2022-07-20

[VKM]ノルウェーの食事の魚のベネフィットとリスクの評価

Benefit and risk assessment of fish in the Norwegian diet

VKM Report 2022: 17  07.06.2022

https://www.vkm.no/download/18.7ef5d6ea181166b6bb6a110c/1654589000550/Benefit%20and%20risk%20assessment%20of%20fish%20in%20the%20Norwegian%20diet%207.6.22.pdf

(全1082ページ)

概要

課題と前提

2006年、ノルウェー食品及び環境に関する科学委員会(VKM)は「ノルウェーの食生活における魚介類の包括的評価」を発表した。2014年に更新された評価では、VKMは「魚を食べる恩恵は、魚に含まれる現在の汚染物質やその他の望ましくない物質が示すごくわずかなリスクを明らかに上回る」と結論付けた。新たな知見が得られたため、ノルウェー食品安全庁(NFSA)は、2019年にVKMにノルウェーの食生活における魚の新たなベネフィットとリスク評価を依頼し、以下の場合の健康影響に関する質問の答えを求めた。

- 現在と同じ魚の消費量を維持する場合

- ノルウェー保健省が推奨する魚の消費量に増やす場合。

包括的な系統的文献レビューとエビデンスの重み付けによる分析

この魚のベネフィットとリスク評価は、魚の消費と健康アウトカムとの関連性に関する疫学的エビデンスを評価するための広範な系統的文献レビューに基づく。このレビューは、主要研究、過去の系統的レビューとメタ分析を対象とする。対象の健康アウトカムは、ノルウェーの集団によく見られる非伝染性疾患や疾病である。

系統的文献レビューでは、関連データベースの検索を行い、定義された基準に基づき、一対の盲検選別で主要研究を選択した。主要研究は、データ抽出とプールされた推定値の計算の前に品質を評価した。プールされた推定値は、利用可能な場合は過去のメタ分析と比較され、最後に世界癌研究基金 (WCRF) で定義された基準に基づくエビデンスの重み付けが行われた。WCRFの分類によれば、「convincing(説得力がある)」、「probable(可能性が高い)」、「substantial effect on risk unlikely(リスクへの実質的影響は考えにくい)」を強力なエビデンスとして分類し、推奨の根拠として用いる。

本評価では、全死因死亡率、心血管疾患(CVD)、冠動脈心疾患(CHD)、脳卒中、心筋梗塞による死亡率、成人におけるCHD、脳卒中、認知症、アルツハイマー病の発症率、早産及び低出生体重との関連は「probable」と分類され、定量的評価に含まれた。

本評価は魚類摂取のベネフィットとリスクの定量的評価、魚類中の栄養素の半定量的ベネフィット評価、魚類中の汚染物質の半定量的リスク評価から構成される。

魚摂取の定量的ベネフィットとリスク評価

評価の全体的な目的は、現在の摂取量でない魚を摂取した結果としてのノルウェー集団における疾病発症率と死亡率への影響を推定することであった。系統的文献レビューとエビデンスの重み付けが、評価の基礎となる。魚の摂取が健康アウトカムに有害影響を及ぼすという強いエビデンスはなかった。従って、定量的モデリングは有益な効果のみを含む。

魚の摂取量の変化が集団の疾病発症率や死亡率に対する影響を推定するモデリングは、Norkost 3 (2010~2011年) の現在の平均魚類摂取量、魚類摂取推奨量を反映する2つの魚類摂取シナリオ及び魚類摂取量が推奨摂取量を下回る追加のシナリオに基づく。魚類摂取シナリオは、食品食事調査の参加者全員に、1日当たりの魚類摂取量と脂肪の少ない魚類の摂取量を割り当てた (表9.1-1参照)。シナリオ2と3では、脂肪の多い魚の量は一定の毎週200 gで、脂肪の少ない魚の量だけがシナリオ2からシナリオ3で増加する。

定量的推定は、CHDを除き、全てのアウトカムに対し、成人の性別ごとに行った。ただし、早産の定量的推定は女性に対してのみ行った。

男性では、現在の平均魚摂取量が350 g/週から300 g/週に減少すると、アルツハイマー病とCVDによる死亡を除き、アウトカムの年間発症数又は死亡数が増加すると推定された。現在の平均摂取量から450 g/週への増加は、CVD死亡率を除く、全てのアウトカムに対する年間発症数又は死亡数を低下させ、CHD、脳卒中及び認知症の発症率で最も顕著であった (9章の表9.2.6-1参照) 。

女性では、現在の平均摂取量238 g/週から300 g/週に増加すると、全てのアウトカムの年間発症数又は死亡数がわずかに減少すると推定され、認知症と早産の減少が最も大きかった。現在の摂取量を450 g/週に変更すると、認知症、脳卒中、早産に加えてCHD発症率の減少が推定された (第9章の表9.2.6-2参照) 。

全体として、推奨摂取量上限まで魚の摂取量を増やすことが、脳卒中とCHDの症例数の減少を示唆し、同様に、認知症とアルツハイマー病の新規症例数を減少させると推定される。モデリングでは、CVDとCHD死亡率に非常に小さな影響しか与えないことを示した。妊娠中の母親の魚摂取に関して、低出生体重児の根本的な原因は早産であると思われたため、低出生体重児は含まなかった。

魚類からの栄養摂取と汚染物質暴露の半定量的評価

魚の摂取に関連するすべての栄養素及び汚染物質の評価は半定量的アプローチを用いる。

栄養素

魚類は長鎖 n-3脂肪酸(エイコサペンタエン酸 (EPA)、ドコサペンタエン酸 (DPA)、ドコサヘキサエン酸 (DHA))、ビタミンD、ヨウ素、セレン、ビタミンB 12の重要な摂取源である。ノルウェーの食事では、これらの栄養素の総摂取量の20%以上が魚類に由来し、長鎖 n-3脂肪酸、ビタミンD及びヨウ素については、魚以外の天然供給源はほとんどない。

