[Codex]プレスリリース
-コーデックス議長:コーデックスとGFSIの共通目標について
Codex Chairperson on shared goals of Codex and GFSI
30/03/2022
https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1491986/
2022年3月29-31日にスペイン・バルセロナで開催された世界食品安全イニシアチブ(GFSI)において、コーデックス委員会のSteve Wearne議長(英国)は、コーデックス規格の採択と普及を推進させるために、産業界に向けて協力を呼び掛けた。
「我々には、伝統的・公的市場において政策決定から民間部門まで、食品システム全体を通じて食品安全を実践し、発展させる機会がある。我々全員が消費している食品を生産しているのは、政府でも、規制機関でも、監査機関でもないことを認識して欲しい。それは、最小の零細企業から最大のグローバル企業を含めた産業界なのである。」と議長は述べた。
コーデックスは、オブザーバーによる貴重な貢献を歓迎し認めなければ、国際規格策定の分野での権限はほぼなかったであろう。Wearne氏は、事業者らの協力の重要性とデータ共有の価値を強調した。さらに、コーデックスとGFSIが、「あらゆる場所の全ての人を保護するために、食品安全に焦点をあてて人々を団結させる」こと、またコーデックス規格がより多くの国の規則に組み込まれ、個々の企業の参照規格として利用され、また企業同士の関係性の基礎となる将来システムの構築において、自然なパートナーシップを築いていると強調した。
*The GFSI Conference
https://mygfsi.com/events/gfsi-conference/
-ウガンダがコーデックスの新しいアフリカ調整国としてケニアから正式に引き継ぐ
Uganda officially takes over from Kenya as the new coordinator for Codex in Africa
https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1480773/
2022年3月21日、エンテベで開催されたハイブリッド会合において、ウガンダがケニアから正式にアフリカ地域調整部会(CCAFRICA)の地域調整国を引き継いだ。これは、2020年11月にバーチャル開催された第43回コーデックス総会(CAC)において、2020年から2022年までの期間についてウガンダが任命されたことを受けて行われた。ウガンダはコーデックスに1964年から参加し、地域調整国となるのは2回目である。
*The CCAFRICA Region - Regional Coordinator Uganda
https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/committees/codex-regions/africa/about/en/
-モンゴルは国家コーデックス委員会の再編に関する法令を発表
Mongolia issues decree to reorganize National Codex Committee
07/04/2022
https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1500161/
2022年3月22日、モンゴル食品・農業・軽工業大臣が、国家コーデックス委員会(NCC)の再編に関する法令を発表した。これは、コーデックス委員会が、その役割として、様々な食品の標準化と安全性の問題について助言を提供するという重要な機能を果たすことができることを、モンゴル政府が認めたことを示す法令である。
NCCは、食品・農業・軽工業省の国務長官が委員長を務め、再編によりモンゴルで特に懸念される食品安全問題である残留動物用医薬品やAMRに取り組む15の小委員会も設置された。
[ASA]ASA裁定
ASA Ruling on The England and Wales Cricket Board Ltd
13 April 2022
クリケットトーナメントThe Hundredの公式パートナーであるKP Snacks(スナック菓子の会社)社の製品の広告に漫画化されたクリケットの選手やイメージが使われている。これら脂肪塩砂糖の多い製品は子ども向けに宣伝してはならないという規則に違反するものが認められた。
論文
-地域狩猟での野生狩猟肉中病原体や環境汚染物質を調査するための標準サンプリングアプローチ
BfR
Standardised Sampling Approach for Investigating Pathogens or Environmental Chemicals in Wild Game at Community Hunts
12.04.2022
Animals 2022, 12, 888に発表されたBfRによる論文の紹介
-COVID-19パンデミック初期の喫煙行動の変化の世界的評価
IARC
