2023-04-13

[USDA]科学者が麻の実固形飼料を与えられた牛の肉を摂取することによるヒトのカンナビノール暴露の可能性を評価する

Scientists Evaluate Potential Human Cannabinol Exposure from Consuming Meat if Cattle is Fed Hempseed Cake

April 12, 2023

https://www.ars.usda.gov/news-events/news/research-news/2023/scientists-evaluate-potential-human-cannabinol-exposure-from-consuming-meat-if-cattle-is-fed-hempseed-cake/

ARSとノースダコタ州立大学(NDSU)の科学者が最近、牛に産業麻副産物である麻の実固形飼料を与えると、筋肉・肝臓・腎臓・脂肪組織に極微量の大麻化合物(カンナビノイド)が残ることを発見した。現在麻の実固形飼料は食用動物の飼料として合法的に使うことはできない。理由はカンナビノイド(カンナビジオールやテトラヒドロカンナビノール)が動物の可食部にどれだけ残留するのかがわからないからである。

麻の実固形飼料が牛の飼料として、タンパク質や食物繊維の摂取源として安全に使えるかどうかを知るためにARSとNDSUの研究者らが評価した。麻の実固形飼料を与えられた牛の可食部のCBDやTHC濃度は、世界の規制機関が消費者にとって安全と考えている量のごく一部であった。この研究はFood Additives and Contaminantsに発表された。

Excretion and residue depletion of cannabinoids in beef cattle fed hempseed cake for 111 days

David J. Smith et al., Food Additives & Contaminants: Part A, 40:4, 552-565

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/19440049.2023.2187645

 

論文

-TikTokの不健康な強迫観念:食と栄養コンテンツの暗黒面

TikTok’s Unhealthy Obsession: The Dark Side of Food and Nutrition Content

By UNIVERSITY OF VERMONT APRIL 11, 2023

https://scitechdaily.com/tiktoks-unhealthy-obsession-the-dark-side-of-food-and-nutrition-content/

VERMONT大学の研究で、食と栄養に関するTikTokのコンテンツは若いユーザーに有害な食文化が続いていて専門家の声が不在であることを発見した。PLOS One

Weight-normative messaging predominates on TikTok—A qualitative content analysis

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0267997

(主に減量法)

 

-プラセボをとることがオピオイド使用疾患の治療順守を改善する

Taking a placebo improves adherence to treatment for opioid use disorder, study finds

12-APR-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/985725

JAMA Network Openに発表されたRCT。オピオイド使用疾患の131人を無作為にメサドン(毎日病院で処方)単独とメサドンにプラセボを加えた群に割り付けた。プラセボ群にはそれがプラセボであること、プラセボには痛みや気分の落ち込みを緩和する可能性があることを説明した。医師にはどの患者がプラセボを与えられているのか伝えない。3ヶ月後、プラセボ群は78%がメサドン治療を継続していたがメサドン単独軍は61%だった。さらにプラセボ群は睡眠の質が良いと報告した。

プラセボ効果を得るには患者を騙す必要は無いことが確認された。

 

-多くの小売り大麻は表示より弱いかもしれない、コロラドで検体採取した製品の約70%は表示されているTHCが最低15%少ない

Most retail cannabis may be less potent than claimed, with THC being at least 15% less potent than reported on the label in around 70% of products sampled in Colorado

12-APR-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/984868

PLoS ONE

 

-妊娠前の父親の飲酒は子どもの脳と顔の欠損に関連

Father’s alcohol consumption before conception linked to brain and facial defects in offspring

12-APR-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/985871

胎児性アルコール症候群関連頭蓋顔面差違は法的基準程度の少量を定期的に飲酒している父親の子どもで見られる可能性がある

米国公衆衛生局長官によると、胎児の出生時欠損リスクがあるため女性は妊娠中に飲酒すべきではないが、今回Texas A&M大学の研究者らが妊娠前の父親の飲酒も子どもの脳と頭蓋骨と顔の発達に影響する成長欠損に関連することを示した

Journal of Clinical Investigationに発表。著者らはアルコール警告表示は母親だけを強調するのではなく両親の両方を対象にすべきという。

 

その他

-「ナチュラルさとは何か?」植物ベースの食品の未来

‘What is naturalness?’ The future of plant-based food

12-Apr-2023 By Augustus Bambridge-Sutton

https://www.foodnavigator.com/Article/2023/04/12/What-is-naturalness-The-future-of-plant-based-food

現在の食品業界では植物原料が最も重要な流行である。肉と乳製品を含まない製品がかつて無い成長を見せているフレキシタリアン(基本的に植物を食べるがたまには肉も食べる)市場に代用食品を提供している。しかし植物ベースの食品の多くは加工度が高く、肉や乳製品のような栄養を提供できるのか、超加工食品として欠点があるのか、そして持続可能な食料システムへの移行に役立つのだろうか?