魚類中の栄養素と潜在的な関連健康アウトカムについて、VKMは第2の包括的な系統的文献レビューを実施した。長鎖n-3脂肪酸とCVD死亡率、CHD死亡率、CVD発症率 (長鎖n-3脂肪酸1日量が1 gを超える場合のみ)、CHD発症率、心筋梗塞発症率及び出生時体重 (持続) に強い関連 (probable)が認められた。長鎖n-3脂肪酸と健康アウトカムのエビデンスの重み分析からの結果は、魚と同じ結論を裏付ける。ビタミンDについては、全死因死亡率と骨折/転倒(2012年NNRに基づく)との間に強い相関が認められた (probable)。ヨウ素、セレン、ビタミンB 12のいずれについても、強い関連性は認められなかった。

EPA+DHAの半定量的評価は、現在の魚類摂取量では、出産可能年齢の女性の18% (18~45歳) と成人の男女の10% (18~70歳)が適切な摂取量以下であることを示す。食事調査の参加者全員に1日の魚の摂取量を一定にする魚摂取シナリオでは、すべての成人がEPA+DHAの摂取量が適量を上回っていると推定された。

ビタミンDについては、現在の魚摂取量では、全ての年齢層において摂取量が平均必要量(AR)以下の割合が相対的に高い。シナリオによる推定では推奨摂取量まで魚の摂取量を増やすと、集団レベルでは中程度に増加する。

ヨウ素については、現在の摂取量では、13歳の少女の34%と出産可能年齢の女性の19%がARに満たなかった。推奨摂取量まで魚の摂取量を増やすと、1歳児を除くすべての年齢層のヨウ素摂取量がARを上回ることになる。

セレンについては、現在の摂取量では、出産可能年齢の女性の7%及び9歳の女児の71%がARに満たなかった。推奨摂取量まで魚の摂取量を増やすとセレン不足はほぼゼロになる。

ビタミンB 12は、特定の年齢層がARを下回るリスクはない。

汚染物質

魚類中汚染物質について、VKMの健康への有害影響に関する評価は、EFSAの耐容週間摂取量(TWI)に基づく(EFSA 2012; 2018; 2020)。メチル水銀については、2012年のTWIを更新せずに使用した。VKMはPCDD/F(ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン及びポリ塩化ジベンゾフラン類)及びDL-PCBダイオキシン様ポリ塩化ビフェニル)、PFAS(パー及びポリフルオロアルキル化合物)及びメチル水銀について、EFSAが設定したTWIを超える暴露を受けた集団の割合に基づいて、半定量的リスク評価を実施した。PCDD/F類及びDL-PCB類については、妊娠中の出生前暴露及び乳幼児期の授乳やその他の食物摂取による精子濃度の低下が重要なエンドポイントであるとされている。今回の評価では4種類のPFAS(PFOA、PFNA、PFHxS、PFOS)に限定したが、PFASの重要な影響は免疫系への影響であり、メチル水銀の重要な影響は神経発達の影響である。

汚染物質の半定量的リスク評価では、現在の魚類摂取量では、ノルウェー国民の高い割合(96~100%)が、PCDD/FとDL-PCBのTWIである2 pg TEQ/kg 体重/週を超えることが示されている。成人の平均推定暴露量は、現在の魚摂取量ではTWIの2.3倍である。魚は成人のPCDD/FとDL-PCBの暴露に39%寄与し、そのうち脂肪の少ない魚(脂肪5%未満)は6%、脂肪の多い魚(脂肪5%以上)は28%、肝臓と卵は5%寄与する。魚の摂取量を推奨量まで増やすと、これらの汚染物質への平均暴露量はすべての年齢層で増加する。

成人の平均推定PFAS暴露量は、現在の魚類摂取量ではTWIの1.7倍である。年齢層別でTWIを超える集団の割合は44~100%である。すべての年齢層で、魚がPFASの合計に主に寄与する(成人では約38%)。脂肪の少ない魚と脂肪の多い魚は、年齢層を超えてほぼ等しく寄与しており、成人では脂肪の少ない魚の寄与がやや高い。子どもは、現状とシナリオの両方で推定暴露量が高く、9歳児の現状でのTWIの1.5倍から、2歳児のシナリオ3でのTWIの4.8倍までとなった。PFASの暴露量推定は、分析方法の検出限界濃度が高いため、不確実である。

ノルウェーでは、メチル水銀の TWI を超えるのはごく一部の集団とされ、TWIを超える割合は、シナリオすべてにおいて、すべての年齢でゼロか非常に低いものとなっている。

結論のまとめと参照事項への回答

ノルウェー人女性の62%、男性の58%が、週に2食以上魚を食べると回答している。定量的評価で示したように、魚摂取量を成人男女の現在の平均摂取量から150 g/週に減らすと、定量的モデリングのすべてのアウトカム(CVD死亡率、CHD死亡率、全死亡率、CHD、脳卒中、認知症、アルツハイマー病、早産)の年間発症数又は死亡数が増加すると推定される。全体として、魚の摂取量が少ないことは潜在的な健康リスクであり、現在の魚の摂取量では魚の摂取による最適な有益な健康効果は得られないことが示された。   

数学的モデリングでは、魚の摂取量を推奨摂取量、特に上限の450 g/週まで増やすと、脳卒中とCHDの発症率の低下が示され、認知症とアルツハイマー病の新規症例数の減少が推定される。又、セレンとヨウ素の摂取量がARを下回る割合も減少する。魚の摂取量、特に脂肪の多い魚の摂取量を増やすことは、ビタミンDの摂取量が少ない人々にとって重要な意味を持つ可能性がある。結論として、すべての年齢層で、魚の摂取量を現在の摂取量から推奨摂取量まで増やすことが有益である。

