[EU]査察報告
ベルギー―水産物
Belgium 2022-7449―Fishery products
14-09-2023
https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit-report/details/4653
2022年11月21日から12月8日まで実施した、ベルギーの管轄機関がEU法の要件を満たし、水産物のEU規則を実施しているかどうかを評価するための査察。概して、公的管理システムの組織と運用は広く効果的で、生産チェーン全体をカバーしている。だが、別の事業者の承認で複数の事業者の生産を許している、全ての法的要件への順守を論証できない工場船舶に承認を与えているなどの慣習が、システムの有効性や信頼性を損ねている。さらに、公的管理の違反結果にもかかわらず、市場での食品販売を許可する可能性がある。
[EU]RASFF 2023(0910-0916)
警報通知(Alert Notifications)
トルコ産イタリア経由乾燥オレガノのピロリジジンアルカロイド、イタリア産イカのカドミウム、トルコ産カイエンヌペッパーのオクラトキシンA、中国産哺乳瓶の乳首の遊離揮発性有機物含有量超過、トルコ産オランダ経由サルタナのオクラトキシンA、イタリア産有機モロコシ粉末のアトロピン及びスコポラミン、オランダ産赤生米のアフラトキシンB1、ブラジル産ブラジルナッツのアフラトキシンB1、中国産冷凍ニンニクのエチレンオキシド、エジプト産ブドウの葉のアセタミプリド・ボスカリド・クロルピリホス・シフルトリン・ジフルベンズロン・エマメクチン・イミダクロプリド・テブコナゾール及びチオファネートメチル、マダガスカル産乾燥黒目豆のクロルピリホス、
注意喚起情報(information for attention)
中国産棒付きキャンディーの未承認着色料アマランス(E123)、チュニジア産ハタ(Epinephelus guaza)の水銀、英国産メラミンボウルからのホルムアルデヒドの溶出、フランス産冷凍スライスズッキーニのヘプタクロル(及びディルドリン)、インド産アーユルヴェーダフードサプリメントの鉛及び水銀、スリランカ産マグロのヒスタミン、スペイン産メカジキの水銀、モロッコ産マグロの水銀、、スペイン産チルドマグロロインの水銀、モロッコ産お弁当箱の食品接触物質としての使用に適さない物質の溶出、
通関拒否通知(Border Rejections)
カンボジア産チリペッパーのクロルフェナピル・プロピコナゾール及びシペルメトリン、ウクライナ産冷凍ラズベリーのカルベンダジム、トルコ産ピーマンのホルメタネート、トルコ産ピーマンのクロルピリホスメチル、バングラデシュ産ビルマグレープ(Baccaurea ramiflora)のシペルメトリン及びカルベンダジム、インド産フードサプリメントの水銀・アセタミプリド及びマラチオン、ペルー産魚用飼料に検出された反芻動物のDNA、エジプト産生鮮マンダリンのクロルピリホス、セルビア産加工用生鮮キュウリのメタラキシル、ベトナム産ドラゴンフルーツのホルクロルフェニュロン、トルコ産ピーマンのクロルピリホス及びエトキサゾール、米国産ピーナッツのアフラトキシン(複数あり)、中国産プラスチック製カトラリーの未承認物質麦わら、イスラエル産生鮮ミントのペンチオピラド、
[EFSA]PLS(わかりやすい言葉による要約):食品中のミネラルオイル炭化水素類(MOH)のリスク評価の更新
PLS: Update of the risk assessment of mineral oil hydrocarbons (MOH) in food
13 September 2023
背景
ミネラルオイル炭化水素類(MOH)は主に原油に由来するが、石炭、ガス、バイオマスにも由来する物質である。MOHには主に2つの分類がある:ミネラルオイル飽和炭化水素類(MOSH)とミネラルオイル芳香族炭化水素類(MOAH)である。
MOHは、環境汚染物質、収穫や食品生産中に使用される機械の潤滑油、剥離剤やダスト粘結剤などの加工助剤、食品や飼料の添加物、食品接触物質として食品に入る可能性がある。食品に使用されるMOH製品は、MOAH含有量を最小限にするために処理される。
2012年に、欧州食品安全機関(EFSA)のフードチェーン中の汚染物質に関する科学パネル(CONTAM パネル)は、MOH の潜在的なヒトへの健康影響は、MOHの種類によって大きく異なると結論した。さらにCONTAMパネルは、2012年に、MOSHはヒトの組織に蓄積し肝臓に害を及ぼす可能性があり、一方MOAHは、特に3–7つの芳香環を持つ化学的構造のものは、DNAに損傷を与えることによってがんの原因となる可能性があると結論した。分析データが不十分なため、欧州委員会(EC)は食品や全ての食品と接触する表面のMOHのモニタリングを計画した。
EFSAがMOHについて書く理由は?
