2022-08-15

[EU]RASFF 2022(0807-0813)

警報通知(Alert Notifications)

フランス産飼料用モロコシのブタクサの種子高含有、英国産塩化クロムの2クロロエタノール、ベルギー産鶏肉のドキシサイクリン、、スペイン産ナイロン製台所用品の一級芳香族アミンの溶出、、香港産ナイロン製穴あき杓子からの一級芳香族アミンの溶出、、スペイン産オレンジの未承認物質クロルピリホス-メチル、中国産子供用食器からのメラミンの溶出、

注意喚起情報(information for attention)

オランダ産ルッコラのアバメクチンB1a、ケニア産グリーンチリの未承認物質アセフェート・メタミドホス・カルベンダジム・ヘキサコナゾール及びチオファネート-メチル、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産乾燥イチジクのオクラトキシンA、トルコ産ブドウの葉のジチオカルバメート・ピリメタニル及びラムダ-シハロトリン、セルビア産赤カブのプロピザミド、食品と接触する物質としての使用に適さない中国産紙ストロー(酸化クロム酸鉛コーティング使用)、北マケドニア共和国産インドコキュウリのメタラキシル、アラブ首長国連邦産ピスタチオカーネルのアフラトキシン、インド産ピーナッツのアフラトキシン、ウクライナ産ナタネの未承認物質ヘプタクロル、米国産ピーナッツのアフラトキシン、中国産グリーンペッパーのクロルピリホス及びアントラキノン、エジプト産有機ピーナッツのアフラトキシン、

 

[EFSA]意見等

-高密度ポリエチレンとポリプロピレンのクレートを食品と接触する物質としてリサイクルするために使用されるLOGIFRUITプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process LOGIFRUIT, used to recycle high‐density polyethylene and polypropylene crates for use as food contact materials

EFSA Journal 2022;20(8):7477  12 August 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7477

(科学的意見)

食品と接触する物質・酵素及び加工助剤に関するEFSAのパネル(CEP)は、リサイクルプロセスLOGIFRUIT (EU登録番号 RECYC260)の安全性を評価した。原料は閉じて管理された食品流通ループ由来の洗浄済高密度ポリエチレン(HDPE)あるいはポリプロピレン(PP)クレートからなる。このプロセスは素材の種類によってクレートを分ける。クレートはフレーク状に細かくされ、あるいはペレット状に押し出され、新しいクレートを製造するために、そのループに入ることを承認された企業が使用する。パネルは、インプットの原料の委員会規則(EC) No 282/2008の遵守を保証し、完全なトレーサビリティを提供するために設定された品質管理システム(QAS)が重要だと考えた。パネルは、このLOGIFRUITプロセスのインプットは、記載されている条件で行う際に、閉じて管理されたチェーンである製品ループにのみ由来すると結論した。このプロセスは、食品と接触することを意図したクレートだけが使用され、食品による以外の汚染は除外できることを保証するようデザインされている。従って、果物や野菜、包装済の肉と魚、乳製品、パン、焼き菓子製品と接触するのに使用されるHDPE 及びPPクレートを生産するためのこのリサイクルプロセスLOGIFRUITに、安全上の懸念はない。

次世代のシステムに基づく環境リスク評価のための欧州パートナーシップ(PERA)の構築

Building a European Partnership for next generation, systems‐based Environmental Risk Assessment (PERA)

EFSA Journal 2022;19(8):EN-7546 11 August 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-7546

(外部科学報告書)

次世代のシステムに基づく環境リスク評価のための欧州パートナーシップ(PERA)は欧州食品安全機関(EFSA)が開始した戦略的構想である。この構想は、現在のERAの枠組みが「科学的知見と進捗に歩調が合っていない」という認識や、よりよく環境保全するためのEUグリーンデール戦略などの新しい政策や社会的野望に応えるものである。

 

-乳牛及び他の酪農反芻動物用ルリヤナギの葉抽出物からなる飼料添加物の安全性と有効性(Herbonis Animal Health Gmbh)

Safety and efficacy of a feed additive consisting of Solanum glaucophyllum leaf extract for dairy cows and other dairy ruminants (Herbonis Animal Health Gmbh)

EFSA Journal 2022;20(8):7434 10 August 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7434

(科学的意見)

 

-全ての動物種用Pediococcus acidilactici CNCM I‐4622からなる飼料添加物の安全性と有効性(Danstar Ferment AG)

Safety and efficacy of a feed additive consisting of Pediococcus acidilactici CNCM I‐4622 for all animal species (Danstar Ferment AG)

