2022-10-13

[WHO]国際鉛中毒予防週間2022

International Lead Poisoning Prevention Week 2022

https://www.who.int/campaigns/international-lead-poisoning-prevention-week/2022

2022年10月23-29日は第10回国際鉛中毒予防週間

今年のテーマは“鉛中毒は断るSay No to lead poisoning”

以下資料等

 

[WHO]世界保健サミット2022

World Health Summit 2022

https://www.who.int/news-room/events/detail/2022/10/16/default-calendar/world-health-summit-2022

16 – 18 October 2022

 

[WHO]炭水化物摂取に関するWHOガイダンス案へのパブリックコメント募集のためのイベント

Launch event for the public consultation on the draft WHO guideline on carbohydrate intake

7 October 2022

https://www.who.int/news-room/events/detail/2022/10/07/default-calendar/launch-event-for-the-public-consultation-on-the-draft-who-guideline-on-carbohydrate-intake

2022年10月7日、バーチャルイベントが開催された。

 

*イベントのプレゼン資料

https://cdn.who.int/media/docs/default-source/nutritionlibrary/events/2022/launch-public-consultation-draft-guideline-cho-oct2022-presentation.pdf?sfvrsn=3ea15f8b_3

 複数の系統的レビューから得られた科学的根拠をもとに、炭水化物の摂取に関してWHOは次の勧告を提案している。

・炭水化物は主に全粒穀類、野菜、果物、豆類から摂ることを推奨する(強く推奨)

・成人では、野菜と果物を1日に少なくとも400 g食べることを推奨する(強く推奨)

・子供と青少年のうち、2-5歳は1日に少なくとも250 g、6-9歳は1日に少なくとも340 g、10歳以上は1日に少なくとも400 gの野菜と果物を食べることを勧める(条件付き推奨)

・成人では、食品から天然の食物繊維を1日に少なくとも25 g摂取することを推奨する(強く推奨)

・子供と青少年のうち、2-5歳は1日に少なくとも15 g、6-9歳は1日に少なくとも21 g、10歳以上は1日に少なくとも25 gの天然の食物繊維を食品から摂取することを勧める(条件付き推奨)

 

 さらに重要事項として、次のことを挙げている。

炭水化物の摂取に関するガイダンス更新の当初の目標の一つが、炭水化物の質に関するガイダンスの提供であった。食事と健康に関するNUGAGサブグループは、重要な健康上のアウトカムに有益であることが証明されている、食物繊維と炭水化物の摂取源となる食品に関するガイダンスを提供することが、炭水化物の質について取り組む最も効果的な方法であると結論した。

今回の検討では、炭水化物の総摂取量に関する以前のWHOガイダンスの更新は対象にしておらず、そのため、そのような総摂取量についての勧告は含めていない。

ガイダンスでは、全ての全粒穀類、野菜、果物、豆類を対象にしている。

全粒穀類については、そのままの天然の構造が観察された健康影響に寄与していることを示唆する根拠があるため、全粒穀類の加工は最低限にすることが望ましい。

いつでも何処でも入手できる場合は新鮮な野菜と果物が良い選択であるが、食品由来疾患の重大なリスクとなることもある。野菜と果物の摂取に関する勧告は、生鮮品に限らず、加熱調理済みのもの、冷凍品、缶詰についても受け入れられるだろう。ただし、シロップ漬けの缶詰の果物は遊離糖のために不健康なアウトカムとの関連性を示すいくつかの根拠がある。また濃縮された糖を含む乾燥果物と果物ジュースは遊離糖の摂取に関するWHO勧告に従って控えめに摂る必要がある。

全粒穀類、野菜、果物、豆類を摂取する際は、調理方法や加工の程度を検討すべきであり、他のWHOの主要栄養素の勧告にも調和させる必要がある。生鮮のままか、脂肪・糖類・塩を添加せずに最低限に加工することが望ましい。

植物由来の食品は多様な化合物を含み、中には栄養素の吸収を阻害するものもある。そのため、適切で多様な食事をすることでリスクがほとんどなくなる。

疾病や死亡率に関する根拠があるのは、食品中の天然の食物繊維であり、抽出物や合成の繊維ではない。

 

