2022-09-28

[Codex]プレスリリース

-2022年9月20日、コーデックス規格の利用と影響に関する新しい調査を開始

Save the date / 20 September 2022, Codex to launch new survey on use and impact of Codex standards

15/09/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1604812/

 コーデックス事務局主催によるオンラインイベントにおいて、コーデックス規格の利用と影響を調べる新しいコーデックス調査を開始する。この調査は、WHOとFAOの評価部門が計画し、コーデックス文書の活用範囲、有用性と利用方法について、各国からの貴重な情報を求めている。得られたデータは、コーデックス戦略計画2022-2025年に基づくモニタリングに貢献するものとなる。

 イベントでは、メンバーからの情報がなぜ必要で、どのように取り組むべきか、今年に向けてどのように調査の効率化が図られてきたのかを学ぶ。

 

-食品偽装を検知するための人工知能:AIでコーデックス規格を推進する

Artificial Intelligence for detecting food fraud - promoting Codex standards through AI

14/09/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1605050/

2022年9月13日、国際会議「食品偽装を検知するための人工知能(AI)」が、カザフスタン共和国において開催され、欧州とアジアから1680名が参加した。この会議は、カザフスタンの保健省が支援し、コーデックス委員会のFAO/WHO欧州地域調整部会(CCEURO)、国連平和大学(ECPD)の欧州平和開発センター、国際食品規格認証機関(IFSCO)が主催した。

 この計画で重要なのは、コーデックス規格に基づき食品と食品添加物の真正性を証明するためのAIセンターの設立である。このセンターはカザフスタンを拠点に、欧州、アジア、米国の主要なAIによる国際コンソーシアムとして運営される。

会議では、2030年までに飢餓を終わらせるという国連の持続可能な開発目標を達成するための障壁に関するFAO声明が支持されるとともに、バチカンが主導したAIの倫理に関するFAO、Google及びIBMの「Rome Call」が支持された。

 

-「同等性」に関するCCFICSバーチャルワークショップ

CCFICS virtual workshop on "Equivalence" - 21 September 2022, 12:00 CET

20/09/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1605525/

 第26回CCFICS(食品輸出入検査・認証制度部会:2023年5月に予定)に先駆け、2022年9月21日に「同等性」に関するバーチャルワークショップを開催する。同等性は複雑な課題で、理解と合意形成には時間を要する。この課題についてCCFICSでは2014年より物理的・電子的作業部会で議論してきた。ワークショップでは、2つの異なる、しかし並行して作業が進められている議題について非公式の議論の機会を提供する。

食品管理システム同等性の承認及び維持に関するガイドライン原案

同等性に係るコーデックスガイドラインの統合原案

*CCFICS26

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/meetings/detail/en/?meeting=CCFICS&session=26

 

-スパイスのウェビナーでサフランとナツメグに関する合意形成のために妥協を促す

Spices webinar encourages compromise for achieving consensus on saffron and nutmeg

23/09/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1606055/

 2022年9月26日から10月3日に開催される第6回コーデックススパイス・料理用ハーブ部会(CCSCH)に先立ち、9月22日に事前ウェビナーが開催された。

 規格を策定すべきスパイスとハーブが100以上あり、終わりなき作業となることから、部会はスパイスとハーブの部位に基づいたグループ化を行った。これらのグループ化とテンプレート作成により一連の規格策定を妥当な時間内に終了することができるだろう。ウェビナーでは、総会での最終採択が推奨されるサフランとナツメグ、また作業が進行中のチリペッパー、パプリカ、小カルダモン及びターメリックに関する進捗が説明され、規格策定にあたり科学に基づき文書を作成できるようにするためには貿易データやその他の公開データが不可欠であるとされた。また、議長からは、バーチャル作業で時間的な制約がある中で合意形成と前進のために、ある程度の妥協に備えるよう呼び掛けられた。

 

-モンゴル国におけるACTプロジェクト:獣医師との対談とテレビ報道

AMR Codex Texts (ACT) project in Mongolia: Discussions with veterinarians and coverage on TV

22/09/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1605816/

 2022年8月にモンゴル獣医学会の地域会議において、食品由来薬剤耐性の抑制と削減を支援するコーデックス規格の実行を推進するためのACT(AMR Codex Texts)プロジェクトについて、その目標や活動について紹介されるとともに、獣医師が担う重要な役割が説明され協力が呼び掛けられた。

 

