[EFSA]意見等
-家禽用Komagataella phaffii ATCC PTA‐127053 株で生産したエンド‐1,4‐β‐キシラナーゼ(Xygest™ HT)からなる飼料添加物の安全性と有効性(Kemin Europa N.V.)
Safety and efficacy of a feed additive consisting of endo‐1,4‐β‐xylanase produced by Komagataella phaffii ATCC PTA‐127053 (Xygest™ HT) for poultry (Kemin Europa N.V.)
EFSA Journal 2022;20(7):7439 21 July 2022
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7439
(科学的意見)
-全ての動物種用トコフェリルリン酸混合物(TPM)からなる飼料添加物の安全性と有効性(Avecho biotechnology limited)
Safety and efficacy of a feed additive consisting of tocopheryl phosphate mixture (TPM) for all animal species (Avecho biotechnology limited)
EFSA Journal 2022;20(7):7438 21 July 2022
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7438
(科学的意見)
-乳牛用、牛肥育用、マイナー反芻動物種用、ラクダ用Saccharomyces cerevisae CNCM I‐1077 (Levucell® SC)株からなる飼料添加物の有効性の評価(Lallemand SAS)
Assessment of the efficacy of the feed additive consisting of Saccharomyces cerevisae CNCM I‐1077 (Levucell® SC) for dairy cows, cattle for fattening, minor ruminant species and camelids (Lallemand SAS)
EFSA Journal 2022;20(7):7431 19 July 2022
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7431
(科学的意見)
-全ての動物種用Pediococcus pentosaceus DSM 32292株からなる飼料添加物の安全性と有効性(Marigot Ltd t/a Celtic Sea Minerals)
Safety and efficacy of a feed additive consisting of Pediococcus pentosaceus DSM 32292 for all animal species (Marigot Ltd t/a Celtic Sea Minerals)
EFSA Journal 2022;20(7):7426 18 July 2022
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7426
(科学的意見)
-イヌ用Limosilactobacillus reuteri (以前は Lactobacillus reuteri) DSM 32203株からなる飼料添加物の有効性の評価(NBF LANES)
Assessment of the efficacy of a feed additive consisting of Limosilactobacillus reuteri (formerly Lactobacillus reuteri) DSM 32203 for dogs (NBF LANES)
EFSA Journal 2022;20(7):7436 18 July 2022
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7436
(科学的意見)
-トウモロコシのデルタメトリンの既存MRLの改定
Modification of the existing maximum residue level for deltamethrin in maize/corn
EFSA Journal 2022;20(7):7446 20 July 2022
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7446
(理由付き意見)
-ホスメットの既存MRLsのレビュー
Review of the existing maximum residue levels for phosmet according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005
EFSA Journal 2022;20(7):7448 20 July 2022
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7448
