2023-06-30

[EU]査察報告

日本―EU輸出用卵と卵製品の生産に関する公衆衛生管理システムのリモート評価

Japan 2023-7886―Remote assessment of the public health control systems in place governing the production of eggs and egg products intended for export to the European Union

29-06-2023

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit-report/details/4625

日本のEU輸出用卵と卵製品がEU要件に準拠していることを確認するために実施された評価結果。概して、実施されている公的管理システムは、EUモデル健康証明書E及びEPに設定されているクラスA/Bの卵と卵製品のEUの衛生要件を満たしていることを十分保証できている。

 

[EFSA]意見等

-遺伝子組換えTrichoderma reesei RF6201株由来食品用酵素ペクチンエステラーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme pectinesterase from the genetically modified Trichoderma reesei strain RF6201

EFSA Journal 2023;21(6):8097 29 June 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8097

(科学的意見)

この食品用酵素ペクチンエステラーゼ(ペクチン ペクチルヒドロラーゼ; EC 3.1.1.11)は、AB Enzymes GmbH社が遺伝子組換えTrichoderma reesei RF6201株で生産した。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品用酵素中にこの生産菌の生きた細胞やそのDNAは含まれないと考えられた。5つの製造工程、すなわち、ジュース生産用の果物と野菜の加工、ジュース以外の製品の果物と野菜の加工、ワインとワインビネガーの生産、コーヒーの脱粘液、香料調製品としての植物抽出物の生産で使用することを意図している。総有機固形物(TOS)の残留量はコーヒーの脱粘液と香料抽出物の生産中に除去されるため、食事暴露は残りの3つの加工工程について算出された。欧州人で最大0.532 mg TOS/kg体重/日と推定された。遺伝毒性試験から安全上の懸念は示されなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは調べた最大用量1,000 mg TOS/kg体重/日を無毒性量とし、この値は推定食事暴露量と比較すると、暴露マージンは少なくとも1,880となる。既知のアレルゲンに対するこの食品用酵素のアミノ酸配列の類似性を調査し、花粉アレルゲンで2件の一致が見つかった。パネルは、意図した使用条件下で、食事暴露に対するアレルギー反応リスクは、特に花粉アレルゲンに感作されている人には除外できないと考えた。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品用酵素は意図した使用条件下で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-遺伝子組換えTrichoderma reesei RF6197株由来食品用酵素エンド‐ポリガラクツロナーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme endo‐polygalacturonase from the genetically modified Trichoderma reesei strain RF6197

EFSA Journal 2023;21(6):8096 29 June 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8096

(科学的意見)

この食品用酵素エンド‐ポリガラクツロナーゼ((1-4)-α-d-ガラクツロナン グリカノヒドロラーゼ; EC 3.2.1.15)は、AB Enzymes GmbH社が遺伝子組換えTrichoderma reesei RF6197株で生産した。この遺伝子組換えは安全上の懸念を生じない。この食品酵素中にこの生産菌の生きた細胞やそのDNAは含まれないと考えられた。5つの製造工程、すなわち、ジュース生産用果物と野菜の加工、ジュース以外の製品用果物と野菜の加工、ワインとワインビネガーの生産、コーヒーの脱粘液、香料調製品としての植物抽出物の生産で使用することを意図している。総有機固形物(TOS)の総残留量はコーヒーの脱粘液及び香料抽出物の生産中に除去されるため、食事暴露は残りの3つの食品加工工程にのみで算出された。欧州人で最大0.156 mg TOS/kg体重/日と推定された。遺伝毒性検査から安全上の懸念は示されなかった。全身毒性はラットの90日間反復経口投与毒性試験で評価された。パネルは調べた最大用量1,000 mg TOS/kg体重/日を無毒性量とし、この値は推定食事暴露量と比較すると、暴露マージンは少なくとも6,410となる。既知のアレルゲンに対するこの食品用酵素のアミノ酸配列の類似性が調査され、多くの花粉アレルゲンとの一致が見つかった。パネルは、意図した使用条件下で、食事暴露によるアレルギー反応リスクは、特に花粉に感作されている人には除外できないと判断した。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品用酵素は意図した使用条件下で安全上の懸念は生じないと結論した。

 

-トリネキサパック(評価対象化合物はトリネキサパックエチル)の農薬リスク評価ピアレビュー更新

Updated peer review of the pesticide risk assessment of the active substance trinexapac (variant evaluated trinexapac‐ethyl)

EFSA Journal 2023;21(6):8082 28 June 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8082

(農薬の結論)

情報不足と懸念が確認された。

 

-食品及び飼料に使用する遺伝子組換え綿花COT102株の評価

Assessment of genetically modified cotton COT102 for food and feed uses, under Regulation (EC) No 1829/2003 (application EFSA‐GMO‐DE‐2017‐141)

EFSA Journal 2023;21(6):8031 26 June 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8031

(科学的意見)

綿花COT102株は、ヒトと動物の健康及び環境への影響の可能性に関して、非GM比較種や検査した非GM綿花種と同様に安全だと結論した。

 

-飼料添加物

Efficacy of the feed additive consisting of Lactiplantibacillus plantarum (formerly Lactobacillus plantarum) CECT 8350 and Limosilactobacillus reuteri (formerly Lactobacillus reuteri) CECT 8700 (AQ02) for suckling piglets (Aquilon Cyl S.L.)