EFSA Journal 2022;20(8):7424  10 August 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7424

(科学的意見)

 

-使用後のPETを食品と接触する物質へリサイクルするために使用されるKreyenborg IR Clean+テクノロジーに基づくPaccor Polskaプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process Paccor Polska, based on the Kreyenborg IR Clean+ technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2022;20(8):7475 10 August 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/publications?s=&page=0

(科学的意見)

このプロセスから得られるリサイクルPETを室温で長期保存される飲料水を含む全ての種類の食品と接触する物質の製造に100%使用しても、安全上の懸念とはならない。このリサイクルされた PETで作られた品物は電子レンジやオーブンで使用されることを意図しておらず、そのような使用はこの評価の対象外である。

 

以下同じ

使用後のPETを食品と接触する物質へリサイクルするために使用されるKreyenborg IR Clean+テクノロジーに基づくAR Packaging Flexiblesプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process AR Packaging Flexibles, based on the Kreyenborg IR Clean+ technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2022;20(8):7474 10 August 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7474

(科学的意見)

使用後のPETを食品と接触する物質へリサイクルするために使用されるKreyenborg IR Clean+テクノロジーに基づくAmhil Europaプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process Amhil Europa, based on the Kreyenborg IR Clean+ technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2022;20(8):7473  10 August 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7473

(科学的意見)

 

[FDA]FDAは2020会計年度残留農薬モニタリング報告書を公開

FDA Releases FY 2020 Pesticide Residue Monitoring Report

August 10, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-releases-fy-2020-pesticide-residue-monitoring-report

2019年10月1日から2020年9月30日まで、FDAは規制監視プログラムにおいて、ヒト用食品サンプル2,078件(国産品316件、輸入品1,762件)について約750種類の農薬および選択した産業化合物を検査した。35の州から国産品サンプルを収集し、79の国/経済圏からの輸入品サンプルを収集した。

その結果、2020会計年度は、国産品の96.8%、輸入品の88.4%が連邦基準、つまり米国環境保護庁(EPA)の農薬トレランスを遵守していた。また国産品の40.8%、輸入品の48.4%で残留農薬は検出されなかった。また、FDAは動物用食品サンプル102件(国産品40件、輸入品62件)について、農薬の分析を行った。その結果、国産品の100%、輸入品の96.8%が連邦基準に適合していた。また、国産品の30.0%、輸入品の48.4%で残留農薬は検出されなかった。

2020会計年度の結果は、例年と同様であったが、Covid-19パンデミックにより、FDAの2020会計年度報告書のサンプル収集と分析には次のような影響があった。

2019年度と比較して、ヒト用食品サンプルは約50%、動物用食品サンプルは約70%減少した。

2020年度は、国産品サンプルに対して輸入品サンプルが例年より多く収集された。

「国産動物由来食品」の課題(EU査察課題)用の国産品サンプルは収集しなかった。

この影響にもかかわらず、2020年度に収集・分析されたサンプルの結果は、例年と同様の遵守率を示した。

今回の規制監視プログラムでは、約750種類の農薬および選択した産業化合物について検査したが、FDAの継続的な近代化プロセスの一環として、廃止された農薬や検出頻度の低い工業化学物質が対象から外れたため、分析対象の化合物の数は2019年度と比較して若干減少した。

FDAはまた、特定の品目または特に関心のある特定の農薬に焦点を当てたサンプリング調査を実施することもある。さらに、FDAは、米国の平均的な食事に含まれる汚染物質と栄養素を監視する継続的プログラムであるトータルダイエットスタディ(TDS)において、消費用に調理された食品に残留する農薬化学物質のレベルを監視している。

 

[NASEM]人々と労働者を将来の空気中ハザードから守る:次のステップ

Protecting the Public and Workers from Future Airborne Hazards: Next Steps

Feature Story | August 9, 2022 By Jennifer Walsh

https://www.nationalacademies.org/news/2022/08/protecting-the-public-and-workers-from-future-airborne-hazards-next-steps

COVID-19パンデミックが米国中に影響する2020年より以前は、感染症、山火事、砂嵐、カビ、その他の空気中の脅威に対して、リスクが高いことを知っていなければ、呼吸を守ることを考えるアメリカ人は少なかった。COVID-19によってそれが急速に変わった。多くの地域や事業者がマスクを義務化し、一般人やハザードの高い産業の労働者-肉加工業、小売店、食品サービス等を含む-がマスクやフェイスカバーなどをした。またマスクの一貫しない着用や入手可能性、ガイダンスが変わること、広く出回っているデマなどのような問題にも取り組む必要があった。

COVID-19パンデミックになって2年以上、不確実性はまだ残り、多くのアメリカ人は山火事増加などの追加の吸入ハザードに直面している。アメリカ人にはまだ疑問がある:何故マスクをする必要があるのか?どの製品がベストか?

