[SFA]乳幼児向け製品に許容値超過のヒ素が検出され、リコール
Recall of infant products due to arsenic exceeding permissible levels
15 May 2023
乳幼児用食品(コメを使ったベビーフード)から、シンガポール食品規則に記載されている上限である0.1 ppmを超える濃度のヒ素が検出されたため、リコール。
(「ミネラルと抗酸化物質が多くて白米より健康的」と宣伝しているred riceがヒ素が多かったらしい)
[SFA]食品中のアクリルアミド:知っておくべきこと
Acrylamide in food: What you need to know
12 May 2023
https://www.sfa.gov.sg/food-for-thought/article/detail/acrylamide-in-food-what-you-need-to-know
アクリルアミドについて、安全性、食品事業者の対策を含め紹介。
(アクリルアミドに注意、のサイトでジャガイモに芽がでまくりなのはダメなのでは)
[NYC]栄養のコツ
Nutrition Tips
https://www.nyc.gov/site/doh/health/health-topics/eating-well.page
季節の野菜や果物を楽しもう。農産物は時期が正しいと価格が安く果物と野菜は通常美味しい。今ニューヨークで旬の農産物のレシピをチェックしよう
・レタス:レタスとリンゴのサラダ、レタスの炒め物、
・ラディッシュ:ラディッシュとスナップエンドウの炒め物、ピクルス
・ほうれん草
植物を多く食べよう
加工食品や飲料を制限しよう
(栄養の話をしているこのページに数字がない。量は問題にしたくないのだろうか?)
[COT]2023年5月16日の会合
COT Meeting: 16th May 2023
Last updated: 15 May 2023
https://cot.food.gov.uk/COT%20Meeting%3A%2016th%20May%202023
更新部分
他の科学助言委員会の活動更新
Update on the work of other Scientific Advisory Committees-May 2023
[FAO]FAOでの国際植物防疫デー2023式典は健康な植物の重要な役割を強調
International Day of Plant Health 2023 ceremony at FAO highlights healthy plants’ crucial role
https://www.fao.org/director-general/news/news-article/en/c/1639377/
[WHO]出版物
-成人と子どもの不健康な体重増加を予防するための総脂肪摂取:WHOガイドライン
Total fat intake for the prevention of unhealthy weight gain in adults and children: WHO guideline
15 May 2023
https://www.who.int/publications/i/item/9789240073654
1989年のWHO食事栄養及び慢性疾患予防研究グループと2002年のWHO/FAO合同食事栄養及び慢性疾患予防専門家会議を含むこれまでのWHOの総脂肪摂取摂取に関するガイドラインを置き換えるもの。他の健康的食事に関するWHOのガイダンスの文脈で検討すべき。
2023年6月発表予定
-成人と子どもの炭水化物摂取:WHOガイドライン
Carbohydrate intake for adults and children: WHO guideline
15 May 2023
https://www.who.int/publications/i/item/9789240073593
同上。
2023年6月発表予定
(甘味料のガイドラインもこの系列。)
-カンガルー母ケア世界政策方針書と履行戦略発表
Launch of Kangaroo Mother Care Global Position Paper and Implementation Strategy
16 May 2023
(未熟児を生後すぐに母親にくっつけろというガイド。これも日本にはあてはまらない。)
論文
-有色人種集団が飲料水中PFAS汚染に不釣り合いに暴露されている
Communities of color disproportionately exposed to PFAS pollution in drinking water
15-MAY-2023
https://www.eurekalert.org/news-releases/989069
Environmental Science & Technologyに発表された米国の研究。飲料水中のPFAS検出はPFAS汚染源(工場、軍の火災訓練場、空港)の存在と有色人種の割合の高さに関連する。
(アメリカではいろいろなことが「貧困と関連」。でも論文が増えるだけで改善しない)
-肉とは何か?(動画)
What is meat? (video)
15-MAY-2023
https://www.eurekalert.org/news-releases/989229
ACS動画シリーズ
蜘蛛の筋肉は肉?植物由来のバーガーや植物肉。化学の進歩が我々が考える肉とは何かを変えていく。
Beyond meatとImpossible meatの特許の紹介
植物タンパク質を肉っぽくするための技術。テクスチャーとフレーバー。
最後にマンモスミートボール
-新しい研究は空にアレルゲンや病原体を含む広範な環境DNAが存在することを明らかにする
New study reveals widespread presence of environmental DNA in the sky, including allergens and pathogens
15-MAY-2023
https://www.eurekalert.org/news-releases/989311
PeerJ Life and Environmentに発表された研究は、飛行機を使って空気中の核酸を集め、大気の生物多様性を調べた。
-ヒトのDNAはどこにでもある。それは科学でブームになっている-が倫理的には泥沼である
Human DNA is everywhere. That’s a boon for science – and an ethical quagmire.
