2022-05-11

[Codex]ニュース

-生鮮果実・野菜部会(CCFFV)が国際貿易の調和を促進

Codex committee on fresh fruits and vegetables facilitates harmonization of international trade

25/04/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1506370/

 第22回CCFFV会合が、2022年4月25日から5月4日までバーチャルで開催されている。メキシコ経済省標準局局長のAlfonso Guati-Rojo Sánchez博士が議長を務め、200名以上が参加して部会が開会した。CCFFVは34年間で42の国際規格を策定している。

*CCFFV22

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/meetings/detail/en/?meeting=CCFFV&session=22

 

-世界獣医の日 / Codexへの獣医師による必要な貢献を認識する

World Veterinary Day / recognizing the essenial contributions of veterinarians to Codex

30/04/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1506973/

―残留動物用医薬品部会(CCRVDF)の議長を務める米国FDAのBrandi Robinson氏が語る―

 獣医師は、動物用飼料の他、飼料中の汚染物質、食品中の残留動物用医薬品、薬剤耐性といった多くの課題に関する実施規範やガイドライン、基準値の策定に貢献してきた。その経験により、獣医師は、CCRVDFが現在行っている食品中の残留動物用医薬品の基準値策定作業には不可欠である。これらの基準値は、治療した動物に由来する食品の安全性を確保することで消費者保護に役立っている。獣医師は、動物用医薬品による動物の健康と、さらには公衆衛生への影響を理解できる最適な存在である。彼らの経験が、CCRVDFが策定した基準値が世界の公衆衛生上のニーズに適したものとなるのに役立つ。Codex、特にCCRVDFは、食品安全の基準値を策定する上で、獣医師の動物用医薬品の使用経験を頼りにしている。

 

[FDA]FDAは食品中の有害元素への暴露をさらに低減するためにジュース中の鉛を制限する

FDA Takes Steps to Limit Lead in Juice to Further Reduce Exposure to Toxic Elements in Foods

April 27, 2022

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-takes-steps-limit-lead-juice-further-reduce-exposure-toxic-elements-foods

 FDAは本日、濃縮していない(そのまま飲める)リンゴジュース、並びにその他の濃縮していないジュース及びブレンドジュースに含まれる鉛について、アクションレベル案を発表した。これは、鉛への食事暴露による健康への負の影響の可能性を低減させ、子供における食品中の有害元素への暴露を減らすための科学に基づいたアプローチ「よりゼロに近づける(Closer to Zero)」行動計画を支持するものである。

アクションレベル案

濃縮していない(そのまま飲める)リンゴジュース:10 ppb

その他の濃縮していないジュース及びブレンドジュース(リンゴジュースを混合したものも含む):20 ppb

 本日発表したガイダンス案は、事業者が達成可能であり、適宜段階的に下げてきたジュース中の鉛の推奨基準としてアクションレベルを説明している。FDAは、ガイダンス案へのコメントを60日間受け付けている。製造業者は、ガイダンス案が最終化される前に推奨内容を実施することができる。FDAは、ジュース中の鉛の濃度を下げるための最善の実践方法の採用に向けて、当該製造業者と一緒に取り組む予定である。

 FDAは、保護者には、良い栄養を得るためにアメリカ人のための食事ガイドラインに従うことを勧める。食事ガイドラインでは、子供に与えるジュースの量を制限するよう推奨している。ジュースの摂取量を減らすことは、ジュース由来の鉛への暴露量を減らすことにもなる。食事ガイドラインは、子供は毎日の果物の必要量のうち少なくとも半量はジュースではなく果物として食すべきであり、さらに12か月未満の子供はジュースを飲むべきではないと推奨している。

 ジュース中の鉛のアクションレベルに関するガイダンス案は、食品由来の鉛、ヒ素、水銀及びカドミウムへの暴露量を減らすためのFDAによる幅広い取り組みの一部であり、2021年4月に開始したよりゼロに近づける行動計画を前進させるものである。行動計画も2年目となり、FDAは現在、ヒ素、カドミウム及び水銀に関する参照量の同定と、乳幼児が一般的に食する食品中の鉛についてのアクションレベルに関する事業者向けガイダンス案の策定作業を行っている。また、リンゴジュース中の無機ヒ素のアクションレベルに関する最終ガイダンスの発表に向けた作業も継続している。

 

