[EFSA]意見
食品・飼料に使用する遺伝子組換えトウモロコシGA21×T25の評価
Assessment of genetically modified maize GA21 × T25 for food and feed uses, under Regulation (EC) No 1829/2003 (application EFSA‐GMO‐DE‐2016‐137)
EFSA Journal 2023;21(1):7729 27 January 2023
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7729
(科学的意見)
遺伝子組換えトウモロコシGA21 × T25は、2つのシングルイベントGA21と T25を組み合わせ交配して開発された。GMOパネルは以前この2つのシングルトウモロコシイベントを評価し、安全上の懸念は確認されなかった。安全性に関する元の結論の改訂につながる可能性のある、このシングルトウモロコシイベントに関する新たなデータは確認されなかった。分子特性解析、比較解析(農学、表現型、組成の特性)、毒性学的・アレルギー誘発性及び栄養の評価の結果から、このシングルトウモロコシイベントとトウモロコシGA21 × T25に新たに発現したタンパク質の組み合わせは、食品と飼料の安全性や栄養上の懸念は生じないことが示された。GMOパネルは、この申請で説明しているように、トウモロコシGA21 × T25は、従来の比較品種や調べた非-GM参照品種と同様に安全で、食品や飼料の市販後モニタリングは必要ないと考えられると結論している。生存能力のあるトウモロコシGA21 × T25の穀粒が環境中に偶然放出されても、環境の安全上の懸念は生じない。市販後環境モニタリング計画と報告間隔はトウモロコシGA21 × T25の用途に従っている。食品及び飼料の市販後モニタリングは必要ないと考えられる。GMOパネルは、トウモロコシGA21 × T25は従来の参照品種や調べた非-GM比較品種と同様に、ヒトや動物の健康と環境への影響の可能性に関して安全だと結論している。
[ANSES]クレオソート:処理済の枕木を再利用しないこと
Creosote: Do not reuse treated railway sleepers
26/01/2023
https://www.anses.fr/en/content/creosote-treated-railway-sleepers
クレオソートは健康への毒性が強いため、暴露は最小限にとどめる必要がある。フランスでは、クレオソートは非常に特別な条件下で処理済の枕木にのみ利用される。これらの枕木は決してフェンスや薪などに再利用してはならない。ANSESは、フランスでのクレオソート処理済木材の再利用禁止について、欧州レベルを統一するために欧州化学品庁(ECHA)に制限案を提出した。
フランスでのクレオソートの利用は枕木の処理に限定される
クレオソートは昆虫やカビの攻撃から木材を保護するようデザインされた殺生物性製品に使用される有効物質で、処理済木材に気候条件への耐性を高めている。しかしながら、この物質は環境中に存続・蓄積し、がんや生殖障害を引き起こす可能性もある。そのため、使用条件は殺生物性製品に関する欧州規則に厳しく管理され、産業環境への使用が制限される。フランスでは、2018年にANSESが推奨した使用制限を受けて、政府がこれらの製品の使用を制限した。
欧州レベルでの急速な利用制限も望まれる
可能な限り集団の暴露を避けるために、欧州諸国の制限を統一することが重要である。このためにANSESは、REACH規則の下で欧州化学品庁(ECHA)に対して文書を提出した。
この提案は、クレオソート処理した木材を、認可済み殺生物用途として同一の再利用のみを許可することを目的としている。これは、同じ利用者、同じ国、同じ条件による再利用のことで、すなわちフランスでは枕木としての利用を意味する。今日まで技術的・経済的に実行可能な代替案がない中で、この選択肢は新たなクレオソート処理された木材の生産を制限することになると、社会経済分析から示された。
制限文書は2023年6月22日までECHAのウェブサイトでパブリックコメント募集のため入手できる。
[EU]RASFF 2023(0122-0128)
警報通知(Alert Notifications)
フランス産甘草の根粉末のピロリジジンアルカロイド、インド産オランダ経由大豆塊肉のアフラトキシン及びオクラトキシンA、、オランダ産アップルソースのパツリン、トルコ産ピスタチオナッツのアフラトキシンB1及び総量、パキスタン産米のクロルピリホス、オーストリア産未承認新規食品成分ゼオライトのアルミニウム及び鉛、フランス産カモミールティーのピロリジジンアルカロイド、ベトナム産チェコ共和国経由砂糖漬けフルーツの二酸化硫黄、
注意喚起情報(information for attention)
中国産花椒のPAHs合計、フランス産キノコ(Lactarius sanguifluus)のカドミウム、エジプト産デーツのクロルピリホス、アイルランド産ナタネ油の PAH 4 及びベンゾ(a)ピレン 、オランダ産エビの4-ヘキシルレゾルシノール (E586)、英国産オンライン販売されているフードサプリメントの未承認新規食品成分カンナビジオール、スリランカ産マグロロインのヒスタミン、ベトナム産冷凍生バナメイエビの尻尾の亜硫酸塩非表示、
通関拒否通知(Border Rejections)