EFSA Journal 2023;21(6):7862  29 June 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7862

(科学的意見)

 

Safety and efficacy of a feed additive consisting of a preparation of essential oils of thyme and star anise, and quillaja bark powder (BIOSTRONG® 510 all natural) for all poultry species (Delacon Biotechnik GmbH)

EFSA Journal 2023;21(6):7955 26 June 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7955

(科学的意見)

 

Assessment of the feed additive consisting of Lactiplantibacillus plantarum DSM 23375 for all animal species for the renewal of its authorisation (Agri‐King, Inc.)

EFSA Journal 2023;21(6):8054  26 June 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8054

(科学的意見)

 

[BfR]食品安全のグローバルな科学交流の強化

Strengthen global scientific exchange for food safety

26.06.2023

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2023/12/strengthen_global_scientific_exchange_for_food_safety-311638.html

世界中の消費者の健康保護:ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)のサマーアカデミーは今回第11回を迎える

食品がスーパーマーケットの棚に到着し消費者に届く前には非常に多くの段階を経なければならず、実際、多くの場合かなりの長旅である。2023年6月26日から7月7日までベルリンで開催される第11回BFRサマーアカデミーの議題は、関与する健康リスクと抑止方法である。34人の参加者が国境を越える食品安全に焦点を当てる。「ある食品が私達の食卓に届く前には、しばしば複数の国々を通過し、通常、長旅をしなければならない」とBfR長官Andreas Hensel医学博士は述べた。食品安全には有能なパートナーが必要なので、「これにより国際交流と協力がますます重要になっている―これらはまさに第11回BfRサマーアカデミーの目標である」。

第11回BfRサマーアカデミー2023

https://www.bfr-akademie.de/english/events/bsa-2023.html

https://www.bfr-akademie.de/media/wysiwyg/2023/BSA_2023/Flyer_Summer_Academy_2023.pdf

ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)の専門家が、「専門家から専門家へ」をモットーにしてリスク評価とコミュニケーションの側面について議論する。この研修は食品・飼料の安全性分野で働く公的機関の職員を対象としている。だが、参加者はすでにリスク評価分析の経験があるはずである。

この講座・ワークショップ・研修の第一部には、リスク評価とコミュニケーション対策の基礎や、ドイツと欧州の法の枠組みの洞察が含まれている。参加者は健康リスクの程度と重要性を評価でき、それをわかりやすい方法で伝えられるはずである。さらに、議題には暴露評価、微生物学的・化学的リスク、リスクコミュニケーションに関するワークショップも含まれている。

COVID-19パンデミックにより過去2年間はオンラインで開催されていたが、今年は、再びベルリンで研修が開催される。BfRサマーアカデミーは2012年から開催されている。今日まで、70ヶ国以上から1,000人以上の科学者がこの専門研修課程に参加してきた。

このBfRサマーアカデミーの目的の1つは、欧州の健康リスク評価システムを世界中に広め、それを国際的に統一することである。これは、ほとんどの国々がグローバルに食品や動物用飼料を輸出入しているという認識に基づいている。同時に、国際的な製品チェーン内の食品の多様性は高まり続けており、健康リスクの科学的評価やコミュニケーションに、より高い要求が課されている。従って、食品の品質・安全性・衛生の、欧州の高い水準・規則・知見は、特に重要である。

 

[HSA]HSAは一週間の国際的作戦で2,361件のオンライン品目を削除し、360個の違法な健康製品荷物を調査した

HSA Removed 2,361 Online Listings And Investigated 360 Parcels Of Illegal Health Products In A One-Week International Operation

21 Jun 2023

https://www.hsa.gov.sg/announcements/press-release/hsa-removed-2361-online-listings-and-investigated-360-parcels-of-illegal-health-products

シンガポール健康科学庁(HSA)は、2023年6月1日から7日に行われたインターポール主導のインターネットを使った作戦期間中に2,361件のオンライン品目を削除し、360個の違法な健康製品貨物を調査した。暗号名「Pangea-ED作戦」というこの作戦には16の加盟国が参加し、アジア太平洋地域の違法な健康製品、特に性欲増進剤の販売を対象にした。

HSAはこの週に、違法な性欲増進剤のオンライン及びオフラインの販売を検出・阻害するために、地方の電子取引プラットフォーム、ゲイランの犯罪多発地域、国境を越えて入ってくる荷物に関する活動の監視を強化した。

HSAが押収した違法な性欲増進剤は:

様々なブランドの勃起不全治療用の未登録の処方箋薬。これらの医薬品にはHSAによる登録と医師による処方箋が必要である。

「African Black Ant」などの他の性欲増進剤。これはHSAや他の規制機関がシルデナフィルなどの医薬成分の混入を以前に検査していた。

シルデナフィルは勃起不全の治療に使われる処方箋薬である。適切な診察を受けずに使用すると、視力・聴力の低下や喪失、低血圧、脳卒中・心筋梗塞などの他の心血管事象といった重篤な有害影響を起こす可能性がある。

効果的な監視と執行が違法販売を阻止

2022年に検出・削除されたオンライン品目の半数以上が違法な性欲増進剤で、HSAはこの年の上半期にこれらの製品のオンライン調査を強化している。Pangea-ED作戦を開始した結果、2023年1月1日から6月7日までに違法な性欲増進剤を販売したオンライン上の2,171品目が削除された。この数字は2022年の同時期よりも多く、367品目が削除された。

Pangea-ED作戦中にオンラインでの監視と取り締まりが強化された一方で、作戦前の数ヶ月間、地上での日常的な取締まり活動により、犯罪多発地域で引き続き違法な供給を妨害した。ゲイランの犯罪多発地域で2023年1月1日から6月7日までに押収された違法な性欲増進剤の総額はおよそ13万ドルだった。6人の販売業者が逮捕され、継続捜査に協力している。