-ジュース中の鉛のアクションレベル:事業者向けガイダンス

Action Levels for Lead in Juice: Guidance for Industry

April 2022

https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/draft-guidance-industry-action-levels-lead-juice

 FDAは、実行可能な範囲で食品中の鉛を低減することに取り組んでいる。FDAの「よりゼロに近づける」行動計画は、時間をかけて、食品中の有害元素を減らすための科学に基づいた、反復的なアプローチである。本ガイダンスは、事業者に向けて、ジュース中の鉛のアクションレベルに関する情報を提供する。アクションレベルが最終化された場合には、ジュースHACCPガイダンスに記された現行基準の50 ppbに取って代わる。FDAは、事業者が鉛を最小限にするための措置を講じれば達成可能なアクションレベルであると考えている。

 ジュースは、原料やはんだ付けした古い製造機器などを介して鉛に汚染される可能性がある。鉛は、乳児、幼児、妊娠女性とその胎児、慢性疾患の人などの脆弱集団に特に有害である。子供の健康にとって鉛への安全な暴露量は同定できないと判断されたため、2018年にFDAは暫定耐容一日摂取量の代わりに暫定参照量(interim reference levels: IRLs)を設定した。その際FDAは、米国CDCが子供に対する公衆衛生上の介入の参照値としている血中鉛濃度5 μg/dLと、EPAが計算した食事変換係数を用いて、子供についてのIRLsを3 μg/日、出産可能年齢の女性についてIRLsを12 μg/日と導出した。FDAは、このIRLsを考慮して、鉛のアクションレベルを、濃縮していない(そのまま飲める)リンゴジュースには10 ppb、その他の濃縮していないジュース及びブレンドジュース(リンゴジュースを混合したものも含む)には20 ppbと設定している。リンゴジュースがより低い値なのは、米国の小さい子供が飲む最も一般的なジュースだからである。リンゴジュースにアクションレベル10 ppbを適用すると、子供における摂取量90パーセンタイルで鉛の食事暴露量が46%低減し、その他の果物・野菜ジュースに20 ppbを適用するとそれが19%低減すると推定される。

 国際規格であるCodexでは鉛の最大基準値について、ベリー及びその他の小果物を原料とする果物ジュースは0.05 mg/kg(50 ppb)、ブドウジュースは0.04 mg/kg(40 ppb)、その他の全ての果物ジュースは0.03 mg/kg(30 ppb)と設定しており、本ガイダンスのアクションレベル案はCodexと整合していない。その理由は、Codexは国際的な汚染実態データをもとに設定されているのに対し、アクションレベル案は米国の国産・輸入品のデータに基づいているためである。

 FDAは、ジュースの事業者がCGMPの範囲内でジュース中の鉛の濃度の低減化に継続的に取り組むことを推奨する。

 

[EFSA]グリホサート:EFSAとECHAは評価のタイムラインを更新

Glyphosate: EFSA and ECHA update timelines for assessments

10 May 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/news/glyphosate-efsa-and-echa-update-timelines-assessments

EFSAとECHAが実施したグリホサートの評価案についてのパブリックコメント募集は、今までにないコメント数を集め、この物質への高い関心を裏付けている。これほどの一般人の参加は、EUにおける有効成分の評価の透明性の重要性を明確に示している。

パブリックコメントから受け取った意見や、追加情報の要請に応えてEFSAが申請者(グリホサートの更新に関するグループ)から受け取った回答から、すでにこのような評価に通常入手できるよりはるかに多くの科学的データが含まれている文書に、かなりの量の情報が追加された。

この追加情報は、現在最初の更新評価報告書案(dRAR)を更新中のEU加盟4カ国-フランス、ハンガリー、オランダ、スウェーデン-からなるグリホサートに関する評価グループ(AGG)が徹底的に検討する予定である。

このような流れの中で、EFSAとECHAは再評価プロセスの残りの手順のタイムラインを修正した。

ECHAの分類

ECHA’のリスク評価委員会(RAC)は5月30-31日の本会議中にグリホサートのハザード分類について議論する。委員会は、発がん性、遺伝毒性、生殖・発達毒性、環境分類を検討する。RACの意見は8-10週間以内にEFSAが入手できるようになり、ECHAのウェブサイトで公開される予定である(すなわち2022年6月末から8月半ばまで)。EFSAはdRARのピアレビュー中にRACの意見を検討する。