インド産グリーンピースとカッテージチーズのカレーのエチレンオキシド、インド産クミンシードのエチレンオキシド、中国産スプーンからのホルムアルデヒドとメラミンの溶出、インドネシア産砕いたナツメグのアフラトキシン、スリランカ産ツルノゲイトウのテブコナゾール、スリランカ産ツルノゲイトウのビフェントリン・ラムダ-シハロトリン及びメトキシフェノジド、ウクライナ産(原料中国産)緑茶のアセタミプリド・クロルピリホス・ラムダ-シハロトリン・ピリダベン・トルフェンピラド及びジノテフラン、インドネシア産パーム油のグリシドール、インド産マサラ/チャットマサラの未承認物質エチレンオキシド(複数あり)、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン、イラン産殻付きピスタチオのアフラトキシン、インド産新規食品ハッカクレン、ブラジル産冷凍果肉の未承認添加物(E120及びE141i) (複数あり)、ブラジル産冷凍果肉の未承認添加物安息香酸ナトリウム(E211)、中国産FCMプラスチックボトルの虚偽の不当表示、インド産クミンシードのクロルピリホス・チアメトキサム及びトリシクラゾール、ブラジル産ピーナッツのアフラトキシン、トルコ産レモンのクロルピリホスメチル、エジプト産砕いたトウガラシのラムダ-シハロトリン・クロルピリホス・クロルフェナピル・プロパルギット・プロピコナゾール及びフルシラゾール、トルコ産クミンシードのピロリジジンアルカロイド、エジプト産オレンジのクロルピリホスエチル・フェニトロチオン及びジメトエート、中国産緑茶のジノテフラン及びトルフェンピラド、インド産フードサプリメントのエチレンオキシド、
[FSS]スコットランドの食品及び飲料環境
The food and drink environment in Scotland
19 JANUARY 2023
https://www.foodstandards.gov.scot/news-and-alerts/the-food-and-drink-environment-in-scotland
スコットランド食品基準局(FSS)は市場調査会社Kantarのデータを使用した新しい調査で、Covid-19のパンデミック後の国民の買い物や食習慣の変化が明らかになった。
2019年から2021年にかけて、店舗やスーパーマーケット、外食産業での購買についての概要を提供する4つの報告書が作成された。
大きな変化は、オンライン食料品購買の増加で、人気が急上昇した。オンライン食料品購買は、2021年には9億5100万ポンドに増加し、2019年と比較して、109.4%増加した。これは、パンデミックの結果の購買行動の変化を示すが、食品と飲料のオンライン購入の増加は、依然として持続している。
パンデミックは外食分野にも影響し、2021年のこの市場全体は2019年に比べて22%減少した。しかし、テイクアウトとデリバリー市場は、15億ポンドで、2019年から2021年の間に88%増加と大幅に成長した。レストランのウェブやJust EatやDeliverooなどのサードパーティアプリなどのフードテクノロジーを使って配達を注文できることがこの成長に重要な役割を果たし、これらの使用が2019年と比較して約2500万回増加した。
全体として、パンデミック前と比較して、2021年により多くの食料品を家庭で購入し、スコットランドのすべての人が、毎日140カロリーを余分に購入していることに相当する。
菓子、甘いビスケット、甘い飲み物などの多くの嗜好品分類が、スコットランドの店舗やスーパーマーケットから購買されるカロリー、脂質、砂糖の上位を占め続けている。また、これら嗜好品分類は頻繁に宣伝広告で購入される。
FSSのシニア公衆衛生栄養アドバイザーであるAlana McDonaldは、「パンデミックは生活に大きな影響を及ぼしており、これらの新しい報告書は、小売店と外食環境の両方において、消費者の購買に関する影響についての貴重な洞察を提供する。果物や野菜の購買量が増えるなど、ポジティブな面もあった一方で、不健康な食品行動の増加も見られた。例えば、ビスケットやケーキ、スナックなど、嗜好品が増え、購買品のカロリーの20%を占め、テイクアウトも増えている。何を食べるかを選ぶ理由の回答として驚くには当たらないかもしれないが、「健康のため」という回答も2019年以降低下し、2021年はわずか24%である。」と述べた。報告書の詳細は以下。
https://www.foodstandards.gov.scot/publications-and-research/nutrition-research
[FSA]ウェールズ食品諮問委員会の公開会議―2023年2月8日
Open Meeting of Welsh Food Advisory Committee – 8 February 2023
26 January 2023
英国食品基準庁(FSA)のウェールズ食品諮問委員会は、2023年2月8日にカーディフで次回の公開会議を開催する。議題はウェールズにおけるFSAの現場業務の概要、食肉衛生と政策の運用面について。
[FDA]プレスリリース
-FDAは包装前面表示に関する消費者調査について手続き通知を発行する
FDA Issues Procedural Notice on Consumer Research on Front-of-Package Labeling
January 25, 2023
FDAは、包装前面表示制度の策定を検討するために、今回の消費者調査を実施する。
-2022年のよりスマートな食品安全の新時代における成果
