[BfR] ミネラル、スプリング、テーブルウォーターと家庭の飲料水の衛生的取り扱い
Hygienic handling of mineral, spring and table water as well as drinking water in the household
20.04.2022
(Q & A一部)
ミネラルウォーター、スプリングウォーター、テーブルウォーターとは何ですか?
ナチュラルミネラルウォーターは、汚染から保護されている地下水脈を起源とする水である。天然又は人工的に作られた湧水から採水される。ナチュラルミネラルウォーターは独自の純度を持ち、ミネラルや微量元素及びその他の成分が際立っている;組成、温度及びその他の重要な特性は、自然の変動の範囲内で一定に保たれる。ミネラル成分は、法律で定められたいくつかの事例に限って変更されることがある(例えば、ウランやヒ素の削減)。ナチュラルミネラルウォーターは、公式認証されたもののみ商業的に販売することができる。ドイツミネラル及びテーブルウォーター規則(1984年8月1日以降のMTVO(BGBI.I page 1036)、最新版)に規定されている、採水地、組成成分及び重要な特性に関する要件を満たしている場合、この証明書は求めに応じて発行される。
スプリングウォーターは、地下水面又は水脈を起源とし、天然又は井戸口から引かれた湧水である;しかし、公的な認証や使用認可は受けていない。スプリングウォーターは、ナチュラルミネラルウォーターと同様の微生物要件を満たす必要がある;MTVOに規定されている採水とボトリングも同様に適用される。
MTVOによると、飲料水とナチュラルミネラルウォーターから、天然の高塩分水 (天然塩水) から、塩分を豊富に含む天然水を浸出させ、また、塩化ナトリウムと塩化マグネシウムを使用し、テーブルウォーターを製造することができる。また、テーブルウォーターは必ずしもスプリングウォーターから作られるわけではなく、飲料水から作ることもできる。
ミネラル、スプリング、テーブルウォーターの違いは何か?
飲料水は、主に湧水により地下水から作られる、あるいは川や湖などの地表水や湧水を直接採水、又は地表水から浸透濾過し採水することもある。飲料水には、飲食物を飲む、冷やす、処理する、また、その他の家庭で使用する(個人の衛生、食器洗いなど)すべての水を含む。飲料水や水道水に関する要件は、ドイツ飲料水条例(TrinkW)、水道の一般条件に関する条例(AVBWasserV)及びDIN2000 中央飲料水供給に定義されている。ドイツ連邦環境庁は、飲料水の健康リスクを評価する責任を負う。(https://www.umweltbundesamt.de/themen/wasser/trinkwasser)
スプリングウォーターやテーブルウォーターなどの包装された水には、主にミネラル及びテーブルウォーター条例、次に、ドイツ飲料水条例により規制される;ナチュラルミネラルウォーターは、ミネラル及びテーブルウォーター条例の規則のみが適用される。
しかし、通常、最終製品の包装や飲料用ディスペンサーで販売されるミネラル、スプリング、テーブルウォーターは、ドイツ食品法の適用を受ける。また、ミネラルウォーターは、認定に関する要件は一般行政規則で定められており、ドイツでは数少ない、公的に認められた後にのみ流通することができる食品のひとつである。公的に認められたミネラルウォーターの水源とブランドのリストは、連邦消費者保護・食品安全庁(BVL)のウェブサイトに掲載されている。
(https://www.bvl.bund.de/SharedDocs/Downloads/01_Lebensmittel/datenmanagement/mineralwasser_deutsche.html)欧州連合(EU)加盟国が認定するミネラルウォーターの同様のリストを欧州委員会が公開している。
一方、ヒーリングウォーターは食品とはみなされず、医薬品に分類されるため、ドイツ薬事法の適用を受ける。
ボトル入りのミネラル、スプリング、テーブルウォーター、水道水の保存期間に違いはあるか?