EFSAのピアレビュー

EFSAはパブリックコメント募集に対して368の回答を受け取り、それらの多くには複数のコメントが含まれていた。EFSAは加盟国の専門家やグリホサート更新グループ(GRG)から約2,400のコメントも受け取った。これらの貢献により約3,000ページのファイルができた。これはGRGその後AGGに精査される必要があり、その後更新されるdRARの作成のための基礎としての役目を果たす。

AGGはEFSAに、2022年9月30日までに更新したdRARを提出する予定だと伝えた。従ってEFSAは2022年11月と12月に加盟国の専門家と農薬ピアレビュー会議を開催し、2023年7月にこの結論を最終化できるだろう。その結論の中で、EFSAはグリホサートへの暴露がヒト、動物、環境に起こす可能性のある全ての潜在的なリスクを評価する。

これらの更新したタイムラインは受け取った全てのコメントを十分検討した結果である。

タイムライン:グリホサート再評価

2019年12月

グリホサート更新グループ(GRG)が承認更新申請を提出

2020年6月

GRGが完全更新文書を提出、グリホサートの評価グループ(AGG)が最初の評価作業を開始

2021年6月

AGGが更新評価報告書案(dRAR)と統一分類・表示(CLH)報告書をEFSAとECHAにそれぞれ提出

8月

AGGが定性的的及び行政検査後に更新したdRARとCLH報告書をEFSAとECHAに提出

9月

EFSAとECHAが同時にパブリックコメント募集開始

11月

この同時パブリックコメント募集終了

2022年第1四半期

AGGがパブリックコメント募集中に受け取ったコメントに考察を提供し、各コメントに対するGRGの回答も考慮した。

EFSAとECHAがパブリックコメント募集中に受け取ったコメントや情報(このコメントへのAGGの考察を含む)をレビューする。

EFSAはGRGにデータパッケージを完成するために追加情報を提出するよう要請し、AGGによるフォローアップのために合意された行動決議を送る。

4月21/22日

ECHAのリスク評価委員会(RAC)の作業グループが統一分類・表示(CLH)の提案を議論する。

5月30日/6月3日

ECHAのRACの会議とグリホサートの分類に関するRACの意見の採択予定日

9月末

AGGは確認された行動決議とその後GRGが提出した追加情報の評価に答えてEFSAに更新したdRARを送付する予定。

11月-12月

EFSAとEU加盟国の専門家が更新した更新評価報告書(RAR)のピアレビューのために会合する。その後AGGがこの専門家会議の結果を踏まえてRARをレビューし、EFSAがAGGや加盟国の専門家とのパブリックコメント募集のフォローアップでピアレビューの結論の草案を作る。

2023年7月

EFSAのピアレビューの結論が欧州委員会、加盟国、GRGに入手できるようになる予定。

 

[EFSA]意見等

-イヌとネコ、観賞用魚、穀物を食べる観賞用鳥類、小さな齧歯類用サンセットイエローFCFからなる飼料添加物の安全性と有効性(Sensient Colours Europe GmbH)

Safety and efficacy of a feed additive consisting of Sunset Yellow FCF for cats and dogs, ornamental fish, grain‐eating ornamental birds and small rodents (Sensient Colours Europe GmbH)

EFSA Journal 2022;20(5):7266 5 May 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7266

(科学的意見)

 

-認可更新のための家禽肥育用、産卵鶏育成用、産卵鶏用、七面鳥交配のための育成用、離乳子豚用、豚肥育用及び雌ブタ用、及び、雌鶏と七面鳥の交配、観賞用鳥類、哺乳子豚及びマイナー豚種肥育及び交配用における新たな使用のための6-フィターゼ(Komagataella phaffii DSM 23036株で生産した) (OptiPhos®)からなる飼料添加物の安全性と有効性(Huvepharma EOOd)

Safety and efficacy of a feed additive consisting of 6‐phytase (produced by Komagataella phaffii DSM 23036) (OptiPhos®) for poultry for fattening, chickens reared for laying, laying hens, turkeys reared for breeding, weaned piglets, pigs for fattening and sows for the renewal of their authorisation and for the new use in breeding hens and turkeys, ornamental birds, suckling piglets and minor pig species for fattening and breeding (Huvepharma EOOd)

EFSA Journal 2022;20(5):7238 5 May 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7238

(科学的意見)

 

-すべての動物種用グアニジノ酢酸からなる飼料添加物の安全性と有効性(Alzchem Trostberg GmbH)

Safety and efficacy of a feed additive consisting of guanidinoacetic acid for all animal species (Alzchem Trostberg GmbH)