A global assessment of changes in tobacco smoking behaviours during the early phases of the COVID-19 pandemic
12 April 2022
eClinicalMedicineに発表された新しい研究によると、全体としては喫煙率は13%減
-全ての生分解性プラスチックが海で簡単に分解するわけではない
Not all biodegradable plastic degrades more easily in the big blue
12-APR-2022
https://www.eurekalert.org/news-releases/949496
Marine Environmental Researchに発表された新しい研究によると、生分解性PLAプラスチックは海洋環境ではポリスチレンやポリエチレンのような石油由来プラスチックより早く分解することはない
-青少年の薬物過剰使用死はCOVIDパンデミック中に史上初めて指数関数的に増加
Adolescent drug overdose deaths rose exponentially for the first time in history during the COVID pandemic
12-APR-2022
https://www.eurekalert.org/news-releases/949323
パンデミック前の10年間と比較して、2020年に米国の10代の薬物過剰使用死亡率が約2倍になり、2021年前半はさらに20%増加した。JAMA
薬物の危険性が増加したためで、増加はほぼ違法フェンタニルによる
-高齢米国成人の食物繊維の摂取と摂取源、炎症、心血管系疾患
Intake and Sources of Dietary Fiber, Inflammation, and Cardiovascular Disease in Older US Adults
Rupak Shivakoti et al., JAMA Netw Open. 2022;5(3):e225012.
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2790576
この4125人のコホート研究では、総繊維と穀物繊維の摂取量の多さは炎症の低さと関連した。炎症は、穀物繊維と心血管系疾患で観察されている逆相関の約1/6を仲介している。炎症の役割は少ないようだ。
この集団の食物繊維の摂取量の中央値は16.3gm/dayで穀物由来が25%、野菜42%、果物33%。心血管系イベントと関連があるのは穀物繊維のみでしかも20%以下。
(USDAの推奨は1日28g/2000 Cal、日本は男性20g女性18g)
Nature
-エディトリアル
ウクライナの戦争は世界の食料システム研究のギャップを顕わにする
The war in Ukraine is exposing gaps in the world’s food-systems research
12 April 2022
https://www.nature.com/articles/d41586-022-00994-8
ロシアの侵攻は世界の食糧供給安定への最新の脅威である。研究者らは繰り返す食料危機のサイクルを止めるために今対応しなければならない
侵攻。戦争。パンデミック。全てが世界の食料システムに前例のない負荷をかける。ウクライナとロシアは世界の小麦の14%、輸出量の30%を占め、ひまわり油の60%を生産する。この供給が脅かされ、ロシアは食品と肥料の輸出を制限している。輸出を制限しているのはロシアだけではなく、国際食料政策研究所のRob Vosによると4月12日時点で合計16カ国が食品輸出を制限している。この供給減がインフレにつながり、世界で最も貧しい人たちにとって壊滅的な影響を与える可能性がある。戦争が続けば、既にパンデミックで負債が増えた多くの国がさらに食料のために借金を増やさざるを得ず、さらなる困難を生み出すだろう。明らかに今対応しなければならない。まず輸出禁止を止め、世界食料計画の緊急支援活動に資金を提供しなければならない
(以下略。結局昨年のフードシステムサミットは、肥料と農薬を使わない宣言をして破滅の道を進んだスリランカを賞賛したことに象徴されるように間違っているのでしっかりした科学が必要、なのはそう。ただこの分野は思想家ばかりでまともな科学が育ってないような。)
-ワールドビュー
人種理論を巡る大学の文化戦争は1920年代の進化論を教えるかどうかの争いを思い出させる
University culture wars over race theory recall 1920s fight to teach evolution
Adam Laats
https://www.nature.com/articles/d41586-022-00922-w
事実についてあれこれ言うより質の高い仕事について議論する方がまし
Critical race theory(批判的人種理論)を巡る大学人の争いについて歴史家から
その他
-スペインでサフランとオリーブ油の偽装がみつかった
Saffron and olive oil fraud discovered in Spain