[WHO]海藻のための食品安全に関する専門家会合報告書:現状と今後の展望

Report of the expert meeting on food safety for seaweed – Current status and future perspectives

2022

https://www.fao.org/documents/card/en/c/cc0846en

 2021年10月28-29日に開催されたFAO/WHO合同専門家会合の報告書。海藻の世界生産量が増加し、2000年には1,060万トンだったのが2018年では3,240万トンへと3倍以上の増産となった。海藻の養殖と食品への利用の増加は、今後数年間の、持続可能な食料安全保障と強固な水産経済の重要な柱になると予測されることから、その食品安全について検討することが重要となる。本報告書は、海藻の生産量と貿易量、ハザード因子、規制状況、今後の課題についてまとめている。

・海藻について様々な化学的、生物的、物理的ハザードが同定され、その中で食品安全上の優先度が高いと判断されたのは、ヒ素、カドミウム、ヨウ素、Salmonellaであり、次いで中程度のものは、鉛、水銀、アルミニウム、Bacillus、ノロウイルスであった。

・総合的な結論として、海藻中のハザードの汚染実態や海藻の摂取量に関するデータは限られており、また、海藻の生産や利用に係わる規制やガイダンス文書もほぼない状況である。そのため、今後の課題として次のことが挙げられる。

・食品及び飼料としての海藻の利用の現状を評価し、国や地域による違いに着目し、そして食料安全保障と貿易への影響を検討する。特に毒性評価のための摂取量データを集める。

・各種ハザードの発生に与える影響について、現在の海藻の一次生産方法を評価する。

・海藻(生鮮、加工品)の食品安全ハザードの発生に関するデータを集める。

・食品安全規格の策定に必要な前提条件として、海藻の一次生産方法を世界的に整備するために、海藻の養殖と収穫に関するコーデックスガイドラインを作成する。

・公衆衛生上の重要度を確定するために、同定された主要なハザードのリスク評価を実施し、規制の策定とその後の執行のための根拠を提供する。

 

[WHO]WHOが新しい食品安全の世界戦略に関するウェビナーを開催

WHO to hold webinar on new food safety strategy

11/10/2022

https://www.fao.org/food-safety/news/news-details/en/c/1608243/

 WHOが食品安全のための世界戦略(2022-2030)に関するウェビナーを2022年10月17日12:00-13:00 CETに開催する。当日は、加盟国が戦略を実行に移すにあたり、WHO、パートナー及び食品安全に関する技術的助言グループのメンバーがどのように支援するのかについてWHOの栄養・食品安全部門が説明する。

 WHOはこの戦略の最終版をウェビナー当日に発表する予定である。

*戦略の草案

Draft WHO Global Strategy for Food Safety 2022-2030

https://www.who.int/publications/m/item/draft-who-global-strategy-for-food-safety-2022-2030

*ウェビナー参加には下記から要登録

https://who.zoom.us/webinar/register/WN_fJl9E3MDTAiG8dALx9bTkQ

 

[WHO]医薬品警告N°6/2022:基準を満たさない(汚染のある)小児用医薬品

Medical Product Alert N°6/2022: Substandard (contaminated) paediatric medicines

5 October 2022

https://www.who.int/news/item/05-10-2022-medical-product-alert-n-6-2022-substandard-(contaminated)-paediatric-medicines

WHOアフリカ地域で基準を満たさない(汚染のある)小児用医薬品が同定された

プロメタジン経口用液、Kofexmalin赤ちゃん用咳シロップ、Makoff赤ちゃん用咳シロップ、Magrip N風邪シロップの4製品、製造業者はMaiden Pharmaceuticals Limited (ハリヤナ州、インド)。

検査の結果許容できない量のジエチレングリコールとエチレングリコールを汚染物質として含む。これまでのところこれら4製品はガンビアで見つかっているが、他の国や地域でも非公式マーケットを介して販売されている可能性がある。

 

[Codex]プレスリリース

-コーデックススパイス・料理用ハーブ部会:産業界と消費者にとって変化のきっかけ

Codex Committee on Spices and Culinary Herbs / a trigger for change for industry and consumers