 

-甘い小さな嘘:メープルシロップ詐欺はカナダの「液状の金」の真正性を毀損する

Sweet little lies: Maple syrup fraud undermines the authenticity of Canada’s ‘liquid gold’

April 10, 2023 Maleeka Singhet al.,

https://theconversation.com/sweet-little-lies-maple-syrup-fraud-undermines-the-authenticity-of-canadas-liquid-gold-201343

カナダの「液状の金」であるメープルシロップは、世界的に最も偽装の多い10の食品に含まれる。

メープルシロップの「望ましさ」が偽装や盗難などの不法行為の標的になる。2011年と2012年には約3000トンのメープルシロップがケベックの倉庫から盗まれた。さらに収量が安定しないことなどから砂糖シロップをメープルシロップと表示して消費者を欺く行為が報告されている。メープルシロップの異物混入を調べる方法はいくつかあるが、費用対効果の高い正確で迅速な検査法の開発は引き続き必要である。我々Guelph大学の研究チームはメープルシロップ詐欺の検出方法を開発している。蛍光指紋マップと機械学習を利用した方法を検証中である。

 

-醤油の摂りすぎで本当に死ぬ?イエス、そして驚くほど簡単

Can You Really Die From Too Much Soy Sauce? Yes, And It's Surprisingly Easy To Do

April 12, 2023  DR. KATIE SPALDING(数学の博士)

https://www.iflscience.com/can-you-really-die-from-too-much-soy-sauce-yes-and-its-surprisingly-easy-to-do-68408

一部では自殺法として使われた

醤油はとても用途の広いソースで、料理に使ったりご飯や麺や寿司にかけたり、時にアイスクリームのフレーバーに使われたりもする。でもそれを飲むと昏睡に至る可能性がある。醤油は恐ろしく致死的で、その発祥の地東アジアでは醤油で自殺しようとしたヒトの話を時に聞く。原因は塩。

引用文献

Fatal hypernatremia due to drinking a large quantity of shoyu (Japanese soy sauce)

Journal of Forensic and Legal Medicine

Volume 18, Issue 2, February 2011, Pages 91-92

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1752928X10001836

醤油約700ml摂取して死亡した55才女性の症例報告

(「簡単」ではないし滅多にないのでは)

 

-覆面ジャーナリストが代替がん治療師を調べると

When an undercover journalist tests alternative cancer healers

10 April 2023  Edzard Ernst

https://edzardernst.com/2023/04/when-an-undercover-journalist-tests-alternative-cancer-healers/

ドイツの新聞が2人のジャーナリストがいわゆる代替医療のプラクティショナーに正体を明かさずに非ホジキンリンパ腫の治療を受けた経験を報告している。その一部を英語に翻訳して紹介。

…ドクターUwe Reuterは約1000ユーロで3-5日かけて、電磁波測定などで診断し、睡眠療法、ホメオパシー、ビタミンB17点滴、死んだ細菌を注射する熱療法が有効だろうと言った。私が受けている化学療法について尋ねると、私自身の内側から判断せよと言われた。最終的に化学療法を延期しその間彼の治療を合計1万ユーロ程度で受けることを薦められた

…次のドクターは有名なKlaus Maarで、腫瘍を局所的に加熱する温熱療法を助言された。化学療法については直接反対はしなかったが化学療法の副作用について警告された。温熱療法は8000ユーロだった。

…次の代替療法プラクティショナーはUrsula Stollで、「ゲルマン新医学」の専門家という。彼女は「がん」などというものは存在しない、私の症状は私の上司が私を嫌っていることへの反応だという。

…ドイツのテレビで好意的に紹介されているスピリチュアルヒーラーWolfgang Bittscheidtと Teresa Schuhlは予約を取るのが大変だった。彼女は囁くような声で化学療法を止めてビタミンB17を薦めた

…ドクターAchim Schuppertは私の腫瘍の原因は携帯電話の電磁波だろうと言って私の電磁波オーラを測定したがった。

…「医学の指導者」Elke Tegelは「インナーワールドへの旅をする部屋」や「ヒーリング音楽」の部屋、「高周波療法」機器などを見せてくれた。5週間で13670ユーロだという。がんは「抑制された怒り」であり化学療法より高用量ビタミンCを薦める

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