(以下略。ひょっとしてアメリカ人って食品工場の人でもマスクしてなかったの?)

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 212-22

​​​15 August 2022

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20212-22.aspx

認可と食品閣僚会合通知

・GM Trichoderma reesei由来セリンエンドペプチダーゼ

・加工助剤としてのGM Trichoderma reesei由来キモシン

 

[DAFM]持続可能な水産業開発2030国家戦略にパブリックコメント募集

Public consultation on the National Strategic Plan for Sustainable Aquaculture Development, 2030

Published on 12 August 2022

https://www.gov.ie/en/consultation/d7bbd-public-consultation-on-the-national-strategic-plan-for-sustainable-aquaculture-development-2030/

(オーガニックサーモン(養殖)を自慢しサーモンと牡蠣の動物の福祉(Animal welfare、健康は別項目)で悩むとか)

 

論文

-免疫系をサポートあるいは強化すると宣伝されている特定のダイエタリーサプリメント製品の分析

Analysis of Select Dietary Supplement Products Marketed to Support or Boost the Immune System

Cindy Crawford et al.,

JAMA Netw Open. 2022;5(8):e2226040.

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2794987

免疫系の健康強調表示で販売されている30のダイエタリーサプリメント製品をAmazon.comから購入し、分析した。30製品中17製品は表示が不正確で、9製品からは表示されていない成分が検出された。選ばれたほとんどのダイエタリーサプリメント製品の品質管理対策は不十分であるようである。人々には何を買っているのか知る権利がある。

不正確な表示だった17製品中13製品はラベルに表示されている成分が検出されなかった。検出されなかった成分は製品一つにつき1から6つで、植物成分が多い。

 

-Natureニュース

英国は新しい首相に-その科学にとっての意味は?

The UK is getting a new prime minister — what will it mean for science?

12 August 2022

https://www.nature.com/articles/d41586-022-02172-2

候補者に研究を優先するようよびかけ

 

気候変動は数百の病気を悪化させている

Climate change is making hundreds of diseases much worse

12 August 2022  McKenzie Prillaman

https://www.nature.com/articles/d41586-022-02167-z

熱波、干ばつ、洪水と嵐が患者数を押し上げ、病気をより重症化し人々の対処能力を妨害する

(インフラ整備するしかないだろう)

 

-The Lancet

インド75年:進歩、課題、機会

India at 75 years: progress, challenges, and opportunities

The Lancet EDITORIAL| VOLUME 400, ISSUE 10351, P469, AUGUST 13, 2022

2022年8月15日はインドが英国の規則から独立して75年目である。今週号のインドの医療システムに関する記事ではインドのユニバーサ・ルヘルス・カバリッジ達成への道のりを再考する

(日本の国民皆保険は奇跡のようなものなのだと改めて思うのだが)

 

トルコの医師が報酬の少なさと暴力増加の中他国に向かう

Turkish doctors emigrate amid low pay and rising violence

Kaya Genc

The Lancet WORLD REPORT| VOLUME 400, ISSUE 10351, P482-483, AUGUST 13, 2022

過去10年、労働条件のためトルコを離れる医師が急増している

2012年に海外での医業実施のための認証申請者はたった59人だったが今年は8月までに1402人で年末には約3000人になると予想されている。原因はトルコの経済破綻と医療従事者への暴力の増加であるとされる。

(インフレで病院の家賃すら払えない、患者の家族が医者を殺す)

 

その他

-こっそり投資していた企業の製品を宣伝していたDr. Ozの暗黒史

Dr. Oz’s Dark History of Promoting Companies He Was Quietly Invested In

Sam Brodey Published Aug. 01, 2022

https://www.thedailybeast.com/dr-ozs-dark-history-of-promoting-companies-he-was-quietly-invested-in

議員候補のセレブドクターは自分のプラットホームで長い間サプリメントの宣伝をしてきた。しかし一部の製品については個人的関心があった

(議員に立候補したことで投資歴が吟味されている模様)

 