EFSA Journal 2022;20(5):7269  5 May 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7269

(科学的意見)

 

-乳児用フードサプリメントの新規食品として2'-フコシルラクトース(2'-FL)及びラクト-N-ネオテトラオース(LNnT)の使用拡大の安全性

Safety of the extension of use of 2’‐fucosyllactose (2’‐FL) and lacto‐N‐neotetraose (LNnT) as novel foods in food supplements for infants pursuant to Regulation (EU) 2015/2283

EFSA Journal 2022;20(5):7257 4 May 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7257

(科学的意見)

欧州委員会からの要請を受けて、栄養・新規食品及び食物アレルゲンに関するEFSAのパネル(NDA)は、規則(EU) 2015/2283に従って乳児用フードサプリメント(FS)に承認されている新規食品(NFs) 2'-フコシルラクトース(2'-FL)及びラクト-N-ネオテトラオース(LNnT)の使用拡大の安全性に関する意見を出すよう求められた。このNFsはEscherichia coli K‐12の遺伝子組換え株による発酵で生産され、すでにNFsのEUリストに含まれている。申請者はこのNFsについて生産工程や同一性に変更は生じないと述べた。申請者は2’‐FLを含むこのNFの乳児(1歳未満)用FSでの使用について最大使用量1.2 g/日への拡大を提案している。申請者は、乳児用FSでのLNnTの使用について最大使用量0.6 g/日への拡大も提案している。乳児用FSに提案された最大使用量による体重1kgあたりの2’‐FLの摂取量は、母乳から天然に生じる2’‐FLの最小推定平均摂取量より低い。同様に、体重1kgあたりのLNnTの摂取量は、母乳から天然に生じる2’‐FLの最大推定平均摂取量よりも低い。さらにパネルは、乳児用FSに提案された2’‐FLの使用は、同じ集団グループですでに認可されているこのNFの使用による推定摂取量よりも低いと言及した。パネルは乳児用FSに提案されたLNnTの使用は、同じ集団グループですでに認可されているこのNFの使用による推定摂取量と同程度だと言及した。パネルは乳児用FSに2’‐FLやLNnTを含むこのNFsの使用は、提案された使用条件で安全だと結論している。

 

-使用済PETをリサイクルするために使用されるthe EREMA basic及びPolymetrix SSP leaNテクノロジーを基にしたPET Verpackungen Deutschlandプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process PET Verpackungen Deutschland, based on the EREMA basic and Polymetrix SSP leaN technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2022;20(5):7280 4 May 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7280

(科学的意見)

このプロセスから得られるリサイクルPETを室温で長期保存される、飲料水を含む全ての種類の食品と接触する物質の製造に100%使用しても、安全上の懸念とはならない。このリサイクルされた PETで作られた最終製品は電子レンジやオーブンで使用されることを意図しておらず、そのような使用はこの評価の対象外である。

 

-Collariella gracilis AE‐DX株由来食品酵素デキストラナーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme dextranase from the Collariella gracilis strain AE‐DX

EFSA Journal 2022;20(5):7279  4 May 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7279

(科学的意見)

この食品酵素デキストラナーゼ(6‐α‐d‐グルカン 6‐グルカノヒドロラーゼ, EC 3.2.1.11)はAmano Enzyme Inc社が非遺伝子組換えCollariella gracilis AE‐DX株で生産した。この食品酵素にはこの生産生物の生きた細胞はない。この食品酵素はテンサイやサトウキビからの精製糖生産に使用することを意図している。総有機固形物量(TOS)の残留量は精白糖の生産中の結晶化で除去されるため、食事暴露は精製糖には必要ないと考えられた。だが、砂糖生産の副産物であるテンサイ糖蜜やサトウキビシロップがフードチェーンに入る可能性がある。推奨される最大使用量に基づき、食事暴露は未精製の砂糖の摂取から最大0.39 mg TOS/kg 体重 (bw) /日と推定された。遺伝毒性試験は安全上の懸念を示さなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは無毒性量を調べた最大量940.5 mg TOS/kg bw /日とし、推定した食事暴露と比較して、暴露マージンは800以上となった。既知のアレルゲンに対するこの食品酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、一致はなかった。パネルは、意図した使用条件で食事暴露によるアレルギー感作リスクや誘発反応は除外できないが、これが起こる可能性は低いと考えた。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品酵素は意図した使用条件で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