By News Desk on April 12, 2022
https://www.foodsafetynews.com/2022/04/saffron-and-olive-oil-fraud-discovered-in-spain/
スペインでの調査で中国産原料を使ったサフラン偽装が発覚した。中国産クチナシ抽出物をサフランとして売っていた。11人が逮捕され3つの会社が公衆衛生上の犯罪と詐欺で捜査された。彼らの使った方法はサフランとクチナシを区別する分子を減らす工程があり、これまでの検査をパスできた。サフランは高価であるがクチナシはEUでは食品ではないため輸入の際に安全性基準はない。
別のニュースではスペイン当局がエキストラバージンオリーブ油に関連して警告をしている。異なるブランドの10製品が信頼できるトレーサビリティがなく、従って安全でないと見なされる。公的サンプリングにより植物油の存在が確認されている
aesanのサイト、問題の商品の写真あり
Alerta por ELABORACIÓN, ENVASADO Y DISTRIBUCIÓN CLANDESTINAS DE ACEITE ETIQUETADO COMO “DE OLIVA VIRGEN” Y “DE OLIVA VIRGEN EXTRA” PROCEDENTE DE ESPAÑA (Ref. INF2022/0054)
Fecha y hora: 5 de abril de 2022.
https://www.aesan.gob.es/AECOSAN/web/seguridad_alimentaria/ampliacion/INF2022_54.htm
-コンシューマーラボ
製品レビュー ビタミンDサプリメントレビュー
Vitamin D Supplements Review
Initially Posted: 04/11/2022
https://www.consumerlab.com/reviews/vitamin-d-supplements-review/vitamin-d/
正しい用量のベストなビタミンDサプリメントをみつけよう
・私はどのくらいの量のビタミンDが必要?
あなたはおそらく日光(顔、腕、手を日焼け止めなしで週に2回15分)と普通の食事から十分なビタミンDを摂っているだろう。心配なら医師に血中濃度を調べてもらう。総血清中25-ヒドロキシビタミンD濃度が20 ng/mLあれば「十分」であるが25-35ng/mLの範囲で追加の利益があるかもしれない。39 ng/mLを超えないように。
血中濃度を1 ng/mL増やすためには1日100 IUのビタミンDを必要とするだろう。過剰摂取はしないように。
(量について強調するのは珍しい。自己判断でビタミン剤を摂らないように、ということ)
-NIHダイエタリーサプリメントラベルデータベース(DSLD)はしっかりした公共資源である
NIH Dietary Supplement Label Database (DSLD) is robust public resource
Apr 07, 2022
NIHの担当者がこのデータベースの歴史とその機能、誰が使っているかを説明する
DSLD (https://dsld.od.nih.gov)の解説
-ダイエタリーサプリメントに時間とお金を無駄にしないで
Don’t waste time (or money) on dietary supplements
April 1, 2022 By Matthew Solan,
https://www.health.harvard.edu/staying-healthy/dont-waste-time-or-money-on-dietary-supplements
アメリカ人は、ほとんどの人が必要ないにも関わらず、年に数十億ドルもこれらの製品に費やしている
(有料ニュース)
-ダイエタリーサプリメントのラベルの解読方法
How to Decode Dietary Supplement Labels
By Consumer Reports April 11, 2022
これらの曖昧な用語や主張を明らかにする8つのコツ
サプリメントのラベルには「記憶改善」「丸ごと食品調合品」「FDA登録」などのような魅力的な主張があることがある。しかし実際に何を言っているのかは必ずしも明らかでない。そしてラベルに書いてないことが重要な場合もある。Consumer ReportsのChuck Bellとサプリメントの専門家がこうしたよくある文言を解読するコツを提供する。
・健康強調表示
身体機能を「促す」や「強化」のような曖昧なクレームは証明する必要が無く、疑ってみること
・食品由来
食品由来だから優れているということはない
・FDA登録施設
製造施設の認証はガイドラインに従って作られていることを保証しない
・USDAオーガニック
95%以上がオーガニック成分。「オールナチュラル」には規制上の意味はないことに注意
・USPなどの認証
一部の民間団体が汚染物質などの含量について認証を行っている。国はしていない
・サプリメント成分表示
FDAの規則で表示が義務づけられているが確認はされていない
・特許ブレンド
一見重要そうだが成分の詳細な量を知ることができないことを意味する
(8つ?)
