2022-04-04

[EFSA]食品中の農薬:最新報告書を発表

Pesticides in food: latest report published

30 March 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/news/pesticides-food-latest-report-published

食品中の残留農薬に関するEFSAの最新年次報告書には2020年にEUで集められた88,000以上の食品サンプルが含まれている。この分析結果から、サンプルの94.9%が法的許容レベル内だったことが示された。

EU共通管理計画(EU MACP)の一環で分析された12,077のサンプルのサブセットでは、98.2%が法の限度内だった。EU MACPは12食品からランダムに集めたサンプルを分析している―2020年は、ニンジン、カリフラワー、キウイフルーツ、タマネギ、オレンジ、梨、ジャガイモ、乾燥豆類、玄米、ライ麦粒、牛の肝臓、家禽脂である。同じグループの製品を3年ごとにサンプリングするので、特定製品の上昇や下降傾向を確認できる。

調整されたプログラムで分析されたこれらのサンプルのうち:

・68.5% (8,278 サンプル)は定量可能なレベルの残留物がないことがわかった。

・29.7% (3,590)には許容レベルかそれ以下の濃度の1つ以上の残留物が含まれていた。

・1.7% (209)に法の最大値を超える残留物が含まれ、そのうち113 (0.9%)は違法だった。

調整プログラムの詳細結果は、専門家以外の人がよりデータにアクセスしやすいように、閲覧可能なチャートやグラフとしてEFSAのウェブサイトで入手できる。

調整プログラムで集められた統一した比較可能なデータと同様に、EFSAの年次報告書には個別に、EU加盟国、ノルウェー、アイスランドが国家管理活動の一環で収集したデータも含まれている。

国家管理計画は、残留農薬を含む可能性のある製品や、前の年に法律違反が確認されている製品を対象とし、リスクに基づいている。これらのプログラムはリスク管理者に重要な情報を与えているが、EUCPのデータとは異なっている―欧州の店頭商品に見つかることが予想される残留物濃度を統計的に代表する訳ではない。

モニタリング計画の結果は、残留農薬へのEU消費者の食事暴露を推定するための貴重な情報源である。EFSAはこの分析結果の一環として食事リスク評価を実施し、2020年に分析された食品は消費者の健康の懸念を生じそうもないことが示されている。

だが、欧州管理システムの効果を高め、それによって高いレベルの消費者保護を保証するために多くの助言が提案された。

・食品中の残留農薬に関する2020年EU報告書

The 2020 European Union report on pesticide residues in food

EFSA Journal 2022;20(3):7215  30 March 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7215

 

・2020年に実施した残留農薬分析に関する全国概要報告書

National summary reports on pesticide residue analysis performed in 2020

EFSA Journal 2022;19(3):EN-7216  30 March 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-7216

(技術的報告書)

 

[EFSA]意見

特定医療目的用食品の新規食品としてのガラクトオリゴ糖(GOS)の使用拡大の安全性

Safety of the extension of use of galacto‐oligosaccharides (GOS) as a novel food in food for special medical purposes pursuant to Regulation (EU) 2015/2283

EFSA Journal 2022;20(3):7203 30 March 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7203

(科学的意見)

パネルは、特定医療目的用食品のGOSの使用拡大は提案した使用条件で安全だと結論した。

 

[BfR]ワイルドガーリック:「ドッペルゲンガー」は中毒をおこすことがある

Wild garlic: "doppelgangers" often lead to poisoning

08/2022, 17.03.2022

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2022/08/wild_garlic___doppelgangers__often_lead_to_poisoning-293882.html

ワイルドガーリックは、スープ、ソース、サラダなどの薬味としてますます人気が高まっている。春にワイルドガーリックの季節が始まると、多くの人が森にこのネギ属の植物を採りに行く。「ニンニク臭がワイルドガーリックの典型的な特徴だが、スズランやイヌサフランなどの有毒の『ドッペルゲンガー』がワイルドガーリックとよく間違われる」とドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)長官Andreas Hensel医学博士は述べた。BfRの知見によると、この種の混同により毎シーズン中毒事例がおこり、場合によっては死に至る。