2023年1月1日から6月7日までに459個の貨物が海外からシンガポールに出荷され、違法な性欲増進剤を含むため検出されたが、そのうち5個がゲイラン宛だった。販売業者はHSAの継続調査に協力している。

犯罪多発地域や荷物の検出を通して押収された違法な性欲増進剤の写真や、HSAが削除した未登録製品の品目は添付書類Aを参照のこと。

消費者への助言

一般人には次のように助言する:

勃起不全などの慢性疾患は医師に相談すること。勃起不全には、慢性疾患、心理的要因、生活様式など多くの原因がある。医師は適切な治療を助言できる。

勃起不全の治療方法などの処方箋薬は、監視なく摂取すると重篤な有害影響を起こす可能性のある強力な成分が含まれているため、医師や、医師の処方箋を持つ薬剤師から入手すること。他から入手した場合、医薬品や包装が同じように見えても、それらは偽造・偽物の可能性がある。これらの製品は、汚染されていたり、誤った成分や誤った成分量が含まれていたり、有効成分が含まれていなかったりする可能性がある。

精力強化の主張を誇張する、あるいは勃起不全の奇跡的な治療を約束する製品に気をつけること。それらには健康に深刻な害を及ぼす可能性のある強力な医薬成分が含まれる可能性がある。

販売業者や供給業者への助言

HSAは違法な性欲増進剤の販売や供給に従事する人を重大視しており、そのような人には強力な強制措置を取る。そのような健康製品を供給する人は起訴される可能性があり、有罪判決を受けた場合、3年以下の懲役及び/又は10万ドル以下の罰金が課せられる。

違法製品、偽造製品、その他不審な健康食品に遭遇した人は、電話でHSAの執行部門に連絡すること

 

[EU]食品の安全性:食品安全警告は依然として多く、2022年には農業食品偽装に対するEUの協力が強化された

Food Safety: Increased EU cooperation against agri-food fraud in 2022 while food safety alerts remain high

19/06/2023

https://ec.europa.eu/newsroom/sante/items/791781/en

本日、欧州委員会は2022年の警戒協力ネットワークの報告書を発表した。報告書によると、この1年間に農業食品の偽装行為が大幅に増加し、食品及び飼料に関する早期警告システム(RASFF)が依然として最も活発なネットワークであった。RASFFを通じて、合計4361件の通知があり、食品又は飼料に関する健康リスクと関連付けられた。さらに、2554件の行政支援・協力ネットワーク(AAC)の通知または緊急の健康リスクをもたらさない欧州連合のアグリフードチェーン法の違反も報告され、さらに600件の偽装の疑いが通知された。

果物や野菜の残留農薬に関する通知(990件)が最も多いが、2021年と比較して20%減少した。偽装の疑いでは、猫や犬の不法移動に関するものが276件と最も多く、その半数以上が欧州連合(EU)域外から来た動物に関するものであった。ペットの偽造衛生証明書、原産を偽ったEUパスポートの不正発行、狂犬病の抗体検査結果の偽造などが多かった。後者は、狂犬病が蔓延している国から来た動物にとって特に懸念される。

EU警戒協力ネットワークは、RASFF、AAC、農業・食品偽装ネットワーク(FFN)のメンバーで構成されている。

(以下、報告書の一部抜粋)https://food.ec.europa.eu/system/files/2023-06/acn_annual-report_2022.pdf

欧州委員会は、専門知識とIT支援の両面から、加盟国を引き続き支援し、情報交換の促進を図ったペットの違法取引に関する調整された管理計画や、ハチミツに関する特定の偽装行為の抑止など、具体的な行動を開始した。

残留農薬

2022年の残留農薬報告の最も一般的な製品カテゴリーは果物と野菜(594件)であり、次いで、ハーブとスパイス(116件)であった。最も頻繁に関与したのはトルコの果物と野菜であった(430件)。報告国の1位はブルガリア(212件)、2位はドイツであった(100)。また、最も一般的な農薬はクロルピリホス(251件)、エチレンオキシド及び2-クロロエタノール(186件)、クロルピリホス・メチル(142件)であった。無許可の飼料添加物の報告の半数は、カンナビジオール(CBD)に関するもので、すべてリトアニアの通知であった。

マイコトキシン

マイコトキシンは3番目に通知の多いハザードであった(2021年と比較して10.5%増加し、485件)。主にアフラトキシン(413件)で、製品カテゴリーはナッツ類、ナッツ製品及び種子(254件)の検出が多い。報告された原産地のトップは米国(53件)であった。

その他のハザード

その他のハザードとして、アレルゲンは(210件)と多く、製品カテゴリーのトップはシリアルとベーカリー製品(32件)、最も一般的なアレルゲンは牛乳(46件)であった。組成関連の問題は208件の報告があり、主にダイエット食品、ダイエタリーサプリメント、栄養強化食品(140件)、ヨヒンビンなどの無許可物質の検出(31件)などがあった。

食品接触物質

食品接触物質に関する通知は2022年に219件あった。第一級芳香族アミン(38件)が最も多く、次いでホルムアルデヒド(13件)、鉛(10件)であった。77件の竹の無断使用の報告があった。通知のほとんどは、中国産の食物接触物質(152件)で、加盟国の報告1位はスペイン(34件)、2位はポーランド(26件)、3位はアイルランド(20件)であった。