[CFIA]許可されていないスパイス中の着色料-2019年4月1日~2020年3月31日

Non-Permitted Colours in Spices – April 1, 2019 to March 31, 2020

2022-04-20 (2022-05-04リンク元の日付)

https://inspection.canada.ca/food-safety-for-industry/food-chemistry-and-microbiology/food-safety-testing-bulletin-and-reports/non-permitted-colours-in-spices/eng/1649957830349/1649957831011

着色料は加工による天然色の損失を埋め合わせ、製品の色を均一にし、食品をより魅力的に見せるために食品に添加される。このターゲット調査では、有毒で発がん性がある可能性があることから、赤いスパイス中の認可されていない着色料、スーダンⅠ~Ⅳに焦点を当てている。スーダンⅠ~Ⅳは、繊維、光沢、塗料など工業製品に使用される赤い染料で、食品での使用は禁止されている。

パプリカ、ウルシ、チリパウダー、赤トウガラシなど、全部で63の赤色のスパイスサンプルが小売店から集められ、許可されていない着色料の検査を受けた。この調査では検出可能な量の許可されていない着色料を含むサンプルは見つからなかった。

注:検査した色素は以下

Citrus Red 2、Chlorophylline、Metanil Yellow、Methyl Yellow、Orange II、Para Red、Rhodamine B、Solvent Blue 59、Sudan Black B、Sudan Blue II、Sudan I、Sudan II、Sudan III、Sudan IV、Sudan Orange G、Sudan Red 7B、Sudan Red G、Toluidine Red

 

[ANSES]森や庭でダニに注意

Beware of ticks in forests or gardens

03/05/2022

https://www.anses.fr/en/content/beware-ticks-forests-or-gardens

特に春と秋に活動的になるダニは、欧州の感染症の原因となる病原体の主要ベクターである。特にライム病の原因となる細菌を運ぶ。森で刺されることもあるが庭でも刺される。

リスクを避けるためにとれる予防策

・認可された忌避剤を使う

・全身を覆う衣服、ダニをみつけやすい明るい色のもの

・草や木の茂ったところを歩かず、案内標識のある道から外れない

・散歩から帰ったら全身をチェック

・刺されたらダニ取りを使って直ちにダニを捕り傷口を消毒

・刺されたあたりを観察して症状が出たら医師に相談

ダニ刺されの1/4は庭でおこっている

 

(殺虫剤や除草剤を悪者扱いしておきながらこれ)

 

[ASA]ASA裁定

-ASA Ruling on ARSJ Holding Ltd

11 May 2022

https://www.asa.org.uk/rulings/arsj-holding-ltd-g21-1129380-arsj-holding-ltd.html

Brite Drinks およびMeet Briteのお金を払ったFacebook投稿で、集中力と生産性をあげる、カフェインとテアニンの相乗効果等の宣伝

食品に表示できる健康強調表示リストの「保留」と用語の柔軟性を巡る解釈の説明があり、広告基準違反と判断されている

 

-ASA Ruling on Brand Evangelists for Beauty Ltd

11 May 2022

https://www.asa.org.uk/rulings/brand-evangelists-for-beauty-ltd-a21-1120018-brand-evangelists-for-beauty-ltd.html

カフェイン刺激頭皮処置で抜け毛が減り毛髪の生長を促進するという宣伝に根拠がない

(文献は提出したが根拠として不十分と判断された)

 

-ASA Ruling on Tesco Mobile Ltd t/a Tesco Mobile

11 May 2022

https://www.asa.org.uk/rulings/tesco-mobile-ltd-g22-1146813-tesco-mobile-ltd.html

新聞広告とTwitter投稿とポスターで“シイタケshiitake”, “ピスタチオpistachio”, “フェトチーネfettucine”を “shit(うんこ)”、 “piss(おしっこ)” 、“fuck(ファック)”をほのめかす使い方をしていて人々の気分を害すると判断

 

[WHO]WHOは国境を越えたアルコールマーケティングの目立つギャップを強調

WHO highlights glaring gaps in regulation of alcohol marketing across borders

10 May 2022

https://www.who.int/news/item/10-05-2022-who-highlights-glaring-gaps-in-regulation-of-alcohol-marketing-across-borders

若者とヘビードリンカーが主な標的

WHOの新しい報告は、アルコールの洗練されたオンラインマーケティングの増加とより効果的規制の必要性を強調する

報告書「アルコールの害を減らす-国境を越えたアルコールのマーケティング、広告、宣伝を規制することで」

 

