2023-10-06

[BfR]リスク研究者Mr.Henselへのインタビュー:「人々は、自分たちがゆっくりと毒されていることを恐れている」

Interview with risk researcher Hensel: “People are afraid that they are being slowly

Poisoned

29 August 2023

https://www.bfr.bund.de/cm/349/interview-with-risk-researcher-hensel-people-are-afraid-that-they-are-being-slowly-poisoned.pdf

BfRは、BSE危機に対応して、消費者の健康保護と食品安全に対する新たなアプローチの一環として設立された。BfRは、食品、日用品、化学物質の安全性及び消費者の健康保護に関する問題について、ドイツ連邦政府に科学的な助言を提供している。BfRは、独立性を基礎とし、科学的評価と研究を行っている。以下、Mr.Henselのインタビュー。

Q.Mr. Hensel、環境保護活動家はイチゴに含まれる農薬について警告し、世界保健機関(WHO)は甘味料のアスパルテームに発がん性があるとみなし、BAU労働組合は家庭内のアスベストについて警告を発している。しかし、法的にはドイツのリスク担当最高権威者であるBfRからは何の警告もない。なぜか?

-その通りで、今までに一度しか警告を出したことがない。それは2011年の腸管出血性大腸菌(EHEC)危機の時で、BfRがその危機の原因としてフェヌグリークの種子を同定し、評価した時である。

Q.腸管出血性大腸菌(EHEC)は重度の血性下痢を引き起こし、死亡者も出ている。あなたの意見では、その後、何も警告すべきことはなかったか?

-警告を出すのではなく、科学的評価を提供するのが我々BfRの仕事である。BfRは特定の物質や微生物がもたらす健康リスクについて政治的意思決定者に助言する。

BfRは1度に、1日に、そして一生を通じて病気にならずに摂取できる物質の量について言う。国家は国民を保護しなければならず、BfRはこれに対する科学的根拠を提供する。BfRのウェブサイトやツイッター、インスタグラムをフォローすることで、BfRの仕事のすべてを読むことができる。毎日新しい発見を発表している。

Q.イチゴについてはどうか?BUND(ドイツ環境自然保護連盟:環境派の非政府組織)がイチゴを検査したところ、ほとんどすべてのサンプルから農薬が検出された。1つのサンプルに4つか5つの農薬が含まれていることもよくある。健康的でないと思う!

-この種の報道は不安と恐怖を煽る。人々は自分たちが徐々に毒されていることを恐れる。遺憾だが、報道は大胆な表示をし、内容を確認せずに印刷するため、煽りに大きく関与する。実際、検出された残留農薬はすべて許可された最大基準値をはるかに下回っており、健康リスクはなかった。

イチゴの季節に、懸念する母親から、子どもにイチゴを与えてもいいかという問い合わせがある。イチゴは美味しくて健康によい。ある物質が食品から検出されたかどうか尋ねるのではなく、どのくらいの量と濃度で、それが健康リスクをもたらすかどうかを尋ねるべきである。しかし、この研究はこの点について何も述べていない。恐怖は助言でなく、過剰な反応を引き起こす:子どもは、もはやイチゴを食べなくなった、と。

Q.親は子どもを守りたいと思い、安全を求める。当然、それは理解できる?

-植物保護製剤が承認される前に、それが環境に有害であるか、ヒトの健康にリスクをもたらすかを判断するために、非常に慎重に確認される。用途通りに使用しても、残留物は形成される。これは避けられないことであり、それ自体はリスクではない。

そのような残留物は違法ではない。植物保護製剤が承認される前に、BfRは植物保護製剤とその最大残留基準の包括的な健康評価を実施する。これらは、植物保護製剤の有効成分とその分解物質の食品中で許容される最大濃度である。

Q.この評価はどのように実施するのか?

-分析上の考慮事項と、いわゆるALARA原則を含め、最大残留基準を決定する。ALARAは「As Low As Reasonably Achievable」の略で、最大残留基準が合理的に達成可能な限り低いことを意味する。各製品について、これらの基準は通常、人々の健康に関連する基準よりもはるかに低い。したがって、消費者に健康リスクはない。

Q.しかし、私はイチゴだけでなく、ブルーベリーやレタスも食べ、どこにでも農薬がある...