26/09/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1606389/

 2022年9月26日、第6回コーデックススパイス・料理用ハーブ部会(CCSCH)がインドがホスト国を務め、230以上の代表が参加してバーチャルで開始した。今次会合では、6つの規格案と、規格化が待たれる多数のスパイスと料理用ハーブのために論理的方法で前進させるグループ化規格などが議題となっている。

*CCSCH6

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/meetings/detail/en/?meeting=CCSCH&session=6

 

-コーデックスへの参加促進のために能力を向上させるアジア地域ワークショップ

Regional workshop in Asia strengthening capacity for enhanced participation in Codex

29/09/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1606921/

アジア諸国がコーデックス作業へより効果的に参加出来るようにする能力向上のために、FAOが2022年9月20-22日に「コーデックス活動への効果的な参加の促進」に関するバーチャル地域ワークショップを開催した。

このワークショップは、日本の農林水産省が支援する、アジア諸国のコーデックスへの効果的な参加と貢献のための能力強化を目指した5年間の幅広いプログラムの一環として開催されたものである。ワークショップには、アジア12カ国(ブルネイ・ダルサラーム、カンボジア、インドネシア、日本、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、スリランカ、タイ、東ティモール、ベトナム)から食品安全担当の職員45名が参加し、FAOアジア太平洋地域事務局の職員が進行役を務めた。

コーデックス委員会副議長のRaj Rajasekar氏が、コーデックス委員会の概要とその重要性について講演し、コーデックスへの効果的な参加とは、会合への出席や国際食品規格の策定に貢献することだけでなく、コーデックス文書を自国で実施するための能力を向上させることでもあると述べた。

コーデックス事務局のSarah Cahill氏は、コーデックス文書の策定プロセスにおいてリスクアナリシスをどのように適用するのかについて、つまりリスク管理者とリスク評価者が機能的に分かれていること、リスクコミュニケーションはリスクアナリシスの全ての段階で行われることを説明した。

またFAOのSarah Cahill氏が、科学的助言を提供する際のFAO/WHOの役割を詳しく説明し、次いでコーデックス事務局の丸野吾郎氏が、コーデックス文書がどのように策定されているのかを説明した。

さらにワークショップでは、日本、マレーシア、シンガポールから、コーデックス対応のための国内組織と、会合への参加に向けてどのように自国のポジションを策定しているのかを聞くフォーラムも開催された。事前協議は状況に応じて国毎に異なる可能性があること、そして自国のポジション策定には関係者間の協力が不可欠であることが認識された。

*Enhancing Effective Participation in Codex Activities

https://www.maff.go.jp/e/policies/food_safety/int_coop_acti.html

*Japan and the Association of Southeast Asian Nations (ASEAN)

https://www.fao.org/documents/card/en/c/cb7962en

 

-世界会議は薬剤耐性との闘いにおける韓国のFAOへのコミットメントを強調

Global Conference underlines Korea’s commitment with FAO in combatting antimicrobial resistance

05/10/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1607692/

2022年9月27-28日にソウル・韓国で開催された食品由来薬剤耐性(AMR)に関する第2回MFDS世界会議において、コーデックス規格とAMR Codex Texts (ACT)プロジェクトについて紹介された。この食品由来AMRに関する世界会議は、参加者が学び、アイデアを共有し、食品供給における薬剤耐性と闘うための戦略に取り組む力を得ることができる年次フォーラムである。

会議では、食品由来AMRと闘うための課題と可能性のある解決策の概要に続き、モニタリングとサーベイランス、AMRの経済面に関する特定の課題について議論された。また、新しいFAO ACTプロジェクトとその進捗状況を紹介する特別セッションも開催されるとともに、AMRコーデックス規格の実行を支援しモニターするためのツール(例:新規データプラットフォームInFARM)が紹介された。

FAO食品安全担当のJeff LeJeune氏は次のように述べた。「韓国政府が支援するこの新しいプロジェクトは、アジアと南米の6つの重点国に対して、特に食品由来AMRの封じ込めと削減、そしてモニタリングとサーベイランスに関連するコーデックス規格を世界的、地域的に実施することにより支援するための活動である。このプロジェクトは、食品由来AMRのより良い管理につながるものとなるだろう。」