論文

-パンデミック初期に子どもの過体重、肥満は18%増加した、研究が発見

Overweight, obesity rose 18% in kids early in pandemic, study finds

Mary Van Beusekom | News Writer | CIDRAP News  | May 09, 2022

https://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2022/05/overweight-obesity-rose-18-kids-early-pandemic-study-finds

先週オランダで開催された欧州肥満学会で、COVID-19パンデミックの最初の3-6ヶ月の間にオハイオの低所得家庭の肥満または過体重の子どもの割合は38%から45%に増加したことが発表された.この観察研究はClinical Obesityに発表されている。

 

SMC UK

-コーヒー、コレステロール、コーヒーを飲む人の性、コーヒーのいれかたを調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at coffee, cholesterol, coffee drinker’s sex and coffee brewing method

MAY 10, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-coffee-cholesterol-coffee-drinkers-sex-and-coffee-brewing-method/

Open Heartに発表された研究が自己申告によるコーヒー摂取とコレステロール濃度を調べた

英国心臓財団上級心臓看護師June Davison

この種の研究は関連を示すのみで因果関係を証明できないことを忘れないことが重要である。またエスプレッソとは何かについての標準的定義を使っていないので結論を出すには注意が必要である。また砂糖やミルクのような要因も考慮されていない。この研究からコーヒーを飲むことを心配する必要はない、ほとんどの人にとってほどほどのコーヒーは問題無い。もしカフェインに過敏で動悸がするようなら飲む量を減らす方が良い。

St George’s, University of London臨床薬理学と治療学NIHR臨床講師Dipender Gill博士

これはノルウェーのTromsø市で2万人以上の参加した観察研究で、自主申告によるコーヒーの種類とコレステロール濃度の関連を調べた。性やコーヒーのいれかたでコレステロール濃度の変動との関連が観察されたものの、解釈には注意が必要である。観察された差は交絡要因による可能性がある。例えば特定のタイプのコーヒーを好む人はそれ以外のライフスタイルでも違うかもしれない。一般的にこのような観察研究で因果関係をみるのは困難である

Aston大学医学部登録栄養士で上級教員Duane Mellor博士

これは興味深い研究ではあるが横断研究で、著者らが注記しているように国によっても人によってもエスプレッソ、プランジャー、フィルター、インスタントコーヒー一杯のサイズは異なる。この研究が行われたノルウェイではエスプレッソのカップは他の国より大きい

King’s College London栄養と食事名誉教授Tom Sanders教授

コーヒーに含まれるテルピノイド(kahweolとcafestol)は血中コレステロール濃度を相当上げる(飽和脂肪とコレステロールよりも)ことがわかっている。かつてTromsoの人々はこれら化合物の多いボイルドコーヒーを大量に飲んでいた。エスプレッソではそれらの濃度は低い。カフェテリアのコーヒーはボイルドコーヒーと同程度でインスタントコーヒーでは少ない。オランダ食事ガイドラインでは他のものよりフィルターコーヒーを飲むよう薦めている。

あなたが一日に1-2杯のコーヒーしか飲まないならどの種類かは問題ではないが、もしたくさん飲むなら重要になる。

この研究はコーヒーを飲む習慣とコレステロールの関連を報告している。試験ではなく、もともと1980年代にボイルドコーヒーをたくさん飲む人たちの血中コレステロール濃度の高いこととの関連を示したTromso心臓研究のフォローアップである。摂取するコーヒーのタイプについて調べた試験はたくさんあり、コーヒーテルピノイドが男女両方でコレステロール濃度を上げることが示されている。この研究で観察された男女の差は生理的差というよりコーヒー摂取行動の差によるものだろう。

 

-女王のスピーチへの専門家の反応

expert reaction to Queen’s speech

MAY 10, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-queens-speech/

本日の議会の開会でチャールズ皇太子が女王のスピーチを紹介した

物理学研究所副最高経営責任者Rachel Youngman

英国を科学のスーパーパワーとしてレベルアップし再構築するという女王のスピーチの野心は正しい物理学教育と研究と開発によってのみ達成されるだろう

 

遺伝子技術法案Genetic Technology (Precision Breeding) Billに関して

王立学会副会長Dame Linda Partridge教授

ゲノム編集を含む遺伝子技術は21世紀の農業が直面する環境と社会的課題に対応するのに役立つ。王立学会は常に遺伝子技術の規制は、遺伝子を変えるための技術ではなく遺伝子変更の結果に基づくべきだと主張してきた。