-植物保護製剤は収穫物を守るために意図的に使用される。すべての作物は自然に農薬、つまり捕食者から身を守るために使用する有毒物質を含んでいる。スパイス、玉ねぎ、唐辛子及びその他多くの作物で香りや味を感じることができる。

Q.農薬であれ、植物保護製剤であれ、体内に蓄積されないか?

-ドイツでは、植物保護製剤を含む食品で中毒になったというエビデンスは1つもない。しかし、多くの人はまだ怖がっている。

Q.植物保護製剤を避けようと、多くの人がオーガニックに切り替えている。

-オーガニック分野にも植物保護製剤はある。例えば、銅などのこれらの物質は「天然」であるが、高用量では毒性もある。そして、オーガニック農法かどうかにかかわらず、できるだけ多くの有害な生物と戦うために、特定の状況に適したいくつかの薬剤を必要に応じて使用することは、適切な農業の一環である。複数の薬剤の併用により、1つの薬剤を高用量で使用する場合よりも、植物保護剤の使用量を少なくすることができる。

イチゴの研究が示唆することに反して、多くの薬剤が自動的に多くの毒を意味するわけではない。しかし、それは人々に明確に伝えられていない。安全に関して言えば、法律は異なる生産形態を区別していない。製品がどのように生産されたかを知ることはもちろんできないし、異なる生産形態を分析的に区別することもできない。

Q.欧州連合(EU)委員会は、2030年までに農薬の使用を半減させたいと考えている。懐疑的なのはNGOだけではない

-農家は低価格で良い製品を生産するために植物保護製剤を使用する。農家がこの使用をどれだけ減らすことができるかについて一概に述べることはできない。穀物やテンサイでおそらく可能なことが、ブドウの木や果樹のような永年性作物でははるかに難しい。

ワイン用ブドウの栽培には、すべての植物保護製剤の70~80%が使用される。おいしい赤ワインを飲みながら、人々は残留農薬に腹を立てる。ワインは約12%が化学物質エタノール、つまりアルコールを含んでおり、アルコールは、国際がん研究機関が発がん性物質に分類している。これは逆説的である。

Q.しかし、定期的に飲酒や喫煙をしても、植物からの毒素も摂取したくない。

-喫煙しているならば、植物保護製剤の残留による健康リスクを心配する必要はない。喫煙の有害影響は非常に大きく、他の長期的な毒性学的影響を覆い隠してしまう。したがって、人々は本質的なリスクについてより良い教育が必要である。

Q.あなたの意見では、本質的なリスクはどこにあるか?

-食物に関しては、現在最も危険な場所はキッチンである。欧州では現在、サルモネラ菌のアウトブレイクが発生しており、オーストリアではすでに鶏肉のサルモネラ菌による死亡者が1人出ている。それに興味を持つ人はほとんどいない。公式の数字によると、ドイツでは毎年10万人以上が食中毒にかかっている。しかし、多くの人が医者に行かないため、報告されていない症例の数は確実に10倍から20倍になっている。

Q.サルモネラ菌はスウェーデンでは実質的に根絶されている。なぜドイツではそれができないのか?

-スウェーデンは、家畜からサルモネラ菌を排除するために40年間取り組んできた。おおむね成功しているが、「根絶」ではない。つまり、南へ旅行してサルモネラ菌を含む生のものを食べるとすぐに病気になるリスクが高まることを意味する。対照的に、ドイツ人は生の豚ひき肉を好んで食べ、細菌に繰り返し晒されている。したがって、ドイツ人は感染に対する免疫が若いうちに形成されるため、少量に対して耐性があり、病気にならない。

Q.甘味料のアスパルテームはどうか、どのくらい危険か?

-この話題は毎年出て、本当に繰り返しである。世界中のリスク評価機関やWHOの責任機関であるJECFAは、アスパルテームは人々が摂取する量では安全であると述べている。

Q.なぜWHOのがん研究機関は違う見方をしているのだろうか?

-がん研究機関であるIARC(国際がん研究機関)は、ある物質が有毒である可能性があるというエビデンスのために文献を精査する。しかし、実際に人がどのくらいの量の物質を摂取しているのかという核心を避ける。しかし、それが重要で、ある物質が健康リスクをもたらすかどうかは、その物質自体だけでなく、暴露量、つまり摂取量による。

穀物などの無害な食品にも、鉛やカドミウムが含まれていることが多く、体内に蓄積される。ビーガンやベジタリアンは、比較的穀物製品を多く食べるため、これらの重金属により暴露されている。よって、ドイツ初のトータルダイエットスタディであるBfR MEAL スタディでは、300以上の食品や料理を一般的なドイツの人々が行うように調理し、カビ、重金属、農薬及びミネラルなどの幅広い物質について実験室で検査した。

Q.何がわかったか?