水道水とボトル入りのミネラル、スプリング、テーブルウォーターの保存期間は、検査される衛生の質によって異なる。しかし、水を最終包装(ガラス瓶やペットボトル、飲料用パックなど)に充填する際には、包装自体も充填工程も汚染されていないことを保証するよう、衛生要件が定められている。もし、同等の水道水、たとえ自分でボトルに入れたものでも、同等の衛生面が守られ、密封して冷却すれば、このような水もしばらくは保存できる。また、スポーツ飲料用ボトルなど、ボトルから直接飲む場合は、定期的にボトルを十分洗浄する必要がある。
ガラス瓶入りの水とプラスチック製ボトル入りの水に違いはあるか?
衛生の質、すなわち健康に影響を与える病原体の存在は、包装の種類によって影響を受けない。しかし、ホルモン類似作用を持つ物質が、プラスチック包装容器から水に移行するのではないかという議論がある。そのきっかけとなったのは、ミネラルウォーターに接触したカタツムリや細胞培養においてエストロゲンと類似の作用が確認された研究である。
しかし、ペットボトルのミネラルウォーターとガラス瓶のミネラルウォーターを比較したところ、非常に低いエストロゲン活性の測定値に差はなかった。したがって、この低活性がペットボトルによるものであるとは考えにくい。ミネラルウォーターの化学分析では、エストロゲン活性を引き起こす可能性のある物質はまだ確認されていない。しかし、ペットボトルから出るアセトアルデヒドが移行すると、風味や匂いに変化が出ることがある。この物質はごく少量でも味やにおいが感じられるためである。アセトアルデヒドは、通常、法定許容量をはるかに下回る量であるため、風味や匂いがしても健康への影響はないと考えられる。BfRのペットボトルに関するFAQの回答は以下。
https://www.bfr.bund.de/en/selected_questions_and_answers_on_pet_bottles-60846.html
[BfR] 試される電子タバコ
E-Cigarettes in Test
19.04.2022
https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2022/13/e_cigarettes_in_test-295459.html
電子タバコは、近年重要性を増しており、タバコに代わる害の少ない代替品として主に販売される。その原理:成分を燃焼させるのではなく、気化させる。現在の理解では最適な装置設定とリキッド剤を使用すれば、健康リスクはタバコよりも低くなると考えられている。しかし、電子タバコの吸引は健康に悪い影響を与える可能性がある。「ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)では、リキッドに含まれる香料を調べるために、適切な肺モデルを開発した。予備結果では、これらはそれほど無害ではなく、中には病気を引き起こす可能性のあるものある」と、BfR所長のAndreas Hensel教授は述べる。電子タバコの健康リスク、使用行動及び消費者認識及び法的枠組みに関する最新の研究結果は、BfR主催の第22回消費者保護フォーラム「電子タバコの使用機会とリスク」のテーマとなっている。「電子タバコの評価は、モデルやリキッドの多様性により、さらに難しくなる。害が少ないのか、注意が必要か - 電子タバコの使用機会とリスクはさらに調査される」。とHenselは述べた。
「電子タバコ」の健康リスクは、ニコチン、煙の模擬物質、活性物質及び添加物、さらに不純物の可能性から生じる可能性がある。さらに、熱の影響により、健康に有害な他の物質が発生する可能性もある。また、他者が吸い込むこと電子タバコから出る蒸気は、有害物質を含む可能性がある。BfRが主催するこのイベントは、国内外の科学、法令及び業界の関係者に電子タバコに関する知識の現状を議論する場を提供する。
第22回BfR消費者保護フォーラム「電子タバコの使用機会とリスク」は、2022年4月28日から29日にかけて、MarienfeldeのBfRのオフィスで、参加人数を限定して、対面で開催される予定である。また、オンラインで会議が行われ、チャットで質問を提出することも可能である。英語/ドイツ語の同時通訳あり。以下で、2022年4月22日まで登録可。(https://www.bfr-akademie.de/english/ezig22.html)
[FSA]更新:FSAはCBD製品の公開リストへの追加を最終募集する
Update: FSA issues final call for CBD products to be added to the public list
21 April 2022
FSAは本日(2022年4月21日)、CBD公開リストの申請と製品を関連付けるエビデンスの最終募集を行った。CBD公開リストには、FSAに認可申請をしている製品が示されている。
[ヘルスカナダ]助言:アルバータ州カルガリーの3つのハーブ医薬品店から未承認の健康製品を押収する
Unauthorized health products seized from three herbal medicine stores in Calgary, Alberta