ECは特定の食品品目におけるMOHの最大レベルを設定するかどうか検討中である。
この決定に情報提供するために、ECは2020年にEFSAに、食品中のMOHによる公衆衛生へのリスクに関して、2012年のCONTAMパネル以降の科学的意見を更新するよう命じた。
EFSAは何をするよう求められたのか?
EFSAは以下のことを求められた:
2012年以降のMOHの毒性に関する研究をレビューし、MOHのハザードキャラクタリゼーション(害をなす潜在能力)に関する科学的意見を更新すること。
最近の存在量データを考慮してMOHの暴露レベルを推定すること;その結果、これらの最新データを基にしてMOHのリスクキャラクタリゼーション(有害影響が起こる可能性)を更新すること。
EFSAはこの作業をどのように行ったのか?
MOHの評価のために、EFSAは事前に確立された方法論を厳格に順守し、全工程を文書化した。
再評価を基にした科学的意見案は、2023年3月15日から4月30日までパブリックコメントを募集した。
どのデータを使用したのか?
EFSAは2010年以降発表された研究に焦点を絞り、トキシコキネティクスや毒性データの同定など、様々なMOHの話題に関する科学的文献の包括的レビューを完成した。最初の文献検索は2021年1月16日~2月5日に行われた。2回目の検索は2022年10月10日に行った。
EFSAは、EU加盟国や他の利害関係者から、食品中のMOHの濃度に関するデータなど、食品や飼料中の汚染物質の存在に関する情報を定期的に収集している。食品中のMOHのリスク評価の更新のために、EFSAは2011年~2021年に集めた存在量データを考慮した。
EFSAは国や国際機関のウェブサイトや標的を絞ったインターネット検索から過去のリスク評価を集めた。現行法についての情報はEU機関やEU加盟国の国内法から得た。
限界/不確実性は何だったのか?
MOHグループの化学物質は非常に多く、化学的キャラクタリゼーションの完全リストを作成するのは不可能である。
MOSHには健康に基づく指標値(HBGV)を設定できなかったため、暴露マージン(MoE)が使用された。
3つ以上の芳香環を持つMOAHには、経口毒性や食品中の濃度に関する十分なデータがなく、結論を出せなかった。だが、CONTAMパネルは、そのリスクを評価するために2つの起こりうる発生シナリオを考慮し、構造的に類似した物質(多環芳香族炭化水素類(PAHs))の毒性データや推定暴露レベルを検討した。
1~2の環を持つMOAHの経口毒性に関するデータが不十分だったため、測定可能な有害影響が観察される最小用量(参照点)を特定できなかった。
結果やその意味は何か?
ECは特定の食品中のMOHの最大量を設定するかどうか検討する際に、以下の結果を考慮する可能性がある:
現在のMOSHに対する食事暴露がヒトの健康への懸念を生じない可能性はかなり高そうだ (66-95% の確実性)。実験のラットで以前に観察された肝臓への有害影響はヒトには関係ないと結論された。にもかかわらず、ヒトの健康への長期影響の可能性を研究し続けることは重要である。
3つ以上の芳香環を持つMOAHの最終リスク評価には、毒性や暴露に関する更なるデータが必要である。しかしながら、上記のアプローチに基づき、DNA損傷やがんを引き起こす可能性に関連して、3つ以上の環を持つMOAHへの現在の食事暴露がヒトの健康に起こりうる懸念を生じる可能性は、幼児では非常に高く(99-100% の確実性)、他の年齢グループでは高い(66%以上の確実性)。
1-2の環を持つMOAHへの食事暴露は信頼できる毒性データがなく、懸念を生じる可能性がある。
最大量のMOHは植物油に検出され、最も多く暴露した集団は若者で、主に乳児用調製乳を介した乳児だった。
公衆衛生機関、政策決定者、研究者のための主な助言は何?
