2023-10-25

[Codex]プレスリリース

-2023年世界標準デー/健康と幸福の促進

World Standards Day 2023 / Promoting Good Health and Well-Being

13/10/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1653315/

世界標準デーは毎年10月14日に制定され、2023年のテーマは「より良い世界のための共有ビジョン:SDG3を取り入れる」である。持続可能な開発目標3(SDG3)は、すべての人の健康的な生活を確保し、幸福を促進することに焦点を当てている。FAO/WHOの国際食品規格の策定組織として、コーデックスは「すべての人の幸福と健康を優先し、より良く、より公正で、より持続可能な世界」を目指す世界標準デーのビジョンを支持している。国際食品規格が実施されれば、食中毒の予防、発見、管理において重要な役割を果たす。このように、コーデックスは各国がSDG3を達成し、すべての人にとって安全で、安心できる、栄養価の高い食料供給に取り組むことを支援している。

 

-2023年世界食料デー/コーデックスの水に関する取り組みはより安全な食品に貢献する

World Food Day 2023 / Codex work on water contributes to safer food

16/10/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1653619/

2023年世界食料デー、「水は命の源、水は食の源。誰一人取り残さない」をテーマに開催される。FAOは10月16日(月)から20日(金)まで、世界の指導者、専門家、変革者、若者、先住民の活動家を迎え、水、気候変動対策、持続可能な農業食料システムのための世界的な行動を喚起する一連のイベントを開催する。

水は生命維持に不可欠なものであり、まさに食品(food)である。食品製造や加工においても、水は不可欠である。食品と接触する水自体の安全性を確保することは、200もの水系感染症を予防することにつながる。サルモネラ菌、大腸菌、ビブリオ菌、その他多くの病気を引き起こす細菌は、汚染された水から食品に伝播する可能性があり、水系ウイルス、化学物質、寄生虫も同様である。

 

[COT]声明

-植物ベースの飲料評価の文脈での、1-5才の子どもの牛乳のリスク評価についての声明

Statement on the risk assessment of cow’s milk in children aged 1 to 5 years, in the context of plant-based drinks evaluations

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2023-10/Statement%20on%20the%20risk%20assessment%20of%20cows%20milk%20in%20children%20aged%206%20months%20to%205%20years%20Acc%20V%20SO.pdf

ミルク中に含まれる可能性のある一連の化合物についての評価を含む

一連の化合物は:

動物用医薬品、農薬、硝酸と亜硝酸塩、ビスフェノールA、フタル酸、ダイオキシンとダイオキシン様PCBs、非ダイオキシン様PCBs、多環芳香族炭化水素、イソフラボン類、重金属、ヨウ素、過塩素酸と塩素酸、カビ毒、エストロゲンと成長ホルモン、pFAS、臭素化難燃剤、マイクロプラスチック

補遺A-物ベースの飲料評価の文脈での、6ヶ月から5才の子どもの牛乳のリスク評価についての声明

Annex A - Statement on the risk assessment of cow’s milk in children aged 6 months to 5 years, in the context of plant-based drinks evaluations.

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2023-10/Statement%20on%20the%20risk%20assessment%20of%20cows%20milk%20in%20children%20aged%206%20months%20to%205%20years%20Annex%20A%20SO.pdf

 

-パンと小麦粉規制の強化ガイダンス量についての声明

Statement on the guidance levels for the fortificants in the Bread and Flour Regulations

Last updated: 19 October 2023

https://cot.food.gov.uk/Introduction%20-%20Statement%20on%20the%20guidance%20levels%20for%20the%20fortificants%20in%20the%20Bread%20and%20Flour%20Regulations

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2023-10/TOX_2023_03%20-%20Guidance%20levels%20for%20fortificants%20in%20the%20BFR_FINAL%20%28Oct%202023%29%20Acc%20V.pdf

 

[EU]報告書

-TRACES 2022年次報告書

TRACES 2022 annual report

https://op.europa.eu/en/publication-detail/-/publication/ac12e9d7-6727-11ee-9220-01aa75ed71a1/language-en/format-PDF/source-294184962

輸入品の公的コントロールの記録と管理

 

-オリーブの木やその他の植物に被害を与えるピアス病のEUでのアウトブレイクと管理についての報告書

Report on EU outbreaks and measures to control Xylella fastidiosa, a disease damaging olive trees and other plants

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/news/details/150

小さい規模のアウトブレイクはEUの対策が実施されれば根絶に成功するが、大きなアウトブレイクの場合には根絶が困難になる要因がある

(イタリアの失敗例から学ぶ、みたいな感じになっている)