EUの協調行動「From the Hives(ミツバチの巣箱から)」

「From the Hives(ミツバチの巣箱から)」の蜂蜜における特定の偽装行為を抑止するためのEUの協調対応は、2021年10月に開始された。これは、健康食品安全総局(DG SANTE)が調整し、FFNが実施した。また、共同研究センター(JRC)から分析支援を受け、欧州不正防止局(OLAF)が調査を支援した。この対応は、サンプリングと分析を通じてEUに輸入された不適合蜂蜜の発生に関する情報収集を目的としており、EU域内のさらなる調査を主導した。この協調行動は、EUに輸入された多くの蜂蜜製品が「蜂蜜指令」(320サンプルに基づく46%)の規定を遵守していないという想定を確認した。この割合は、2015-17年に得られた割合(14%)よりもかなり高かった。

疑わしい製品の絶対数が最も多かったのは中国原産(74%)で、疑わしいサンプルの相対的な割合が最も高かったのはトルコ産(93%)であった。英国から輸入された疑わしい蜂蜜製品の割合はさらに高く(100%)、これはおそらく他の国で生産された蜂蜜がEUに再輸出される前に英国でさらにブレンドされた結果と思われる。

EUは「猫と犬の違法取引」に対して協調行動をとる

2022年7月1日、ECはペットの違法取引に関するEU協調管理計画を開始した。この措置は、国境及びその後のEU域内の両方で、公式文書(パスポート、狂犬病検査報告書、衛生証明書)の不正行為と偽造を検出し、非商業的な移動を装った動物取引を特定することによって、ペットの動物の健康と公衆衛生(狂犬病、レプトスピラ症など)を保護することを目的とする。また、未申告の活動による不公正な経済的利益を得る不正業者(ブリーダー、トレーダー、輸送業者、獣医師、検査機関)を抑止することも意図している。協調行動では、強制的で多面的なデータ収集、異なるサービス間の組織的な情報交換が必要である。

 

[EU]持続可能で健康的な食品を簡単な選択にすべき、主任科学アドバイザーグループが言う

Make sustainable and healthy food the easy choice, says the Group of Chief Scientific Advisors

28 June 2023

https://food.ec.europa.eu/news/make-sustainable-and-healthy-food-easy-choice-says-group-chief-scientific-advisors-2023-06-28_en

主任科学アドバイザーグループは欧州委員会の健康食品安全コミッショナーから消費者が持続可能で健康的な食生活を採用することを妨げている障害を乗り越えるのにどのような道具が使えるかについて科学的助言を求められた。

その意見発表

https://op.europa.eu/cs/publication-detail/-/publication/9f582c41-1565-11ee-806b-01aa75ed71a1/language-en

(主任科学アドバイザーグループのメンバーに栄養や食事の専門家がいない

不健康とみなされる肉や砂糖に課税して健康的な食品に補助金を出せ、食関連の目標を時限つき義務にせよ、消費者と農業を近づけよ、生物多様性の少ない地域や環境破壊が懸念される地域の農産物は輸入制限、など

 

[BfR]トラフ(餌箱)からプレートへ-なぜ安全な飼料がヒトの健康にとっても重要なのか

From the trough to the plate – why safe feed is important also for human health

23.06.2023

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2023/11/from_the_trough_to_the_plate___why_safe_feed_is_important_also_for_human_health-311620.html

家畜が飼料を通して食べたものは、家畜を介してヒトの皿にも行き着くことがある。したがって、飼料は安全でなければならず、動物やヒトの健康に影響を与えてはならない。ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、飼料から発生しうる健康リスクを評価する。「1つの重要な側面は、検出方法とコンピュータ支援ツールの開発である。これらにより、製品チェーンに沿って望ましくない物質を追跡することができる。さらに、飼料から食品への望ましくない物質の移行を推定するために使用することができる。」とBfR所長Professor Dr. Dr. Andreas Henselは述べている。最新の『BfR2GO』の主要なトピックは、リスク評価に加えて、世界的な飼料貿易と将来の動物飼料の課題を含む。

製品チェーンに沿ったあらゆる努力にもかかわらず、動物飼料は時折、植物や菌類の毒素やその他の環境汚染物質を含む望ましくない物質で汚染される可能性がある。BfRは、特定の物質が動物由来の食品に移行する可能性があるかどうかを調査するために、給餌試験を使用する。「重要なデータが欠けている場合は、知識のギャップを埋める。」とBfRでフードチェーンの安全性に関するトピックを担当するRobert Pieper博士は述べる。

本号は、食品中の昆虫についても取り上げる。人によって、肉製品の代替品であったり、食品とは考えにくかったりする。BfRは昆虫を食べることが健康問題を引き起こすかどうかを調査している。その他のトピックとして、生食用食品とその正しい取り扱い方、ニコチン入りのパウチや月経用下着から生じる健康リスクがある。さらに、ホルモン活性物質が精子危機の原因となり得るかどうかや、実験動物の数を減らす方法についても考察している。「In good faith(信頼性)」という論争は、科学と研究に対する信頼に関するものであり、その評判はどうか、ビタミンCや包装材から食品への物質の移行などの他のトピックと共に、本号は、消費者の健康保護と実験動物の保護における研究とその評価に関する最新かつ十分に根拠のある情報を提供する。最新号は装いを新たに章名も変更している。

*科学雑誌『BfR2GO』本号へのリンクhttps://www.bfr.bund.de/cm/364/bfr-2-go-issue-1-2023.pdf

<記事の目次>

「From the trough to the plate(トラフ(餌箱)からプレートへ)」- PFAS、カンナビノイド、アルカロイド等の物質が動物由来食品にどの程度含まれるか - 主要トピック 8 ページ