-MEALチームは現在、14万以上の分析結果を評価している。これまでに評価された結果は、ドイツでは、子供や免疫不全の人など、特に保護が必要な集団でも、通常の食事、つまりバランスのとれた多様な食事を食べていれば、食品は安全であることを確認している。現在の科学知識によると、これはアスパルテームにも当てはまる。

多くの人ががんになるという事実は、食品や化学物質のせいではなく、むしろ加齢のためである。推定5人のがんのうち4人は、生活習慣とは関係のない要因が原因である。

Q.警告する人もいれば、警告することは何もないと言う人もいる。重要視せず、否定するだけの人と思われることを恐れないのか?

-その通り、我々はよくそう思われるが、我々が助言する人はそう思わない。反対に質問するが、なぜ、例えばFoodwatchやBUNDをBfRよりも信じるべきなのか?BfRには、科学的事実を正しくそのまま連邦政府に提出する法的義務がある。

BfRのウェブサイトに掲載されているのは、科学や技術の現在の状況である。もしBfRが差し迫った健康リスクをもたらすものを見つけたら、警鐘を鳴らす、BfRが最初に警鐘を鳴らす!科学は監視の対象ではなく、連邦議会は法律でBfRの独立性を与えている。

Q.あなたでも怖いものはあるか?

-リスクのない生活はできない。怖くはないが、呼吸して、食べて、そして物事を経験しなければならない。どんな代償を払っても、あらゆるリスクを回避したいのであれば、結局は完全に無力化され、麻痺してしまい、人生を楽しむことができなくなってしまう!最終的にはそれがはるかに大きなリスクである...

 

[EU]査察報告

-インド―卵と卵製品(リモート評価)

India 2022-7623―Eggs and egg products (remote assessment)

05-10-2023

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit-report/details/4661

インドのEU輸出用卵製品がEU要件に従っていることを検証するための査察結果。公的管理と認証システムは、卵製品に関するEUの衛生要件がEUモデル衛生健康証明書に規定された要件を満たしているとことを十分保証できている。

 

-ブルガリア―生きた二枚貝の管理システムの評価

Bulgaria 2023-7740―evaluate the control system of live bivalve molluscs

03-10-2023

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit-report/details/4663

2023年4月24日から5月5日まで実施した、ブルガリアの二枚貝や海産腹足類の公的管理システムが関連するEU法の要件を満たしているかどうかを評価し、法律の実施や施行を検証するための査察の結果。ブルガリアには、一次生産の生産地域とそれ以外からの生きた二枚貝と海洋腹足類の公的管理システムがなく、EU法の要件の大多数が満たされていない。また、どの機関に実行責任があるのか、様々な機関間の法的明確性や同意がない。適切な食糧安全保障を提供するには不十分である。

 

[EFSA]意見等

-使用後のPETを食品接触物質へリサイクルするために使用されるGneuss 2テクノロジーに基づくConcept Plastics Packagingプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process Concept Plastics Packaging, based on the Gneuss 2 technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2023;21(10):8261 5 October 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8261

(科学的意見)

このプロセスから得られるリサイクルPETを、室温で長期保存される(a) 飲料水以外の全ての種類の食品接触物質の製造に100%、(b) 飲料水を含むすべての種類の食品接触物質のバージンPETとの混合物に90%まで、使用しても安全上の懸念とはならない。このリサイクルPETで作られた最終製品は電子レンジとオーブンで使用することを意図しておらず、そのような使用はこの評価の対象外である。

 

-使用後のPETを食品接触物質へリサイクルするために使用されるNGRテクノロジーに基づくUmincorpプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process Umincorp, based on the NGR technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2023;21(10):8263 4 October 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8263

(科学的意見)

このプロセスから得られるリサイクルPETを、室温で長期保存される飲料水を含む全ての種類の食品接触物質の製造に100%使用しても安全上の懸念とはならない。このリサイクルPETで作られた最終製品は電子レンジとオーブンで使用することを意図しておらず、そのような使用はこの評価の対象外である。

 