一方、魚摂取量を推奨摂取量まで増やすと、PCDD/F、DL-PCB、PFASの摂取量が増加し、すべての年齢層のほぼ全員がTWIを超過する。PCDD/FとDL-PCB及びPFASの暴露に関連する重大な影響(精子濃度の低下と子どものワクチン反応の低下)が、死亡と障害にどのように寄与するかは推定されていない。しかし、ノルウェーの男性不妊症の占める割合は小さい。小児のワクチン接種に対する反応の低下は、免疫反応低下のマーカーとしての一般的な適用性や、免疫反応低下による感染リスクについては分かっていない。

VKMは、魚の摂取は、ノルウェーの公衆衛生上重要ないくつかの健康アウトカムに対して有益かつ予防的であると結論付ける。この結論は、魚類摂取量、脂肪を多く含む魚類の摂取量と健康アウトカムとの関連性に関する系統的レビューとエビデンスの重み付け分析及び発症率と死亡率を共通の指標とした魚類摂取量と健康アウトカムの定量評価に基づく。さらに、栄養素については系統的な文献レビューを行い、魚の摂取が重要となる物質については半定量評価を行った。定量的評価の結果は、一般に高齢者層に影響を及ぼす非伝染性慢性疾患である(早産を除く)が、これらの疾患は潜伏期間が長い場合があり、又、食生活は若年期から成人期に由来する傾向がある。これらの要因により、若年期に推奨される魚の摂取が、その後の摂取と健康上の恩恵にとって重要である可能性を裏付けている。

VKMは、推奨される週2〜3回の夕食(成人の場合、少なくとも200 gの脂肪の多い魚を含む300〜450 gに相当)に魚の摂取量を増やすことによる利益は、すべての年齢層でリスクを上回ると結論付けている。

 

(膨大な文献を考慮しているけれど、結局のところEFSAの設定したTWIを超過していても、それが病気や死亡によるDALYの損失としては計算できないので明確にDALYとして計算できる疾患予防ベネフィットのほうが大きいと判断されている。EFSAの設定しているやたら厳しいHBGVの意味に疑問を抱かせる内容だと思うのだが)

 

[ANSES]亜硝酸塩と硝酸塩への食事暴露の削減

Reducing dietary exposure to nitrites and nitrates

12/07/2022

https://www.anses.fr/en/content/reducing-dietary-exposure-nitrites-and-nitrates

私達は毎日食事を通して亜硝酸塩と硝酸塩に暴露されている。それらのヒトの健康への影響に関する現在の知見に照らして、ANSESは食事暴露を制限するための積極的手段を執ることでこれらの物質への国民の暴露を減らすよう助言している。そのためANSESは、特に惣菜販売店の肉の添加物としての亜硝酸塩の使用の削減や、食品由来感染症の増加を避けるためにコントロールされた方法で達成する必要があることに言及して、活動指針をいくつか特定した。

複数の暴露源

硝酸塩と亜硝酸塩は次のことにより私達の食事中に存在する:

・硝酸塩は土壌中に天然に存在し (窒素循環)、その量は農業によって増加する可能性があり、水資源にも存在する。

・抗菌特性により、主に惣菜販売店の肉や加工肉の食品添加物(E249, E250, E251, E252)として使用される

・植物に蓄積される。

硝酸塩の食事暴露の約2/3は植物製品、特にホウレン草やレタスなどの葉物野菜の摂取に関連し、1/4は飲料水に関連する。硝酸塩の食事暴露の4%未満が惣菜販売店の肉に食品添加物として使用されることによる。

亜硝酸塩に関しては、暴露の約半分は、調理に亜硝酸塩添加物が使用されることにより、惣菜販売店の肉の摂取に関連している。

結腸直腸がんと亜硝酸塩や硝酸塩への暴露との関連性

食品や水を通して摂取した亜硝酸塩と硝酸塩は、ニトロソ化合物を生成することが知られており、そのうちのいくつかはヒトへの発がん性や遺伝毒性がある。

ANSESは欧州食品安全機関(EFSA, 2017)や国際がん研究機関(IARC, 2018)の参照文献以降発表されている科学的ながんの研究を分析した。加工肉や飲料水の摂取によって取り込まれたかどうかにかかわらず、結腸直腸がんのリスクと亜硝酸塩および/または硝酸塩への暴露に関連性があることを確認した。これらの化合物への暴露が多くなるほど、国民の結腸直腸がんのリスクも大きくなる。

他の種のがんのリスクも疑わしいが、現在入手可能なデータに基づき、因果関係についての結論は引き出せない。ANSESはこのような関連性を確認あるいは反論するためにこの分野の研究を継続するよう推奨している。

暴露量、基準値、活動指針

フランスでは、全ての暴露源を合わせると、国民のほぼ99%は、EFSAが設定した、現在妥当とされる硝酸塩と亜硝酸塩の許容一日摂取量(ADIs)未満である。同時暴露に関連するリスクを考慮して、ANSESはその専門家評価の中で“MOE” (暴露マージンの評価)アプローチを使用した。これにより、国民の大多数にとってADIsを分析することで得たものと同様の結果になった。それでもANSESは、ニトロソ化合物への変換を考慮して、硝酸塩と亜硝酸塩の合計での全体的な健康に基づく指標値を設定するために討論を実施するよう助言している。

暴露規制はおおむね遵守されているが、それにもかかわらず暴露はがんの可能性が増す化合物の形成に関連している。それが、食品への亜硝酸塩と硝酸塩の意図的な添加は、以下で説明する様々な活動指針に基づいて「合理的に達成可能な限り低く」するアプローチに固執する必要があるとANSESが考える理由である。

惣菜販売店の肉の添加物削減:製品の種類に応じた解決法

惣菜販売店の肉では、サルモネラ症、リステリア症、ボツリヌス症などの病気の原因となる細菌の発生を制限するために主に硝酸塩と亜硝酸塩が添加される。ANSESによると、これらの使用は、これらの細菌の汚染リスクを管理するために他の手段を執るという厳格な条件で、合理的に達成可能な限り低い量まで削減できる。これらの対策は製品分類ごとに調整する必要がある。例えば、加熱ハムでは、亜硝酸塩量を減らすとは賞味期限を前倒しすることになる可能性がある。乾式生ハムでは、製品の塩漬け、急速、精製段階で塩の量と温度を厳重に監視する必要がある。