(理由付き意見)
さらなる検討が必要。
-合成生物学によって得られた遺伝子組換え植物の食品及び飼料のリスク評価への既存のガイドラインの妥当性の評価
Evaluation of existing guidelines for their adequacy for the food and feed risk assessment of genetically modified plants obtained through synthetic biology
EFSA Journal 2022;20(7):7410 20 July 2022
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7410
(科学的意見)
合成生物学(SynBio)は、新しい生物学的システムを開発し、生きた細胞、組織、生物に新しい機能を与えることを目的とした、分子工学と生物学の橋渡しとなる学際的な分野である。EFSAは、既存のリスク評価のガイドラインの妥当性と十分性を特定する目的で農産食品のSynBio開発を評価し、ガイドラインの改定が必要かどうか判断するよう欧州委員会に依頼されている。この文脈で、GMOパネルは、農産食品/飼料におけるSynBio開発や、SynBioを通して得た次の10年で市販されそうな、遺伝子組み換え植物(GMPs)の分子キャラクタリゼーションと環境リスク評価の既存のガイドラインの妥当性と十分性を評価する意見を以前に採択している。上記を補完して、この意見でGMOパネルは、SynBioを通して得たGMPs食品・飼料のリスク評価のための既存のガイドラインの妥当性と十分性を評価した。選択された架空のケーススタディを用いて、GMOパネルは現在および近い将来のSynBioアプローチを通して得たGMPs由来食品・飼料にもたらされる可能性のある新しい潜在的なハザードとリスクを特定しなかった。いくつかのSynbioの適用で既存のガイドラインは妥当で十分だと考えられる。他のケースで、既存のガイドラインは適切ではあるが十分でないため更新が必要な可能性がある;更新が必要な分野には新しいたんぱく質の安全性評価や比較分析に関連するものが含まれる。GMOパネルは、将来のガイダンス文書で、食品と飼料のリスク評価におけるSynBioデザインとモデリングによって得られる知見をどのように組み入れるかについて指示を出すよう助言し、SynBio GMPsのリスク評価を促進し、必要なデータ量を減らすための方法として、SynBioデザインプロセスを通して食品と飼料の安全性の側面を十分配慮するよう奨励する。
-リスク評価方法論の研修過程:不確実性の分析、証拠の重みづけ評価と生物学的妥当性の評価
Training courses in risk assessment methodologies: uncertainty analysis, weight of evidence assessment and assessment of biological relevance
EFSA Journal 2022;19(7):EN-7522 19 July 2022
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-7522
(外部科学報告書)
EFSAのガイダンスに関する理解、取り込み、実践を支援するための研修の報告書。不確実性に関する8コースと証拠の重みと生物学的妥当性に関する6コース、全部で14の研修が企画され、全部で630人が参加した。アンケートの満足度は平均で5段階評価の4.3だった。
-科学的助言の確実性の程度:リスク管理とコミュニケーションの密接な関係
Degree of certainty in scientific advice: implications for risk management and communication
EFSA Journal 2022;19(7):EN-7377 13 July 2022
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-7377
(イベント報告書)
透明性への取り組みの一環として、欧州食品安全機関(EFSA)は不確実性の評価や科学的意見の確実性の程度を表現するために改善したアプローチを開発してきた。このワークショップの目的は、EFSAによる情報提供やリスク管理者の有用性をレビューし改善することと、リスク管理者がそれを解釈し仕事で使用する支援をすることだった。2日半に及ぶ議論から生じた9つの主なポイントを強調して閉幕した。
[EU]RASFF 2022(0717-0723)
警報通知(Alert Notifications)
オランダ産雌豚の死骸・肉・臓器のトリメトプリム・スルファメトキサゾール及びオキシテトラサイクリン、レバノン産オランダ経由クスクススパイスミックスのスーダンⅠ及びⅣ、フランスを目的地としたコートジボワール産パーム油の未承認着色料スーダンⅠ・Ⅲ及びⅣ、中国産メラミン製プラスチック皿からのメラミンの溶出、インド産米の未承認物質トリシクラゾール、サウジアラビア産オランダ経由クッキーの過剰量のグリシジル脂肪酸エステル類、中国産陶皿からの鉛の溶出、
