2023-03-10

[EU]査察報告

-エジプト―汚染物質

Egypt 2022-7391―Contaminants

17-02-2023

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit-report/details/4574

2022年9月5~15日にエジプトで実施した、EU輸出用ピーナッツのアフラトキシン汚染を管理するためのシステムが適切かどうか評価するための査察。概して、エジプトには管理の実施に必要な法的・組織的枠組みがある。国立食品安全機関は、公的管理の実施に関する職員への教育や指示書、ガイドライン、手順を提供している。だが、一次生産での公的管理は、アフラトキシンの形成を予防するEU要件を実際に実施するかどうか、どの程度実施するかを確認・監視するようデザインされていない。国立食品安全機関が管理を引き継いで以降、規則(EU) 2019/1793の輸出証明書に規定される全ての要件に従わなくても輸出が許可されるため、認証システムの信頼性について懸念が生じている。管轄機関は査察や最終会議中に短期的に予測される対策を提示した。適切に実行されれば、これらの対策は欠点の多くに対処できるはずである。

 

-ポルトガル―動物副産物(ABP)及び派生製品(DP)の公的管理

Portugal 2022-7421―Official controls on animal by-products (ABP) and derived products (DP)

13-02-2023

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit-report/details/4572

2022年10月10~21日にポルトガルで実施した、動物副産物(ABP)と派生製品(DP)のチェーンに沿った遵守や、違反が見つかった場合の管轄機関の能力を評価するための査察。ABPとDPの収集、輸送、取り扱い、加工、廃棄のための基礎設備はほぼ満足できる。国内法はABPのEU規則の実施を保証しているが、従っていない規定もいくつか含まれている。遠隔地の地域以外は、ABP と DPの生産チェーンに沿って公的管理が設定されている。ABP設備の管理はほぼ効果的だが、特に乳製品工場、食肉処理場(有蹄動物用)、小売業者などの食品事業者で関連する全ての要件の遵守をは確実に検証できていない。

 

[EFSA]意見等

-新興化学物質リスクを同定するためのJRC TIMツールのテスト

Testing the JRC TIM Tools to identify emerging chemical risks

EFSA Journal 2023;20(3):EN-7906 9 March 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-7906

(技術的報告書)

食品及び飼料の新興リスクの同定はEFSAの法的義務である。膨大なデータセットのホライズンスキャニングはこの使命に有益な貢献ができる。共同研究センター(JRC)は2つのデータインテリジェンスツールを開発した:医療及び健康関連の主題のリアルタイムのニュース分析用のMedisysと、科学的出版物、特許、EUプロジェクトなどからのデータ分析と知識の抽出用のTIMテクノロジーである。EUのフードチェーンにおける新興化学物質を同定する能力を評価されているものはない。両ツールは、この目的でそれらの有効性と妥当性を調べるために、2年間の第一段階でカスタマイズされテストされた。関連するヒットを同定するためにスクリーニングワークフローが設定された。キーワードと検索文字列が定義され、役立つ文書の検索と誤検出の間によい妥協点を得た。関連結果は、新興化学物質リスク同定に関するEFSAの作業グループ及び新興リスク交換ネットワーク(EREN)と協力して、評価・立証される。

 

-遺伝子組換えAspergillus niger EPG株由来食品用酵素エンド-ポリガラクツロナーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme endo‐polygalacturonase from the genetically modified Aspergillus niger strain EPG

EFSA Journal 2023;21(3):7837 8 March 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7837

(科学的意見)