[FSS]新しい育種技術(NBT)の消費者研究

New breeding technologies (NBTs) consumer research

2 October 2023

https://www.foodstandards.gov.scot/publications-and-research/publications/new-breeding-technologies-nbts-consumer-research

スコットランド食品基準庁(FSS)は、食品における新しい育種技術(NBT)に対する消費者の意識と考え方を調査した。

最終報告書

https://www.foodstandards.gov.scot/downloads/New_breeding_technologies_%28NBT%29_consumer_research_report.pdf

p.37-38

  1. 主な調査結果―概要

この研究は、新しい育種技術(NBTs)を含む食品の用語や、将来の規制にまつわる消費者の認識についてのFSSの見解を伝えるために委託された。消費者を対象とした質的調査からの洞察を提供することで、FSAと実施した精密育種(PB)10への考え方について、共同調査研究を基に構築することを目指してきた。

NBTsに関する消費者の理解と見解

以前のFSA/FSS PB調査の結果を反映したところ、食品における新しい育種技術の認知度は非常に低かった。参加者はNBTsについてほとんど知らず、何も知らされていなかった。このセッションで初めてNBTsについて聞いた後、多くの人はその導入が何を意味するかについて不確かなままで、混乱と不安を感じていた。参加者はまた、理解するのが困難な分野であることが分かった。

参加者は一般的に科学や科学者を信頼し、変化は避けられないという印象を持った。しかしながら、新しい技術やその使用について、依然として深く懐疑的な少数派もいた。

用語

参加者は技術についての用語は難しいと感じた―彼らはそれになじみがなく、その言葉は不快で過度に科学的だと感じた。

だが、多くの人はGMOとNBTsの区別ができ、他種のDNAを用いるという考え方に強く否定的な見解を持っていた。他の種のDNAを加えることよりも、既存のDNAを編集することを受け入れる人が多かった。

多くの人が「古典的な育種」を「自然育種」と結び付け、育種技術全般についての理解がなく、時には放射線による突然変異誘発などの長く確立された技術を懸念していた。

「包括的」な用語(「新しい育種技術」や「精密育種」など)、説明的な用語(「ゲノム編集」や「遺伝子編集」など)、専門的な科学用語(「標的変異誘発」「シスジェネシス」「遺伝子導入」など)の選択肢を与えられると、参加者は、包括的用語、次に説明的用語を好んだ。

専門用語や科学的用語を好む人は少なかった。最も好まれた用語は、包括的用語「新しい栽培技術」(フォーカスグループの1つが提案した)だったが、「新しい育種技術」や「精密育種」などの他の用語も適切だと考えられた。

リスクと利益

参加者は食品におけるNBTsへのリスクと利益の両方を認識した。認識された主な潜在的な肯定的利益は:より安い食品;より長い保存期間;栄養や他の健康利益増加;より広い消費者の選択肢である。

主なリスクや懸念は:食品に知らないものが添加されること;食品に何が行われたかについての知識がないこと;長期にわたる未知の結果;「自然をもてあそぶ」リスクである。なお、参加者の半数以上はNBTsを用いた食品開発に満足している(これは規制についての提示前だった)。

NBTsの規制

一旦、参加者に食品の規制について情報提供すると、ほとんどの人は、必要な保護措置が講じられることに安心した。だが、依然として納得しない少数グループがいた。

参加者が知りたいNBTsの規制のレベルに対して様々な回答があった。NBTsが(GMのように)厳しく管理されることを望む人がいる一方で、(その他の「新しい」「新規」食品と同様に)規制のプロセスを通るならば、NBTsが認可されることに満足する人もいた。

参加者は、ほとんどの場合、リスクに基づいて様々な認可要件のある「段階的」システムがあること、監視や助言を提供するための専門委員会を設置することなど、他の対策も支持した。

参加者は、圧倒的に、NBTs成分を含む食品が表示情報で容易に識別できることを期待していた。

参加者はまた、一般的に、動物におけるNBTsを全く好まなかった。

 

[CODEX]コーデックス文書の利用と影響に関する調査

Survey on the Use and Impact of Codex Texts

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/resources/monitoring/en/

コーデックス事務局は、コーデックス文書の利用と影響を測定するため、全コーデックス加盟国を対象に毎年調査を実施している。コーデックス戦略計画2020-2025を通じてこのテーマをモニタリングすることを命じられたため、事務局は、2021年、FAO(国連食糧農業機関)及びWHO(世界保健機関)の評価部門と協力し、コーデックス規格に関するアクセシビリティ、関連性、信頼性などの問題を探る仕組みの開発に着手した。