注意喚起情報(information for attention)
中国産食品サプリメントのカドミウム、マダガスカル産米のフェニトロチオン及び未承認物質カルバリル及びイソプロカルブ、中国産有機ピープロテイン 80%のカドミウム、セルビア産生鮮桃の未承認物質クロルピリホス、イタリア産フランスで飼育した牛由来冷凍ビーフのツラスロマイシン、ケニア産チリの未承認物質プロシミドン、チュニジア産有機デーツで生産したデーツシロップのアフラトキシンB1及びオクラトキシンA、アルゼンチン産ピーナッツのアフラトキシン(複数あり)、イタリア産ホウレン草のカドミウム、トルコ産オレンジのクロルピリホスメチル、中国産紙ストローの3-モノクロロ-1,2-プロパンジオール (3-MCPD)、
通関拒否通知(Border Rejections)
トルコ産乾燥イチジクの花冠のアフラトキシン、トルコ産角切りイチジクのアフラトキシン、アルバニア産ラズベリーの葉のクロルピリホス、アルゼンチン産サイダーの未承認添加物E468、インド産オクラのジメトエート、中国産メラミン製品からのメラミンの溶出、マダガスカル産ターメリックの鉛、トルコ産天然乾燥イチジクのアフラトキシン、トルコ産生鮮ペッパーのクロルピリホスメチル、中国産生鮮ライチのクロルピリホスエチル・ジメトモルフ・フルオピコリド・イマザリル・プロパモカルブ・プロピコナゾール・ルフェヌロン及びチオファネートメチル、
[FSA]英国の食用昆虫業界に関して明確にするための意見募集を開始する
Consultation launched to bring clarity to British edible insect industry
13 July 2022
英国食品基準庁(FSA)は、食用昆虫が安全性を評価するための新規食品認可プロセスを経る間、市場に残り続けることを認める計画を打ち出した。
本計画は本日開始された公パブコメで詳述され、FSAは受け取った回答に応じ、できるだけ早く必要な法改正を進めることに強い意欲を示している。
FSA政策部長のRebecca Sudworthは、次のように述べる:
「我々の提案は、2020年12月末以降、ヒト食用昆虫をめぐる不確実性の影響を受けている事業者の役に立つだろう。EU(欧州連合)離脱時、食用昆虫を含む新規食品に関する経過措置は、事業者が英国規制当局に申請書を提出するよう改正しなかった。食用昆虫製品が市場に出続けるためには、英国での完全な認可プロセスを通過する必要がある。そのため、申請書の提出やプロセスにおけるFSAのサポートについて、事業者に相談することを勧める。食用昆虫に関心のある方、特に業界団体や食品事業者には、我々との協議を通じて声を上げていただきたい。」
2021年8月、FSAは、経過措置が2020年1月2日に終了したとする文書を発行したが、これは誤っており、FSAは現在、英国では経過措置が引き続き適用されることを自治体とともに明確にしている。
本日示された提案では、食用昆虫が2018年1月1日以前にEU又は英国で販売され、2019年1月1日までに新規食品としての認可をEUに申請した場合、販売を継続することができる。
これらの食用昆虫の認可申請は、2023年12月31日までにFSA又はFSS(スコットランド食品基準庁)に行わなければならず、申請が審査される間、製品を市場に継続して残すことができる。
この協議を支援するためにFSAとFSSが実施した一般リスク評価では、適切な措置がとられていれば、食用昆虫製品に関連する安全性リスクは低いことが判明している。これには、昆虫の汚染を避けるための飼育時の衛生対策、加熱処理及びアレルギーのリスクに関する表示などが含まれる。
FSAの調査によると、英国の消費者は肉の代替品に注目し、健康的で持続可能な食生活への関心と需要が高まっており、英国の消費者の4分の1以上(26%)が食用昆虫を食べてみたいと思っており、その理由として最も多いのが環境への配慮や持続可能性である。
英国食用昆虫協会マネージングディレクターであるNick Rousseau博士は、次のように述べる:
「我々の業界は、長年にわたって昆虫の養殖を行い、エキサイティングで革新的な新しい食品を英国で開発してきたが、この業界は成長を続けている。我々の協会が行った広範な試験とユーザー試験から、食用昆虫製品が専門的に養殖、製造されれば、環境に配慮する消費者に栄養価が高く、美味しくて安全な食品を提供でき、タンパク質需要のかなりの割合を満たすことができるということが示された。 FSAの支援は我々が市場で実力を発揮する上で大きな変化をもたらすだろう。」
詳細な情報及び相談への対応方法については、FSAのウェブサイトで確認できる。
[BfR] どのくらい危険なのか?ドイツ連邦リスク評価研究所設立20周年を記念したカバーストーリーが掲載された「BfR2GO」新号
How risky is it? New "BfR2GO" issue with cover story on 20th anniversary of the German Federal Institute for Risk Assessment
05.07.2022
