2022-02-28

[RIVM]食品中の塩、砂糖、飽和脂肪の量の新たな基準

New criteria for amount of salt, sugar and saturated fat in foods

02/24/2022

https://www.rivm.nl/en/news/new-criteria-for-amount-of-salt-sugar-and-saturated-fat-in-foods

製品改善への国家的アプローチ(オランダ語でNAPV、Nationale Aanpak Productverbetering)は今年開始される。その目的は加工食品の成分の改善を促進することである。これは塩や砂糖を加えた製品や、飽和脂肪酸の量を減らすことのできる製品に関係する。それぞれの物質に、RIVMは3つの上限値(低、中、高)を設定した。健康福祉スポーツ省(VWS)の目的は、2030年までに、塩、砂糖、飽和脂肪酸に関して、各製品グループの製品の半分を最上のカテゴリーに、最悪のカテゴリーには最大で10%が入るようにすることである。

政府は製造業者に、食品に添加する塩と砂糖を減らし、(例えば)不飽和脂肪酸で飽和脂肪酸の一部を置き換えてほしいと望んでいる。結果として、人々は同じ食品を食べ続けても確実にこれらの物質の摂取を減らせる。例えば以前、加工食品成分の合意により、ソフトドリンクの砂糖の量を削減できた。これらの合意は正しい方向へのステップだが、VWS省は現在、NAPVを通してこれらの改善を迅速化し拡大したい。今日発表された報告書で明らかになったように、成人が摂取する塩の量はまだかなり多い。

3つの上限

このアプローチの新しさは、より多くの食品の基準がつくられたことと、3つの上限値が各製品グループのそれぞれの栄養素に設定されたという事実である。これにより製造業者は製品を段階的に改善できるようになる。これは、成分に関する改善の余地が多い製品に当てはまるが、すでに改善されている製品にも当てはまる。上限値は、塩、砂糖、飽和脂肪酸の現在の量を基にして設定されている。VWS省の目的は、2030年までに、塩、砂糖、飽和脂肪酸に関して、各製品グループの製品の半分を最上のカテゴリーに、最悪のカテゴリーは最大10%にすることである。

今後の改善の拡大

現在のところ、この基準はスーパーマーケットで入手可能な製品のデータを用いて策定されている。目的は製品の改善をレストランの全ての加工食品に拡大することである(たとえば)。NAPVは調理済食品の一食分の量を少なくし、成分を改善する意図も含んでいる。RIVMはこの点について選択肢を調査するために、今後数ヶ月かけてオランダ栄養センターなどの団体と協力する予定である。

全国予防協定

NAPVは、人々が健康的な食事を簡単に選択できるようにする必要があると規定する、全国予防協定の一部を形成している。これは、オランダ国民の半分が過体重だからである。食品改善に加えて、自分自身で健康意識の高い選択ができることも重要である(あり続ける)。オランダの食品ピラミッド(the Wheel of Fiveとして知られている)に相当するものや、食品選択ロゴは、その点で何らかの支援が実施できる。

RIVMはVWS省から新しい基準の作成を依頼され、オランダ栄養センターやHAS応用科学大学と共に行った。今後数年かけて、RIVMは目標が達成されているかどうかを確認するために、食品組成の変化を監視する予定である。

報告書(本文オランダ語)

New criteria for product improvement. Levels of salt, saturated fat and sugar for food groups

2022-02-24

https://www.rivm.nl/publicaties/nieuwe-criteria-voor-productverbetering

 

[EU]RASFF 2022(0220-0226)

警報通知(Alert Notifications)

フランス産フランスのベーキング添加物に使用した小麦グルテンの未承認物質エチレンオキシド、パキスタン産有機アプリコットカーネルのシアン化水素、ベトナム産パンガシウスフィレの塩素酸塩、インド産ホウライアオカズラ粉末抽出物のエチレンオキシド、ドイツ産アルカリ水の口、喉、食道への悪影響、エジプト産生鮮ニンニクのクロルピリホス(-エチル)、ペルー産有機バナナのクロルピリホス、ポルトガル産食品サプリメントの未承認物質シルデナフィル、