MOSHについての助言:
共同研究センター(JRC)のガイドライン文書(Bratinova and Hoekstra, 2023)に従って、食品中の濃度を測定すること。
より良いMOSHのキャラクタリゼーションや一貫した報告のために分析法を改善すること。
食品中の炭化水素の供給源についての研究を改善すること。
蓄積する可能性を含む、MOSHが体内で変化した後に形成される生成物、結果、毒性に関するデータを収集すること。
体内の蓄積につながる、ヒトの代謝と排泄を抑制するMOSHの構造的特徴を調査すること。
特に、肝臓、脾臓、免疫系、神経系における、体内でのMOSHの蓄積やMOSHの毒性影響に関する、追加データを収集すること。
最近の臨床試験に見られるように、リポタンパク質、炎症、炎症マーカーについて推定される影響を研究すること。
特に1995年以降に生まれた人の、ヒトの組織中のMOSH濃度についての追加データを収集すること、あるいは暴露のバイオマーカーを開発し使用すること。
その他のMOSH供給源と比較してMOSHの食品汚染レベルへの環境の供給源の寄与を特定すること。
MOAHについての助言:
JRCガイダンス文書(Bratinova and Hoekstra, 2023)に従って、食品中の濃度を測定すること。
芳香環の数による組成、主に食品中に存在する3つ以上の環を持つMOAHのレベルに関する更なるデータを収集すること。
損傷した遺伝子やがんの原因について、3つ以上の環を持つMOAHや環アルキル化(アルキル基の転移)の影響に関するより多くのデータを収集すること。
1-2つの環を持つMOAHの経口毒性データを収集すること。
MOAHが検出された際の食品汚染物質の供給源を調査すること。
食品添加物及び食品包装素材として使用される白色ミネラルオイルとワックスのMOAH含有量と組成について、詳細情報付きの技術仕様を更新すること。
用語解説
暴露のバイオマーカー-その存在から環境への暴露が示される、生物中の測定可能な物質。
健康に基づく指標値(HBGV)-現在の安全性データ、これらのデータの不確実性、推定摂取期間を考慮した物質の安全な摂取に関するガイダンス。
暴露マージン(MoE)-食品や動物の飼料中に、潜在的に有毒な物質が存在することから生じる安全上の懸念を研究するためにリスク評価で使用するツール。
ミネラルオイル芳香族炭化水素(MOAH)-1つ以上の芳香環を含むMOH。
ミネラルオイル炭化水素(MOH)-ミネラル由来の水素と炭素の化合物。
ミネラルオイル飽和炭化水素(MOSH)-炭素原子間の単結合だけを含むMOH。
多環芳香族炭化水素-2つ以上の縮合芳香環からなる有機化合物大きな分類。
免責事項
このわかりやすい言葉での要約(PLS)は、食品中のミネラルオイル炭化水素類(MOH)のリスク評価の、EFSAの更新を簡素化したコミュニケーション手段である。
EFSAの意見全文はこちらで見ることができる:
https://doi.org/10.2903/j.efsa.2023.8215.
このPLSの目的は、透明性を高め、主な知見の概要を示すために簡単な言語を用いて、その話題に関するEFSAの仕事を関係者に知らせることである。
参考文献
このわかりやすい言葉による要約は、「食品中のミネラルオイル炭化水素類(MOH)のリスク評価更新」という意見の補足情報の下にある。EFSA Journal 2023;21(9):8215. DOI: https://doi.org/10.2903/j.efsa.2023.8215
Bratinova S and Hoekstra E, 2019. 食品及び食品接触物質中のミネラルオイル炭化水素類のモニタリングのためのサンプリング、分析及びデータ報告に関するガイダンス。EU出版局https://publications.jrc.ec.europa.eu/repository/handle/JRC115694
[EFSA]意見等
-各種作物のメフェントリフルコナゾールの既存MRLsの改訂
Modification of the existing maximum residue levels for mefentrifluconazole in various commodities
EFSA Journal 2023;21(9):8237 15 September 2023
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8237
(理由付き科学的意見)
[FSS]学生が今学期の食品関連の失敗を避ける方法
How students can avoid food fails this semester
14 SEPTEMBER 2023
https://www.foodstandards.gov.scot/news-and-alerts/how-students-can-avoid-food-fails-this-semester
スコットランド食品基準庁(FSS)は、大学や専門学校で安全で健康的な食べ物を食べ、今学期の食品の失敗を防ぐために、ガイドをまとめた。
[FDA]プレスリリース
-FDAはLittleOak乳児用調製乳に関して両親や保育者に警告する
FDA Alerts Parents and Caregivers to Concerns Regarding LittleOak Infant Formula
09/14/2023
米国食品医薬品局(FDA)は、LittleOak乳児用調製乳がFDAの乳児用調製乳規則に準拠せずに米国で販売されていたと判断した。LittleOakは必要な市販前通知を提出していないため、製品が米国の食品の安全性と栄養基準を満たしているかどうかを判断するための評価が行われていない。
-FDAは新たな包括的アジェンダを通じて動物バイオテクノロジー、獣医用製品、動物用食品のイノベーションを支援する
FDA Supports Innovation in Animal Biotechnology, Veterinary Products, Food for Animals Through New Comprehensive Agenda
September 15, 2023