2002年、ドイツで初めてBSE(牛海綿状脳症)感染牛が誕生したとき、消費者保護は危機に陥った。それをきっかけに設立されたのがドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)である。今年、BfRは20周年を迎え、科学雑誌『BfR2GO』の第10号では、研究所の成り立ちや活動、そして今後の課題に焦点を当てる。BfRにおける健康リスク評価の実施は、過去数十年で大きく変化した。「知識は増え続けている。以前は1枚の紙の評価が、今日では1,000ページを超えることもある。今回のBfR2GOは、リスクを特定する探求は、常に、何より、科学知識の探求であることを示す。」と、BfR所長のDr Dr Andreas Hensel教授は述べる。
リスクを特定、評価し、それを低減する方法を模索する:これこそが、人々にとってより安全な世界を実現するためのBfRの貢献である。BfR2GOのカバーストーリーでは、リスク評価におけるBfRの課題、今後の発展や傾向について考察する。BfRの実務はどのように変化したのか?健康リスク評価はどのように機能するのか?近年、最も重要な問題は何だったのか?このような点を含め、本号の記念特集で取り上げている。
また、誌面では、パンデミック時の科学コミュニケーションはどのように機能するか?生物学者でジャーナリストのDagny Lüdemann(「Zeit online」科学担当チーフレポーター)が、ジャーナリストにとって科学をより正直に、不確実性を含めて伝えることがなぜ重要なのか、そしてそれが実現しなかった場合、どんな結果になるのかを解説する。
BfR2GOの食品安全に関する章では、ビーガン料理で人気のルピナスの種子とその苦味(後味)について取り上げる:アルカロイドは、種を分解し、苦みを除去しないと中毒を起こす可能性がある。また、BfR2GOでは、旅行者が熱帯・亜熱帯地域で食事をする際の注意点も紹介する。キーワード:国が違えば、病原菌も違う。
その他のテーマ:ヒトの化学物質への暴露量を事前に推定及び評価する方法、特定のタトゥーインクの使用禁止について、ホルモン活性物質の発がん性を動物実験なしで研究する方法など。
科学雑誌BfR2GOは、消費者の健康保護と実験動物の保護に関する研究とその評価について、コンパクトに知識満載の最新かつ確かな根拠の情報を提供する。毎号、BfRの現在の活動分野のひとつに焦点を当てたトピックを紹介し、BfRのあらゆる分野からの報告、インタビュー及びニュースも掲載されている。
科学雑誌『BfR2GO』本号へのリンク
https://www.bfr.bund.de/en/bfr2go__issue_1_2022__main_topic__20_years_bfr-302496.html
以下、記事の目次。
「危機から生まれる」- 特集 2ページ
「リスクを探す」- 主要トピック 6ページ
「使命:安全な日常生活」- BfR20年のハイライト 12ページ
「野菜の代わりに錠剤?」- インフォグラフィック:ビタミンサプリメント調査 16ページ
「科学をもっと正直に伝えなければならない」-ZEIT-onlineの科学担当チーフレポーター、Dagny Lüdemannへのインタビュー 18ページ
「sugar=砂糖なのか?」- 砂糖の種類に関する知識に関する調査 20ページ
「スペクトラム リスク認知」 21ページ
「苦いから毒になる 」- ルピナスの種 22ページ
「望ましくない物質」 - エチレンオキシド 24ページ
「悔いなく消費」- (亜)熱帯の旅行 25ページ
「皆の口の中で」-フッ化物 26ページ
「人気があるが、ほとんど研究されていない」-植物性栄養学 28ページ
「粉ミルクの正しい作り方」- インフォグラフィック 30ページ
「スペクトラム 食品の安全性」 31ページ
「色の終わり?」- タトゥー用インク 32ページ
「暮らしの中の実用品 - 子どもに危険」 家庭における危険の発生源 36ページ
「ほとんどすべてのもののリスク」- エクスポゾーム38ページ
「異常な有糸分裂」- 中心体 40ページ
「重要な部分」 - 実験動物に関する統計 43ページ
「研究所内部」 44ページ
論文
-デマの制度化-ダイエタリーサプリメント届け出法2022
Institutionalizing Misinformation — The Dietary Supplement Listing Act of 2022
Pieter A. Cohen et al.,
July 7, 2022 N Engl J Med 2022; 387:3-5
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp2205675
サプリメント製造業者に製品名と成分、健康強調表示をFDAに届け出することを求めたダイエタリーサプリメント届け出法2022法案が議会に提出された。この法ではFDAに検索可能なサプリメントデータベースを作り維持することも要求する。提案したDick Durbin議員によれば消費者を守るためだという。しかしこの法案で公衆衛生が守られる可能性はほとんどなく、むしろ現行の緩い規制が変わらないのに改革されたかのような印象を与える可能性がある
(機能性表示食品のことだよね:Institutionalizing Misinformation)
-バーベキューに火をつけろ!