15-MAY-2023
https://www.eurekalert.org/news-releases/988729
ヒトの痕跡はほぼあらゆるところから発見でき、時に個人すら同定できる。それには倫理的支柱が必要である。Nature Ecology and Evolution。
SMC UK
体重管理あるいは非伝染性疾患リスク削減のために砂糖ではない甘味料を使わないように助言するWHOのガイドラインへの専門家の反応
expert reaction to new WHO guideline which advises not to use non-sugar sweeteners for weight control or to reduce the risk of noncommunicable diseases
MAY 15, 2023
WHOが砂糖ではない甘味料(NSS)についての新しいガイドラインを発表した
Cambridge大学MRC疫学ユニットNita Forouhi教授
WHOの報告は、複数の研究デザインによる入手可能な全ての根拠を含めて、糖尿病のない一般人にとっては正当化できるが、いくつかの要因によって限定的で、その多くは報告書で言及されている。特に、WHOの長期体重管理や慢性疾患予防のためにNSSを使わないようにとの助言は条件次第で、従って普遍的に実施するより文脈や国による政策決定が必要だろう。短期的カロリー摂取削減方法としてのNSSの役割は根拠によって支持されていて、従って甘味料は短期的体重管理の一部になり得る。
レビューに含まれた研究のバイアスリスクと質は確立された枠組みで明確に評価されている。全体として、RCTも含めて、大部分の研究は確実性が低いあるいは極めて低いもので、中程度から高い確実性のあるものはほんのわずかしかない。またほとんどのRCTの期間は極めて短期で、ほとんどが2週間から3ヶ月以内で、6ヶ月を超えるものは極めて少なく、約50のRCTのうち1年以上なのはたった5つである。さらにこのレビューで対象にしていない、糖尿病患者を対象にした研究が必要である。
いくつかの限界にはほとんどのRCTが砂糖をNSSに代用した場合を比較しているわけではないという事実が含まれる。従って砂糖ではない甘味料を使わないようにとの結論は間接的な推論をもとにしている。さらに、砂糖で甘くした飲料の代用品としての水とNSSの直接比較は行われていない。また、個々のNSSを区別して評価しておらず、長い間販売されている甘味料は含まれる可能性が高く新しい甘味料は割合が少ない。そして個々の種類の違う甘味料を区別することなくひとまとめにされている。
WHOはこのガイドラインの対象は政策決定者、非政府団体やその他組織、健康専門家、研究者、教育者、食品産業代表者だと明確に言っている。つまり一般人向けではない。情報提供のためには、国や地方当局によって適切に文脈に沿ったものに調整されるのが良いだろう。
最も重要な問題は「どうやって」である。ガイドラインを行動につなげるには政策決定者、公衆衛生機関、食品製造業者を含む多くのプレーヤーの協調行動が必要で、究極的には個人の行動変容が必要である。目標は食事中の砂糖を果物由来などの健康的な天然の甘味料と加工していないあるいは最小限に加工した食品と飲料でおきかえ全体的な食事の質を改善することである。
追加
観察研究としてはこのレビューは個々の研究の交絡要因も記述していて考慮することは考慮している。それでも限界があり、このガイドラインの助言は条件付きである。
本当に重要なことだが、このガイドラインはNSSの禁止を示唆しているわけではないことは明確にしておく。安全性については別に評価されている。またポリオール(糖アルコール)は除外している。理由はカロリーがあるため栄養にならないとは言えないからだという。実際にはかなり使われている。
King’s College London栄養と食事名誉教授Tom Sanders教授
このWHOによるガイダンスは人工甘味料そのものは体重の減少にも増加にもならないことを示した試験/前向きコホート研究の系統的レビューに基づく。根拠の質はどの病気との関係でも低いと格付けされていることに注意が必要である。
このレビューが考慮していないのは、砂糖で甘くした飲料を人工甘味料で甘くした飲料で置き換えた場合の影響である。子どもに砂糖入り飲料の代わりに人工甘味料飲料を本人がわからないように与えた場合には不健康な体重増加を予防することを示した質の高いRCTが存在する。
私はこの助言は公衆衛生領域に多くの混乱をもたらすだろうと考える。英国では砂糖税によって飲料製造業者が砂糖の一部または全部を人工甘味料に置き換えているからである。