ラムソンとしても知られるワイルドガーリック(クマニラ)は、草の茂った日陰の栄養豊富な落葉・混合樹林、河畔林、公園、家庭菜園で育つ。春には、通常小さな球根からみずみずしい緑色の披針形の双葉を出し、それが料理に使われる。残念ながら、出現した葉はスズラン(Convallaria majalis)や非常に有毒なイヌサフラン(Colchicum autumnale)と似ている。ドイツ連邦州の中毒センターやBfRの長年の証拠書類("Laender")から、一部重大な結果を伴う中毒が、混同により繰り返し起こることが示されている。中毒事例はドイツで、またオーストリア、スイス、クロアチアなどでも、特に4月と5月により頻繁になっている。

ワイルドガーリックを有毒なドッペルゲンガーと区別するには、通常、指で緑の葉をこすれば十分である。ワイルドガーリックの典型的なニンニク臭がしない場合は、植物から離れ、すぐに完全に手を洗ったほうがよい。だが、嗅覚テストには落とし穴がある。前に調べたネギ属植物から手に香りがつくと、不正確な結果が生じる可能性がある。そのため、ワイルドガーリックを採集する人は、毒のあるものと確実に区別するために、その植物とそのすべての特徴を熟知しなければならない。 BfRはそのため、疑わしい場合は自ら採取しワイルドガーリックを食べない方がよいと助言している。ワイルドガーリックは現在、食料品店の季節の野菜の一種であり、管理下で栽培されている。専門店で苗や種子を購入して自分で育てるという選択肢もある。この方法で消費者は楽しみを諦める必要なく中毒リスクを避けることができる。

 

[EU]RASFF 2022(0327-0402)

警報通知(Alert Notifications)

フィリピン産しょう油の3-MCPD、ベトナム産乾燥有機ラオスチップスの鉛、ベトナム産乾燥マンゴーの亜硫酸塩非表示、イタリア産ピザ用ボール紙の水銀・鉛・フタル酸エステル類及び光開始剤、スペイン産加工済解凍キハダマグロロインの水銀、トルコ産マルメロのデルタメトリン・タウ-フルバリネート及び未承認物質クロルピリホス、オランダ産赤ピーマンのフロニカミド、ベトナム産冷凍赤ティラピアのマラカイトグリーン及びロイコマラカイトグリーン、ベトナム産インスタント麺の粉末スープの2-クロロエタノール、

注意喚起情報(information for attention)

トルコ産赤いグレープフルーツRIO REDのクロルピリホスメチル、インド産センナの葉とさやのエチレンオキシド、インド産添加物E466のエチレンオキシド、トルコ産ザクロのチアクロプリド、パキスタン産バスマティ米のカルベンダジム、エジプト産生鮮マンダリンの未承認物質クロルピリホス、、エジプト産オレンジの未承認物質クロルピリホス(複数あり)、エジプト産春タマネギのフルアジホップ-P、タイ産乾燥コブミカンの葉粉末の2-クロロエタノール、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産生鮮グレープフルーツのクロルピリホス-メチル(複数あり)、トルコ産生鮮チリペッパーの塩酸ホルメタネート、トルコ産生鮮ペッパーのフロニカミド、トルコ産殻をとったピスタチオのアフラトキシン、トルコ産生鮮グレープフルーツのクロルピリホス、トルコ産生鮮マンダリンのクロルピリホス(複数あり)、アルゼンチン産ピーナッツのアフラトキシン(複数あり)、パキスタン産米のアフラトキシン(複数あり)、インド産バスマティ米のアフラトキシンB1、インド産ピーナッツのアフラトキシン(複数あり)、バングラデシュ産スパイスミックスのエチレンオキシド、トルコ産マンダリンのクロルピリホス、トルコ産乾燥オレガノのピロリジジンアルカロイド、トルコ産生鮮レモンラマのクロルピリホス-メチル(複数あり)、北マケドニア共和国産キャベツのシアゾファミド、アゼルバイジャン産ヘーゼルナッツのアフラトキシン(複数あり)、米国産ピーナッツのアフラトキシン、エジプト産ピーナッツのアフラトキシン(複数あり)、インドネシア産ナツメグのオクラトキシンA、バングラデシュ産パフドライスのトリシクラゾール、韓国産インスタント麺の野菜キノコフレークのエチレンオキシド、ベトナム産インスタント麺の野菜ミックスのエチレンオキシド(複数あり)、