植物抽出物も硝酸塩と亜硝酸塩を含んでいる

製造業者によっては、亜硝酸塩添加物の代替品として植物抽出物や野菜スープを使用する。これらの製品は、細菌の作用で亜硝酸塩に変換される硝酸塩を天然に含むため、これは真の代替手段とはならない。そのためこれらの「亜硝酸塩無添加」製品は、隠れた硝酸塩や亜硝酸塩を含んでいる。

水と土壌中の硝酸塩量の管理

硝酸塩は環境中に天然に存在するだけではない;特定の人間の活動が実際に水資源や土壌中の量を増やしている。

飲料水の、また果物や野菜の摂取による硝酸塩への暴露を減らすために、例えば肥料や家畜糞尿の散布を作物の必要性に最適なものにするなど、ANSESは特定の習慣を最適化し続けることの重要性を強調している。硝酸塩の品質基準を超えている水供給施設でも削減する必要がある。このテーマに関する科学的意見はANSESがまもなく発表する予定である。

1週間あたり惣菜販売店の肉の摂取は150g未満にすること

硝酸塩と亜硝酸塩への暴露を制限するために、ANSESは消費者に次のことも再認識させている。

惣菜販売店の肉の摂取は1週間あたり150g未満に制限すること;

1日に違う種類の果物や野菜を少なくとも5単位とり、多様なバランスのとれた食事をすること。

 

さらに

亜硝酸塩と硝酸塩の摂取に関連するリスクについての意見

硝酸塩と亜硝酸塩に関するFAQs

 

[EU]RASFF 2022(0710-0716)

警報通知(Alert Notifications)

チェコ共和国産原料ポーランド産珪藻土の鉛高含有、ベトナム産チェコ共和国経由乾燥カルダモンのアントラキノン、インドネシア産オランダ経由ジャスミンティーのアントラキノン、ドイツ産オランダ経由サボイキャベツのテブコナゾール、スウェーデン産食品サプリメントの未承認物質シルデナフィル、ドイツ産ジャガイモのイマザリル、スペイン産アンチョビフィレのヒスタミン、

注意喚起情報(information for attention)

英国産ナツメグのアフラトキシン及びオクラトキシンA、インド産オランダ経由ブドウのラムダ-シハロトリン、中国産スプーンとヘラからの一級芳香族アミンの溶出、トルコ産スパイス調整品のスーダンⅣ、オランダ産未承認新規食品(C60) を含むオリーブオイル(複数あり)、オーストリア産未承認新規食品(C60) を含むアーモンド及びオリーブオイル、米国産未承認新規食品(C60) を含むオリーブオイル、ブルガリア及びアイルランド産未承認新規食品(C60) を含むオリーブオイル、ルクセンブルグ産未承認新規食品(C60) を含む食品サプリメント、オーストリア産乳児用ミルクのグリシジル脂肪酸エステル類の最大許容量超過、スペイン産チルド短尾イカ(大西洋イカ)のカドミウム、スペイン産解凍マグロロインのヒスタミン、レバノン産マジョラムの未承認物質クロルピリホス、アルゼンチン産煎っていないピーナッツのアフラトキシンB1、インド産フルーツ粉末(アムラ粉末)のエチレンオキシド、中国産高麗人参抽出物のプロパモカルブ・ジメトモルフ・テブコナゾール・未承認物質プロシミドン及びプロピコナゾール、ベルギー産原料フランス産小麦粉のオクラトキシンA、

通関拒否通知(Border Rejections)

ジョージア産天然ヘーゼルナッツカーネル11/13 mmのアフラトキシン、トルコ産グレープフルーツのクロルピリホスメチル、インドネシア産割れたナツメグのオクラトキシンA、インドネシア産ナツメグのアフラトキシン、インド産ピーナッツのアフラトキシン、インド産カレーの葉のシフルトリン・カルベンダジム・ジメトエート・イミダクロプリド・プロフェノホス及びチアメトキサム、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(複数あり)、中国産ポリアミド製台所用品のPAAの溶出、インド産ピーナッツバターのアフラトキシンB1、ブラジル産殻付きブラジルナッツのアフラトキシン、インド産イーストエンド米(バスマティ米)のオクラトキシンA、ベトナム産インスタント麺のエチレンオキシド(複数あり)、セルビア産生鮮キュウリのメタラキシル、

 

[EU]ACN年次報告書2021

ACN Annual Report 2021

https://ec.europa.eu/food/safety/acn_en

警戒協力ネットワーク(ACN)は、食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)ネットワーク、行政支援・協力ネットワーク(AAC)、及び農産物不正ネットワーク(FFN)から構成され、メンバー間の情報交換や農産物チェーンにおける公的管理に関する協力を促進するために設計されている。2021年以降、ACNの情報交換は、欧州委員会が管理する独自のオンラインプラットフォーム「iRASFF」を通じて加盟国間で共有されるようになった。この年次報告書は、2021年にiRASFF内で共有された全情報を対象としている。

(以下、RASFFの化学物質に関する内容を抜粋)

2021年に送信された4607件のRASFF通知のうち、4102件は食品、236件は飼料、269件は食品接触物質に関するものであった。2020年との比較では、食品と飼料でそれぞれ19.6%、3.5%のオリジナル通知件数の増加が記録された。食品接触物質に関する当初の通知が昨年に比べて2倍以上に増え、123件(2017~2020年の平均は138件)から2021年には269件になった。このような傾向は、竹の「粉末」で作られたプラスチック製の食品接触物質(FCM)に関するEUの協調行動の直接的な結果である。