この調査は、コーデックス文書の影響力、または影響力の可能性について、加盟国及びオブザーバーがよりよく理解するためのソリューションのひとつである。

加盟国は、2015年から2020年の間にコーデックス委員会が採択または改訂した最大4つの規格について、質問に回答するよう求められている。

本調査は、コーデックス規格書の普及度と有用性を調査し、その影響を算出するために回答を利用することを目的とする。コーデックスの各加盟国が調査に回答する必要がある。コーデックスのコンタクトポイントは、各国のコーデックス委員会またはチームを招集するなど、通常のルートを通じて各国がどのように回答するかを調整する必要がある。また、2023年に調査される規格は、食品添加物に関する一般規格(CXS 192-1995)、栄養表示に関するガイドライン(CXG 2-1985)、推奨分析及びサンプリング法規格(CXS 234-1999)、食品及び飼料中の残留農薬の分析法の性能基準に関するガイドライン(CXG 90-2017)の4つである。

 

[FDA]FDA規制製品に対する国民の理解を向上させるための戦略に関するReagan-Udall 財団の公開会議におけるCaliff長官の発言

Remarks by Commissioner Califf at the Reagan Udall Foundation's Public Meeting on Strategies for Improving Public Understanding of FDA-Regulated Products

OCTOBER 5, 2023

https://www.fda.gov/news-events/speeches-fda-officials/remarks-commissioner-califf-reagan-udall-foundations-public-meeting-strategies-improving-public

米国食品医薬品局(FDA)のCaliff長官が「FDA規制製品に対する国民の理解を向上させるための戦略」の報告書について発言する。

 

[FDA]警告文書

-Day Light Nutrition

AUGUST 04, 2023

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/day-light-nutrition-653234-08042023

未承認の医薬品、不正表示の問題。サプリメントやハーブ成分を含む。

 

[HK]法令違反等

-CFSはインド産の包装済み粉末白コショウからエチレンオキシドを検出する

CFS finds ethylene oxide in prepackaged white pepper powder sample from India

Thursday, October 5, 2023

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20231005_10533.html

はインドから輸入した包装済み白コショウ粉末のサンプルからエチレンオキシドが検出された。食品安全センター(CFS)は、販売を停止し、リコールを実施。

 

-包装済みココナッツミルク飲料が栄養表示規則に違反する

Prepackaged coconut milk drink sample not in compliance with nutrition label rules

October, 5 2023 (Thursday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20231005_10532.html

タイ産ココナッツミルク飲料がカルシウム104 mg/100 ml、ビタミンD 0.5 ug/100 mlという表示のところそれぞれ77 mg/100 ml、未検出であった。

 

-包装済みアーモンドミルクが栄養表示規則に違反する

Prepackaged almond milk not in compliance with nutrition label rules

October, 4 2023 (Wednesday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20231004_10531.html

タイ産アーモンドミルクがナトリウム6 mg/100 ml、カルシウム111 mg/100 ml、飽和脂肪酸0.3 g/100 mlという表示のところそれぞれ56 mg/100 ml、38 mg/100 ml、0.79 g/100 mlの検出であった。

 

-包装済みチョコレートサンプルが栄養表示規則に違反する

Prepackaged chocolate sample not in compliance with nutrition label rules

October, 4 2023 (Wednesday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20231004_10530.html

トルコ産チョコレートがナトリウム13 mg/100 gという表示のところそれぞれ22 mg/100 gの検出であった。

 

-台湾政府より‐中国本土から台湾に輸入された蟹珍「大閘蟹粉(QUICK FROZEN RIVER CRAB MEAT)」のバッチに、台湾の基準に準拠しないレベルの動物用医薬品残留物クロラムフェニコールが検出されたと報告

The authority of Taiwan reported that a batch of 蟹珍「大閘蟹粉(QUICK FROZEN RIVER CRAB MEAT)」 imported from Mainland China to Taiwan was found to contain a veterinary drug residue, chloramphenicol, at a level which is not complying with the Taiwan standard

4 October 2023

https://www.cfs.gov.hk/english/rc/subject/files/20231004_1.pdf

 