FDAは、規制の柔軟性、予測可能性及び効率性を高めるために、革新的な動物及び獣医用製品の開発を評価し、支援するアプローチをさらに近代化するための新たな措置を講じると発表した。新アジェンダは、栄養効率と生産性を高めるために動物の腸内のみで機能する新規食品成分、動物細胞・組織由来製品(ACTP)や動物の意図的ゲノム改変(IGA)などの動物バイオテクノロジー製品、細胞培養動物食品成分などの製品に適用される。
-FDAは栄養研究および政策におけるメタ解析の使用に関するワークショップを後援する
FDA Sponsors Workshops on the Use of Meta-Analyses in Nutrition Research and Policy
September 13, 2023
FDAは、2023年9月と10月に全米アカデミーの食品栄養委員会が主催し、栄養研究と栄養政策策定のツールとしてのメタ解析の有用性について議論するワークショップを後援する。以下、詳細情報。
-FDAは米国での添加された砂糖の摂取を削減する戦略に関するバーチャル公聴会とリスニングセッションを開催する
FDA to Hold Virtual Public Meeting and Listening Sessions on Strategies to Reduce Added Sugars Consumption in the United States
September 18, 2023
FDAは、2023年11月6日から8日に開催される、米国における添加糖類の消費を削減する戦略に関するバーチャル公聴会及びリスニングセッションへの登録を一般の人々に呼びかけている。以下、登録方法。
https://www.surveymonkey.com/r/6DSM5M9
[ODS]ファクトシート更新
-カルシウム
Calcium
Fact Sheet for Consumers
September 14, 2023
https://ods.od.nih.gov/factsheets/Calcium-Consumer/
骨粗鬆症が骨折(骨折)のリスクを高めることを明らかにした。
https://ods.od.nih.gov/factsheets/Calcium-Consumer/#change
-ビタミンD
Vitamin D
Fact Sheet for Health Professionals
September 18, 2023
https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminD-HealthProfessional/
Vitamin D Standardization Programのリンクを更新。
https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminD-HealthProfessional/#change
[CFIA]リコール
- Paquiブランドの2023 One Chip Challengは有害反応の報告があり、リコール。
Paqui brand 2023 One Chip Challenge recalled due to reported adverse reactions
2023-09-09
Paquiブランドの2023 One Chip Challeng製品(世界で一番辛い菓子をうたう)の摂取に関連する反応が報告されている。
-さまざまなブランドのカフェイン入りエネルギー飲料は、カフェイン含有量とラベル表示の問題により安全ではない可能性がある
Various brands of caffeinated energy drinks may be unsafe due to caffeine content and labelling issues
2023-09-08
CFIAはカフェイン入り飲料を摂取する場合の摂取量に関し、注意を呼び掛ける。リコール製品の情報更新。
[ヘルスカナダ]リコール
-CUPKINブランドの二重壁ステンレススチール製子供用カップは、鉛のためリコール
CUPKIN brand Double-Walled Stainless Steel Children's Cups recalled due to the presence of lead
2023-09-18
対象製品には底部に過剰な量の鉛が含まれている可能性があり、暴露される可能性がある。
[ヘルスカナダ]助言
-ブリティッシュコロンビア州リッチモンドのTokyo Beauty and Healthcare店から押収された未承認の健康製品は、深刻な健康リスクを引き起こす可能性がある
Unauthorized health products seized from a Tokyo Beauty and Healthcare store in Richmond, B.C., may pose serious health risks
2023-09-18
ヘルスカナダはTokyo Beauty and Healthcare店から押収した未承認の健康製品について消費者に警告している。製品には、処方薬、規制医薬品又は市販薬が含まれるラベルが貼られており、重大な健康リスクを引き起こす可能性がある。
-未承認の性的強化製品は深刻な健康被害をもたらす可能性がある
Unauthorized sexual enhancement products may pose serious health risks
2023-09-13
ヘルスカナダは深刻な健康上のリスクをもたらす可能性のある未承認の性的強化製品について助言する。対象製品の写真あり。製品にレボドパ、プラステロン、シルデナフィル、タダラフィル、ヨヒンビンを含む。
[ヘルスカナダ]改定通知
-補充食品にヨウ素の使用を可能にする許可サプリメント成分リストの改定に関する修正通知
Notice of modification to the list of permitted supplemental ingredients to enable the use of iodine in supplemented foods
September 8, 2023
ヘルスカナダは、補充食品に使用するヨウ素の安全性評価を完了し、食品のサプリメント成分としてヨウ素の使用を可能にする通知を発表した。
-パン、小麦粉、全粒粉及び規格外ベーカリー製品へのsaccharomyces cerevisiae LALL-LI由来リパーゼの使用を可能にするための許可食品酵素リストの改定に関する修正通知