「A single ingredient can spoil feed throughout Europe(1つの成分がヨーロッパ全土の飼料をダメにする)」安全で入手可能な飼料について - 主要トピック 14 ページ

「Spectrum(スペクトラム)」- マグネシウム、食品の冷蔵保管、母親の食事 16 ページ

「Food on six legs(6本足の食品)」 - 食品中の昆虫 18 ページ

「Raw food(新鮮な食品)」- 生の食品で注意すべきこと 22 ページ

「Vitamin C(ビタミンC)」 - ビタミンCの物質プロファイル 26 ページ

「In good faith(信頼性)」- 科学に対する信頼や評判 28 ページ

「Germany tends not to be hostile towards science(ドイツは科学を敵視しない傾向がある)」- 政治家学者Ricarda Ziegler へのインタビュー 30 ページ

「Worth the risk?(リスクの価値があるか)」 -ニコチンパウチのBfRの評価 32 ページ

「Sperm in a hormonal low(ホルモン低下時の精子)」 - 内分泌攪乱物質の生殖への影響 36 ページ

「Period panties(月経用下着)」 - 月経用下着の害 39 ページ

「When substances migrate(物質の移行)」- 安全に包装を使用する 40 ページ

「Even the surplus animals count(実験に使用されない動物も数に入る)」 - 実験動物の数を減らす方法 42 ページ

「Inside the institute(研究所内部)」 46 ページ

「Legal information(法律情報)」 47 ページ

 

[IARC]IARCモノグラフ会合134について更新

Update on IARC Monographs Meeting 134

29 June 2023

https://monographs.iarc.who.int/news-events/update-on-iarc-monographs-meeting-134/

IARCはアスパルテームの発がん影響の可能性について評価した(ハザード同定)。これに続きJECFAがリスク評価を更新する。

この評価の結果は2023年7月14日にThe Lancet OncologyとWHOウェブサイトで同時に公表される。

IARCモノグラフ会合の参加者は、オブザーバーを含めて、機密保持の同意書に署名している。その同意書では会合についてやその結果のどんな情報も差し止め期間が終わるまでシェアしないことに合意すると記載してある。

以下Q & A等

(署名しておきながら無視してロイターにリークした人がいるということ。いつものことだが活動家のやることには誠実さは期待できない。彼らの意図にのせられるべきではない。)

 

[FSA]ウェールズ食品諮問委員会の公開会議 - 2023年7月12日

Open Meeting of the Welsh Food Advisory Committee – 12 July 2023

29 June 2023

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/open-meeting-of-the-welsh-food-advisory-committee-12-july-2023

現在及び将来の課題を含め、食品ビジネスの規制における地方当局(LA)の重要な役割に焦点を当てる。議題は、環境衛生、取引標準、ウェールズのFSAと地方当局との連携等を含む。

 

[FSA]栄養調査

Nutrition research

28 June 2023

https://www.food.gov.uk/safety-hygiene/nutrition-research

英国食品基準庁(FSA)は消費者が何を食べているのか、どのような食品を購入しているか、健康的な食事と栄養に関する考えや知識を理解するための調査結果を公表している。

各種調査がまとめてある

 

[FDA]FDAは規制局の新しいモデルを含む統合ヒト用食品プログラムの提案に関する最新情報を提供する

FDA Provides Update on Proposal for Unified Human Foods Program, including New Model for the Office of Regulatory Affairs

June 27, 2023

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-provides-update-proposal-unified-human-foods-program-including-new-model-office-regulatory

米国食品医薬品局(FDA)は、規制局(ORA)の新しいモデルを含む統合したヒト用食品プログラム(HFP)を創設する提案に関する最新情報を提供する。

 

[FDA]警告文書

-Suprimo Imports

JUNE 22, 2023

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/suprimo-imports-657631-06222023

未承認の医薬品、不正表示の問題。製品に表示されない有効成分ジクロフェナク、デキサメタゾン及びメトカルバモールの含有が確認された。

 

-Schwebel Baking Company

JUNE 09, 2023

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/schwebel-baking-company-653005-06092023

食品のCGMP、製造、包装、保管、衛生管理、不純品の問題。

 

[ODS]ファクトシート更新

-免疫機能と感染症のためのダイエタリーサプリメント

専門家向け

Dietary Supplements for Immune Function and Infectious Diseases

Fact Sheet for Health Professionals

June 27, 2023

https://ods.od.nih.gov/factsheets/ImmuneFunction-HealthProfessional/

 新規項目。

 

[ヘルスカナダ]助言

-未承認の性的強化製品は深刻な健康被害をもたらす可能性がある

Unauthorized sexual enhancement products may pose serious health risks

2023-06-28

https://recalls-rappels.canada.ca/en/alert-recall/unauthorized-sexual-enhancement-products-may-pose-serious-health-risks

ヘルスカナダは深刻な健康上のリスクをもたらす可能性のある未承認の性的強化製品について助言する。対象製品の写真あり。製品にレボドパ、プラステロン、シルデナフィル、タダラフィル、ヨヒンビンを含む。

 

[MPI]食品事業者は毎年模擬リコールを行う必要がある

Food businesses now need to do yearly mock recalls

30 June 2023

https://www.mpi.govt.nz/news/media-releases/food-businesses-now-need-to-do-yearly-mock-recalls/

 2023年7月1日より、食品法、ワイン法、動物製品法に基づく計画やプログラムを持つすべての企業及び食品輸出入業者は、少なくとも12か月ごとに模擬リコールを実施する必要がある。模擬リコールは、企業が製品を追跡してリコールする能力をテストし、実際の食品リコールが必要な場合に備えていることを確認する。