Fire Up That Barbecue!
Joe Schwarcz PhD | 20 Jul 2022
https://www.mcgill.ca/oss/article/health-and-nutrition-general-science/fire-barbecue
夏だ!つまりバーベキューの季節だ。恩恵のみを得るように注意深くやろう!
(中毒や発がん物質等への注意。最大のリスクは食べ過ぎとのこと)
-Scienceニュース
専門家委員会の助言に逆らってWHOの長はサル痘を国際的緊急事態と宣言した
Declaring monkeypox an international emergency, WHO chief rejects expert panel’s advice
23 JUL 202210:45 AMBYKAI KUPFERSCHMIDT
緊急委員会のギリギリ過半数がWHOが最大の警鐘を鳴らすことに反対した
助言委員会の再度の却下にも関わらず、WHOは本日サル痘をPHEICと宣言した。2005年にPHEICシステムが作られて以降、委員会の支持なしにそのような宣言をしたのはこれが初めてである。
「これは事務局長による前例のない大きな決定である。」PHEICs の歴史を調べているLondon School of Economics のグローバルヘルス専門家Clare Wenhamがいう。
PHEICの投票はサル痘とLGBTヘルスの専門家により、一般的グローバルヘルスの専門家は反対が多かった
(今後への影響も含めて、立場によって判断が分かれそうな事案。)
-THE LANCET
モザンビークのヘロイン使用への取り組み
Tackling heroin use in Mozambique
Sophie Cousins
THE LANCET WORLD REPORT| VOLUME 400, ISSUE 10348, P262-263, JULY 23, 2022
モザンビークではヘロイン使用が急増し、害を減らす計画が拡大されている。
アフガニスタンで生産されたヘロインはパキスタン経由で輸出され東から南のアフリカの沿岸に到着し西洋市場に向かう。も残イークはこの国際薬物販売ルートの中継地になっていて毎年10-40トンのヘロインが動いていると推定されている。20年間膨大な量のヘロインが動いていたものの、モザンビークの薬物使用率は近隣のケニアやタンザニアに比べると歴史的には低かった。しかしその傾向が変化してヘロインを使う人が増加している
英国は新生児の全ゲノム配列決定を探る
UK explores whole-genome sequencing for newborn babies
Talha Burki
THE LANCET WORLD REPORT| VOLUME 400, ISSUE 10348, P260-261, JULY 23, 2022
予備的計画では赤ちゃんに膨大な病気のスクリーニングをすることのリスクとベネフィットを評価する
科学者のメディアとの関係を改善する
Improving the engagement of scientists with the media
Philip Ball
PERSPECTIVES|BOOK| VOLUME 400, ISSUE 10348, P264-265, JULY 23, 2022
Fiona Foxが2002年にサイエンスメディアセンター (SMC)を設立、以降そのモデルは世界中に広がった。批判もあるが彼女のSMCは確実に貢献した。彼女の本「誇大宣伝を超えて:科学の最大のメディア議論の内幕Beyond the Hype: The Inside Story of Science's Biggest Media Controversies」ではSMCの運営中に動物実験GMO、ヒトと動物のキメラ、クライメートゲート騒動、2011年福島原子力発電所事故、そしてCOVID-19パンデミックのようなエピソードがどう展開されたのかを記述している。この中で何度木理返されているテーマは、科学コミュニティがメディアに隠し事をするのではなく参加すべきだということである
その他
-Consumer Reports
さしあたりタラ粉を含む製品は食べないように、CRの食品専門家が言う
For Now, Skip Eating Products That Contain Tara Flour, CR's Food Experts Say