 

[FTC]FTCは使用者をCOVID-19から守ると虚偽の主張をしていた「見えないマスク」の製造業者に対処する

FTC Takes Action Against Makers of an ‘Invisible Mask’ They Falsely Claimed Protected Users from COVID-19

October 24, 2023

https://www.ftc.gov/news-events/news/press-releases/2023/10/ftc-takes-action-against-makers-invisible-mask-they-falsely-claimed-protected-users-covid-19

命令案では、被告は根拠のない健康強調表示を禁止される

(首回りにつけるバッジが3フィートのバリアを作ってウイルスや細菌から保護する、政府に認可された医療機器と宣伝。別名ウイルスバスター、効果がないのに学校などに寄付してメディアに賞賛されたことなど日本の例とよく似ている)

 

[HK]ニュースレター

Food Safety Focus

18 Oct 2023

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf.html

掲載項目

-スフレパンケーキとサルモネラ菌

-悪天候及び異常気象下における食品安全の確保

-鶏肉を使用した非加熱料理の品質に関する微生物学的研究

-野生タロイモの摂取による食中毒

Food Poisoning Caused by Consumption of Wild Taro

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_207_04.html

2023年8月、1人の患者が、野生のタロイモの摂取後、息切れ、口のしびれ、口の灼熱感などの症状を発症し、シュウ酸カルシウム束晶中毒の疑いで地元の病院で治療を受けた。

タロイモは人気のある食材である。だが、野生のタロイモには針状のシュウ酸カルシウム束晶が含まれる可能性がある。束晶は洗浄や調理で破壊できず、かみ砕くと植物の細胞から剥がれてしまう可能性があり、口や喉の敏感な組織に穴を開けて即座に炎症をひき起こす。痛みや腫れなどの症状が急速に現れるので、大抵それ以上食べることはなく、それゆえ身体への影響も限られる。他の形状のシュウ酸カルシウムが刺激を引き起こす可能性は低い。

中毒を避けるには、野生のタロイモなど、野生の植物を採って食べないこと。信頼できる供給業者から野菜を購入すること。

 

[BfR]穀物中の植物保護製品の残留物―有害健康影響は予想されない

Residues of plant protection products in cereals -

No adverse health effects to be expected

12 October 2023 (23.10.2023)

https://www.bfr.bund.de/cm/349/residues-of-plant-protection-products-in-cereals-no-adverse-health-effects-to-be-expected.pdf

ある団体によると、欧州では穀物製品のおよそ1/3に、植物保護製品(別名、農薬)の残留物が検出されている。この結果は欧州食品安全機関(EFSA)からの情報の評価に基づいている。これによると、有効成分の残留物は、未加工の穀物や穀物製品2,234検体中837検体に検出された。これは37%に相当する。14検体で最大残留基準値(MRL)を超過していた(0.6%)。合計65種類の有効成分が検出された。団体によると、「多くの」の様々な有効成分が消費者に健康リスクをもたらしている。

ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は以下のことを指摘したい:

承認に先立ち、植物保護製品に使用される有効成分を包括的に検査し、起こりうる健康リスクを評価する。従って、意図したように使用すれば、植物保護製品は安全である。にもかかわらず、収穫した作物や、それから生産した食品中に残留物が検出されることがある。これは予想されることで、そのため、最大残留基準値(MRL’s)を設定することで安全性評価中に明確に考慮される。従って、通常、少量の残留物が健康リスクを引き起こすことはない。

科学的知見の現状によると、これは1つの検体中の複数の残留物にも当てはまる。これは、残留物質のほとんどが低濃度であることと、総残留物は通常1つの有効成分で占められているという事実のためである。各評価で起こりうる相互作用を考慮している。

そのためBfRは、意図通りに使用する場合、植物保護製品とその有効成分から有害健康影響は予想されないという以前の評価を支持している。

植物保護製品は、有毒なカビ(キーワード、マイコトキシン)などの病害虫や雑草あるいは有害生物から、新鮮な果物、野菜、種子などの植物や植物の一部を保護するために使用される。それらは又、収穫量を守り、保管や輸送中に作物を保護し、良い食品の品質を確保することも意図している。穀物の栽培では特に、ヒトの健康に有害なマイコトキシンによる汚染を予防しなければならない。殺菌剤がこれに寄与している。「無農薬」農業への要求の状況下では、これを考慮しなければならない。