この食品用酵素エンド-ポリガラクツロナーゼ((1-4)-α-d-ガラクツロナン 糖加水分解酵素; EC 3.2.1.15)は、DSM Food Specialties B.V.社が遺伝子組換えAspergillus niger EPG株で生産した。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品用酵素にはこの生産菌の生きた細胞やそのDNAはない。ジュース生産用の果物と野菜の加工に使用することを意図している。この食品用酵素への食事暴露-総有機固形物(TOS)は、欧州人で最大0.122 mg TOS/kg体重/日と推定された。遺伝毒性試験は安全上の懸念を示さなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは無毒性量を調べた最大用量1,014 mg TOS/kg体重/日とし、推定した食事暴露と比較して、暴露マージンは少なくとも8,311となった。既知のアレルゲンに対するこの食品用酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、38件の一致が見つかったが、そのうち2つは食物アレルゲンである。パネルは、意図した使用条件下で、特にパパイヤやトウモロコシに感作する人では、この食品用酵素に対する食事暴露上のアレルギー反応のリスクは除外できないが、そのリスクはパパイヤやトウモロコシの摂取のリスクを超えることはないと判断した。さらに、花粉症の人の経口アレルギー反応は除外できない。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品用酵素は意図した使用条件下で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-有効成分硫黄の農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance sulfur

EFSA Journal 2023;21(3):7805 8 March 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7805

(農薬の結論)

情報不足と懸念が確認された。

 

-全ての動物種用ゲッケイジュの葉由来エッセンシャルオイル(ローレルリーフオイル)からなる飼料添加物の安全性と有効性(FEFANA asbl)

Safety and efficacy of a feed additive consisting of an essential oil from the leaves of Laurus nobilis L. (laurel leaf oil) for all animal species (FEFANA asbl)

EFSA Journal 2023;21(3):7875 9 March 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7875

(科学的意見)

 

-認可更新のためのウサギ交配用及びウサギ肥育用のロベニジン塩酸塩(Cycostat® 66G)からなる飼料添加物の評価(Zoetis)

Assessment of the feed additive consisting of robenidine hydrochloride (Cycostat® 66G) for rabbits for breeding and rabbits for fattening for the renewal of its authorisation (Zoetis)

EFSA Journal 2023;21(3):7863  9 March 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7863

(科学的意見)

 

-全ての動物種用化学物質グループ14に属する飼料添加物2‐アセチルフラン [13.054]及び 2‐ペンチルフラン [13.059]の安全性と有効性(FEFANA asbl)

Safety and efficacy of the feed additives 2‐acetylfuran [13.054] and 2‐pentylfuran [13.059] belonging to chemical group 14 for animal species (FEFANA asbl)

EFSA Journal 2023;21(3):7868  8 March 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7868

(科学的意見)

 

-以下3件とも同じ結論

使用済PETを食品接触物質へリサイクルするために使用するEREMA Basicテクノロジーに基づくZhenjiang Cevilleプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process Zhenjiang Ceville, based on the EREMA Basic technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2023;21(3):7831 8 March 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7831

(科学的意見)

使用済PETを食品接触物質へリサイクルするために使用するER EMA Basicテクノロジーに基づくSteinbeis PolyVertプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process Steinbeis PolyVert, based on the ER EMA Basic technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2023;21(3):7830  8 March 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7830

(科学的意見)

使用済PETを食品接触物質へリサイクルするために使用するVACUNITE (EREMA basic 及び Polymetrix SSP V‐leaN)テクノロジーに基づくPlastipak Iberiaプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process Plastipak Iberia, based on the VACUNITE (EREMA basic and Polymetrix SSP V‐leaN) technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2023;21(3):7829 8 March 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7829

(科学的意見)

このプロセスから得られるリサイクルPETを室温で長期保存する飲料水を含む全ての種類の食品接触物質の製造に100%使用しても、安全上の懸念とはならない。このリサイクルPETで作られた物質は電子レンジやオーブンで使用することを意図しておらず、そのような利用はこの評価の対象外である。

 

[FSA]2023年3月のFSA理事会ペーパーが公表される

FSA Board meeting papers published for March 2023

9 March 2023

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/fsa-board-meeting-papers-published-for-march-2023

英国食品基準庁(FSA)理事会ペーパーが発表された。議題は、戦略的リスクマネジメント、遺伝子技術(精密育種)法案、ビジネスコンプライアンスプログラムの実現、3年計画、リスク分析プロセス及び規制対象製品サービス更新情報、年次科学会議報告等。