[EU]紅麹米由来モナコリンに関する規則改訂

Commission Regulation (EU) 2022/860 of 1 June 2022 amending Annex III to Regulation (EC) No 1925/2006 of the European Parliament and of the Council as regards monacolins from red yeast rice

https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2022/860/oj

 食品の機能(栄養や生理学的影響)を強化するために添加されるビタミン、ミネラル、その他の物質に関する規則Regulation (EC) No 1925/2006のAnnexⅢ Part B(制限物質)に「紅麹米由来のモナコリン」を追加し、製品の1日の摂取量当たりの紅麹米由来モナコリン量を3 mg未満とするよう定めた。また表示には、製品に含まれる1食分あたりのモナコリン量のほか、1日の紅麹米由来モナコリン摂取量が3 mgを超えないようにすること、妊婦・授乳婦・18歳未満の子供・70歳以上の成人は摂取しないこと、コレステロールを下げる薬を服用中の場合には摂取しないことなどの警告文を記すことなどが求められている。さらに、Part C(共同体により精査中の物質)にも「紅麹米由来のモナコリン」を追加した。

 

[DHSC]喫煙者に禁煙への自信を与える禁煙の10月開始

Stoptober launches to give smokers the confidence to quit

24 September 2022

https://www.gov.uk/government/news/stoptober-launches-to-give-smokers-the-confidence-to-quit

喫煙は、イングランドにおける予防可能な病気や死亡の単一で最大の原因であり続けている

・禁煙の10月は、喫煙者にこの10月に禁煙を促す

・喫煙は、イングランドにおける予防可能な病気や死亡の単一で最大の原因であり続けている

・28日禁煙できたら禁煙できる可能性が5倍

・新しい動画は最近禁煙したStrictly Come Dancing(番組)のスターJames Jordan

 

[ASA]ASA裁定

ASA Ruling on Brew York Ltd t/a Brew York

28 September 2022

https://www.asa.org.uk/rulings/brew-york-ltd-a22-1152508-brew-york-ltd.html

クラフトビールの醸造会社のツイッターでの朝から飲む、果物の代わりになる、といった宣伝が無責任で基準違反

(この業界では朝から飲むのは普通だみたいな主張をしているけれど、)

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 214-22

​​​8 September 2022

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20214-22.aspx

改訂No.212 MRLの変化

公衆衛生と消費者保護を減らすことなく国内基準と国際基準の一貫性を促進するための対応。

 

[NASEM]ヘルスリテラシー円卓会議

Roundtable on Health Literacy

https://www.nationalacademies.org/our-work/roundtable-on-health-literacy

ワークショップシリーズ

健康の公平達成のための信頼とヘルスリテラシー

The Roles of Trust and Health Literacy in Achieving Health Equity: A Workshop Series

9月22日、28日、10月3日の3回

 

論文

-ミツバチの保全には多様性のある風景が中心

Diverse landscapes at the heart of bee conservation

27-SEP-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/966084

ビルと森の混合が、特定地域のハチの種類を増やす

Journal of Insect Conservation.

 

-オンラインのフェイクニュースと戦う:科学的スローガンを超えて人々と感情的につながる

Fighting fake news online: going beyond scientific slogans to connect with people emotionally

27-SEP-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/966081

Surrey大学の新しい研究によると、オンラインのフェイクニュースと戦うには、事実より共感の方がより強力な武器である

Fighting Fake News: Online Disinformation in Covid Times

September 2022

https://www.thebritishacademy.ac.uk/documents/4284/COVID-19-G7-fighting-fake-news-online-disinformation-Itziar-Castello.pdf

フランスとイタリアでのCOVID-19ワクチン躊躇の問題を調べ、アイルランドのHPVワクチンの状況と比較した。ワクチンの賛成と反対の個人と団体のオンラインでの参加プロセスに焦点を絞った

 

-中国とインドの離散者では異なる理由で選択的女の子の中絶がおこっている

Selective abortion of girls occurs -- for different reasons -- among Indian and Chinese diaspora

27-SEP-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/966109

eLife Sciences。親がインド又は中国生まれで豪、カナダ、英、米に住んでいる人の出生児の性比の調査。

 

-多くの米国の都市で、都市農家に鉛安全ガイドラインがない

Lead safety guidance lacking for urban farmers in many major US cities

27-SEP-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/966138

食品を育てる土壌の鉛の量に関する連邦ガイダンスがないために、安全な鉛の量についてのガイドや検査の補助が都市によってばらばらである GeoHealth

 

-減量は肥満の人には利益があるが痩せた人にはない

Weight loss beneficial for individuals with obesity, but not for the lean

27-SEP-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/965747

PLOS Medicineに発表された約20万人の研究

 

-研究者が家の木から放出される発がん性のホルムアルデヒドをコントロールする方法を発見

Researchers discover method to control carcinogenic formaldehyde release from wood in the home

27-SEP-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/966176

犯人は鉄で解決法はあなたの穀物箱にある

Green Chemistryに発表。

木材そのものがホルムアルデヒドを放出し高温の加工で大量に放出されることがわかっていた。しかし家にある木の家具や木加工品も室温でホルムアルデヒドを低濃度放出する。それは「リグニンが媒介するフェントン反応」である。リグニンが鉄を活性化しそれが空気に触れると活性酸素を作ってリグニンからホルムアルデヒドを作る。食品の新鮮さを維持するのに使われる抗酸化剤やキレート剤がこの反応を抑える

 