2021年、53件のRASFF「インシデント」がシステムを通じて送信された。iRASFFでは、2つ以上の通知が関連している場合にインシデントとなる。最も頻繁な「インシデント」は、エチレンオキシドに関するものであった(25件)。

2021年には、オリジナル通知4607件の3分の1が「警報(alerts)」(1455件)であり、前年比4%増となった。これらの製品は、欧州の国境でブロックされ欧州市場には到達しない(通関拒否通知)が、この数は2020年に減少したが、今回2019年の水準に戻った。

残留農薬

2021年、RASFFで最も多く報告された課題は残留農薬で、これは史上初であった。1231件の通知があり、2020年と比較して61%増加し、2019年と比較して4倍以上に増加した。増加の重要な要因は2020年に認可が更新されなかったクロルピリホスとクロルピリホスメチル。2019年にEFSAがこれらの物質について、発達段階における遺伝毒性影響と神経学的影響の可能性から安全な暴露レベルを確立することはできないと結論づけたため、これ以降、加盟国はこれらの物質に関するすべての不適合をRASFFに通知することになった。また、2020年のゴマに端を発したエチレンオキシドの食品原料への混入事件は、2021年も継続・多様化している。エチレンオキシドによる汚染は468回報告された。エチレンオキシドとその代謝物である2-クロロエタノールの合計が残留基準値を超えているとされた不適合は、食品添加物として様々な製品に使用されていたローカストビーンガムで顕著に確認され、EU史上最大の食品リコールの実施につながった。その後、調査結果は他の種類のガムにも広がり、フードサプリメント、スパイス類、その他のさまざまな品目にも広がったが、頻度は低くなっている。

カビ毒

食品中のカビ毒の存在は、450件(2020年と比較して6%増加したが、2019年と比較して23%減少)の通知があり、例年と同様に3番目に通知が多いハザードの種類となった。ほとんどがアフラトキシンの検出(399件)に関するもので、特にナッツ類(273件)が多い。最も再発した通知は2020年と同様に、トルコ産の乾燥イチジクに関するものであった(57件)。食品に最も頻繁に検出されたカビ毒はアフラトキシンB1で、残りは特にスパイス類と乾燥イチジクで検出されたオクラトキシンA(47件)によるものであった。

その他のハザード

その他のハザードの中で2021年に最も多く届けられたハザードの種類はアレルゲン(198件)、食品添加物及び香料(主に未承認又は高すぎる添加物の含有量に関する176件)、フードサプリメントの未承認物質の存在に関する組成に関する問題(151件)であった。

 

[EU]欧州委員会はおもちゃのコバルトの安全性についての予備的意見にパブリックコメントを開始

Commission launches public consultation on the Preliminary Opinion on the safety of the presence of cobalt in toys

https://ec.europa.eu/newsroom/sante/newsletter-archives/40002

2022年7月15日に、SCHEERが、欧州委員会らの要請により、おもちゃのコバルトの安全性についての予備的意見を発表した。コバルトが発がん性カテゴリー1B、変異原性カテゴリー2及び生殖毒性カテゴリー1Bであることと同定された暴露を考慮して、の意見である。2022年8月18日まで意見を受け付ける

Opinion on the safety of the presence of cobalt in toys

https://health.ec.europa.eu/system/files/2022-07/scheer_o_043.pdf

コバルトはニッケルやニッケル含有合金の不純物として、あるいはコバルト含有着色剤としておもちゃに存在する可能性がある。一部の例外を除き暴露評価に必須のデータが無く定量的暴露評価ができずリスク評価もできない。

吸入曝露の可能性があるのはコバルト含有色素を含む粉末状のおもちゃの素材からなのでそのような場合はコバルトを含まない色素を使うべきである。3Dペンや3Dプリンターにコバルト含有素材が使われる新たな傾向には特に注目すべきである。

経口暴露についてはおもちゃからのコバルトの新たな溶出限度を計算したが、コバルトの経口暴露による発がん性の不確実性のために、溶出限度は技術的に達成できる最小値を助言する。

経皮暴露については、布や皮革へのコバルト含量制限が,皮膚に接触する全てのおもちゃからの子どもが感作されることからも保護すると考えられる

 

[FDA]FDAは隠された有効成分で汚染されたハチミツベース製品を販売する4社に警告

FDA Warns Four Companies for Selling Tainted Honey-based Products with Hidden Active Drug Ingredients

July 12, 2022

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-warns-four-companies-selling-tainted-honey-based-products-hidden-active-drug-ingredients

本日、米国食品医薬品局(FDA)は消費者に重大な健康リスクをもたらす可能性のあるハチミツベースの製品を違法に販売した4社に警告書を掲示した。FDAの研究所の検査から、製品のサンプルに、FDAが承認した勃起不全の男性の治療に使われる医薬品であるシアリス(タダラフィル)とバイアグラ(シルデナフィル)に存在する有効成分など、製品表示に記載されていない有効成分が含まれていることがわかった。シルデナフィルとタダラフィルは免許を持つ医療従事者の監督のもとで使用するよう制限されている。これらの表示されていない成分は、ニトログリセリンなど、処方箋に含まれることのある硝酸塩と相互作用する可能性があり、血圧を危険なレベルにまで下げる可能性がある。糖尿病、高血圧、高コレステロール、心臓病の人はよく硝酸塩を服用する。

警告書を発行した製品:

・Thirstyrun LLC (US Royal Honey LLCとしても知られている)

