2022-02-07

[EU]査察報告

-イタリア-持続可能な農薬の利用及びPPPsの認可の側面

Italy 2021-7298-Sustainable use of pesticides and aspects of the authorisation of PPPs

16/12/2021

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4438

2021年3月1~10日にリモートで実施した、イタリアの農薬の持続可能な利用を達成するための実施対策を評価するための査察。イタリアは2014年に14ヶ月遅れて最初の国家活動計画を採用したが、量的目標を特定していなかった。この計画の正式なレビューは進行中だが、2017年の分析では不十分な連携やコミュニケーション、量的目標のないことなどが強調された。この計画にまだ明確な発効期限はない。現在使用中の農薬散布装置のおよそ50%は検査や認証を受けておらず、法の期限を4年以上過ぎている。地表水の約20%、地下水の5%の農薬濃度が規制限度を超えている。専門利用者による総合的害虫管理の一般原則の実施を検査するシステムがない。だが、事実上全ての使用者や販売業者は必要な教育を受けて認証され、空中散布は制限された地域に限定されている。より危険な植物保護製品の利用は2011年以降減少したが、統一されたリスク指標に基づいた使用とリスクはEU全体の割合の約半分しか減少していない。管轄機関はこれらの傾向の根本的な原因を理解していないため、行動目標を定めるのは難しいだろう。

 

-クロアチア-水産物

Croatia 2021-7161-Fishery products

16/12/2021

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4433

2021年4月19日~30日までリモートで実施されたクロアチアの水産物の管理システムに関する査察結果。公的管理システムは概ね関連するEU規則の条件に従って効果的に運用できている。2014年の前回の査察以降、漁船や陸揚げ場の公的管理に進歩が見られ、2022年に完全運用される新しいよりリスクに基づいたアプローチが設定されている。柔軟性条項はEU条件を満たしているが、長年稼働していないのに認可を保持している事業所があるなど実際には予期されたようには適用されていない。獣医検査サービスと委任機関の検査官の連携が弱く、公的検査に漏れや矛盾が生じている。また食品企業管理者のEU条件への準拠の検証や違反結果のフォローアップに欠点が確認された。公的サンプリングの手配と研究所の分析は満足のいく物である。

 

-チェコ共和国―牛乳と乳製品

Czech Republic 2021-7182―Milk and dairy products

16/12/2021

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4434

2021年2月15日~3月3日まで実施した、文書や管理記録のレビューやインタビューによる、チェコ共和国の牛乳と乳製品の公的管理システムを評価するための査察結果。管轄機関は明確にデザインされ適切に体系化されており、コミュニケーションフローや協力はよく確立されている。公的管理システムは包括的で分野全体をカバーしているが、内容/品質が考慮されず効果が損なわれている。生乳基準の管理は一般に満足のいく状況だが、入力データは正確さに欠ける。大部分の生乳サンプルを検査した独立研究所には適切な品質管理手順が設定されている。小売りレベルでの管理には表示違反が多く、製造レベルでの管理に改善の余地がある。

 

[EFSA]意見

提出された確証データを踏まえたプロピザミドの農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment for the active substance propyzamide in light of confirmatory data submitted

EFSA Journal 2022;20(2):7034 4 February 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7034

懸念が確認された。

 

[EU]RASFF 2022(0130-0205)

警報通知(Alert Notifications)

ウズベキスタン産レーズンの未承認物質クロルピリホス、インド産タマリンド抽出物のエチレンオキシド、インド産ガルシニアカンボジア抽出物のエチレンオキシド、スペイン産メカジキの水銀、スペイン産黒オリーブのEPTC(ジプロピルチオカルバミン酸エチル)、コロンビア産アボカドのカドミウム、フランス産飼料用モロコシのブタクサの種子、オランダ産タルク(E553b)粉末の鉛、中国産カプセルのエチレンオキシド、フランス産飼料用ヒマワリ種子のブタクサの種子、ポーランド産酢漬けのカブの二酸化硫黄非表示及び着色料ローダミンBの未承認使用、

注意喚起情報(information for attention)