 

[FSAI]ABC アソートゼリーストロー及びゼリーフルーティーは窒息の危険性があるとしてリコール

Recall of ABC Assorted Jelly Straws and Jelly Fruity sweets due to possible choking risk

Thursday, 9 March 2023

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/ABC_Assorted_Jelly_Sweets.html

台湾産ABC Assorted Jelly Straws及びJelly Fruityは、未認可のゲル形成添加物が含まれているため、窒息の危険性があるとしてリコール。製品写真あり。

 

[FDA]プレスリリース等

-事業者向けガイダンス:乳児用調製乳のラベル表示

Guidance for Industry: Labeling of Infant Formula

03/08/2023

https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/guidance-industry-labeling-infant-formula

 FDAは一般的な乳児用調製乳製品の表示要件に関する情報を提供する。製品ラベルがFDAの規制に準拠していることを確認するために、製品ラベルの見直しを推奨する。

 

-FDAは乳児用調製粉乳業界を強化するため文書で強化された安全対策を要求する

FDA Calls for Enhanced Safety Measures in Letter to Powdered Infant Formula Industry

March 8, 2023

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-calls-enhanced-safety-measures-letter-powdered-infant-formula-industry

 FDAは、乳児用調製乳の製造、流通に関わる製造、包装、流通、輸出入、小売業者に文書を送り、現在の安全情報を共有するとともに、最も弱い立場にある人々を守るためのプロセスやプログラムを改善するために迅速に行動するよう呼びかけた。

 

-食品化学物質の安全性

Food Chemical Safety

03/07/2023

https://www.fda.gov/food/food-ingredients-packaging/food-chemical-safety

 FDAは、包括的で科学に基づく近代化されたアプローチを通じて、ヒトの健康に有害影響を及ぼす食品中の化学物質への有害な暴露から消費者を保護する取り組みを紹介する。

 

-製品リコール緊急通知

Urgent Notice of Product Recall

March 08, 2023

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/urgent-notice-product-recall

Natural Solutions Foundationは、「DR. RIMA RECOMMENDS NANO SILVER 10 PPM」のダイエタリーサプリメント製品がCOVID-19を予防、治療、または治癒するという根拠のない健康強調表示をしており、自主的リコールする。

 

-警告文書

Livestock Nutrition Center

DECEMBER 15, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/livestock-nutrition-center-643701-12152022

 動物用食品のCGMP、調理、包装、保管、衛生管理、不純品の問題。動物用飼料製品にモネンシンを含む。

 

[EPA]大統領の2024会計年度予算についてRegan長官の声明

Statement by Administrator Regan on the President’s FY 2024 Budget

March 9, 2023

https://www.epa.gov/newsreleases/statement-administrator-regan-presidents-fy-2024-budget

予算のハイライト

・気候危機対策

・環境正義推進

・飲料水と下水インフラ更新、全国で鉛の水道管交換

・きれいで健康的な大気

・有害廃棄物対策

・化学物質のヒトと環境への安全性

・PFAS汚染対策

・環境法順守

・EPAの中核任務のための能力回復

(PFASの重みが結構大きい)

 

[TGA]TGAはNSW州警察の協力のもと、55,000点以上の危険性のある製品を押収する

TGA seizes more than 55,000 potentially dangerous products with the assistance of NSW Police

7 March 2023

https://www.tga.gov.au/news/media-releases/tga-seizes-more-55000-potentially-dangerous-products-assistance-nsw-police

オーストラリア国内での供給を目的としたとされる55,000以上の危険性のある製品が押収された。一般に「ポッパーズ」として知られる亜硝酸アルキルを含む疑いのある製品、及び勃起不全のための未承認処方箋医薬品が、書類、包装、広告材料とともに押収された。

 

[TGA] JSHealth Vitaminsに補完医薬品の違法販売の疑いで13,320ドルの罰金を科す

JSHealth Vitamins fined $13,320 for alleged unlawful supply of a complementary medicine

