2022-12-01

[IARC]日本とIARCは、日本のIARC参加50年を祝福

Japan and IARC celebrate 50 years of Japan as an IARC Participating State

30 November 2022

https://www.iarc.who.int/news-events/japan-and-iarc-celebrate-50-years-of-japan-as-an-iarc-participating-state/

IARCと国立がんセンターと厚生労働省の研究者が祝賀イベントを開催

 

[FDA]FDAは最初の糞便微生物製品を認可

FDA Approves First Fecal Microbiota Product

November 30, 2022

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-approves-first-fecal-microbiota-product

成人のClostridioides difficile感染再発予防にRebyotaが認可された。

Rebyotaは適格な個人から寄付された便から調整されたもので、一連の病原体検査を行っているが感染性のあるものを伝達するリスクはある。またアレルゲンを含む可能性がある。

 

[UKHSA]UKHSAは民間Immensaラボでのエラー後の調査の知見を発表

UKHSA publishes investigation findings following errors at the private Immensa lab

29 November 2022

https://www.gov.uk/government/news/ukhsa-publishes-investigation-findings-following-errors-at-the-private-immensa-lab

Immensa のWolverhampton ラボは2021年9月2日からNHSの検査能力を上げるためにCOVID-19のPCR検査を委託され、不正確な結果であることが報告されて2021年10月12日に検査を中止した。ラボの職員による閾値の正しくない設定により、本来陽性であるはずのものを陰性と報告した数は39000件と推定され、これはそのラボでの検査数の約10%、NHS全体での0.3%に相当する。UKHSAの研究者らはこのエラーの最も影響の大きかった地域での影響を評価し、感染に測定可能な影響があったと結論している。

(ミスの影響も評価している。エラーが発覚したのは抗原検査陽性でPCR陰性が頻発したから。普通はなかなかわからないのでは)

 

論文

-健康的植物ベースの食事は大腸がんリスク低下に関連する

Eating healthy plant-based diet linked to reduced risk of colorectal cancer

Nov 29 2022

https://www.news-medical.net/news/20221129/Eating-healthy-plant-based-diet-linked-to-reduced-risk-of-colorectal-cancer.aspx

BMC Medicineに発表されたアメリカ人での研究。植物ベースの食事と大腸がんに女性の場合は関連がなく、男性でも日系アメリカ人と白人で関連があったがアフリカ系、ラテン系、ハワイ先住民では関連がない

(アジア系ではなく日系Japanese Americanと言っているのは珍しいかも。著者は韓国の大学なのに。)

 

-新しい検査が唾液と飲料中のスコポラミン(devil's breath)とMDPV (monkey dust)を速やかに簡単に検出する

A new test quickly and easily detects scopolamine (devil's breath) and MDPV (monkey dust) in saliva and drinks

NOVEMBER 29, 2022 by Universitat Politècnica de València

https://medicalxpress.com/news/2022-11-quickly-easily-scopolamine-devil-mdpv.html

最近の研究によると、犠牲者に薬物を与えての性的暴行は事例の20.9%になる。こうしたレイプに使われる主な薬物はアルコールで、それにスコポラミン、通称devil's breathが同時に使われる。新しい検査法では15分で検出できる。Nanoscaleに発表された。

さらにこの検査はMDPV (メチレンジオキシピロバレロンmethylenedioxypyrovalerone)も検出できる

 

-ブラジルでのパンデミック後の薬品の濫用による薬物耐性真菌アウトブレイクとICUの満床

Post-pandemic outbreak of drug-resistant fungus in Brazil owing to abuse of medications and full up ICUs

30-NOV-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/972877

またこの系統が薬物耐性になったのは、ハイリスク長期入院患者への見境のない抗真菌薬使用による可能性が高い

Emerging Microbes and Infections

 