・MKS Enterprise LLC

・Shopaax.com

・1am USA Incorporated dba Pleasure Products USA

タダラフィル及び/またはシルデナフィルを含む食品を販売する企業は連邦法に違反している。警告書に挙げた製品のいくつかは、病気の治療、緩和、処置、予防に使用することを意図したFDAの承認のないものなので、未承認新薬でもある。場合によっては、製品の強調表示が、医学的監督下でのみ診断または治療できる病気に言及していることもある。さらに、タダラフィルとシルデナフィル製品はダイエタリーサプリメントの定義から除外されているにもかかわらず、警告書に挙げた一部の製品には、ダイエタリーサプリメントとして示されているものもある。FDAは、15営業日以内に、これらの問題への対処方法を説明するか、この製品が法律に違反していないと考える理由や裏付けとなる情報を提供するよう、企業からの回答を要請している。この違反に迅速に対処できないと製品差し押さえ及び/または差し止め命令など法的措置となる可能性がある。

性機能増強用の市販製品を使用している、あるいは使用を検討している消費者は、一部の成分が医薬品やダイエタリーサプリメントと相互作用する可能性があるため、まず医療従事者と対話する必要がある。FDAの健康詐欺製品データベースは、消費者がこれらの潜在的に危険な約1,000製品を特定するのに役立つ。

消費者は、ある製品が反応あるいは病気の原因となる可能性があると考えた場合、すぐにその製品の使用を止め、医療従事者に連絡する必要がある。FDAはまた、医療従事者と消費者にFDAが規制する製品と関連する有害反応を、MedWatch や the Safety Reporting Portal.を使ってFDAに報告するよう奨励している。

関連情報

消費者への最新情報

https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/caution-consumers/

汚染された性機能増強製品

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/tainted-sexual-enhancement-products

ダイエタリーサプリメント

https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/dietary-supplements

 

[FDA]プレスリリース

-FDAは食品包装材における特定のフタル酸エステル類の使用を制限し、最新の食品接触用途及び安全性データに関する情報提供を求める文書を発行する

FDA Limits the Use of Certain Phthalates in Food Packaging and Issues Request for Information About Current Food Contact Uses and Safety Data

July 19, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-limits-use-certain-phthalates-food-packaging-and-issues-request-information-about-current-food

更新

2022年5月19日に発表した要請で情報提供の締め切りが7月19日だったが延長予定

 

-FDAとStop Foodborne Illnessが第4回食品安全文化ウェビナーを共同開催する

FDA and Stop Foodborne Illness to Co-Host 4th Food Safety Culture Webinar

July 18, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-and-stop-foodborne-illness-co-host-4th-food-safety-culture-webinar

 米国食品医薬品局(FDA)と非営利の公衆衛生団体であるStop Foodborne Illnessは、「What More Do You Want to Know About Food Safety Culture」と題した第4回ウェビナーを発表する。

 

-FDAは収穫前農業用水に関する要件の遵守期限の延長を提案する

FDA Proposes Compliance Date Extension for Pre-Harvest Agricultural Water Requirements

July 18, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-proposes-compliance-date-extension-pre-harvest-agricultural-water-requirements

 FDAは、2021年農業用水提案規則に記載された収穫前農業用水要件の遵守日を延長するための規則制定案の補足通知を発表した。

 

[FDA]リコール

-緊急:鉛含有量により、Natierra オーガニック冷凍-乾燥ブルーベリー(lot # 2021363-1 & 2022026-1) の全国の自主的リコール

URGENT: Nationwide Voluntary Recall of Natierra Organic Freeze- Dried Blueberry (lot # 2021363-1 & 2022026-1) Due to levels of Lead

July 14, 2022

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/urgent-nationwide-voluntary-recall-natierra-organic-freeze-dried-blueberry-lot-2021363-1-2022026-1

 BrandStorm Inc.社は、鉛含有量に懸念があり、Natierra オーガニック冷凍-乾燥ブルーベリー(ロット番号2021363-1及び2022026-1)を自主的にリコールすることを発表した。

 

- Crown Prince, Inc.はPFASの検出可能な濃度のため、Smoked Baby Clams in Olive Oilの自主的リコールを発表する

Crown Prince, Inc. Issues Voluntary Recall of Smoked Baby Clams in Olive Oil Due to the Presence of Detectable Levels of PFAS Chemicals

July 15, 2022

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/crown-prince-inc-issues-voluntary-recall-smoked-baby-clams-olive-oil-due-presence-detectable-levels

 CROWN PRINCE, INC.は、FDAの検査でパー及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)が検出されたため、Natural Smoked Baby Clams in Olive Oilをリコールする。

 

[FDA]公示

- Adam’s Secret Extra Strength 3000 Platinum (白色包装) は表示されない医薬品成分を含む

Adam’s Secret Extra Strength 3000 Platinum (White Packaging) contains hidden drug ingredient

7-15-2022

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/public-notification-adams-secret-extra-strength-3000-platinum-white-packaging-contains-hidden-drug

FDAは様々なウェブサイト及び一部の小売店で、性機能増強剤として販売されている可能性があるAdam’s Secret Extra Strength 3000 Platinum を購入または使用しないよう、消費者に助言する。製品成分にタダラフィルが含まれている。製品写真あり。

以下同様

- Adam’s Secret Extra Strength Amazing Blackは表示されない医薬品成分を含む

Adam’s Secret Extra Strength Amazing Black contains hidden drug ingredient

7-15-2022

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/public-notification-adams-secret-extra-strength-amazing-black-contains-hidden-drug-ingredient

製品成分にタダラフィルが含まれている

 

- Adam’s Secret Extra Strength Blueは表示されない医薬品成分を含む

Adam’s Secret Extra Strength Blue contains hidden drug ingredient

7-15-2022

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/public-notification-adams-secret-extra-strength-blue-contains-hidden-drug-ingredient

タダラフィルが含まれている

 

- Adam’s Secret Extra Strength Purple は表示されない医薬品成分を含む

Adam’s Secret Extra Strength Purple contains hidden drug ingredients

7-15-2022

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/public-notification-adams-secret-extra-strength-purple-contains-hidden-drug-ingredients

シルデナフィル、タダラフィルが含まれている

 