-悪性中皮腫の静かな流行:対応の呼びかけ

The silent malignant mesothelioma epidemic: a call to action

Nico van Zandwijk et al.,

The Lancet Oncology

PERSPECTIVES|ESSAY| VOLUME 23, ISSUE 10, P1245-1248, OCTOBER 01, 2022

1950年代に新しい病気として認識された悪性中皮腫はほぼアスベストのみが原因で通常暴露から数十年後に診断される。この病気は最初はアスベスト労働者に限定されていたが、非職業暴露による診断が増加し続けている。40年以上前にWHOとIARCが全てのアスベストは発がん性だと知らせたにも関わらず世界のアスベスト使用は増加し、建物から製品まで、あらゆるところにアスベストが存在することになった。欧州と豪州でアスベストが禁止されたときには、クリソタイルアスベストは安全だとされた国で使用が急増した。多くの国ではいまだにアスベストを禁止していない。世界の悪性中皮腫の流行が収まる気配がないため、アスベストの使用を止めなければ害は減らせないことを啓発する努力を強化すべきだ。

 

その他

-SMC UK

コーヒーを飲むことと長寿の研究への専門家の反応

expert reaction to study on coffee drinking and increased longevity

SEPTEMBER 27, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-on-coffee-drinking-and-increased-longevity/

European Journal of Preventative Cardiologyに発表された研究がUKバイオバンクのデータを使ってコーヒーの種類の心血管系疾患、不整脈、死亡率への影響を調べた

Open大学応用統計学教授Kevin McConway教授

これは興味深い研究である。コーヒーと心血管系疾患の関連についてはこれまでにほどほどの摂取とリスク削減に関連があるという研究がある。問題はそれらの研究が観察研究であることで、それはこの研究もそうである。この研究では広範な交絡要因の調整を試みている。しかし全ての交絡が対処できるかどうかは不明である。

この研究は45万人を平均12年フォローしたデータを使っている。このような大規模研究はしばしば極めて小さい現実世界ではあまり重要でない関連について統計学的に頑健な根拠を見つけることがある。しかしこの研究ではいくつかの比較でのエフェクトサイズは意味があり、本当にコーヒーが原因なら意味がある可能性はある

英国栄養財団マネージャーで栄養科学者Annette Creedon博士

この研究の知見はコーヒーを飲まない人に飲み始めることや飲んでいる人にもっと多く飲むように示唆するものではない

Reading大学栄養科学Hugh Sinclair講師Charlotte Mills博士

Aston大学医学部登録栄養士で上級教育助手Duane Mellor博士

(いろいろ略。自主申告だと、「コーヒー一杯」がクリームたっぷりの甘いパフェのようなものを指すようになったら結果が変わる?12 Coffees with Crazy Calorie Amounts https://www.caffeineinformer.com/coffees-with-crazy-calories

 

-Jacqueline Rowarth博士:農業用遺伝子組換え議論を再開すべき時

Dr Jacqueline Rowarth: Time to reopen the GE in agriculture debate

20 Sep, 2022

https://www.nzherald.co.nz/the-country/news/dr-jacqueline-rowarth-time-to-reopen-the-ge-in-agriculture-debate/ZABKQKQ3H5N4SXBZ7NOS4KXGO4/

意見:イデオロギーに基づく信念が消費者に農業ゲノム編集のもたらす利益を経験させないようにしている、Jacqueline Rowarth博士が書く

ニュージーランドでの遺伝子組換え技術の評価を依頼された王立委員会が報告書を出すのに20年以上かかった。この報告書のメインテーマは「チャンスを温存する」である。著者らは医療における遺伝子組換えには満足しているが食料生産には使いたくないニュージーランド人がどう考えているのかを相当長く説明している。

2001年に反GM活動家が繰り返した声明は単純に間違っていて、懸念は根拠がなく予防原則はチャンスを逃し続けている。イデオロギーに基づく信念が消費者に農業ゲノム編集のもたらす利益を経験させないようにしていることを認識した国がますます増えている。プロセスではなく成果物をベースに規制することを求める声が大きくなっている。カナダはもう20年以上そうしている。

 

-欧州の干ばつがゲノム編集作物を受容せざるを得なくするかもしれない

Europe’s Drought Might Force Acceptance of Gene-Edited Crops

13.09.2022 MATT REYNOLDS

https://www.wired.co.uk/article/europe-drought-gene-editing

EUはもう何十年も遺伝子組換え作物に厳しい規制をしてきた。それが変わろうとしている。

この夏の欧州の干ばつは農業に打撃を与えた。大豆の収量は5年平均より15%少なく、ひまわりは12%減った。ウクライナの戦争で既に悪化していた農業サプライチェーンと併せて、欧州のフードシステムが脆弱化している。これに対応して一部の欧州政治家がGMOとゲノム編集への反対を再検討し始めている。

(もっとひどい目にあわないと変わらないだろうと予想されていたりする。わかっていたことなのに。)