2022-04-22
ヘルスカナダはアルバータ州カルガリーのハーブ医薬品3店舗から押収した未承認の健康製品(スキンクリーム、眼軟膏、精力剤)を使用しないよう消費者に警告する。成分にデキサメタゾン、エリスロマイシン、タダラフィルを含む。
[HK]法令違反
-包装された冷凍菓子が食品医薬品規則に違反
Prepackaged Frozen Confection not in compliance with Food and Drugs (Composition and Labelling) Regulations
Thursday April 21, 2022
https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220421_9439.html
タイ産冷凍菓子のサンプルから検出された、着色料として許可されているカルモイシン(アゾルビン)が製品の食品ラベルに表示されていなかった。
[SFA]チャーハン症候群
Fried Rice Syndrome
Thursday, April 21, 2022
https://www.sfa.gov.sg/food-information/risk-at-a-glance/fried-rice-syndrome
チャーハンの食品安全リスク、「チャーハン症候群」について紹介。
(微生物。チャーハンが原因の食中毒を「チャーハン症候群」という、とのこと。古いご飯を使うことが多かったのだろう)
[IARC]世界予防接種週間2022:世界のがんの負担を減らすために予防接種にスポットライト
World Immunization Week 2022: Spotlight on vaccination to reduce the global cancer burden
25 April 2022
がん予防にHBVとHPVワクチンを
[COT]2022年3月29日の会合の議事録案
Draft minutes of the 29th March 2022 meeting
Last updated: 25 April 2022
https://cot.food.gov.uk/Draft%20minutes%20of%20the%2029th%20March%202022%20meeting
・EFSAによる6-12ヶ月齢のビタミンDの耐容上限摂取量評価
母乳中のビタミンD濃度データが足りない
・ベンチマーク用量アプローチについてのEFSAガイダンス更新
・各合同専門家グループからの更新
・母親の健康へのビタミンA過剰の影響についての声明案
・ターメリックとクルクミンサプリメントのヒト健康影響の可能性についてのディスカッションペーパー-最近の製品調査を受けて
2019年9月の議論で過去にターメリックサプリメントの汚染問題が報告されていることから英国で販売されているサプリメントの化学分析が役に立つだろうとされた。Fera Science社による最近の30製品の調査の結果が報告された。合成クルクミノイドやナノ粒子など、吸収が良いと宣伝されている製品についてさらなる検討の必要性が議論された
・将来のREACH評価のための混合物リスク評価アプローチの可能性について評価
・母親の食事中のカドミウムのリスクの可能性についての声明案
・経口ニコチンパウチのニコチンやその他成分の生物学的利用能と使用者へのリスクについてのディスカッションペーパー更新
・植物ベースの飲料評価の文脈での1-5才の子どもの牛乳のリスク評価についての声明案
・生鮮果物野菜の表面処理用のモノおよびジグリセリドの使用拡大の安全性についての意見案
・ポリリシノール酸ポリグリセロールの使用拡大についての意見
等
[ASA]ASA詐欺広告警報システム:数とトレンドの更新
ASA Scam Ad Alert system: update on numbers and trends
25 Apr 2022
https://www.asa.org.uk/news/asa-scam-ad-alert-system-update-on-numbers-and-trends.html
2020年6月に、主要オンライン広告とソーシャルメディアプラットホームと協力して詐欺広告警報システムを開始した。全ての警報は国のサイバーセキュリティセンターと共有している。消費者も詐欺広告を通報できる。
前回更新から12ヶ月経って、最新の数と傾向を報告する。
2021年3月1日から2022年3月25日までの間に、ASAは
・迅速報告フォームにより1251件の報告を受け取り、
・67件の詐欺広告警報につながった
またASAの情報により参加プラットホームが削除した広告の数として報告されたのは2020年6月から2021年9月までの間に約765
詐欺のトレンドは、多くが暗号通貨に関連する。しかしニセのエネルギー節約装置と減量用錠剤定期購入詐欺もある。
[FAO]FAOの世界ツマジロクサヨトウコントロール対策はより広域で2023年末まで延長
FAO Global Action for Fall Armyworm Control extended to end of 2023 with broader scope
