[FSA]食肉偽装調査に関するCEOの声明
CEO Statement on meat fraud investigation
30 March 2023
https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/ceo-statement-on-meat-fraud-investigation
英国食品基準庁(FSA)の最高責任者(CEO)であるEmily Milesは、最近のメディア報道を受けて、食品偽装の可能性に関する犯罪捜査について声明を発表した。
「FSAは、ある食肉業者が英国産と表示された製品を実際には他国から調達していたとの疑惑について、犯罪捜査を続けている。これはライブの調査であり、潜在的な食品衛生違反の調査を含め、関連する地方当局とともにすべての新しい調査を行っている。これは、FSAが行っている食品偽装の調査と並行して行われている。これまでの調査によると、食品が安全でない、あるいは消費者のリスクが高まっているという兆候はない。犯罪捜査は時間を要し、正当な手続きと公正さをもって行われる必要がある。FSAは、この犯罪捜査が可能な限り高い水準で行われるよう、消費者のために不断の努力を続ける。コスト削減やその他の課題によって食品偽装のリスクが高まっている今、フードチェーンに関わるすべての人が、食品が安全であり、その食品に書かれている通りのものであることを保証するために取り組むことが重要である。」とFSA長官Emily Milesは述べた。
ある食肉の不正業者が大量の外国産豚肉を英国産と偽って表示したという疑惑については、現在、犯罪捜査が進められている。FSAは、この業者が腐った豚肉を新鮮な肉と混ぜたという件についても調査している。この食肉は、英国の多くのスーパーマーケットで販売された可能性があることが分かっている。
Farmers Weeklyによると、この業者が産業的な規模の外国産豚肉を英国産として売り渡し、これは少なくとも2020年までの製品に含まれていた可能性があり、英国の多くのスーパーマーケットで販売されている惣菜、キッシュ及びサンドイッチなどの多くの商品に含まれ、学校、病院、ケアホーム、刑務所も間接的に供給されたということである。
FSAは、証拠収集を継続し、今後の裁判所の措置に影響を与えないようにするため、関係事業者の名前を公表していない。FSAの国家食品犯罪ユニット(NFCU)は、2021年9月にこの事業者に対する最初の調査を開始している。
[WHO]出版物
-食品中の特定の汚染物質の安全性評価:第91回FAO/WHO合同食品添加物専門家委員会(JECFA)の作成-WHO Food additives series; 82
Safety evaluation of certain contaminants in food: prepared by the ninety-first meeting of the Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives (JECFA)
WHO Food additives series; 82
31 March 2023
https://www.who.int/publications/i/item/9789240060760
今回のシリーズ82は、2021年2月1日から12日までオンライン上で開催された第91回FAO/WHO合同食品添加物専門家委員会(JECFA)で作成されたモノグラフが収載されている。
このシリーズ82の詳細なモノグラフは、食品中の特定の汚染物質に関するデータをまとめている。それぞれ、すべての食品からのカドミウムへの暴露の評価、麦角アルカロイドに関する技術的、分析的、食事による暴露および毒性学的データ、前荷として存在する可能性のある5つの物質の評価、及びステビオール配糖体の仕様の改訂を示している。
このWHO食品添加物シリーズ82及びその他の巻には、食品添加物及び動物用医薬品を製造及び使用する者、ならびに食品、政府および食品規制官、産業試験所、毒性学研究所および大学における汚染物質の管理に関係する者に役立つ情報が含まれている。
-栄養食品安全部 2022年の重要成果
DEPARTMENT OF NUTRITION AND FOOD SAFETY
Key Achievements 2022
広報パンフレット
[BfR]ワイルドガーリック:混同すると中毒になることが多い
Wild garlic: confusion often leads to poisoning
04.04.2023
ワイルドガーリックはネギ属に属し、最もよく知られている天然の野草の1つである。春に新鮮に収穫され、多くの人々がキッチンでこの植物を、スープ、ソース、サラダなど様々な料理に使う。「ニンニク臭がワイルドガーリックの典型的な特徴だが、この植物は有毒なスズランやイヌサフランと間違われやすい。このような混同が毎シーズン中毒を引き起こし、死に至る場合もある。」とドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)長官Andreas Hensel医学博士は述べた。
