は、定期食品調査にて中国産蛇の頭部のサンプルに2.02 ppbのマラカイトグリーンを検出したと発表した。香港ではマラカイトグリーンを含む食品の販売は認められていない。

 

[SFA] 食品取扱業者への情報

Information for Food Handlers

Monday, July 19, 2021

https://www.sfa.gov.sg/food-retail/information-for-food-handlers

食品取扱業者の定義とその登録、また、再トレーニングに関する情報。

 

[FDA]リコール

-Pfizer はN-ニトロソ-バレニクリン含有のためCHANTIX® (Varenicline) 12製品の自主回収を発表する

Pfizer Issues a Voluntary Nationwide Recall for Twelve Lots of CHANTIX® (Varenicline) Tablets Due to N-Nitroso Varenicline Content

July 16, 2021

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/pfizer-issues-voluntary-nationwide-recall-twelve-lots-chantixr-varenicline-tablets-due-n-nitroso

Pfizer社は、ニトロソアミンであるN-ニトロソ-バレニクリンが自社の定めた一日摂取許容量(ADI)レベルを超えて検出されたため、Chantix 0.5mg タブレット2ロット、Chantix 1mg タブレット2ロット、Chantix 0.5 mg/1 mg タブレット8ロットを患者(消費者/使用者)レベルで自主回収。

(禁煙補助)

 

-Alpha Male PlusはAlpha Male Plus Male Enhancerに表示されない成分タダラフィルのため、全国で自主的リコールを発表する

Alpha Male Plus Issues Voluntary Nationwide Recall of Alpha Male Plus Male Enhancer Due to the Presence of Undeclared Tadalafil

July 19, 2021

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/alpha-male-plus-issues-voluntary-nationwide-recall-alpha-male-plus-male-enhancer-due-presence

Alpha Male PlusはAlpha Male Plus Male Enhancer fruit chewに表示されない成分タダラフィルのため、全国で自主的リコールしている。製品写真有。

 

[FSAI] ヒスタミン濃度が高いため、Derg Cheddarのリコール

Recall of a Batch of Derg Cheddar due to Elevated Levels of Histamine

Monday, 19 July 2021

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/Derg_histamine.html

Derg Farmhouse Cheese社はDerg Cheddarの一部がヒスタミン濃度の上昇のため、リコールしている。製品写真有。

 

[FSAI] FSAIはエチレンオキシド汚染のためローカストビーンガム(E 410)を含む一部の食品の撤収を助言する

FSAI Advises on Withdrawal of Some Food Containing Locust Bean Gum (E 410) due to Ethylene Oxide Contamination

Friday, 16 July 2021

https://www.fsai.ie/LocusBeanGum_EthyleneOxide_16/07/2021.html

欧州の一部の食品に添加物であるローカストビーンガム(E410)にエチレンオキシド汚染が確認されたことを受け、アイルランド食品安全局(FSAI)は本日、他のEU加盟国と同様に、関連食品の予防的な撤収を行っている。

 

[FSA] FSA及びFSSの猫の汎血球減少症例増加に関する情報更新

Update from the Food Standards Agency and Food Standards Scotland following the rise in cases of feline pancytopenia

16 July 2021

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/update-from-the-food-standards-agency-and-food-standards-scotland-following-the-rise-in-cases-of-feline-pancytopenia

今回の更新は、猫汎血球減少症の症例の増加を受けた猫の飼い主への助言に関する前回の発表(2021年7月1日)に続くものである。マイコトキシンの存在が確認されたが、それ自体が猫の汎血球減少症の原因であることを示すものではなく、調査を継続している。

 

 

[COC] 会合の記録

Committee on Carcinogenicity of Chemicals in Food, Consumer Products and the Environment

https://www.gov.uk/government/groups/committee-on-carcinogenicity-of-chemicals-in-food-consumer-products-and-the-environment-coc

15 July 2021: agenda and papers (ZIP, 3.32MB)

11 March 2021: agenda and papers (ZIP, 2.43MB)

24 November 2020: final minutes (PDF, 196KB, 6 pages)

24 November 2020: agenda and papers (ZIP, 401KB)

最近の議題

・リスク評価における疫学と毒性学的根拠の合成と統合についての報告書

・ガイダンス声明(G04)改訂:発がんリスク評価におけるバイオマーカーの使用

・ガイダンス声明(G03)更新:ハザード同定とキャラクタリゼーション:動物でのがん原性試験の実施と解釈

・ガイダンス声明(G07)更新:2年間バイオアッセイの代替法

・ホランズンスキャン

2020年優先トピックス

シフト労働やストレス、その他のライフスタイル要因のがん感受性への影響とそれが化学物質や発がん性の評価にどう影響するか、ナノ物質評価ガイダンス更新、in vivo変異原性物質の閾値について