10 March 2023

https://www.tga.gov.au/news/media-releases/jshealth-vitamins-fined-13320-alleged-unlawful-supply-complementary-medicine

オーストラリアTGAはJSHealth Vitamins Pty Ltdに対し、Therapeutic Goods Act 1989(医薬品法)違反の疑いで総額13,320ドルの侵害通知を発出した。製品にはAndrographis paniculata(Green chiretta)(センシンレン)成分が含まれていた。

 

[HK]法令違反

-包装済みビーフジャーキーの2サンプルに未承認の保存料が検出される

Two prepackaged beef jerky samples detected with non-permitted preservative

Monday, March 6, 2023

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20230306_10203.html

台湾産包装済みビーフジャーキーのサンプルにソルビン酸がそれぞれ1300 ppm、1500 ppm検出された。香港ではソルビン酸は食肉及び食肉製品に添加することは認められない。

 

-包装済みポークフロスのサンプルに未承認の保存料が検出される

Prepackaged pork floss sample detected with non-permitted preservative

Monday, March 6, 2023

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20230306_10204.html

タイ産包装済みポークフロスのサンプルに安息香酸がそれぞれ130 ppm検出された。香港では安息香酸は食肉及び食肉製品に添加することは認められない。

 

-包装済み乾燥豚のサンプルが栄養表示規則に違反

Prepackaged Dried Pork sample not in compliance with nutrition label rules

March, 9 2023 (Thursday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20230309_10212.html

香港産包装済み乾燥豚のサンプルにおいて飽和脂肪酸が1.5 g/100 gという表示のところ、3.3 g/100 gの検出であった。

 

[SFA]Forum Replies

薬剤耐性対策に万全の体制で臨む

All hands on deck to combat antimicrobial resistance

Mar 7, 2023

https://www.sfa.gov.sg/docs/default-source/default-document-library/st-forum-7mar23.pdf

薬剤耐性(AMR)が喫緊の課題であり、対処する必要があるという意見に対する回答。シンガポール食品庁(SFA)はAMRに対する脅威との戦いにおいて、動物、ヒト、食品、環境の各セクターにまたがる協調的な取り組みを含むワンヘルスアプローチを採用する。

 

[RIVM]2021年に運動ガイドラインを満たしたのはオランダ人の半分以下

Less than half of Dutch people met the Physical Activity Guidelines in 2021

03/09/2023

https://www.rivm.nl/en/news/less-than-half-of-dutch-people-met-physical-activity-guidelines-in-2021

2021年は4才以上のオランダ人でガイドラインで薦められている以上の量の運動をしたのは47%。4-11才の子どもが最も基準を満たす可能性が高く、一方12-17才が低い

運動しない傾向がある集団は、教育レベルや収入が低い、西洋以外からの移民バックグラウンドがある、慢性疾患や身体障害、過体重。

オランダ政府は2040年までに75%が運動ガイドラインを満たすことを目標にしている。

 

[NASEM]EPAの科学を、現在と将来の課題に対応するように転換する

Transforming EPA Science to Meet Today's and Tomorrow's Challenges

(2023)

https://nap.nationalacademies.org/catalog/26602/transforming-epa-science-to-meet-todays-and-tomorrows-challenges

1970年に設立されてたEPAのミッションはヒトと環境の健康を守ることである。EPAは州や部族、地方政府と協力して規制を開発し、法令遵守を確実にし、方針を発表する。この任務を遂行するために、EPAには最高品質の最も進歩した科学を装備しなければならない。研究開発部(ORD)が規制と公衆衛生政策のための科学的基礎を提供する。今日の環境保護に関連する課題は複雑で多くの相互作用要因があるため、この報告書では環境保護のためには相当幅を広げてより良く統合されたアプローチが必要であることを指摘する。

 