By Lisa L. Gill July 22, 2022
タラ粉はDaily Harvestが命名した食品添加物で、数百人の顧客の病気のアウトブレイクの犯人疑い
さらなる情報が公開されるまで、消費者はタラ粉を含む製品は食べないように、とCRの食品安全と政策の専門家が助言する
Daily HarvestもFDAも病気の原因となったFrench Lentil and Leek Crumblesに使われたタラ粉について追加の詳細情報を明らかにしていない。消費者の症状は熱、疲労、嘔吐、下痢、救急が必要な酵素レベルなどで少なくとも25人が胆嚢を切除している。
報告されている症状が重く、わかっていることが少なすぎるためタラ粉を避けるよう助言する、とConsumer Reports のJames E. Rogers博士は言う。
タラ粉とは何?
タラ粉は南米によくあるタラの木の種子由来で、タラ製品を売っている米国の企業Westecによると種子を手摘みしている。タラ粉は一般的に食品に使われてはいない。同じ植物に由来する別の成分タラガムはアイスクリームのような食品の安定剤としてよく使われている。
タラ粉はFDAのGRASリストには掲載されておらず、FDAが安全性をレビューした根拠は無い。新しい添加物がなんのプロセスも経ずに販売できてしまうシステムのギャップがある
(日本の方が穴が大きいけれどね)
-世界大戦と世界恐慌を生き抜いたスリランカの茶産業は今危機にある
Sri Lanka's tea industry has survived world wars and global depressions - but now it's really in jeopardy
Dominic Waghorn Saturday 23 July 2022
当時セイロンと呼ばれたこの地に英国がお茶を持ち込んで以降、一世紀半以上この風景は変わらなかった。しかし今は脅かされている
-新しい研究はニュージーランド人が食品にかけるお金が増え、食事と買い物行動に相当な変化があったことを発見
New research finds Kiwis spending more on food, significant changes in our diets and shopping behaviours
結果を一目で
・ニュージーランドの家庭は1年前より食品にかけるお金が有意に増えた
・食品配達サービスの利用は増え続けている
・ビーガンとベジタリアンは増加したが1日に5単位以上の野菜や果物を摂取する人は減った
・10人中3人が肉を減らそうと計画している、と言う
・「消費期限」と「賞味期限」の理解は依然限られたまま
-私は「健康」食品の食べ過ぎを止めて35ポンド減量し、好きなものを何でも、ほどほどに食べ始めた
I lost 35 pounds after I stopped overeating 'health' foods and started eating whatever I want in moderation
Rachel Hosie
・私はかつて食べ物は「良い」ものと「悪い」ものがあると考えていて、グルテン、乳製品、精製炭水化物、砂糖を減らそうとした。
・たくさんのカロリーの多い「健康」食品を食べて体重が増えた。この食事法は食べ過ぎにつながった。
・体重管理にとって大事なのは全体としてのエネルギーバランスであることを認識するまで減量できなかった
私は10代の頃から栄養に興味があって、常に健康的に食べようとしてあらゆる流行のダイエット法を試してきた。20代初めに「クリーンな食事」が流行のピークで私はそれに従った。グルテンと乳製品と砂糖と精製炭水化物と「不自然」なものは全てカットしなければならなかった。その食事法には数ヶ月以上従うことはできなかったが、食品を「良いもの」と「悪いもの」に分類する癖は残った-それこそがよくある間違いだった。
この考え方を止めることができた4年前から、食べ物を悪魔化することは止めてあらゆるものを食べ始め、ただカロリーは制限して体重を減らし、それ以降は維持している。
私は「健康的な食品」に膨大なお金を費やした。考え方を変えるのは時間がかかった
-5日間で10人が薬物オーバードーズで死亡しトロント公衆衛生局が警告を発表
Toronto Public Health issues alert after 10 people die of a drug overdose in 5 days