 

[EU]EU非伝染性疾患(NCDs)イニシアチブ:FAQ

EU non-communicable diseases (NCDs) initiative: Frequently asked questions

1 April 2022

https://ec.europa.eu/health/latest-updates/eu-non-communicable-diseases-ncds-initiative-frequently-asked-questions-2022-04-01_en

 

[DHSC]健康格差への取り組みに役立てるため、ビタミンDの新しいレビュー開始

New review launched into Vitamin D intake to help tackle health disparities

3 April 2022

https://www.gov.uk/government/news/new-review-launched-into-vitamin-d-intake-to-help-tackle-health-disparities

・英国成人の6人中約1人がビタミンDが少ない

・専門家や一般の人々、企業、患者団体に対してビタミンDレベルを上げるための革新的方法について根拠要請

 

[フィンランド食品局]フィンランド食品局はウクライナ戦争時の食品表示を緩和

The Finnish Food Authority grants relaxations to food labelling during the Ukrainian war

April 1/2022

https://www.ruokavirasto.fi/en/companies/food-sector/uutiset-elintarvikealalta/the-finnish-food-authority-grants-relaxations-to-food-labelling-during-the-ukrainian-war/

ウクライナでの戦争が、ウクライナとロシア産原料の供給を阻害しているため、食品事業者が原料を突然変更してそれが完全に表示に対応できていない可能性がある。このためフィンランド食品局は、既存の包装を使えるようフィンランドでの食品表示規則を緩和する。ただし食品安全は毀損されてはならず、消費者には適切な情報入手を確実にしなければならない。

 

[FSSAI]FSSAIはコーヒーの表示に関連する違反の監視強化-チコリ混合物製品

FSSAI tightens vigil against violations related to labelling of coffee - chicory mixture products

[Updated on:01-04-2022]

https://www.fssai.gov.in/upload/press_release/2022/04/62480ec06eabcPress_Release_Coffee_01_03_2022.pdf

FSSAIが最近各種中央政府の許可した食品事業者(大及び中規模事業者)のコーヒー-チコリ混合物製品のラベルを検討した結果、42製造業者のうち13が法令を守り29が守っていなかった。FSSAIは改善に取り組む

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 196-22

​​4 April 2022

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification-Circular-196-22.aspx

意見募集

・乳児用調整乳

Call for submissions on infant formula standards reveiw

https://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/Call-for-submissions-on-infant-formula-standards-reveiw.aspx

・食品と食品分類

Call for comment on proposed changes to better align food classifications with international systems

https://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/Call-for-comment-on-proposed-changes-to-better-align-food-classifications-with-international-systems.aspx

・加工助剤としてのGM Trichoderma reesei由来キモシン

Call for comment on a new GM source for a dairy processing aid

https://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/Call-for-comment-on-a-new-GM-source-for-a-dairy-processing-aid.aspx

申請取り下げ

・穀物の粉塵抑制のための加工助剤としての白色鉱油

 

[CDC]CDC記者会見:新しいCDCのデータはCOVID-19パンデミック中の若者のメンタルヘルスへの脅威を描き出す

CDC Media Telebriefing: New CDC data illuminate youth mental health threats During the COVID-19 pandemic