-台湾政府より‐タイから台湾に輸入されたWAIWAI「速食麵(インスタントヌードル)」のバッチに、台湾の基準を満たさないレベルの残留農薬エチレンオキシドが含まれていること報告。

The authority of Taiwan reported that a batch of WAIWAI「速食麵(INSTANT NOODLE)」 imported from Thailand to Taiwan was found to contain a pesticide residue, ethylene oxide, at a level which is not complying with the Taiwan standard

3 October 2023

https://www.cfs.gov.hk/english/rc/subject/files/20231003_2.pdf

 

[CFIA]リコール

- Monster EnergyブランドのUltra Sunrise エネルギードリンクはプラスチック破片と缶コーティングの剥離のため、リコール。

Monster Energy brand Ultra Sunrise Energy Drink recalled due to pieces of plastic and delamination of can coating

2023-09-25

https://recalls-rappels.canada.ca/en/alert-recall/monster-energy-brand-ultra-sunrise-energy-drink-recalled-due-pieces-plastic-and

 

[CPSC]Cocco Candy と KGR DistributionはCoccoのキャンディローリングキャンディを窒息ハザードのためリコール:一人死亡が報告された

Cocco Candy and KGR Distribution Recall Cocco’s Candy Rolling Candy Due to Choking Hazard; One Death Reported

October 05, 2023

https://www.cpsc.gov/Recalls/2024/Cocco-Candy-and-KGR-Distribution-Recall-Coccos-Candy-Rolling-Candy-Due-to-Choking-Hazard-One-Death-Reported

2023年4月にニューヨークで、キャンディの回転ボールが外れて喉に詰まり7才の少女が窒息して死亡した

(ソックタッチみたいな?あまり見たことない)

 

関連

-Candy Dynamicsは7000万個のスライムリッカーサワーローリング液状キャンディを窒息リスクのためリコール

Candy Dynamics Recalls 70 Million Slime Licker Sour Rolling Liquid Candies Due to Choking Hazard

October 05, 2023

https://www.cpsc.gov/Recalls/2024/Candy-Dynamics-Recalls-70-Million-Slime-Licker-Sour-Rolling-Liquid-Candies-Due-to-Choking-Hazard

ローリングボールが外れて子どもの口に入って窒息ハザードになる

 

[DHSC]政策ペーパー 始めるのを止める:禁煙世代を作るための新しい計画

Stopping the start: our new plan to create a smokefree generation

4 October 2023

https://www.gov.uk/government/publications/stopping-the-start-our-new-plan-to-create-a-smokefree-generation

将来世代を守るために政府がとるべき対応を提案

 

[FSSAI]FSSAIは乳と乳製品にプロテインバインダー添加は認められていないことを明確にする

FSSAI clarifies that addition of protein binders is not permitted in milk and milk products [Updated on:05-10-2023]

https://www.fssai.gov.in/upload/uploadfiles/files/Press%20Release-%20Protein%20Binders_Eng(1).pdf

FSSAIは乳と乳製品にプロテインバインダー添加は認められていないことを明確にする。さらにこれら添加物は食品安全基準 Appendix Aに特定されている乳や乳製品にのみ使える

 

[NASEM]ウェビナー

食品表示:持続可能性を定義することの課題

Food Product Labeling: Challenges of Defining Sustainability

Oct 12, 2023

https://www.nationalacademies.org/event/40313_10-2023_food-product-labeling-challenges-of-defining-sustainability

 

[フィンランド食品局]2023年のフィンランドのトリインフルエンザ

Avian influenza in Finland in 2023

https://www.ruokavirasto.fi/en/animals/animal-health-and-diseases/animal-diseases/poultry/avian-influenza/avian-influenza-in-finland/

(冬を前に準備、もはや通年検出されるようになっていて、今後増えるのだろう)

 

[FAO]綿を持続可能にするためには科学、投資、ガバナンスが必要

Making cotton sustainable requires science, investment and governance

04/10/2023

https://www.fao.org/newsroom/detail/FAO-World-Cotton-Day-2023/en

世界コットンデー2023イベントでのFAO事務局長挨拶

(新しい技術を否定するオーガニックコットンは全く目的に適わないのに宣伝される)

 

 

論文

-カナダでの医療用でない大麻の合法化後の大麻に起因する入院の変化

Changes in Cannabis-Attributable Hospitalizations Following Nonmedical Cannabis Legalization in Canada

Daniel T. Myran et al., JAMA Netw Open. 2023;6(10):e2336113.