July 25, 2022
今月はトロントでこれまでで21人がオーバードーズ関連死。オピオイドと覚醒剤の吸引が主な原因と考えられる。使用されたクラックコカイン装置とされた検体からコカイン、フェンタニル、カフェインが検出されている
-ドクターZac Turnerが4ドルの魔法の二日酔い治療薬について語る
Dr Zac Turner on $4 miracle hangover cure
July 23, 2022
海外で魔法の二日酔い治療錠剤が大流行しているが、ドクターZac Turnerはそれはそのようなものではないと警告
news.com.auの毎週のコラムAsk Doctor Zacにようこそ。今週は「二日酔い治療錠剤」について
Q:ロンドンでたった4ドルの二日酔い錠剤が大流行している。それにはあなたが飲んだアルコールを二日酔いを起こす前に分解する細菌が入っているという。それは可能か?みんなが「魔法の錠剤」と呼んでいるが二日酔いにならない?
A:何回言えばいいのかわからないが、二日酔いを止めるたった一つの魔法の方法は飲まないこと!数年ごとにこの種の「魔法の薬」が薬局で販売されるが、ユーザーがプラセボ以上の効果はないことを認識するとひっそり消える。これらの錠剤はしばしば「飲む前に飲む」と宣伝されるが、TGAがもっと厳しいガイドラインを作ればいいのにと思う、効果があると考えると飲み過ぎにつながる可能性があるので。
アルコールは毒であることを忘れないで。
(説明略)
-Fögen効果は大きな方法論的問題を隠す
The Fögen Effect Masks a Big Methodological Issue
Jonathan Jarry M.Sc. | 21 Jul 2022
https://www.mcgill.ca/oss/article/critical-thinking/fogen-effect-masks-big-methodological-issue
ドイツの医師はマスクはCOVID-19を悪化させると信じている、しかし彼の論文は正当な理由のない結論に飛躍している
Fögen(あるいはFoegen)効果ということばを聞いたことがある?それはマスクをするとCOVID-19が重症化する可能性があるという考えや主張のことで今年始めに発表された論文“The Foegen effect: A mechanism by which facemasks contribute to the COVID-19 case fatality rate”に由来する。この論文には大きな欠陥がある。
著者はZacharias Fögen博士で、彼はドイツの医師で他に学術論文はなく、共著者はいない。こういう状況で自分の名前を命名するのは極めて珍しい。Dr. Fögenは自分のウェブサイトでCOVID-19対策を「違法で倫理的に間違っている」と主張している
Dr. Fögenの論文の問題は疫学における生態学的誤謬ecological fallacyである。この誤謬の最も有名な例は2012年にNEJMに発表されたノートで、各国のチョコレート摂取量とノーベル賞受賞者数を調べたところ直線関係にあるというものである。これは多くのメディアに取り上げられた。チョコレート摂取量が多い国ほどノーベル賞が多い。著者のニューヨークの医師Franz Messerliはフラボノールが脳の機能を向上させた可能性があると考察した。後にMesserliは、これは実際のデータに基づくものではあるが、科学が如何に間違いやすいかを示すためのジョークだったと認めている
Chocolate Consumption, Cognitive Function, and Nobel Laureates
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMon1211064
以下Fögen博士の件、略
(疫学研究、こんなのばっかりだけど)
-コラーゲンと皮膚の老化との戦い
Collagen and the Battle Against Skin Aging
- Coco Zhang, | 21 Jul 2022
コラーゲン関連情報のまとめ
コラーゲンサプリメントにしっかりした根拠は無く局所用レチノイドの方が根拠はある。しかし健康的な肌のためにはバランスのとれた食生活と十分な睡眠、ストレス管理と禁煙、そして日光予防。