Notice of modification to the List of Permitted Food Enzymes to enable the use of lipase from saccharomyces cerevisiae LALL-LI in bread, flour, whole wheat flour and unstandardized bakery products
2023-09-13
ヘルスカナダは、パン、小麦粉、全粒小麦粉、規格外ベーカリー製品へのSaccharomyces cerevisiae LALL-LI由来リパーゼの使用の承認を求める食品添加物申請の市販前安全性評価を完了した。2023年9月13日より、許可食品酵素リストを修正し、S. cerevisiae LALL-LI由来のリパーゼの使用を可能にした。
[MPI]公衆衛生警告:Raglan海岸線地域の貝類バイオトキシン警告
Public health warning: shellfish biotoxin alert for Raglan coastline
14 September 2023
ニュージーランド食品安全はRaglan海岸線地域で貝類の採取や採れた貝類の消費を控えるよう公衆衛生警告を発した。麻痺性貝毒のレベルがMPI設定の安全基準値を上回った。
[HK]プレスリリース
-放射線検査と無関係な日本からの輸入食品の空港での通関に時間がかかる
Longer time for clearance of imported food from Japan at airport unrelated to radiation testing
Saturday, September 16, 2023
https://www.cfs.gov.hk/english/press/20230916_10497.html
食品安全センター(CFS)は、日本からの輸入食品の通関に時間がかかるという最近の報告を非常に重視しており、直ちにフォローアップしたと述べた。
-CFSは食品安全命令に違反した疑いのある日本産輸入野菜を追跡調査する
CFS follows up on vegetables imported from Japan suspected of breaching Food Safety Order
Wednesday, September 13, 2023
https://www.cfs.gov.hk/english/press/20230913_10488.html
食品安全センター(CFS)は日本から輸入された食品を検査した際に規制対象都道府県からの野菜(福島産のイロハモミジと放射能と輸出証明のない群馬産のナス)が発見され、当該輸入業者に関連する食品安全命令の違反の疑いがあると発表した。
(紅葉って食べるの?)
-CFSは食品安全命令に違反した疑いのある日本産輸入野菜を追跡調査する
CFS follows up on vegetables imported from Japan suspected of breaching Food Safety Order
Friday, September 15, 2023
https://www.cfs.gov.hk/english/press/20230915_10496.html
食品安全センター(CFS)は日本から輸入された食品を検査した際に規制対象都道府県からの証明書のない野菜(栃木県産のキノコ3パック)が発見され、当該輸入業者に関連する食品安全命令の違反の疑いがあると発表した。
[HK]法令違反等
-パッションフルーツのサンプル中の残留農薬が基準値を超過する
Pesticide residue exceeds legal limit in passion fruit sample
Monday, September 18, 2023
https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20230918_10499.html
オンライン業者のパッションフルーツのサンプルから基準値0.1 ppmを超過する0.204 ppmのピリプロキシフェンが検出される。
-CFSは許可されていない保存料サリチル酸を使用した包装済みのアーモンドミルクやクルミミルクを摂取しないようよびかける
Not to consume batches of prepackaged almond milk and walnut milk with non-permitted preservative salicylic acid
14 Sep 2023
https://www.cfs.gov.hk/english/whatsnew/whatsnew_fa/2023_526.html
食品安全センター(CFS)はタイ産の包装済のアーモンドミルクとクルミミルクの2製品が検査の結果、サリチル酸を含んでおり、摂取しないよう呼び掛けた。サリチル酸は、それぞれ148 ppm、148.4 ppmであった。
(天然由来である可能性はないのだろうか?)
[FSANZ]食品基準通知
Notification Circular 262-23
20 September 2023
https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20262-23.aspx
意見募集
・加工助剤としてのGM Aspergillus niger由来セルラーゼ
2023年11月3日まで
Call for comment on the use of an enzyme processing aid in brewing and potable alcohol
20/09/2023
[ASA]ASAは新たな全国啓発キャンペーンを開始
ASA launches new phase of UK-wide awareness campaign
18 Sep 2023
https://www.asa.org.uk/news/asa-launches-new-phase-of-uk-wide-awareness-campaign.html
広告。我々は監視している。好きだろうと嫌いだろうと。ASA
(マーマイトの写真。こういう使われ方でいいんだ?)
