[MPI]オーガニック製品法の変更
Changes to organic products law
の続き
FAQ
オーガニック製品・生産法、規則、基準について
新システムの3つの要素:
・この法案により、どの省庁も担当する製品のオーガニックシステムを設定できるようになり、政府がオーガニック製品の承認の意思決定監督を行うことが保証される。
・オーガニック管理計画や検証(あるいは査察)などの要件が含まれる、第一次産業の新しいシステムの詳細が規則に設定される。
・国のオーガニック基準には、オーガニックと表示されている製品の生産・加工規則や、この基準の対象となる製品固有の要件が設定される。この基準は規則と通知の組み合わせにより法制化される。
この新しいオーガニックシステムはどのように法制化されるのか?
以下参照:
オーガニック製品・生産
新しいシステムはどのように法制化されるか
オーガニック事業者として承認されるにはどうすればよいか?
4つの重要なステップ:
オーガニック管理基準(OMP)を持つこと。
OMPのレビューと、事業者が実際にOMPに従っていることを確認するための現場評価を含む、承認団体からの事前承認チェックを受けること。
MPIに承認申請を提出すること。
事業者が引き続きOMPに従い、国のオーガニック基準を満たしていることを確認するために、承認団体からの継続的な検証を受けること。
承認される必要があるのは誰?
オーガニックと表記されている製品の生産、加工、販売、取扱事業者はMPIに承認される必要がある。
オーガニックサプライチェーン内で承認を免除される事業者は少ない。免除される事業者は:
カフェやレストランなど、最終消費者サービスを提供する事業者。
承認されている事業者が包装した包装済みオーガニック製品を販売する小売業者。小売業者は包装を手つかずのままにしなければならない。輸入オーガニック製品の小売業者も、輸入する製品が包装済みかどうかにかかわらず、MPIに承認される必要がある。
またMPIは、非常に小規模な事業者は承認を免除するよう提案している。
これらの事業者は承認を免除されるが、国のオーガニック基準を満たし、自社製品のオーガニックの完全性を維持することは依然として要求される。これらの事業者は、オーガニックの主張が正確であることよりも、確実に利益のための詐欺行為をしないことが期待される。
この新システムは私にどのような影響を与えるのか?
この新しいオーガニック製品規制システムは、関与する全ての人に様々な影響を与える。適用される規則はあなたが何をするかよる(オーガニック製品の栽培、生産、加工、輸入・輸出など)。
新システムにおけるMPIの役割は?
MPIは第一次産業部門の新しい規制システムのデザインについて政府に助言を提供し、新システムが設定されると運営を担当する。MPIの役割の大部分は、自社の食品、飲料、植物及び動物製品をオーガニックと表記したい事業者を承認することである。
重要なこと:
消費者が安心してオーガニック製品を購入できるようにすること。
オーガニックが承認された人についての意思決定の一貫性を改善すること。
意思決定における利益相反を低減すること。
国際的な貿易相手国の政府にニュージーランドのオーガニック製品を受け入れるためのより大きな保証を与えること。
現在、認証機関は、検証、評価、認証サービスや、証明書を発行する前に事業者に全ての書類とプロセスの最終的なピアレビューを提供している。新制度では、MPIは最終的なピアレビューの段階を引き受けている。その他全ての検証や評価の活動は、現在の実務と非常によく似た認証団体の役割を維持する。
現在のオーガニック認証機関はどうなる?
ニュージーランドのアオテアロアの現在の有機認証機関は、「認証団体」として新しいシステムでも重要な役割を果たす。認証団体は事業者のオーガニック管理計画の評価や、検証サービス(査察の実施など)の提供を引き続き担当する。
オーガニック事業者の承認の最終的な責任は、今後MPIが担う。だが、この法案はMPIに、承認を決定する際に認証団体が提供した情報を考慮するよう求めている。
新システムへの移行はどのように行う?
事業者が新しいシステムに移行するのに十分な時間をとり、できるだけ簡単にできるようにしたい。このためにMPIは経過措置を策定中である。その後、事業者が新システムに移行するのを支援するガイダンスが提供される。
事業者、特に小規模事業者のコストダウンをどのように行うか?