New Era of Smarter Food Safety Select Accomplishments in 2022
01/24/2023
FDAは2022年のよりスマートな食品安全の新時代における成果を公表する。各優先分野での2022年の達成について紹介する。
[FDA]警告文書
-Gold Coast Distributors Inc. dba Shah Distributors
NOVEMBER 02, 2022
食品のCGMP、倉庫管理、衛生管理、不正表示の問題。倉庫内で齧歯類、昆虫類、小動物の活動が観察されている。
-Evimeria El Aztecano, Inc.
NOVEMBER 16, 2022
ダイエタリーサプリメント、不正表示の問題。
[CFIA]カナダ政府は食品安全と植物の健康を向上させる解決方法を開発するカナダのイノベーターに投資する
Government of Canada invests in Canadian innovators developing solutions to improve food safety and plant health
January 26, 2023
カナダの中小企業であるiFood Packaging Systems Corporationに、カナダ革新ソリューション(ISC)プログラムの試作開発チャレンジを通じて、臭化メチルに代わる環境に優しい植物検疫処理方法の開発に投資する。また、ISCを通して海水中のドーモイ酸のポータブル検査の開発に関する新たな課題も開始した。
[EPA]EPAは新しい鉛管交換イニシアチブを開始
EPA launches new lead pipe replacement initiative
Jan. 28, 2023
鉛の水道管交換を促す
「科学は明確である-鉛の安全な暴露量はない」EPA長官Michael S. Reganはいう
[ANSES]トリインフルエンザウイルスがネコに感染
Avian influenza virus infects a cat
27/01/2023
https://www.anses.fr/en/content/avian-influenza-virus-infects-cat
12月末にドゥー=セーブルの病気のネコがH5N1陽性だった。調査の結果近くのアヒル農場が汚染源であった。このような鳥から哺乳類への伝染はヒトへの伝染を促す可能性があるため監視強化を呼びかける
フランスでは初。ウイルスは哺乳類への適応変異を示していた。ネコはウイルス感染による重症神経症状で安楽死せざるを得なかった。
(ネコ、外に出していたのだろうか?)
[FSANZ]食品基準通知
Notification Circular 228-23
30 January 2023
https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20228-23.aspx
新規申請と提案
・ベーカリー製品の加工助剤としてのGM Trichoderma reesei由来フルクタナーゼ
意見募集
・基準メンテナンス
Call for comment on Proposal P1061 - Code Maintenance Proposal 2023
2023年3月3日まで
[Tukes]水質と摂取についてのより良い情報が入手可能
Better information to be available on water quality and consumption
Published in English on 19.1.2023
https://tukes.fi/en/-/better-information-to-be-available-on-water-quality-and-consumption
農業森林大臣、保健福祉大臣、環境大臣:改訂されたEU飲料水指令がフィンランドの国の規制として取り入れられ、2023年1月12日に発効した。これらの改訂は広範な法や規制に渡り、主な目的は飲用の水質を守り、水質についてより多くの情報を提供することである。
詳細情報はVesi.fiオンラインポータルで提供する
[ProMED]イチイ中毒-米国:(アイダホ)ヘラジカ
Yew plant poisoning - USA: (ID) moose
2023-01-26
https://promedmail.org/promed-post/?id=8707971
Date: Tue 24 Jan 2023 Source: Idaho Department of Fish and Game [edited]
2016年のBlaine郡条例で外来のイチイを含む有毒植物を植えることは制限されているにも関わらず、雄のヘラジカが裏庭で有毒植物を食べて死亡しているのが発見された。検死の結果その家の裏庭のイチイを食べたことが確認された。
2021-2022の冬の間、Wood River Valley全体で20頭以上のヘラジカが観賞用のイチイを食べた結果死亡している。住人はペットと野生動物の安全のために自宅周辺をよく見て全てのイチイを排除すべきである。イチイは冬でも常緑で、そのため冬に野生生物が食べることが多いと考えられる。
多くの植物がヒトや野生生物にとって有毒な化合物を含む。イチイは観賞用に植えられるがタキシン類と呼ばれる有毒アルカロイドを含む。特に日本とヨーロッパの二つの種が毒性が高い
(有毒植物を植えないようにもとめる条例というのは技術的に可能なのだろうか?)