カンボジア産リュウガン果実のカルベンダジム及びカルボフラン、シリア産トルコ経由フリーカの多環芳香族炭化水素・ベンゾ(a)ピレン及びアルミニウム高含有、インドネシア産メカジキステーキの水銀、スペイン産ロメインレタスの塩素酸塩、トルコ産レモンの未承認物質クロルピリホス-メチル、中国産ステンレススチール製オイル入れからのクロム及びニッケルの溶出、ウガンダ産ナイルパーチの塩化ベンザルコニウム(BAC)、ポルトガル産メカジキの水銀、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産生鮮ペッパーkapyaのアセタミプリド、南アフリカ産ピーナッツのアフラトキシン、トルコ産乾燥イチジクのオクラトキシンA、ペルー産コーンミールのフモニシン、トルコ産グレープフルーツのクロルピリホス及びクロルピリホス-メチル、インド産カレーの葉の未承認物質クロルピリホス、エジプト産ピーナッツのアフラトキシン(複数あり)、米国産ピーナッツのアフラトキシン、トルコ産生鮮ペッパーのクロルピリホス-メチル、トルコ産殻付きピスタチオのアフラトキシン(複数あり)、中国産トリュフ(Tuber indicum)のカドミウム、インド産竹抽出物(バンブーサ・アランディナーシャ)のエチレンオキシド、ボリビア産ピーナッツのアフラトキシン、

 

[WHO]世界がんデー:ギャップを無くす

World Cancer Day: closing the care gap

3 February 2022

https://www.who.int/news/item/03-02-2022-world-cancer-day-closing-the-care-gap

 

[CDC]CDC記者会見議事録:COVID-19下水サーベイランス

Transcript for CDC Media Telebriefing: COVID-19 Wastewater Surveillance

FRIDAY, FEBRUARY 4, 2022

https://www.cdc.gov/media/releases/2022/t0204-COVID-19-Wastewater-Surveillance.html

下水サーベイランス

Wastewater Surveillance

https://www.cdc.gov/healthywater/surveillance/wastewater-surveillance/wastewater-surveillance.html

 

[IARC]IARCは世界対がん行動規範枠組みを発表

IARC launches the World Code Against Cancer Framework

4 February 2022

https://www.iarc.who.int/news-events/iarc-launches-the-world-code-against-cancer-framework/

世界中の5人に1人が生涯の間がんになる。癌予防は21世紀の最も意味のある公衆衛生の課題の一つになった。がんとの戦いには、果たすべき重要な役割がある。

現在の科学的根拠に基づき、少なくとも全てのがんの40%は効果的一次予防で予防できる。そして早期発見でさらに死亡率を下げられる。

2月4日の世界がんデーを記念して、IARCは新しい世界対がん行動規範枠組みオンラインプラットフォームを発表

 

プレスリリース

IARC Press Release 307

https://www.iarc.who.int/wp-content/uploads/2022/02/pr307_E.pdf

 

ウェブサイト

World Code Against Cancer Framework

https://cancer-code-world.iarc.who.int/

 

Questions and Answers (Q&A)

https://www.iarc.who.int/faq/world-code-against-cancer-framework/

 

[FAO]パンデミック後の世界:健康的でインクルーシブでグリーンな復興には持続可能な農業食料システムが鍵

Post-pandemic world: sustainable agrifood systems are key to a healthy, inclusive, and green recovery

04/02/2022

https://www.fao.org/director-general/news/news-article/en/c/1471196/

COVID-19パンデミック殻の復興には、より効率の良い、インクルーシブでレジリエントで持続可能な農業食料システムに向かってシフトすることが中心的な役割を果たすだろう、とQU Dongyu事務局長が述べた。国連経済社会理事会の主催したハイレベル委員会でのスピーチ。

 

[NASEM]コロナウイルスの新たな変異株が増加し、ワクチンを躊躇っている人たちへのリーチが新たな緊急性をもつ

As New Variants of the Coronavirus Emerge, Reaching the Vaccine-Hesitant Takes on New Urgency

Feature Story | February 4, 2022 By Dara Shefska

https://www.nationalacademies.org/news/2022/02/as-new-variants-of-the-coronavirus-emerge-reaching-the-vaccine-hesitant-takes-on-new-urgency

ここ数週間米国や他の国でオミクロン変異株が爆発的に増加している。予防接種をしていない人に不釣り合いに壊滅的影響を与え、接種していない人へのリーチがさらに緊急の課題になっている。

パンデミック中ずっとNASEMの社会学専門家ネットワーク(SEAN)は社会心理学、人類学、リスクコミュニケーション、意思決定の科学を使ってCOVID-19ワクチンのコミュニケーション戦略に情報提供してきた。社会科学からのこれら知識はオミクロンあるいは将来の変異株についての決定にどう適用されるか?