注意喚起情報(information for attention)

オランダ産食品サプリメントの未承認物質メチルサルフォニルメタン、トルコ産グレープフルーツのクロルピリホスメチルおよびブプロフェジン、英国産CBD粉末カプセルのTHC、トルコ産ザクロの農薬イマザリルLMA超過、カンボジア産チェコ共和国経由生鮮コリアンダーのクロルピリホスのMRL超過、中国産フラックスシード抽出物のエチレンオキシド、オランダ産CBDオイルのテトラヒドロカンナビノール(THC)高含有、トルコ産ペッパーの未承認物質クロルピリホス-メチル、トルコ産梨のニコチンの残留物、ポーランド産スロバキアで飼育された鶏の家禽肉のドキシサイクリン、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産レモンのクロルピリホスおよびクロルピリホス-メチル(複数あり)、トルコ産オレンジのクロルピリホス-メチルおよびフェンバレレート、エジプト産オレンジのクロルピリホス-エチル、トルコ産生鮮ザクロのアゾキシストロビン、韓国産インスタント麺の2-クロロエタノール、インドネシア産アブラソコムツの水銀、中国産メラミン製キッチンスプーンのホルムアルデヒドの溶出、トルコ産レモンの未承認物質クロルピリホス-メチル、中国産ハチミツの(オキシ)マトリン、トルコ産生鮮グレープフルーツのクロルピリホス-メチル(複数あり)、中国産キサンタンガムのエチレンオキシド、韓国産インスタント麺のエチレンオキシド、インド産デュラム小麦粉の未承認農薬クロルピリホス、アルゼンチン産マテ茶の未承認農薬アントラキノン、

 

[WHO]半分以上の両親と妊娠女性が強引な乳児用調整乳マーケティングに晒されている

More than half of parents and pregnant women exposed to aggressive formula milk marketing – WHO, UNICEF

22 February 2022

https://www.who.int/news/item/22-02-2022-more-than-half-of-parents-and-pregnant-women-exposed-to-aggressive-formula-milk-marketing-who-unicef

新しい報告書は550億ドル調整粉乳業界が採用している搾取的行為、子どもの栄養を傷つけ国際公約に違反する、を詳細に記す

 

-報告書

乳児用調整乳のマーケティングが乳児に与えるものについての我々の決定にどう影響するか

How marketing of formula milk influences our decisions on infant feeding

https://www.who.int/teams/maternal-newborn-child-adolescent-health-and-ageing/formula-milk-industry

(インフォグラフィクスが全然informativeではないのだが)

 

[APVMA]モリネート再検討完了

Molinate reconsideration completed

25 February 2022

https://apvma.gov.au/node/97161

最新の科学的情報をレビューし、APVMAはモリネート含有製品はラベル表示を更新して暴露量を超過しないようにすることで安全に使用できるとした。

(除草剤)

 

論文

-THE LANCET

生命と死のバランスをとることの危険性

The precariousness of balancing life and death

Liz Grant & Farzana Khan

COMMENT| VOLUME 399, ISSUE 10327, P775-777, FEBRUARY 26, 2022

我々は確実に死ぬにも関わらず、多くの社会の人々は死について意味のある対話を避け、基本的な人生経験としての価値を失っている。死の不可避性と人間らしさを失ったことが我々の健康と生命の理解を曖昧にしている。

死の価値についてのLancet委員会で強調されているように、21世紀に死亡することは矛盾の物語である。技術と科学と医学と人工知能と薬の進歩により資源の豊富な国では命は救われたが死は複雑なものになった。多くの人がしばしば無駄なケアと呼ばれる相当な努力の後に死亡する。社会経済的地位の高い人たちに費やされるこのような病院での過剰治療は、世界中の治療を受けられない人たちの絶望と対照的である。医療資源の乏しい国では死亡はあまりにもしばしば基本的な治療へのアクセスの不平等が特徴である

(導入部分のみ)

 

以下の報告に対してのコメント

Report of the Lancet Commission on the Value of Death: bringing death back into life.