 

[ヘルスカナダ]ヘルスカナダはカナダでの化粧品の動物実験を止めると発表

Health Canada Announces the End of Cosmetic Animal Testing in Canada

June 27, 2023

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2023/06/health-canada-announces-the-end-of-cosmetic-animal-testing-in-canada.html

カナダでは、化粧品を動物で試験したり、化粧品の安全性を立証するために動物実験に頼ったものの販売を認めない。化粧品の動物での試験は世界的に相当減少しており、カナダでも滅多に実施されなくなった。今回の変更でカナダも世界の変化に従う。

化粧品以外でも、ヘルスカナダは国際科学及び規制コミュニティと効果的動物実験代替法の開発、検証、実施に協力している

 

[WHO]出版物

-安全でない飲料水、衛生に起因する疾病負担:2019更新

Burden of disease attributable to unsafe drinking-water, sanitation and hygiene: 2019 update

28 June 2023

https://www.who.int/publications/i/item/9789240075610

 

[WHO]プレスリリース

-子どもたちを食品マーケティングの有害な影響から守る政策についてのWHOガイドライン発表

Launch of the WHO guideline on Policies to protect children from the harmful impact of food marketing

3 July 2023 12:30 – 13:30

https://www.who.int/news-room/events/detail/2023/07/03/default-calendar/launch-of-the-who-guideline-on-policies-to-protect-children-from-the-harmful-impact-of-food-marketing

 

-疾病負担推定のための系統的レビューやその他研究に関心のある人募集

Call for expressions of interest to conduct systematic reviews and other studies for estimating the burden of foodborne diseases

https://www.who.int/news-room/articles-detail/call-for-expressions-of-interest-to-conduct-systematic-reviews-and-other-studies-for-estimating-the-burden-of-foodborne-diseases

CTTF-002カドミウム、メチル水銀、ヒ素、鉛の疾病負担推定の募集 

2023年7月21日まで

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 249-23

30 June 2023

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20circular%20249-23.aspx

新規申請と提案

・除草剤グルホシネート、ジカンバ、2,4-D、メソトリオン耐性遺伝子組換え大豆系統MON94313由来食品

・2 ́-フコシル乳酸生産のための新規遺伝子組換え大腸菌K12 MG1655 INB-2FL_03の使用

 

[英国政府]2023年政府の化学者会議のプレゼン

The 2023 Government Chemist Conference presentations

28 June 2023

https://www.gov.uk/government/news/the-2023-government-chemist-conference-presentations

 

・Overview of recent referee cases- Paul Hancock

中国産のコメのGMO、ナイロン調理器具からの多環芳香族アミンの溶出、エビのニトロフラン、カビ毒、有機農産物からのチフルザミドの検出

(他、面白いプレゼンがたくさんある)

 

[FTC]FTCは詐欺的レビューと推薦に取り組む更新広告ガイドを発表

Federal Trade Commission Announces Updated Advertising Guides to Combat Deceptive Reviews and Endorsements

June 29, 2023

https://www.ftc.gov/news-events/news/press-releases/2023/06/federal-trade-commission-announces-updated-advertising-guides-combat-deceptive-reviews-endorsements

改定ガイドは新興マーケットトレンドに対応し、広告主向けのガイダンスを強化及び明確化

Endorsement Guides及びQ &Aを発表

 

[CDC]MMWR

-キシラジンが検出された違法製造フェンタニルの関連するオーバードーズ死-米国、2019年1月-2022年6月

Illicitly Manufactured Fentanyl–Involved Overdose Deaths with Detected Xylazine — United States, January 2019–June 2022

Kariisa M, et al.,

MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2023;72:721–727.

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/72/wr/mm7226a4.htm?s_cid=mm7226a4_w

この期間中にキシラジンが検出された違法製造フェンタニルの関連するオーバードーズ死は2.9%から10.9%に276%増加した

 

-懸念の表明:補完食導入の時期-米国、2016-2018

Expression of Concern: Timing of Introduction of Complementary Foods — United States, 2016–2018

Weekly / June 30, 2023 / 72(26);736

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/72/wr/mm7226a8.htm?s_cid=mm7226a8_w

5月25日にMMWRの編集者は著者らからデータ処理のエラーにより過剰推定になっていると伝えられた。現在再解析中のため読者に警告する

https://uneyama.hatenablog.com/entry/2020/12/01/181145

 

[EPA]EPAは安全でない新規PFASが販売されるのを予防するための新たな枠組みを発表

EPA Announces New Framework to Prevent Unsafe New PFAS from Entering the Market

June 29, 2023

https://www.epa.gov/newsreleases/epa-announces-new-framework-prevent-unsafe-new-pfas-entering-market

 

Framework for Addressing New PFAS and New Uses of PFAS

https://www.epa.gov/reviewing-new-chemicals-under-toxic-substances-control-act-tsca/framework-addressing-new-pfas-and

難分解性、生物濃縮性、有害persistent, bioaccumulative and toxic (PBT)である可能性の高いPFASを定性評価する

 

[ProMED]メタノール中毒-イラン:致死

Methanol poisoning - Iran: fatal

2023-06-29

https://promedmail.org/promed-post/?id=8710838

[1]Date: Fri 16 Jun 2023 Source: Day.Az [in Russian, machine trans., edited]