変わる状況の中で期待を管理する

正しい聴衆に正しいメッセージ

「圧倒される」情報環境

 

[ASA]アルコール:勇気と男らしさに疑問

Alcohol: Challenges bravery and machismo.

04 Feb 2022

https://www.asa.org.uk/advice-online/alcohol-challenges-bravery-and-machismo.html

CAP Code(広告基準)の第18.4条で「飲酒は挑戦と描写してはならない。マーケティングは攻撃性、粗暴性、無責任、あるいはは社会的行動を示したり促したりしてはならず、アルコールと勇敢さ、タフさ、あるいは勇敢な人または行動と結びつけてはならない」としている

(事例多数)

また酒を飲むことを断ったり責任のある飲酒のしかたを弱さの兆候と示唆してはならず、飲酒を男らしさのしるしと示唆することも禁止されている

 

[NTP]2-((1-(4-Pフェノキシフェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)ピリジンのSprague Dawley (Hsd:Sprague Dawley SD) ラットとニュージーランドホワイト (Hra:NZW SPF) ラビットでの出生前発達試験

Abstract for DART-07

Prenatal Development Studies of 2-((1-(4-Phenoxyphenoxy)propan-2-yl)oxy)pyridine in Sprague Dawley (Hsd:Sprague Dawley SD) Rats and New Zealand White (Hra:NZW SPF) Rabbits

January 2022

https://ntp.niehs.nih.gov/publications/reports/dart/dart07/index.html

各種昆虫、ツェツェバエ、ゴキブリ、コナジラミなどを含む、のコントロールやジカウイルスが風土病になっている地域に蚊のコントロールのために飲料水に加えたりする幼若ホルモン類似農薬MPEP。飲料水中MPEPを摂取した母親の赤ちゃんの小頭症と増加に関係する可能性があるとの仮説から妊娠動物での胎児発達への影響を調べた

ラットでは毒性の根拠なし、ウサギでは母親に毒性が出る250 mg/kg/dayの濃度で「第7肋骨軟骨が胸骨に結合しない」奇形に関する「曖昧な根拠」となった。

(Zikaウイルスが小頭症を誘発するのでZikaウイルス対策をしている地域に小頭症が多い→薬のせいだ、となるのが疫学)

 

論文

-ハーブサプリメントアシュワガンダによる薬物誘発性肝細胞障害

Drug-induced hepatocellular injury due to herbal supplement ashwagandha.

Ireland PJ, et al.,

J R Coll Physicians Edinb. 2021 Dec;51(4):363-365.

英国39才女性の症例

 

-新生児ICUでのプロバイオティクス投与によるビフィドバクテリア菌血症6例の臨床及び細菌学的特徴

Clinical and Bacteriologic Characteristics of Six Cases of Bifidobacterium breve Bacteremia Due to Probiotic Administration in the Neonatal Intensive Care Unit.

Sakurai Y, et al.,

Pediatr Infect Dis J. 2022 Jan 1;41(1):62-65.

宮城県立こども病院、ヤクルトBBG-01

これまで報告されていたより頻度は多く298例中6例(2%)

(どうしてNICUで有効性の根拠に乏しい健康食品使うのだろう?普通の食品だって離乳がすすむまで待つのに。)

 

-L-アルファグリセリルホスホリルコリンはアテローム性動脈硬化を促進する

The Nutritional Supplement L-Alpha Glycerylphosphorylcholine Promotes Atherosclerosis.

Wang Z,et al.,

Int J Mol Sci. 2021 Dec 15;22(24):13477.