オーガニック農業では植物保護製品の使用は少ないが、オーガニック農業者でさえ農薬なしでは完全に管理できない。

新しい分析の高精度な検出方法により、食品中の植物保護製品の形跡の検出が可能になっている。植物保護製品の残留物は、消費者の健康を、危険にさらさない程度に十分低くしなければならない。その結果、食品中の残留物は、法律で定められた最大残留基準値(MRL)まで許可されている。MRLは、特定の食品や食材に許可された植物保護製品有効成分の最大量を示している。MRLの設定は、ALARA原則(「合意的に達成可能な限り低く」)を基にして、暴露最小化の前提に従っている。各残留レベルは関連する健康に基づく基準値を十分下回っている。従ってMRLの超過は健康リスクと同じとは見なされない。

植物保護製品混合物中の物質に起こりうる健康影響の評価は、たとえ配合製品でも、あるいは同時発生が予見できる場合でも、優れた毒性学的実践の一部である。植物保護製品の複数の残留物の影響について広範な知識ベースがある。従って現在の最先端技術に基づき、認可基準は消費者の健康リスクを十分に除外している。

小麦と大麦に散布される植物保護製品の総量に関して公表されている団体の数値は、BfRには理解できないことにも留意する必要がある。より透明性の高い方法で、適切な科学的慣行に従って提示される必要がある。ドイツでは、小麦と大麦作物は農業地帯の24%を、ドイツの穀物耕作地帯の85%を占めている。そのためこの栽培形式は土地集約型だが処理指数は低く、そのことも残留物のレベルの低さに反映されている。

植物保護製品の話題に関するBfRウェブサイトの詳細情報

食品中の植物保護製品残留物に関する質問と回答

https://www.bfr.bund.de/en/questions_and_answers_on_residues_of_plant_protection_products_in_food-60852.html

食品中の植物保護製品残留物のトピックページ:

https://www.bfr.bund.de/de/risikobewertungen_des_bfr_von_nachgewiesenen_pflanzenschutzmittel_rueckstaenden_in_lebensmitteln-53099.html

植物保護製品のリスクについて Tewes Tralau氏とのインタビュー:

https://www.bfr.bund.de/cm/429/02_interview_with_dr._tewes_tralau.pdf

 

[ANSES]小児がんとブドウ畑の近くに住むことの関連性の評価

Evaluation of the links between paediatric cancers and living near vineyards

18/10/2023

https://www.anses.fr/en/content/evaluation-paediatric-cancers-living-vineyards

農業地域の近くに住む子供のがんのリスク増加と植物保護製品への暴露の潜在的な関連性を立証するために、ANSESはGEOCAP-Agri疫学研究に資金提供し、その結果が本日、「Environmental Health Perspectives」誌に発表される。特定製品の使用との潜在的な関連性を継続して研究するために、現在、GEOCAP-Pestという別の研究に資金提供している。ANSESは、年々農業従事者が適用する処理に関するデータベースの作成も呼びかけている。

GEOCAP-Agri科学研究は、「Environmental Health Perspectives」誌に発表されたばかりで、小児がんと子供の家の近くにあるブドウ畑の表面積との潜在的な関連性を調査することを目的とした。CRESS調査研究所(フランス国立保健医学研究所(Inserm)/パリ都市大学)がフランス公衆衛生省と協力して、フランスの大都市全域で実施した。

ANSESは植物保護製剤監視(フィトファーマコビジランス)計画の一環でこの研究に資金提供し、その目的は、植物保護製品の健康と環境の有害影響を監視することである。この研究は、農薬に関する医師の警告(AMLP)協会からの要請を受けて、ヌーベル・アキテーヌ地方で植物保護製品への暴露との関連が疑われる一連の小児がんの事例に応えて行われた。

データ不足を埋めるための特定の研究

毎年、植物保護製剤監視計画は140万ユーロの予算を動員し、特定の研究に資金提供し、例えば疑われる影響が明らかになったときには、新たな知見を生み出している。これらは、実際の使用条件で植物保護製品を用いて実施する研究:疫学研究、集団の濃度レベルに関する研究、環境メディアでの測定、実施調査である。

家庭の周辺でブドウが栽培されることによる特定の小児がんの発生の分析

GEOCAP-Agriでは、2006-2013年のフランスの小児がん登録(RNCE)からのデータを用いた。彼らは、フランス大都市圏の15歳以下の子供の白血病患者の家の最も近くにあるブドウ畑の表面積と、ワイン生産区画への距離を算出した。それからこの結果を、病気ではない同年齢の子供の同じデータ(ブドウ畑の表面積と距離)と比較した。