ラムソンとしても知られるワイルドガーリック(Allium ursinum)は、葉の茂った日陰の栄養豊富な落葉・混合樹林、河畔林、公園、家庭菜園で育つ。春には、通常小さな球根からみずみずしい緑色の被針形の双葉を出し、それがキッチンで使われる。若葉はメイベルとしても知られる有毒なスズラン(Convallaria majalis)や、毒性の強いイヌサフラン(Colchicum autumnale)の葉と似ている。ドイツ連邦州の中毒センターやBfRの長年の証拠書類が示すように、これがしばしば混同を引き起こす。特に、毒性の高いイヌサフランを誤って摂取すると、過去には深刻な死に至る中毒にさえなっている。スズランの摂取は下痢や嘔吐になり、まれに重度の場合、心不整脈になる可能性がある。イヌサフランの葉による中毒事例では、影響を受けた人は6-12時間の潜伏期間の後、深刻な胃腸症状に苦しむ。1~3日間症状が少ない段階を経て、最終的に多臓器不全が起こる。
特に4月と5月には、ワイルドガーリックと思われるものの採取後に、ドイツだけでなくオーストリア、スイス、クロアチアでも中毒事例件数が増える。
ワイルドガーリックを有毒なそっくりの植物と区別するには、通常、指の間で緑の葉をこすれば十分である。ワイルドガーリックの典型的なニンニク臭がしなければ、その草から離れ、よく手を洗った方がよい。だが、嗅覚テストには落とし穴がある。前のテストのニラの匂いがまだ手についていたら、誤った結果になる可能性がある。そのため、ワイルドガーリックを採取する人は、それを有毒な植物と確実に区別できるよう、その植物や特徴全てを熟知する必要がある。BfRは、疑わしい場合は、自分で採取したワイルドガーリックを食べない方がよいと助言している。
ワイルドガーリックは食料品店では季節野菜の品揃えの一種で、管理された作物であることが多い。専門店で苗や種子を購入して自分で育てることもできる。こうすれば、消費者は楽しみを諦める必要なく中毒リスクを避けられる。
ワイルドガーリックを使用したと思われる食事後に健康被害が出た場合は、すぐに中毒管理センターに相談するか、医師の診察を受けた方がよい。
中毒管理センターの名簿:
https://www.bfr.bund.de/cm/343/verzeichnis-der-giftinformationszentren.pdf
PDF-File (75.3 KB)
中毒予防のヒントや応急処置のアドバイスはBfRのアプリ「子供の中毒事故」で無料で提供されている:
https://www.bfr.bund.de/de/apps_vergiftungsunfaelle.html
[MPI]オーガニック製品法の変更
Changes to organic products law
本記事は、オーガニック製品・生産法案及びその進捗状況、それが必要な理由、関連する相談について明らかにするものである。
オーガニック製品・生産法案は2023年3月30日に国会で第3回の最終の読み上げを行った。全国オーガニック規格を作成中で、これが最終化されると新しいシステムに移行するのに3年間かかる。MPIは2023年末までに原価回収と侵害行為の規則策定作業を開始する予定である。
この法案では、生産から販売まで、オーガニック部門に関与するほとんどのビジネスの要件を設定している。
この法案の目的は:
・「オーガニック」と表示される製品の購入における消費者の信頼を高めること
・製品がオーガニックであると主張する業者の確実性を高めること
・オーガニック製品の国際貿易を促進すること
オーガニック分野は1990年代以降急速に成長している。2019年には、世界的なオーガニック小売り市場は1,810億ドルだった。全世界のオーガニック農地の総面積は1999年から2019年にかけて7倍になった。
変更が必要な理由
ニュージーランドや海外の消費者は、購入する製品やその生産方法への興味が高まっている。政府は、消費者により多くのオーガニック製品を購入する自信を与え、企業にオーガニック製品に投資するための確実性を与えるための枠組みを設定することに合意した。
それに加えて海外の国では、オーガニック輸入品が自国の基準を満たし、同等の制度に由来することの要求が高まっている。例えば、EUの新しいオーガニック法では、EUに輸入されるオーガニック製品は、EUで生産されたオーガニック製品と同じあるいは同等の基準を満たすことを要求している。EUの新しい法律に従って、ニュージーランドは、現在の市場アクセスを維持するために、2027年までにEUと新しい同等の協定を交渉する必要がある。
オーガニック製品のための堅固な国内制度は:
・EUと直接交渉するためにより強力な立場に立つ。
・取引先の要件を満たすのに役立つ
・ニュージーランドのプレミアムなオーガニック製品の新しい市場へのドアを開く。
オーガニック規則の草案に関する協議
第一次産業省(MPI)は、オーガニック規則の草案に関する見解を聞くために2021年にパブリックコメント募集を行った。その後MPIは、食品、飲料、植物及び動物製品のオーガニック規則の提案についてのフィードバックを分析した。MPIは規則のより詳細なレベルを提供し、農業省に助言するフィードバックを受け取るために、2022年10月から12月にかけて部門と再び関与した
[CFIA]カナダでペットの犬がトリインフルエンザ検査陽性
Domestic dog tests positive for avian influenza in Canada
April 4, 2023
2023年4月1日、CFIAはオンタリオ州Oshawaのペットの犬の高病原性トリインフルエンザ陽性を確認した。この犬は野生の雁を噛んでトリインフルエンザに感染し、臨床症状を発症した後死亡した。死後剖検が4月3日に完了し、呼吸器に影響が見られた。さらに調査中で、この種の事例はカナダでは初である。