-チョウマメ茶の魔法

The Magic of Butterfly Pea Tea

Haleh Cohn | 10 Aug 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/student-contributors-environment/magic-butterfly-pea-tea

このお茶の色が変わる秘密はとても基本的(basic)なこと(そして酸性;basicとacidicをかけている)

チョウマメの植物の科学名はClitoria ternateaで、女性の性器を思わせる発音である。実際その名称は花びらが女性生殖器構造に似ていることからつけられたものである(そのため伝統薬では性欲としばしば関連付けられている)。アジア原産で、名称の後半は最初にカタログ化されたインドネシアの都市Ternateに由来する。この植物は衣類やお茶の天然色素として使われる鮮やかな青い花を咲かせる。

ただし昔からあるカフェインフリーのお茶と違って、それは魔法である。青い色のお茶はレモンを搾ると紫に変わる。ハイビスカスの花を加えると赤くなる。秘密は?このお茶は酸性か塩基性かの指標となるおとである。pHで色が変わる。

チョウマメ茶に含まれる化合物は中性では青であるが酸性では紫から赤になる。重曹を入れると、お茶としては美味しくないが、緑黄色になる

 

-チーズのような臭いのマニキュア液

Nail Polish that Smells like Cheese

Coco Zhang, 9 Aug 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/student-contributors-general-science/nail-polish-smells-cheese

Nails Inc.社がVelveetaと協力してチーズの香りのマニキュア液を発売した-チーズのような(cheesy:趣味の悪い、つまらない)…と説明される広告がたくさん

食品の臭いのする美容製品は1930年代後半にHarriet Hubbard Ayerが丁字の香りのリップスティックやDemeterのピザの香りの香水、Too Facedのバナナの香りの白粉などで見られるようになった。今回はチーズのような臭いのマニキュア液である。ただのチーズではなく、Velveeta(クラフト社のチーズ製品のブランド名、柔らかいタイプのプロセスチーズ)である。それをチーズと呼ぶなら。

チーズは多様な形、テクスチャー、香りの乳製品であるがKraft社の創設者であるJames Kraftが“プロセスチーズProcessed cheese”の特許をもっている。1900年代初め、当時最もよくあるチーズはチェダーだったがその味やテクスチャーはばらばらだった。Kraftは顧客に常に一定の味や食感、溶けやすさ、腐敗しない製品を提供したかった。何度も実験を繰り返して各種チェダーチーズをブレンドして蒸気処理しすることで彼が探していた性質のものを得られることを発見した。ただ問題があって、乳化が適切ではなかった。Kraftはリン酸二ナトリウムを加えることで水と油の分離を予防することを発見した。

1918年にMonroe チーズ工場のEmil Freyが砕けたスイスチーズホイールの利用法を任された。クラフトの乳化技術にヒントを得て、彼は砕けたチーズを乳清と混ぜることで煤ムーズで溶けやすく脂肪と水分が分離しない製品を作った。ナチョスのディップにぴったりだった!こうしてVelveetaが生まれた!この製品はヒットし、ブランド名は他の製品にも拡大された。

最近英国の美容ブランドNails Inc.社とVelveetaのコラボ商品“La Dolce Velveeta”が発売された。企業によると派手好きで楽しいことが好きな人向けの商品で、ビーガンで「動物実験を行っていない」。しかし食用ではない。どうやってチーズの香りを取り入れたのかの説明はない。通常チーズの香りは数百の化合物の混合である。この製品が成功するかどうかは消費者次第である。

(Velveetaって日本では見たことないかも)

 

-カナダの農業は都市政治との戦いに負けつつある

Canadian farming is losing battle to urban politics

Aug 03, 2022  • Sylvain Charlebois 

https://leaderpost.com/opinion/columnists/charlebois-canadian-farming-is-losing-battle-to-urban-politics

過激な排出削減目標は世界中のより多くの人々を飢餓に追いやるだろう、その人たちはカナダ人ではないが。

カナダ人の多くは農業を知らない、98%以上が農業については無知(illiterate)である

多くのカナダ人にとって作物の生産はよくわからない概念で、そのため農業が関係する食品問題では比較的簡単に恐怖に影響される。活動家はそのことをよく知っている。

農村と都市の分断の大きさはいつでも食品政策の紛争の種ですぐには解決できそうにない。しかし現在、農業食料政策はますます都市化が進み、西洋世界全体が食料安全保障の壊滅に向かっている。Trudeau政府は2030年までに温室効果ガスの排出30%削減を望み、それには肥料の使用を減らさずには達成できない。窒素は多すぎれば汚染源で健康に悪いため懸念は正当である。しかし肥料使用の効率や生産性を無視して削減のみを望むことは青酸の減少になる。オランダでも同じことがおこっている。