Quadram研究所栄養研究者で名誉フェロー、Ian Johnson博士
このガイドラインは減量のために砂糖を減らして人工甘味料を使うのは良い方法ではないと強調する。しかし体重管理に砂糖は関係ないと解釈すべきではない。人工甘味料を使う代わりに砂糖入り飲料のような砂糖を含む製品の摂取を減らし、甘味には生の果物を使って長期的に甘いものへの嗜好を減らすのが良いだろう
Aston大学医学部登録栄養士で上級教育助手Duane Mellor博士
これは興味深い報告書で、どうして安全ではあるものの食事ガイドラインで推奨されていないのかを説明する。観察研究が多いと批判されるだろうが、砂糖を甘味料で置き換えることがそれだけで食事の質を改善することはなさそうなので必ずしも理想的ではないことを強調する。おそらく砂糖を減らすのがベストだろう。人によっては砂糖を減らすために甘味料を少量使うことも含まれるだろう。甘味料は砂糖摂取を減らしたい人の役に立つだろう
(WHOはリアルワールドで体重減の効果が明確でない広告規制や砂糖税は根拠有りとして推進し、比較試験で使えば砂糖摂取量を減らす効果のある甘味料を効果無しと判断することで、自身の偏見を明らかにしている。)
その他
-Natureニュース
閉経期のホットフラッシュの脳に基づく治療がFDAに認可された
Brain-based treatment for menopausal hot flushes approved by FDA
15 May 2023 Heidi Ledford
https://www.nature.com/articles/d41586-023-01628-3
閉経期の脳への影響研究が、この困った症状へのホルモンをつかわない新たな治療法につながった
5月12日にFDAがホットフラッシュ治療薬としてfezolinetant (Veozah)(アステラス)を認可した。
これまでホットフラッシュの最も効果的な治療法はホルモン補充療法だった。ただこれは脳卒中や片頭痛、ある種の乳がんの既往症があると使えなかった。
FezolinetantはニューロキニンBの放熱応答を仲介するニューロキニン3受容体を阻害する。
(記事の趣旨はともかく、「この記事では閉経を経験する人のことを記述するのにwomanを使うが、womanだと自認している全ての人が閉経するわけではなく、閉経する人が全てwoman(女性)を自認しているわけではないことは認識している」という断り書きがある。生物としての女性の身体を扱っていることが明らかな医学の記事でここまでやらないといけないのか疑問。)
-科学は置き去り:EUはグリホサートは安全だと言う、しかしいずれにせよ禁止する
Science Left Behind: EU Says Glyphosate Is Safe, But Will Ban It Anyway
By Hank Campbell | May 10th 2023
ECHAのリスク評価委員会が、サンフランシスコの裁判所より当然学問があるので、グリホサートの発がん性を否定した。
誰でも植物が人間ではないことを知っている。グルート(マーベルのキャラクター)を殺すだろう生物学的経路はヒトには存在しない。
おかしいのはIARCだけだ。
しかし欧州は7月の会合でグリホサートを禁止するだろう。欧州では科学は問題ではないのだ。
-バナナ認可要請:オーストラリア初の遺伝子組換え果物が認可にむけて送られる
Banana appeal: Australia’s first genetically modified fruit sent for approval
Donna Lu Fri 12 May 2023 01.00 BST
世界中のキャベンディッシュバナナを脅かしている真菌に耐性の品種は、産業壊滅の際の安全ネットとみなされている
科学者がオーストラリア初の遺伝子組換え果物-キャベンディッシュバナナQCAV-4の認可申請をした。これは世界中のバナナ栽培者にとって脅威となっている恐ろしい真菌TR4に耐えるよう遺伝子組換えされている。もし認可されればオーストラリア初の栽培と消費が認められたGM果物となる。また世界初の認可GMバナナである。
QCAV-4の開発を主導したクイーンズランド工科大学のJames Dale教授は、GM品種はオーストラリアのバナナ産業がTR4によって壊滅した場合の安全ネットとなるという。研究チームはこのバナナが認可されてもすぐに商用や消費用に使う計画はない
(すぐにお金になるわけではないけれど準備しておける体力が羨ましい)