会議には60か国以上から450名以上がオンライン参加し、約50名が現地で参加した。会議の様子はYouTubeでも配信された。

 

[FSA]食用昆虫のリスクプロファイル:要約

Risk profile on edible insects: summary

3 October 2022

https://www.food.gov.uk/research/risk-profile-on-edible-insects-summary

食用昆虫は、数年前から英国市場で入手可能になっている。食用昆虫も対象となる新規食品規則が2018年に更新された。それ以来、1997年5月以前に欧州連合(EU)で消費された歴史のない昆虫をEU市場に出すすべての企業は、製品の承認申請を提出しなければならず、これまでにいくつかの申請が寄せられている。申請された新規食品のリスク評価は、今後はFSAが行うことになるため、FSAのリスク管理担当者は、食用昆虫の摂取によるヒトへのハザードを同定するためのリスクプロファイルの作成を委託した。

このリスクプロファイルは、2015年のEFSAリスクプロファイルから情報を得ており、2015年から2020年の間に科学文献で同定された関連情報を用いてその報告書の更新版としての役割を果たすことを目的としている。このため、微生物学的、抗菌剤耐性、毒性学的、アレルギー性及び組成変動に関する研究を同定するために、系統的な検索プロトコルを設計した。研究対象となる昆虫種には、EFSAリスクプロファイルで同定したものと、英国の新規食品及び生産工程に関する諮問委員会(ACNFP)が以前のホライズンスキャンニング演習で同定したものを含む。最初の1,759 件の文献のうち、合意された基準で選別した結果、98 件が残った。関連情報は本報告書にまとめられ、消費者へのリスクと管理措置に関する結論が導き出された。

本レビューの主な目的は以下の通りである。

・2015年以降、以下の質問に関連する昆虫及び昆虫製品のヒトの消費に関連する新たなハザードを同定すること。

・昆虫の天然微生物叢及び微生物汚染の可能性に基づき、食用昆虫又はその製品の摂取によるヒトの健康へのハザードは何か?

・昆虫の農場環境での飼育による抗生物質耐性に有害影響を及ぼすリスクは何か?

昆虫の飼育や生産過程で有害な化学物質を生成・蓄積する可能性に基づく、昆虫やその製品の消費によるヒトの健康へのリスクは何か?

・特定の昆虫種又はその製品の消費によるヒトのアレルギー性リスクは何か?

・昆虫又はその製品の消費によるヒトの栄養へのリスクは何か?

・食用昆虫の消費に関する安全性について、入手可能な新しいエビデンスは何か?

これらの分野に関連する知識のギャップを同定すること。

いくつかのハザードが同定されている。原料の不適切な冷蔵や保管の結果、微生物が過剰に増殖した場合のフードチェーンを通じての二次汚染、あるいは食用昆虫製品は、適切な条件下で飼育されていなかったり、製品が数分間高温で加熱処理されていなかったりすると、高レベルの微生物汚染を引き起こす可能性がある。又、昆虫集団に抗生物質を投与すれば、抗菌剤耐性に有害影響を及ぼす可能性がある。病気の感染を制御し、抗菌剤の使用の必要性を回避するために、衛生的な飼育方法の最適化が検討される可能性がある。さらに、昆虫は汚染された餌を与えると、有毒な化合物、特に重金属を蓄積する可能性がある。衛生的な飼育方法を確保し、餌の汚染レベルを最小限に抑えることは、有毒化合物の蓄積を避けるのに役立つ。熱処理によるアクリルアミド、フラン、多環芳香族炭化水素などの有害物質生成について、また昆虫におけるカビ毒の代謝物についてなども今後研究されるだろう。

さらに、本レビューでは甲殻類と昆虫のアレルギー性交差反応に関するエビデンスを更新しており、消費者に適宜情報を提供することを考慮するべきである。新たな感作が将来発生する可能性は高いが、既存の文献に基づくリスクの推定は非常に不確かであると思われる。最後に、昆虫の幼虫は餌によって組成に大きなばらつきがある。餌の標準化により、組成のばらつきを最小限に抑えることができる。今回の調査では、英国におけるヒトの消費量や暴露分析データを研究した論文や公文書を検索することはできなかった。食用昆虫を英国の人々がどのように消費しているかを理解すれば、消費者が好む種や食生活における食物の役割を同定し、食用昆虫に対する英国の人々のアレルギー感受性プロファイルに光を当てることができるだろう。知識のギャップを情報提供するためにさらなる研究が必要である。