この制度は、事業者がオーガニック基準を確実に満たすことと、事業者が担当するコストの保証とをうまく両立させることを目的としている。
MPIは、オーガニック事業者のコストを最小化し、オーガニックに参加したい小規模事業者を支援したいと思っている。そのために提案することは:
・現場チェック、これがしばしば最も高価なので、必要な頻度を柔軟にする。
・検証費用を共有するために、いくつかのオーガニック企業をグループ化する「グループ事業計画」。
・農場の門のところでオーガニック製品を販売するような、かなり小規模なオーガニック事業者の承認工程プロセスの免除。
このプロセス案は、可能であれば、オーガニック事業者への要件を合理化し、コストを削減するため、食品法2014年、動物製品法1999年、ワイン法2003年など、MPIが管理する他の制度と連携するよう設定されている。
どのくらい費用がかかるのか?
現場検証や事業者のOMPのレビューなどの事前承認チェックは、MPIと関係のない認証団体による費用がかかる。
また、MPIが請求する手数料もある。正確な手数料はまだ検討中である。
MPIは手数料やオーガニックシステムの継続的なサービス、維持、運用に必要な課徴金についてセクターと協議中である。
[FSA]生及び加工した牛肉DNAに含まれる馬DNA及び豚DNAの相対定量を目的としたリアルタイムPCR法の試験室間共同研究フェーズ1及びフェーズ2
Inter-laboratory collaborative trial of real-time PCR method for the relative quantitation of horse DNA and pork DNA in raw and processed beef DNA phases 1 and 2
5 April 2023
このプロジェクトでは、生肉及び加工肉マトリックス中の馬及び豚のDNAに対するリアルタイムPCR法の性能特性を定義するための国際共同試験について説明する。リアルタイムPCR法が拡張され、生及び加工された牛肉で馬と豚のDNAを定量するための新しい方法が開発された。
[FDA]プレスリリース
FDAは主な食物アレルゲンとしてゴマを追加するため、特定のビールのラベル表示に関するガイダンスを改訂する
FDA Issues Revised Guidance on Labeling of Certain Beers to Add Sesame as a Major Food Allergen
April 6, 2023
米国食品医薬品局(FDA)は、ガイダンス「Labeling of Certain Beers Subject to the Labeling Jurisdiction of the Food and Drug Administration(FDAの表示権限の対象となる特定のビールの表示)」を改訂し、ラベルに記載しなければならない表示義務情報の一部である主要食物アレルゲンリストにゴマを追加した。
-FDAの乳幼児向け食品中の鉛に対するアクションレベルについての業界向けガイダンスに関する情報更新
FDA Issues Guidance for Industry on Action Levels for Lead in Baby Foods
April 6, 2023
FDAは、事業者向けガイダンス案「Action Levels for Lead in Food Intended for Babies and Young Children(乳幼児向け食品中の鉛に対するアクションレベル)」に対する意見募集を再開した。
-FDAは規格食品のナトリウムを減らすための代替塩を許可する提案をする
FDA To Propose to Permit Salt Substitutes to Reduce Sodium in Standardized Foods
April 7, 2023
食塩が必須または任意成分である食品に食塩代替物の使用を許可するために、同定基準(SOI)を改正する規則案が連邦官報に掲載され、2023年4月10日に公表される。意見提出期限は2023年8月8日。
-CVM GFI#50対象動物及びヒトの食品安全、医薬品の有効性、乳頭消毒製品の環境及び製造研究
CVM GFI #50 Target Animal and Human Food Safety, Drug Efficacy, Environmental and Manufacturing Studies for Teat Antiseptic Products
04/10/2023
FDA動物用医薬品センター(CVM)は、乳頭消毒製品開発のためのガイドラインを作成した。
-警告文書
Nara Company Ltd.