THURSDAY, MARCH 31, 2022

https://www.cdc.gov/media/releases/2022/a0331-youth-mental-health.html

https://www.cdc.gov/media/releases/2022/p0331-youth-mental-health-covid-19.html

2021年は、高校生の37%がパンデミック中にメンタルヘルスの低下を経験したと報告し、44%は昨年ずっと悲しいあるいは希望がないと感じていたと回答。また

・55%が保護者やその他の成人から家庭内で罵りや侮辱などの情動的虐待を経験したと報告

・11%が家庭内で保護者やその他の成人から殴る、蹴るなどの身体的虐待を経験したと報告

・29%が家庭内の親やその他成人が失業したと報告

 

[NASEM]がん予防とリスク削減の進歩を促進する:ワークショップ 

Advancing Progress in Cancer Prevention and Risk Reduction: A Workshop

https://www.nationalacademies.org/event/06-27-2022/advancing-progress-in-cancer-prevention-and-risk-reduction-a-workshop

2022年6月27-28日開催予定

 

論文

-重症薬物使用疾患の青少年の大部分は成長しても卒業しない

Majority of adolescents with severe substance use disorder don't grow out of it

1-APR-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/948214

JAMA Network Openに発表された32年以上に渡る米国の縦断研究。

・18才の約12%が重症薬物使用疾患(SUD)

・重症SUDの症状のある青少年は成人期に処方薬の誤用を報告する可能性が高い

・重症SUDとその後のSUD症状との関係は重症アルコール、大麻、その他薬物でもあてはまる

・この研究でオピオイド、ベンゾジアゼピン、その他鎮静剤/トランキライザーを処方されているほとんどの成人は、青年期に複数のSUD症状があった

 

-減塩:研究が減塩が如何に心不全の患者に役立つかを明らかにする

Hold the salt: Study reveals how reducing sodium intake can help patients with heart failure

https://www.eurekalert.org/news-releases/948235

第71回米国心臓病学会年次会合で発表されると当時にThe Lancetに発表された心不全患者での減塩のRCT。

カナダ、米国、コロンビア、チリ、メキシコ、ニュージーランドの26の医療センターの心不全患者806人を、半分は通常通り、半分は減塩に割り付けた。目標は1日ナトリウム1500mgあるいはティースプーン2/3。試験前の患者の平均ナトリウム摂取量は2217mg/日で、1年の試験後の対照群のナトリウム摂取量は2072 mg/日だったが栄養助言群は1658 mg/日だった。両群の死亡、心血管入院は有意差は無かったらQOL評価では減塩群がより良かった。

 

-「ハーブサプリメント」クラトムの使用による依存性と課題:症例報告と文献レビュー

The Addictive Potential and Challenges with Use of the "Herbal Supplement" Kratom: A Case Report and Literature Review.

Anand A, Hosanagar A.

Pain Med. 2022 Jan 3;23(1):4-9.

 

-ペクチンとカシューナッツアレルギーのある子どものゆず湯(入浴剤)によるアナフィラキシー

Anaphylaxis in a pectin- and cashew nut-allergic child caused by a citrus bath.

Washio K, et al.,.

Allergol Int. 2022 Jan;71(1):155-157.

アレルギーのある子どもにお風呂に柚子を浮かべたりするのは勧めない

(純粋に香料成分化合物だけなら大丈夫かもしれないけれど)

 

-ヒト細胞を使ったin vitro試験での不確実係数の将来

The Future of Uncertainty Factors With In Vitro Studies Using Human Cells.

Dourson M, et al., Toxicol Sci. 2022 Feb 28;186(1):12-17.

ヒト細胞を使った臓器チップのような新しい方法論アプローチにおける不確実係数について。

 

-ミッシングリンク:食品と飲料中のヒスタミンへの重症有害反応の症例

The Missing Link: A Case of Severe Adverse Reaction to Histamine in Food and Beverages.

Tamasi J, et al., Am J Case Rep. 2022 Mar 6;23:e934212.