 

[FSS]FSSはEU維持法案による消費者への重大なリスクを警告する

FSS warns of significant risks to consumers from the Retained EU Law Bill

23 SEPTEMBER 2022

https://www.foodstandards.gov.scot/news-and-alerts/fss-warns-of-significant-risks-to-consumers-from-the-retained-eu-law-bill

スコットランド食品基準局(FSS) は、維持されたEU法案(改革・撤回)が現在の形で進展した場合、食品の安全性と基準に関してスコットランドの消費者に大きなリスクと影響を与えると警告する。

 2022年1月に公表された時点での法案は、維持されたEU法の改正、差し替えや取り消しが容易に行えるようにするため導入された。しかし、2022年9月22日に公表された法案では、結果としてスコットランドを含む英国でこれまで運用されてきた食品に関係する消費者保護が取り去られる結果となる。

現在の維持されたEU法は、事業者に対してアレルゲン表示と消費者への明確な食品情報の提供を義務付けている。また、食肉の汚染除去剤の利用、例えば鶏肉の塩素洗浄の使用を制限し、食品中の化学汚染物質の最大許容濃度を定めている。最も基本的なレベルでは、維持されたEU法は事業者に対して、最低限の衛生水準を維持し、安全でない食品はリコールすることを義務付けている。

今回の法案は、ベビーフードの安全性と組成や、その他の脆弱集団に係わる保護にも直接的に影響を与える。

 もし行動を起こさなければ、これまでの消費者の保護条項は2023年12月31日に消失してしまう。FSS長官のHeather Kelman氏は、今回の法案は、消費者保護に大きな穴を開けかねず、お役所仕事(red tape)と消費者保護を混同し、EUに属していた時よりも消費者保護の優先度も重要度も下がっていることを示す。

 

[DEFRA]食品中の残留農薬:2022年第1四半期のモニタリング結果

Pesticide residues in food: quarterly monitoring results for 2022

Published 3 October 2022

https://www.gov.uk/government/publications/pesticide-residues-in-food-quarterly-monitoring-results-for-2022

2022年第1四半期は、1月から3月に16種の食品について499検体を集め、最大398種の農薬を調査した。499検体のうち272検体で残留が確認され、うち24検体が最大残留基準値(MRL)を超過した。短期暴露に関する詳細なリスク評価(推定暴露量とARfDとの比較)を行ったのは、アボカドのプロクロラズ(残留濃度:1.5 mg/kg)、さや付き豆(グアー豆)のクロルピリホス(0.04 mg/kg)、ジメトエート(0.04 mg)及びオメトエート(0.05 mg/kg)、さや付き豆(ササゲ)のジメトエート(0.03 mg)及びオメトエート(0.08 mg/kg)、キナルホス(0.5 mg/kg)、ブドウのλ-シハロトリン又はγ-シハロトリン(0.07 mg/kg)、エテホン(1.6 mg/kg)、モモ/ネクタリンのクロルピリホス(0.04 mg/kg)、ホウレンソウのλ-シハロトリン又はγ-シハロトリン(0.5 mg/kg)。結論が出せなかったネクタリンを除き、皮を剥くことや安全係数などを考慮すると健康への影響はありそうにない。

 

[EPA]EPAは処理種子の請願について回答

EPA Responds to Treated Seed Petition

Released on September, 28, 2022

https://www.epa.gov/pesticides/epa-responds-treated-seed-petition

 本日EPAは、2017年4月に食品安全センター(CFS)から養蜂家、農家、公益団体を代表して提出された請願書に対する回答を発表する。その請願では、EPAが種子処理用の浸透性農薬の使用と、その農薬で処理された種子の使用によるリスクを適切に評価していないと主張し、種子自体の害虫ではなく処理した種子から成長した植物の害虫を殺すことを意図した浸透性殺虫剤(特にネオニコチノイド)による種子処理の登録削除と、浸透性殺虫剤でコーティングされた個々の種子に対する表示要件を積極的に定めることを求めていた。これに対してEPA は、種子処理用に登録された農薬の審査の一環として、処理農薬の使用と処理された種子の両方についてヒトの健康と環境に対する影響を十分に評価しており、主張には同意できないとして請願を却下する。ただし、処理用農薬と処理種子の使用者に向けてラベル上で指示を明確に伝えることに関する請願者の懸念には同意し、農薬処理種子の流通・販売・使用がラベルの指示と整合していることを確保するための規則策定を検討する予定である。