GPCサプリメントは神経機能を改善するとされているが新しい研究で脳卒中リスクが上がる可能性が示唆されている.この研究ではApoe-/-マウスを用いてGPCがアテローム性動脈硬化を促進することを示した

 

-WHOがCOVID-19医療廃棄物に懸念

WHO concerned over COVID-19 health-care waste

John Zarocostas

The Lancet WORLD REPORT| VOLUME 399, ISSUE 10324, P507, FEBRUARY 05, 2022

WHOが新しい報告書で個人保護具やその他による生じた膨大な量のゴミへの世界的対応を求めた

WHOの報告によると多くの国がCOVID-19の医療廃棄物を100%感染性のある有害物質と間違って分類している。この報告書ではいくつかの提言をしている

 

-Natureニュース

香港で、くしゃみするハムスターがどうやってCOVIDアウトブレイクを引き起こしたのか

How sneezing hamsters sparked a COVID outbreak in Hong Kong

04 February 2022 Smriti Mallapaty

https://www.nature.com/articles/d41586-022-00322-0

ハスムターは、SARS-CoV-2をヒトに拡大することがわかっているたった2番目の種

香港で、おそらくペットのハムスターがSARS-CoV-2デルタ変異株をもっていてヒトのCOVID-19アウトブレイクの引き金となった、ゲノム解析の結果による。これまで約50人が感染し香港全体で約2000匹のハムスターが処分された。これまでヒトに感染させることが報告されたのはデンマークとオランダのミンク。

 

その他

-「モディファイド乳成分」って何?

What are "modified milk ingredients"?

Joe Schwarcz PhD | 20 Mar 2017

https://www.mcgill.ca/oss/article/food-health-you-asked/what-are-modified-milk-ingredients

アイスクリームの容器の後ろに、「クリーム」や「乳」に加えて「モディファイド乳成分」と記載されていることがある。これは何?

乳は極めて複雑な混合物で、大部分が水でそれに乳糖が溶けていて脂肪滴やタンパク質が懸濁している。ミルクの消費期限は短いが、その成分を分離したものはより長くもち、いろいろな用途に使える。そこで乳加工業者ができた。例えば水を蒸発させて乾燥全乳ができる。それからスキムミルク、部分スキムミルク、乳清プロテイン、カゼイン、バターオイル、無水バターオイル、スキムミルク粉末。これらの一部は発酵乳製品や乳タンパク濃縮物を作るのに変成されることもある。

こうしたモディファイド乳製品はあまり魅力的ではないかもしれないが、健康上の問題はない。全乳とスキムミルクのように健康上の利点がある場合もある。健康上の懸念はないが政治上の懸念はある。カナダに関税なしで輸入できる液状ミルクの量は制限があるが、モディファイドミルク成分は別の規制の対象である。そのため製造業者はより安価に乳製品を作ることができる。

 

-デマと不信:ボリビアのCovid予防接種率の低さの背景

Misinformation and distrust: behind Bolivia’s low Covid vaccination rates

Thomas Graham in La Paz

Sun 6 Feb 2022

https://www.theguardian.com/global-development/2022/feb/06/misinformation-and-distrust-behind-bolivias-low-covid-vaccination-rates

南米の予防接種率は高いがボリビアではそうではなくまだ人口の半分が一回目のワクチンを受けていない。国は10月以降十分なワクチンはある。

クリスマス前に保健省からリークされたデータによると接種率は地域によって大きく異なる。都市部ほど高く小さい町は良くなく、田舎では成人の30%以下しか接種していない。

12月23日に政府は、1月1日から公共の場所に行くのにワクチン証明かPVR検査陰性が必要だと発表し、新年になって数日は突然接種率があがった。しかしこの対策は抗議の引き金となり、政府は1月5日に導入を遅らせ1月19日には停止し予防接種する人は急減した。Yercin Mamani博士によるとワクチンへのアクセスが問題ではなく、いろいろな理由で人々がワクチンを拒否している、という。自称反ワクチン、宗教的理由で接種しない人、デマに影響されやすい教育レベルの低いことが多い人、の3つに分類できるという。

ボリビアのファクトチェックサービスを行っているジャーナリストLucas IllanesはFacebook や WhatsAppで出回っている嘘情報の問題を指摘する。しかし人類学者のPedro Pachaguaya博士は単なるデマの餌食ではないという。そうではなく医療不信と伝統医療を強く好む傾向だという。伝統医療に関するデマについて話すのはボリビアでは非常にデリケートな問題である

(一部のみ)