22/04/2022
取り組み対策の進歩にも関わらずこの植物害虫は作物にいまだ膨大な被害を与えている
[CCDC]将来のための貴重な猶予時間を得るために中国のダイナミックゼロコロナ戦略をやり抜く
Persevere in the Dynamic COVID-Zero Strategy in China to Gain a Precious Time Window for the Future
Jue Liu et al.,
Online Date: April 25 2022 doi: 10.46234/ccdcw2022.083
https://weekly.chinacdc.cn/en/article/doi/10.46234/ccdcw2022.083
オミクロンは急速に拡大しリスクのある人にとって有害である
中国では高齢者と子どもの二回予防接種率は比較的低く、上海では80才以上の二回接種率はわずか15%である
ダイナミックCOVIDゼロ戦略はまだ必要である
中国では何より人々の命と健康が第一である
これまで何度もCOVID-19の増加にダイナミックCOVIDゼロ戦略で対応してきて成功したことが証明している
一部の地域では一時的に不便になっているがそれはより長期的なノーマルな生活のためである
中国の戦略は将来のために医薬品とワクチンの研究開発を加速し子どもと高齢者の予防接種を進める貴重な時間を稼いでいる
(2022年4月25日に掲載されたコメントがこれ。独裁者のご機嫌取り?)
[UKHSA]子どもの肝炎増加調査中
Increase in hepatitis (liver inflammation) cases in children under investigation
25 April 2022
詳細な技術概要発表
Acute hepatitis: technical briefing
https://www.gov.uk/government/publications/acute-hepatitis-technical-briefing
4月21日時点で患者総数111
アデノウイルス説が強まっているが重症化理由については作業仮説がいくつかある
(パンデミックのために子どもたちが早めに病原体に暴露されなかったためという説がトップに書いてある。)
論文
-異なる年齢での身体の大きさと6つのがんのリスク:メンデルランダム化と前向きコホート研究
Body size at different ages and risk of six cancers: a Mendelian randomization and prospective cohort study
25 April 2022 IARC
JNCIに発表されたEPICのデータを使った研究。人生の初期と成人期の身体の大きいこと(BMI)は一貫して子宮内膜がんと腎臓がんのリスクの高さと関連した
-小規模農家の食料安全保障のためのゲノム編集作物
Genome-edited crops for improved food security of smallholder farmers
Kevin V. Pixley et al.,
Nature Genetics volume 54, pages364–367 (2022)
https://www.nature.com/articles/s41588-022-01046-7
気候変動、食料安全保障、栄養と健康、環境持続可能性、農業の多様化に対応できるゲノム編集作物への広範な熱意は、関連するリスクへの懸念でくじかれている。科学的リスクは現在受け入れられているものと同等であるが、規制と法と貿易に対応することと社会的受容が利益を逸している
-腸内のウイルスが未熟児の恐ろしい病気を警告するかもしれない
Viruses in the gut may warn of a deadly disease in preterm infants
25-APR-2022
https://www.eurekalert.org/news-releases/950775
Nature Microbiologyに発表された未熟児の便のメタゲノム解析。壊死性腸炎になった乳児の特徴を報告
その他
-「農家を見つけるのは難しいだろう」:スリランカは軽率な肥料禁止によってよろめく
‘It will be hard to find a farmer left’: Sri Lanka reels from rash fertiliser ban
Hannah Ellis-Petersen in Rajanganaya Wed 20 Apr 2022
収穫は崩壊し、Rajapaksa大統領のやり方は有機農家すら怒らせた
写真:Sarah Dharmasiriは、農薬禁止と高値のために農業を捨てて労働者になるしかなかったという
写真:コメ農家Niluka Dilrukshiはコメの収穫は60%減ったという
写真:コメとバナナ農家Piyasiri Atalugamaはバナナの栽培を中止していてコメもほとんど栽培できない
スリランカ北部の田舎のRajanganayaの緑に覆われた風景からはこの地域が危機に瀕していることを想像するのは難しい。
(本文略)