[NASEM]現在と将来の生態学的復元プロジェクトの需要を満たすには固有種子の供給が不十分、新しい報告書が言う
Supply of Native Seeds Insufficient to Meet the Needs of Current and Future Ecological Restoration Projects, Says New Report
January 26, 2023
An Assessment of Native Seed Needs and the Capacity for Their Supply
Final Report
(2023)
[MPI]ワラビーを減らせ
Knocking down Wallaby populations
Date: 24 January 2023
https://www.mpi.govt.nz/news/media-releases/knocking-down-wallaby-populations/
ニュージーランドでワラビーが増え続けているためこの夏初めて全国で啓発キャンペーンをする。「ワラビーフリーニュージーランドキャンペーンはこの侵入性の害獣が環境にいかにダメージを与えているかを強調し、ニュージーランドの人たちにワラビーを見たら報告するようお願いする」
[WHO]出版物 放射線と原子力緊急事態のための国の備蓄:政策助言
National stockpiles for radiological and nuclear emergencies: policy advice
27 January 2023
https://www.who.int/publications/i/item/9789240067875
論文
-オキシトシン受容体のないプレーリーハタネズミは仲間や若い個体と結びつくことができる
Prairie voles without oxytocin receptors can bond with mates and young
27-JAN-2023
https://www.eurekalert.org/news-releases/977026
Neuronに発表された論文は「愛情ホルモン」オキシトシンの役割に疑問を提示する
プレーリーハタネズミは希な一夫一婦制の哺乳類で、交配後に一生続く夫婦の絆をつくり両親の責任を共有する。先の研究ではオキシトシンの受容体結合を阻害する薬物は絆を作れなかった。これが本当にオキシトシン受容体を介した信号伝達によるものか確認するためにCRISPRを使って機能的オキシトシン受容体のないプレーリーハタネズミを作った。驚くことに機能的オキシトシン受容体のないプレーリーハタネズミは正常動物と同じように絆を作った。ただ変異プレーリーハタネズミは乳量が少なかったため子の生存率が低くなった
(「オキシトシン」で検索するとgoogleが「オキシトシン 出し方」を提案してくるくらいあやしい業界で有名になっている。ttps://yoi.shueisha.co.jp/mental/health/4048/なんて「精神科専門医」が「オキ活」などと言っている)
-THE LANCET
メキシコが公共の場での喫煙を禁止
Mexico bans smoking in public
Sharmila Devi
THE LANCET WORLD REPORT| VOLUME 401, ISSUE 10373, P258, JANUARY 28, 2023
新しい規制は世界でも最も強いものである
2023年1月15日からホテルやビーチなどを含む全ての公共の場所が禁煙となる新しい規制が導入された。違反者は50-300ドルの罰金、事業者なら最大2000ドルだが、執行には警察が関与しないため疑問が残る。
人間の安全保障と国民皆医療:日本のG7広島サミットビジョン
Human security and universal health coverage: Japan's vision for the G7 Hiroshima Summit
Fumio Kishida
THE LANCET VOLUME 401, ISSUE 10373, P246-247, JANUARY 28, 2023
「拘束されない流れ」:ProMED-mailがどのように世界に警告し続けているか
“Unfettered flow”: how ProMED-mail keeps the world alert
Talha Burki
WORLD REPORT| VOLUME 401, ISSUE 10373, P259-260, JANUARY 28, 2023