ペットの所有者は、
・ペット(犬猫)に生のトリ肉(野生でも家禽でも)を与えないこと
・ペットに戸外で見つけた死んだ鳥を食べたり遊んだりさせない
・ペットの健康に疑問があったら獣医師に相談する
[DWI]DuxfordのPFAS汚染水質イベント調査
Investigation into the Water Quality Event of PFOS Contamination in Duxford
6 April 2023
https://www.dwi.gov.uk/investigation-into-the-water-quality-event-of-pfos-contamination-in-duxford/
調査結果を発表
Investigation into the Water Quality Event of PFOS Contamination in Duxford, Cambridge Rural Water Quality Zone
https://www.dwi.gov.uk/wp-content/uploads/2023/04/2022-8432-PFOS-in-Cambridge-Rural-WQZ-EAL.pdf
2022年2月8日に新聞Guardianの記事でCambridgeshireに提供されていた飲料水中にPFOSが存在することが知らされた。DWI調査の結果Duxford飛行場での過去のPFOAを含む消火剤での消火活動に由来することがわかった。水会社は汚染には責任はないが過去のデータからそこにPFOAが存在することは知っていた。水会社はPFOS濃度を下げるためにDuxfordの水とAbington Park/Hinxton Grangeの水を混合していた。
2021年1月にDWIはPFASについての予防的ガイドラインを発表していて、水会社に実行可能な限り水中の濃度を最小限(0.1 µg/l以下)にする努力を求めていた。会社はこのガイダンスによる変更への対応を十分行わなかったため時に0.3-0.4µg/lに増加していた。
2022年2月21日にこの企業の水供給は確実に0.1 µg/l以下にできるまで予防的に禁止された。
調査の一環として毒性専門家による助言が求められ、供給された水からのPFOS暴露が0.1 µg/lまでの暴露に比べて害の可能性を有意に上げることはないと結論された。従ってこの飲料水が水規制に定める健康に良くないものであるという根拠は同定されなかった。
(国内メディアが「高濃度」と騒いでいる水道水PFASはこの0.1 µg/l(100 ng/L)より低い。「念のため」として低い基準を設定させて、少しでも超えたらがんになる、と市民を不安にさせるの、公共の福祉には何の貢献もしない。)
[EPA]Biden-Harris政権は化学物質とポリマー工場の基準を強化し大気中有害物質によるがんを劇的に減らすことを提案
Biden-Harris Administration Proposes to Strengthen Standards for Chemical and Polymers Plants, Dramatically Reduce Cancer Risks from Air Toxics
April 6, 2023
エチレンオキシドとクロロプレン等の排出抑制案
エチレンオキシドのアクションレベルは空気1m3あたり0.2マイクログラム、クロロプレンは0.3マイクログラム
[FAO]FAOは食料安全保障と緊急時回復力強化のための日本からの3440万ドルの貢献を歓迎
FAO welcomes $34.4 million contribution from Japan to boost food security and strengthen resilience in emergency contexts
06/04/2023
[CCDC]中国飲料水質基準(2022版)発効
The Standards for Drinking Water Quality of China (2022 Edition) Will Take Effect
Jiayi Hanet al., China CDC Weekly, 2023, 5(13): 297-300
https://weekly.chinacdc.cn/en/article/doi/10.46234/ccdcw2023.054
中国の水質基準設定のしくみについて。中国基準へのリンク有り
論文
-健康増進のために、添加糖を1日ティースプーン6杯までに制限せよと専門家が強く求める
Limit added sugar to six teaspoons a day to improve health, urge experts
5-APR-2023
https://www.eurekalert.org/news-releases/985139
BMJに発表されたアンブレラレビュー
遊離の糖あるいは添加糖は25 g/day以下、砂糖で甘くした飲料は週に200-350mL以下を薦める
Dietary sugar consumption and health: umbrella review
https://www.bmj.com/content/381/bmj-2022-071609
-カカオ豆にはどのくらいカドミウムが含まれる?
How much cadmium is contained in cocoa beans?
