本の紹介

しばらくぶりに本の紹介です。

 

行動栄養学とはなにか?

行動栄養学とはなにか?

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これまで2015年の 「栄養データはこう読む!」

 

2018年の 「データ栄養学のすすめ」

 

も紹介してきました。そして「行動栄養学」です。

内容はこれまで同様「栄養と料理」の連載をもとにしたもので、いろいろな栄養疫学論文を解説しています。

先の二冊から大分時間が経っていますが、その分内容はより洗練されてイラストの細部にまで配慮が行き届いています。

とても内容の濃い、お買い得な本だと思います。

でもなにより面白かったのは帯の「健康の鍵は食べ物よりもその食べ方にあった!」という宣伝文句です。これは私が食品の安全性について話をするときに「「安全な食品」と「安全でない食品」があるのではなく、食品を安全にするのも安全でないものにするのも食べ方次第。」といつも言うのとパラレルです。

データは大事だしより良いデータからはより適切な知見を得ることができます。でもそれを実践するのはまた別の課題。

ここ数年の新型コロナウイルス感染症について、質の高い学術論文をたくさん出している国が必ずしも国民の健康保護という本来の目的においては優れているわけではなかったことと同じように、栄養についても論文で評価される学術としてのレベルと国民全体の健康とは直接結びつかないのは何故だろうとずっと考えています。それが佐々木先生のおっしゃるミッシングリンクなのかもしれません。「パラダイムシフトが求められる」と書かれているので、当然これからもそのために活躍されるものと思います。次の本も期待します。