イランのAlburz地方Karaj市でニセアルコール飲料で合計95人が中毒になった。4人の主なニセ酒販売者が同定されていて拘束のための手続き中。入院した人のうち14人が死亡。

[2]Date: Mon 19 Jun 2023 Source: Alsumaria [in Arabic, trans., edited]

Alborz大学医科学部長は異物混入アルコールによる中毒者は過去4日間で147人になったと述べた

イランでは毎年何十人もの人が異物混入アルコールで死亡していて、過去2年はCOVID-19に飲酒が有効との噂によって数が増えた。イランではアルコールを買ったり飲んだりできるのはごく一部の宗教的マイノリティだけで、アルコール法に違反すると罰金または拘留刑に処させる。しかし闇業者から違法アルコールが広範に入手可能である。

編集者からメタノール毒性の解説

 

 

SMC UK

IARCが7月にアスパルテームを「おそらくヒト発がん性」と分類するだろうとReutersが理解しているとの報道への専門家の反応

expert reaction to Reuters reporting that they understand that IARC are expected to categorise the sweetener aspartame as ‘possibly carcinogenic to humans’ in July

JUNE 29, 2023

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-reuters-reporting-that-they-understand-that-iarc-are-expected-to-categorise-the-sweetener-aspartame-as-possibly-carcinogenic-to-humans-in-july/

Reutersの記事がアスパルテームはIARCによっておそらく発がん性と宣言されることになっていると示唆した

Leicester大学MRC毒性学ユニット客員Andy Smith教授

アスパルテームのヒトでの発がん性の可能性は何度も議論されてきた。2013年にはEFSAが詳細に探り消費者にとって食品に使われている量では安全だと結論している。消費者にとって重要なのはJECFAが毒性とリスク評価の専門家によって意見を発表することである。IARCの結論は必ずしも広範な科学コミュニティに整合するものではない。

FSA主任科学アドバイザー代理Rick Mumford

アスパルテームの安全性は各種科学委員会によって評価され現在使用が認められている量では安全だと考えられている。IARCの報告書はまだ発表されておらず、それはJECFAによって検討される。我々はJECFAの報告を検討しさらなる対応が必要かどうかを決める

さらなる情報:

IARCの声明はリスクではなくハザードに対応する。FSAの見解はアスパルテームは現在使用が認められている量では安全である、というものである

Reading大学栄養と食品科学教授Gunter Kuhnle教授

メディア報道ではIARCが使ったデータがわからないのでコメントできない

Queen Mary University of London病理学名誉教授Sir Colin Berry教授

IARCの評価の詳細がわかるまで待つ必要がある。アスパルテームは過去に何度もレビューされてきて、疫学は有害影響についてのしっかりした根拠として説得力はなかった。

メルボルンRMIT大学化学教授Oliver Jones教授

完全な評価がわかるまで待つ必要がある

他の添加物同様、アスパルテームは食品に使用される前にしっかりした安全性評価が行われた。アスパルテームは世界で最も広く使われている人工甘味料で、現在の根拠は、現在の摂取量では安全である。

King’s College London栄養と食事名誉教授Tom Sanders教授

アスパルテームは英国で30年以上使われてきた高強度甘味料である。典型的には500mg/Lまで使えるが普通はアセスルファムKとブレンドしてもっと少ない量使われる。Ramazzini研究所は大量をラットに与えると腫瘍が増えると主張してきたがそのデータの忠実性には疑問があるとEFSAに判断されている

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

Reutersの記事はIARCがなにを発表しようとしているのかを確実には述べていない。IARCは7月14日にアスパルテームの知見を発表すると言っている。だから7月14日まで待つべきである。

SMCスペインから

マドリッドComplutense大学生物科学部教授でSan Pablo-CEU 大学薬学部、スペイン栄養学会理事Rafael Urrialde de Andrés

我々は7月14日まで待つべきである。それから当局が決めるだろう

(いろいろ略)

 

その他

-SCIENCE

エディターのblog

科学者はガスライター(嫌がらせや意図的に誤った情報を提示し続けることで被害者自身の認識・記憶・知覚・正気を疑うよう仕向ける心理的虐待を行う人たち)と議論すべきではない

Scientists shouldn’t debate gaslighters

21 JUN 2023 BY H. HOLDEN THORP

https://www.science.org/content/blog-post/scientists-shouldn-t-debate-gaslighters

先週、有名なワクチン学者Peter Hotezが反ワクチンペテン師Robert F. Kennedy JrとThe Joe Rogan Experienceポッドキャストでのディベートに招かれたことについて議論が沸き起こった。これは古典的な反科学のわなである。

RFK Jrのような詐欺師は一面をゴミだらけにするのが上手で、それを科学者が丁寧に説明しようとすると、詐欺師のゴミと何年にもわたって築かれてきた科学の基本原則が等価であるように見える。さらにその絵面がリスナーにとってRFKが素晴らしいコミュニケーターで科学者がつまらない専門馬鹿であるというステレオタイプにフィットしてしまう。

私自身何度もこの罠にはまったことがある。

(以下略。IARCはもはや科学者にとってのJoe Rogan Experience出演みたいなものなのかな)

 

-SCIENCE VOLUME 380|ISSUE 6652|30 JUN 2023

エディトリアル 進化論を教えないのは不正である

Not teaching evolution is an injustice

S. SHASHIDHARA AND AMITABH JOSHI (インド)

4月から、インドは進化論と周期表を学校の教科書から排除することなどを巡って議論になっている

 