食料価格への影響は不明だが、カナダが作る食物はカナダ人だけのものではない。

活動家は政策に影響を与えるために都市住人を標的にする。彼らは、学者ですら、自分たちの偏見に基づいて農家にがすべきことを支持する科学を武器にして主張する。これは危険で無責任な政策を作る。

(一部のみ)

 

-政府はグリホサートの輸入禁止を解除

Government lifts import ban on glyphosate

8 August 2022

https://www.dailymirror.lk/business-news/Government-lifts-import-ban-on-glyphosate/273-242590

スリランカのRanil Wickremesinghe大統領がグリホサートを禁止リストから削除する官報に署名し、8月5日発効。グリホサートは2015年に輸入禁止されていて3年間のみお茶とゴムの栽培に認められていた。2019年には草花栽培の失活と病気のサトウキビと椰子をとり除くため限定的に輸入が認められた。2019年には再び100%有機にする決定で他の農薬と一緒に禁止された。しかし他の農薬の禁止は数ヶ月で解除された

(グリホサートの禁止はIARCの難癖とよくわからない腎臓病の原因とされたことなどによる。それを解除したのだから禁止の根拠とされた主張に何か説明が欲しいが、期待はしない。)

 

-スウェーデンの議論の多いCOVID戦略は報われたのか?多くの点で報われたが高齢者は見捨てられた

Did Sweden’s controversial COVID strategy pay off? In many ways it did – but it let the elderly down

August 12, 2022  Emma Frans(カロリンスカ研究所)

https://theconversation.com/did-swedens-controversial-covid-strategy-pay-off-in-many-ways-it-did-but-it-let-the-elderly-down-188338

COVIDパンデミック初期、スウェーデンのアプローチは議論を呼んだ。約2年半経って、現在は何が言えるだろうか?

2020年春のスウェーデンのCOVID死亡率は世界でも高い方だった。近隣のノルウェーやデンマークはもっと良い数字だったためスウェーデンは厳しく批判された。しかしパンデミックは短距離走ではなくマラソンであるため持続可能であることが報われるだろうとスウェーデンの擁護者は主張した。

そしてどうなったか?

超過死亡を例にしてみよう。スウェーデンは第一波で大きな打撃を受けたが2年間の合計超過死亡では欧州の中で最も少ない国の一つである。

学校を閉鎖しなかったことも報われた。子どもの重症は少ないままで、最近の研究ではスウェーデンの子どもたちに他の国で見られたような学習機会の損失はなかった。

こうしたことからスウェーデンの戦略は「惨劇」から「スカンジナビアの成功」に変わった。しかし結論するにはもっと詳細に見る必要がある。特に、スウェーデンの人々がパンデミック中にまるで何事もなかったかのように日常生活を送ったというのは事実ではない。多くの人が行動を変えた。強制はされなかったが対策はした。人々は当局への信頼が高く、公衆衛生助言には従う傾向がある。他の国との比較は難しい。

ロックダウンをしなかったことは良かったが、対応には失敗もある。独立委員会の評価では高齢者を守ることに失敗した。

一方ノルウェーの委員会はノルウェーのコロナ対応は概ね良かったが、ロックダウンで子どもたちが最も大きな影響を受け当局は適切に保護しなかったと結論した。

スウェーデンの電略は病気の拡大を抑制しつつ公衆衛生のその他の側面や自由と基本的人権も考慮するというもので、今でも議論はあるが今や他の多くの国も同様のアプローチをとっている。

振り返ると、スウェーデンが国民で実験したと非難するのは正当ではなく、スウェーデンはむしろ対照群で世界の他の国がロックダウン実験をしたと考えるべきであろう。

(スウェーデンが他の国と違うところの一つはマスク。根拠がないとして特定の状況でしか薦めていない)

 

-COVIDSafeアプリは終わった。この「失敗」から何を学べるか?

The COVIDSafe app is dead. What can we learn from this ‘failure’?

August 12, 2022

https://theconversation.com/the-covidsafe-app-is-dead-what-can-we-learn-from-this-failure-188582

2022年8月9日、オーストラリアのCOVIDSafeアプリは公式に廃止された。人々はこのアプリを削除するよう勧められた。廃止にあたってMark Butler保健大臣は「Albanese政府はこの無駄で効果のないCOVIDSafeアプリを削除する」と述べ、前政権の「この失敗に終わったアプリに2100万ドルも無駄にした」と非難した。

COVIDSafeアプリは前政権の言うような「魔法の弾丸」だったのか、あるいは現政権が主張するような「全くの失敗」だったのか?