[ASA]ASA裁定
-ASA Ruling on Direct Response Marketing Group Ltd t/a Wellform
20 September 2023
サプリメントの「アンチエイジング」「アルツハイマー」「脳の加齢から守る」「医師が記憶保持方法を発見」などの宣伝が基準違反
-ASA Ruling on Celine SA
20 September 2023
https://www.asa.org.uk/rulings/celine-sa-g23-1195672-celine-sa.html
ファッションブランドCelineの広告のモデルが不健康に痩せているため無責任。企業からモデルのBMIは「健康的」の範囲内だと反論があったが写真のポーズから極端に細いウエストが強調されているため不健康に痩せていると受けとめられるので基準違反。
-ASA Ruling on Maje SAS t/a Maje SAS
20 September 2023
https://www.asa.org.uk/rulings/maje-sas-a23-1202525-maje-sas.html
衣服のモデルが不健康に痩せている
[WHO]初めてのWHO報告書が高血圧の壊滅的影響とそれを止める方法を詳述
First WHO report details devastating impact of hypertension and ways to stop it
19 September 2023
世界では高血圧の人の5人中4人が適切な治療を受けておらず、もし治療が拡大されれば2023年から2050年の間に7600万人の死亡が防げる。
健康的食事、禁煙、運動が血圧を下げるのに役立つ。高血圧は単純な低価格の医薬品でコントロール可能なのに無視され優先されていない。
Global report on hypertension
https://www.who.int/teams/noncommunicable-diseases/hypertension-report
[DHSC]95%の元喫煙者は禁煙して間もなくポジティブな変化をみる
95% of ex-smokers see positive changes soon after quitting
20 September 2023
https://www.gov.uk/government/news/95-of-ex-smokers-see-positive-changes-soon-after-quitting
禁煙の10月が再びやってくる。喫煙者は他の数千人とともに10月1日から禁煙に参加しよう。
論文
-肥満の治療と管理における栄養戦略の有効性:系統的レビュー
The Effectiveness of Nutritional Strategies in the Treatment and Management of Obesity: A Systematic Review
Adeola O L et al., Cureus 15(9): e45518. doi:10.7759/cureus.45518
-南インドからの一連のホメオパシーレメディ関連重症薬物誘発性肝障害
A series of homeopathic remedies-related severe drug-induced liver injury from South India
Theruvath, Arif Hussain et al., Hepatology Communications 7(3):p e0064, March 2023.
2019年1月から2022年2月までの間に記録されたホメオパシーレメディ関連重症薬物誘発性肝障害患者9人の報告
患者の使用していたホメオパシー製品は1つから6つ(中央値3)で全て登録されたホメオパスが処方したもの。使用理由は最も多いのが新型コロナウイルス感染予防。他はアトピー性皮膚炎、アレルギー性喘息、消化不良、関節炎、頭痛、毛が抜ける、腎臓結石等。
ホメオパシーレメディ15検体から抗生物質やステロイドを含む合計156の化合物を同定した
-研究:TikTokでのがんのデマは女性の健康に有害
STUDY: Cancer misinformation on TikTok could be harmful to women’s health
19-SEP-2023
https://www.eurekalert.org/news-releases/1002032
Gynecologic Oncologyに発表されたオハイオ州立大学包括的がんセンターによる研究。女性のがんについてのTikTokの投稿の内容を調査。全体としてTikTokで共有されている情報は質が悪い
-第四波を描く:米国の2010-2021年の多薬物フェンタニル過剰使用死の地理的、時間的、人種/民族及び人口動態的傾向
Charting the fourth wave: Geographic, temporal, race/ethnicity and demographic trends in polysubstance fentanyl overdose deaths in the United States, 2010–2021
Joseph Friedman, Chelsea L. Shover
Addiction
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/add.16318
オープンアクセス
フェンタニルと覚醒剤の両方が関与する過剰使用死の割合が2010年の0.6% (n = 235)から2021年の32.3% (34 429)に増加した。特に2015年以降急増している。
SMC UK
マウスの腸の免疫細胞と食事中乳化剤を調べた研究への専門家の反応
expert reaction to study looking at mouse gut immune cells and dietary emulsifiers
SEPTEMBER 19, 2023
PLOS Biologyに発表された研究がマウスの腸の免疫細胞と食事中乳化剤を調べた
Quadram研究所グループリーダーで科学副主任Nathalie Juge教授
「食品添加物乳化剤摂取によくある有害影響」というものはあるのか?
食品添加物の乳化剤が微生物叢の構成、腸のバリア機能、慢性炎症に影響する可能性があるというin vitroと動物実験の根拠が増加しているが、これらの研究のいくつかはヒトが摂取する量とは違い、ヒトとは異なるin vitro/疾患マウスモデルを使っているという限界があることに注意が必要である。このことについては最近Bancilらがレビューした。ヒトに当てはまるかどうかについては、現在IBDのような慢性炎症患者に対する乳化剤の有害影響について注目されているが質の高い/検出力が十分なヒト試験が必要である。また最近発表された乳化剤とCVDの関連を発見した研究も見た。
これは質の高い研究か?結論はしっかりしたデータによって裏付けられているか?