Sallnow L Smith R Ahmedzai SH et al.

Lancet. 2022; (published online Jan 31.)

 

世界のCOVID-19治療の分断

The global COVID-19 treatment divide

Ann Danaiya Usher

WORLD REPORT| VOLUME 399, ISSUE 10327, P779-782, FEBRUARY 26, 2022

専門家は新しいCOVID-19治療法入手の膨大な世界的不平等に警告。

 

-Natureニュース

武漢市場がパンデミックの始まりの震源地、研究が示唆

Wuhan market was epicentre of pandemic’s start, studies suggest

27 February 2022  Amy Maxmen

https://www.nature.com/articles/d41586-022-00584-8

報告書の著者はSARS-CoV-2は2019年の後半に2回この市場で売られていた動物から人々にジャンプしたという-しかしもっと決定的な根拠が欲しいという科学者もいる

科学者がCOVID-19パンデミックがどう始まったかについての興味ある新しい手がかりを明らかにする3つの研究を発表した。2つはアウトブレイクを遡って中国武漢の生きた動物を売っていた市場にたどりつき、3番目はおそらくこの市場で販売されていた動物から2019年の11月から12月の間に少なくとも2回、ヒトにSARS-CoV-2が飛び火したことを示唆する。2月25と26日にプレプリントが投稿された

 

その他

-化粧のために死ぬ:鉛の化粧品が白い肌を求めた18世紀の欧州社交界有名人を中毒にした

Dying for makeup: Lead cosmetics poisoned 18th-century European socialites in search of whiter skin

Fiona E. McNeill Published: February 27, 2022 

https://theconversation.com/dying-for-makeup-lead-cosmetics-poisoned-18th-century-european-socialites-in-search-of-whiter-skin-176237

McMaster大学で30年鉛中毒を研究している著者の鉛入り化粧品のレシピの研究

最も驚くべき発見は、鉛を使った白い化粧はとても美しくナチュラルであること。現在使われている二酸化チタンは青みがかっていてあまりにも白い。また最も毒性が高いレシピ-吸収されやすいレシピはイングランドの女王エリザベスI世が使っていた鉛白と酢の混合物である

 

-薬物入りシャンパンが一人殺して11人を病気にして警告

Warning after champagne laced with drugs kills one; sickens 11

By News Desk on February 26, 2022

https://www.foodsafetynews.com/2022/02/warning-after-champagne-laced-with-drugs-kills-one-sickens-11/#more-212314

ドイツとオランダで多数のヒトがエクスタシー入りシャンパンを飲んで病気になった。2月半ばにドイツでは52才の男性が死亡した。オランダ食品消費者製品安全局(NVWA)が薬物を含むMoëtシャンパンに警告を発行した。対象製品はMoët and Chandon Ice Impérialの3 LでロットLAJ7QAB6780004である。オランダでは4人が病気になっている

この製品にどうしてエクスタシーが入っていたのかは不明でさらに汚染製品が流通しているかどうかも推定できない。NVWAは疑わしい製品は味見しないで警察を呼ぶよう要請している。ベルギーでは病気は報告されていないがベルギー当局が警告している。

シャンパンのボトルの内容物の検査ではMDMAが検出されていて、液体の色は赤みがかった/褐色でフルーティーな芳香があるが「シャンパン様」ではない。また二酸化炭素は含まれず発泡しない。このシャンパンは提供されるしばらく前にオンラインプラットフォームで購入したもので、警察はレストランが本物だと信用して購入したと考えている。捜査は継続中。

 

-法廷助言書は有機としての水耕栽培についてUSDAを支持

Amicus brief supports USDA on hydroponics as organics

By Dan Flynn on February 25, 2022

https://www.foodsafetynews.com/2022/02/amicus-brief-supports-usda-on-hydroponics-as-organics/

USDAが水耕栽培をオーガニック表示できるとした件で2020年のSonny Perdue長官時代に始まった訴訟で現在第9巡回区控訴裁判所で控訴審が行われている。農業業界は概ねUSDA支持、食品安全センター(CFS)と伝統的オーガニック生産者の一部が反対している。

(水耕栽培がオーガニックなら、土壌とか自然への信仰が軽視されることになる、という伝統的有機栽培実践者の気持ちはわかる。でも既にオーガニックはただのマーケティングツールなわけで)

 

-DNAテレポーテーション ほんと?