このアプリは2020年の4月に導入された。一部の人にとっては2020年時点で既に期待外れであることは明確だった。そして政治家のボキャブラリーから消え、2021年には破棄の声が大きくなっていた。全体としてアプリの廃止のニュースは驚きではない。しかしこの実験から学ぶことがある。ここに我々のスコアカードを示す

良かったところとダメだったところ

○手動の接触追跡の自動化

○大規模採用

×接触追跡の効率や正確性の改善

×制限緩和に貢献

×COVID-19の拡大抑制

将来への教訓

システムを正しく動かすのはプロセスである。失敗の理由を理解するのは「デジタル接触追跡2.0」をどのようにすべきかの有用な出発点である

・技術楽観論を避ける-あらゆる複雑な問題に技術による解決方法があるという技術楽観主義イデオロギーがあった

・ニーズの理解 既存のマニュアルのプロセスのより良い理解が必要

・データのボリューム管理 公衆衛生職員のニーズが無視された

・プライバシー

それでCOVIDSafeは投資に値するものだったのか?

接触追跡アプリを導入したのはオーストラリアだけではない。他の国も同様のアプリを開発し多様な結果となっている。COVIDSafeは緊急時に疫学者と他の医学の専門家からの強い要望を反映している。そのような緊急時の投資の経済的リターンを予想するのは困難である。一部の人には希望や安心のような社会的リターンを与えたという主張もある。

(第三者による評価等もやっている。日本は評価もせず廃止もせずただそのまま続けて忘れ去られるのを待つ、のが難点だと思う。)

 

-「ジュラシック・ワールド:新たなる支配者」はバイオテクノロジーを強く批判

PLOS BLOGS DNA Science

Jurassic World: Dominion Bashes Biotech

June 23, 2022 Ricki Lewis, PhD

https://dnascience.plos.org/2022/06/23/jurassic-world-dominion-bashes-biotech/

「猿の惑星」や「ジュラシックパーク」の新しい映画が出たら、私は見に行く。最新のもの、「ジュラシック・ワールド:新たなる支配者」は期待を裏切らなかった。

バッタの異常発生

科学は概ね正確で生命倫理のメッセージは明らかで、プロットはIsaac AsimovのSFのルール「一つ変える」に従った。「ジュラシックパーク」の世界では独立変数は「時間」である。我々はアルゼンチノサウルスのような巨大恐竜が実験室で生まれた赤ちゃんから2-3年で130フィート110トンに成長する世界を受け入れなければならない

IMDbの公式のあらすじによると、「Isla Nublar(前作の恐竜の島)の破壊から4年後、今や恐竜は世界中に人間とともに生きていた」

4年?動物が世界中に広がった?ラットやマウスですらそれはできない。そしてこの映画ではむしろ昆虫が主役だった。悪の企業Synbioが、同社の殺虫剤を使わない作物だけを食べる巨大遺伝子組換えバッタの大群を放った。

人間ドラマの方では子どもが欲しかったCharlotteが作った自分のクローンがMaisie Lockwoodと説明される。そしてMaisieが子どもの頃にCharlotteが突然名称不明の遺伝病になり遺伝子治療でMaisieの悪い遺伝子をとり除く。全ての細胞の遺伝子を書き換えるのは現代の技術では不可能であり想像するのが難しい。そしてその技術を使うと世界からバッタを排除できるという。種を根絶するような大規模変更はジーンドライブと呼ばれる技術で可能かもしれないが良い考えではない。

(一部のみ。突っ込みどころは多々あるが、ファンの中での最大の論点は恐竜より昆虫のほうが目立ってはダメだろうということらしい)

 

-カリフォルニアのProposition 12について10月11日に高裁で聴聞

California’s Proposition 12 will be heard by Supreme Court on Oct. 11

By Dan Flynn on August 15, 2022

https://www.foodsafetynews.com/2022/08/californias-proposition-12-will-be-heard-by-supreme-court-on-oct-11/

10月11日に全国豚肉生産者組合とKaren Ross(カリフォルニア食料農業省大臣として)の口頭弁論が行われる

(カリフォルニアの規制に従っていない州外の製品の販売を禁止することが合法かどうか)