[FAO]学校給食を美味しくする

Making school meals tasty

https://www.fao.org/interactive/school-cooks-experiences/en/

学校給食スタッフの仕事を賞賛しよう

全ての生徒のために栄養ガイドに沿って楽しい学校給食を確実に提供するのは簡単な仕事ではないが重要である。結局のところ子どもの発達と福祉にとって健康的食事だけではなく、食の楽しみもまた食の権利の一部である

(これはこれで安全性という単語が一切出てこない偏りがある。学校菜園とか、大量調理の量と安全性確保と適合しにくい)

 

論文

-米国成人の代謝的に健康な肥満の有病率の傾向、1999-2018

Trends in the Prevalence of Metabolically Healthy Obesity Among US Adults, 1999-2018

Jiang-Shui Wang,et al., JAMA Netw Open. 2023;6(3):e232145. 

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2802164

1999-2018のNHANES調査20430人のデータから、年齢調整した代謝的に健康な肥満(MHO)の有病率は1999-2002年の3%から2015-2018年の7%に増加していた

 

-ニューヨーク市のラットがSARS-CoV-2

Study shows New York City rats carry SARS-CoV-2をもつことを研究が示す

9-MAR-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/982167

mBioに発表されたニューヨークの下水周辺で罠を使って捕まえたドブネズミ79匹中13匹が陽性だった

 

-オンタリオではアンフェタミン関連救急外来が大きく増えた

Ontario sees big jump in amphetamine-related emergency visits

9-MAR-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/982274

Canadian Journal of Psychiatry

アンフェタミンとメタンフェタミン関連救急患者が2003年は233人だったのが2020年は4146人になった

 

-SCIENCE VOLUME 379|ISSUE 6636|10 MAR 2023

中国が外来雑草に前例のない規模で挑む

China battles alien weed at unprecedented scale

BY ERIK STOKSTAD 09 MAR 2023: 97

中国が沿岸18000kmに渡る緑の侵入者Spartina alternifloraを2025年までに90%打ち負かすマンモス計画を先月開始した。物理的と化学的の複数の方法を組み合わせて使う

 

黙って苦しむ

Suffering in silence

BY DAVID GRIMM 09 MAR 2023: 974-977

実験動物の世話は重い精神的負担がある。誰か聞いてる?

筋ジストロフィー犬の世話をしている動物好きのテクニシャンの共感疲労について

 

その他

-SMC NZ

EPAが化粧品のPFAS禁止を提案– 専門家の反応

EPA proposes ban on PFAS in cosmetics – Expert Reaction

10 March 2023

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2023/03/10/epa-proposes-ban-on-pfas-in-cosmetics-expert-reaction/

環境保護局が成分と表示に関する化粧品群基準の変更案にパブリックコメントを募集している

Updates to the Cosmetic Products Group Standard

(2023年5月31日まで)

https://www.epa.govt.nz/public-consultations/open-consultations/updates-to-the-cosmetic-products-group-standard/

EUに倣ってPFASの段階的廃止を提案し、香料要件の更新も提案している。

SMCは専門家のコメントを求めた

オークランド大学環境学部准教授Melanie Kah

オークランド大学市民環境工学部准教授Lokesh Padhye

オークランド大学理学部上級講師Erin Leitao

・良いニュースだ

・PFASは化粧品の約50%に含まれている(主にマスカラ、ファンデーション、口紅)。しかし化粧品からの暴露量は水・食品・吸入に比べて低いだろう

・我々はPFASの使用は必須のものに制限すべきで、それに長持ちする口紅は含まれない

カンタベリー大学物理化学部環境科学部長Sally Gaw教授

提案はEUの要件に従ったものである。化粧品は多くの人にとって毎日使うものなので、つまり継続的に暴露されている。そのため胎児も守られるだろう。化粧品に禁止されるだろう化合物の膨大なリストは、日常使うものの中にどれだけ多くの化合物が使われているかを強調する