*EPA Response to the April 2017 Petition from Center for Food Safety and Others Relating to EPA Regulation of Pesticide-Treated Seed

https://www.regulations.gov/document/EPA-HQ-OPP-2018-0805-0104

 

[EPA]EPAは鉛と銅の規則改良に環境正義を取り入れる機会を発表

EPA Announces Opportunities for Public Input on Environmental Justice for the Lead and Copper Rule Improvements

October 12, 2022

https://www.epa.gov/newsreleases/epa-announces-opportunities-public-input-environmental-justice-lead-and-copper-rule

今後予定されている(飲料水中の)鉛と銅の規則改良(LCRI)に環境正義を検討する意見を募集

10月25日と11月1日に公聴会を開催し、文書によるコメントを11月15日まで受け付ける。

EPAはLCRI案を2023年にパブリックコメントにかけ、2024年10月16日までには最終化する予定。

参考

鉛と銅の規則改良

Lead and Copper Rule Improvements

https://www.epa.gov/ground-water-and-drinking-water/lead-and-copper-rule-improvements

鉛には安全な暴露量は存在せず、飲料水中の鉛の主な発生源は水道管である。きれいな飲料水を供給し鉛の水道管を置き換える全政府対応の一環として、EPAは新しい規則案、LCRI、を開発している。

この文脈での環境正義の検討事項には、人種や肌の色や出身国や収入にかかわらず全ての人が公平に取り扱われ意味のある関与をすること、環境上の害やリスクに不平等に晒されているコミュニティの直面している特有の課題に注意を払って環境法や規制、政策を開発、履行、執行すること、を含む。

 

[BfR]コロナモニター

BfR-Corona-Monitor | 4–5 October 2022

https://www.bfr.bund.de/cm/349/221004-bfr-corona-monitor-en.pdf

(徐々に関心が薄れて、感染者数が行動にあまり影響ないような?)

 

[ProMED]原因不明の死亡-ガンビア(第4報):子ども、汚染パラセタモールシロップ疑い

Undiagnosed deaths - Gambia (04): children, contaminated paracetamol syrup susp.

https://promedmail.org/promed-post/?id=8706115

[1]Date: Wed 12 Oct 2022  Source: Reuters [edited]

西アフリカの国に米国にある製薬会社(Atlantic Pharmaceuticals)経由で輸入されたインド産の4つの咳止めシロップに関連するガンビアでの急性腎障害による69人の子どもの死亡について、ガンビア警察が調査を行っている。WHOは既に「許容できない」量のジエチレングリコールとエチレングリコールを発見している。

[2]Date: Thu 6 Oct 2022  Source: The Guardian [edited]

WHOがインドのMaiden Pharmaceuticals社製の4つの咳止め及び風邪シロップに警告を出した。

2022年7月以降、下痢性疾患の後致死率の高い腎障害になる子どもが増加していた

 

[ASA]ASA裁定

-ASA Ruling on Bill's Restaurants Ltd

12 October 2022

https://www.asa.org.uk/rulings/bill-s-restaurants-ltd-g22-1162314-bill-s-restaurants-ltd.html

レストランチェーンのマーケティング(メールとウェブサイト)に不適切な飲酒(熱波で健康警告が出ているときにワインで暑さに勝つ)を勧める社会的に無責任なものがある

(日本の夏のビールの宣伝はASA的にはダメなのだろうか)

 

-ASA Ruling on Jessica McCormack Ltd

12 October 2022

https://www.asa.org.uk/rulings/jessica-mccormack-ltd-a22-1162373-jessica-mccormack-ltd.html

ジュエリー会社の宣伝のモデルが不健康に痩せているので基準違反

 

-ASA Ruling on UAB BeWell EU t/a Nuubu

12 October 2022

https://www.asa.org.uk/rulings/uab-bewell-eu-a22-1155932-uab-bewell-eu.html

「デトックスパッチで減量」宣伝に根拠なし

 

論文

-地中海食は本当に認知症リスクを下げる?