ProMED-mailは約30年間健康への新興および再興感染症の脅威を注意するのに貢献している
ProMED は1994年にJack Woodall, Stephen Morse, および Barbara Hatch Rosenbergが創設した。WHOなどの公的情報源には役所仕事の承認が必要であるがProMED-mailにはない
30周年が近づくProMEDだがその未来は不確実だ。その運営費用は年に僅か100万ドル程度だが常に資金を得るのに苦労している
-Natureニュース
COVIDワクチンは毎年打つべき?提案は米国の科学者を分断する
Should COVID vaccines be given yearly? Proposal divides US scientists
27 January 2023 Max Kozlov
https://www.nature.com/articles/d41586-023-00234-7
インフルエンザのように毎年COVID-19ワクチンを更新するFDAの提案は接種率を上げるだろうと言う人もいる
その他
-ILSI連合ニュースレター:リスクアナリシス
ILSI Federation Newsletter: Risk Analysis
January 2023
https://ilsi.org/ilsi-federation-risk-analysis-newsletter-jan-2023/
今後及び現在進行中のILSIの活動
・ハザードアセスメントの不確実性の取り扱い:TTCと化合物特異的アプローチの比較
・混合物の評価:新たな技術のチャンス
・栄養、ビタミン、ミネラル、生活性化合物リスク評価モノグラフ
・生活性、機能性食品、栄養サプリメント
・食品のリスク-ベネフィット解析:応用を促すアプローチ
・細胞ベースの培養食品製品のリスク評価
・「肉製品への抗菌剤介入」
・微生物ハザードのリスク管理者とリスク評価者向け食品安全リスクアナリシス能力構築
・公衆衛生リスクと緩和策有効性の療法に基づく自然毒のリスク管理対応優先順位付け
最近のILSIのイベントと出版物
「遺伝毒性と想定される物質のエクスポソームでの内因性と外因性の由来とリスク評価にとっての帰結」
・ミネラルオイルリスク評価:知識不足とロードマップ
・新しい遺伝子組換え製品の科学とリスク評価:途上国にとっての課題とチャンス
・環境リスク評価
・E-学習コース:添加物規制"RTCA 67.04.54:18 食品と加工飲料"導入と応用
・高度精製食品添加物と組換え微生物を使った食品
・台湾の食品摂取データベース内の食品分類と記述システム
-カナダの新しいガイドラインは正しい。アルコールは良くない
Canada's new guidelines are right. Alcohol isn't good for you
Christopher Labos MD, MSc | 27 Jan 2023
https://www.mcgill.ca/oss/article/medical/canadas-new-guidelines-are-right-alcohol-isnt-good-you
カナダ薬物使用依存センターの新しい飲酒ガイドラインに多くの人が強く反応している。ある人は飲酒が社会習慣と強く結びついていて、ある人はほどほどの飲酒、特に赤ワインは健康に良いという。残念ながらほどほどの飲酒は多くの人が思っているほど健康に良くはなく飲酒が良いとされるのは統計的逸脱の可能性が高い。聞きたくないかもしれないが、アルコールはあなたにとって良くない。
(以下説明)
アルコールは健康食品ではなく道楽である。
-時間を制限して食べるかどうか
Time-restricted eating…or not…
Joe Schwarcz PhD | 25 Jan 2023
https://www.mcgill.ca/oss/article/health-and-nutrition/time-restricted-eatingor-not
健康にとって何を食べるかが重要であることは疑いがないが、いつ食べるかはどうだろう?
栄養の研究論文は気が狂いそうになる。その量ときたら膨大だが、質の低い研究をとり除いていくとほとんど残らない。でも最近ウェルネス業界で流行の「時間制限食」について少しみてみよう。
(長い記事略)
明らかに、栄養研究分野は肥沃で多くの収穫が期待できるが、雑草にも注意する必要がある。
-動画
なんて才能のある蟻だろう!がんを検出できる!