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2810194

合法化直後(販売店がまだ少なく)減少、その後市場拡大に伴って増加

 

-自然のGM作物:草は近くに生えているものから遺伝子を借りることで進化の近道をする

Natural GM crops: grasses take evolutionary shortcut by borrowing genes from their neighbours

5-OCT-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/1003593

新しい研究は、草がより大きく、より強く、より背が高くなるために継続して近くのものから遺伝子を借りて進化の近道をしていることを示す

この方法はGM作物と同じ

New Phytologist に発表

 

-自宅での粉ミルク調整の安全性:地域科学プロジェクト

The safety of at home powdered infant formula preparation: A community science project

Aimee Grant et al.,

Maternal & Child NutritionEarly View e13567

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/mcn.13567

1才未満の英国の乳児と親のペア200組を対象にミルクの調整に使う水の温度を調べた。回答は151、データ解析に使った143のうち、70℃以上のお湯を使っているのはわずか14.9%。多くの親がNHSの安全な調乳ガイドラインに従っていない

 

-Aston大学の技術が蜂蜜偽装の甘くないやり方に取り組む

Aston University technology to combat the not-so sweet practice of honey fraud

4-OCT-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/1003699

糖液などの安価なものを混入した蜂蜜を見分けるために光技術を使う計画

研究費獲得のプレスリリース

 

-2023 GAP報告書:ともに働くことでのみ農業生産性は需要を満たすだろう

2023 GAP Report: Only by working together will agricultural productivity meet demand

4-OCT-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/1003716

2023世界農業生産性報告書が10月3日発表された。今年のタイトルは「全ての農家、全てのツール」で、生産性をあげるための技術や効果的実践が入手できる生産者が十分ではないことを示唆する

The 2023 GAP Report: Every Farmer, Every Tool

https://globalagriculturalproductivity.org/

 

-米国の飲料水はしばしば有害汚染物質を含む、ニューメキシコ大学の科学者が警告

U.S. drinking water often contains toxic contaminants, UNM scientist warns

4-OCT-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/1003760

Journal of Exposure Science and Environmental Epidemiologyに発表されたレビュー

ヒ素、消毒副生成物、フラッキング関連物質、硝酸、ウラン、鉛、PFAS

US drinking water quality: exposure risk profiles for seven legacy and emerging contaminants

https://www.nature.com/articles/s41370-023-00597-z

(ヒ素は基準値適合だがゼロが望ましいのにゼロじゃないからリスクがあると言われても・・)

 

-SCIENCE VOLUME 382|ISSUE 6666|6 OCT 2023

古代のDNA特集号

エディトリアル

現代の政府と科学助言

Modern government and science advice

PATRICK VALLANCE  p. 13

政府は科学を理解する必要がある。しかし多くの民主主義国で政治家に占める科学者の割合はごく僅かである。そして最近では科学の権威が過剰に拡大している(いわゆる科学主義)ことへの疑問もある。そんな中、現代政府への科学アドバイザーの役割は?

1974年に英国の初めての公式科学アドバイザーSolly Zuckermanが、意思決定は政府の仕事であって、もし科学者が科学助言以上のことをしたかったら政治家になったほうがいい、と言った。Winston Churchillも「科学者はトップではなくいつでも使えるように準備されているべきだ」と言った。これは事実であるが、それは科学を無視したり政治的に間違った使い方をしていいという意味ではなく、科学者の言うことは理解されるだろうことを意味する。

反科学の風潮が高まる中で、政府との効果的な相互作用は科学アドバイザーにとって困難な課題である。科学不信を乗り越えるために、科学アドバイザーは政府と関わる場合4つの問題を検討しなければならない。助言の根拠となるエビデンスが適切であることを確実にすることは必須で、もしそうでないならそれをタイムリーに補足するために何ができるかを明らかにすること。政府への助言が、不確実性を含めて理解されることが重要である。主な障害は科学者でない人はしばしば科学を決定的な、不動の事実を提供するとみなしていることで、科学者は自己修正する科学のプロセスをこれまであまり上手に説明してこなかった。そのことが科学への不信を煽りたい人達に悪用された。