Does the Mediterranean diet really decrease your risk of dementia?

12-OCT-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/967362

Neurology®に発表されたスウェーデンの平均年齢58才の28000人を20年フォローした研究。地中海食と、普通の食事助言による推奨により従っていることと認知症リスクに関連はなかった

 

-COVID-19死の大きなリスクは喫煙、糖尿病、肥満で心疾患既往ではない、研究が発見

Smoking, diabetes and obesity – not preexisting heart disease – bigger risk of COVID-19 death, study finds

12-OCT-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/967694

しかし心血管系疾患のある人々はCOVID重症リスク要因ではある

Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes.

 

-Natureエディトリアル

食事と健康を関連付ける研究は何もかももっと良くならなければならない

Studies linking diet with health must get a whole lot better

11 October 2022

https://www.nature.com/articles/d41586-022-03199-1

研究格付けシステムが食事と各種健康リスクの関連を評価した研究のギャップを同定

赤肉を食べると寿命が縮む?一部の研究者はそう確信している。世界疾病負担研究のような仕事がWHOやUSDAが人々に加工していない赤肉の摂取量を制限するよう助言することにつながった。しかしそれほど確信していない研究者もいる。保健当局や専門家委員会が設定した赤肉摂取量の目標はばらばらで、1日14gから指定限度なしまである。そのことが混乱したメッセージとなり、それ自体が公衆衛生上良くないことである。

赤肉だけではない。栄養と健康をとりまく根拠は同じように論争が多い。今回IHMEのチームが星による研究の質の格付を行った。彼らが‘burden of proof’とよぶ解析は赤肉のリスクや野菜のベネフィットを明確にするものではないが、研究の質を判断することで研究資金提供者にしっかりした結論のために根拠が必要な分野を知るのに役立つ。

(以下略。https://uneyama.hatenablog.com/entry/2022/10/11/181228のNature Medicineコレクションの件)

 

-遺伝的リスク要因は健康生命年に相当な影響がある

Genetic risk factors have a substantial impact on healthy life years

Jukarainen, S., Kiiskinen, T., Kuitunen, S. et al. Nat Med 28, 1893–1901 (2022).

https://www.nature.com/articles/s41591-022-01957-2

オープンアクセス

DALYsを使って全体的な疾病負担への遺伝子変異の影響を評価した。735748人の遺伝情報を使って80の病気について検討した。希な変異は個人のDALYsに最も大きな影響を与え、よくある変異のなかではrs3798220 (LPA)が最も強い影響で1コピー持っていると0コピーに比べて1.18 DALYsの影響がある。一部のよくある変異は集団レベルでは運動不足やナトリウムの摂りすぎのような変えられるリスク要因に比肩する影響がある。遺伝的リスク要因は個人レベルでも集団レベルでも相当な健康寿命の損失を説明できる。

(性差含めて遺伝的影響は明らかにあるのだけれどヒトの力では変えられないのであまり公衆衛生助言で言及されることはない。ただ研究者なら外国人のデータを当てはめるときなどに当然考慮しているべきなのに無視されていたりする。アジア人の寿命はおそらく遺伝的に長い部分があって日本食のおかげじゃないと思う)

 

SMC UK

-リスク要因と健康アウトカムの関連を支持する根拠の強さを定量化する標準化アプローチを提示した研究への専門家の反応

expert reaction to studies presenting a standardized approach for quantifying the strength of evidence that supports associations between risk factors and health outcomes

OCTOBER 10, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-studies-presenting-a-standardized-approach-for-quantifying-the-strength-of-evidence-that-supports-associations-between-risk-factors-and-health-outcomes/