日本の会社
ヒスタミンの管理含むシーフードHACCPにダメ出しされている
[AAFC]カナダは日本の牛肉市場への完全なアクセスが可能になる
Canada gains full access to Japanese beef market
March 27, 2023
20年ぶりに、日本はカナダ産牛肉加工品の輸入を再開した。
[SFA]食用及び飼料用の昆虫
Insects for Food and Feed
Monday, April 10, 2023
https://www.sfa.gov.sg/food-information/risk-at-a-glance
食用及び飼料用の昆虫に対するシンガポール食品庁(SFA)の規制、昆虫製品の表示、消費者向け安全注意事項等について紹介。
[APVMA]農薬規制ニュースレター
Pesticides Regulatory Newsletter, April 2023
11 April 2023
https://apvma.gov.au/node/111696
事業者向けニュースレター
[USDA]USDAは遺伝子組換えによって開発されたトウモロコシの規制解除のための環境文書案にパブリックコメント募集(2023年5月11日まで)
USDA Seeks Public Input on Draft Environmental Documents for Deregulation of Corn Developed Using Genetic Engineering [open for comment through May 11, 2023]
Apr 10, 2023
https://www.aphis.usda.gov/aphis/newsroom/stakeholder-info/sa_by_date/sa-2023/ge-corn-dereg-input
Pioneer Hi-Bred International, Inc.社の申請した昆虫体制除草剤耐性DP23211トウモロコシ
[WHO]出版物
より安全な伝統食品市場のための5つの鍵:アジア太平洋地域の伝統的食品マーケットでのリスク緩和
Five keys for safer traditional food markets: risk mitigation in traditional food markets in the Asia-Pacific Region
10 April 2023
第 1 の鍵 : 清潔に保つ
第 2 の鍵 : 汚染を避ける (生の食品と加熱済み食品とを分ける)
第 3 の鍵 : 食品を安全に保存する (よく加熱する)
第 4 の鍵 : 動物との接触を減らす (安全な温度に保つ)
第 5 の鍵 : 自分を守って安全に(安全な水と原材料を使う)
()内は 「食品を安全にするための 5 つの鍵」の場合
論文
-最近のキノコ研究の進歩
Recent advances in mushroom research
10-APR-2023
https://www.eurekalert.org/news-releases/985455
ACSの雑誌に発表された最近の論文紹介
・食用キノコの超短鎖、新興、過去のPFAS取り込み。汚染環境で栽培
Journal of Agricultural & Food Chemistry
など
-研究:原子力発電所を閉鎖すると大気汚染が増加する可能性がある
Study: Shutting down nuclear power could increase air pollution
10-APR-2023
https://www.eurekalert.org/news-releases/985436
米国の原子炉の引退によって5000人以上の早期死亡が引き起こされるだろうと予測
Nature Energyに発表されたMITの研究者らの研究
-陰謀論を信じるのを減らす介入の有効性:系統的レビュー
The efficacy of interventions in reducing belief in conspiracy theories: A systematic review
O’Mahony C et al., PLoS ONE 18(4): e0280902. Published: April 5, 2023
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0280902
合計7179人の25研究から、陰謀論を信じることを変えるのはほとんどの介入で無効だったが、分析的考え方やクリティカルシンキングスキルを教えることが最も有効だった。
その他
-ILSI連合持続可能な栄養ニュースレター-2023年3月
ILSI Federation Sustainable Nutrition Newsletter – March 2023
https://ilsi.org/sustainable-nutrition-newsletter-march-2023/
イベント予告、最近の出版物など
・東南アジアのタンパク質需要と食事の変遷再考:健康、革新、持続可能性
https://ilsisea-region.org/event/protein-dietaryshift-southeastasia/
・展望:食事、プレバイオティクス及びプロバイオティクス介入への個人の反応を予想するために腸内細菌叢を活用する(ILSI欧州)
Perspective: Leveraging the Gut Microbiota to Predict Personalized Responses to Dietary, Prebiotic, and Probiotic Interventions
Advances in Nutrition, Volume 13, Issue 5, September 2022, Pages 1450–1461,
https://academic.oup.com/advances/article/13/5/1450/6626013?login=false
・栄養介入の健康及び経済影響をモデル化する:系統的レビュー
Modelling health and economic impact of nutrition interventions: a systematic review
Mariska Dötsch-Klerk et al., European Journal of Clinical Nutrition
・健康的な食生活推進への現実的道のり:健康的加工食品にむけて(ILSI台湾)
・2022年ILSI韓国シンポジウム:世界のコミュニティの安全で持続可能な食生活の達成に向けて
2022 ILSI Korea 학술심포지엄: Toward a Global Community to Achieve a Safe and Sustainable Diet
プレゼン資料のPDFとmp4ファイルが掲載されている
・健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブ(日本)
https://sustainable-nutrition.mhlw.go.jp/
・人食事中の食用昆虫
Edible Insects in the Human Diet
https://www.youtube.com/watch?v=_T4KySSUmeQ
ILSI Mesoamérica: Centro Nacional de Ciencia y Tecnología de Alimentos (CITA-UCR)
ウェビナーの動画記録。スペイン語
-動画
Cup o'Joe-炎症―それが問題!