-議論の多いアルツハイマー薬の認可は驚くべき影響をもたらした

Controversial Alzheimer's drug approval sparks surprising impact

30-NOV-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/972925

UCI MIND調査はメディア報道によって臨床試験に参加しなくなったことを発見

Journal of Alzheimer’s Disease

 

-過体重の女性が最も長期Covidに苦しみやすい

Overweight women most likely to suffer long Covid

30-NOV-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/972457

英国におけるこれまでで最大の長期Covid研究。BMIが大きいことと女性であることが関連する。また長期Covid の人はそうで無い人の3倍医療サービスを使う。PLOS Global Public Health

 

-COVID-19中のオンライン学習は十代の精神衛生と学校への満足度、成績に悪影響

Online learning in COVID-19 detrimental to teen mental health, school satisfaction, performance

30-NOV-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/972942

ソーシャルメディアは生身の相互作用の代わりにはならない、UC Davisの研究が示唆

PLOS ONE。14-16才を対象にした研究

 

その他

-Natureニュース解説

中国は「ゼロCOVID」方針を終わらせて-COVID死を最小化することができるか?

Can China end its ‘zero COVID’ policy — and minimize COVID deaths?

30 November 2022  Smriti Mallapaty

https://www.nature.com/articles/d41586-022-04235-w

より多くの高齢者に予防接種をし抗ウイルス薬の備蓄と病院施設の拡大がゼロCOVIDからの移行をやりやすくするのに役立つだろう

中国の公衆衛生システムを研究しているYale大学の経済学者Xi Chenは、「ゼロCOVIDは長期持続可能ではない」という。しかし政府が冬のインフルエンザシーズンを前に制限を緩和することはありそうになく、さらに来年の全人代より前もありそうにない、という。

 

-不作でさらに多くのフランスの農家がテンサイをやめる可能性

Poor crop could drive more French farmers away from sugar beet

Wed, 30 November 2022

https://uk.finance.yahoo.com/news/poor-crop-could-drive-more-124639975.html

フランスのテンサイはこの夏の厳しい干ばつで収量が7%以上減ると予想されていて、次のシーズンはさらに栽培面積が減るだろう。テンサイの収量が減っただけではなくテンサイに含まれる砂糖の量も少ない。農家はより利益の出る作物に変更するだろう

フランスは2020年に農家を助けるためにネオニコチノイドの禁止を2023年まで停止したがこれまで研究者らは同様の収量を得られる代用品をみつけていない。砂糖生産者がテンサイに払うお金を増やせば栽培面積減少を抑制するだろうという。

 

-高齢者の薬物過剰使用死は20年で3倍以上になった

Drug overdose deaths among seniors have more than tripled in two decades

NOV 30 2022  Spencer Kimball

https://www.cnbc.com/2022/11/30/drug-overdose-deaths-among-seniors-have-more-than-tripled-in-2-decades.html

・国立保健統計センターによると65才以上のオーバードーズ死は過去20年で3倍以上になった

・データによると2019年から2020年の間にアルコール濫用による死亡は18%以上増加した

・高齢者の薬物乱用専門家Alexis Kuerbisは、公衆衛生問題は長期的に増加してきてもう自分のところまで来ている、という

2020年に薬物依存の高齢者は80万人以上、アルコール依存は270万人

2020年に高齢者の5000人以上が薬物で死亡し11600人以上がアルコールで死亡

高齢者の薬物オーバードーズ死亡率は他の年代に比べると低いが2000年に10万人あたり2.4人だったのが2020年は8.8人と一貫して増加している。

 

-Health Feedback

https://healthfeedback.org/

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最新クレームレビュー

・バーゼルの研究者の知見はワクチン接種した人の心筋炎が、接種していない人に比べて800倍に増えたことを示すものではない

・映画「Died Suddenly」はCOVID-19ワクチンについての既に否定された主張と陰謀論の焼き直し

最新記事レビュー

・CNNの記事は若い人の大麻使用による心臓発作リスク増加については正確に報道しているが絶対リスクと相対リスクの違いについての文脈を欠く