-スクープ ブラジルのGMOサトウキビ面積は今年は約2倍になる、企業が言う
EXCLUSIVE Brazil's GMO sugarcane area to nearly double this year, company says
April 7, 2022 By Roberto Samora
世界の主要遺伝子組換え作物供給者であるCentro de Tecnologia Canavieira (CTC)がReutersに語ったところによるとブラジルの農家は今月から始まるシーズンの遺伝子組換えサトウキビの栽培面積を約2倍にする。幹を食べる昆虫に耐性のある新しいサトウキビ品種は前年の37000ヘクタールから70000ヘクタールになる。これはブラジル全体のサトウキビ栽培面積のほんの一部だが今後劇的に増加するだろうとCTCは強調する。CTCはこれまで商業用GMOサトウキビ4種を開発していて、より貧弱な土壌で栽培できる新たな選択肢を提供し、市場を拡大するだろう。
-展望:有機(栽培で使える)農薬の流行に注意
Perspective: Beware the organic pesticide bandwagon
By Tim Durham, Plant M.D. Published: April 06, 2022
https://www.agdaily.com/crops/perspective-beware-the-organic-pesticide-bandwagon/
競争が我々を動かす-直感的にヒーローを欲し悪役を憎む。農業では根拠無く有機農業が良いものでそうでないものは悪役にされている。ナチュラルは自動的に健康に良くて合成は疑わしい。この有機農業の矛盾の象徴が硫酸銅である。銅は土壌に蓄積し決して分解することはなく、極めて毒性が高い。確かに古くから使われてきたが現在有機農業で使われているものは工業製品であり、環境に悪影響があることはわかっている。有機栽培の果樹に使えて有効なのはこれだけなので広く使われている。
(他Btトキシン、スピノサド等の事例紹介)
農薬の選択は敵愾心や忠誠心ではなく、有効かどうかに基づくべきである。有機農業だろうと慣行だろうと農薬は必須の道具なのだから。
-174人のブリティッシュコロンビア人、6人は19才未満、が2月に薬物中毒で死亡した
174 British Columbians – 6 under the age of 19 – died of toxic drug poisonings in February
ASHLEY WADHWANIApr. 12, 2022
これでB.C.では17ヶ月連続で150人以上が死亡
死後検出された薬物で多いのは違法フェンタニル。ナロキソンで治療できないエチゾラムのようなベンゾジアゼピン類似体も検出されている
-小売店でマスクが必要なのにクラブで遊ぶ時には必要ないのは「馬鹿げて」いて「理に適っていない」とニュージーランド小売店協会は言う
Need for masks in retail but not clubbing is 'absurd' and 'nonsensical', Retail NZ says
Brianna Mcilraith Apr 13 2022
NZは午後11:59から信号システムのオレンジに移行し、収容人数に関する全ての規制がなくなり、バーやクラブも制限無く運営できる。しかし学校以外のマスク要求は維持される。学校では推奨されるが義務ではない。これは買い物にはマスクが必要だがダンスフロアにはマスクなしで参加できるということで、小売店協会は「馬鹿げている」という。
小売店協会はこれまでも政府に対してマスク義務除外者の問題について意見を述べてきた。小売店は、「自分はマスク義務除外」と主張する客に苦しんできた。「マスクは一般の人々にとって相当な怒りと攻撃性の原因になっている」。このことに対して何の対応もとられないことにがっかりしている。
(NZの現在の患者数:9495人感染15人死亡
Covid-19 update: 9495 new community cases, a further 15 deaths reported
7日間平均は9288、先週は12307人)