Rothamsted研究所作物科学者Nigel Halford教授

植物科学者にとって素晴らしいニュースだ

Roslin研究所長動物バイテクノロジー教授Bruce Whitelaw教授

この法案は英国の農業を最前線に維持するだろう

NorwichのSainsburyラボグループリーダーJonathan Jones FRS教授

提案されているゲノム編集作物の規制変更は極めて歓迎できる。ただ十分ではない

NIAB最高責任者Mario Caccamo教授

この法案は英国がEU以外の、日本、カナダ、アルゼンチン、ブラジル、オーストラリアなどで採用されている規則を採用することへの明確な信号でありより多くの可能性を開くだろう

 

-中国成人での乳製品とがんの発生率を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at dairy products and cancer incidence in Chinese adults

MAY 6, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-dairy-products-and-cancer-incidence-in-chinese-adults/

BMC Medicineに発表された研究が中国成人での乳製品摂取とがんリスクを調べた

Oxford大学根拠に基づいた医療センター学部講師で上級研究員David Nunan博士

この研究の強みは大規模で前向き研究であることであるが、観察研究での関連は原因とは確認できない。仮に観察された関連が事実だとしても、個人にとってのリスクがどれくらいかを文脈の中で考える必要がある。例えば乳がんでは、ほとんどあるいは全く乳製品を足らない人に比べて定期的に乳製品を摂る人のリスクが22%高かった。中国人成人では年間乳がん発症率は0.03%である。つまり1年の間に1000人中3人が乳がんになる。もしこの1000人が1日80gの乳製品を多く摂取すると22%リスクが増える、つまり1000人中4人が乳がんになる。残り996人は乳がんにならない。

同様の研究は世界中で異なる集団で行われているがそのようながんの増加は見られていない。むしろ乳製品は乳がん保護作用がある傾向がある。中国での以前の研究でもリスク増加は見られない。そのような矛盾する知見は、研究の示唆することについて慎重な検討を要する。

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

この種の研究は解釈に注意が必要である

(長い説明)

Reading大学食品栄養健康研究所長、フードチェーン栄養教授Ian Givens教授

Aston大学医学部登録栄養士で上級教員Duane Mellor博士

この研究は50万人を10年以上調べたものであるが西洋人に比べて乳製品の摂取量が少なく、比較的最近変わってきたことに注意が必要である。この50万人の中国人参加者のうち毎週乳製品を窃取するのはわずか20%で、それはデータが歪む原因となり得る。又乳製品の摂取者は都市部に住む可能性が高く他の健康状態も違う。一部は解析で考慮されているが全ての交絡を検討することはできない。この論文ではIGF-1との関連を示唆しているが根拠は提示していない。この研究は乳製品の摂取量を減らすとがんリスクが減ることの強力な根拠にはならない

 

-ビーガン食と体重を含む心代謝健康指標を調べた学会要旨への専門家の反応

expert reaction to conference abstract looking at vegan diet and measures of cardiometabolic health including body weight

MAY 5, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-conference-abstract-looking-at-vegan-diet-and-measures-of-cardiometabolic-health-including-body-weight/

欧州肥満学会の要旨で心代謝健康へのビーガン食の影響を調べた

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

詳細が不明なので質や影響を評価するのは困難である。この研究はこれまでの過体重や2型糖尿病患者での知見の系統的レビューとメタ解析である。全体としては完全菜食のほうが対照食よりBMIの減少が大きいようにみえるが、その解釈には注意が必要である。完全菜食だからなのかカロリーが少ないからなのかはわからない。また研究によって完全菜食の内容は違う

(他にも多くの指摘)

英国栄養士会広報登録栄養士Frankie Phillips博士

詳細はフル論文として提示される必要がある。ビーガン食は一般的にエネルギーと脂肪含量が少なく食物繊維が多く長期観察研究では肉を食べる人より痩せている傾向がある。しかし一定期間だけ菜食にすることは長期的にビーガンであることとは違う

Quadramバイオサイエンス研究所名誉フェローで栄養研究者Ian Johnson博士

Reading大学栄養と食品科学教授Gunter Kuhnle教授

Birmingham大学公衆衛生栄養と運動名誉教授Janice Thompson教授

Reading大学食品栄養健康研究所長、フードチェーン栄養教授Ian Givens教授

Aston大学医学部登録栄養士で上級教員Duane Mellor博士

(コメント略)

