2023-05-18

[USDA]USDAの科学研究戦略は米国農業の力強い転換を目指す

USDA’s Science & Research Strategy Aims to Boldly Transform U.S. Agriculture

May 15, 2023  Dr. Chavonda Jacobs-Young

https://www.usda.gov/media/blog/2023/05/15/usdas-science-research-strategy-aims-boldly-transform-us-agriculture

先週農務長官Tom Vilsackと私は「USDA科学研究戦略2023-2026;科学的革新を育てる」を発表した。この戦略は米国農業を科学と革新によって転換するための3年計画を反映している。メッセージは明確である:我々の農業と森林システムはよりこれまでになく生産的で、利益が出て、回復力があり、持続可能でなければならない。これらシステムは一部の人だけのためではなく、必要とする全ての人にとって有効でなければならない。

5つの科学的優先課題は

1.革新的技術と実践を加速する

2.気候スマートな解決法を誘導する

3.栄養と健康安全保障を強化

4.回復力のある生態系を育てる

5.研究を行動にうつす

USDA SCIENCE AND RESEARCH STRATEGY, 2023 - 2026:Cultivating Scientific Innovation

https://www.usda.gov/sites/default/files/documents/usda-science-research-strategy.pdf

AI、GM、食料以外の生産も含む多様化、農業由来の温室効果ガス排出量の定量や理解、気候変動への適応、栄養データベース拡充、予測解析、病原体研究、農業のマイクロバイオーム研究、等。

(当然なのだが一貫して科学の話。有機農業信仰のようなユートピア願望は出てこない。アメリカの農業が強いのは当然と思う。)

 

[EPA]Biden-Harris政権は公衆衛生を守り効率と一貫性を向上させるため新規化合物レビュープロセスの改革を提案

Biden-Harris Administration Proposes Reforms to New Chemical Review Process to Protect Public Health, Promote Efficiency and Consistency

May 16, 2023

https://www.epa.gov/newsreleases/biden-harris-administration-proposes-reforms-new-chemical-review-process-protect

提案ではPFASとその他難分解性化合物の低容量及び暴露の例外をとり除いてしっかりした安全性レビューを確実にする

PFAS及び難分解性・生体濃縮性・有害(PBT)化合物は量が少なくても完全安全性レビューの対象

 

[RIVM]RIVMは2023年から超微細粒子を系統的に測定し始める

RIVM to begin systematic measuring of ultrafine particles in 2023

05/17/2023

https://www.rivm.nl/en/news/rivm-to-begin-systematic-measuring-of-ultrafine-particles-in-2023

2023年にRIVMは初めての戸外の空気中の超微細粒子(0.1マイクロメートルより小さい粒子)の系統的測定を行う

 

[ASA]ASA裁定

ASA Ruling on Wild Cosmetics Ltd

17 May 2023

https://www.asa.org.uk/rulings/wild-cosmetics-ltd-a22-1178272-wild-cosmetics-ltd.html

デオドラント製品の宣伝で、他社のほとんどの製品は人体が有害な毒素を排出することを妨げ体臭を悪化させかゆみや発赤などの健康問題を誘発すると主張。またアルミを含む製品は内分泌系に干渉して有害だと主張。これらの主張に根拠はなく広告基準違反。

(他社製品の悪口にも客観的根拠での立証責任)

 

[WHO]出版物

子どもと青少年の肥満予防と管理のためのプライマリーヘルスケアアプローチ:政策概要

A primary health care approach to obesity prevention and management in children and adolescents: policy brief

17 May 2023

https://www.who.int/publications/i/item/9789240072671

肥満を慢性疾患として医療の枠組みで扱うことを推奨

(肥満は個性だという主張とぶつかるけど。医療現場を戦場にしないで欲しい)

 

論文

-ゲノム編集アレルゲンフリー卵の安全性を確認

Confirming the safety of genetically edited allergen-free eggs

16-MAY-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/989405

広島大学とキューピーの研究。Food and Chemical Toxicology に発表されたオボムコイドノックアウト卵。(ひよこの写真。)