この研究はマウスモデルでの観察研究で、食品乳化剤は微生物叢のディスバイオシスをおこし粘膜層の有鞭毛細菌の侵入増加につながり低レベルの炎症をおこす。これをもとに微生物叢を標的にした炎症抑制戦略を検討し、実験デザインとアプローチ、データ解析は正統である。著者らはこの研究の限界を承知していてディスカッションで報告している、食品乳化剤や精製フラジェリンで予防接種することで影響されるのはどの有鞭毛細菌なのか、糞便中のフラジェリン濃度で免役される影響の基礎となるメカニズムなどの疑問が残っている。技術的には、この研究で使われたような16rRNA遺伝子配列決定よりもショットガンメタゲノミクスアプローチの方が微生物叢の変化について、構成以上の知見を与える可能性があるだろう。調査/議論されていないことの一つは乳化剤や処置の粘膜構造への直接的影響で、糞便中のフラジェリン濃度の増加は粘膜の有孔性が変化したことの直接的帰結である可能性がある。
この研究は既存の根拠と適合するか?
この仕事は著者らによる乳化剤がマウスの腸内細菌叢を変化させるという一連のマウスでの実験研究の上に行われたものである。そして著者らは先に抗フラジェリン予防接種が腸炎や食餌誘発性の肥満から保護できると報告している。従って同じライン上にある。
著者らは交絡要因を考慮したか?注意すべき重要な限界はあるか?
ディスカッションでヒトにあてはまるかどうかの限界に言及している。「精製フラジェリンを繰り返し注射することは臨床応用できないだろう」と。そして腸内細菌中の有用細菌に影響する可能性のある交差特異性の可能性に関する問題も提示している。
現実世界での意味は?過剰推定はあるか?
実験としては妥当である。解剖学も免疫も生理反応も違うマウスでの実験なのでヒトにあてはまるかどうかはわからない。さらに動物に与えた乳化剤の量(飲料水で1%)はヒトでの摂取量と関連付けるのは困難である。また使用した乳化剤がヒト食用なのか、食品中に存在するのと同じ構造なのかについて記載がない。
プレスリリースの記述についてはタイトル以外に問題はない。タイトルの「加工食品中の乳化剤の有害detrimental影響と戦うために腸の免疫系を訓練する」は読者に加工食品中の乳化剤は有害影響があることがわかっているかのようにほのめかすだろう。
Reading大学栄養と食品科学教授Gunter Kuhnle教授
この研究とプレスリリースは我々が食事から摂取している乳化剤が健康に悪いという想定に基づいている。しかしそのような主張を支持するデータはなく、全てのリスク評価の結果はそれらが安全であることを示している。乳化剤が腸内細菌叢にダメージを与えるという主張の重要な限界は、ほとんどの研究が腸の生態系がヒトとは相当異なる動物で行われたものであることである;例えばマウスは自分の糞を食べ、腸の解剖学的構造は大きく異なる。さらに食事の変更のほとんどは-例えば食物繊維摂取量を増やす-微生物叢の組成を変化させるがそれを簡単にヒト健康影響に翻訳することはできない。
この研究は結果の解釈が非常に困難な多数の方法論的限界をもつ:第一に、使った乳化剤は化学薬品供給業者からのもので食品に使われているものではない。二番目に、飲料水で乳化剤を投与している。食品中では乳化剤は通常食品のマトリクスに埋め込まれているため微生物叢への暴露のしかたは違うだろう。
ヒト用食品については、一部の食品については上限はないものの乳化剤の使用は規制されている。ポリソルベート80については、ある種のスプレッドやマーガリンでの最大許容量は10,000 mg/kg (1%)であるがほとんどの食品では0.5%や0.1%でこの研究より少ない。カルボキシメチルセルロースでの場合は違ってもっと多く使われるが、セルロースの一種なので食物繊維と同様に作用し微生物叢で代謝されたり排泄されたりする。
添加物の健康影響を調べることは重要で、規制担当者はいつでも新しいデータを探している。しかし動物モデルと規制されていない研究の限界を理解することもまた重要である。
Aston大学医学部登録栄養士で上級講師Duane Mellor博士
これは興味深い研究であるものの、研究データを超えて結論を拡大解釈してはならない。この研究はマウスでワクチンの効果をみたもので、細菌タンパク質で予防接種することで炎症性腸疾患リスクを減らすことができるかもしれないと示唆する。炎症性腸疾患が乳化剤と関連する可能性はこの研究の知見を超える。
この研究では化学合成されたメチルセルロースとポリソルベート80だけを調べていて、食品の一部としてではなく飲料水に加えている。乳化剤の中には卵黄レシチンのように天然に食品に含まれるものもあるがレシチンに健康問題と関連するという報告はない。従って全ての乳化剤が健康問題に関連するわけではない。さらにこの研究は超加工食品へのワクチンではない。これはマウスでの実験で、疾患リスクと関連する炎症は動物で部分的に見られるだけでヒト疾患リスクの明確な根拠とはならない。