[Codex]プレスリリース

-モンゴルのTVニュースが取り上げた新しいCodex AMRプロジェクト

New Codex AMR project covered on Mongolian TV news

29/06/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1565347/

 モンゴルは、食品及び農業部門における自国の薬剤耐性(AMR)サーベイランスシステムの評価を開始した最初の国の一つである。これは、Codexの新しいACT(AMR Codex Texts)プロジェクトの一環で行われており、ゴールデンタイムのニュースとして3つの全国TVネットワークで紹介された。モンゴルのACTプロジェクトマネージャーのJargalmaa Radnaabazar氏によると、モンゴルでは8つの研究所出身の25名のスペシャリストを訓練し、ATLASSツールに関するワークショップなどを実施している。

 

*Guibiao YE氏が第53回Codex残留農薬部会を紹介する

Guibiao YE introduces the 53rd session of the Codex Committee on Pesticide Residues

03/07/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1568922/

 2022年7月4-8日、第53回Codex残留農薬部会(CCPR)がバーチャル開催される。Codex事務局が新しい部会議長であるホスト国中国のGuibiao YE氏に尋ね、主に次のことを回答した;

これまで私(Guibiao YE氏)は、中国の農業農村部の農薬管理研究所において、農薬登録の管理に30年以上携わってきた。その中で、農薬による影響の評価、農薬の輸出入貿易の管理、条約の実施、残留農薬の評価、残留農薬基準の策定などの業務を行った。さらに2013年からは、幸運なことに、FAO/WHO合同残留農薬専門家会議の専門家となり、残留農薬について多くのCodex基準の評価と勧告を行い、Codexの作業に深く関わってきた。そして7年前にCCPRの事務局長となり、運営や部会の準備の責任を担ってきた。そのことが私にとってCodexの作業に実際に携わる良い機会となった。

 Codexの残留農薬基準は、世界の消費者の健康保護だけでなく、全ての国の公平な貿易を推進するものであり、世界の食料安全保障を確保し、世界中の農業関係者の収入増加に非常に重要である。

第53回CCPRがバーチャルで開催されるにあたり、3つの課題がある。1つ目は時間的な制約、2つ目はネットワーク回線の状態が完全でない国があること、3つ目は同時通訳がより難しくなるということである。

*CCPR53

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/meetings/detail/en/?meeting=CCPR&session=53

 

-CCPR / 国の残留農薬基準の策定に重要な影響を与える

CCPR / a significant influence on the development of national pesticide residue standards

05/07/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1585309/

 第53回CCPRの開催にあたり、中国農業農村部のLI Jinxiang氏、中国及び朝鮮民主主義人民共和国のFAO代表のCarlos Watson氏、Codex議長のSteve Wearne氏が挨拶し、LI Jinxiang氏はCCPRの旧議長を務めたQIAO Xiongwu博士の貢献を讃えた。

 

[Derfa]食品中残留農薬:2021四半期モニタリング結果

Pesticide residues in food: quarterly monitoring results for 2021

Last updated 12 July 2022

https://www.gov.uk/government/publications/pesticide-residues-in-food-quarterly-monitoring-results-for-2021

第4四半期報告書

Quarter 4 2021 report: pesticide residues monitoring programme

https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1089649/Quarter_4_2021_PRiF_report.pdf

2021年のサーベイランスプログラムでは、調査対象の各食品に含まれる最大397種類の農薬について測定している。第4四半期のプログラムでは、25種類の食品から1,085サンプルを調査した。サンプルの多くは、2021年10月初旬から12月末までの間に収集された。1,085サンプルのうち、581サンプルから残留物を検出し、そのうち41サンプルから最大基準値(MRL)を超える残留物が検出されたが、そのほとんどは健康上の懸念を引き起こすものではなかった。

HSEは、検出された残留農薬について、必要に応じてスクリーニングと詳細なリスク評価を実施しており、また残留物の濃度が安全基準を超える摂取につながる可能性がある事例については、例外なく詳細なリスク評価を行う。さらに、英国では認可されていないが輸入食品に検出された残留農薬について遺伝毒性による健康有害影響を検討する。現在の濃度では、遺伝毒性によるリスクは低いと結論した。

今期実施した個別品目の(この報告書で見つかった農薬のそれぞれについての)長期暴露スクリーニング評価では、長期的な健康への悪影響の可能性を示すものはなかった。

今回、詳細リスク評価を実施したのは、調理用バナナ(クロリピリホス)、バナナ(チアベンダゾール)、さや付き豆(クロリピリホス/ジメトエート及びオメトエート)、グレープフルーツ(イマザリル、チアベンダゾール)、ブドウ(エテホン)、乳児用食品(塩素酸塩)、ケール(シペルメトリン)、メロン(イマザリル)、オリーブオイル(クロリピリホス、ジメトエート)、加工済みペッパー(クロリピリホス)。複数農薬の短期暴露に関する詳細評価は、乳児を対象としたさや付き豆のジメトエート、オメトエート及びプロフェノホスと、クロリピリホス、モノクロトホス及びオメトエートの2種類であった。いずれも健康への短期影響はありそうもないと結論された。また、今後の課題として挙がったのは、塩素酸塩、DDT、加工係数など。

 

[COT]ターメリックとクルクミンサプリメントのヒト健康へのリスクの可能性についてのディスカッションペーパー及び補遺

Discussion paper on the potential risk to human health of turmeric and curcumin supplements

Last updated: 07 July 2022

https://cot.food.gov.uk/Discussion%20paper%20on%20the%20potential%20risk%20to%20human%20health%20of%20turmeric%20and%20curcumin%20supplements

このディスカッションペーパーでは、ターメリックサプリメントの安全性について2022年3月29日のCOT会合以降の最新のレビューを紹介する。最近委託された製品調査、クルクミノイドのアジュバント化合物(ピペリンなど)による生物学的利用能への影響/薬物動態に関する最近の文献のレビュー、これらのサプリメントを長期的に摂取した場合のクルクミノイドの安全性に関する最新のレビューを考慮している。また、合成クルクミノイドや、「吸収率が高い」と謳ってマイクロ粒子やナノ粒子にしたクルクミノイドといった、珍しい、あるいは新規の成分を含むサプリメントに関して、最新の市場「スナップショット」が議論されている。