 

-二酸化チタン:Eは最初に口から血流に入る

Titanium dioxide: E171 first enters the blood via the mouth

17-MAY-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/989618

INRAEのプレスリリース

経口摂取されたナノ粒子は腸から吸収されて脾臓や肝臓に蓄積するが、他の経路として口腔粘膜を疑って調べた。豚の口でのin vivo試験とヒト培養口腔細胞のin vitro試験でナノ粒子が粘膜細胞を通過できることを確認した。

Food-grade titanium dioxide translocates across the buccal mucosa in pigs and induces genotoxicity in an in vitro model of human oral epithelium

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/17435390.2023.2210664

in vivo試験の豚は5匹。1匹は無処置対照群。実験は超音波処理する/しない二酸化チタン水溶液(50 µg/ml)を200 µl豚の舌下粘膜にカテーテルを装着した注射筒を使って留置を1時間おきに4回繰り返す。希釈されないよう飲食させずに最後の投与から1時間後に屠殺して舌下組織と顎下腺リンパ節を採取して電子顕微鏡で解析。

培養細胞はヒト上皮TR146細胞に二酸化チタン溶液50 µl/mlを1-24時間暴露して洗浄後共焦点顕微鏡および電顕および二次イオン質量分析で解析

(何が何でも二酸化チタンは悪いことにしたいフランスらしい研究。こんな短時間・局所しか見ない実験が「in vivo」?粘膜に接触させたらある程度取り込まれるのは当然で、問題はそれがどのくらいの量・時間なのかとか全身影響をみるのがin vivoなのでは?)

 

その他

-Natureニュース

科学者の大規模調査はCOVID、気候変動その他についてのデマと対抗できるか?

Can giant surveys of scientists fight misinformation on COVID, climate change and more?

17 May 2023 David Adam

https://www.nature.com/articles/d41586-023-01614-9

COVID-19インフォデミックにショックを受け、研究者のコンセンサス見解を集め一般の人々の議論や政策決定を改善しようとする試みが始まっている

今後数週間以内に、約2万人の研究者にCOVID-19はウイルスが原因かを尋ねるメールが届くだろう。答えは明確なので無駄なことだと思われるかもしれないが,問題はそこではない。それは英国Durham大学の科学哲学者Peter Vickersの科学的コンセンサスを評価するためのテストである。彼は根拠に基づいた政策決定をサポートするために、公衆衛生や気候変動などのトピックについての科学的合意の程度を広く調べるツールを作りたい。彼だけではない。COVID-19パンデミック中のデマによる大きな目に見える影響に震撼して何人かの研究者が科学者の考えを調査する努力を始めている。しかしこうしたプロジェクトが公共の議論をさらに政治化するだけになる可能性もある

もちろんコンセンサスは真実とは関係がない。そしてどのくらい広い必要があるのかについての合意もない

(他のプロジェクトについても紹介している長い特集記事)

 

世界トップの化学兵器探偵が新しい研究室を開いた

The world’s top chemical-weapons detectives just opened a brand-new lab

17 May 2023 Davide Castelvecchi

https://www.nature.com/articles/d41586-023-01622-9

最新のセンターはある種の化合物のほぼ全世界での禁止を執行する役に立ち、世界中のアナリストを訓練するだろう

化学兵器禁止機関(OPCW)が5月12日にオランダのハーグ近傍に新しい科学技術センターを開設した。

 

-初のCrispr編集サラダがここに

The First Crispr-Edited Salad Is Here

BY EMILY MULLIN  MAY 16, 2023 

https://www.wired.com/story/wired30-crispr-edited-salad-greens/

新興企業がゲノム編集を使ってマスタードグリーンをより食べやすくした。次は果物

Pairwiseがからし菜の栄養はそのままに刺激的辛さをとり除いた。最初は特定のレストランなどで提供予定