Nature Medicineに発表された6つの論文がリスク要因と健康アウトカムの関連を支持する根拠の強さを定量化する標準化アプローチを提案する

Cambridge大学リスクとエビデンスのコミュニケーションに関するWintonセンター長Sir David Spiegelhalter教授

これは興味深い提案で、基本的には平均的暴露の人に関連する最小説得力のあるリスク増加をベースに複雑なプロセスを経て作られる。二つの問題があって、この手法は研究対象トピックスへの専門性が必要ない。私は科学的理解の自動化には疑いを持っている。二つ目は相対リスクのみを扱っていること。例えばリスクが2倍になることが5つ星の暴露に信頼できると思うかもしれないが、ごく僅かなリスクは2倍になってもごく僅かである。

Aston大学医学部登録栄養士で上級教育助手Duane Mellor博士

これらは興味深い一連の論文である。これらの論文は未加工赤肉摂取と病気の関連には弱い根拠しか無いことを示唆しているようだ。新しい統計アプローチを用いて推定されたがおそらく驚きではない。主に病気のリスクに関連しているのは加工赤肉だからだ。野菜の摂取量の少なさと病気の関連はもっと明確だが5つ星には遠く及ばない。

これらの解析は興味深いが、おそらく正確に食事を測定することの困難さを確認しただけである。この研究の知見は現在の食事助言を変更する必要性を示唆しない。

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

(非常に長い解説)

 

-英国のトリインフルエンザの状況についての専門家のコメント

expert comment on the bird flu situation in the UK

OCTOBER 12, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-comment-on-the-bird-flu-situation-in-the-uk/

Imperial College London感染症部長でFluMapコンソーシアムメンバーWendy Barclay教授

英国と欧州、米国でトリインフルエンザが前例のないレベルで流行している。通常冬にかけて増加するのでさらに悪化するだろう。APHA とDEFRAが監視しているが、野生の鳥と接触する可能性のある家禽が感染する可能性がある。ヒトに危険だという根拠は無いが中深く監視されるだろう。感染したトリに触ってはならない。

(オーガニックとか動物の福祉とか言ってる人たちがどうするのか注目)

 

その他

-Natureニュース特集

子どものCOVID予防接種:安全で効果がある-なのに何故こんなにも受ける人がまばらなのか?

COVID jabs for kids: they’re safe and they work — so why is uptake so patchy?

11 October 2022  Smriti Mallapaty

https://www.nature.com/articles/d41586-022-03203-8

5-11才にCOVID-19ワクチンが認可されている国の接種率が、地理の96%から欧州諸国の3-4%までばらばら。

(日本は表には含まれていない。マスクするしないよりはるかに根拠は明確なのに子どもへのワクチン推奨はしにくい雰囲気がある。接種しない理由として既に感染した、子どもは軽症、などがある)

 

-IARCモノグラフのヒッチハイクガイド:慌てないで

The Hitchhiker’s Guide to an IARC Monograph Conclusion: Don’t Panic

By Samuel M. Cohen,  Penny Fenner-Crisp,  Alan Boobis, Angelo Moretto,  - 06.10.2022

https://www.europeanscientist.com/en/features/the-hitchhikers-guide-to-an-iarc-monograph-conclusion-dont-panic/

ダグラス・アダムスの1979年の古典「銀河ヒッチハイクガイド」では、スーパーコンピューターDeep Thoughtが人生と宇宙と万物の究極の答えは42であることを発見した。残炎ながら問いが何だったのかわからない。Deep Thought同様、IARCモノグラフ計画も問いの理由を忘れて答えを作り続けているようだ。

IARCが万物に当てはめようとしている「42」に相当するIARCが答えは「発がん性」である。IARCがレビューするものはほぼ全てが幾分かは発がん性である。

「銀河ヒッチハイクガイド」のもう一つの有名な文言を引くと、“Don’t Panic慌てないで.”

(出だし一部のみ、著者らはこの分野の有名な専門家)

 

-TruthInAdvertising.org

広告警告:Williams-Sonomaのハロウィーン切って焼くクッキー

Williams-Sonoma’s Halloween Slice & Bake Cookies

Updated October 4, 2022

https://truthinadvertising.org/articles/williams-sonomas-halloween-slice-bake-cookies/

FD&C yellow 6や加工デンプン、高果糖コーンシロップなどを成分にしていながら「オールナチュラル成分」と宣伝していることをTINAに指摘されて「オールナチュラル成分」を削除