Cup o'Joe-Oh those talented ants! They can detect cancer!
https://www.youtube.com/watch?v=Oid72g598MI
予備的な研究が大々的に報道される事例の最新のものが蟻ががんのあるマウスとないマウスの尿を区別できるというもの
新しい悪魔
Cup o'Joe-A new devil
https://www.youtube.com/watch?v=Ld8Ly1Z8uZI
合成オピオイド ニトラゼン類
-SMC UK
英国の砂糖飲料税と子どもの肥満を調べた研究への専門家の反応
expert reaction to study looking at the UK sugary drinks tax and obesity in children
JANUARY 26, 2023
PLOS Medicineに発表された研究が英国の小学校の子どもの肥満率軌道と英国のソフトドリンク産業税について調べた
Birmingham大学肥満経済学センター医療経済学教授Emma Frew教授
プレスリリースは科学を正確に反映している。これは質の高い研究で、初めて課税が、円グランドの10-11才の少女の肥満を減らすのに、より広範な肥満予防計画の一部として機能したことを示唆する。この知見は、何故影響が女の子だけで男の子ではみられなかったのかについてさらなる研究が必要ではあるが、砂糖税が肥満対策の必須の部分であるべきことを意味する
King’s College London栄養と食事名誉教授Tom Sanders教授
この論文は毎年小学校で行われている全国子ども身体測定(NCPM)データを解析した。2013/14をベースラインとして2019年11月までの肥満率変化傾向と比較した。ソフトドリンク税は2018年4月に法になったが多くの飲料メーカーはその前に砂糖を減らしていた。著者らは6年生の女の子(男の子ではない)の肥満の増加率が有意に低いこととソフトドリンク税導入が関連する幾分かの根拠があると示唆している。しかし6年生の男の子の肥満率は約6%高い。ソフトドリンク税が5000人の子どもが肥満になるのを防いだという主張は実測に基づくものではなく推測である。
全体としてNCPMの毎年の報告は入学時の子どもの肥満が減っている根拠は全くなく、むしろ僅かに増加している。そして著者らはこの年齢集団は砂糖入り飲料を多く消費している集団ではないことを著者も注記している。2010-2014年の一年生の子どもの平均肥満率は9.4および9.7%で、COVID直前まで変わらない。6年生では19.0%と20.2%だった。COVIDの流行は肥満率に大きな影響を与え、2020-2021年の一年生の肥満率は14.4%、6年生は25.5%になった。2021-2022年の予備的データでは少し下がっているがいまだに2010-2014に比べると高く、1年生で10.4%、6年生で23.5%である。
肥満は6年生では男の方が女の子より一貫して多い(現在は男の子26.5%女の子20.3%)。男の方がソフトドリンクを多く飲むのでソフトドリンク税の影響は男の子の方に大きく出るはずである。また課税による価格の上昇の影響は貧しい家庭の方が大きいので貧しい家庭の子どもが影響を受けるだろう。この論文ではそれも女の子でしか見られなかった。
この流行からの教訓がある。砂糖入り飲料や甘いお菓子をあまり食べないように勧めることを継続しつつ、子どものより大きなカロリー摂取源であるビスケットや揚げ物のような食品にも広範に注意すべきである。ただし社会的に貧困な子どもたちの食生活改善には貧困対策がおそらくベストだろう。
英国栄養財団栄養科学者Simon Steenson博士
この研究の知見は励みになるが、肥満の原因は複雑で直接単一要因に帰結させるのは困難である。著者らもこの研究の解釈には限界があると強調している。肥満予防のための複数戦略を継続することが重要なままである。
SMCスペインから
スペイン食品科学研究所(CSIC-UAM)研究者María Dolores del Castillo
2015年にWHOは世界中に砂糖入り飲料の摂取を減らす対策を勧めた。WHOは砂糖飲料税が肥満や2型糖尿病、虫歯を減らすことを示唆した。しかしその政策を導入した異なる国からの各種結果は矛盾する結果だった。従ってこの研究の結果には高い関心が寄せられていた。この結果はこれまでの研究通り調べた変数が結果に影響することを示す。年齢と性により違いが観察された。しかしこの研究では各年齢と性の実数は明示されておらず、どのような経済的状態の子どもが参加したのかもわからない。砂糖入り飲料の摂取量をどう評価したのかもわからない。砂糖税の有効性についてはさらに研究が必要だが、全ての集団に砂糖の摂取量を減らすよう呼びかけ続けなければならない
(英国はCOVIDの影響、というかCOVID対策の影響がとても大きい。一方日本はあまり研究してないような)
-新しい米国の子ども肥満ガイドラインが家族から批判される
New US childhood obesity guidelines criticised by families
Sun, January 29, 2023 Sara Monetta - BBC News, Washington
https://ca.news.yahoo.com/us-childhood-obesity-guidelines-criticised-053436794.html
米国小児科学会の子ども肥満治療方針が批判されている
それは6才から減量用の医薬品や手術のような強い介入を推奨する。
しかしそれは運動と健康的な食事への支援を減らす可能性がある