クルクミン(E 100)については2004年にJECFAがADIを3 mg/kg体重/日と設定し、EFSAが2010年に追認している。クルクミンの生物学的利用能は低いが、合成クルクミンは化学的変化によって生物学的利用能が高められ、毒性プロファイルが変更になる可能性もある。しかし最近の知見によると、アジュバント化合物ピペリンの使用は、以前の報告のようなクルクミノイドの生物学的利用能を増大させないかもしれない。

食品添加物又はスパイスとしてのターメリック/クルクミンの暴露量は、一般的にADIを下回る。しかし、サプリメントを介して多量摂取した場合にはADIを超過する可能性がある。FSAが実施した15のサプリメントに関する最近のクルクミノイド調査によると、それらのうち2つがラベルに記された用量に従って摂取するとADIを超える。ADIとの比較において、ピペリンなどの他の化学物質が存在することによる潜在的なトキシコキネティクス変化は関係しないだろう。

これまでCOTは、肝毒性とターメリックとの間に関連性があると結論してきたが、症状が特異的な薬物反応と一致しており、汚染物質による影響の可能性を排除できなかった。

ターメリック/クルクミンのサプリメントの重金属汚染は知られているが、2021~2022年の100製品を対象にした英国調査では、粉末スパイス1製品のみ、鉛濃度(2.25 mg/kg)がEUの最大基準値1.5 mg/kgを超過した。

COTは以前に(2019年9月)、ADIの大幅な超過はヒトへの健康リスクをもつ可能性があること、特に、他の医薬品を併用している場合と、肝胆道機能が変化している人にとって可能性が高い、ということに合意している。

「不妊:悪魔の計略」は反ワクチンの巧妙なプロパガンダである

Infertility: A Diabolical Agenda Is Anti-Vaxx Sleight-of-Hand Propaganda

Jonathan Jarry M.Sc. | 12 Jul 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/covid-19-critical-thinking-pseudoscience/infertility-diabolical-agenda-anti-vaxx-sleight-hand-propaganda

不祥事をおこした反ワクチン活動家Andrew Wakefieldが指揮した映画は、ケニアの女性が破傷風のワクチン接種を装って不妊にされたという虚偽の主張に基づく。彼の真の目的はアフリカとは何の関係もない。

2022年6月10日に発表されたInfertility: A Diabolical Agenda(不妊:悪魔の計略)と題する30分のドキュメンタリーの嘘を解説。Andrew WakefieldとRobert F. Kennedyの作った動画。真の目的はCOVID-19ワクチンが危険だと主張すること。

 

[NTP]NTP年次報告書2021

NTP Annual Report

Updates for Fiscal Year 2021

https://ntp.niehs.nih.gov/annualreport/2021/index.html

 

[NTP]情報要請;連邦PFAS研究開発戦略に情報提供するための重要なデータギャップとニーズを同定する

Request for Information; Identifying Critical Data Gaps and Needs To Inform Federal Strategic Plan for PFAS Research and Development

07/13/2022

https://www.federalregister.gov/documents/2022/07/13/2022-14862/request-for-information-identifying-critical-data-gaps-and-needs-to-inform-federal-strategic-plan

科学技術政策オフィス(OSTP)が全ての関係者から、PFASのいくつかの側面についての研究開発におけるデータ不足を同定するための情報を要請する。その情報は連邦協調PFAS研究開発のための戦略計画に使われる。2022年8月29日まで。

 

[FSAI]2022年8月7日からEUで二酸化チタンが食品添加物として認可されない

Titanium Dioxide is no Longer Authorised as a Food Additive in the EU from 7 August 2022

Friday, 15 July 2022

https://www.fsai.ie/news_centre/titanium_dioxide_15072022.html

食品添加物としての二酸化チタンの食品への使用禁止になる規則について。FAQは以下。

https://www.fsai.ie/faq/efsa_opinion_titanium_dioxide.html

 

[HK]法令違反

-包装されたオリーブオイルのサンプルが栄養表示規則に違反する

Prepackaged Olive Oil sample not in compliance with nutrition label rules

July, 15 2022 (Friday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220715_9630.html

スペイン産オリーブオイルの多価不飽和脂肪酸が1.5 g/ 15 mL (10 g/100 mL)という表示のところ5.4 g/100 mL検出された。

 

-包装された乾燥白菜サンプル中の金属汚染が基準値超過する

Metallic contaminant exceeds legal limit in prepackaged dried Chinese white cabbage sample

Monday, July 18, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220718_9632.html

中国産乾燥白菜のサンプルが0.5 ppmの基準値を超過する0.58 ppmのクロムを含むと考えられる。

 

論文

COVID-19パンデミック中の危険なプラセボ:一連のホメオパシーArsenicum Album誘発性肝障害

Dangerous Placebo During the COVID-19 Pandemic: A Series of Homoeopathic Arsenicum Album-Induced Liver Injury

Arif H. Theruvath et al.,

Cureus 14(6): e26062. doi:10.7759/cureus.26062

https://www.cureus.com/articles/102264-dangerous-placebo-during-the-covid-19-pandemic-a-series-of-homoeopathic-arsenicum-album-induced-liver-injury

症例1 COVID-19を予防する「免疫強化」サプリメントとして宣伝されていたホメオパシーArsenicum Album 30C(三酸化ヒ素から作ったとされる)を使用して代償性非アルコール性脂肪性肝炎関連肝硬変と糖尿病になった70歳男性。爪と毛髪のヒ素濃度が極めて高かった

症例2  AA30使用で急性肝炎の68才男性

症例3  AA30使用で胆汁うっ滞性黄疸になった48才過体重の女性

(30Cのホメオパシーのはずが、ヒ素が思いっきり検出されている)