17年も食事に関連して周期的に問題を経験していた36才男性の症例報告

 

- The Lancet

GBD 2019で赤肉摂取に起因すると推定される死亡が36倍になったこと:は信頼できる?

36-fold higher estimate of deaths attributable to red meat intake in GBD 2019: is this reliable?

Alice V Stanton et al.,

The Lancet CORRESPONDENCE| VOLUME 399, ISSUE 10332, E23-E26, APRIL 02, 2022

GBD 2017推定に比較してGBD 2019では、未加工赤肉摂取の疾病負担が36倍と相当大きくなったことへの疑問。理由を検討しようとしてもどの文献をどうレビューしたのかといった詳細情報が公開されていない。他赤肉の最小リスク摂取量TMRELを1日0gにしているのは公衆衛生上有害、等の指摘

 

著者からの回答

36-fold higher estimate of deaths attributable to red meat intake in GBD 2019: is this reliable? – Author's reply

Christopher J L Murray GBD Risk Factors Collaborators代表

CORRESPONDENCE| VOLUME 399, ISSUE 10332, E27-E28, APRIL 02, 2022

一部の懸念はGBD 2020改訂に反映されるであろう

GBDは25才以上の人にとっての赤肉の摂取の最もリスクの低い量についての科学に従ったもので、子どもの食生活の助言には関係ない

 

-NCDカウントダウン2030

NCD Countdown 2030

https://www.thelancet.com/ncd-countdown-2030

SDGターゲット3.4の、主要非伝染性疾患による30-70才の人々の早期死亡を1/3減らす、に向けた進捗状況を監視する独立メカニズム

2022年報告を掲載

COVID-19の影響が大きい

 

-絶望した両親が証明されていない治療法を求めて裁判所に行くとき-病院の独立性の為の戦い

When Desperate Patients Go to Court for Unproven Treatments — The Battle for Hospital Independence

Christopher Robertson, J.D., Ph.D., and Margaret Houtz, B.S.

March 31, 2022 N Engl J Med 2022; 386:1200-1202

Covid-19パンデミックで、患者が病院に証明されていない治療法を投与させようと裁判に訴える事例が複数ある。いろいろな治療法が宣伝されているが特に注目されたのがイベルメクチンである。FDA、CDC、コクラン共同計画等Covid-19へのイベルメクチンの使用はしないよう警告している。米国の病院では一般的にCovid-19へのイベルメクチンは重体患者への家族の窮余の策として要求される。病院が投与を断ると訴訟にもちこまれることがある。裁判の結果はばらばらである。

 

その他

-コンシューマーラボ

製品レビュー ビタミンKサプリメントレビュー

Vitamin K Supplements Review

03/31/2022

https://www.consumerlab.com/reviews/vitamin-k-supplements-review/vitamin-k/

あなたはビタミンKを摂るべき?

ビタミンKは血液凝固や骨のカルシウム利用に役立つ

ほとんどの人はビタミンK不足ではない

 

-樟脳に合法的医薬品としての使用はあるか

Is there a legitimate medical use for camphor

Joe Schwarcz PhD | 31 Mar 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/you-asked-general-science/there-legitimate-medical-use-camphor

鼻炎の薬としての樟脳の有効性には疑問がある。しかしパーティーの大騒ぎにはその効果は大人気のようだ

(写真はタイガーバーム)

子どもたちが風邪を引いたとき、お母さんが樟脳の小袋を首回りに下げることがある。強い薬の臭いが何らかの効果をもたらすだろうが風邪治療への有効性は友人を遠ざけることだろう。樟脳はクスノキから水蒸気蒸留で単離できるが近年はほとんどが合成である。不適切使用により皮膚刺激、頭痛、めまい、錯乱や幻覚が生じる。しかし不適切使用とは?樟脳入りクリームをダンスパーティのパートナーに塗るのは風邪薬の使用方法ではないがイングランド北部では十代が数年前から行っている。何故?一説によるとエクスタシーの効果を長持ちさせるのに役立つという。やがてエクスタシーに関係なく樟脳そのものの幻覚作用が宣伝されるようになった。