 

-牛肉を微生物タンパク質に置き換えた環境影響をモデル化した研究への専門家の反応

expert reaction to study modelling environmental impact of replacing beef with microbial protein

MAY 4, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-modelling-environmental-impact-of-replacing-beef-with-microbial-protein/

Natureに発表された研究が牛肉を微生物プロテインに代えた時の環境への利益を予想した

Imperial College London環境政策センター上級フェローで副所長Tilly Collins博士

反芻動物の肉の摂取を減らすことは環境・倫理・ヒト健康上のベネフィットである。これらモデルの予測は代用タンパク質の供給能力に強く依存するが、バイオテクノロジーで可能になる効率の良い代用品がより持続可能な食品の未来への大きな可能性であることは疑いようもない。このようなモデル研究はそうした解決法の約束を強調する。

 

その他

-HHSは健康デマを理解しようとしている;CFIは解決法の一部

HHS is Trying to Understand Health Misinformation; CFI is Part of the Solution

May 5, 2022 Azhar Majeed

https://centerforinquiry.org/blog/hhs-is-trying-to-understand-health-misinformation-cfi-is-part-of-the-solution/

保健福祉省(HHS)はCOVID–19パンデミック中のデジタル健康デマの影響解析を行っている。CFIはこの重要なプロセスを支援している。

この種の科学と健康に関するデマは新しいものでは無く、CFIは何年も記録し戦ってきた。科学に基づいた医学を推進する人たちは健康に関するデマと戦い続ける。

以下HHSへのコメント

 

- 医学的誤情報やデマに関して専門職に期待されること

FSMB(州医事当局連盟)

PROFESSIONAL EXPECTATIONS REGARDING MEDICAL MISINFORMATION AND DISINFORMATION

April 2022

https://www.fsmb.org/siteassets/advocacy/policies/ethics-committee-report-misinformation-april-2022-final.pdf

医学に関するデマは何世紀も存在してきたがその影響は近年ソーシャルメディアのような技術によって増幅している。間違った情報に基づく意思決定が、死を含む必要の無い害を与えている。特に医師による不正確な情報の拡散は個人に対して致命的な影響を与える。倫理と専門職精神に関する委員会はこのデマに対しての立場とガイダンスをまとめた

ナチュロパス、カイロプラクターがブリティッシュコロンビアで予防接種率が最も低い、担当者がいう

Naturopaths, chiropractors have lowest vaccination rates in B.C., officials say

By Richard Zussman  Global News Posted May 10, 2022

https://globalnews.ca/news/8824163/vaccination-rate-bc-health-workers-may-10-2022/

4月25日時点で医療従事者の93.9%がCOVID-19ワクチンを完了しているがその詳細は

栄養士、医師、外科医師98%、職業セラピスト97%

最も低いのが中国伝統医療プラクティショナーと鍼師の79%、カイロプラクター78.1%、ナチュロパス69.2%

 

-オタワは世界が食糧不足の瀬戸際にあることに気がついているか?

SYLVAIN CHARLEBOIS: Is Ottawa aware the world is on the brink of a food shortage?

Sylvain Charlebois | Posted: April 29, 2022

https://www.saltwire.com/atlantic-canada/business/sylvain-charlebois-is-ottawa-aware-the-world-is-on-the-brink-of-a-food-shortage-100723939/

食品供給網はパンデミックによりふらつき、ウクライナの侵攻の世界的影響で我々のフードシステムのグローバルな性質に多くの疑問が投げかけられた。世界が今年直面するだろうたくさんの急性の飢餓などから、脱グローバル化と食料優先をエネルギー生産に切り替えることを主張する一部の人たちに対抗するのが難しい。しかし世界貿易は恵みでありそれを否定することは壊滅的である。世界はウクライナとロシアの小麦が無くなるため小麦不足が予想される。さらに米国とカナダは作物の一部をエタノールに使うことを決めた。カナダの食料が不足することはないだろうが値段は高くなるだろう。貧しい国々はいつも最初に食料が手に入らなくなる。肥料の不足も問題である。

我々は何年にも渡る遺伝子組換え反対運動の対価を払っている。一部の地域では農薬も禁止されている。農業はいつだって技術だった。カナダは農業生産性を上げる必要がある。

世界的取引は続ける必要がある