・新しいガイダンス声明の領域-がんリスク修飾を評価するための根拠の重み付け

ダイナミックがんリスク(DCR)モデル、がんの10の特徴をリスク評価に使う

がんの10の特徴

The Ten Hallmarks of Cancer

・遺伝的不安定性と突然変異

・腫瘍を促進する炎症

・持続する増殖信号

・成長抑制信号への感受性の無さ

・細胞死への抵抗

・複製可能数に上限が無い

・代謝の調整逸脱

・血管新生

・組織への浸潤と転移

・免疫による破壊を回避

 

論文

-多くの人が食品のアレルギー情報は明確でないという

Most people find allergy information on food labels unclear

21-JUL-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-07/w-mpf071921.php

Clinical & Experimental Allergyに発表された食物アレルギーのある96人とない105人で実験をした結果。ピーナッツが含まれる、含まれるかもしれない、成分ではない、18の食品をランダムに提示し、次に3つの提示方法「工場で作られた」「含まれるかもしれない」「痕跡程度の」で提示した。予防的アレルゲン表示への消費者の評価はばらばらで、消費者にとってほとんど価値がない。また多くの消費者が、(ピーナッツを含む製品を作っている)「工場で作られた」という文言を「含まれるかもしれない」より弱い警告だと解釈する。消費者は、言葉が違えばリスクレベルが違うと考えるのは当然なので、同じ意味の「工場で作られた」「含まれるかもしれない」「痕跡程度の」は言葉を同じにすべきである。オランダ

(元の調査はオランダ語で行われていて論文は英語。それを日本語で紹介しているのでニュアンスが正しく伝わっているかどうかわからない)

 

-10人中3人のアメリカ人がパンデミック後サプリメントの使用を増やした

Three in ten Americans increased supplement use since onset of pandemic

21-JUL-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-07/trg-tit072021.php

Samueli財団の依頼によりThe Harris Pollが行った調査によると、29%のアメリカ人がCOVID-19パンデミックの前より今の方がサプリメントを多く使用していて、米国のサプリメント使用者は76%になった。サプリメントの使用を増やした人のうち2/3が免疫機能全体あるいはCOVID-19から守ることを強化する目的であった。他の理由は、自分の健康を自分で管理したい、睡眠改善、メンタルヘルス。

しかし多くの人はサプリメントのリスクや安全性に気がついていない。52%のアメリカ人がサプリメントはFDAが安全性と有効性を保証すると間違って信じている。サプリメント使用者の1/3がサプリメントが危険なら販売が許されるはずはないと信じている。しかし事実は違う。

 

-CDC, FDAそして Fauciへの人々の信頼は安定、研究が示す

Public trust in CDC, FDA, and Fauci holds steady, survey shows

20-JUL-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-07/appc-pti072021.php

しかし保守メディアのヘビーユーザーは信頼が少なく、陰謀論を信じている可能性が高い

Pennsylvania大学のAnnenberg公共政策センターの調査

主流メディア、ソーシャルメディア、Foxニュース、超保守情報源、の4つで明確に差がある図あり

 

-研究:子どもにとって無線放射線暴露は高すぎる

Study: Wireless radiation exposure for children is set too high

20-JUL-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-07/ewg-swr072021.php

ENVIRONMENTAL WORKING GROUPがEnvironmental Healthに発表したNTPの試験とIARCの発がん性ありという評価を根拠にした携帯電話やタブレットの使用、5Gのような新世代のものも含めて、を制限しようとの訴え。

(EWGは有機農業推進だけではない。しかし↓も含めて、環境系の「学術誌」が活動家の巣窟になっているのはずっと前から問題)

 

-数百の化合物が、多くは消費者製品に含まれる、乳がんリスクを増やす可能性がある

Hundreds of chemicals, many in consumer products, could increase breast cancer risk

21-JUL-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-07/ssi-hoc071521.php

SILENT SPRING INSTITUTEがEnvironmental Health Perspectivesに発表したEPAのToxCastプラグラムから培養細胞のエストラジオールやプロゲステロンに影響する化合物を抜き出したもの

(こういう使い方は間違っているのでやってはいけない。もちろん彼らは意図的にやっている)

 

-スウェーデンにおける父親の間違い率

The frequency of misattributed paternity in Sweden

21-JUL-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-07/w-tfo071921.php

Journal of Internal Medicineに発表された解析によると、父親とされる人が生物学的父ではない頻度は1950年代は1.7%で1990年は1%近く。遺伝研究に大きな影響はなさそう。

(多いのか少ないのかわからない)

 