Cup o'Joe-Inflammation-It Does Matter!
https://www.youtube.com/watch?v=lTg9pycSd5Y
炎症がいろいろな病気に関連することが示されている。慢性炎症においてオメガ6脂肪酸が炎症誘発性でオメガ3脂肪酸が炎症抑制性であることを根拠に、食品中のオメガ3と6の比を使って特定の食品を良いとか悪いとか主張する言説がある。例えばアーモンドミルクはオメガ6/3比がとても高いから悪いもので避けるべきとインターネットの見当外れの助言がある。アーモンドミルクはオメガ3脂肪をほとんど含まないので比が高い。しかしコップ1杯のアーモンドミルクに含まれるオメガ6脂肪酸はわずか0.5gで、オメガ6/3比にあまり意味は無い。また穀物を与えた牛の肉と芝生を与えた牛の肉では草を食べた牛のオメガ6/3比が低いという。しかしこの比を問題にする前に、脂肪そのものの量を考えた方がいい。草を食べた牛の肉100gあたり5000mgの総脂肪のうち、オメガ3は僅か68mgである。
頭のこぶにでくわす
Cup o'Joe-Bumping into bumps on the head
2023/04/07
https://www.youtube.com/watch?v=FiR7o8372bo
シャーロック・ホームズを生み出したアーサー・コナン・ドイルは謎である。1700年代後半にドイツの医師Franz Joseph Gallが導入した疑似科学である骨相学を信じていた。額の大きさが頭の良さを示すといった骨相学の主張は1905年にHenry Laveryがサイコグラフを販売することでナンセンスを極めた
(額の広い人は頭がいい、という説の出所?)
-TINA
Nutrafolの広範な詐欺的マーケティングキャンペーン
Nutrafol’s Widespread Deceptive Marketing Campaign
April 4, 2023
昨年 Unileverに買収されたサプリメント企業Nutrafolの詐欺的宣伝について、TINAがFTCとFDAに告発する文書。29ページにわたって髪が生えるサプリメントの各種違法広告行為を報告
-農業の革新が実際に気候保護を駆動できる
Innovation in agriculture can actually drive climate protection
BY BILL WIRTZ, OPINION CONTRIBUTOR - 03/30/23
世界中の農業への気候変動の影響に対応するすることが食料システムの課題である。米国では全ての温室効果ガスの排出のうち農業が約11%を示す。最近のTwitterで流行した動画で環境活動家がいうような「農業を止める」だけならできるかもしれないが、私たちは食べないと生きていけないので、もっと洗練された解決法が必要である。
1947年から2017年に米国の生産性は3倍になった。現代的農機具や不耕起など理由はたくさんある。
最近USDAは農業展望フォーラムを主催し、欧州と米国のアプローチの違いが明確になった。欧州は20年以上の議論を経てまだ遺伝子組換え農作物を合法化するかどうかで揉めているが、米国はバイオテクノロジーを気候変動対策の最前線と中核においている。欧州が成長を拒否する一方で米国は新しい技術で持続可能な成長を目指す。
欧州では「農場から食卓まで」戦略が宙ぶらりんになっている。2020年に欧州高官が農薬を減らし有機農業を増やすと野心的計画を発表したが、COVID-19パンデミックとウクライナの戦争を経て各国や農家などから厳しい批判に晒されている。
欧州と米国の立場の違いは長年にわたって貿易問題となってきた。気候変動に国境は無く、大西洋の両側で最良のやりかたを共有し新しい技術を使うことが安全性と食料の入手可能性を改善する鍵であろう。