ESR科学リーダーPeter Cressey

ニュージーランドの化粧品規制はEUとそれほど変わらない。ただしいくつか採用されていないものがあり、今回の提案は調和をはかる方針に従ったものである

PFASのヒト健康への有害影響は現在調査中で結論は出ていない。しかし環境中に長く留まることから使うのは望ましくない

オークランド工科大学理学部Allan Blackman教授

1938年に偶然テフロンが発見されてから、PFASはその滑らかさ、輝き、耐水性、耐久性目的で化粧品を含む多くの製品に使われてきた。問題はC-F結合の強固さで、環境中に残る。健康上の懸念が提示されたことから世界中で特定のPFASが禁止されている。

ただし提案されているPFASの定義ではフッ素原子3つが結合した炭素原子を含むあらゆる化合物が違法になる。これらは医薬品に相当使われていて、プロザックや多数の抗がん剤などがある。これらは化粧品ではないが、フッ素含有医薬品を規制対象にする場合にはPFASの再定義が必要であろう。

 

-ダイエタリーサプリメントで死亡

Death By Dietary Supplement

By Henry I. Miller, MS, MD — March 9, 2023

https://www.acsh.org/news/2023/03/09/death-dietary-supplement-16917

多くのハーブダイエタリーサプリメントは混合物で、多様で、不純物が多く安全ではない。より良い監視が必要である。

かつてヒッピーのものだったハーブダイエタリーサプリメントが今やあらゆる病気の治療法として広く宣伝されている。しかし最近のある種のサプリメントで明らかになったことがこの業界の監視強化の必要性を喚起し、現在の規制があまりにも緩いという合意ができつつある。きっかけの一つはカリフォルニアの共和党議員Tom McClintockの妻のLori McClintockがホワイトマルベリーリーフ(マグワの葉)による有害影響で死亡したことである。

ダイエタリーサプリメントは巨大産業である。アメリカ人の4人中3人が定期的に1つ以上のサプリメントを使用し高齢者では5人中4人になる。子どもでも3人に1人が使用している。サプリメント製品の推定数は1994年は4000だったものが現在は5万から8万に増加している。サプリメントへの支出は54兆ドルを超える。

多くのハーブダイエタリーサプリメントは混合物で、多様で、不純物が含まれる。19世紀の蛇の油同様、危険で効果はほとんどない。副作用として血液凝固の異常、高血圧、アレルギー、不整脈、腎臓や肝臓の障害、自己免疫疾患の悪化、処方薬との相互作用などが知られている

(略)

議会は消費者を守るために対応すべきだ

 

-公平な言葉に反対する道徳上の状況 「司法に関与している人」とは何?

THE MORAL CASE AGAINST EQUITY LANGUAGE

What’s a “justice-involved person”?

By George Packer  MARCH 2, 2023

https://www.theatlantic.com/app/webview/673085/

Sierra Clubの「公平な言葉ガイド」は立つstand, アメリカ人Americans, 盲目blind, クレージーcrazyという単語を使わないように薦める。Standは全ての人が立てるわけではないから、Americansはアメリカに住んでいる全ての人が市民権を持っているわけではないから、blindと crazyは、たとえ「気候変動を無視しているblind to climate change」のような場合でも障害のある人を侮辱しているから。また障害のある人the disabledではなく障害とともに生きる人people living with disabilitiesを使うようにという。

このような公平な言葉ガイドは米国の主要な組織で増加している。米国癌学会、米国心臓協会、米国心理学会、米国医学会、ワシントン大学等々。これらのガイドのもとになったのは活動家団体の進歩主義者のスタイルガイドA Progressive’s Style Guideや 人種平等ツール用語集Racial Equity Tools glossaryなどである。これらは相互参照していて、言語浄化運動の背景にいるのは比較的少数の人々であるがその力は莫大である。新しい言語は広くアメリカ社会に定着してはいないが、高学歴の人達に既に影響していて、権威から広がっている。

(以下略。医学用語がよくわからないものに変えられるのはとても困る。「司法に関与している人」は犯罪者のことらしい)