樟脳は伝統的アジアの薬タイガーバームとしても入手できる。虫除けにも有効である。

 

-化学物質過敏症:批判に答える

Multiple Chemical Sensitivity: Answering Criticism

Jonathan Jarry M.Sc. | 31 Mar 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/critical-thinking/multiple-chemical-sensitivity-answering-criticism

最近我々のMCSの記事への反対意見を受け取った。その回答である

昨年9月に私は、MCSについての記事を書いた、特にケベック政府の委託したフランス語の報告書について。我々は最近その報告書の結論:MCSは微量の化学物質暴露によるのではなく慢性の不安によって引き起こされるようだ、に不満をもつMCS患者から多数のメールを受け取った。この話に興味のある人はもと記事を読んで欲しい。

私はメールに返信したが、より広範な人にとっても有用だろうと考え以下を公表する。

(以下回答。ケベック報告書を批判している団体の支援者はインチキ製品を販売しているナチュロパス、等)

 

-科学者がどう間違っているのか説明するのに子犬が役立つ

Puppies Can Help Explain How Scientists Get Things Wrong

Jonathan Jarry M.Sc. | 1 Apr 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/critical-thinking/puppies-can-help-explain-how-scientists-get-things-wrong

科学におけるp-ハッキングは悪いことだ。犬の飼い主を例に使って、数学なしでそれが何を意味するのかを理解できる

科学は人間が行うものなので、間違った意図で行われることもある。

p-ハッキングとは何か?

多くの人が数学嫌いなので、数字と専門用語を使わないで説明してみよう。p-ハッキングは選択の問題で、研究者になったつもりで理解してみよう。

私は犬が好きで犬を飼うことは幸せになると考える。それでこれが事実かどうか研究しようと決めた。お金を獲得して組織の倫理委員会が許可を出して、私は犬を飼っている人と飼っていない人を集めようとしている。チラシを配ったりフェイスブックに募集を出したりする。参加者にはいくつかの質問に答えてもらう。帰無仮説は犬を飼うことで幸せにならない、である。別の仮説は、残念ながら科学業界全体がそれを好むエキサイティングな犬はあなたを幸福にする、でデータがそれを支持しないと悲しくなる。データが仮説を支持するかどうかを知るにはどうすればいい?しばしばp値と呼ばれるものによる。100年ほど前に、極めて恣意的に、0.05がp値の閾値として提案された。あなたの実験でp値が0.05より大きくなったら帰無仮説を却下できない。つまりがっかりだ。あなたの結果は「統計的有意」ではない。もしあなたの実験が0.05より小さいp値になったらあなたは涅槃にいたり科学雑誌はそれを出版したがる。このことは悪意だろうと無邪気だろうと望ましいp値を得ようとする方向に働く。

犬の飼い主研究に戻り、私はデータを検討して何度もp値を計算することができる。何回目かで有意になったらそれをまるで最初からそれが目的だったかのように発表できる。ネガティブな結果だったものは隠して。これがp-ハッキングである。

犬の飼い主の年齢をグループ毎に分けたり「幸福」の尺度を変えたりして無数の比較をすることができる

(解決策含め非常に長い論考)

 

-スリランカで全ての閣僚が辞任

All Cabinet Ministers quit in Sri Lanka

COLOMBOAPRIL 03, 2022

https://www.thehindu.com/news/international/ministers-quit-in-sri-lanka/article65287475.ece

Mahinda Rajapaksa首相は残り、Gotabaya Rajapaksa大統領に会う

過去一週間にわたって、食料と燃料不足に苦しむ人たちの抗議は大きくなるばかりだった。

デモを抑制するために夜間外出禁止令やソーシャルメディアのブロックを行ったが反政府の抗議は止まなかった