プレスリリース
Training the gut’s immune system to combat detrimental effects of emulsifiers in processed food
19-SEP-2023
https://www.eurekalert.org/news-releases/1001110
著者はフランスInsermの人。
(英国で、誰も幸福にならないだろう「乳化剤は危険」キャンペーン中)
その他
-如何にして立法者がCOVID患者、入院、死亡を増やすか
How Legislators Accelerate COVID Cases, Hospitalizations, And Deaths
By Henry I. Miller, MS, MD — September 19, 2023
アイダホと米国上院の二つの法案が科学と理論と市民としての責任に逆らう。前者は命を救うmRNAワクチン接種を犯罪とし、後者はマスク義務を禁止する。
(成立はしていないが)
-王立化学会
人工甘味料はさらに多くの否定的報道に直面-しかしそれは不当?
Artificial sweeteners face more bad press – but is it unfair?
BY JULIA ROBINSON19 SEPTEMBER 2023
近年ノンシュガー甘味料が定期的に見出しになるが、ポジティブな理由であることは滅多にない。3月には米国の研究でエリスリトールの血中濃度が多い人は心血管系疾患リスクが高いとされ、6月にはin vivo実験でスクラロースが腸内でDNA傷害物質に変わるとされた。最も最近ではIARCがアスパルテームを「ヒト発がん性の可能性がある」と分類し同時にJECFAがADIを変える理由はないと結論した。しかしアスパルテームの分類やノンシュガー甘味料を巡るメッセージによって多くの人が実際のリスクについて混乱している。
英国栄養財団の栄養科学者Bridget Benelamは甘味料がしばしばニュースの見出しになるため人々が安全性を懸念するのは理解できる、という。しかしメディアが取り上げる単一の研究だけではなく、全体としての健康上の利益と害についての根拠を見ることがいつでも重要である。「我々はリスクとハザードについて上手にコミュニケートしてこなかった」とアストン大学医学部登録栄養士で上級講師のDuane Mellorはいう。
甘味料の問題
市販の全ての甘味料は規制機関によってリスクが評価されている。Reading大学の栄養科学専門家Gunter Kuhnleは甘味料に害があると示唆するデータには限界のある2つの情報源がある、という。一つは大量に与えたり方法に問題があったりする動物実験。もう一つはNutriNet-Santéのような観察研究。観察研究は関連を示すだけで行動などの他の要因と甘味料の影響を分離できない。
長期使用
甘味料の摂取は、特に飲料で、多くの人が砂糖を減らそうとして増加中である。2022年のある研究では、世界的に2007年と2019年の間に砂糖を入れた飲料の販売は12%減少し、非栄養性甘味料のはいった飲料の販売は36%増加した。
しかしながらWHOは5月に減量目的でノンシュガー甘味料の使用を勧めない新しいガイダンスを発表し多くの批判を集めた。砂糖入り飲料をノンシュガー甘味料で置き換えることの役割を支持する根拠はある
英国ではソフトドリンク業界税により砂糖の摂取量を減らそうとしてきた。最近の情報は多くの人をどの助言に従ったらいいか迷わせるだろう。Mellorは、一部の人は甘味料を避けて不健康な砂糖に戻り、一部の人は単に無視して科学を信頼しなくなるだろうという。このことは甘味料についてオープンで誠実な対話が必要なことを強調する。究極的には最も健康的な選択肢は水だけを飲むことだがそれは多くの人にとって現実的ではない。だから砂糖の少ない、でも甘いものを選択できるようにすることは一つの方法である。
健康的な食生活のための道具としての甘味料の使い方についてはより注意深い言葉遣いが必要である。甘味料は、全体として健康的な食生活の中に含めることができる。
-アメリカクラトム協会はFDAのクラトムの適切な規制の失敗が製造物責任訴訟に至ったことについて消費者助言を発表
American Kratom Association Issues Consumer Advisory on FDA’s Failure to Properly Regulate Kratom that Result in Product Liability Lawsuits
7.31.2023
(クラトム製品で死亡者がでたことについてFDAのせいだと主張するクラトム業界)