その他

-エチレンオキシドスキャンダルが食品添加物に拡大

Ethylene oxide scandal spreads to food additive

By Joe Whitworth on July 20, 2021

https://www.foodsafetynews.com/2021/07/ethylene-oxide-scandal-spreads-to-food-additive/

欧州諸国がエチレンオキシドが広範な食品に使われている食品添加物から検出されたため、関連するリコール増加に直面している

2020年9月にベルギーが最初にインド産ごまにエチレンオキシドについての警鐘を鳴らした。これに関連するリコールは今でも続いていて、シリアル、チョコレート、ビスケット、パン、クラッカー、スパイス、ベーグルなど何千もの普通のおよびオーガニックのアイテムが影響を受けている。エチレンオキシドはサルモネラ汚染を減らすために使われた。消毒目的で食品にエチレンオキシドを使うことはEUでは認められていない。

問題の拡大

最近エチレンオキシドが増粘剤や安定剤として使われているローカストビーンガムからもみつかった。それはアイスクリーム、朝食シリアル、肉製品、お菓子、発酵乳、チーズなどに使われている。欧州委員会は6月後半から先週までに3回加盟国の食品と飼料危機調整官と会合を開いた。専門家はエチレンオキシド汚染のある添加物を含む製品の消費者暴露に安全な量は無く、どんな量であっても人々にリスクとなるという。つまり食品や飼料事業者はそのような製品を回収する必要がある。

ベルギーとデンマークはそのように行動するが、法的に設定されたMRLを超過した原料を使って作った全ての食品をリコールすることに懸念を表明した。両国はエチレンオキシドに適用されたゼロトレランスアプローチについて懸念していて、それは汚染の可能性のある食品や飼料のフォローアップに関する欧州規制に従っていないと考える。

国により異なるアプローチに懸念

活動家団体Foodwatchは、国により違いがあることを知らされてからEU全体で対応すること、2021年6月14日以前に作られたアイテムについては0.02 mg/kgの検出限界以下の製品についてはリコールしないことについての議論を歓迎した。

エチレンオキシドを含む食品を摂取しても急性の健康リスクとはならないが、汚染食品を長期間摂取するとリスクは増える。当局は何時汚染が始まったのかはわからない。

欧州議会の緑の党のメンバーはEUコミッショナーUrsula von der LeyenとDG Sante のSandra GallinaにEUは禁止物質で汚染された製品の販売を認めないこと、予防原則アプローチをとることを7月半ばの会合の前に文書で要請した。

欧州委員会からのエチレンオキシドのデータ要請の後、650以上の分析で87件の違反が見つかった。それらは3件を除いて一カ国で報告されており、インド産ごま、スパイス、乾燥野菜と他国産ごまとひまわりの種を含む。

6月半ばにフランスのDGDDRFがアイスクリームに使われている添加物にエチレンオキシドが使われていて、Nestlé, Mondelez およびPicardを含むブランドがリコールされているという情報をしらされた。ルクセンブルク当局は市場の検査から一部の食品サプリメントにもエチレンオキシド汚染が明らかになったという。

 

-Foodwatch(NGO)

食品中有害エチレンオキシド

Toxic ethylene oxide in foods

20.07.2021

https://www.foodwatch.org/en/news/2021/toxic-ethylene-oxide-in-foods/

昨年9月以降、発がん性で禁止された汚染物質エチレンオキシド汚染により何千もの製品がリコールされている。特にフランスで。しかしFoodwatchは全てのEU加盟国が必要な対応をしていないことに警鐘を鳴らす。何週間にもわたる議論を経て、欧州委員会がFoodwatchの警鐘を聞き入れて欧州全体で強い政治対応を呼びかけた

 

2021年6月29日、6月30日、7月13日の、ローカストビーンガム(食品添加物E410)に定量限界以上のエチレンオキシドが存在することについての食品と飼料の危機調整官会合要約記録

Summary record of the Food and Feed Crisis Coordinators meetings of 29 June 2021, 30 June 2021 and 13 July 2021 on the presence of ethylene oxide above the limit of quantification in locust bean gum (food additive E410)

https://www.foodwatch.org/fileadmin/-FR/Documents/EC_rasff_ethylene-oxide-incident_e410_crisis-coord_sum.pdf

ベルギーとデンマークは食品廃棄とロスを減らす農場から食卓まで戦略とSDGにも矛盾すると考えている。

(最終製品で検出限界以下でもダメということ。0.1mg/kg以上のエチレンオキシドを含む原料を使っていたら廃棄。トレーサビリティがあるからわかるだろうと。EUは食品添加物や農薬にはゼロトレランスを主張してるから。全加盟国のうちベルギーとデンマークしか、もったいないとは考えない)