6-APR-2023
https://www.eurekalert.org/news-releases/985309
カドミウム汚染の多い(平均4.2 mg/kg cadmium、EU基準0.1-0.8 mg cadmium/kg)コロンビアの地域でカカオ豆の汚染分布を正確にマップする研究を行った。その結果外殻に主に蓄積していることがわかった。またローストすると分布が変わった。さらなる研究で加工工程の改善によるカドミウム削減を目指す
-ペットの受動喫煙リスクを訴えるFacebookの禁煙キャンペーンが最もユーザーが集まった
Anti-smoking campaigns on Facebook that discuss the risks of second-hand smoking to pets receive the most user engagement
6-APR-2023
https://www.eurekalert.org/news-releases/985355
The Journal of Medical Internet Researchに発表されたソーシャルメディアでの効果的禁煙キャンペーンについての調査。
-SCIENCE 6 Apr 2023 Vol 380, Issue 6640
アメリカの蛇油問題
America’s snake oil problem
CHRISTOPHER KEMP p45
「医療の自由」への無謀な突っ込みが米国の医療の喜劇と悲劇を明らかにする
Matthew Hongoltz-Hetling著「もしインチキのようだったら…If It Sounds Like a Quack…」の書評
アメリカでは何かおかしなことがおこっている。我々は気管支炎を治すために漂白剤を飲むようになった。間接にレーザーをあて、理解できないことを言い、胃の逆流を治すのにより大きな力を求める。最新の技術がかつては不可能だったことを可能にした。しかし一方でそれを拒否する人達もいる。この本はその理由を探った。
この本の中核には6人のインチキ医療宣伝者の物語がある
COVID-19の前に、リベラル左翼-ヨガ-クリスタル集団が右翼-銃の権利集団と予期せぬ同盟を作っていた-“Don’t Tread on Me”(私を踏まないで)派閥である。彼らは「医療の自由」を提唱し、主流の医療を拒否して伝統的ではない治療をする権利を要求した。これはより広範な反政府団体と合流した。
鳥に注射
Bird shots
p 24-27 JON COHEN
トリインフルエンザウイルスが家禽産業を壊滅させている中、米国はこれまでにない対策を検討:鳥の群れへの予防接種
その他
-バヌアツはシガテラ事例を報告、マレーシアではフグで一人死亡
Vanuatu reports ciguatera cases; puffer fish kills 1 in Malaysia
April 6, 2023
バヌアツ保健省によると、今年これまでで約30例のシガテラ魚中毒が報告されている。27人の患者は6-67才で、多いのは35才以上、男性。死者はいない。
ほとんどは種が不明の珊瑚礁の魚を食べているが、16%はフエダイ類、15%はハタ類
一方マレーシアではフグを食べて83才の女性一人が死亡した。夫も入院した。
-SMC UK
母乳と混合で育てられた赤ちゃん(対調整乳を与えられた赤ちゃん)と特別な教育が必要になるリスクへの専門家の反応
expert reaction to breast and mixed-fed babies (versus formula-fed babies) and risk of having special educational needs
APRIL 6, 2023
PLOS Medicineに発表された研究が、スコットランドの学童の特別教育の必要性と乳児の栄養について調べた
Great Ormond 通り子ども病院の子ども青少年精神科名誉相談医でUCL客員教授Danya Glaser博士
関連は因果ではない。特別教育の必要性は社会経済的地位の低さのような母乳以外の要因による可能性がある。母乳を与えないことと社会経済的地位の低さに関連があり、この研究はそれを適切にコントロールしていない。
Cambridge大学小児科および医学研究評議会疫学ユニットKen Ong教授
この研究の強みは数の多さと6週時点での母乳と教育についての質の高いデータである。大きな限界は親の教育に関するデータがないことで、教育レベルの高い親は母乳を与える可能性が高いことを我々は知っている。もう一つの欠点は6週間時点での母乳の情報しかないことである。
Cardiff大学心理学部長Petroc Sumner教授
これは大規模で有用な研究だが母乳が子どもをリスクから守ると安易に解釈される。しかし関連から因果関係を読むことには常に用心しなければならない。最も重要なことは、親の教育レベルがコントロールできていないことだ。
Edinburgh大学心理学部Lothian出生コホートMRC研究員
論文中で著者が注記しているように、彼らは親の健康や教育,IQについてのデータがない。このことが乳児に母乳を与えることが特別教育の必要性リスクを修飾すると主張することへのいくつかの限界となる。例えば、IQの高い女性はIQの低い女性より母乳を与える可能性が高く教育レベルも高く身体的健康状態が良い。さらに親と子どもは遺伝子を共有しているのでIQの高い母親の子どもは特別教育の必要性が低い遺伝要因をもっている可能性が高い。
-イタリアは食遺産を守るため培養肉を禁止
Italy moves to ban lab-grown meat to protect food heritage
29 March
https://www.bbc.com/news/world-europe-65110744
実験室で作った肉やその他の合成食品を禁止
コオロギやイナゴのような昆虫由来の粉をピザやパスタに使うことを禁止する一連の政令に続く。
↓
政府は食品中昆虫製品を規制する政令を通す
Govt passes decrees regulating insect products in food
23 March 2023
EUが最近認めた昆虫由来の粉末を一部の食品に使うことを禁止し、昆虫を含む製品には極めて明確な表示を義務化する