DNA Teleportation. Really?

Joe Schwarcz PhD | 24 Feb 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/health-and-nutrition/dna-teleportation-really

フランスのウイルス学者Luc Montagnier博士はノーベル病と言われる病気で亡くなったのではないが確実に感染していたようだ。どの系統の?ホメオパシー。

2008年ノーベル医学生理学賞を共同受賞したLuc Montagnier博士は2月8日に亡くなった。

Montagnier博士はノーベル賞受賞者が有名になった後に非科学的アイディアを支持する「ノーベル病」になっていたようだ。この病気になる人はそう多くはないがMontagnier博士は犠牲者で彼の場合、ホメオパシーである。そしてSARS-CoV-2はその症状を悪化させたようだ。Montagnier博士はフランスのテレビでワクチンは間違いだと語った。彼の反ワクチン活動はフランスの科学と医学アカデミーの100人以上の会員から「専門外の分野で危険な健康メッセージ」を拡散させていると非難のオープンレターを出させることになっている。

 

-我々はパーソナルケアスプレー製品中のベンゼンを心配すべきか?

Should we worry about benzene in personal care spray products?

Joe Schwarcz PhD | 25 Feb 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/health-and-nutrition-you-asked/should-we-worry-about-benzene-personal-care-spray-products

パーソナルケア製品中のベンゼン問題がメディアで話題になったため消費者が必要以上に広範囲に心配しているようだ。しかしながら、発がん物質に関しては、どんなものだろうと不必要な暴露は減らすべき

おそらくこの種の製品はベンゼンなしで作れるし含むべきではない。この問題は最近デオドラント、日焼け止め、エアロゾルドライシャンプー、アスリート用足処理製品を含む多数の製品が微量のベンゼン汚染のためリコールされたためにおこった。

基本から始めよう。ベンゼンは発がん性がわかっている。しかし問題は完全に避けることができない、ということである。ベンゼンは天然に石油に含まれ、従ってガソリンに含まれる。消費者用スプレー製品にも含まれるがその由来は不明である。推進剤のプロパン、ブタン、イソブタンの汚染物質の可能性がある。乳液の分離を予防するカルボマーが由来かもしれない。また保存料の安息香酸ナトリウムの分解産物かもしれない。

ベンゼン暴露が完全に排除できないという文脈で、問題はリスク解析である。それには職業暴露のデータを使う。研究者がベンゼン暴露の可能性のある233工場の労働者約3万人を研究し、労働者1000人につき約1人の白血病が生じる可能性が高いことを発見した。これはビーチに行くときに日焼け止めスプレーを使うのとは相当異なる状況である。リスクはあまりにも小さいが、もし心配なら単にスプレー製品を避ければ良い。

パーソナルケア製品中のベンゼン問題がメディアで話題になったため消費者が必要以上に広範囲に心配しているようだ。しかし全てのスプレーに汚染があるわけではない。リコールされた製品の製造業者はベンゼンをとり除く方法を探っている。リスクは小さいが、発がん物質に関しては、どんなものだろうと不必要な暴露は減らすべきである。

 

-子どもにマスクは大丈夫

The Masked Kids Are Alright

Jonathan Jarry M.Sc. | 25 Feb 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/covid-19-health-and-nutrition/masked-kids-are-alright

子どもがマスクをすると窒息や発達遅延につながるという恐怖があるが、データはそれらが正当な理由のないパニックであることを示す

身体的および心理的害、不快である、できないことなどへの長い解説

持ち帰るべきメッセージ

-マスクは子どもたちを酸欠にしたり二酸化炭素中毒にしたりしない

-マスクをした人の顔の感情を子どもが同定しにくいことの根拠は混合している

-学校での最大の問題は声が聞こえにくいことだろう