助言は政策決定者にとって意味のある形でなければならない。例えば、コロナウイルスの正確な変異速度は興味深いが文脈なしには政策決定に役立つ可能性は低い。

また政府への助言は何らかの政治的選択の影響を監視するのに科学をどう使えるかを説明しなければならない。残念ながら、新たな政策の影響を厳密に、透明性高く評価する方法は多くの国で開発されていない。

 

展望

放射性廃水放出のリスク

The risks of radioactive waste water release

JIM SMITH , NIGEL MARKS, AND TONY IRWIN pp. 31-33

福島第一原子力発電所からの廃水放出が人々や海洋に与える影響は無視できると予想される

(各種数値のグラフ有り

これまでの多くの図表よりさらに詳しく、各国の原子力発電所からの放出より太平洋で自然に発生するトリチウムの方が多いことなども示している。福島の漁業への影響は気候変動や乱獲、プラスチック汚染のほうにリソースを割くべき、と。)

 

-Nature Volume 622 Issue 7981, 5 October 2023

エディトリアル

デマ探索:間近に迫った選挙における科学者の重要な役割

The disinformation sleuths: a key role for scientists in impending elections

04 October 2023

欧州の研究者にとってオンラインデマに対抗して民主主義の基本原則を擁護し科学を持ち上げるまたとない機会

来年は欧州議会はじめいくつかの重要な選挙がある。ソーシャルメディアが情報提供に大きな役割を果たすだろう。AI生成ディープフェイクのようなデマキャンペーンも蔓延るだろう。研究者はデータの入手などについて政策決定者と対策を始める必要がある

 

その他

-ガーナの初めてのGMO作物が2023年末までに販売される

Ghana’s first GMO crop hits market by end of 2023

22 September 2023

https://www.ghanaweb.com/GhanaHomePage/business/Ghana-s-first-GMO-crop-hits-market-by-end-of-2023-1849028

Savannah農業研究所(SARI)が開発したGMササゲが2023年末までにガーナ市場に出る予定。Maruca pod borer(マメノメイガ、害虫)耐性。ガーナではこの害虫が50%以上のマメの鞘を破壊しそのコントロールにはライフサイクルの3ヶ月間に殺虫剤を少なくとも8回散布する必要がある。農家は過剰に殺虫剤を使用すしがちであるがこのGMササゲは殺虫剤が必要なくなるので消費者にとってもより望ましい。

 

-環境への「肉球跡」

Environmental 'Paw Prints'

By Chuck Dinerstein, MD, MBA — October 4, 2023

https://www.acsh.org/news/2023/10/04/environmental-paw-prints-17380

私たちはみんな世界中で食されている家畜の環境影響を知っている。そして植物ベースの食事の方が人間にとってはより健康的だと多くの人が示唆している。では犬猫の環境「肉球跡」は?新しい研究は彼らに植物食を薦めることの利点を検討する。

ただし肉食動物への植物食の適切性については検討していない。環境影響のみを、各種想定をもとに計算したのみである。

The relative benefits for environmental sustainability of vegan diets for dogs, cats and people  PLoS ONE 18(10): e0291791.

https://doi.org/10.1371/journal.pone.0291791

ペットフードについては最近生肉やナチュラルを推進するブームがあり、ペットフード戦争がおこっている。犬猫用に調整された加工ペットフードか新鮮でまるごとの肉か。人々はペットフードを自分たちの食事と同じように見ている。

 

-細胞培養肉の奇妙な新開地:ライオンバーガー、虎のステーキ、マンモスミートボール

The bizarre new frontier for cell-cultivated meat: Lion burgers, tiger steaks, and mammoth meatballs

By Jude Whiley  Sep 24, 2023

https://www.vox.com/future-perfect/23863488/cultivated-lab-grown-exotic-meat-tiger-mammoth-meatball-veganism-ethics

エキゾチック培養肉は害がないと主張されているが、実際の絶滅危惧動物を脅かす可能性がある

(理論的にはヒトの培養細胞も人肉として売れる?乳腺細胞は既に培養されている)

 

-SMC UK

首相のイングランドの喫煙年齢を徐々に上げる提案への専門家の反応

expert reaction to PM proposing incremental raising of smoking age in England

OCTOBER 4, 2023

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-pm-proposing-incremental-raising-of-smoking-age-in-england/

Rishi Sunak首相がイングランドの喫煙年齢を徐々に上げる提案をした

12人の専門家のコメント

(全員賛成、もっとやれ、みたいな)