ニュースを一目で

News at a glance

・米国が培養鶏肉販売にOK

USDAがUpside Foods とGood Meatの二社にバイオリアクターで育てた細胞で作ったチキンの販売を許可した。その前にFDAがこのチキンは食べても安全であると述べている。これら企業ははじめはこの肉を“細胞培養チキンcell cultivated chicken”と表示して特定のレストランでのみ販売する計画である。シンガポールがGood Meatチキンを2020年に認めたのに次いで、米国は培養肉製品を認めた世界で二番目の国である。

 

-サプリメントの記憶改善:ほとんどあるいは全く利益はない

Supplements Improving Memory: Little To No Benefit

By Chuck Dinerstein, MD, MBA — June 28, 2023

https://www.acsh.org/news/2023/06/28/supplements-improving-memory-little-no-benefit-17163

ここ数週間以内にサプリメント、マルチビタミンとフラボノール、の記憶改善についての二つの論文が出た。メディアはマルチビタミン論文に注目し、フラボノールは注目されていない。これらの研究はなにを報告しているのか?

広く報道されている方の論文から始めよう。American Journal of Clinical Nutritionに発表されたこの論文は約22000人を対象にしたココアサプリメントとマルチビタミンアウトカム試験(COSMOS)に由来する。COSMOSの目的は500mg/日のココアフラバノールを含むココア抽出物サプリメントとよくあるマルチビタミンは心疾患、脳卒中、がん、その他重要な健康アウトカムリスクを減らすかどうかを調べることである。

昨年発表されたCOSMOSの結果ではマルチビタミン摂取群で認知機能の改善が見られたとしていたが、これには認知機能の改善の大部分が試験を受けることによるという批判があった。今回はCOSMOS-Webとして二匹目のドジョウを狙ったものである。エピソード記憶試験は、20の単語を3秒提示し、その15分後に単語を思い出させるというもので、マルチビタミン摂取群はベースラインの7.10単語が1年後は7.81単語に「改善」した。プラセボ群は7.21から7.65である。両群で改善していて差は3年後に0.15である。研究者らはこのエフェクトサイズは小さいとしながらも集団レベルでは大きなメリットだと書いている。

もう一つのココアフラバノールの群の結果はPNASに発表されている。同じ試験で、フラバノールは差がなかった。しかし参加者を健康的食生活指数(HEI)によって階層化すると、もっとも低いHEIの群がベースラインの試験の点数が低く、そしてこの群だけが改善していた。ここでも著者は同じくエフェクトサイズは小さいとしながらも集団レベルでは大きなメリットだと書いている。

学者の世界では論文を出すかどうかが出世に重要である。同じデータを使って同じ研究グループが二つの論文を書くことはあり得る。しかしこの二つを比較すると、マルチビタミンの研究でHEI戸の関連を報告しないのは何故だろう?不足しているものを補った効果をマルチビタミンで言及する必要があるのではないか?

 

-デートレイプ再び:強盗のために恐ろしいフェンタニルを使う

Date Rape Redux: Deadly Fentanyl Used For Robberies

By Josh Bloom — June 28, 2023

https://www.acsh.org/news/2023/06/28/date-rape-redux-deadly-fentanyl-used-robberies-17162

デートレイプドラッグが出現して20年、考え方としては似ているがさらにひどいものが出てきた。ニューヨークのギャングがバーの客にフェンタニルを使って動きを封じて強盗する。デートレイプドラッグでは死亡は希だが、フェンタニルはそうではない。

ニューヨークポストの報道によるとギャングの一人Kenwood Allenが3人を殺した罪で起訴された。被害者26人のうち5人が死亡している。このような使い方は2022年からみつかっているが恐らくもっと早くから行われていただろう

 

-NASA

NASAは宇宙食品コンテストの勝者を選び、最終段階を発表

NASA Selects Winners, Announces Final Phase of Space Food Challenge

May 20, 2023

https://www.nasa.gov/press-release/nasa-selects-winners-announces-final-phase-of-space-food-challenge

長期にわたる宇宙旅行の間に食料を供給できる食料生産システム各種

 

-Natureエディトリアル

10年続いた極端な貧困の減少が交代した-修正方法

A decades-long decline in extreme poverty has gone into reverse — here’s how to fix things

28 June 2023

https://www.nature.com/articles/d41586-023-02098-3

COVID-19からロシアの戦争による要因が極貧を増やしている。効果的な解決法を見つけるためには貧困の意味するものの測定方法の合意から始まる

 

-Consumer Reports

ベビーフードにまだ重金属が含まれる?

Are There Still Heavy Metals in Baby Food?

June 27, 2023 By Kevin Loria

https://www.consumerreports.org/babies-kids/baby-food/are-heavy-metal-levels-in-baby-foods-getting-better-a1163977621/

Consumer Reportsの新しい検査によると、コメとサツマイモを使ったスナックや食品には心配な量のヒ素、カドミウム、鉛が含まれ続けている

過去5年でベビーフードの鉛、ヒ素、カドミウム濃度は下がっているようだが、全体的なリスクはあまり変わっていない。

CRが前回ベビーフードを調べた2018年は50製品中33製品がこれら重金属の合計の暴露で子どもに健康リスクの可能性があった。それからベビーフード製造業者に一連のプレッシャーが与えられてFDAが食品中重金属の濃度を減らす計画を発表した。

そこでCRは5年前に懸念レベルだった7つのベビーフードを再検査した。そのうち3つは重金属濃度が下がっていたが3つは一部の金属が増加していた。

CRはベビーフード会社にこの結果を伝え、回答を得た。

(結果等続く。ベビーフードにコメは使うな、玄米なんてもってのほか、だそう。)