この研究結果から、フランス大都市圏のがん事例の集団は示されなかった。この研究から、家の住所の1 km以内にブドウ畑があることは、白血病の子供では、健康的な対照群と比べて多くなかった。

他方、研究者が実施した統計分析から、家の住所の半径1 kmでブドウ畑の密度が高まると、リンパ芽球性白血病のリスクが中程度に増えたことが示された。ブドウ畑の表面積が10%増えると、リスク増加は平均して5から10%上昇した。

時期やデータ入手の都合上、関連する植物保護製品が使用されたのは10年以上前であるため、この統計結果は、製品の使用や子供の暴露と照合することはできない。

地域住民へのリスクの知見強化

研究の一環で、家の近くにあるブドウ畑の表面積を特定し、計測するために地図が作られた。GEOCAP-Pestと呼ばれる新しい研究が2023年末にInsermで開始される。これらのデータを子供のがんの主な種類について、各種作物に使用される植物保護製品と比較する。目的は、子供のがんのリスクと、彼らの家の近くで行われる農作業で使用される製品への暴露との相互関係を検証することである。研究者は、増加したリスクの原因である、製品、化学物質の分類、あるいは有効成分まで特定するために作業する。

植物保護製品の使用による地域住民の健康への影響を理解し、管理対策を実施できるようにするために、処理した作物の近くに住む人々の暴露量を推定することが必要である。これは、ANSESとフランスSanté publiqueが実施したPestiRiv研究の目的の1つである。

製品の使用にフィールドデータを利用する

新たな知見がGEOCAP-Agriから得られたが、研究プロトコルは植物保護製品に起因する有害影響の原因を特定することの難しさも浮き彫りになった。ANSESが特定した理由の1つは、区画別、作物別、年別のこれらの製品の使用に関するデータベースが不足していることである。このため地域住民の製品への暴露を特徴づけ、必要な対策手段を特定するための能力が制限される。現在のフランスの規則の下では、製品の使用に関するデータは農業使用者が記録・保管しなければならないが、限られた期間だけである。そのためANSESは、今後の研究、特に報告された影響を分析するために、これらのデータを動員できるようデジタルデータベースを構築し、これらの製品の使用者を含む誰にでも役立つようにすることを考えている。

詳細

植物保護製剤監視計画についての詳細

https://www.anses.fr/en/content/phytopharmacovigilance

植物保護製品の評価に関する詳細な記述を読む

https://www.anses.fr/en/content/assessment-plant-protection-products

 

その他

-Maddox賞は科学と根拠についてオープンに議論することの広範な課題を明らかにする

Sense about science

Maddox Prize demonstrates wide-ranging challenges to open discussion of science and evidence

https://senseaboutscience.org/activities/maddox-prize-demonstrates-wide-ranging-challenges-to-open-discussion-of-science-and-evidence/

2023年のJohn Maddox賞はカナダの血液専門医Nancy Olivieriに。医学研究について患者に公開し、訴訟や失職のきつい圧力下でも医薬品試験への懸念を表明した。

米国の疫学者Chelsea Polisは欠陥のある研究の解析と医療機器の誤解を招く宣伝文句に細心の注意を払って疑問を提示した勇気に対して若手賞を受賞。

他に最終選考に残ったのはLinda Guamán (エクアドル), Peter Hotez (USA), Helen Joyce (UK) およびShabir Madhi (南アフリカ)

Nancy Olivieriはdeferiproneの臨床試験での有害影響の可能性を示す結果を患者に開示すべきと主張した。

Chelsea Polisは基礎体温計Daysyを避妊方法として宣伝する根拠とされた研究の欠陥を解析した

 

-あなたはゲノム編集と言い、私は自然の突然変異と言う

You say genome editing, I say natural mutation

Thursday, 19 October 2023

https://www.cshl.edu/you-say-genome-editing-i-say-natural-mutation/

Cold Spring Harborラボ(CSHL)の科学者は果物のサイズに影響する天然及び人工の突然変異をもつ40以上のトマト系統を集めた。

彼らはトマトの変異の予測不可能性を解読しようとした。ある突然変異の組み合わせは予想通りだったが他の組み合わせはそうではなかった。彼らの仕事は科学者が進化とゲノム編集の混沌の中に何らかの秩序を発見するのに役立つかもしれない。